JP2003253414A - 溶融金属めっき鋼板の製造方法および製造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】溶融金属めっき鋼板を製造するに際して、簡易
な設備構成の下で、鋼板の振動や反りを十分に防止しつ
つ表面性状の優れた溶融金属めっき鋼板を製造する方法
を提供する。 【解決手段】鋼板Ｓを溶融金属めっき浴２に連続的に侵
入させ、めっき浴２から垂直方向に引き上げ、ワイピン
グ装置５によりに鋼板Ｓに付着した溶融金属めっき量を
調整する溶融金属めっき鋼板の製造方法において、シン
クロール３とトップロール４との間に設けられた支持ロ
ール７ｂ，８ｂにより鋼板Ｓの片面側（品質非保証面
側）のみを支持し、ワイピング装置５の上方及び／又は
下方に設けられた磁力発生手段６の磁力により、鋼板Ｓ
に対して前記支持ロール７ｂ，８ｂの配置側方向への力
を作用させて、前記支持ロールに鋼板を押しつける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ワイピング装置を
備えた溶融金属めっき鋼板の製造装置および製造方法に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】現在、連続した鋼板に溶融金属をめっき
する方法、例えば溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法として
は、ガスワイピング法が一般的である。この方法は、溶
融金属のめっき浴中に連続的に侵入させた鋼板をめっき
浴から鉛直方向に引き上げ、鋼板の両面に対向して設け
られたガスワイピングノズルから噴射される気体により
鋼板に付着した溶融金属を払拭して、所望の鋼板めっき
付着量に調整する。例えば、図５に示すような装置が一
般的である。

【０００３】同図に示すような装置では、めっき浴中の
シンクロール３とトップロール４との間の距離が通常２
０〜５０ｍ程度ある。このため、鋼板が振動したり鋼板
幅方向の反りが発生し、ガスワイピングノズル５と鋼板
との距離が変化するために、鋼板の長手方向または幅方
向のめっき付着量が不均一となる場合がある。この対策
として、めっき浴中に一対の支持ロール（浴中サポート
ロール９）を設けて鋼板を挟みこみ、さらにはガスワイ
ピングノズル５の上方に同様の一対の支持ロール（タッ
チロール１０）を設けて鋼板を挟みこんでいる。これに
より、鋼板の振動を防止し、形状を矯正することが一般
的に行なわれている。

【０００４】しかし、これらの支持ロールを設置するこ
とには以下の問題点がある。すなわち、めっき浴中の浴
中サポートロール９は、ドロスなどのめっき浴中の異物
を鋼板との間に巻き込む場合がある。また、ガスワイピ
ングノズル上方のタッチロール１０においては、溶融金
属がタッチロールで冷却されて凝固してタッチロールに
付着し、これが剥離して鋼板Ｓの表面に付着する場合が
ある。いずれの場合も鋼板の表面欠陥を生じさせ、製品
歩留りの低下を招くこととなる。

【０００５】そこで、この対策として、電磁石などの磁
力発生手段を用い、磁力によって鋼板の振動を抑制する
ことにより、前記のタッチロールを不要とすることが、
例えば特開平３−２５３５４９号公報などで検討されて
いる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、磁力発生手段
を用いて振動を制御するには、鋼板の両面側に多くの磁
力発生手段を備える必要がある。さらに、支持ロールを
不使用とする場合、鋼板の非常に長い距離を磁力により
非接触で一定位置に保持しなければならず、磁力の制御
手段や非接触式の鋼板位置検出手段（距離計など）が必
要となる。したがってコストがかかるうえにその精度維
持も容易ではない。しかも、電磁石による鋼板の振動や
反りの抑制効果は、接触式のタッチロールによる方法に
はなかなか及ばないのが実情であり、めっき付着量変動
の抑制効果は十分とは言えない。さらなる精度向上を図
るには、より高価な制御装置が必要となり、現実的では
ない。

【０００７】一方、磁力発生手段を用いた中で比較的簡
易な設備としては、特開２０００−３４５３１０号公報
に記載の設備がある。この設備は、電磁石が設置されて
いるのが鋼板の片側面のみであり、上記特開平３−２５
３５４９号公報に記載されているような電磁石を用いた
一般的な設備と較べると、比較的簡易な設備となってい
る。しかし、この設備でも、鋼板の位置検出を行うため
の非接触式の位置検出器を設置する必要があり、その制
御装置を含めると、接触式の支持ロールのみによる方法
と比較すると、大幅なコスト増となる。さらに、この設
備では、電磁石位置の前後での鋼板のパスラインに角度
がつくほどに鋼板を吸引しており、その位置制御は容易
ではない。

【０００８】以上のように、鋼板の両面から支持ロール
で挟み込む方法では、振動防止や形状矯正の効果は得ら
れるものの、鋼板表面に欠陥が発生し、歩留りが低下す
る。一方、前記の磁力発生手段による方法では、鋼板表
面の欠陥は防止できるが、高価で精度維持が容易ではな
い上に、振動防止や形状矯正能力も十分とは言えない。

【０００９】本発明の目的は、簡易な設備構成の下で、
鋼板の振動や反りを十分に防止しつつ表面性状の優れた
溶融金属めっき鋼板を製造する方法を提供すること、ま
た、そのような溶融金属めっき鋼板の製造を行うことが
できる製造設備を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】溶融金属めっき鋼板を製
品として需要家に供給する際、一般に鋼板の片面を製品
の品質保証面とする。これは、鋼板の表裏両面ともに完
全無欠陥の鋼板製品を安定的に製造することが現実には
難しいためである。仮に両面を品質保証しようとする
と、歩留りが低下し、また歩留向上対策として多大なコ
ストを必要とする。そのため、結局は製品の価格上昇を
招き、需要家にとっても好ましくはない。したがって、
例えば製品の表面（片面）を品質保証面とし、裏面には
実用上問題がない程度の多少の表面欠陥があっても通常
は許容されている。

【００１１】そこで本発明者等は、製品の品質保証面と
なる鋼板の片面側について表面欠陥の発生が可能な限り
低減され、鋼板の他面側（品質非保証面）については実
用上許容される程度の表面欠陥が発生してもよいという
観点から種々検討を行い、以下のような方法を開発し
た。

【００１２】すなわち、鋼板の片面側のみに接触する支
持ロールと、鋼板に磁力を作用させる手段とを組み合わ
せることにより、鋼板の片面側（品質非保証面）のみを
磁力により支持ロールに押しつける。こうすることによ
り、製品の品質保証面の表面欠陥を防止し、かつガスワ
イピングノズル付近での鋼板の振動や反りを防止するこ
とができる。また、支持ロールによりパスラインは一定
に保持されているため、非接触式の鋼板の位置検出装置
や磁力発生手段の複雑な制御系は不要であり、簡易な設
備構成が可能となる。

【００１３】したがって、本発明は以下のような特徴を
有するものである。

【００１４】（１）鋼板を溶融金属めっき浴に連続的に
侵入させ、めっき浴中のシンクロールにより方向転換さ
せてめっき浴から垂直方向に引き上げ、ワイピング装置
によりに鋼板に付着した溶融金属めっき量を調整した
後、トップロールにより鋼板を方向転換させる溶融金属
めっき鋼板の製造方法において、前記シンクロールと前
記トップロールとの間に設けられた支持ロールにより鋼
板の片面側のみを支持し、前記ワイピング装置の上方及
び／又は下方に設けられた磁力発生手段の磁力により、
鋼板に対して前記支持ロール配置側方向への力を作用さ
せて、前記支持ロールに鋼板を押しつけることを特徴と
する溶融金属めっき鋼板の製造方法。

【００１５】（２）支持ロールが、めっき浴中に設けら
れたロール及び／又はワイピング装置の上方に設けられ
たロールであることを特徴とする上記（１）に記載の溶
融金属めっき鋼板の製造方法。

【００１６】（３）支持ロールと接触する鋼板面が、溶
融金属めっき鋼板の製品品質保証面と反対側の面である
ことを特徴とする上記（１）又は（２）に記載の溶融金
属めっき鋼板の製造方法。

【００１７】（４）溶融金属めっき浴を保持するめっき
槽と、該めっき槽に設置され、めっき浴に侵入した鋼板
を巻き掛けて方向転換させるシンクロールと、めっき浴
から引き上げられた垂直方向に走行する鋼板を巻き掛け
て方向転換させるトップロールと、前記めっき浴と前記
トップロールとの間に配置され、鋼板に付着した溶融金
属めっき量を調整するワイピング装置とを備えた溶融金
属めっき鋼板の製造装置において、前記シンクロールと
前記トップロールとの間で鋼板を支持する鋼板の片面側
にのみ設けられた支持ロールと、前記ワイピング装置の
上方及び／又は下方に、磁力により鋼板に対して前記支
持ロール配置側方向への力を作用させる磁力発生手段と
を設けたことを特徴とする溶融金属めっき鋼板の製造装
置。

【００１８】（５）支持ロールが、めっき浴中に設けら
れるロール及び／又はワイピング装置の上方に設けられ
るロールであることを特徴とする上記（４）に記載の溶
融金属めっき鋼板の製造装置。

【００１９】

【発明の実施の形態】図１は本発明の第１の実施形態に
係る溶融金属めっき鋼板の製造装置の一例を示す構成図
である。

【００２０】図１に示す溶融金属めっき鋼板の製造装置
は、鋼板Ｓを引き込んで溶融金属を付着させる溶融金属
めっき浴２を保持する溶融金属めっき槽１、めっき浴２
から引き上げられた鋼板Ｓに付着した溶融金属めっき量
を調整するワイピング装置５、磁力発生手段６、浴外の
支持ロール８、図示しない合金化炉及びトップロール４
から構成されている。

【００２１】溶融金属めっき槽１は、めっき浴２中で鋼
板Ｓを巻き掛けて方向転換させるシンクロール３と、方
向転換された鋼板Ｓをめっき浴２中で支持する浴中の支
持ロール７とを備えている。シンクロール３とトップロ
ール４とは、両ロール３，４間で鋼板Ｓをほぼ垂直方向
に走行させるように構成されており、トップロール４
は、上昇しきった鋼板Ｓを巻き掛けて方向転換させるも
のである。

【００２２】浴中の支持ロール７及び浴外の支持ロール
８は、磁力発生手段６が鋼板Ｓへ力を作用させる側に設
けられ、磁力で吸引される鋼板Ｓを、シンクロール３と
トップロール４の間における２点で支える構造となって
いる。さらにワイピング装置５及び磁力発生手段６は、
この２点間に設けられている。ここで、浴外の支持ロー
ル７は、一般的にワイピング装置５より上方へ２００〜
２０００ｍｍの位置に設置される。そして、磁力発生手
段６は、めっき浴面上で前記浴外の支持ロール７よりも
下方に設置される。ただし、ワイピング装置５の下方は
亜鉛が飛散して堆積するため、ワイピング装置５より上
方に磁力発生手段６を設置することが望ましい。

【００２３】また、本実施形態においては、浴中支持ロ
ール７及び浴外支持ロール８は鋼板Ｓの裏面Ｓｂ側に設
置される。したがって、この場合、鋼板Ｓの支持ロール
７ｂ，８ｂの配置側が製品の品質非保証面となり、その
反対側（表面Ｓａ側）が品質保証面となる。なお、表面
側の浴中支持ロール７ａ及び浴外支持ロール８ａは、設
置しないか或いは退避させて不使用としておく。

【００２４】磁力発生手段６は、本実施形態では鋼板の
裏面側（Ｓｂ側）に設けられている。この磁力発生手段
６としては電磁石が一般的であり、鋼板Ｓを浴中支持ロ
ール７及び浴外支持ロール８に押し付けて振動を抑制す
ると共に、シンクロール３に巻きつけた際の曲げ及び曲
げ戻しによって生じる鋼板Ｓの反り形状を矯正する機能
を有する。さらに、電磁石の幅方向の設置位置は、全幅
に設置してもよいし、幅方向数ヶ所に設置してもよい。
また、幅方向に電磁石を多数並べておいて、鋼板の板幅
や幅方向の反り形状に応じてこれらの電磁石を選択的に
使用してもよい。つまり、鋼板Ｓの幅方向全面を支持ロ
ール７，８へ押し付けることができれば、電磁石をどの
ように設置し、どのように使用してもよい。

【００２５】次に、以上のように構成された本実施形態
に係る溶融金属めっき鋼板の製造装置の動作を説明す
る。

【００２６】図１に示すように、めっき浴２へ侵入した
鋼板Ｓは、シンクロール３により方向転換されてめっき
浴２から引き上げられ、ワイピング装置５によりめっき
付着量が制御され、トップロール４により方向転換され
る。ここで、シンクロール３とトップロール４の間の鋼
板Ｓは、鋼板裏面側の２つの支持ロール（７ｂ及び８
ｂ）により２点で支持される。また、この２点間に設け
られた磁力発生手段６により、鋼板Ｓに対して磁力によ
る力を作用させて、裏面側の支持ロール（７ｂ及び８
ｂ）へ鋼板Ｓを押しつける。こうすることにより、パス
ラインを一定とし、且つ鋼板Ｓの片面側のみを支持ロー
ルにより支持しても、鋼板Ｓの形状矯正及び振動防止を
図ることができる。

【００２７】ここで、磁力発生手段６により鋼板Ｓへ作
用させる磁力の大きさは、鋼板Ｓを支持ロール７，８へ
押しつけることができればよく、複雑な制御は必要とし
ない。ただし、磁力があまり大きすぎると鋼板Ｓがパス
ラインから外れるため、予め鋼板のサイズ毎に磁力を制
御するテーブル値を持っておき、目視により微調整を行
うなどの対応を取れば十分である。つまり、鋼板Ｓの位
置検出装置等は必ずしも必要ではない。

【００２８】なお、本実施形態では、鋼板Ｓの裏面側の
支持ロール（７ｂ及び８ｂ）を使用する。したがって、
鋼板Ｓの表面側が製品の品質保証面である場合に本実施
形態を適用することが好ましい。逆に、裏面側が製品の
品質保証面である鋼板を通板する場合には、鋼板製造装
置の入側で予め鋼板の表裏面を反転してから溶融金属め
っき装置へ装入すればよい。

【００２９】図２は本発明の他の実施形態に係る溶融金
属めっき鋼板の製造装置の一例を示す構成図であり、図
１と同一部分には同一符号を付してその説明を省略す
る。

【００３０】本実施形態の溶融金属めっき鋼板の製造装
置は、鋼板の表面Ｓａ側に設けた磁力発生手段６、浴中
支持ロール７ａ、浴外支持ロール８ａの他、第１の実施
形態と同様に構成されている。したがって、鋼板の裏面
Ｓｂ側が製品の品質保証面である場合に適した実施形態
であり、支持ロール７ａ，８ａ側が製品の品質非保証面
となる。なお、裏面側の浴中支持ロール７ｂ及び浴外支
持ロール８ｂは、設置しないか或いは退避させて不使用
としておく。

【００３１】図２に示すように、シンクロール３とトッ
プロール４の間の鋼板Ｓは、鋼板表面側の２つの支持ロ
ール（７ａ及び８ａ）により２点で支持される。また、
この２点間に設けられた磁力発生手段６により、鋼板Ｓ
に対して磁力による力を作用させて、裏面側の支持ロー
ル（７ａ及び８ａ）へ鋼板Ｓを押しつける。

【００３２】なお、前記の２つの実施形態では、シンク
ロール３とトップロール４の間で鋼板Ｓを支持するロー
ルは、非保証面側の浴中の支持ロール（７ａ又は７ｂ）
と浴外の支持ロール（８ａ又は８ｂ）の２つのロールと
して説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるも
のではない。すなわち、前記２つの支持ロールのうちど
ちらか一方のみを使用してもよいし、鋼板の非保証面側
に設置されているロールであれば、前記２つの支持ロー
ル以外のロールを使用してもよい。

【００３３】さらに、本発明の溶融金属めっき装置によ
り製造する溶融金属めっき鋼板製品の品質保証面が表面
である場合と裏面である場合とが混在する場合には、鋼
板の表裏両面側の支持ロールを退避可能に設置しておく
ことが望ましい。めっきする鋼板の諸元（品質保証面）
に合わせて品質保証面側の支持ロールを退避させ、非保
証面側の支持ロールで鋼板を支持することにより、本発
明を実施することができる。

【００３４】

【実施例】図１に示す溶融金属めっき装置により、溶融
亜鉛めっき鋼板の製造を行った。すなわち、シンクロー
ル３とトップロール４の間に設置された鋼板Ｓを支持す
るロールは、鋼板裏面側の浴中支持ロール７ｂ及び浴外
支持ロール８ｂである。ここで、ワイピング装置５とし
てガスワイピングを採用し、磁力発生手段６として電磁
石を用いた。また、浴外支持ロール８ｂの設置位置は、
ワイピング装置５から上方へ７００ｍｍの位置とし、ワ
イピング装置５と浴外支持ロール８ｂの間に磁力発生手
段６を設置した。用いた鋼板は、製品サイズが板厚０．
６〜２．３ｍｍ、板幅６１０〜１６８０ｍｍであり、図
１の表面Ｓａ側が製品品質保証面となるのもの使用し
た。

【００３５】なお、比較例とするために、鋼板の表面側
へも浴中支持ロール７ａ及び浴外支持ロール８ａを退避
可能に設置し、比較例ではこれらの表面側の鋼板支持ロ
ールも使用した。

【００３６】図３は、板幅１６００ｍｍの鋼板をめっき
した後、板幅方向のめっき付着量分布を示したものであ
る。（ａ）は電磁石及び鋼板裏面側の支持ロールを使用
した本発明例、（ｂ）は電磁石を使用せずに鋼板両面側
の支持ロールを使用した比較例１、（ｃ）は電磁石及び
鋼板両面側の支持ロールを使用した比較例２である。
（ａ）の本発明例は、電磁石を不使用とした（ｂ）の比
較例１よりも幅方向のめっき付着量が均一であり、電磁
石を使用することによる鋼板の反り抑制効果が現れた。
また、（ａ）の本発明例は、（ｃ）の比較例２とほぼ同
等の幅方向のめっき付着量の均一性が得られており、電
磁石を用いることにより、支持ロールを片面側のみの使
用としても、幅方向のめっき付着量は支持ロールを両面
使用とした場合とほぼ同等であった。

【００３７】また、図４は、前記の本発明例と比較例２
の条件で一定期間めっき鋼板の製造を行った結果として
得られた、めっき浴中のロール（シンクロール３と浴中
支持ロール７又は浴中サポートロール９）と浴外支持ロ
ール８又はタッチロール１０に起因する欠陥による裏歩
留り（当該欠陥による歩留りの低下量）を示したもので
ある。本発明例では、製品品質保証面側がシンクロール
３に接しているため、また非保証面側の欠陥による歩留
り落ちもあるため、裏歩留りをゼロにすることはできて
いないが、製品品質保証面側の浴中支持ロール７ａ及び
浴外支持ロール８ａを不使用としたので、製品品質保証
面側にこれらのロールに起因する欠陥が発生することが
なくなり、裏歩留りを約半減とすることができた。

【００３８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
溶融金属めっき鋼板の製造において、製品の保証面に発
生する表面欠陥を防止するとともに、ワイピング装置近
傍に発生する鋼板の振動や反りの問題を簡易な設備構成
により解決することができ、表面欠陥およびめっき付着
量の均一性に優れた溶融金属めっき鋼板を製造すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態に係る溶融金属めっき
鋼板の製造装置の一例を示す構成図

【図２】本発明の他の実施形態に係る溶融金属めっき鋼
板の製造装置の一例を示す構成図

【図３】実施例における鋼板板幅方向のめっき付着量分
布を示すグラフ

【図４】実施例における浴中ロール起因の欠陥による裏
歩留りを示すグラフ

【図５】従来技術の溶融金属めっき鋼板の製造装置の一
例を示す構成図

【符号の説明】

１ 溶融金属めっき槽 ２ 溶融金属めっき浴 ３ シンクロール ４ トップロール ５ ワイピング装置 ６ 磁力発生手段 ７ 浴中支持ロール ７ａ 浴中支持ロール（表面側） ７ｂ 浴中支持ロール（裏面側） ８ 浴外支持ロール ８ａ 浴外支持ロール（表面側） ８ｂ 浴外支持ロール（裏面側） ９ 浴中サポートロール １０ タッチロール Ｓ 鋼板 Ｓａ 鋼板（表面側） Ｓｂ 鋼板（裏面側）

フロントページの続き (72)発明者 蒲 昭 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 井上 茂 東京都千代田区丸の内一丁目１番２号 日 本鋼管株式会社内 Ｆターム(参考） 4K027 AA02 AA22 AB42 AC52 AD16 AD17 AD29 AE14 AE17 AE24

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋼板を溶融金属めっき浴に連続的に侵入
   させ、めっき浴中のシンクロールにより方向転換させて
   めっき浴から垂直方向に引き上げ、ワイピング装置によ
   りに鋼板に付着した溶融金属めっき量を調整した後、ト
   ップロールにより鋼板を方向転換させる溶融金属めっき
   鋼板の製造方法において、前記シンクロールと前記トッ
   プロールとの間に設けられた支持ロールにより鋼板の片
   面側のみを支持し、前記ワイピング装置の上方及び／又
   は下方に設けられた磁力発生手段の磁力により、鋼板に
   対して前記支持ロール配置側方向への力を作用させて、
   前記支持ロールに鋼板を押しつけることを特徴とする溶
   融金属めっき鋼板の製造方法。
2. 【請求項２】 支持ロールが、めっき浴中に設けられた
   ロール及び／又はワイピング装置の上方に設けられたロ
   ールであることを特徴とする請求項１に記載の溶融金属
   めっき鋼板の製造方法。
3. 【請求項３】 支持ロールと接触する鋼板面が、溶融金
   属めっき鋼板の製品品質保証面と反対側の面であること
   を特徴とする請求項１又は２に記載の溶融金属めっき鋼
   板の製造方法。
4. 【請求項４】 溶融金属めっき浴を保持するめっき槽
   と、該めっき槽に設置され、めっき浴に侵入した鋼板を
   巻き掛けて方向転換させるシンクロールと、めっき浴か
   ら引き上げられた垂直方向に走行する鋼板を巻き掛けて
   方向転換させるトップロールと、前記めっき浴と前記ト
   ップロールとの間に配置され、鋼板に付着した溶融金属
   めっき量を調整するワイピング装置とを備えた溶融金属
   めっき鋼板の製造装置において、前記シンクロールと前
   記トップロールとの間で鋼板を支持する鋼板の片面側に
   のみ設けられた支持ロールと、前記ワイピング装置の上
   方及び／又は下方に、磁力により鋼板に対して前記支持
   ロール配置側方向への力を作用させる磁力発生手段とを
   設けたことを特徴とする溶融金属めっき鋼板の製造装
   置。
5. 【請求項５】 支持ロールが、めっき浴中に設けられる
   ロール及び／又はワイピング装置の上方に設けられるロ
   ールであることを特徴とする請求項４に記載の溶融金属
   めっき鋼板の製造装置。