JP2003074103A - 簡易トラップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工性を損なうことなく異物の溜まりや詰ま
りを確実に防止することができる簡易トラップを提供す
る。 【解決手段】 排水部１から排水配管２までの間に設け
られ、上流側から順に、ほぼＵ字形状をした水溜部３
と、ほぼ逆Ｕ字形状をしたコーナー部４と、その上流側
位置および下流側位置の２箇所に蛇腹部分５が形成され
た排水導出部６とを有する簡易トラップＤにおいて、前
記排水導出部６の各蛇腹部分５の内側に相当する部分
に、蛇腹部分５の上端から下部まで延びるほぼ筒形状の
カバー体７を配置した。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、排水部から排水配
管までの間に設けられる簡易トラップに関する。 【０００２】 【従来の技術】図５に示すように、洗面台１ａ等の排水
部１から床下に位置する排水配管２までの間に設けら
れ、上流側から順に、ほぼＵ字形状をした水溜部３と、
ほぼ逆Ｕ字形状をしたコーナー部４と、排水導出部１１
とを有する従来の簡易トラップとして、前記排水導出部
１１に変形自在な長い蛇腹部分１２を設けることによ
り、前記排水部１と前記排水配管２の上流口２ａとの位
置合わせが厳密になされていなくても、前記蛇腹部分１
２を変形させることで、取り付け作業を容易に行えるよ
うに構成されたものがある。 【０００３】しかし、上記のような構成からなる従来の
簡易トラップでは、水以外の異物が前記蛇腹部分１２の
溝１２ａに溜まる不都合が生じ、また、前記蛇腹部分１
２に屈曲度が大きい箇所が形成されてしまうと、その箇
所において異物の詰まりが生じるおそれがあった。 【０００４】そこで、上記のような蛇腹部分の溝への異
物の溜まりを低減し、かつ異物の詰まりを防止できるも
のとして、前記蛇腹部分を短く、かつ排水導出部の上流
側位置および下流側位置のみに設けるようにして、蛇腹
部分全体の長さを減らした簡易トラップがある。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の構成か
らなる簡易トラップでは、前記蛇腹部分全体を短くして
いるものの、やはり蛇腹部分に異物が溜まるおそれがあ
った。 【０００６】本発明は上述の事柄に留意してなされたも
ので、その目的は、施工性を損なうことなく異物の溜ま
りや詰まりを確実に防止することができる簡易トラップ
を提供することである。 【０００７】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の簡易トラップは、排水部から排水配管まで
の間に設けられ、上流側から順に、ほぼＵ字形状をした
水溜部と、ほぼ逆Ｕ字形状をしたコーナー部と、その上
流側位置および下流側位置の２箇所に蛇腹部分が形成さ
れた排水導出部とを有する簡易トラップにおいて、前記
排水導出部の各蛇腹部分の内側に相当する部分に、蛇腹
部分の上端から下部まで延びるほぼ筒形状のカバー体を
配置した（請求項１）。 【０００８】上記の構成からなる簡易トラップでは、前
記蛇腹部分の内側にカバー体を配置していることから、
前記排水部からの排水が蛇腹部分の内側に接触すること
がなく、それによって、蛇腹部分の溝内に、水（排水）
および水（排水）に含まれる異物が溜まることを確実に
防止できるのである。 【０００９】また、上記簡易トラップでは、前記排水導
出部に設けられた蛇腹部分を適宜屈曲させることによ
り、予め前記排水部と排水配管との位置合わせを厳密に
行っていなくとも、簡単に取り付けを行えるのである。 【００１０】また、上記簡易トラップでは、前記蛇腹部
分が複数箇所に設けられていることから、各蛇腹部分を
適宜に屈曲させることによって、排水導出部全体として
十分な屈曲度を得られるとともに、各蛇腹部分の長さを
制限することなどによりその屈曲度を限定することによ
って、排水導出部において極端に大きく屈曲する部分が
形成されることを確実に防止することができ、排水導出
部において屈曲させた部分、すなわち蛇腹部分に水以外
の異物が詰まることを回避できるのである。 【００１１】すなわち、上記の構成により、施工性を損
なうことなく異物の溜まりや詰まりを確実に防止するこ
とができる簡易トラップを提供することが可能となる。 【００１２】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を、図を
参照しながら説明する。図１は、本発明の第一実施例に
係る簡易トラップＤの構成を概略的に示す斜視図であ
る。簡易トラップＤは、排水部１から床下に位置する排
水配管２までの間に設けられ、上流側から順に、ほぼＵ
字形状をした水溜部３と、ほぼ逆Ｕ字形状をしたコーナ
ー部４と、少なくともその上流側位置および下流側位置
の２箇所に蛇腹部分５が形成された排水導出部６とを有
しており、前記排水導出部６の各蛇腹部分５の内側に相
当する部分に、蛇腹部分５の上端から下部まで延びるほ
ぼ筒形状（例えば、円筒形状）のカバー体７を配置した
ものである。 【００１３】前記排水部１は、例えば、洗面台１ａ、流
し台、便器などの水栓具の排水口１ｂあるいは洗濯機
（図示せず）などの装置の排水口１ｂと、この排水口１
ｂに連なる連結管１ｃとからなる。 【００１４】前記水溜部３は、その上流端が前記排水部
１に接続されており、また、その底部には水抜き用のキ
ャップ３ａが設けられている。 【００１５】前記コーナー部４の上流端は前記水溜部３
に接続されている。 【００１６】図２は、前記コーナー部４および排水導出
部６の構成を概略的に示す説明図である。前記排水導出
部６は、その上流端が前記コーナー部４に連なってお
り、下流端が前記排水配管２の上流口２ａに接続されて
いる。また、排水導出部６と前記コーナー部４とは、一
体的に形成されて、調整筒体８となっている。 【００１７】そして、前記排水導出部６は、ほぼ直線状
に延びる円筒形状に形成された筒部分６ａと、前記蛇腹
部分５とを組み合わせて構成されている。本実施例で
は、前記蛇腹部分５は、排水導出部６の上流側位置およ
び下流側位置の２箇所のみに設けられており、その他の
部分は筒部分６ａとなっている。また、各蛇腹部分５の
長さの前記排水導出部６全体の長さに対する割合が、比
較的小さく（例えば、１／２０〜１／２０程度に）なる
ように構成されている。 【００１８】なお、前記蛇腹部分５を、排水導出部６の
上流側位置および下流側位置の２箇所のみに設けるとす
る必要はなく、例えば、前記上流側位置と下流側位置と
の間において、１箇所（例えば、排水導出部６のほぼ中
央部）あるいは複数箇所にも前記蛇腹部分５を設けるよ
うにしてもよい。 【００１９】図３は、前記排水導出部６の要部の構成を
概略的に示す説明図である。前記カバー体７は、その内
壁が前記筒部分６ａの内壁と面一となるように筒部分６
ａにその上端が連設されており、また、その肉厚が筒部
分６ａの肉厚よりも小さくなるように形成され、さら
に、蛇腹部分５の内側に沿うように構成されている。さ
らに、カバー体７は、その外径が下側ほど細くなるよう
に形成されている。 【００２０】そして、前記カバー体７は、各蛇腹部分５
の内側に相当する部分に、蛇腹部分５の上端から下部ま
で延びるように配置されているのであるが、ここでいう
蛇腹部分５の下部とは、蛇腹部分５の下端とほぼ同じ位
置のみならず、下端より少し上側の位置をも含んでい
る。すなわち、前記カバー体７は、蛇腹部分５を通過す
る排水が蛇腹部分５の内側に接触して蛇腹部分５の溝５
ａ内に排水中の異物が溜まることを防止するために、前
記排水を各蛇腹部分５の内側に接触しないようにガイド
するためのものであり、そのような機能を発揮できる範
囲で、前記カバー体７の下端の位置が決定されるのであ
る。 【００２１】上記の構成からなる簡易トラップＤは、前
記調整筒体８（コーナー部４）の上流端と水溜部３の下
流端とを連結するだけで組み立てることができる。ま
た、前記簡易トラップＤの取り付けは、前記水溜部３の
上流端を排水部１の下流端に連結するとともに、前記調
整筒体８（排水導出部６）の下流端を前記排水配管２の
上流口２ａに連結するだけで行うことができる。 【００２２】上述のように、排水部１と排水配管２との
間に簡易トラップＤを取り付けた状態では、排水部１か
らの排水は、水溜部３を経てコーナー部４，排水導出部
６をこの順に通った後、排水配管２へと導出されること
になる。 【００２３】上記の構成からなる簡易トラップＤでは、
前記蛇腹部分５の内側にカバー体７を配置していること
から、前記排水部１からの排水が蛇腹部分５の内側に接
触することがなく、それによって、蛇腹部分５の溝５ａ
内に、水（排水）および水（排水）に含まれる異物が溜
まることを確実に防止できるのである。 【００２４】また、上記の構成からなる簡易トラップＤ
では、前記排水導出部６に設けられた蛇腹部分５を適宜
屈曲させることにより、予め前記排水部１と排水配管２
との位置合わせを厳密に行っていなくとも、簡単に簡易
トラップＤの取り付けを行えるのである。 【００２５】さらに、上記の構成からなる簡易トラップ
Ｄでは、前記蛇腹部分５が複数箇所に設けられているこ
とから、各蛇腹部分５を適宜に屈曲させることによっ
て、排水導出部６全体として十分な屈曲度を得られると
ともに、各蛇腹部分５の長さを制限することなどにより
その屈曲度を限定することによって、排水導出部６にお
いて極端に大きく屈曲する部分が形成されることを確実
に防止することができ、排水導出部６において屈曲させ
た部分、すなわち蛇腹部分５に水以外の異物が詰まるこ
とを回避できるのである。 【００２６】なお、上記の構成からなる簡易トラップＤ
では、前記排水部１が排水口１ｂと連結管１ｃとからな
っているが、このような構成に限るものではなく、例え
ば、前記連結管１ｃを設けずに、前記排水部１が排水口
１ｂのみからなる構成としてもよい。 【００２７】また、上記の構成からなる簡易トラップＤ
では、前記コーナー部４と排水導出部６とが一体的に形
成されているが、このような構成に限るものではなく、
例えば、前記コーナー部４と排水導出部６とが別体とし
て形成されていてもよい。 【００２８】図４は、本発明の第二実施例に係る簡易ト
ラップＤ₂ の要部の構成を概略的に示す説明図である。
なお、上記第一実施例に示したものと同一構造の部材に
ついては、同じ符号を付し、その説明を省略する。第二
実施例の簡易トラップＤ₂ は、第一実施例の簡易トラッ
プＤに比して、前記排水導出部６が、前記蛇腹部分５の
上流端（上端）側で分割できるように構成されている点
で異なる。 【００２９】すなわち、前記蛇腹部分５の上流（上端）
側には、外径が前記筒部分６ａと同一でありほぼ円筒形
状の接続部９が形成されている一方、前記カバー体７の
上流（上端）側には、外径が前記接続部９の内径とほぼ
同一である段差部１０が形成されており、前記カバー体
７を蛇腹部分５内の所定位置まで挿入すると、前記段差
部１０と前記接続部９とが連結されるように構成されて
いる。なお、前記接続部９と段差部１０とを連結した状
態での固定は、例えば、接着剤を用いて接着したり、粘
着テープ等を巻き付けるなど、適宜の手段によって行え
ばよい。 【００３０】上記の構成からなる簡易トラップＤ₂ で
は、前記排水導出部６が分割可能な複数のパーツから構
成されることになる。例えば、前記蛇腹部分５を上流側
位置および下流側位置の二箇所のみに設け、各蛇腹部分
５の上流側で排水導出部６を分割できるようにした場合
には、前記排水導出部６は、３つのパーツに分割可能と
なる。そして、排水導出部６を構成する複数のパーツの
いずれか一つまたは複数を、その長さを変えて数種類用
意しておけば、前記排水部１から排水配管２までの距離
に合わせて、適宜の長さのパーツを選択することで、簡
易トラップＤ₂ の取り付けを容易に行うことが可能とな
る。また、前記パーツを数種類用意する構成に代えて、
あるいはそのような構成に加えて、上流（上端）側から
順に、蛇腹部分５と筒部分６ａとカバー体７とを有する
部材（図示せず）を別途用意しておけば、前記排水部１
から排水配管２までの距離が想定していたよりも長い場
合などに、前記部材を排水導出部６に継ぎ足すことで対
応することが可能となる。 【００３１】上記の構成からなる簡易トラップＤ₂ で
は、第一実施例の簡易トラップＤによって得られる効果
に加えて、前記排水導出部６を分割可能な複数のパーツ
から構成していることによる上述したような効果が得ら
れるのである。 【００３２】 【発明の効果】上記の構成からなる本発明によれば、施
工性を損なうことなく異物の溜まりや詰まりを確実に防
止することができる簡易トラップを提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の第一実施例に係る簡易トラップの構成
を概略的に示す斜視図である。 【図２】上記実施例におけるコーナー部および排水導出
部の構成を概略的に示す説明図である。 【図３】上記実施例における排水導出部の要部の構成を
概略的に示す説明図である。 【図４】本発明の第二実施例に係る簡易トラップの要部
の構成を概略的に示す説明図である。 【図５】従来の簡易トラップの構成を概略的に示す説明
図である。 【符号の説明】 １…排水部、２…排水配管、３…水溜部、４…コーナー
部、５…蛇腹部分、６…排水導出部、７…カバー体、Ｄ
…簡易トラップ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 排水部から排水配管までの間に設けら
   れ、上流側から順に、ほぼＵ字形状をした水溜部と、ほ
   ぼ逆Ｕ字形状をしたコーナー部と、その上流側位置およ
   び下流側位置の２箇所に蛇腹部分が形成された排水導出
   部とを有する簡易トラップにおいて、前記排水導出部の
   各蛇腹部分の内側に相当する部分に、蛇腹部分の上端か
   ら下部まで延びるほぼ筒形状のカバー体を配置したこと
   を特徴とする簡易トラップ。