JP2003073791A - 連続溶融金属めっき装置 - Google Patents

連続溶融金属めっき装置

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JP2003073791A
JP2003073791A JP2001268318A JP2001268318A JP2003073791A JP 2003073791 A JP2003073791 A JP 2003073791A JP 2001268318 A JP2001268318 A JP 2001268318A JP 2001268318 A JP2001268318 A JP 2001268318A JP 2003073791 A JP2003073791 A JP 2003073791A
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roll
support roll
metal strip
metal
sink
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Hideyuki Takahashi
秀行 高橋
Munehiro Ishioka
宗浩 石岡
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 板厚が厚い金属帯または軟質な金属帯につい
ても、ガスワイピングノズル部での金属帯のC反りを確
実に矯正できるめっき装置を提供する。 【解決手段】 溶融金属浴中に、高さ方向位置を互いに
ずらして金属帯の両側に配置した上下2本のサポートロ
ールを備える連続溶融金属めっき装置において、上サポ
ートロールは、金属帯に対してシンクロールと同じ側に
配置され、且つそのロール周面がパスラインと接するよ
うに配置され、下サポートロールは、金属帯に対してシ
ンクロールとは反対側に配置され、且つ金属帯に対する
水平方向の押込み量が調整可能に設けられており、また
上サポートロールと下サポートロールのパスライン方向
距離L1と、シンクロールと下サポートロールのパスライ
ン方向距離L2の比、L1/L2が0.3以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属帯に連続的に
溶融金属めっきするめっき装置にする。より詳細には、
金属帯に連続的に溶融金属めっきする際に、ガスワイピ
ングノズル部で発生する板反り(C反り)を矯正する能力
に優れるめっき装置に関する。
【0002】
【従来の技術】連続溶融金属めっきラインのめっき装置
で、金属帯に溶融金属めっきする場合、金属帯をスナウ
トから溶融金属浴に侵入させ、シンクロールで金属帯の
走行方向を鉛直方向に転換し、溶融金属浴から引き上
げ、溶融金属浴状に配置したガスワイピングノズルから
高圧ガスを吹きつけて金属帯表面に付着した余分な溶融
金属を払拭し、金属帯のめっき付着量を所要めっき付着
量に制御する。
【0003】溶融金属浴から引き上げられた金属帯は、
それまでに通過した各種ロールによって塑性変形を受け
て、ガスワイピングノズル部で反りが生じている。その
ため、ガスワイピングノズルを用いてめっき付着量を制
御すると、金属帯の幅方向のめっき付着量が不均一にな
るという問題がある。また、金属帯に反りがあると、ガ
スワイピングノズルを金属帯に近付けることができない
ため、金属帯表面に付着した溶融金属を払拭する能力が
低下し、ライン速度を下げないと所定のめっき付着量に
することができないという問題点もある。
【0004】従って、金属帯の幅方向のめっき付着量を
均一にし、又、ガスワイピングノズルを金属帯に近付
け、金属帯表面に付着した溶融金属を払拭する能力を向
上してライン速度を上げるためには、ガスワイピングノ
ズル部での金属帯の反りを矯正することが不可欠であ
る。
【0005】シンクロール通過後に金属帯の両側にサポ
ートロールを接触させ、ガスワイピングノズル部での金
属帯の反りを矯正して平坦にする提案がなされている。
【0006】例えば、特公昭61-33059号公報には、シン
クロール通過後のストリップの両面にめっき浴中で当接
する一対のサポートロールと、その下方にシンクロール
を通ったストリップの表面に接触する補助ロールを設け
てストリップの反りを矯正する装置が記載されている。
しかし、本装置は、3本のロールを設置するので、メン
テナンス性、コストの面で不利である。また、3本のロ
ールを設置するスペースを確保する必要があるので、既
存設備では採用できない場合がある。
【0007】また、特開平6-81094号公報には、溶融金
属浴中で、シンクロール通過後のストリップの両面に接
触するように配置した2本の同径サポートロールを設置
し、シンクロールと同じストリップ表面に接触する方の
表サポートロールを、シンクロールと反対のストリップ
表面に接触する方の裏サポートロールに対して上方に位
置するように配置し、さらに、シンクロールが前記パス
ラインよりも裏サポートロール側に突出して設け、裏サ
ポートロールのストリップに対する押し込み量を調整す
ることによってストリップの反りを矯正する装置が記載
されている。しかし、本装置では、ストリップ厚が厚く
なったときや軟質材のときに十分な反り矯正能を有さな
いという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は係る事情を考
慮してなされたものであって、その目的は、金属帯を挟
み、高さ方向位置を互いにずらして配置した上下2本の
サポートロールを用いてなる簡易な構成で、前記ロール
の位置関係、またはさらに径を適正なものとすることに
より、特に、板厚が厚い金属帯または軟質な金属帯につ
いても、ガスワイピングノズル部での金属帯のC反りを
確実に矯正することが可能なめっき装置を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の手段は以下の通りである。
【0010】(1)溶融金属浴に侵入した金属帯を、シン
クロールで鉛直上方に方向転換した後、高さ方向位置を
互いにずらして金属帯の両側に配置した上下2本のサポ
ートロールの間を、前記各々のロールに接触させながら
通過させて溶融金属浴から引き上げ、溶融金属浴上のパ
スライン位置に配置されたガスワイピングノズルを通過
させて金属帯の溶融金属付着量を制御する連続溶融金属
めっき装置において、上サポートロールは、金属帯に対
してシンクロールと同じ側に配置され、且つそのロール
周面がパスラインと接するように配置され、下サポート
ロールは、金属帯に対してシンクロールとは反対側に配
置され、且つ金属帯に対する水平方向の押込み量が調整
可能に設けられており、また上サポートロールと下サポ
ートロールのパスライン方向距離L1と、シンクロールと
下サポートロールのパスライン方向距離L2の比、L1/L2
が0.3以上であることを特徴とする連続溶融金属めっき
装置(第1発明)。
【0011】(2)上サポートロール径D1、下サポートロ
ール径D2の比、D1/D2が1.15以上、且つ金属帯巻き出し
側のシンクロール周面のパスラインに対する突出量が0
〜100mmの範囲内にあることを特徴とする前記(1)に記載
の連続溶融金属めっきラインのめっき装置(第2発
明)。
【0012】(3)溶融金属浴に侵入した金属帯を、シン
クロールで鉛直上方に方向転換した後、高さ方向位置を
互いにずらして金属帯の両側に配置した上下2本のサポ
ートロールの間を、前記各々のロールに接触させながら
通過させて溶融金属浴から引き上げ、溶融金属浴上のパ
スライン位置に配置されたガスワイピングノズルを通過
させて金属帯の溶融金属付着量を制御する連続溶融金属
めっき装置において、上サポートロールは、金属帯に対
してシンクロールとは反対側に配置され、且つそのロー
ル周面がパスラインと接するように配置され、下サポー
トロールは、金属帯に対してシンクロールと同じ側に配
置され、且つ金属帯に対する水平方向の押込み量が調整
可能に設けられており、また上サポートロールと下サポ
ートロールのパスライン方向距離L1と、シンクロールと
下サポートロールのパスライン方向距離L2の比、L1/L2
が0.2以上であることを特徴とする連続溶融金属めっき
装置(第3発明)。
【0013】(4)上サポートロール径をD3、下サポート
ロール径をD4とした場合、D3/D4が1.15以上、且つ金属
帯巻き出し側のシンクロール周面のパスラインに対する
後退量が0〜100mmの範囲内にあることを特徴とする前記
(3)に記載の連続溶融金属めっきラインのめっき装置
(第4発明)。
【0014】(5)上サポートロールおよび下サポートロ
ールのいずれか一方または両方が非駆動ロールであるこ
とを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の連続溶
融金属めっき装置(第5発明)。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について説明する。
なお、以下の説明において、金属帯の表面、表側とは、
シンクロールと接する側の金属帯の面、金属帯の裏面、
裏側とは、シンクロールと接しない側の金属帯の面であ
り、表サポートロールとは金属帯に対してシンクロール
と同じ側に配置されているサポートロール、裏サポート
ロールとは、金属帯に対してシンクロールとは反対側に
配置されているサポートロールを指している。また、シ
ンクロール、サポートロールの突出量とは、パスライン
を基準として、金属帯を押し付ける方向の水平方向距離
であり、シンクロールの後退量とは、パスラインを基準
として、金属帯から離れる方向の水平方向距離である。
【0016】発明者らは、図1に示すように、上サポー
トロールBとして表サポートロール5(鋼帯9に対してシ
ンクロール3と同じ側に配置されたロール)、下サポー
トロールAとして裏サポートロール4(鋼帯9に対してシ
ンクロール3と反対側に配置されたロール)が配置され
た上下2本のサポートロールを備えるめっき装置で実機
試験を繰り返し、鋼帯のC反り矯正について、以下の3点
の知見を得た。すなわち、 図1の装置では、シンクロール3、裏サポートロール4
および表サポートロール5で鋼帯9に付与される塑性変形
に起因して、ガスワイピングノズル6、6部で鋼帯9にC反
りが発生するが、ガスワイピングノズル6、6部でのC反
り形状は、ガスワイピングノズル6直前で変形を加える
表サポートロール5すなわち上サポートロールBの影響が
最も大きく、これに比べてそれより上流側(下方)に配
置されている裏サポートロール4すなわち下サポートロ
ールAやシンクロール3で与えられる塑性変形の影響は相
対的に小さい。 2点目は、鋼帯9が表側(シンクロール3と接する側)
に凸の状態を‘+’、凹の状態を‘−’とすると、シン
クロール3による変形は‘−’、裏サポートロール4によ
る変形は‘+’、表サポートロール5による変形は
‘−’である。 上記2点は、板厚が厚い場合や軟質材(例えば、厚さ
1.5mm以上、溶融金属浴温での降伏点10kgf/mm2以下の
材料)の場合に、特に顕著である。
【0017】また、図1の装置に対して、表裏サポート
ロールの上下の位置関係を逆にした装置、すなわち図2
に示すように、上サポートロールBとして裏サポートロ
ール4a、下サポートロールAとして表サポートロール5a
が配置された上下2本のサポートロールを備えるめっき
装置で、図1の装置で行ったのと同様の実機試験を繰り
返し、鋼帯のC反り矯正について、以下の3点の知見を得
た。すなわち、 ガスワイピングノズル6、6部でのC反り形状は、ガス
ワイピングノズル6直前で変形を加える裏サポートロー
ル4aすなわち上サポートロールBの影響が最も大きく、
これに比べてそれより上流側に配置されている表サポー
トロール5aすなわち下サポートロールAやシンクロール3
で与えられる塑性変形の影響は相対的に小さい。 2点目は、鋼帯が表側に凸の状態を‘+’、凹の状態
を‘−’とすると、シンクロール2による変形は
‘−’、表サポートロール5aによる変形は‘−’、裏サ
ポートロール4aによる変形は‘+’である。 上記2点は、板厚が厚い場合や軟質材で特に顕著であ
る。
【0018】以上のことから、図1、図2のいずれの装置
でも、ワイピング直前の上サポートロールBによる鋼帯
変形を可能な限り抑え、下サポートロールAによる鋼帯
変形量を相対的に上げれば、ガスワイピングノズル6、6
部でのC反り量をミニマム化できることになる。この効
果は前述したように厚物、軟質材で特に顕著である。
【0019】そこで、図1、図2に示した上下2本のサポ
ートロールを備えるめっき装置において、ガスワイピン
グノズル部での鋼帯のC反り矯正するために、シンクロ
ール、上下各々のサポートロールの配置条件、前記各ロ
ールのロール径の条件を鋭意検討し、本発明を完成し
た。
【0020】以下、本発明の実施の形態について、図面
に基いて説明する。図1は本発明に実施の形態に係る連
続溶融めっき装置の要部構成例を示す第1の図である。
図1において、1はめっき槽、2は溶融金属浴、3はシンク
ロール、4は裏サポートロール、5は表サポートロール、
6はガスワイピングノズル、7はスナウト、8はトップロ
ール、9は金属帯である。ガスワイピングノズル6、6は
金属帯9を挟んでその両側に配置されている。パスライ
ンLは、ガスワイピングノズル6、6の中心とトップロー
ル8の接点を結ぶ線及びその延長線である。
【0021】図1の装置では、表サポートロール5が上サ
ポートロールB、裏サポートロール4が下サポートロール
Aである。表サポートロール5はパスラインLに接するよ
うに配置されている。裏サポートロール4は、金属帯9を
挟んで表サポートロール5とは反対側に配置され、腕曲
するアーム11の先端に回転自在に軸支されている。この
アーム11は、その基端に連結してなるモータ10によっ
て、その先端がパスラインLに対して接離し得る略水平
方向に移動可能となしており、従って、裏サポートロー
ル4を前後移動させ、金属帯9に対する押し込み量の調整
が可能になっている。
【0022】図1の装置において、表サポートロール5
(上サポートロールB)と裏サポートロール4(下サポー
トロールA)のパスライン方向距離(各ロール軸心間の
パスライン方向距離)L1と、シンクロール2と裏サポー
トロール4(下サポートロールA)のパスライン方向距離
(各ロール軸心間のパスライン方向距離)L2との比、L1
/L2は0.3以上とされる。また、表サポートロール径(上
サポートロール径)D1と裏サポートロール径(下サポー
トロール径)D2との比、D1/D2は1.15以上とされること
が好ましい。
【0023】ここでL1/L2を0.3以上と規定したのは、0.
3未満では最終ロールである表サポートロール5による変
形量が大きすぎるため、特に軟質板、厚物材について、
ガスワイピング部でC反り矯正ができなくなることによ
る。より良好なC反り矯正能を発揮できるようにするに
は、L1/L2を0.4以上とすることが好ましい。また、D1/D
2を1.15以上としたのは、1.15未満では最終ロールであ
る表サポートロール5(上サポートロールB)によるC反
り矯正効果が大きくなり、特に軟質板、厚物材のC反り
矯正が不利であることによる。
【0024】L1/L2、D1/D2のいずれか一方を前記で規定
する範囲とし、さらにその比を極端に大きくしてもC反
り矯正能は十分得られるが、どちらの比を大きくするに
しても、コストやめっき槽サイズ等の制約があるため、
その比を極端に大きくすることには限度がある。このた
め、本発明では、両者を組み合わせて規定した。これに
よって、既存設備でも実施可能となりコスト的にも有利
である。
【0025】ストリップ巻き出し側のシンクロール周面
のパスラインに対する突出量X1は0〜100mmの範囲内とす
ることが好ましい。突出量X1が0mm未満では、最終ロー
ルである表サポートロール5(上サポートロールB)によ
る変形量が大きすぎるため、特に軟質板、厚物材につい
て、C反り矯正ができなくなることによる。
【0026】図1のめっき装置を用いて、以下のように
してめっきされる。すなわち、金属帯9は、めっき槽1内
の溶融金属浴2の上部に設けられたスナウト7内を斜め下
方に走行し、溶融金属浴2中に侵入し、溶融金属浴2内に
配設されるシンクロール3周面に金属帯9の表面側がほぼ
半周巻付いた後巻出されて走行方向を転換して溶融金属
浴2中を鉛直上方に向かって走行し、先ず、金属帯裏面
が裏サポートロール4に接し、次いで、金属帯表面が表
サポートロール5に接した後、溶融金属浴2から引き上げ
られ、金属帯9両面に高圧ガスを吹き付ける表裏一対の
ガスワイピングノズル6、6の中央を通り抜けて、めっき
付着量が制御された後、ガスワイピングノズル6、6の上
方に設けられるトップロール8を周回して約90°方向転
換し水平方向に繰り出される。モータ10を駆動しアーム
11を介して裏サポートロール4を前後移動させ、金属帯9
に対する押し込み量を調整する。金属帯9に対する押し
込み量は、幅方向のめっき付着量のムラを最小化するよ
うに調整してもよいし、あるいはガスワイピングノズル
6、6部でのC反り量を最小化するように調整してもよ
い。
【0027】本装置では、裏サポートロール4(下サポ
ートロールA)のC反り矯正能が相対的に大きく、ガスワ
イピングノズル6の直前に配置されている表サポートロ
ール5(上サポートロールB)によるC反り矯正能を低く
抑えることができるので、厚物、軟質材であっても、ガ
スワイピングノズル6、6部の金属帯9のC反り矯正が可能
である。
【0028】図2は本発明に実施の形態に係る連続溶融
めっき装置の要部構成例を示す第2の図である。なお、
図2において、図1に示された部分と同じ作用の部分には
同じ符号を付してあるので、その説明を省略する。
【0029】図2の装置において、4aは裏サポートロー
ル、5aは表サポートロールである。ガスワイピングノズ
ル6は金属帯9を挟んでその両側に配置されている。パス
ラインLは、ガスワイピングノズル6、6の中心とトップロ
ール8の接点を結ぶ線及びその延長線である。裏サポー
トロール4aが上サポートロールB、表サポートロール5a
が下サポートロールAである。裏サポートロール4aはパ
スラインLに接するように配置されている。表サポート
ロール5aは、金属帯9を挟んで裏サポートロール4aとは
反対側に配置され、腕曲するアーム11の先端に回転自在
に軸支されている。このアーム11は、その基端に連結し
てなるモータ10によって、その先端がパスラインLに対
して接離し得る略水平方向に移動可能となしており、従
って、表サポートロール5aを前後移動させ、金属帯9に
対する押し込み量の調整が可能になっている。
【0030】図2の装置において、表サポートロール5a
(下サポートロールA)と裏サポートロール4a(上サポ
ートロールB)のパスライン方向距離(両ロール軸のパ
スライン方向距離)L3と、シンクロール3と表サポート
ロール5a(下サポートロールA)のパスライン方向距離
(両ロール軸のパスライン方向距離)L4との比、L3/L4
は0.2以上とされる。また、裏サポートロール径(上サ
ポートロール径)D3と表サポートロール径(下サポート
ロール径)D4との比はD3/D4は1.15以上とされることが
好ましい。
【0031】ここでL3/L4を0.2以上としたのは、0.2未
満では最終ロールである裏サポートロール4a(上サポー
トロールB)による変形量が大きすぎ、特に軟質板、厚
物材ではガスワイピング部でC反り矯正ができなくなる
ことによる。より良好なC反り矯正能を発揮できるよう
にするには、L3/L4は0.3以上とすることが好ましい。ま
た、D3/D4を1.15以上としたのは、1.15未満では最終ロ
ールである裏サポートロール4a(上サポートロールB)
によるC反り矯正効果が大きくなり、特に軟質板、厚物
材のC反り矯正が不利であることによる。
【0032】L3/L4、D3/D4のいずれか一方を前記で規定
する範囲とし、さらにその比を極端に大きくすればC反
り矯正能は十分であるが、どちらの比を大きくするにし
ても、コストやめっき槽サイズ等の制約があるため、そ
の比を極端に大きくすることには限度がある。このた
め、本発明では、両者を組み合わせて規定した。これに
よって、既存設備でも実現可能となりコスト的にも有利
である。
【0033】ストリップ巻き出し側のシンクロール周面
のパスラインに対する後退量X3を0〜100mmの範囲内にす
ることが好ましい。後退量X3が0mm未満では、最終ロー
ルである裏サポートロール4a(上サポートロールB)に
よる変形量が大きすぎるため、特に軟質板、厚物材につ
いて、C反り矯正ができなくなることによる。
【0034】図2のめっき装置では、以下のようにして
めっきされる。すなわち、金属帯9は、めっき槽1内の溶
融金属浴2の上部に設けられたスナウト7内を斜め下方に
走行し、溶融金属浴2中に侵入し、溶融金属浴2内に配設
されるシンクロール3周面に金属帯9の表面側がほぼ半周
巻付いた後巻出されて走行方向を転換して溶融金属浴2
中を鉛直上方に向かって走行し、先ず、金属帯表面が表
サポートロール5a(下サポートロールA)に接触し、次
いで、金属帯裏面が裏サポートロール4a(上サポートロ
ールB)に接触した後、溶融金属浴2から引き上げられ、
金属帯9両面に高圧ガスを吹き付ける表裏一対のガスワ
イピングノズル6、6の中央を通り抜けて、めっき付着量
が制御された後、ガスワイピングノズル6、6の上方に設
けられるトップロール8を周回して約90°方向転換し水
平方向に繰り出される。モータ10を駆動し、アーム11を
介して表サポートロール5aを前後移動させ、金属帯9に
対する押し込み量を調整する。金属帯9に対する押し込
み量は、幅方向のめっき付着量のムラを最小化するよう
に調整してもよいし、あるいはガスワイピングノズル
6、6部でのC反り量を最小化するように調整してもよ
い。
【0035】本装置では、表サポートロール5a(下サポ
ートロールA)のC反り矯正能が相対的に大きく、ガスワ
イピングノズル6の直前に配置されている裏サポートロ
ール4a(上サポートロールB)によるC反り矯正能を低く
抑えることができるので、厚物、軟質材であっても、ガ
スワイピングノズル6、6部の金属帯9のC反りの矯正が可
能になる。
【0036】なお、図1、図2の装置において、上下2本
のサポートロールA、Bは、駆動ロール、非駆動ロールの
何れであってもよい。サポートロールを駆動すると、駆
動系から発生する振動によって金属帯にチャターマーク
欠陥が発生する場合がある。図1、図2の装置において、
上下2本のサポートロールA、Bのうちのいずれか一方ま
たは両方のロールを非駆動化すると、チャタマーク欠陥
の発生を軽減または防止できる。
【0037】
【実施例】(実施例1)図1に示しためっき装置を用い
て、厚さ1.5mmの軟質鋼帯に溶融金属めっきを行い、裏
サポートロール4(下サポートロールA)の直径D2、およ
び表サポートロール5(上サポートロールB)と裏サポー
トロール4間距離L1と、裏サポートロール4とシンクロー
ル3間距離L2の比、L1/L2を変えたときのガスワイピング
ノズル部6、6部における該軟質鋼帯のC反り量を調査し
た。なお、シンクロール径D5=750mm、シンクロール3と
表サポートロール5間距離L1+L2=860mm、シンクロール3
のパスラインに対する突出量X1=20mm、表サポートロー
ル径D1=300mmで固定した。C反り量は、ガスワイピング
ノズル6、6部での鋼帯のC反り量を最小化するように裏
サポートロール4の押し込み量X2を最適値に調整した時
のC反り量である。なお、本実施例では、押し込み量
(最適押し込み量)X2の範囲は5〜50mmであった。表1
に、調査結果を示す。
【0038】
【表1】
【0039】L1/L2が第1発明範囲内にあるもの(発明
例)は、L1/L2が第1発明範囲を外れるものに比べてC反
り量が少ない。また発明例の中で、第2発明範囲内にあ
るものは、C反り量がさらに少ない。
【0040】(実施例2)図2に示しためっき装置を用い
て、厚さ1.5mmの軟質鋼帯に溶融金属めっきを行い、裏
サポートロール4a(上サポートロールB)の直径D3、お
よび表サポートロール5a(下サポートロールA)と裏サ
ポートロール4a間距離L3と、表サポートロール5aとシン
クロール3間距離L4の比、L3/L4を変えたときのガスワイ
ピングノズル部6、6部における該軟質鋼帯のC反り量を
調査した。なお、シンクロール径D5=750mm、シンクロ
ール3と裏サポートロール4a間距離L3+L4=860mm、シンク
ロール3の後退量X3=20mm、裏サポートロール径D3=300mm
で固定した。C反り量は、ガスワイピングノズル6、6部
での鋼帯のC反り量を最小化するように裏サポートロー
ル4の押し込み量X4を最適値に調整した時のC反り量であ
る。なお、本実施例では、押し込み量(最適押し込み
量)X4の範囲は5〜50mmであった。表2に、調査結果を示
す。
【0041】
【表2】
【0042】L3/L4が第3発明範囲内にあるもの(発明
例)は、L3/L4が第3発明範囲を外れるものに比べてC反
り量が少ない。また発明例の中で、第4発明範囲内にあ
るものは、C反り量がさらに少ない。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、金属
帯のサイズ、材質に応じて該ロールの押し込み量を調整
することによって、厚物、軟質材でもガスワイピングノ
ズル部での金属帯のC反りをほぼ0にできる。その結
果、金属帯幅方向のめっき付着量を均一にでき、まため
っき付着量を均一化したことによって、めっき皮膜を合
金化処理するときに、焼きムラ、フリージンクのような
欠陥の発生を低減でき、製品品質を向上できる。またガ
スワイピングノズルを金属帯に近付けることが可能とな
り、所定の同一目付に比較し30%程度のライン速度の増
加が可能となり、生産性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に実施の形態に係る連続溶融めっき装置
の要部構成例を示す第1の図。
【図2】本発明に実施の形態に係る連続溶融めっき装置
の要部構成例を示す第2の図。
【符号の説明】
1 めっき槽 2 溶融金属浴 3 シンクロール 4、4a 裏サポートロール 5、5a 表サポートロール 6 ガスワイピングノズル 7 スナウト 8 トップロール 9 金属帯 10 モータ 11 アーム A 下サポートロール B 上サポートロール L パスライン D1、D3 上サポートロール径 D2、D4 下サポートロール径 D5 シンクロール径 L1、L3 上サポートロールと下サポートロール間距離
(ロール軸心間距離) L2、L4 下サポートロールとシンクロール間距離(ロー
ル軸心間距離) X1 シンクロール突出量 X2、X4 下サポートロールの押し込み量 X3 シンクロール後退量

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属浴に侵入した金属帯を、シンク
    ロールで鉛直上方に方向転換した後、高さ方向位置を互
    いにずらして金属帯の両側に配置した上下2本のサポー
    トロールの間を、前記各々のロールに接触させながら通
    過させて溶融金属浴から引き上げ、溶融金属浴上のパス
    ライン位置に配置されたガスワイピングノズルを通過さ
    せて金属帯の溶融金属付着量を制御する連続溶融金属め
    っき装置において、上サポートロールは、金属帯に対し
    てシンクロールと同じ側に配置され、且つそのロール周
    面がパスラインと接するように配置され、下サポートロ
    ールは、金属帯に対してシンクロールとは反対側に配置
    され、且つ金属帯に対する水平方向の押込み量が調整可
    能に設けられており、また上サポートロールと下サポー
    トロールのパスライン方向距離L1と、シンクロールと下
    サポートロールのパスライン方向距離L2の比、L1/L2が
    0.3以上であることを特徴とする連続溶融金属めっき装
    置。
  2. 【請求項2】 上サポートロール径D1、下サポートロー
    ル径D2の比、D1/D2が1.15以上、且つ金属帯巻き出し側
    のシンクロール周面のパスラインに対する突出量が0〜1
    00mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の
    連続溶融金属めっき装置。
  3. 【請求項3】 溶融金属浴に侵入した金属帯を、シンク
    ロールで鉛直上方に方向転換した後、高さ方向位置を互
    いにずらして金属帯の両側に配置した上下2本のサポー
    トロールの間を、前記各々のロールに接触させながら通
    過させて溶融金属浴から引き上げ、溶融金属浴上のパス
    ライン位置に配置されたガスワイピングノズルを通過さ
    せて金属帯の溶融金属付着量を制御する連続溶融金属め
    っき装置において、 上サポートロールは、金属帯に対してシンクロールとは
    反対側に配置され、且つそのロール周面がパスラインと
    接するように配置され、下サポートロールは、金属帯に
    対してシンクロールと同じ側に配置され、且つ金属帯に
    対する水平方向の押込み量が調整可能に設けられてお
    り、また上サポートロールと下サポートロールのパスラ
    イン方向距離L1と、シンクロールと下サポートロールの
    パスライン方向距離L2の比、L1/L2が0.2以上であること
    を特徴とする連続溶融金属めっき装置。
  4. 【請求項4】 上サポートロール径をD3、下サポートロ
    ール径をD4とした場合、D3/D4が1.15以上、且つ金属帯
    巻き出し側のシンクロール周面のパスラインに対する後
    退量が0〜100mmの範囲内にあることを特徴とする請求項
    3に記載の連続溶融金属めっきラインのめっき装置。
  5. 【請求項5】 上サポートロールおよび下サポートロー
    ルのいずれか一方または両方が非駆動ロールであること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の連続溶融金
    属めっき装置。
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