JP2003075785A - 眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システムおよびその方法 - Google Patents

眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システムおよびその方法

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JP2003075785A JP2002125049A JP2002125049A JP2003075785A JP 2003075785 A JP2003075785 A JP 2003075785A JP 2002125049 A JP2002125049 A JP 2002125049A JP 2002125049 A JP2002125049 A JP 2002125049A JP 2003075785 A JP2003075785 A JP 2003075785A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各人の眼にあった眼鏡・コンタクトレンズの
度数を決定することができる眼鏡・コンタクトレンズ度
数決定システムおよびその方法を得る。 【解決手段】 本発明の眼鏡・コンタクトレンズ度数決
定システム20は、被検査者の眼の状態に関する情報を
入力する入力手段202と、入力手段202により入力
された眼の状態に関する情報に対応して、眼球光学モデ
ルを決定する手段204と、眼球光学モデルを決定する
手段により決定された眼球光学モデルを用いて、被検査
者が眼鏡・コンタクトレンズを装用したときの集光性能
を検証し、レンズ度数を選定するレンズ度数の選定手段
218とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、眼鏡・コンタク
トレンズの度数決定システムおよびその方法に関し、特
に、ネットワーク上で何人も自覚視力測定あるいは眼鏡
・コンタクトレンズの度数決定を行うことができる遠隔
自覚視力測定システムに用いて好適な、眼鏡・コンタク
トレンズの度数決定システムおよびその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の眼鏡レンズを選定する手段とし
て、眼球模型を利用した方法がある。眼球模型として
は、Gullstrandの模型眼、Le-Grandの模型眼がよく知ら
れている。この模型眼は、もっぱら眼鏡レンズの設計と
評価用に用いられてきた。眼鏡レンズの設計の場合は、
眼の光学モデルとして標準的なモデルを一つ準備すれ
ば、標準的な眼の場合のいろいろな度数のレンズを設計
することができる。それで済むのは、ある人の眼の構造
がどうであれ、選べる眼鏡レンズの度数が0.25D毎
に用意されているため、実際に掛けてみれば矯正に適す
る眼鏡レンズは必ず見つかるからである。つまり選択の
自由度があるからである。一方、現在、裸眼視力あるい
は矯正後の視力の測定を行うには、眼科医に行って診療
を受けることによって行われたり、あるいは眼鏡店に用
意されている視力測定機器をもって視力の測定が行われ
ている。近年、例えば、インターネットのようなネット
ワーク上で、仮想的な商店街が形成されているが、この
仮想的な商店街に設けられた眼鏡店舗においてオンライ
ンで裸眼視力及び矯正視力の測定をできるシステムは存
在しない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、各人の眼に
あった眼鏡レンズの度数を唯一決定しようとする場合、
眼球模型のように眼の光学モデルを万人共通と考えたの
では光学計算の誤差が大きく、決定することができな
い。各人の眼の光学モデルを逐一構築することによって
はじめて実現できる。従来の模型眼をそのまま流用する
ことの問題点は、次のようなことがある。 ・従来の模型眼は、欧米人の測定値をもとにしたもので
あり、他の人種、たとえば、日本人の生体眼の実測値に
近い模型を構築しようとする場合には、使うことができ
ない。たとえば、角膜曲率半径の場合、欧米人と比して
日本人のほうが曲率半径は小さい。 ・測定値の平均値から一つのモデルを作成している。文
献によると前房深度は年令に応じて変化するというデー
タや、軽度の近視の場合、眼軸長は近視度と相関がある
というデータがあり、明らかに各人の年令、近視度に応
じた眼球光学モデルを構築する必要がある。 ・水晶体の屈折率は不等質な分布をしているのに平均屈
折率を使用している。水晶体の構造を2重構造にして単
純化しているため、光線追跡結果の誤差が大きい。一
方、医療機関や眼鏡店に行くには、時間や距離等から困
難な場合に、インターネットを介して遠隔的に視力を測
定することができるシステムの実現が待ち望まれてい
る。特に、現在掛けている眼鏡によってあるいはコンタ
クトによっては従来と比較して物が見づらくなってきて
いるような場合、眼鏡やコンタクトの買換えをする必要
性があるかどうかを判断するために、遠隔的に裸眼視力
あるいは矯正後の視力の測定を行うことが出来ると極め
て便利である。それゆえに、この発明の主たる目的は、
各人の眼にあった眼鏡・コンタクトレンズの度数を決定
することができるシステムおよびその方法を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
【0005】請求項1に記載の発明は、被検査者の眼の
状態に関する情報を入力する入力手段と、入力手段によ
り入力された眼の状態に関する情報に対応して、眼球光
学モデルを決定する手段と、眼球光学モデルを決定する
手段により決定された眼球光学モデルを用いて、被検査
者が眼鏡・コンタクトレンズを装用したときの集光性能
を検証し、レンズ度数を選定するレンズ度数の選定手段
とを含む、眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システムで
ある。この場合には、被検査者固有の眼球光学モデルが
構築されて、その眼球光学モデルを用いてレンズ度数の
選定が行われる。これにより、被検査者に最も適した眼
鏡・コンタクトレンズのレンズ度数を選定することが可
能である。
【0006】請求項2に記載の発明は、入力手段が、乱
視軸測定チャートを表示して、乱視軸を測定する手段を
含む、請求項1に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決
定システムである。これにより、被検査者の乱視軸を把
握することが可能である。
【0007】請求項3に記載の発明は、入力手段が、遠
点視力測定チャートを表示して、遠点視力を測定する手
段を含む、請求項1または請求項2に記載の眼鏡・コン
タクトレンズ度数決定システムである。これにより、被
検査者の遠点視力を把握することが可能である。
【0008】請求項4に記載の発明は、入力手段が、近
点距離測定チャートを表示して、近点距離を測定する手
段を含む、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の
眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システムである。これ
により、被検査者の近点距離を把握することが可能であ
る。
【0009】請求項5に記載の発明は、入力手段が、測
定された遠点視力から遠点距離を演算する手段を有す
る、請求項3または請求項4に記載の眼鏡・コンタクト
レンズ度数決定システムである。この場合には、遠点視
力から遠点距離が演算され、その値に基づいて眼球光学
モデルが決定される。これにより、被検査者は、実際に
遠点距離を測ることなく遠点視力を測ることにより被検
査者に最も適した眼鏡・コンタクトレンズのレンズ度数
を選定することが可能である。これは、被検査者が狭い
部屋などにおいて、眼鏡・コンタクトレンズのレンズ度
数を選定する場合において好適である。
【0010】請求項6に記載の発明は、入力手段が、演
算された遠点距離から概算レンズ度数を決定する手段を
有する、請求項5に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数
決定システムである。この場合には、被検査者の年齢、
近点距離および遠点距離を入力することで眼球光学モデ
ルが決定される。これにより、被検査者は年齢、近点距
離および遠点距離を入力することで、被検査者に最も適
した眼鏡・コンタクトレンズのレンズ度数を選定するこ
とが可能である。
【0011】請求項7に記載の発明は、眼球光学モデル
が、水晶体の前面皮質、核質および後面皮質の各層をそ
れぞれ複数のレンズの組合せで模擬する、請求項1ない
し請求項6のいずれかに記載の眼鏡・コンタクトレンズ
度数決定システムである。この場合には、実際の眼球の
構造に類似した構成の眼球光学モデルを構築することが
できる。これにより、さらに被検査者に適した眼鏡・コ
ンタクトレンズのレンズ度数を選定することが可能であ
る。
【0012】請求項8に記載の発明は、眼球光学モデル
が、水晶体を模擬する各レンズの屈折率が、レンズ中心
からの距離にしたがって小さくなる特性を有する、請求
項1ないし請求項7のいずれかに記載の眼鏡・コンタク
トレンズ度数決定システムである。この場合には、さら
に、実際の眼球の構造に類似した構成の眼球光学モデル
を構築することができる。これにより、さらに被検査者
に適した眼鏡・コンタクトレンズのレンズ度数を選定す
ることが可能である。
【0013】請求項9に記載の発明は、眼球光学モデル
が、水晶体を模擬する各レンズの屈折率が、レンズ中心
の屈折率−(レンズ中心からの直線距離の自乗値/屈折
率分布係数)で表される屈折率の分布特性を有する、請
求項8に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システ
ムである。この場合にも、さらに、実際の眼球の構造に
類似した構成の眼球光学モデルを構築することができ
る。これにより、さらに被検査者に適した眼鏡・コンタ
クトレンズのレンズ度数を選定することが可能である。
【0014】請求項10に記載の発明は、水晶体を模擬
する各レンズの屈折率分布係数は、水晶体を模擬する複
数のレンズの光軸方向中心から光軸方向への距離にした
がって小さくなる、請求項7ないし請求項9のいずれか
に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システムであ
る。この場合にも、さらに、実際の眼球の特性に類似し
た構成の眼球光学モデルを構築することができる。これ
により、さらに被検査者に適した眼鏡・コンタクトレン
ズのレンズ度数を選定することが可能である。
【0015】請求項11に記載の発明は、眼球光学モデ
ルが、水晶体を模擬する各レンズの単位長さ当たりの調
節力の配分を記述したパワー配分係数を用いて光学諸元
を演算する、請求項7ないし請求項10のいずれかに記
載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システムである。
この場合にも、さらに、実際の眼球の調節力を考慮した
眼球光学モデルを構築することができる。これにより、
さらに被検査者に適した眼鏡・コンタクトレンズのレン
ズ度数を選定することが可能である。
【0016】請求項12に記載の発明は、眼球光学モデ
ルを決定する手段が、被検査者の年令、概算レンズ度数
等の眼の情報に基づきスタート眼球光学モデルを決定す
る、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の眼鏡
・コンタクトレンズ度数決定システムである。この場合
には、被検査者の年令、概算レンズ度数等の情報に基づ
いて、眼球光学モデルが選定され、被検査者に最も適し
た眼鏡・コンタクトレンズのレンズ度数が選定される。
これにより、被検査者は年令と、概算レンズ度数等を算
出するために必要な情報を入力するだけで、被検査者に
最も適した眼鏡・コンタクトレンズのレンズ度数を選定
することが可能である。
【0017】請求項13に記載の発明は、眼球光学モデ
ルを決定する手段が、入力された被検査者の近点距離か
ら遠点距離までの間の任意の調節点において、眼球光学
モデルの妥当性を検証する手段を有する、請求項1ない
し請求項12のいずれかに記載の眼鏡・コンタクトレン
ズ度数決定システムである。この場合には、さらに綿密
に被検査者の眼球を模擬した眼球光学モデルを決定す
る。これにより、さらに被検査者に適した眼鏡・コンタ
クトレンズのレンズ度数を選定することが可能である。
【0018】請求項14に記載の発明は、入力された被
検査者の近点距離と遠点距離との間の任意の調節点は、
被検査者の近点距離と遠点距離とから算出された調節中
点を含む、請求項13に記載の眼鏡・コンタクトレンズ
度数決定システムである。これにより、調節力をそれぞ
れ緊張側または弛緩側に等分配分することができる
【0019】請求項15に記載の発明は、眼球光学モデ
ルを決定する手段が、曲率半径と非球面の離心率とをパ
ラメータとして自動収差補正処理を行う、請求項13ま
たは請求項14に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決
定システムである。この場合には、自動収差補正処理が
短い時間で行なわれる。これにより、迅速に被検査者に
最も適した眼鏡・コンタクトレンズのレンズ度数を選定
することが可能である。
【0020】請求項16に記載の発明は、眼球光学モデ
ルを決定する手段が、近点側および/または遠点側にお
ける調節限界において、眼球光学モデルの妥当性を検証
する手段を含む、請求項1ないし請求項15のいずれか
に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システムであ
る。これにより、さらに被検査者に適した眼鏡・コンタ
クトレンズのレンズ度数を選定することが可能である。
【0021】請求項17に記載の発明は、眼球光学モデ
ルを決定する手段が、決定した眼球光学モデルのイメー
ジを表示する、請求項1ないし請求項16のいずれかに
記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システムであ
る。これにより、被検査者は自分の眼球光学モデルがど
のように決定されたのかを閲覧することが可能である。
【0022】請求項18に記載の発明は、レンズ度数の
選定手段が、使用用途に応じて定めた単数または複数の
距離における集光性能を検証する機能を有する、請求項
1ないし請求項17のいずれかに記載の眼鏡・コンタク
トレンズ度数決定システムである。この場合には、実際
の使用用途に応じた3つの距離に集光性能が算出され
る。これにより、選定したレンズが使用用途に適した物
なのか被検査者が容易に判断することが可能となる。
【0023】請求項19に記載の発明は、レンズ度数の
選定手段が、裸眼状態の眼球光学モデルの集光状態を比
較検証する機能を有する、請求項1ないし請求項18の
いずれかに記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定シス
テムである。この場合には、裸眼状態と矯正後の状態に
おける集光状態が比較検証することで、眼鏡やコンタク
トレンズを装用したときにどのような変化が生ずるかが
明確となる。これにより、さらに的確なレンズの選定を
正確に行うことができる。
【0024】請求項20に記載の発明は、レンズ度数の
選定手段が、眼球光学モデルによる視認映像のぼけ度合
いを示す鮮鋭度スコアを演算する手段を含む、請求項1
ないし請求項19のいずれかに記載の眼鏡・コンタクト
レンズ度数決定システムである。この場合には、裸眼状
態と矯正後の状態における集光状態が比較検証すること
で、どのような変化があったのか明確となる。これによ
り、さらに的確なレンズの選定を正確に行うことができ
る。
【0025】請求項21に記載の発明は、レンズ度数の
選定手段が、眼球光学モデルの模擬視認映像を提示する
手段を含む、請求項1ないし請求項20のいずれかに記
載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システムである。
この場合には、被検査者が視認する映像のぼけ度合いを
直接画面上で視認して確認することができる。これによ
り、被検査者は容易にレンズの選定を行うことができ
る。
【0026】請求項22に記載の発明は、被検査者の眼
の状態に関する情報を収集するステップと、収集ステッ
プで収集された眼の状態に関する情報に対応して、眼球
光学モデルを決定するステップと、眼球光学モデルを決
定するステップにより決定された眼球光学モデルを用い
て、被検査者が眼鏡・コンタクトレンズを装用したとき
の集光性能を検証し、レンズ度数を選定するステップと
を含む、眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方法である。
この場合には、被検査者固有の眼球光学モデルが構築さ
れて、その眼球光学モデルを用いてレンズ度数の選定が
行われる。これにより、被検査者に最も適した眼鏡・コ
ンタクトレンズのレンズ度数を選定することが可能であ
る。
【0027】請求項23に記載の発明は、収集するステ
ップが、乱視軸測定チャートを表示して、乱視軸を測定
するステップを含む、請求項22に記載の眼鏡・コンタ
クトレンズ度数決定方法である。これにより、被検査者
の乱視軸を把握することが可能である。
【0028】請求項24に記載の発明は、収集するステ
ップが、遠点視力測定チャートを表示して、遠点視力を
測定するステップを含む、請求項22または請求項23
に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方法である。
これにより、被検査者の遠点視力を把握することが可能
である。
【0029】請求項25に記載の発明は、収集するステ
ップが、近点距離測定チャートを表示して、近点距離を
測定するステップを含む、請求項22ないし請求項24
のいずれかに記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方
法である。これにより、被検査者の近点距離を把握する
ことが可能である。
【0030】請求項26に記載の発明は、収集するステ
ップが、測定された遠点視力から遠点距離を演算するス
テップを有する、請求項24または請求項25に記載の
眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方法である。これによ
り、被検査者は、実際に遠点距離を測ることなく遠点視
力を測ることにより被検査者に最も適した眼鏡・コンタ
クトレンズのレンズ度数を選定することが可能である。
これは、被検査者が狭い部屋などにおいて、眼鏡・コン
タクトレンズのレンズ度数を選定する場合において好適
である。
【0031】請求項27に記載の発明は、収集するステ
ップが、演算された遠点距離から概算レンズ度数を決定
するステップを有する、請求項26に記載の眼鏡・コン
タクトレンズ度数決定方法である。この場合には、被検
査者の年齢、近点距離および遠点距離を入力することで
眼球光学モデルが決定される。これにより、被検査者は
年齢、近点距離および遠点距離を入力することで、被検
査者に最も適した眼鏡・コンタクトレンズのレンズ度数
を選定することが可能である。
【0032】請求項28に記載の発明は、眼球光学モデ
ルが、水晶体の前面皮質、核質および後面皮質の各層を
それぞれ複数のレンズの組合せで模擬する、請求項22
ないし請求項27のいずれかに記載の眼鏡・コンタクト
レンズ度数決定方法である。この場合には、実際の眼球
の構造に類似した構成の眼球光学モデルを構築すること
ができる。これにより、さらに被検査者に適した眼鏡・
コンタクトレンズのレンズ度数を選定することが可能で
ある。
【0033】請求項29に記載の発明は、眼球光学モデ
ルが、水晶体を模擬する各レンズの屈折率が、レンズ中
心からの距離にしたがって小さくなる特性を有する、請
求項22ないし請求項28のいずれかに記載の眼鏡・コ
ンタクトレンズ度数決定方法である。この場合には、さ
らに、実際の眼球の構造に類似した構成の眼球光学モデ
ルを構築することができる。これにより、さらに被検査
者に適した眼鏡・コンタクトレンズのレンズ度数を選定
することが可能である。
【0034】請求項30に記載の発明は、眼球光学モデ
ルは、水晶体を模擬する各レンズの屈折率が、レンズ中
心の屈折率−(レンズ中心からの直線距離の自乗値/屈
折率分布係数)で表される屈折率の分布特性を有する、
請求項29に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方
法である。この場合にも、さらに、実際の眼球の構造に
類似した構成の眼球光学モデルを構築することができ
る。これにより、さらに被検査者に適した眼鏡・コンタ
クトレンズのレンズ度数を選定することが可能である。
【0035】請求項31に記載の発明は、水晶体を模擬
する各レンズの屈折率分布係数が、水晶体を模擬する複
数のレンズの光軸方向中心から光軸方向への距離にした
がって小さくなる、請求項28ないし請求項30のいず
れかに記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方法であ
る。この場合にも、さらに、実際の眼球の特性に類似し
た構成の眼球光学モデルを構築することができる。これ
により、さらに被検査者に適した眼鏡・コンタクトレン
ズのレンズ度数を選定することが可能である。
【0036】請求項32に記載の発明は、眼球光学モデ
ルは、水晶体を模擬する各レンズの単位長さ当たりの調
節力の配分を記述したパワー配分係数を用いて光学諸元
を演算する、請求項28ないし請求項31のいずれかに
記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方法である。こ
の場合にも、さらに、実際の眼球の調節力を考慮した眼
球光学モデルを構築することができる。これにより、さ
らに被検査者に適した眼鏡・コンタクトレンズのレンズ
度数を選定することが可能である。
【0037】請求項33に記載の発明は、眼球光学モデ
ルを決定するステップが、被検査者の年令、概算レンズ
度数等の眼の情報に基づきスタート眼球光学モデルを決
定する、請求項22ないし請求項32のいずれかに記載
の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方法である。この場
合には、被検査者の年令、概算レンズ度数等の情報に基
づいて、眼球光学モデルが選定され、被検査者に最も適
した眼鏡・コンタクトレンズのレンズ度数が選定され
る。これにより、被検査者は年令と、概算レンズ度数等
を算出するために必要な情報を入力するだけで、被検査
者に最も適した眼鏡・コンタクトレンズのレンズ度数を
選定することが可能である。
【0038】請求項34に記載の発明は、眼球光学モデ
ルを決定するステップが、入力された被検査者の近点距
離から遠点距離までの間の任意の調節点において、眼球
光学モデルの妥当性を検証するステップを有する、請求
項22ないし請求項33のいずれかに記載の眼鏡・コン
タクトレンズ度数決定方法である。この場合には、さら
に綿密に被検査者の眼球を模擬した眼球光学モデルを決
定する。これにより、さらに被検査者に適した眼鏡・コ
ンタクトレンズのレンズ度数を選定することが可能であ
る。
【0039】請求項35に記載の発明は、入力された被
検査者の近点距離と遠点距離との間の任意の調節点は、
被検査者の近点距離と遠点距離とから算出された調節中
点を含む、請求項34に記載の眼鏡・コンタクトレンズ
度数決定方法である。これにより、調節力をそれぞれ緊
張側または弛緩側に等分配分することができる。
【0040】請求項36に記載の発明は、眼球光学モデ
ルを決定するステップが、曲率半径と非球面の離心率と
をパラメータとして自動収差補正処理を行う、請求項3
4または請求項35に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度
数決定方法である。この場合には、自動収差補正処理が
短い時間で行なわれる。これにより、迅速に被検査者に
最も適した眼鏡・コンタクトレンズのレンズ度数を選定
することが可能である。
【0041】請求項37に記載の発明は、眼球光学モデ
ルを決定するステップが、近点側および/または遠点側
における調節限界において、眼球光学モデルの妥当性を
検証するステップを含む、請求項22ないし請求項36
のいずれかに記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方
法である。これにより、さらに被検査者に適した眼鏡・
コンタクトレンズのレンズ度数を選定することが可能で
ある。
【0042】請求項38に記載の発明は、眼球光学モデ
ルを決定するステップが、決定した眼球光学モデルのイ
メージを表示する、請求項22ないし請求項37のいず
れかに記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方法であ
るこれにより、被検査者は自分の眼球光学モデルがどの
ように決定されたのかを閲覧することが可能である。
【0043】請求項39に記載の発明は、レンズ度数の
選定するステップが、使用用途に応じて定めた単数また
は複数の距離における集光性能を検証するステップを有
する、請求項22ないし請求項38のいずれかに記載の
眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方法である。この場合
には、実際の使用用途に応じた3つの距離に集光性能が
算出される。これにより、選定したレンズが使用用途に
適した物なのか被検査者が容易に判断することが可能と
なる。
【0044】請求項40に記載の発明は、レンズ度数の
選定するステップが、裸眼状態の眼球光学モデルの集光
状態を比較検証するステップを有する、請求項22ない
し請求項39のいずれかに記載の眼鏡・コンタクトレン
ズ度数決定方法である。この場合には、裸眼状態と矯正
後の状態における集光状態が比較検証することで、眼鏡
やコンタクトレンズを装用したときに、どのような変化
が生ずるのか明確となる。これにより、さらに的確なレ
ンズの選定を正確に行うことができる。
【0045】請求項41に記載の発明は、レンズ度数の
選定するステップが、眼球光学モデルによる視認映像の
ぼけ度合いを示す鮮鋭度スコアを演算するステップを含
む、請求項22ないし請求項40のいずれかに記載の眼
鏡・コンタクトレンズ度数決定方法である。この場合に
は、裸眼状態と矯正後の状態における集光状態が比較検
証することで、どのような変化があったのか明確とな
る。これにより、さらに的確なレンズの選定を正確に行
うことができる。
【0046】請求項42に記載の発明は、レンズ度数の
選定するステップが、眼球光学モデルの模擬視認映像を
提示するステップを含む、請求項22ないし請求項41
のいずれかに記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方
法である。この場合には、被検査者が視認する映像のぼ
け度合いを直接画面上で視認して確認することができ
る。これにより、被検査者は容易にレンズの選定を行う
ことができる。
【0047】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施
の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0048】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施形態に
おける眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システムを適用
した眼鏡・コンタクトレンズ度数決定サーバを備えた遠
隔自覚視力測定システムの構成例を示す図である。図1
に示すように、この遠隔自覚視力測定システム10は、
利用者クライアント1、電子サービスセンタ2のハード
ウェアから構成される。これらはネットワークで物理的
に接続されている。なお、以下の説明では、利用者クラ
イアント1、電子サービスセンタ2を接続するネットワ
ークがインターネットであるものとして説明を行う。こ
の遠隔自覚視力測定システム10は、利用者クライアン
ト1から入力された年齢や装用条件と、近視、遠視およ
び乱視の度等の視力測定データに基づいて、被検査者固
有の眼球光学モデルを構築し、被検査者に最適な度数を
決定できるシステムであって、電子サービスセンタ2を
備える。
【0049】電子サービスセンタ2は、眼鏡・コンタク
トレンズ度数決定サーバ20を備え、入力手段202、
眼球光学モデル決定手段204、モデル妥当性検証手段
206、眼球光学諸元調節範囲確定手段208、眼球光
学モデルイメージ生成手段210、眼球光学モデル集光
性能検証手段212、視認映像生成手段214、鮮鋭度
スコア生成手段216、レンズ度数選定手段218、出
力手段220、利用者情報管理手段230およびデータ
ベース管理手段232を備え、さらに、WWW(World
Wide Web)サーバ30を備える。具体的には、パーソナ
ルコンピュータ、ワークステーション、サーバ等を含む
情報処理機器をもって構成されている。データベース管
理手段232によって管理されるデータベースは、磁気
ディスク装置、光ディスク装置等の記憶装置内に格納さ
れる。そして、電子サービスセンタ2は、広域コンピュ
ータネットワーク(インターネット)を介して、利用者
クライアント1と接続される。
【0050】WWWサーバ30は、利用者クライアント
1が電子サービスセンタ2のデータベース管理手段23
2等にアクセスするためのインターフェイスとして用い
られる、ホームページを提供する。また、WWWサーバ
30は、データベース管理手段232が管理するデータ
ベースに対して登録・閲覧要求等を行う権限を有する利
用者であるかどうか等をパスワード・識別子(ID)で
認証する、利用者認証手段(図示しない)を有する。
【0051】レンズ度数選定手段218は、被検査者が
眼鏡・コンタクトレンズを装用したときの光学性能を検
証し、レンズ度数を選定する。
【0052】入力手段202は、被検査者の装用条件、
年令、近点距離、遠点距離等の被検査者の目の情報を入
力することができるように構成されている。また、入力
手段202は、乱視軸測定チャートを表示して乱視軸を
測定する乱視軸測定手段と、遠点視力を測定する遠点視
力測定チャートを表示して遠点距離を測定する遠点視力
測定手段と、近点距離測定チャートを表示して近点距離
を測定する近点距離測定手段と、遠点視力から遠点距離
を算出する遠点距離算出手段と、遠点距離などから概算
レンズ度数を決定する手段を有する。
【0053】眼球光学モデル決定手段204は、被検査
者の年令、概算レンズ度数等の眼の情報に基づきスター
ト眼球光学モデルを決定することができるように構成さ
れている。そして、眼球光学モデル決定手段204は、
被検査者の近点距離と遠点距離とから算出された調節中
点における被検査者の眼球における集光状態が最適とな
るような眼球の光学諸元によって眼球光学モデルを決定
するように構成されている。なお、この実施形態におい
ては、被検査者の眼球の調節力を緊張側または弛緩側に
等分に配分することにより、眼球が限界まで緊張または
限界まで弛緩した状態を構築できることから、調節中点
における眼球光学モデルを決定するように構成した。
【0054】以下、本実施形態において構築する眼球光
学モデルについて説明を行う。眼球光学モデルとは、図
2に示すような人の眼球と眼鏡・コンタクトレンズなど
のレンズとを、図3に示すような複数のレンズから光学
系数値モデルとして構築したものである。眼球光学モデ
ルは、図3に示すように、眼球の光線屈折要素たる、角
膜、前房、水晶体、硝子体と、光学評価面たる網膜とか
ら構成される。これらの要素について以下の光学諸元に
基づいて、眼球光学モデルが構築される。 眼鏡・コンタクトレンズ:レンズ前面の曲率半径R1、
厚み、屈折率、レンズ後面の曲率半径R2 角膜:前面の曲率半径R3、厚み、屈折率、後面の曲率
半径R4 前房:厚み、屈折率 水晶体:前面皮質の曲率半径(6層のレンズにより前面
皮質を模擬し、それぞれのレンズの境界面の曲率半径R
5、R6、R7、R8、R9、R10、R11)および厚
み、核質の曲率半径(8層のレンズにより核質を模擬
し、それぞれのレンズの境界面の曲率半径R11、R1
2、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R1
9)および厚み、後面皮質の曲率半径(6層のレンズに
より後面皮質を模擬し、それぞれのレンズの境界面の曲
率半径R19、R20、R21、R22、R23、R24、R
25)および厚み、そしてそれぞれ屈折率 硝子体:屈折率、厚み 網膜:曲率半径R26 なお、上述した光学諸元は各個人の年齢や眼球の調節能
力により異なるが、この実施形態においては、日本人を
対象とした生体計測データの値と文献データの値とを基
準に標準パターンとして光学眼球光学モデルをあらかじ
め構築している。
【0055】以下は眼球光学モデルを構築するのに適用
可能な文献データの一例である。 (i)前房深度について 日本眼科学会誌 第62巻11号(1958)相沢克夫
「前房深度に関する研究」によれば、前房深度と年令と
の関係において、 08〜15歳 3.66mm 16〜30歳 3.71 31〜51歳 3.51 51〜77歳 3.18 のような変化がある。すなわち前房深度は弱年期より身
体の発育に平行して次第にその深度を増し、成年期にお
いて最も深くなり、その後は身体の退化現象と一致して
順次浅くなって行く傾向があると述べている。 (ii)眼軸長について 日本眼科学会誌 第63巻7号(1959)佐藤勉他
「近視の本態に関する研究その1」によれば、軽度の近
視の場合、眼軸長は近視度が強くなると共に次第に値を
増し、両者の間に見事な相関があることを示していると
述べている。 (iii)水晶体の重量について 書名 The eye,出版者 New York ; London : Academic
Press,著者標目 Davson, Hugh, 1909-,Graham, L.
T., Jr.によれば、水晶体の重量は、 20〜39歳 174mg 40〜59歳 204mg 80〜99歳 266mg のように加齢と共に増加の一途をたどることが述べられ
ている。 (iv)水晶体厚径について 新臨床眼科全書3A 市川宏ほか編 金原出版 1993
によれば、水晶体厚径は、年令と共に増加すると述べて
いる。
【0056】上述した文献の値および生体計測データの
値を適用して予め構築した眼球光学モデルは、スタート
眼球光学モデルとして用いられる。スタート眼球光学モ
デルは、年令および概算レンズ度数が同じ値である場合
に大体共通した眼球の特性を有することに着目して、全
ての年齢および概算レンズ度数の組合せについて、スタ
ート眼球モデルを構築するのではなく、縦軸に年令区
分、横軸に概算レンズ度数区分を設け、それぞれの区分
の中央値における眼球光学モデルをあらかじめ構築す
る。縦軸をM区分、横軸をN区分とするとM×N個のス
タート眼球光学モデルが構築される。すなわち、縦軸を
年齢区分(たとえば20才までは5歳きざみ、20才以
上は6歳刻みや10歳刻みなど)、横軸を概算レンズ度
数(たとえば1.0D刻み)とした表において、各区分
の中央値の組合せ(たとえば35歳で必要補正量が−
2.5Dのレンズ度数)におけるスタート眼球光学モデ
ルをあらかじめ構築する。以下、本実施形態において構
築したスタート眼球モデルの光学諸元の幾つかの値を例
示する。
【0057】表1は、年齢と概算レンズ度数との相関性
から適用した前房深度の値である。
【0058】
【表1】
【0059】表2は、年齢と概算レンズ度数との相関性
から適用した眼軸長の値である。
【0060】
【表2】
【0061】なお、60歳以上になると眼球の形状に大
きな変化が現れないため、年齢区分「55(50〜5
9)」と同じ値を使用するように、この実施形態におい
ては構成した。
【0062】また、この実施形態においては、上述した
文献データ等に内容に基づいて、眼球光学モデル決定手
段により構築する水晶体各層のレンズについて、次のよ
うなパラメータを導入した。以下、眼球光学モデルの水
晶体に対応する光学諸元について導入したパラメータに
ついて説明を行う。
【0063】眼球光学モデル構築手段により構築される
水晶体各層のレンズの非球面は、次式で表されるように
決定する。
【0064】
【式1】
【0065】式1において、Rは基準球面半径、Cは1
/R、Kは離心率である。ただし非球面係数である
4,A6,A8・・・は第1項により十分にレンズの形
状が表されるので、すべて0として値をとる。
【0066】また、水晶体を模擬する各レンズは、部位
により屈折率が異なる不均質な屈折率の分布を有するも
のとして構成する。なお、図4に示すように、各レンズ
のレンズ中心から光軸に直交する方向に距離rだけ離れ
た位置における屈折率nrは、次式により表される。
【0067】
【式2】
【0068】ただし、式2において、nr0はレンズ中心
における屈折率、Δn(r)はレンズ中心からの距離に
応じて減ずる屈折率の量であり、Δn(r)は、次式に
より表される。
【0069】
【式3】
【0070】ただし、式3において、Ksは屈折率分布
係数であり、この値によりレンズの屈折率分布の不均質
の度合いを表す。この係数の値は、上述した文献データ
等に基づいて各レンズ毎に定められるが、水晶体の中心
部ほど屈折率が高いことに着目して、表3に示すよう
に、水晶体を模擬する複数のレンズの光軸方向の中心部
に近いレンズほど、高い値を有するように構成した。
【0071】
【表3】
【0072】以上より、たとえば屈折率分布係数Ks
値が200であるレンズのレンズ中心における屈折率n
r0が1.410である場合には、レンズ中心より1.0
mm離れた部分での屈折率は1.405となり、1.5
mm離れた場合には1.399となる。
【0073】さらに、眼球光学モデル構築手段は、眼球
が緊張または弛緩することにより、屈折力を調節するよ
うに、水晶体を模擬する各レンズの単位長さ当たりの調
節力の配分を記述したパワー配分係数αを用いて光学諸
元を演算して、水晶体が弛緩、緊張した状態を模擬する
ように光学諸元を決定する。この実施形態において、パ
ワー配分係数αを用いて各レンズの光学諸元を変化させ
る値は、屈折率分布係数Ksと非球面係数Kと曲率半径
Rとした。以下、それについて例をもって説明する。
【0074】調節中位点における眼球光学モデルの光学
諸元が決定されている場合には、調節中点から−aD側
(近点距離)、または+aD側(遠点距離)だけ調節を
行えるとする。なお、ここでいうDとは、ディオプトリ
のことであり、この値は、レンズの基準点から焦点まで
の距離(単位はメートル)の逆数で表されるものであ
る。このとき、弛緩側にbD分だけ調節を行った場合に
は、眼球光学モデルの水晶体のレンズの諸元は、パワー
配分係数αを使用して、調節中点での屈折率分布係数K
S、非球面係数Kおよび曲率半径Rの値を(1+α×b
/a)倍することにより弛緩した状態の眼球を模擬する
眼球光学モデルが決定される。反対に、緊張側にbD分
だけ調節を行った場合には、調節中点での光学諸元の値
を(1−α×b/a)倍することにより緊張した状態の
眼球を模擬する眼球光学モデルが決定される。このよう
に、スタート眼球光学モデルは、調節力に応じて水晶体
の上記光学諸元を変化させることにより、任意の弛緩ま
たは緊張の度合いを表す眼球光学モデルで構築されてい
る。
【0075】ここで一例を示すと、被検査者の近点距離
でのレンズ度数を−10.2Dで、遠点距離が−0.2
Dである場合、調節中位点でのレンズ度数は−5.02
Dとなる。ここで調節中点における各レンズの屈折率分
布係数KSが表4の左から2つ目の欄に示されている値
の場合には、各レンズのαの値と調節量の値から、弛緩
側および緊張側の屈折率分布係数KSは、表4に示すよ
うな値となる。
【0076】
【表4】
【0077】また、非球面係数Kについても、表5に示
すような値となる。
【0078】
【表5】
【0079】基準球面半径Rについては、表6に示すよ
うな値となる。
【0080】
【表6】
【0081】なお、この実施形態においてパワー配分係
数αは、日本人を対象とした生体計測データの値や文献
データの値など基にして求められている。
【0082】モデル妥当性検証手段206は、中点と、
近点側および遠点側における調節限界において、眼球光
学モデルの妥当性を検証する。
【0083】眼球光学諸元調節範囲確定手段208は、
調節中点における眼球の調節範囲を確定するように構成
され、さらに、調節中点における眼球の調節範囲を確定
した眼球光学モデルのイメージを表示するように構成さ
れている。
【0084】さらに、眼球光学モデル集光性能検証手段
212は、使用用途に応じて定めた3つの距離における
眼球光学モデルの集光状態を検証する。なお、使用用途
に応じて定めた3つの距離として、例えば、読書やデス
クワークを想定した0.3m(近距離)、パソコンの作
業などを想定した0.5〜0.6m(中間距離)、車の
運転を想定した5m(遠距離)である。また、眼球光学
モデル集光性能検証手段212は、裸眼状態の眼球光学
モデルの集光状態を比較検証する機能を有する。
【0085】視認映像生成手段214は、眼鏡・コンタ
クトレンズにより矯正をする前および/または矯正をし
た後における、被検査者の視認映像を生成する。
【0086】鮮鋭度スコア生成手段216は、眼鏡・コ
ンタクトレンズによる矯正をする前および/または矯正
をした後における、被検査者の視認の鮮鋭度スコアを導
き出す。
【0087】利用者クライアント1は、利用者により視
力測定を申し込む際に利用される端末であり、例えばパ
ーソナルコンピュータにより実現される。
【0088】利用者クライアント1は、利用者であるユ
ーザとの間のインターフェイスとなる入出力装置であ
り、具体的には、キーボード、マウスなどの入力装置、
並びに、ディスプレイなどの出力装置によって実現され
る。この利用者クライアント1は、電子サービスセンタ
2のWWWサーバ30と各種のデータのやり取りを行う
インターフェイスとしてWWWブラウザ等のアクセス手
段を有する。この利用者クライアント1が、パーソナル
コンピュータである場合には、WWWブラウザは、その
メモリに格納されるプログラムとして実現される。
【0089】以下、このシステムをインターネット(広
域コンピュータネットワーク)等のネットワーク上にお
いて、ホームページ等を利用して実現する場合について
説明する。
【0090】まず、電子サービスセンタ2は、WWWサ
ーバ30により、インターネット上にホームページを立
ち上げる。利用者は、広域コンピュータネットワークに
接続された利用者クライアント1のWWWブラウザ等の
アクセス手段により、電子サービスセンタ2のホームペ
ージをインターフェイスとする利用者情報管理手段23
0にアクセスし、視力測定を要求する。電子サービスセ
ンタ2は、WWWサーバ30が有する利用者認証手段に
よって、利用者のパスワードおよび/又は利用者識別子
(ID)の利用者認証情報により、利用者が正規に登録
された会員であることを認証した上で、電子サービスセ
ンタ2の利用者情報管理手段230は、利用者より広域
コンピュータネットワークを介して登録が要求されて送
信された情報を利用者情報データベースに書き込み管理
する。
【0091】この時、利用者が初めて視力測定システム
を利用する者であることが判明した場合は、住所、氏
名、生年月日、電話番号等の基本属性、目の調子(手元
が見えにくい)、眼鏡に対する要望等のデータの入力を
要求する、基本属性等入力画面を利用者クライアント1
に送信し利用者クライアント1によって利用者は必要な
事項を入力し電子サービスセンタ2に送信する。更に、
利用者は、パスワードおよび利用者会員識別子(ID)
等の登録も行い、利用者情報管理手段230はかかる利
用者からの情報を広域コンピュータネットワークを介し
て利用者情報データベースに書き込み管理する。
【0092】電子サービスセンタ2においてデータベー
ス管理手段232が管理する各データベースの構造は、
次のとおりである。利用者情報データベースには、利用
者を特定する情報として、利用者コード、利用者識別子
(ID)、利用者パスワード、住所、氏名、生年月日、
電話番号等の基本属性等を含む、利用者情報が格納され
記憶される。これらの利用者情報は、利用者情報管理手
段230により利用者クライアント1に送信される利用
者情報登録画面に入力されたデータに利用者コードが付
与されて登録されるものである。なお、全項目について
必ずしもデータが登録されていなくてもよい。利用者情
報識別子(ID)およびパスワードは、オフラインで入
手した利用者情報に基づいて、サービスセンタにおいて
決定してもよく、また利用者からの最初のアクセス時に
自動的に付与されるようにしても良い。
【0093】視力を測定するための基準データベースに
は、利用者毎に、使用目的、近点距離、遠点距離、年
令、前度数、前度数での両眼視力、前度数での左右バラ
ンス、前メガネの使用年数、コンタクトの種類(併用の
場合)、希望矯正視力、視力に関係する病気の有無など
のデータが格納され記憶される。
【0094】視力測定データベースには、裸眼視力、矯
正視力、瞳孔間距離、遠用矯正度数、近用矯正度数、測
定日付、度数決定者などのデータが格納され記憶され
る。視力表データベースには、度数とランドルト環との
関係を示すデータが格納され記憶される。
【0095】近視情報データベースには、近視の度、近
視度と視力の関係、近視の種類(度数)、治療法が登録
されて管理される。なお、近視とは、眼が調節を全く行
っていない時に眼に入った平行光線が網膜の前方の一点
に像を結ぶ眼(遠点が眼前有限)である。 近視の度は遠点距離の逆数をもって表す(例えば、遠点
距離=50cm 1/0.5=2Dの如くである。) 近視度と視力の関係は、表7の通りである。
【0096】
【表7】
【0097】近視の種類(度数)は、次の通りである。 軽度近視(−4D)、中等度近視(−4D乃至−7
D)、強度近視(−7D乃至−10D)、最強度近視
(−10D以上) 近視の治療法として適度の凹レンズを装用する。
【0098】遠視情報データベースには、遠視の度、遠
視の種類、遠視の治療法が登録されて管理される。な
お、遠視とは眼が調節を全く行っていない時に、眼に入
った平行光線が網膜の後方の一点に像を結ぶ眼(遠点が
眼後有限)である。遠視の種類は、例えばその度数で表
すが次の通りである。 軽度遠視(+4D)、中等度遠視(+4D乃至+7
D)、強度遠視(+7D) 遠視の治療として適度の凸レンズを装用する。
【0099】乱視情報データベースには、乱視の度、乱
視の種類、治療法が登録されて管理される。なお、乱視
とは、眼が調節を全く行っていない時に、眼に入った平
行光線が一点に結像しないことである。乱視の種類は、
次の通りである。 正乱視(屈折面の不均整が対称的) 不正乱視(同じ経線の中で変曲度が異なり、結像しな
い) 乱視の治療としては、次の通りである。 単性乱視(適度の円柱レンズを装用) 複性乱視(円柱レンズと球面レンズを組み合わせて装
用) 不正乱視(コンタクトレンズ装用)
【0100】年令と眼球の調節力の関係に関するデータ
ベースには、たとえば、図5に示すように、各年令に対
応する平均的な調節力が記録され管理されている。
【0101】スタート眼球光学モデルデータベースに
は、縦軸に年令区分、横軸に概算レンズ度数区分が設け
られ、それぞれの区分の中央値における眼球光学モデル
があらかじめ作成されている。したがって、縦軸をM区
分、横軸をN区分とすると、M×N個のスタート眼球光
学モデルが記録され管理されている。
【0102】視認映像データベースには、眼鏡・コンタ
クトレンズにより矯正をする前および/または矯正をし
た後における、被検査者の視認映像および鮮鋭度スコア
が記録され管理されている。
【0103】次に、遠隔自覚視力測定システム10によ
り視力を測定する方法について以下説明する。まず、裸
眼視力の測定方法について説明する。まず、利用者クラ
イアント1から電子サービスセンタ2に接続すると、利
用者認証画面として、IDコード入力画面を送信する。
利用者認証画面は、利用者認証情報の入力を促す画面で
ある。利用者クライアント1では、利用者認証画面を受
信して表示し、利用者認証情報を入力して、電子サービ
スセンタ2へ送信する。利用者認証情報は、パスワー
ド、ユーザーID等の情報である。電子サービスセンタ
2では、利用者認証情報を受信し、これをもとに、デー
タベース管理手段232・利用者情報管理手段230に
より利用者情報データベースを検索して認証を行う。電
子サービスセンタ2では、データベース管理手段232
により利用者クライアント1へ利用者会員トップページ
としてのサービスメニュー画面を送信する。利用者クラ
イアント1では、サービスメニュー画面を受信して表示
する。次いで、利用者は、サービスメニュー画面におい
て、裸眼視力の測定をする場合には、「裸眼視力測定」
をクリックする。すると、利用者クライアント1に、装
用条件入力画面が、電子サービスセンタ2からWWWサ
ーバ30を介して送信される。装用条件としては、眼鏡
・コンタクトレンズを装用したい目的(例えば、手元の
ものを見るとき、遠くのものを見るとき、自動車運転時
など、どのようなときに掛けたいのか等)や視環境(日
常どの範囲でどの距離のものを見ていることが多いか。
仕事上でパソコン作業が多いか等)がある。さらに、利
用者情報入力画面が、電子サービスセンタ2からWWW
サーバ30を介して送信される。利用者情報入力画面に
おいては、利用者を特定する情報として、利用者コー
ド、利用者識別子(ID)、利用者パスワード、住所、
氏名、生年月日、電話番号等の基本属性等を含む利用者
情報、使用目的、近点距離、遠点距離、年令、前度数、
前度数での両眼視力、前度数での左右バランス、前メガ
ネの使用年数、コンタクトの種類(併用の場合)、希望
矯正視力、視力に関係する病気の有無などのデータの入
力が促される。
【0104】次に、利用者クライアント1に裸眼視力測
定画面が、電子サービスセンタ2からWWWサーバ30
を介して送信される。まず、図6に示す乱視指標が表示
され、1mの範囲内で距離を変えながら見え方にムラが
ないかチェックする。利用者は、一方の目を手でふさ
ぎ、片目で裸眼視力測定画面(図示せず)を見る。裸眼
視力測定画面には、片目で注視する画像または視標が示
されている。次に、利用者は、頸を固定し、裸眼視力測
定画面からの距離を一定にする。例えば、顔を固定する
ために手の平の上に頸を乗せ、肘を机の上につく。そし
て、近点距離を測定する。近点距離測定は、被検査者が
画面を楽に見て、画面にどこまで近づくことができるか
を調べる。ぼけないで見える位置で顔を静止し、画面か
ら眼までの距離を測定したものが近点距離である。次
に、遠点距離を測定する。遠点距離測定は、被検査者が
画面を楽に見て、画面からどこまで遠ざかることができ
るかを調べる。ぼけないで見える最長位置(ぼけ始める
位置)で顔を静止し、画面から眼までの距離を測定した
ものが遠点距離である。裸眼視力測定画面からの距離を
一定にするため、水平状態に定規もしくは物差しを設置
し、画面から眼までの距離を測り、入力する。
【0105】次に、眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方
法について、図7に示すフローチャートに基づいて説明
する。まず、被検査者の眼の状態に関する情報として、
測定された近点距離(被検査者が画面を楽に見て、画面
にどこまで近づくことができるかを調べる。ぼけないで
見える位置で顔を静止し、画面から眼までの距離を測定
したもの)および測定された遠点距離(被検査者が画面
を楽に見て、画面からどこまで遠ざかることができるか
を調べる。ぼけないで見える位置で顔を静止し、画面か
ら眼までの距離を測定したもの)、装用条件(眼鏡・コ
ンタクトレンズを装用したい目的:例えば、手元のもの
を見るとき、遠くのものを見るとき、自動車運転時な
ど、どのようなときに掛けたいのか等。視環境:日常ど
の範囲でどの距離のものを見ていることが多いか。仕事
上でパソコン作業が多いか等)および年令を、WWWブ
ラウザを介して入力手段202において入力する。年令
は、眼の調節力、特に水晶体の弾力性との関係があり、
調節力は、年令の増加とともに、減少する(図5参
照)。このように、調節力が、年令の増加とともに減少
する原因は、水晶体の弾力性が年令の増加とともに低下
し、距離に応じて屈折力を変化させることが困難になる
ためであると考えられている。そして、調節力は、年令
とともに減弱するが、同年齢の者は、だいたい等しい調
節力を持っていると推定されている。
【0106】弱年齢で近視の場合は、近点距離の測定に
誤差が生じやすい傾向にあるため、別途視力検査を実施
した結果に基づいて、誤差の補正を行うための補正テー
ブルを作成して、近点距離の誤差を補正するように構成
してもよい。
【0107】次に、年令と近点距離および遠点距離の情
報により、眼鏡・コンタクトレンズの概算レンズ度数を
決定する。そして、遠点距離および近点距離から導き出
された概算レンズ度数から、調節中点位置を算出する。
例えば、遠点距離が1m、近点距離が25cmだったと
すると、遠点距離での補正に必要なレンズ度数は、−
1.0D(ディオプトリ)、近点距離での補正に必要な
レンズ度数は、−4.0Dである。概算レンズ度数は、
これらの中央と考えると、 (−1−4)/2=−2.5D となる。このときの距離は、その逆数となり、40cm
となる。この40cmの距離を調節中点位置と考える。
【0108】次に、眼球光学モデル決定手段204によ
って、年令と概算レンズ度数から、スタート眼球光学モ
デルを決定する。スタート眼球光学モデルとは、縦軸に
年令区分、横軸に概算レンズ度数区分を設け、それぞれ
の区分の中央値における眼球光学モデルをあらかじめ作
成したものである。縦軸をM区分、横軸をN区分とする
とM×N個のスタート眼球光学モデルが存在することに
なる。すなわち、縦軸を年齢区分(たとえば20才まで
は5歳きざみ、20才以上は10歳刻み)、横軸を概算
レンズ度数(たとえば1.0D刻み)とした表におい
て、各区分の中央値の組合せ(たとえば35歳で必要補
正量が−2.5Dのレンズ度数)におけるスタート眼球
光学モデルをあらかじめ作成しておくものである。
【0109】その人の年令、概算レンズ度数が具体的に
入力されると、M×N個のスタート眼球光学モデルの中
から一つを選定できる。この選定されたスタート眼球光
学モデルは、その人固有の眼球光学モデルを構築するた
めの光学系自動設計処理を行うにあたり、初期値として
使用される。このスタート眼球光学モデルは、年令、概
算レンズ度数によらない単独のスタート眼球光学モデル
を使用した光学系自動設計処理に比べると、自動設計処
理の収束が早く、処理速度を短縮でき、Webでの利用
が可能となる。また、解(集光状態が最高となるような
光学諸元)の信頼性が高い。
【0110】ここで、スタート眼球光学モデルの決定方
法について説明する。 (1)概算レンズ度数区分と年令区分のなかから一つの組
合せを仮定する。調節中点位置を、人の調節機能の中位
状態とし、その中位状態における人の眼の屈折力を矯正
するのが概算レンズ度数であるとすると、概算レンズ度
数より調節中点位置を求める。
【0111】(2)このスタート眼球光学モデルを使用し
て、具体的に調節中点位置から光線を眼に入力し、その
光線の網膜上への集光状態を評価し、最良の集光状態と
なるように、光学系自動設計処理を行い、光学諸元を変
化させ、最適の解(光学諸元)を決定する。これは、後
述する「調節中点におけるその人の眼球光学モデル構築
処理」と同じである。 (3)年令に応じた平均的な調節範囲の関係表を用いて、
仮定の年令において、その年令相応の平均的な調節範囲
を持つとして、調節範囲の上限、下限における眼球屈折
度を導き出し、それより、近点距離、遠点距離を導き出
す。 (4)調節限界(近点側)および調節限界(遠点側)にお
けるスタート眼球光学モデルの妥当性をチェックし、妥
当性があればスタート眼球光学モデル決定とし、集光状
態が悪い場合は(3)に戻り、再処理を行う。 (5)以上の処理をM×N個分、実行し、M×N個のスタ
ート眼球光学モデルを作成する。 (6)M×N個の眼球光学モデルの光学諸元について矛
盾、連続性を中心に全体的に考察し、修正を加える。場
合によっては(2)からの処理を再試行する。 特に水晶体の屈折率分布の決定については再試行が予想
される。
【0112】次に、調節中点における、被検査者の眼球
光学モデルを構築する。この調節中点における眼球光学
モデルの構築は、光学系自動設計計算により、前記スタ
ート眼球光学モデルから出発して、集光状態が最適とな
るよう、人の眼球の光学諸元を自動的に決定するもので
ある。ここにおける光学系自動設計計算とは、レンズ自
動設計プログラムを使用した光線追跡による光学諸元の
自動決定プロセスをいう。これらの手法の代表例とし
て、減衰最小二乗法(Dumped Least Squares Method)
があるが、この実施形態においては、この手法を用いて
集光状態が最適となるように自動収差補正処理を行う。
【0113】自動収差補正処理は、最終的な性能条件
(ここでは、調節中点位置にある無限に小さい点物体か
ら、眼球光学モデルの瞳径(たとえばφ3mm)に対
し、複数の光線を入射高さを変えて入光させ、光線追跡
を行い、網膜上の一点に結像する状態にする、集光性能
の良い状態にすること)を満足するように、光学諸元を
少しずつ変化させながら、網膜上の到達点の位置ずれ量
の自乗和を極小となるように補正を行う。なお、レンズ
が球面である場合には、眼球光学モデルの光学諸元のう
ち各レンズの曲率半径と面間隔を変化させた場合、そし
て、レンズが非球面である場合には、レンズの基準球面
の曲率半径と非球面係数を変化させた場合において、解
の収束を迅速に行われることが判明したので、この実施
形態においては、それぞれの場合において、上述した光
学諸元をパラメータとして自動収差補正を行うように構
成した。
【0114】次に、モデル妥当性検証手段206によっ
て、調節限界(近点側)における眼球光学モデルの妥当
性をチェックする。この妥当性チェックは、人の眼球が
有している調節力の分だけ眼球屈折度をアップ(UP)
させ、光学系自動設計計算により、集光状態が良いこと
を確認するものである。ここにおいて、調節力分だけ眼
球屈折度をアップ(UP)とは、次のようなことをい
う。遠点距離が1m(−1.0D)、近点距離が25c
m(−4.0D)とすると、調節中点位置は40cm
(−2.5D)となり、近点側では、調節中点位置にく
らべ、−1.5Dの補正量に相当する眼球屈折度UPが
必要となる。この−1.5D相当の眼球屈折度の増強と
なるよう、前述したように、眼球光学モデルの光学諸元
を(1+α×b/a)倍し、光学系自動設計の境界条件
を制御しながら、近点距離25cmの位置にある無限に
小さい点物体から、眼球光学モデルの瞳径(たとえばφ
3mm)に対し、複数の光線を入射高さを変えて入光さ
せ、光線追跡を行い、網膜上の一点に結像する状態にす
るよう、光学諸元を変化させて光学系自動設計を実行す
る。その結果、一点に集光したと見なせる状態になれ
ば、調節限界における光学モデルのシミュレーションが
成功したとし、調節中点におけるその人の眼球光学モデ
ルが妥当であったと判断する。
【0115】次に、モデル妥当性検証手段206によっ
て、調節限界(遠点側)における眼球光学モデルの妥当
性をチェックする。この妥当性チェックは、人の眼球が
有している調節力の分だけ眼球屈折度をダウン(DOW
N)させ、光学系自動設計計算により、集光状態が良い
ことを確認するものである。ここにおいて、調節力分だ
け眼球屈折度をダウン(DOWN)とは、次のようなこ
とをいう。遠点距離が1m(−1.0D)、近点距離が
25cm(−4.0D)とすると、調節中点位置は40
cm(−2.5D)となり、遠点側では、調節中点位置
にくらべ、+1.5Dの補正量に相当する眼球屈折度ダ
ウン(DOWN)が必要となる。この+1.5D相当の
眼球屈折度の減少となるよう前述したように、眼球光学
モデルの光学諸元を(1−α×b/a)倍し、光学系自
動設計の境界条件を制御しながら、遠点距離1mの位置
にある無限に小さい点物体から、眼球光学モデルの瞳径
(たとえばφ3mm)に対し、複数の光線を入射高さを
変えて入光させ、光線追跡を行い、網膜上の一点に結像
する状態にするよう、光学諸元を変化させて光学系自動
設計を実行する。その結果、一点に集光したと見なせる
状態になれば、調節限界における光学モデルのシミュレ
ーションが成功したとし、調節中点におけるその人の眼
球光学モデルが妥当であったと判断する。
【0116】さらに、モデル妥当性検証手段206によ
って、近点側および遠点側の調節限界外、すなわち眼球
の調節範囲外における眼球光学モデルの妥当性をチェッ
クをする。
【0117】次に、眼球光学諸元調節範囲確定手段20
8によって、調節中点位置における眼球光学モデルにつ
いて眼球の光学諸元の調節範囲の確定を行う。調節中点
位置における眼球光学モデル、光学諸元の調節範囲の確
定は、次のようになる。モデル妥当性検証手段206に
よって調節限界(近点側)における眼球光学モデルの妥
当性をチェックする処理およびモデル妥当性検証手段2
06によって調節限界(遠点側)における眼球光学モデ
ルの妥当性をチェックする処理のチェックにより、調節
中点におけるその人の眼球光学モデル構築処理結果の調
節中点位置における眼球光学モデルを妥当と判断し、そ
の眼球光学モデルを、次に述べる裸眼状態での3つの距
離における調節を伴う集光性能算出処理および矯正後の
3つの距離における調節を伴う集光性能算出処理で使用
する。調節限界における光学諸元の変化範囲(特に水晶
体が薄くなったり、厚くなったりする時の水晶体厚さ、
前面曲率半径、後面曲率半径の変化範囲)も、モデル妥
当性検証手段206によって調節限界(近点側)におけ
る眼球光学モデルの妥当性をチェックする処理およびモ
デル妥当性検証手段206によって調節限界(遠点側)
における眼球光学モデルの妥当性をチェックする処理に
より決定したことになるこれらが確定すると、物体距離
に応じた眼の調節をシミュレーションできる。
【0118】次に、眼球光学モデルイメージ生成手段2
10によって、決定された眼球光学モデルのイメージ、
例えば、眼球断面図を生成し、その眼球光学モデルにつ
いての説明もあわせて表示するようにしてもよい。
【0119】次に、眼球光学モデル集光性能検証手段2
12によって、被検査者の裸眼状態における3つの距離
における調節を伴う集光性能を算出し検証する。モデル
妥当性検証手段206によって調節限界(近点側)にお
ける眼球光学モデルの妥当性をチェックする処理および
モデル妥当性検証手段206によって調節限界(遠点
側)における眼球光学モデルの妥当性をチェックする処
理と同様に、物体の距離に応じた、調節中点位置からの
眼球屈折度アップ(UP)あるいはダウン(DOWN)
量を求め、光学系自動設計の境界条件を制御しながら、
光学系自動設計を実行する。このようにして求められた
光学諸元は、仮想的に眼球がピント調節を行ったときの
眼の状態を表している。これ以上、集光状態が良くなら
ないという状態まで繰り返し計算を行い、最終的な光学
諸元を、物体距離におけるベストの集光状態とする。集
光性能を評価するには、ある距離にある無限に小さい点
物体から、眼球光学モデルの瞳径(たとえばφ3mm)
に対し、数百本程度の光線を均一に分散させて入光さ
せ、光線追跡を行い、網膜上のどの場所に結像するかを
計算する。ぼけの度合いを評価するには、網膜上の点像
の強度分布の2次元フーリエ変換を行うことにより、空
間周波数特性(OTF)を算出し像評価を行う。3つの
距離とは、見え方が大きく変わる可能性のある3距離を
選ぶ。たとえば、0.3m(近距離)、0.5〜0.6
m(中間距離)、5m(遠距離)である。物体距離が遠
点より遠い場合は、遠点距離における調節力で集光性能
チェックする。物体距離が近点より近い場合は、近点距
離における調節力で集光性能チェックする。物体距離が
近点と遠点の間にある場合は、中点からの調節力だけ眼
球屈折度を変化させて集光性能チェックする。
【0120】次に、眼球光学モデル集光性能検証手段2
12によって、眼鏡・コンタクトレンズにおいて矯正し
た後の3つの距離における調節を伴う集光性能を算出し
検証する。すなわち、眼球光学モデルの前に実際の眼鏡
レンズ(レンズ前面の曲率半径、後面の曲率半径、硝子
材屈折率が既知のレンズ)を置き、裸眼状態における集
光性能算出処理と同様の計算を行う。概算レンズ度数と
装用条件から、適合する仮想レンズを決定し、その眼鏡
・コンタクトレンズを装用した状態における集光性能に
関する光学シミュレーションを行う。さらに、3つの距
離における鮮鋭度スコアのバランスが悪い場合は、レン
ズの度数を少し変化させて、再度光学シミュレーション
を行う。
【0121】(A)鮮鋭度スコアの算出 次に、鮮鋭度スコア生成手段216によって、調節力の
範囲内で眼の光学諸元を変化させて、集光性能が最適と
なる状態を作り出し、そのときの鮮鋭度スコアを算出す
る。鮮鋭度スコアは、集光状態の評価で算出する。ある
距離にある無限に小さい点物体から、眼球光学モデルの
瞳径(たとえばφ3mm)に対し、数百本程度の光線を
均一に分散させて入光させ、光線追跡を行い、網膜上の
どの場所に結像するかを計算する。その点像の強度分布
の2次元フーリエ変換して得た値を空間周波数特性(O
TF)と言う。網膜上で強度分布がどうなるかを調べれ
ば、ぼけの度合いを評価できる。空間周波数とは縞模様
の細かさを表す値であり、単位長あたりの縞の本数で定
義される。視覚系の場合は、視角1度あたりの縞の本数
で表す。たとえば縞の間隔をw(degree)とすればu=
1/w(cycles/deg)となる。ぼけ判定に用いるw値を
網膜の分解能から決定し、その時のu値から鮮鋭度スコ
アを算出する。
【0122】次に、レンズ度数選定手段218によっ
て、おすすめレンズを確定する。そして、視認映像生成
手段214によって、おすすめレンズにおいて矯正後お
よび矯正前の3つの距離における視認映像を生成する。
すなわち、裸眼状態とおすすめレンズを装用した場合の
見え方を提示する。また、前記鮮鋭度スコアを提示し、
視認画像の中に表示する(図9図示)。
【0123】(B)視認画像の生成あるいは選定 視認映像生成手段214によって、高精細に撮影された
3つの距離の画像を用意する。この画像に対し画素単位
でN×Nサイズの平滑化フィルタ処理を行い、画像をぼ
かす。ぼけの具合はN値(最低3)、フィルタ重み付
け、処理回数により調整できる。フィルタ処理後の画像
について、空間周波数解析によりボケ具合を判定し、前
記(A)鮮鋭度スコアの算出で求めた鮮鋭度スコアとの
対応付けを行う。いくつかの鮮鋭度スコアに対応する画
像を準備する。また、準備された画像に特定平滑化フィ
ルタ処理を一回かけた画像に対応するスコア値を算出し
ておく。前記(A)鮮鋭度スコアの算出でスコア値が求
まれば、そのスコア値により、対応する画像を直接呼び
出して表示するか、フィルタ処理を行い、結果画像をそ
の鮮鋭度スコアに一致させて表示するかする。
【0124】さらに、視認映像生成手段214によっ
て、レンズを変更して、3距離における見え方画像を提
示し、比較をできるようにする。すなわち、レンズ度数
を変更して、眼鏡・コンタクトレンズを装用した状態の
光学シミュレーションを行う。そして、眼球の調節範囲
内で光学諸元を変化させて、集光性能が最適となる状態
を作り出し、そのときの鮮鋭度スコアを算出する。ま
た、レンズ度数選定手段218により特定のレンズ度数
における鮮鋭度スコアが既に計算済みの場合は、そのデ
ータを使用する。
【0125】電子サービスセンタ2は、前記したように
して生成された見え方画像・鮮鋭度スコアを出力手段2
20によりWWWサーバ30を介して利用者クライアン
ト1に送信する。また、別に準備した自覚視力測定結果
を、自覚視力測定結果画面によって利用者クライアント
1に送信し表示する。自覚視力測定結果には、次のよう
なものが含まれる。DIST(遠用度数を表す)、RE
AD(近用度数を表す)、SPH(球面度数を表す)、
CYL(乱視度数を表す)、AXIS(軸を表す)、
P.D.(右目の中心から左目の中心の距離を表す。即
ち、瞳孔間距離を表す)。なお、遠用度数及び近用度数
の何れも、右目(R・)及び左目(L・)について表
す。
【0126】現行のオートレフによる視力測定は遠方視
力を最良にするレンズ選定をしたことになっており、測
定後に実際に装用して、装用条件を加味して選択するレ
ンズ度数を調整しているが、この発明によれば、あるレ
ンズを装用した時の複数の距離における見え方を鮮鋭度
スコアで算出できるので、はじめに入力された装用条件
を加味して、3つの距離における見え方のバランスを検
討し、快適に使用できる最適な度数を提示できる。つま
り、現状では実際の "見え具合" を確かめる自覚検査が
必須であるが、これを省略することができる。これはオ
ンラインショッピングには好適である。
【0127】なお、この実施形態においては、被検査者
の調節中点における眼球光学モデルを構築するように構
成したが、これに限らず、被検査者の近点距離と遠点距
離との間の任意の点における眼球光学モデルを構築する
ように構成されてもよい。この場合には、眼球光学モデ
ルを構築した調節位置に応じて、緊張側または弛緩側に
調節力を配分することにより、近点側または遠点側の調
節限界における眼球光学モデルを構築することが可能で
ある。
【0128】上述の実施形態においては、被検査者の固
有の眼球光学モデルを構築するための光学自動設計処理
の初期値として、年齢をM個、概算レンズ度数をN個に
区分分けして、その区分の中央値によりあらかじめ構築
しておいたスタート眼球光学モデルを使用したが、これ
に限らず、被検査者が入力したデータに最も適合する眼
球光学モデルを光学自動設計処理の初期値と使用しても
よい。この場合には、被検査者により入力された年齢
と、算出した概算レンズ度数に応じて、区分の中央値か
ら差分量を加除することにより、被検査者の眼球の状態
の対応した眼球光学モデルを初期値として使用する。こ
れにより、中央値によりあらかじめ構築しておいたスタ
ート眼球光学モデルを使用して自動収差補正を行った場
合より少ない時間で自動収差補正を行うことができる。
【0129】さらに、この実施形態においては、ぼけ判
定に用いるw値を網膜の分解能から決定し、その時のu
値から鮮鋭度スコアを算出してたが、これに限らず、そ
の他の手法により鮮鋭度スコアを算出してもよい。たと
えば、入光させる光線の空間周波数を変化させて、OT
F値が70%となる場合の空間周波数を値を求める。こ
の場合には、入光させる光線の空間周波数を一定の範囲
について一定の刻みで変化させ、最低空間周波数を0、
最高空間周波数を100として、OTF値が70%とな
る空間周波数を求めることにより、0から100に展開
された鮮鋭度スコアが得られる。
【0130】なお、この実施形態においては、視認映像
生成手段216により生成された視認映像をそのまま被
検査者に閲覧させていたが、これに限らず、映像のボケ
度合いの補正を行ってから被検査者に映像を提示するよ
うに構成されてもよい。これは、人間が1度視認した物
体・風景やそれに類似する物体・風景を見る場合、実際
にはボケている映像でも人間は1度見た物体・風景に関
する記憶から映像情報が補完されるため、視認している
映像が明瞭に見えているように感じる傾向があるためで
ある。よって、具体的には、多数の被検査者により、視
認映像生成手段216により生成された映像と実際に被
検査者が視認したときに感ずるボケ度合いの差異を検証
する。検証を行った結果に基づいて補正係数テーブルを
作成して、補正係数テーブルによりボケ度合いの補正を
行った結果に基づいて被検査者に映像を提示するように
構成する。
【0131】また、この実施形態においては、被検査者
が裸眼視力測定画面を用いて画面からどこまで遠ざかる
ことができるのかを実際に計測して遠点距離のデータを
入力して概算レンズ度数を算出するように構成したが、
これに限らず、遠点視力から遠点距離を算出するように
構成されてもよい。
【0132】図11に上記遠点視力から遠点距離を演算
する処理を含む、乱視軸の判定、遠点視力の測定、近点
距離の測定を行う他の実施形態を示す。まず、被検者の
属性を取得するための被検者属性入力画面を表示し(S
10)、被検者の入力した属性を取得して被検者データ
として保存する(S12)。被検者の属性には、年齢・
性別・身長等の個人情報と、メガネやコンタクトレンズ
を主に使用する場所に関する装着条件情報とがある。図
12は個人情報取得の際の表示画面例であり、図13は
装着条件取得の際の表示画面例である。ここで、装着条
件の「読書」「デスクワーク」は近距離用を、「パソコ
ン」は中距離用を、「車の運転」は遠距離用をそれぞれ
想定している。
【0133】次に、乱視軸の判定をするための乱視軸判
定チャートを表示し(S14)、被検者の選択した方位
を取得して選択方位データに保存する(S16)。図1
4は乱視軸判定の説明画面例であり、図15は乱視軸判
定画面例である。図のように、乱視軸判定チャートは複
数の平行線からなる、45度・90度・135度・18
0度の4方向の線状群から構成される。被検者が乱視を
有する場合は明瞭に見える方位とつぶれて薄く見える方
位が生じるので、見え方の異なる方位のゾーンをクリッ
クするよう促す。このように、見え方の異なる方位を選
択させるようにしたのは、乱視は物体との距離によって
よく見える方向が変化する可能性があるため、最初から
よく見える方位とすると乱視軸の判断を誤る恐れがある
からである。従って、本願発明では、この段階では乱視
軸の主軸は決定せず、後の遠点距離を求めることで明ら
かにするようにしている。乱視を有しない被検者は、原
則として全方位が同じに見えるはずであるので、全部が
同じに見える又はわからないをクリックした被検者は乱
視を有しないものとして、以下の測定は水平についての
み行う。
【0134】乱視軸判定チャートは、背景色は緑色、線
の色は黒色とし、線幅は2画素、線間幅は3画素とし
た。背景色は、白色では輝度が明るすぎて目が縮瞳し、
被写界深度が深くなって4つのゾーンの見え方の差が小
さくなるという問題があるため、目にやさしいグリーン
系統を用いて輝度を抑えたものである。線の色は、多数
の被検者に対して行った検眼実験の結果から、見やすい
とされた黒色とした。線幅は、特にディスプレイがCR
Tの場合は電子銃のフォーカスボケが発生することか
ら、1画素では水平・垂直と斜めで見え方に差異が生じ
てしまうため、最低2画素とした。線間幅は、乱視判定
においてチャートまでの距離が極端に短いと乱視軸が変
化し、誤判定の可能性があるため、1mの距離から線間
の隙間を認識できるように設定した。視力1.0(視角
1分)は、1mの距離で切れ目0.29mmを識別する
能力であり、14インチ液晶ディスプレイまたは17イ
ンチCRTを使用してほぼ1画素に相当する。従って、
2画素で視力0.5程度に相当するが、検眼対象者はメ
ガネを必要とする人であることから、更に間隔を広げ、
3画素とした。また、乱視軸の方位を4方向としたの
は、4方向でも十分に実用的なメガネやコンタクトレン
ズの選定ができることと、被検者が独自で判断するもの
であるから、できる限り容易かつ誤りなく判定できる必
要があるためである。
【0135】次に、被検者が選択した選択方位について
の遠点視力を測定するため、選択方位の視力測定チャー
トを表示し(S18)、被検者が選択した視認限界を取
得して、第1視認限界データに保存する(S20)。図
16は遠点視力測定の説明画面例であり、図17は遠点
視力測定画面例である。図のように、視力測定チャート
は一定線幅の3本の黒線と2本の白線からなる線状濃淡
画像であり、視力に対応して線幅をI段階(10段階か
ら20段階程度)に変えた複数のチャートを表示する。
これに対し、被検者に3本に見える一番小さいマークを
クリックするよう促す。このように、3本に見えるマー
クを選択させるようにしたので、ランドルト環のように
単一の間隙を視認するのに対して被検者の判断が容易に
なっている。尚、被検者にはコンピュータ画面から腕を
伸ばした距離で遠点視力を測定するように促している
が、これは腕の長さは身長にほぼ比例するので、事前に
入力された身長のデータによって被検者とチャートの距
離が予測できるからである。このように、被検者はコン
ピュータ画面との距離を測定したり、画面表示サイズを
調整したりする必要がないので、簡便に測定できる。
【0136】同様に、被検者が選択した選択方位と直交
する方位についての遠点視力を測定するため、選択方位
と直交する方位の視力測定チャートを表示し(S2
2)、被検者が選択した視認限界を取得して、第2視認
限界データに保存する(S24)。
【0137】次に、被検者が選択した方位の近点距離を
測定するため、選択方位の近点距離測定チャートを表示
し(S26)、被検者の入力した近点距離を第1近点距
離データに保存する(S28)。図18は近点距離測定
の説明画面例であり、図19は近点距離測定画面例であ
る。図のように、近点距離測定チャートは緑色の背景に
設けられた3本の黒線からなる。画面のメッセージによ
り、被検者に対して、最初にできる限り画面に近づき、
それから3本線がはっきり見える位置まで遠ざかり、画
面から目までの距離を測定してcm単位で入力するよう
に促す。尚、近点距離測定チャートは、コンピュータ画
面に接近して視認するため、前述の視力測定チャートに
比べて細い線を使用する。但し、年齢によって解像力の
差があるため、若年層は細い線を、中高年層は若干太い
線を使用する。
【0138】同様に、被検者が選択した選択方位と直交
する方位についての近点距離を測定するため、選択方位
の近点距離測定チャートを表示し(S30)、被検者の
入力した近点距離を第2近点距離データに保存する(S
32)。
【0139】次に、第1視認限界データと第1近点距離
データと被検者限界データとから遠点距離を求め、第1
遠点距離データに保存する(S34)。同様に、第2視
認限界データと第2近点距離データと被検者限界データ
とから遠点距離を求め、第2遠点距離データに保存する
(S36)。遠点距離の演算は、あらかじめ多数の被検
者で学習させたニューラルネットワークを用いて行う。
図20に遠点距離演算用ニューラルネットワークの構成
例を示す。図のように、入力層はI段階の遠点視力(視
力測定チャートから被検者が選択した視認限界)とJ段
階の近点距離(近点距離測定チャートから被検者が測定
した近点距離)とK段階の被検者属性(年齢・性別・身
長)とを、出力層はN段階の遠点距離を有する。年齢・
性別をパラメータとするのは、これによって被検者の目
の調節力が変わるからである。また、身長は前述のよう
に被検者と画面の距離を腕の長さで合わせるようにして
おり、腕の長さに比例する身長を代用パラメータとして
用いたものである。学習方法としては、いわゆるバック
・プロパゲーション法を用いた。ここで、入力パラメー
タの近点距離と演算結果の遠点距離は、レンズ度数への
換算を容易にするため、いずれもメートル単位で表した
距離の逆数であるD(ディオプトリ)値に変換して取り
扱う。尚、ニューラルネットワークは、乱視軸の選択方
位と選択方位に直交する方位の2つの独立する学習モデ
ルを生成し、それぞれ個別に計算するようにした。ま
た、画面の見え方はディスプレイの種類によって変わる
ので、ディスプレイが液晶かCRTかによって独立に学
習させたニューラルネットワークを用いて演算するよう
にした。
【0140】なお、上述してきた実施形態においては、
遠点距離から概算レンズ度数を算出するように構成した
が、これに限らず、入力された遠点視力から概算レンズ
度数を決定するように構成されてもよい。この場合に
は、統計データに基づいて作成された、遠点視力の値に
対応する概算レンズ度数を記憶した対応表が使用され、
該対応表に基づいて概算レンズ度数が決定される。
【0141】また、上述してきた実施形態においては、
レンズ度数を決定する過程において、近距離(0.3
m)、中間距離(0.5〜0.6m)、遠距離(5m)
3つの距離における眼球光学モデルの集光性能を検証し
たが、これに限らず、これら以外の距離における集光性
能を検証してもよいし、必ずしも、近距離、中間距離、
遠距離全てについて集光性能が検証されなくてもよい。
【0142】
【発明の効果】この発明によれば、被検査者固有の眼球
光学モデルを構築するので、各人の眼にあった眼鏡・コ
ンタクトレンズの度数を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態における眼鏡・コンタク
トレンズ度数決定システムを適用した眼鏡・コンタクト
レンズ度数決定サーバを備えた遠隔自覚視力測定システ
ムの構成例を示す図である。
【図2】眼球を示す断面図解図である。
【図3】眼球光学モデルを示す断面図解図である。
【図4】水晶体を模擬する各レンズの屈折率分布の状況
を説明するための図解図である。
【図5】年令と眼の調節力との関係を示す図である。
【図6】乱視指標の例を示す図解図である。
【図7】眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システムのフ
ローを示す図である。
【図8】スタート眼球光学モデルを示す概要図である。
【図9】提示画像の表現方法を示す図解図である。
【図10】矯正前後の見え方画像の図解図である。
【図11】本願発明の検眼装置の一実施形態にかかる処
理フロー図である。
【図12】個人情報入力画面の表示例を示す図である。
【図13】装着条件入力画面の表示例を示す図である。
【図14】乱視軸判定の説明画面の表示例を示す図であ
る。
【図15】乱視軸判定画面の表示例を示す図である。
【図16】遠点視力測定の説明画面の表示例を示す図で
ある。
【図17】遠点視力測定画面の表示例を示す図である。
【図18】近点距離測定の説明画面の表示例を示す図で
ある。
【図19】近点距離測定画面の表示例を示す図である。
【図20】遠点距離演算用ニューラルネットワークの構
成例を示す図である。
【符号の説明】
1 利用者クライアント 2 電子サービスセンタ 10 遠隔自覚視力測定システム 20 眼鏡・コンタクトレンズ度数決定サーバ 202 入力手段 204 眼球光学モデル決定手段 206 モデル妥当性検証手段 208 眼球光学諸元調節範囲確定手段 210 眼球光学モデルイメージ生成手段 212 眼球光学モデル集光性能検証手段 214 視認映像生成手段 216 鮮鋭度スコア生成手段 218 レンズ度数選定手段 220 出力手段 230 利用者情報管理手段 232 データベース管理手段 30 WWWサーバ

Claims (42)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査者の眼の状態に関する情報を入力
    する入力手段と、 前記入力手段により入力された眼の状態に関する情報に
    対応して、眼球光学モデルを決定する手段と、 前記眼球光学モデルを決定する手段により決定された眼
    球光学モデルを用いて、被検査者が眼鏡・コンタクトレ
    ンズを装用したときの集光性能を検証し、レンズ度数を
    選定するレンズ度数の選定手段とを含む、眼鏡・コンタ
    クトレンズ度数決定システム。
  2. 【請求項2】 前記入力手段は、乱視軸測定チャートを
    表示して、乱視軸を測定する手段を含む、請求項1に記
    載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システム。
  3. 【請求項3】 前記入力手段は、遠点視力測定チャート
    を表示して、遠点視力を測定する手段を含む、請求項1
    または請求項2に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決
    定システム。
  4. 【請求項4】 前記入力手段は、近点距離測定チャート
    を表示して、近点距離を測定する手段を含む、請求項1
    ないし請求項3のいずれかに記載の眼鏡・コンタクトレ
    ンズ度数決定システム。
  5. 【請求項5】 前記入力手段は、前記測定された遠点視
    力から遠点距離を演算する手段を有する、請求項3また
    は請求項4に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定シ
    ステム。
  6. 【請求項6】 前記入力手段は、前記演算された遠点距
    離から概算レンズ度数を決定する手段を有する、請求項
    5に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システム。
  7. 【請求項7】 前記眼球光学モデルは、水晶体の前面皮
    質、核質および後面皮質の各層をそれぞれ複数のレンズ
    の組合せで模擬する、請求項1ないし請求項6のいずれ
    かに記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システム。
  8. 【請求項8】 前記眼球光学モデルは、前記水晶体を模
    擬する各レンズの屈折率が、レンズ中心からの距離にし
    たがって小さくなる特性を有する、請求項1ないし請求
    項7のいずれかに記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決
    定システム。
  9. 【請求項9】 前記眼球光学モデルは、前記水晶体を模
    擬する各レンズの屈折率が、レンズ中心の屈折率−(レ
    ンズ中心からの直線距離の自乗値/屈折率分布係数)で
    表される屈折率の分布特性を有する、請求項8に記載の
    眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システム。
  10. 【請求項10】 前記水晶体を模擬する各レンズの屈折
    率分布係数は、前記水晶体を模擬する複数のレンズの光
    軸方向中心から光軸方向への距離にしたがって小さくな
    る、請求項7ないし請求項9のいずれかに記載の眼鏡・
    コンタクトレンズ度数決定システム。
  11. 【請求項11】 前記眼球光学モデルは、前記水晶体を
    模擬する各レンズの単位長さ当たりの調節力の配分を記
    述したパワー配分係数を用いて光学諸元を演算する、請
    求項7ないし請求項10のいずれかに記載の眼鏡・コン
    タクトレンズ度数決定システム。
  12. 【請求項12】 前記眼球光学モデルを決定する手段
    は、被検査者の年令、概算レンズ度数等の眼の情報に基
    づきスタート眼球光学モデルを決定する、請求項1ない
    し請求項11のいずれかに記載の眼鏡・コンタクトレン
    ズ度数決定システム。
  13. 【請求項13】 前記眼球光学モデルを決定する手段
    は、前記入力された被検査者の近点距離から遠点距離ま
    での間の任意の調節点において、眼球光学モデルの妥当
    性を検証する手段を有する、請求項1ないし請求項12
    のいずれかに記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定シ
    ステム。
  14. 【請求項14】 前記入力された被検査者の近点距離と
    遠点距離との間の任意の調節点は、被検査者の近点距離
    と遠点距離とから算出された調節中点を含む、請求項1
    3に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システム。
  15. 【請求項15】 前記眼球光学モデルを決定する手段
    は、曲率半径と非球面の離心率とをパラメータとして自
    動収差補正処理を行う、請求項13または請求項14に
    記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定システム。
  16. 【請求項16】 前記眼球光学モデルを決定する手段
    は、近点側および/または遠点側における調節限界にお
    いて、眼球光学モデルの妥当性を検証する手段を含む、
    請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の眼鏡・コ
    ンタクトレンズ度数決定システム。
  17. 【請求項17】 前記眼球光学モデルを決定する手段
    は、決定した眼球光学モデルのイメージを表示する、請
    求項1ないし請求項16のいずれかに記載の眼鏡・コン
    タクトレンズ度数決定システム。
  18. 【請求項18】 前記レンズ度数の選定手段は、使用用
    途に応じて定めた単数または複数の距離における集光性
    能を検証する機能を有する、請求項1ないし請求項17
    のいずれかに記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定シ
    ステム。
  19. 【請求項19】 前記レンズ度数の選定手段は、裸眼状
    態の眼球光学モデルの集光状態を比較検証する機能を有
    する、請求項1ないし請求項18のいずれかに記載の眼
    鏡・コンタクトレンズ度数決定システム。
  20. 【請求項20】 前記レンズ度数の選定手段は、前記眼
    球光学モデルによる視認映像のぼけ度合いを示す鮮鋭度
    スコアを演算する手段を含む、請求項1ないし請求項1
    9のいずれかに記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定
    システム。
  21. 【請求項21】 前記レンズ度数の選定手段は、前記眼
    球光学モデルの模擬視認映像を提示する手段を含む、請
    求項1ないし請求項20のいずれかに記載の眼鏡・コン
    タクトレンズ度数決定システム。
  22. 【請求項22】 被検査者の眼の状態に関する情報を収
    集するステップと、前記収集ステップで収集された眼の
    状態に関する情報に対応して、眼球光学モデルを決定す
    るステップと、 前記眼球光学モデルを決定するステップにより決定され
    た眼球光学モデルを用いて、被検査者が眼鏡・コンタク
    トレンズを装用したときの集光性能を検証し、レンズ度
    数を選定するステップとを含む、眼鏡・コンタクトレン
    ズ度数決定方法。
  23. 【請求項23】 前記収集するステップは、乱視軸測定
    チャートを表示して、乱視軸を測定するステップを含
    む、請求項22に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決
    定方法。
  24. 【請求項24】 前記収集するステップは、遠点視力測
    定チャートを表示して、遠点視力を測定するステップを
    含む、請求項22または請求項23に記載の眼鏡・コン
    タクトレンズ度数決定方法。
  25. 【請求項25】 前記収集するステップは、近点距離測
    定チャートを表示して、近点距離を測定するステップを
    含む、請求項22ないし請求項24のいずれかに記載の
    眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方法。
  26. 【請求項26】 前記収集するステップは、前記測定さ
    れた遠点視力から遠点距離を演算するステップを有す
    る、請求項24または請求項25に記載の眼鏡・コンタ
    クトレンズ度数決定方法。
  27. 【請求項27】 前記収集するステップは、前記演算さ
    れた遠点距離から概算レンズ度数を決定するステップを
    有する、請求項26に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度
    数決定方法。
  28. 【請求項28】 前記眼球光学モデルは、水晶体の前面
    皮質、核質および後面皮質の各層をそれぞれ複数のレン
    ズの組合せで模擬する、請求項22ないし請求項27の
    いずれかに記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方
    法。
  29. 【請求項29】 前記眼球光学モデルは、前記水晶体を
    模擬する各レンズの屈折率が、レンズ中心からの距離に
    したがって小さくなる特性を有する、請求項22ないし
    請求項28のいずれかに記載の眼鏡・コンタクトレンズ
    度数決定方法。
  30. 【請求項30】 前記眼球光学モデルは、前記水晶体を
    模擬する各レンズの屈折率が、レンズ中心の屈折率−
    (レンズ中心からの直線距離の自乗値/屈折率分布係
    数)で表される屈折率の分布特性を有する、請求項29
    に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方法。
  31. 【請求項31】 前記水晶体を模擬する各レンズの屈折
    率分布係数は、前記水晶体を模擬する複数のレンズの光
    軸方向中心から光軸方向への距離にしたがって小さくな
    る、請求項28ないし請求項30のいずれかに記載の眼
    鏡・コンタクトレンズ度数決定方法。
  32. 【請求項32】 前記眼球光学モデルは、前記水晶体を
    模擬する各レンズの単位長さ当たりの調節力の配分を記
    述したパワー配分係数を用いて光学諸元を演算する、請
    求項28ないし請求項31のいずれかに記載の眼鏡・コ
    ンタクトレンズ度数決定方法。
  33. 【請求項33】 前記眼球光学モデルを決定するステッ
    プは、被検査者の年令、概算レンズ度数等の眼の情報に
    基づきスタート眼球光学モデルを決定する、請求項22
    ないし請求項32のいずれかに記載の眼鏡・コンタクト
    レンズ度数決定方法。
  34. 【請求項34】 前記眼球光学モデルを決定するステッ
    プは、前記入力された被検査者の近点距離から遠点距離
    までの間の任意の調節点において、眼球光学モデルの妥
    当性を検証するステップを有する、請求項22ないし請
    求項33のいずれかに記載の眼鏡・コンタクトレンズ度
    数決定方法。
  35. 【請求項35】 前記入力された被検査者の近点距離と
    遠点距離との間の任意の調節点は、被検査者の近点距離
    と遠点距離とから算出された調節中点を含む、請求項3
    4に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方法。
  36. 【請求項36】 前記眼球光学モデルを決定するステッ
    プは、曲率半径と非球面の離心率とをパラメータとして
    自動収差補正処理を行う、請求項34または請求項35
    に記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方法。
  37. 【請求項37】 前記眼球光学モデルを決定するステッ
    プは、近点側および/または遠点側における調節限界に
    おいて、眼球光学モデルの妥当性を検証するステップを
    含む、請求項22ないし請求項36のいずれかに記載の
    眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方法。
  38. 【請求項38】 前記眼球光学モデルを決定するステッ
    プは、決定した眼球光学モデルのイメージを表示する、
    請求項22ないし請求項37のいずれかに記載の眼鏡・
    コンタクトレンズ度数決定方法。
  39. 【請求項39】 前記レンズ度数の選定するステップ
    は、使用用途に応じて定めた単数または複数の距離にお
    ける集光性能を検証するステップを有する、請求項22
    ないし請求項38のいずれかに記載の眼鏡・コンタクト
    レンズ度数決定方法。
  40. 【請求項40】 前記レンズ度数の選定するステップ
    は、裸眼状態の眼球光学モデルの集光状態を比較検証す
    るステップを有する、請求項22ないし請求項39のい
    ずれかに記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方法。
  41. 【請求項41】 前記レンズ度数の選定するステップ
    は、前記眼球光学モデルによる視認映像のぼけ度合いを
    示す鮮鋭度スコアを演算するステップを含む、請求項2
    2ないし請求項40のいずれかに記載の眼鏡・コンタク
    トレンズ度数決定方法。
  42. 【請求項42】 前記レンズ度数の選定するステップ
    は、前記眼球光学モデルの模擬視認映像を提示するステ
    ップを含む、請求項22ないし請求項41のいずれかに
    記載の眼鏡・コンタクトレンズ度数決定方法。
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