JP2003073926A - 無機繊維及びその製造方法 - Google Patents
無機繊維及びその製造方法Info
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Abstract
に比べて優れた生体溶解性を兼ね備えた無機繊維、並び
にその製造方法を提供する。 【解決手段】 SiO2、MgO及び酸化マンガンを必
須成分として含有する出発原料を、1700〜2000
℃の温度に加熱して溶融し、得られた融液を急冷して繊
維化して、SiO2、MgO及び酸化マンガンを必須成
分として含有し、かつ前記成分からなる非晶質部分を構
造中に含むことを特徴とする無機繊維を得る。
Description
り詳細には優れた耐熱性とともに、生体内に入り込んだ
場合でも容易に溶解し、生体外に排出される無機繊維、
並びにその製造方法に関する。
めとする無機繊維は耐熱性能に優れることから、建築物
をはじめとする各種構造物の断熱部位に広く使用されて
いる。
搬、あるいは施工に際してその一部が空中に浮遊し、こ
の浮遊無機繊維の一部が呼吸等により人体に入り込むこ
とがある。入り込んだ無機繊維の中で、比較的大きなも
のは鼻腔や口腔に捉えられ、鼻汁や唾液とともに体外へ
排出されたり、胃等の消化器系に飲み込まれるが、微細
な無機繊維は鼻腔や口腔を通り抜けて肺に到達し、肺胞
(空気と血液との間で酸素や二酸化炭素のガス交換を行
う風船状の器官)に沈着する。
マクロファージ(食細胞)が異物を取り囲み、線毛がある
場所(気管や気管支)まで運び痰とともに体外に排出した
り、リンパ液・リンパ管を経て肺胞表面から排出したり
する。しかし、異物の取り囲みにより肺胞マクロファー
ジが刺激を受けたり、損傷を受けることもあり、それに
より蛋白質分解酵素やコラーゲン繊維分解酵素が細胞か
ら出て、これらの酵素の量が多くなると肺胞細胞が炎症
を起こしたり、コラーゲン化を呈するようになる。炎症
を起こした細胞は抵抗力が弱まっており、細胞内の核の
中にあるDNAが損傷されやすくなるとともに、細胞の
破壊と再製過程とが頻繁になり、異常細胞が出現する機
会が多くなる結果、DNA細胞の変質や癌細胞が誘発さ
れることがある。
れる無機繊維には、耐熱性に加えて、肺液等の生理学的
液体に溶解する、所謂生体分解性も要求されるようにな
ってきており、各種の無機繊維が開発されている。例え
ば、特表平10−512232号(WO97/1638
6)公報にはシリカ(SiO2)、マグネシア(MgO)、を
必須成分とし、ジルコニア(ZrO2)を任意成分として
含有する、少なくとも1260℃に耐え得る耐熱性を有
し、かつ生理学的液体中で非耐性であるガラス繊維が記
載されている。
10−512232号(WO97/16386)公報記載
の無機繊維の含有成分であるシリカ(SiO2)、マグネ
シア(MgO)、ジルコニア(ZrO2)の内、生体内での
溶出のし易さではマグネシウム(Mg)が最も高く、次い
でシリコン(Si)、ジルコニウム(Zr)の順となり、ジ
ルコニウムは殆ど溶出しない。繊維を吸入した際の生体
内における安全性を高めるためには、繊維の生体内にお
ける溶解度が高いほど良いのは当然である。繊維の溶解
性を高めるためには、Na2O、K2O等のアルカリ金属
酸化物やCaO等のアルカリ土類金属酸化物を添加すれ
ばよいが、これらアルカリ分は繊維の耐熱性を著しく低
下させる。これは、アルカリ分混入による低融点化合物
の生成によるためである。
たものであり、1400℃でも溶融しない高耐熱性と、
従来に比べて優れた生体溶解性を兼ね備えた無機繊維、
並びにその製造方法を提供することを目的とする。
めに、本発明は、SiO2、MgO及び酸化マンガンを
必須成分として含有し、かつ前記成分からなる非晶質部
分を構造中に含むことを特徴とする無機繊維を提供す
る。
明は、SiO2、MgO及び酸化マンガンを必須成分と
して含有する出発原料を、1700〜2000℃の温度
に加熱して溶融し、得られた融液を急冷して繊維化する
ことを特徴とする無機繊維の製造方法を提供する。
して詳細に説明する。
O2、MgO及び酸化マンガンを必須成分として含有す
る。尚、本発明において、酸化マンガンはMnOまたは
MnO2の何れでもよく、以降の説明において「酸化マ
ンガン」とはMnO、MnO2の両方を含有する。
リ金属酸化物量若しくはアルカリ土類金属酸化物量に依
存すると言われてきたが、これは無機繊維の製造方法に
起因する。即ち、無機繊維は原料を熔解して融液状と
し、該融液を適当な方法を用いて冷却して非晶質構造の
繊維状態とするが、融液中には繊維の核となる成分(例
えば、SiO2やAl2O3)の集合体が強固な網目状構
造(以下、ネットワークと記す)を形成しており、融液を
冷却した繊維もこの状態が維持されている。しかし、融
液にNa2O、K2O等のアルカリ金属酸化物、CaO等
のアルカリ土類金属酸化物が混入すると、このネットワ
ークが分断され、小さな集合体に分けられる。従って、
このような無機繊維が生体内に入り、生体液中のH+や
OH-のアタックを受けると、ネットワークが分断さ
れ、無機繊維の各構成成分の繊維組織中での拘束力が弱
まり、容易に溶出する。
解性を高める成分として、従来では主にアルカリ金属酸
化物やアルカリ土類金属酸化物が配合されており、その
他P 2O5、Fe2O3が一部配合されている。本発明の必
須成分である酸化マンガンは、従来は不可避不純物とし
て見なされていたが、我々は、酸化マンガンを所定量含
有させると無機繊維の生体溶解性が大きく向上する事を
見出した。
カリ金属酸化物若しくはアルカリ土類金属酸化物の中
で、最も耐熱性が良好となる成分は、SiO2との共晶
温度で評価すると酸化ベリリウム(BeO)である。しか
し、ベリリウム化合物は毒性が強く、生体溶解性繊維と
しては適当では無い。次に共晶温度が高くなる成分はM
gOで、SiO2との共晶温度は1543℃であり、例
えばSiO2とCaOとの共晶温度よりも100℃以上
高い。よって、生体分解性とともに無機繊維の耐熱性を
高めるには、SiO2とMgOとを組み合わせる事が必
須である。しかし、このSiO2−MgO系にNa2O、
K2O、CaO、SrO、P2O5、Fe2O3が含有され
ると耐熱性が損なわれ、何れも1400℃以下の温度で
溶融する。これは、これらの成分がSiO2、MgO、
若しくはSiO2及びMgOの両方との間で、その溶融
温度が1400℃以下の低融点化合物を生成するためで
ある。
とにより、SiO2−MgO系の高耐熱性を損なわず、
更に生体溶解性を向上させることができる。これは、上
記したNa2O、K2O、CaO、SrO、P2O5、Fe
2O3等の成分と異なり、酸化マンガンはSiO2、Mg
O、若しくはSiO2及びMgOの両方との間で前記低
融点化合物を生成しないためである。
0℃でも溶融しない耐熱性と、SiO2とMgOとを主
成分とした無機繊維よりも高い生体溶解性とを兼備する
には、無機繊維の組成を、SiO2が60〜80重量
%、MgOが15〜30重量%、酸化マンガンがMnO
換算にて0.5〜20重量%とすることが好ましい。よ
り好ましい組成範囲は、SiO2が65〜80重量%、
MgOが15〜28重量%、酸化マンガンがMnO換算
にて2〜20重量%である。更に好ましい組成範囲は、
SiO2が65〜80重量%、MgOが15〜28重量
%、酸化マンガンがMnO換算にて4〜20重量%であ
る。最も好ましい組成範囲は、SiO2が70〜80重
量%、MgOが15〜28重量%、酸化マンガンがMn
O換算にて4〜20重量%である
形成する成分であり、耐熱性能に大きく寄与するため、
60重量%未満の含有量では基本的な耐熱性能が劣るよ
うになる。しかし、SiO2の含有量が80重量%を超
える場合には、溶融粘度が高くなり過ぎて繊維化に支障
を来すようになる。
する溶解性が高く、無機繊維の生体溶解性に寄与する
他、融液を急冷して製造する非晶質繊維の製造上SiO
2と同様に必須成分となる。このため、15重量%未満
の含有量では繊維の製造が困難となる。しかし、MgO
の含有量が30重量%を超える場合には他の成分量が相
対的に減少するため、他の成分による効果が十分に発現
しなくなる。
体溶解性の効果はMgOよりも優れた成分であり、その
効果は含有量に比例して高まるものである。また、酸化
マンガンには融液の粘性を下げる効果があり、繊維化を
円滑に行う上で好ましい成分でもある。従って、その効
果を発現させるにはMnO換算で0.5重量%の含有量
が必要となる。しかし、含有量が20重量%を超えると
繊維の製造上適正な粘度範囲から外れるため、繊維化に
支障を来してくる。
溶解性に加えて、従来の無機繊維と同等以上の耐熱性能
を有する。即ち、上記の組成範囲にある無機繊維は、例
えば1200℃、8時間の加熱に対する収縮率が5%以
下と低く、実用上十分な耐熱性能を有する。また、後述
される実施例にも示すように、1400℃、8時間の加
熱に対しても繊維形状が維持されている。尚、耐熱性能
は基本的にはSiO2が担うため、特に耐熱性能が求め
られる場合には、上記の組成においてSiO2の比率を
高めればよい
にも種々の成分を配合してもよく、例えば、TiO2を
10重量%まで含有させることができる。このTiO2
は、無機繊維の肺胞内における排出性を高める作用があ
り、有効な成分と言える。また、ZrO2も10重量%
まで含有させることができる。このZrO2は、繊維物
性に与える影響は少ないが、繊維化時において繊維化歩
留を向上させる効果を有する。しかし、TiO2、Zr
O2が10重量%を超えると、相対的に他成分、特に酸
化マンガンの含有量が低下してその効果が薄れ、またZ
rO2は10重量%を超えると急激に原料自体の溶融粘
度が上昇し、安定した繊維化が行えない状況となる。
に制約はなく、出発物質に含まれる不純物が混入するの
は避けられないが、特にAl2O3は2重量%以下、Ca
Oは3重量%以下とすることが好ましい。Al2O3はS
iO2との間でアルミノシリケートを形成し、繊維全体
として生理学的液体に対する溶解性を低下させる。ま
た、CaOはSiO2との間で低融点化合物を形成し、
繊維全体としての耐熱性能を低下させる。また、Na2
OやK2O、BaO等のアルカリ金属又はアルカリ土類
金属の酸化物やB2O3は、その含有量が多いと繊維の耐
熱性能を低下させるため、これらの酸化物は個別で0.
5重量%以下、合計でも2重量%以下とすることが望ま
しい。
原料を1700〜2000℃という高温に加熱し、その
融液を急冷して繊維化することにより得られる。この急
冷繊維化は、例えばブロー方式またはスピナー方式を採
用することにより実施できる。尚、各成分の出発物質と
しては、純物質の他にも珪砂(SiO2源)、マグネサイ
ト、マグネシアクリンカー、カンラン岩、オリビンサン
ド(以上MgO源)、二酸化マンガン、土壌マンガン、マ
ンガン鉱石、バラ輝石、テフロ石(以上MnO源)等を使
用することができる。また、任意成分についても同様
に、イルメナイト、ルチールサンド、ビーチサンド、金
紅石、リュウコクシン(以上TiO2源)、バテレー石、
ジルコンサンド(以上ZrO2源)等を使用できる。
る。 [実験−1] (無機繊維の調整)珪砂、酸化マグネシウム、二酸化マン
ガンを用い、これらを適量配合した原料を電気炉におい
て1700〜2000℃に加熱して融液とし、ブロー方
式により繊維化し、集綿した。各無機繊維の組成を表1
及び表2に示す。表1及び表2のなかで「他」とあるの
は出発物質に含まれる不純物であり、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属(Ca、Mgを除く)または鉄の酸
化物である。尚、比較例10は通常使用されている高耐
熱性繊維であるセラミックファイバーであり、比較例1
1は欧州での生体溶解性区分で「カテゴリー0(発癌性
無し)」の認定を受けた繊維である。
について、325メッシュの篩を通過させショットを取
り除いた繊維約0.1gを精秤し、濾紙上に置き、上部
よりマイクロポンプを経由して表3に示す組成の生理食
塩水を1分間当たり0.3mlの割合で滴下させた。滴
下された生理食塩水は濾紙上の繊維を通って下部に設け
たタンクに溜まるが、その際、生理食塩水が繊維を通る
ことにより繊維成分の溶出反応が生じる。尚、生理食塩
水は生体液の温度である37℃に維持した。そして、タ
ンクに溜めた繊維成分溶出液を96時間後に取り出し、
ICP発光分析装置により繊維成分の溶出量を定量し、
その値から溶解度を算出した。ここで、単純な溶解度で
は繊維径の違いによる繊維表面積の差がでてくるため、
繊維径を別途計測して繊維表面積を求め、これと溶解度
の測定値より単位時間当たり、繊維表面積当たりの溶解
速度(単位:ng/cm2・h)を算出し、生体溶解性の評価に
供した。
について、十分にほぐしショット(粒状物)を取り除いた
繊維約10gを、圧縮すること無く坩堝中に入れて電気
炉内に収容し、1時間当たり200℃の昇温速度で14
00℃迄昇温し、さらに8時間加熱を継続した。そし
て、冷却後坩堝を電気炉より取り出し、内部を目視及び
触感による観察を行い、以下に示す4段階で耐熱性を評
価した。 ◎:繊維形状は保たれており、繊維自体の柔軟性も有し
ていた。 ○:繊維形状は保たれているが、繊維自体の柔軟性は劣
っていた。 △:繊維形状は保たれているが、強く押すと崩れる状態
にあった。 ×:繊維が完全に溶融していた。
及び比較例2に示した、MnO量が10%を超えた無機
繊維は、MnO量が10%以下の繊維と比較して製造性
がやや劣るが、電気炉の通電量を制御する事により遜色
無い繊維が得られた。しかし、比較例1に示すようにM
nO量が20%を超えると、繊維化が可能な粘度範囲を
外れて製造が困難となった。上記の各試験結果を表4及
び表5に併記するが、生理食塩水に対する溶解速度定数
は、酸化マンガンを加えた方が高くなっている。但し、
前述のように生体溶解性は無機繊維のネットワークの分
断具合に大きく影響されるため、このネットワーク分断
具合を指標化した。即ち、ネットワーク構成成分を繊維
中のSi(SiO2)、Al(Al2O3)とし、ネットワー
ク分断成分を繊維中のMg(MgO)、Ca(CaO)、M
n(MnO)として、下記式で示すように両者の比をネッ
トワーク分断指数(以下、分断指数と記す)と定義した。
ネットワーク分断の考え方から、上記Si、Al、M
g、Ca、Mnはモル換算した値となる。 分断指数=(繊維中mol%Mg+mol%Ca量+m
ol%Mn量)/(mol%Si量+mol%Al量)
能で、1400℃加熱でも溶融しない実施例1~11及
び比較例5~9の無機繊維について行った。表6にこれ
ら無機繊維の分断指数と溶解速度定数とを示す。また、
両者の関係を図1に示す。図1に示すように、溶解速度
定数は分断指数の影響が大きいが、酸化マンガンを含有
した実施例の無機繊維と、酸化マンガンを含有しない比
較例の無機繊維とでは、十分に有意な差が認められる。
そこで、溶解速度定数に及ぼす分断指数の影響を除外す
るために、以下の手法を用いた。即ち、分断指数の影響
度合いを図1の傾きである2575.4として、この値
を用いて分断指数が0.8の場合の溶解速度定数(以
下、分断指数補正溶解速度定数と記す)を以下の式によ
り算出した。 分断指数補正溶解速度定数=各溶解速度定数−257
5.4×(各分断指数−0.8)
有量の関係を解析する事により、酸化マンガンが溶解速
度定数に及ぼす効果を見積る事ができる。表7にMnO
含有量と分断指数補正溶解速度定数を示し、図2に両者
の関係を示す。図2に示すように、分断指数補正溶解速
度定数は酸化マンガンの影響が認められ、MnO量で
0.5%含有しただけでも効果はあり、更に4%以上含
有すると効果は飛躍的に高まる。これは、無機繊維のネ
ットワークを分断する効果がMgよりもMnの方が大き
く、4%以上の含有でさらに分断効果が高まる事が考え
られる。また、実施例の無機繊維は、比較例10に示す
通常使用されているセラッミクファイバーに比べても、
これらの値が大幅に大きく、更に、比較例11に示す
「カテゴリー0(発癌性無し)」の認定を受けた無機繊維
に比べても優位性を示している。
び2に示すSiO2が60重量%以下の無機繊維では、
1400℃加熱後には溶融していた。各実施例に示すよ
うに、SiO2が60重量%以上であれば1400℃で
も溶融はしないが、十分な耐熱性を発現させるには、実
施例9及び11を除く、SiO2が65重量%以上の無
機繊維が良好であり、更なる高耐熱性を発現させるに
は、実施例1〜4、6及び10に示すSiO2が70重
量%以上の無機繊維とすればよいことがわかる。また、
比較例1、比較例3及び比較例4に示す無機繊維は繊維
化がかなり困難であり、実機製造には不向きである
ガン、酸化チタン、ジルコンサンドを用い、これらの原
料を適量配合し該原料を1700〜2000℃に加熱し
て融液とし、ブロー方式により繊維化し、集綿した。繊
維の組成を表8及び表9に示す。尚、表8及び表9のな
かで「他」とあるのは出発物質に含まれる不純物であ
り、アルカリ金属またはアルカリ土類金属(Ca、Mg
を除く)または鉄の酸化物である。
[実験−1]と同様の手法により溶解速度定数を測定し
た。
[実験−1]と同様の手法により耐熱性を評価定した。
これらの結果を表10及び11に示す。
2−MgO−Mn0系に10重量%以下のTiO2を加え
た系でも溶解性及は良好であり、表5の比較例11に示
すカテゴリー0(発癌性無し)の認定を受けた無機繊維に
比べても優位性を示している。また、分断指数からの解
析結果でも図2と同様の傾向であった。また、実施例1
4及び15に示す、SiO2−MgO−MnO系に10
重量%以下のZrO2を加えた系では、分断指数の解析
からは、図2上において低い値となるが比較例11に示
すカテゴリー0(発癌性無し)の認定を受けた無機繊維に
比べて高い値である。ZrO2を加える効果としては、
繊維化がスムーズに行えることが挙げられる。しかし、
比較例12及び13に示すように、SiO2−MgO−
MnO系においてTiO2、ZrO2共に10重量%を超
える領域となると、原料自体の溶融粘度が急激に高くな
り、十分に繊維化が実施できない状況となった。無機繊
維の耐熱性に関しては、[実験−1]の結果と同様であ
り、SiO2が70%以上含まれる実施例12及び13
では高耐熱性を示した。
は、従来と同等以上の耐熱性能を有するとともに、繊維
のネットワークの分断化が促進される事により、従来よ
りも優れた生体溶解性を示し、生体に対する影響を最小
限に抑えることができる。
化と溶解速度定数の関係を示したグラフである。
化の影響を除外した溶解速度定数へのMnO含有量が及
ぼす影響を示したグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】 SiO2、MgO及び酸化マンガンを必
須成分として含有し、かつ前記成分からなる非晶質部分
を構造中に含むことを特徴とする無機繊維。 - 【請求項2】 酸化マンガンをMnO換算にて0.5〜
20重量%含有することを特徴とする、請求項1記載の
無機繊維。 - 【請求項3】 SiO2を少なくとも60重量%、Mg
Oを少なくとも15重量%含有することを特徴とする、
請求項1又は2記載の無機繊維。 - 【請求項4】 SiO2を60〜80重量%、MgOを
15〜30重量%、及び酸化マンガンをMnO換算にて
0.5〜20重量%含有し、かつ非晶質部分を構造中に
含むことを特徴とする請求項1記載の無機繊維。 - 【請求項5】 SiO2を65〜80重量%、MgOを
15〜28重量%、及び酸化マンガンをMnO換算にて
4〜20重量%含有し、かつ非晶質部分を構造中に含む
ことを特徴とする請求項1記載の無機繊維。 - 【請求項6】 SiO2、MgO及び酸化マンガンを必
須成分として含有し、かつTiO2、ZrO2を含まない
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の無
機繊維。 - 【請求項7】 SiO2、MgO及び酸化マンガンを必
須成分として含有する出発原料を、1700〜2000
℃の温度に加熱して溶融し、得られた融液を急冷して繊
維化することを特徴とする無機繊維の製造方法。
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