JP2003075373A - X線露光装置及びx線測定装置 - Google Patents

X線露光装置及びx線測定装置

Info

Publication number
JP2003075373A
JP2003075373A JP2001263974A JP2001263974A JP2003075373A JP 2003075373 A JP2003075373 A JP 2003075373A JP 2001263974 A JP2001263974 A JP 2001263974A JP 2001263974 A JP2001263974 A JP 2001263974A JP 2003075373 A JP2003075373 A JP 2003075373A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray
pulse signal
sample
shutter
exposure apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001263974A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideto Yamazaki
秀人 山崎
Hisafumi Yoshida
寿文 吉田
Takahisa Sato
貴久 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rigaku Denki Co Ltd, Rigaku Corp filed Critical Rigaku Denki Co Ltd
Priority to JP2001263974A priority Critical patent/JP2003075373A/ja
Publication of JP2003075373A publication Critical patent/JP2003075373A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料に対するX線露光領域を希望通りに正確
に区画できるようにする。 【解決手段】 X線を発生するX線源と、シャッタ開閉
用パルス信号Psに基づいて動作してX線の進行を開閉
するシャッタ6と、試料Sに対するX線の入射角度を変
化させるための試料の回転を試料回転用パルス信号Pω
に基づいて行う試料回転装置8とを有するX線露光装置
である。このX線露光装置に含まれる制御装置4は、試
料回転用パルス信号Pωの立ち上がりタイミングを、シ
ャッタ開閉用パルス信号Psの立ち上がりタイミングよ
りも遅らせる。これにより、試料が走査回転移動してい
るのに、X線が照射されないという事態を回避できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料をX線で露光
するX線露光装置及びそのX線露光装置を用いたX線測
定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線を用いて試料の結晶構造等を解析す
るX線測定装置は、従来から、広く知られている。例え
ば、ワイセンベルグ測定、オシレーション測定では、試
料を連続的に走査移動、通常は回転走査移動、させなが
らその試料にX線を照射して、その試料から発生する回
折X線、散乱X線等を検出して、試料の構造解析が行わ
れる。
【0003】図5(a)に示す従来のX線測定装置51
はそのような連続走査方式の装置を示している。このX
線測定装置51は、X線を発生するX線源Fと、回転駆
動源53によって回転駆動されてX線光路を開閉するシ
ャッタ52と、試料Sを軸線ωの回りに回転させる回転
駆動源54と、蓄積型X線検出器56とを有する。
【0004】このX線測定装置51では、シャッタ52
のX線通過用穴57がX線光路に一致していない場合に
はX線の通過が遮断される。この状態は、通常、シャッ
タ52が閉じていると言われる。一方、シャッタ52が
軸回転してX線通過用穴57がX線光路に一致すると、
このX線通過用穴57を通してX線の通過が許容され
る。この状態は、通常、シャッタ52が開いていると言
われる。
【0005】シャッタ52が開いている間、X線源Fか
ら出たX線R0は試料Sへ照射される。そしてこのと
き、試料Sが回転駆動源54によって駆動されてω軸線
を中心として角度α0から角度α1の間を回転移動すれ
ば、X線検出器56に角度α0から角度α1までの回折
X線情報が得られる。この角度範囲内にブラッグの回折
条件を満足する結晶格子面が存在すれば、試料Sから回
折X線が発生し、この回折X線がX線検出器56を露光
して、該露光部分にエネルギ潜像Qを形成する。
【0006】エネルギ潜像Qが形成されたX線検出器5
6は、上記のX線測定処理が終了した後、X線測定装置
51とは別の場所に設置されたX線読取り装置(図示せ
ず)へ運ばれて、読取り処理を受ける。具体的には、例
えば、レーザ光等といった輝尽励起光によって矢印Aの
ようにX線検出器56の表面を走査する。エネルギ潜像
Qは輝尽励起光で照射されることによってエネルギ蓄積
量に応じた強度で発光し、その発光は光電変換器(図示
せず)によって検出される。
【0007】この検出結果は、例えば図5(b)に示す
プロファイルPとして求められ、このプロファイルPに
関しての斜線で示す積分強度値、すなわちX線強度が求
められる。一般に、X線強度は試料を構成する原子の大
きさに依存するので、試料からのX線強度を求めれば、
試料に含まれる原子であってそのX線強度に寄与してい
る原子が何であるかを判別することが出来る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
X線測定装置51では、図6に示すように、シャッタ5
2を開くためのパルス信号Psと試料Sを回転させるた
めのパルス信号Pωが1つのパルスジェネレータから同
期して出力されていた。そのため、それらのパルス信号
の開始タイミングT0と終了タイミングT5とが一致し
ていた。
【0009】この場合、試料Sの回転の開始及び終了は
試料回転用パルスPωに瞬時に追従するものの、シャッ
タ52の開閉動作は矢印B及び矢印Cで示すようにシャ
ッタ開閉用パルスPsに対して遅れを持っていた。これ
は、シャッタ52のX線通過用穴57が閉位置と開位置
との間で回転する際、X線通過用穴57の全部が瞬時に
X線光路から外れたり、あるいはその全部が瞬時にX線
光路へ張り出すことができず、いずれの場合にも、X線
通過用穴57が徐々にX線光路から外れたり、あるいは
徐々に張り出すからであると考えられる。
【0010】このように、従来のX線測定装置ではシャ
ッタの開閉動作に遅れがあったため、X線プロファイル
Pの開始部分Dにおいては、X線が出ていないのに試料
が回転してしまい、その結果、本来は計数しなければな
らないX線を計数できないという問題があった。また、
X線プロファイルPの終了部分Eにおいては、目標とす
る測定角度の測角終了後にもX線が出続けてしまい、本
来は計数してはならないノイズ成分までも計数してしま
うという問題があった。
【0011】つまり、従来のX線露光装置では、測定開
始及び終了時において、試料に対するX線の露光時間が
不正確になるために精密な測定ができないという問題が
あった。
【0012】本発明は、上記の問題点に鑑みて成された
ものであって、試料に対するX線露光領域を希望通りに
正確に区画できるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】(1) 上記の目的を達
成するため、本発明に係るX線露光装置は、X線を発生
するX線源と、シャッタ開閉用パルス信号に基づいて動
作してX線の進行を開閉するシャッタと、試料に対する
X線の入射角度を変化させるための試料の回転を試料回
転用パルス信号に基づいて行う試料回転手段と、前記試
料回転用パルス信号の立ち上がりを前記シャッタ開閉用
パルス信号の立ち上がりよりも遅らせる制御手段とを有
することを特徴とする。
【0014】この構成のX線露光装置によれば、試料の
回転の開始がシャッタの開動作よりも遅れて行われるの
で、X線が出ていないのに試料が回転してしまうという
現象を回避でき、これにより、試料に対するX線露光領
域を希望通りに正確に区画できるようになる。
【0015】(2) 次に、本発明に係る他のX線露光
装置は、上記(1)に記載した構成のX線露光装置にお
いて、前記試料回転用パルス信号の立ち上がりを前記シ
ャッタ開閉用パルス信号の立ち上がりよりも遅らせる時
間は、前記シャッタが開き始めてから該シャッタからの
X線出射量が定格の最大量になるまでの時間であること
を特徴とする。
【0016】この構成によれば、試料に対する測角領域
の開始の時点で定格の最大量のX線を常に試料に照射で
き、これにより、X線プロファイルの開始部分の測定デ
ータを正確に採取できる。
【0017】(3) 次に、本発明に係る他のX線露光
装置は、上記(1)項又は上記(2)項に記載した構成
のX線露光装置において、前記試料回転用パルス信号の
立下りを前記シャッタ開閉用パルス信号の立下りよりも
遅らせる制御手段を有することを特徴とする。
【0018】この構成によれば、目標とする測定角度の
測角終了後にもX線が出続けてしまい、本来は計数して
はならないノイズ成分までも計数してしまうという現象
を回避でき、これにより、試料に対するX線露光領域を
希望通りに正確に区画できるようになる。
【0019】(4) 次に、本発明に係る他のX線露光
装置は、上記(3)項に記載した構成のX線露光装置に
おいて、前記試料回転用パルス信号の立下りを前記シャ
ッタ開閉用パルス信号の立下りよりも遅らせる時間は、
前記シャッタが閉じ始めてから該シャッタからのX線出
射が止まるまでの時間であることを特徴とする。
【0020】この構成によれば、試料に対する測角領域
の終了の時点でX線を常に正確にとめることができ、こ
れにより、X線プロファイルの終了部分の測定データを
正確に採取できる。
【0021】(5) 次に、本発明に係る他のX線露光
装置は、上記(4)項に記載した構成のX線露光装置に
おいて、前記試料回転用パルス信号の立下りを前記シャ
ッタ開閉用パルス信号の立下りよりも遅らせる時間は、
前記試料回転用パルス信号の立ち上がりを前記シャッタ
開閉用パルス信号の立ち上がりよりも遅らせる時間に比
べて短いことを特徴とする。
【0022】一般に、シャッタが閉じ始めてからX線が
止まり切るまでの時間は、シャッタが開き始めてから定
格の最大量のX線が出るまでの時間に比べて短い。この
ことに対応するため、上記構成のように、測角範囲の終
了時において試料回転用パルス信号の立ち下りを遅らせ
る時間を、測角範囲の開始時において試料回転用パルス
信号の立ち上がりを遅らせる時間よりも短くすることが
望ましい。
【0023】(6) 次に、本発明に係る他のX線露光
装置は、上記(1)項から上記(5)項に記載した構成
のX線露光装置において、前記シャッタ開閉用パルス信
号に基づいて動作して前記シャッタを開閉するロータリ
ー電磁ソレノイドと、前記試料回転用パルス信号に基づ
いて動作して試料を回転させるステッピングモータとを
有することを特徴とする。この構成によれば、本発明に
係る制御を簡単且つ正確に行うことが可能となる。
【0024】(7) 次に、本発明に係る他のX線露光
装置は、上記(6)項に記載した構成のX線露光装置に
おいて、前記試料回転用パルス信号の立ち上がりを前記
シャッタ開閉用パルス信号の立ち上がりよりも遅らせる
制御手段と、前記試料回転用パルス信号の立下りを前記
シャッタ開閉用パルス信号の立下りよりも遅らせる制御
手段とは、共通の制御回路によって構成され、さらに、
該制御回路は、入力端子に入力されるパルス信号に基づ
いて前記ロータリー電磁ソレノイドへ供給する矩形波信
号及び前記ステッピングモータへ供給するパルス信号を
互いに同期して出力するパルスジェネレータと、該パル
スジェネレータの入力端子に接続されるゲート回路と、
該ゲート回路の入力端子にパルス信号を供給する発振回
路と、前記パルスジェネレータから出力される前記パル
ス信号を遅延する遅延回路とを有することを特徴とす
る。
【0025】この構成によれば、測角範囲の開始時にお
いて試料回転用パルス信号の立ち上がりを遅らせる処理
と、測角範囲の終了時において試料回転用パルス信号の
立ち下りを遅らせる処理の両方を、簡単な構成によって
確実に実現できる。
【0026】(8) 次に、本発明に係る他のX線露光
装置は、上記(7)項に記載した構成のX線露光装置に
おいて、前記パルスジェネレータは、前記矩形波信号よ
りも時間T1だけ遅れて前記パルス信号を出力し、前記
遅延回路は入力した前記パルス信号を時間T2だけ遅ら
せて出力し、さらに、時間(T1+T2)は、前記シャ
ッタが開き始めてから該シャッタからのX線出射量が定
格の最大量になるまでの時間であることを特徴とする。
【0027】この構成によれば、測角範囲の開始に合せ
てシャッタからのX線出力を正確に定格の最大量に合せ
ることができ、しかも、測角範囲の終了に合せてシャッ
タからのX線出力を正確に止めることが出来る。これに
より、シャッタからのX線の出力を正確に測角範囲に合
せることができる。
【0028】(9) 次に、本発明に係る他のX線測定
装置は、試料をX線で露光するX線露光装置と、試料か
ら発生するX線を検出するX線検出手段とを有し、前記
X線露光装置は、X線を発生するX線源と、シャッタ開
閉用パルス信号に基づいて動作してX線の進行を開閉す
るシャッタと、試料に対するX線の入射角度を変化させ
るための試料の回転を試料回転用パルス信号に基づいて
行う試料回転手段と、前記試料回転用パルス信号の立ち
上がりを前記シャッタ開閉用パルス信号の立ち上がりよ
りも遅らせる制御手段とを有することを特徴とする。
【0029】この構成のX線測定装置によれば、内蔵す
るX線露光装置において、目標とする測角範囲が規定量
のX線によって正確に露光されるので、X線検出手段に
よって検出されるX線は非常に信頼性の高い採取データ
となる。
【0030】(10) 次に、本発明に係る他のX線測
定装置は、上記(9)項に記載した個性のX線測定装置
において、前記X線検出手段はエネルギ蓄積型のX線検
出器であることを特徴とする。ここで、「エネルギ蓄積
型のX線検出器」とは、多くの場合は、X線を平面領域
内で捕らえることができる2次元X線検出器であって、
例えば、蓄積性蛍光体、CCD検出器等を用いて構成で
きる。
【0031】ここで、CCD検出器は、それ自体周知の
電子素子であるCCD(Charge Coupled Device)すな
わち電荷結合素子を用いたX線検出器である。CCD
は、例えば、シリコン基板上に複数の電極を絶縁層を挟
んで直線状に並べることによって形成された電極アレイ
を有し、この電極アレイをX線取込み口に対応して配置
したものがCCD検出器である。電極アレイを構成する
個々の電極に対応する位置にX線が当たると、当該電極
の下に電荷が蓄積され、さらに電極と基板との間に電圧
を次々に与えることにより、蓄積された電荷を転送して
外部へ出力するものである。このCCD検出器によれ
ば、電極アレイが延びる直線配位内にX線が入射したと
き、そのX線入射位置及びX線強度の両方をほぼ同時に
検出できる。
【0032】また、蓄積性蛍光体とは、エネルギ蓄積型
の放射線検出器であり、輝尽性蛍光物質、例えばBaF
Br:Er2+の微結晶を可撓性フィルム、平板フィル
ム、その他の部材の表面に塗布等によって成膜したもの
である。この蓄積性蛍光体は、X線等をエネルギの形で
蓄積でき、さらにレーザ光等といった輝尽励起光の照射
により、そのエネルギを外部に光として放出できる性質
を有する物体である。
【0033】つまり、蓄積性蛍光体にX線等を照射する
と、その照射された部分に対応する蓄積性蛍光体の内部
にエネルギが潜像として蓄積され、さらにその蓄積性蛍
光体にレーザ光等といった輝尽励起光を照射すると上記
線像エネルギが光となって外部へ放出される。この放出
された光を光電管等によって検出することにより、線像
の形成に寄与したX線の回折角及び強度を測定できる。
【0034】(11) 次に、本発明に係る他のX線測
定装置は、上記(9)項又は上記(10)項に記載した
構成のX線測定装置において、前記X線露光装置は、上
記(2)項から上記(8)項に記載した構成のX線露光
装置を用いて構成されることを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るX線露光装
置の一実施形態及び本発明に係るX線測定装置の一実施
形態を示している。ここに示すX線測定装置1は、X線
露光装置2にX線検出器3及び制御装置4を付設するこ
とによって構成される。
【0036】X線露光装置2は、X線を発生するX線源
Fと、鉛等といったX線遮蔽材料によって例えば円柱状
に形成されたシャッタ6と、シャッタ6を通る軸線L0
を中心としてそのシャッタ6を回転させるシャッタ駆動
装置7と、試料Sを通る軸線ωを中心としてその試料S
を回転させる試料回転装置8とを有する。
【0037】試料Sとしては、例えば単結晶試料が供出
される。また、シャッタ駆動装置7は、ロータリー電磁
ソレノイド7aを駆動源として構成される。また、試料
回転装置8は、ステッピングモータ8aを駆動源として
構成される。
【0038】シャッタ6は、軸線L0とほぼ直交するX
線通過用穴9を有する。このX線通過用穴9がX線光路
に一致するとき、シャッタ6に到達したX線はこのX線
通過用穴9を通って下流側(ずなわち、図1の右側)へ
出射される。この状態が、シャッタ6が開いている状態
である。一方、X線通過用穴9がX線光路と交わる位置
に在るとき、シャッタ6に到達したX線はシャッタ6の
本体部分によってその進行を遮断される。この状態が、
シャッタ6が閉じている状態である。
【0039】シャッタ駆動装置7は制御装置4から供給
される矩形波信号PsがONの間、シャッタ6を開状態
に保持し、矩形波信号PsがOFFの間、シャッタ6を
閉状態に保持する。また、試料回転装置8は制御装置4
から駆動用パルス信号Pωが供給される間、その供給パ
ルス数に対応して自らの出力軸を回転させる。
【0040】X線検出器3はX線を平面的に取り込むこ
とができるX線検出器、いわゆる2次元X線検出器であ
って、しかも取り込んだX線をエネルギの形で蓄積でき
る構造のX線検出器として構成されている。このような
X線検出器としては、例えば、蓄積性蛍光体を用いるこ
とができる。なお、蓄積性蛍光体に代えてCCD検出器
を用いることもできる。
【0041】制御装置4は、例えば図2に示すように、
CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Ran
dom Access Memory)12、ROM(Read Only Memor
y)13、情報記憶媒体14等を含むコンピュータシス
テムによって構成される。RAM12は、CPU11の
作業領域やテンポラリファイル等として機能し、具体的
には、CPU11の演算結果や情報記憶媒体14の内容
やROM13の内容等が一時的に格納される。また、R
OM13はシステムプログラム、すなわち、システム本
体の初期化情報を記憶する。
【0042】情報記憶媒体14は、コンピュータによっ
て使用可能な記憶媒体であって、プログラムやデータ等
といった情報を格納するための要素であり、例えば、ハ
ードディスクや、磁気ディスクや、磁気テープや、RO
M等といった半導体メモリや、MO(Magnet Optical)
等といった光磁気ディスクや、CD(Compact Disc)、
DVD(Digital Video Disc)等といった光ディスク等
によって構成できる。
【0043】CPU11は、情報記憶媒体14に格納さ
れたプログラムや、ROM13に格納されたシステムプ
ログラムや、操作入力装置から入力される信号等に従っ
て、システム全体の制御や各種のデータ処理を行う。
【0044】制御装置4は、CPU11によってその動
作が制御されるパルス生成回路16を有する。このパル
ス生成回路16は、シャッタ6を回転駆動するロータリ
ー電磁ソレノイド7aの駆動用回路、すなわちシャッタ
用ドライバ17へ供給するための駆動用の矩形波信号P
sを生成し、同時に、試料Sを回転駆動するステッピン
グモータ8aの駆動用回路、すなわち試料回転用ドライ
バ18へ供給するための駆動用のパルス信号Pω0を生
成する。
【0045】パルス生成回路16は、例えば図3に示す
ように、所定周波数のパルスを発振して出力するクリス
タル振動子21と、タイマ22と、ゲート23と、そし
てパルスジェネレータ24とを有する。タイマ22は、
CPU11からの任意のタイミングT0における指示に
従って所定時間T1を計時する。また、ゲート23は、
クリスタル振動子21の出力パルスをタイマ22の出力
信号に応じて通過させる。
【0046】また、パルスジェネレータ24は、ゲート
23を通して送られるパルス信号に基づいて且つCPU
11からの任意のタイミングT0における指示に従っ
て、第1端子に所定時間T3の間、矩形波Psを出力
し、さらに第2端子に同じく時間T3の間、所定周波数
のパルス信号Pω0を出力する。
【0047】なお、パルス出力Pω0の立ち上がりは、
ゲート23を通してパルスジェネレータ24へ入力され
るパルス信号の立ち上がりによって規定される。従っ
て、ゲート23を通過してパルスジェネレータ24へ送
られるパルス信号が、タイマ22によってタイミングT
0から時間T1の間だけ中断されれば、パルス信号Pω
0の立ち上がりは矩形波Psの立ち上がりタイミングT
0よりも時間T1だけ遅れることになる。
【0048】図2において、パルス生成回路16の試料
側の出力端子と試料回転用ドライバ18との間にはデジ
タルディレイ回路26が設けられる。このデジタルディ
レイ回路26は、入力したデジタル信号の全体を所定時
間T2だけ遅らせて出力する機能を有するものであり、
この機能を達成できる限りにおいて任意の回路構成を採
用できる。
【0049】制御装置4の入出力ポートには、出力装置
としてのディスプレイ27、出力装置としてのプリンタ
28及びキーボード、マウス型入力器等といった操作入
力装置29が接続される。
【0050】以下、本実施形態に係るX線露光装置及び
X線測定装置の動作を説明する。
【0051】まず、試料Sに関する主測定を行う前に、
図4におけるパルス生成回路出力Pω0に関する立上げ
遅延時間T1及びパルス遅延時間T2を予備測定によっ
て決める。なお、立上げ遅延時間T1というのは、図3
において、シャッタ開閉用パルスPsの立上がりタイミ
ングT0に比べて、試料回転用初期パルスPω0の立上
りタイミングT4をどれだけ遅らせるかという時間であ
る。また、パルス遅延時間T2というのは、図4におい
て、シャッタがタイミングT5で閉じ始めてからX線の
出射が完全に止まるまでの時間である。
【0052】図1において、試料Sを所定位置に装着す
ることなく、X線源FからX線を出射しながらシャッタ
6をON及びOFFさせてシャッタ6を通過するX線
を、例えばPC(Proportional Counter)、SC(Scin
tillation Counter)等といった0次元X線検出器によ
って検出する。これにより、図4において、シャッタ6
が開き始めてから定格の最大X線強度が得られるように
なるまでの時間(すなわち、要OPEN時間)T6が実測に
よって求められる。また、シャッタ6が閉じ始めてから
X線の出射が止まるまでの時間(すなわち、要CLOSE時
間)T2がパルス遅延時間T2として実測によって求め
られる。
【0053】そして、パルス生成回路の出力信号である
試料回転用初期パルスPω0の立ち上りを遅らせる時間
T1を T1=T6−T2 によって求める。
【0054】以上によって求められた、試料回転用初期
パルスPω0の立上げ遅延時間T1、試料回転用初期パ
ルスPω0のパルス遅延時間T2及び要OPEN時間T6
は、図2の操作入力装置29によって制御装置4へ入力
され、その入力値は、例えば、RAM12又は情報記憶
媒体14に記憶される。
【0055】次に、図1において、試料SをX線光路上
の所定位置に装着し、試料Sの下流側の所定位置に2次
元型で蓄積性のX線検出器3を配設する。また、図2に
おいて、操作入力装置29を通して、制御装置4へ、目
標とする測定開始角度α0及び測定終了角度α1を指示
する。
【0056】次に、測定開始の指示を行うと、試料回転
装置8が作動して試料Sがω軸線を中心として回転を開
始して測定開始角度位置α0へセットされる。その後、
図4のタイミングT0において図3のパルス生成回路1
6からシャッタ開閉用パルスPsが発生し、これによ
り、図1のシャッタ6が図4の矢印Fで示すように開き
始める。
【0057】その後、遅延時間T1が経過すると、図3
のパルス生成回路16から試料回転用初期パルスPω0
が発生し、こうして発生した試料回転用初期パルスPω
0は図2においてデジタルディレイ回路26に入力さ
れ、その回路26によってパルス遅延時間T2だけ遅延
された後、試料回転用パルスPωとして出力される。こ
の結果、試料Sは図4に矢印Gで示すように、シャッタ
6がタイミングT0で開き始めてから要OPEN時間T6の
経過後に回転を開始する。
【0058】こうして試料Sが回転を開始するときに
は、シャッタ6を通過するX線は既に定格の最大強度値
に達しているので、試料Sには十分な強度のX線が照射
される。その後、試料Sが角度α0から角度α1へ向け
て回転する間、シャッタ6を通過したX線が試料Sへ入
射し、そのときに試料Sで発生する回折X線、場合によ
っては散乱X線によってX線検出器3が露光されて、該
露光位置にエネルギ潜像Qが形成される。
【0059】図4において、シャッタ開閉用パルスPs
は、測定角度α1に相当するタイミングよりもパルス遅
延時間T2だけ早いタイミングT5で立ち下る。そし
て、試料回転用パルスPωはシャッタ開閉用パルスPs
が立ち下がってからパルス遅延時間T2後に終了する。
つまり、試料Sは、シャッタ6が閉じてからパルス遅延
時間T2の間は回転を継続して測定角度α1まで回転移
動する。
【0060】このとき、パルス遅延時間T2は、予めシ
ャッタ6が閉じ始めてからX線の出射が完全に止まるま
での時間として設定されているので、測定角度α1まで
回転移動する試料Sには最後まで十分なX線が照射さ
れ、しかも試料Sが角度α1で止まった後に不要なX線
が照射されることを確実に防止できる。この結果、図4
(a)に示すグラフのように、測定角度α0から測定角度
α1の全域にわたって正確にプロファイルを求めること
ができ、それ故、測定角度α0から測定角度α1までの
正確な積分強度を得ることができる。
【0061】なお、X線検出器3にエネルギ潜像Qが形
成された後に行われる、X線検出器3に対する読取り処
理は、図5に関連して説明した処理と同じであるので、
ここでの説明は省略する。
【0062】(その他の実施形態)以上、好ましい実施
形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形
態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明
の範囲内で種々に改変できる。
【0063】例えば、図1に示すX線露光装置2は図1
に示すX線測定装置1に用いられることに限られず、そ
の他の任意の構造のX線測定装置に適用することができ
る。
【0064】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係るX
線露光装置及びX線測定装置によれば、試料のω回転の
開始がシャッタの開動作よりも遅れて行われるので、X
線が出ていないのに試料がω回転してしまうという現象
を回避でき、これにより、試料に対するX線露光領域を
希望通りに正確に区画できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線露光装置及びX線測定装置の
それぞれの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るX線露光装置及びX線測定装置の
制御系に関する一実施形態を示すブロック図である。
【図3】図2のブロック図の主要部を示す回路図であ
る。
【図4】図2に示す制御系によって実行される制御のタ
イミングチャートである。
【図5】従来のX線測定装置の一例を示す斜視図であ
る。
【図6】図5に示す従来のX線測定装置によって実行さ
れる制御のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 X線測定装置 2 X線露光装置 3 X線検出器 6 シャッタ 7 シャッタ駆動装置 7a ロータリー電磁ソレノイド 8 試料回転装置 8a ステッピングモータ 9 X線通過用穴 14 情報記憶媒体 T0 測定開始タイミング T1 試料回転用初期パルスの立上げ遅延時間 T2 試料回転用初期パルスの遅延時間(要CL
OSE時間) T3 出力継続時間 T4 試料回転用初期パルスの立上りタイミン
グ T5 シャッタ開閉用パルスの立下りタイミン
グ T6 要OPEN時間 Q エネルギ潜像 R0 X線 S 試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 貴久 東京都昭島市松原町3丁目9番12号 理学 電機株式会社拝島工場内 Fターム(参考) 2G001 AA01 BA14 BA18 CA01 DA09 GA01 GA13 JA08 KA08 PA12 SA01 SA04

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線を発生するX線源と、 シャッタ開閉用パルス信号に基づいて動作してX線の進
    行を開閉するシャッタと、 試料に対するX線の入射角度を変化させるための試料の
    回転を試料回転用パルス信号に基づいて行う試料回転手
    段と、 前記試料回転用パルス信号の立ち上がりを前記シャッタ
    開閉用パルス信号の立ち上がりよりも遅らせる制御手段
    とを有することを特徴とするX線露光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記試料回転用パルス信号の立ち上がりを前記シャッタ
    開閉用パルス信号の立ち上がりよりも遅らせる時間は、
    前記シャッタが開き始めてから該シャッタからのX線出
    射量が定格の最大量になるまでの時間であることを特徴
    とするX線露光装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、 前記試料回転用パルス信号の立下りを前記シャッタ開閉
    用パルス信号の立下りよりも遅らせる制御手段を有する
    ことを特徴とするX線露光装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記試料回転用パルス信号の立下りを前記シャッタ開閉
    用パルス信号の立下りよりも遅らせる時間は、前記シャ
    ッタが閉じ始めてから該シャッタからのX線出射が止ま
    るまでの時間であることを特徴とするX線露光装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記試料回転用パルス信号の立下りを前記シャッタ開閉
    用パルス信号の立下りよりも遅らせる時間は、 前記試料回転用パルス信号の立ち上がりを前記シャッタ
    開閉用パルス信号の立ち上がりよりも遅らせる時間に比
    べて短いことを特徴とするX線露光装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5の少なくともいず
    れか1つにおいて、 前記シャッタ開閉用パルス信号に基づいて動作して前記
    シャッタを開閉するロータリー電磁ソレノイドと、 前記試料回転用パルス信号に基づいて動作して試料を回
    転させるステッピングモータとを有することを特徴とす
    るX線露光装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記試料回転用パルス信号の立ち上がりを前記シャッタ
    開閉用パルス信号の立ち上がりよりも遅らせる制御手段
    と、前記試料回転用パルス信号の立下りを前記シャッタ
    開閉用パルス信号の立下りよりも遅らせる制御手段と
    は、共通の制御回路によって構成され、 該制御回路は、 入力端子に入力されるパルス信号に基づいて前記ロータ
    リー電磁ソレノイドへ供給する矩形波信号及び前記ステ
    ッピングモータへ供給するパルス信号を互いに同期して
    出力するパルスジェネレータと、 該パルスジェネレータの入力端子に接続されるゲート回
    路と、 該ゲート回路の入力端子にパルス信号を供給する発振手
    段と、 前記パルスジェネレータから出力される前記パルス信号
    を遅延する遅延回路とを有することを特徴とするX線露
    光装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記パルスジェネレータは、前記矩形波信号よりも時間
    T1だけ遅れて前記パルス信号を出力し、 前記遅延回路は前記パルス信号を時間T2だけ遅らせて
    出力し、 時間(T1+T2)は、前記シャッタが開き始めてから
    該シャッタからのX線出射量が定格の最大量になるまで
    の時間であることを特徴とするX線露光装置。
  9. 【請求項9】 試料をX線で露光するX線露光装置と、
    試料から発生するX線を検出するX線検出手段とを有
    し、 前記X線露光装置は、 X線を発生するX線源と、 シャッタ開閉用パルス信号に基づいて動作してX線の進
    行を開閉するシャッタと、 試料に対するX線の入射角度を変化させるための試料の
    回転を試料回転用パルス信号に基づいて行う試料回転手
    段と、 前記試料回転用パルス信号の立ち上がりを前記シャッタ
    開閉用パルス信号の立ち上がりよりも遅らせる制御手段
    とを有することを特徴とするX線測定装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、前記X線検出手段
    はエネルギ蓄積型のX線検出器であることを特徴とする
    X線測定装置。
  11. 【請求項11】 請求項9又は請求項10において、前
    記X線露光装置は、請求項2から請求項8のいずれか1
    つに記載のX線露光装置を用いて構成されることを特徴
    とするX線測定装置。
JP2001263974A 2001-08-31 2001-08-31 X線露光装置及びx線測定装置 Pending JP2003075373A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001263974A JP2003075373A (ja) 2001-08-31 2001-08-31 X線露光装置及びx線測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001263974A JP2003075373A (ja) 2001-08-31 2001-08-31 X線露光装置及びx線測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003075373A true JP2003075373A (ja) 2003-03-12

Family

ID=19090648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001263974A Pending JP2003075373A (ja) 2001-08-31 2001-08-31 X線露光装置及びx線測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003075373A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102014207208A1 (de) 2013-04-17 2014-10-23 Rigaku Corporation Röntgen-Diffraktionsvorrichtung, Röntgen-Diffraktionsmessverfahren und Steuerprogramm
DE102014223175A1 (de) 2013-11-15 2015-05-21 Rigaku Corporation Strahlungsdetektor und Röntgenanalysevorrichtung und Strahlungsdetektionsverfahren, das dieselbeverwendet

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102014207208A1 (de) 2013-04-17 2014-10-23 Rigaku Corporation Röntgen-Diffraktionsvorrichtung, Röntgen-Diffraktionsmessverfahren und Steuerprogramm
US9347895B2 (en) 2013-04-17 2016-05-24 Rigaku Corporation X-RAY diffraction apparatus, X-RAY diffraction measuring method, and control program
DE102014223175A1 (de) 2013-11-15 2015-05-21 Rigaku Corporation Strahlungsdetektor und Röntgenanalysevorrichtung und Strahlungsdetektionsverfahren, das dieselbeverwendet
US9945961B2 (en) 2013-11-15 2018-04-17 Rigaku Corporation Radiation detector, and X-ray analysis apparatus and radiation detection method using the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20020060640A1 (en) Doppler-shift radar transceiver for traffic monitoring system
JP6905748B2 (ja) ソーラースリット、x線回折装置および方法
CN107621760A (zh) 图像形成装置
JP2003075373A (ja) X線露光装置及びx線測定装置
JPH07148158A (ja) 診断用x線システム、及びx線作像システムの放射線写真グリッドを相反的に移動させる方法
JPH07181409A (ja) ポリゴンミラーモータの制御回路およびこれを用いたレーザビーム印刷装置
US6037734A (en) Motor velocity controlling method employing detection of all side edges of phase signals of an encoder to generate control target values for updating a motor control command
US5943087A (en) Laser beam printing machine
US6600807B2 (en) Method of and apparatus for taking radiation images
JPH06109669A (ja) 単結晶製品板の結晶評価法及びその装置
JP2977166B2 (ja) 広範囲x線検出器を備えたx線回折装置
US6035148A (en) Shuttering system for a sensitometer
JP3590681B2 (ja) X線吸収微細構造分析方法およびその装置
TW468159B (en) Apparatus for and method of scanning an information carrier
Alkire et al. Development of a real-time timing-shutter performance monitor for protein crystallography
JPH0211101B2 (ja)
JP5007517B2 (ja) 放射線回折装置及び放射線回折法
JP2002228605A (ja) X線装置
CN111355947A (zh) 相机启动时间的测量方法
JP2014053192A (ja) アトムプローブ測定装置およびアトムプローブ測定方法
EP1296181A2 (en) X-ray image reader
JPH1090806A (ja) 原稿検知装置
JP2658127B2 (ja) 薄層のx線分光分析方法
JP2003149178A (ja) X線装置
JPS6069957A (ja) レ−ザビ−ム記録装置