JP2003073461A - 真空表示管用強化フィルムとこれを用いた真空表示管 - Google Patents

真空表示管用強化フィルムとこれを用いた真空表示管

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JP2003073461A
JP2003073461A JP2001264543A JP2001264543A JP2003073461A JP 2003073461 A JP2003073461 A JP 2003073461A JP 2001264543 A JP2001264543 A JP 2001264543A JP 2001264543 A JP2001264543 A JP 2001264543A JP 2003073461 A JP2003073461 A JP 2003073461A
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vacuum
vacuum display
chemical
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Hideaki Hanaoka
英章 花岡
Shirou Kenmotsu
四郎 見物
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Sony Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G2261/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain of the macromolecule
    • C08G2261/30Monomer units or repeat units incorporating structural elements in the main chain
    • C08G2261/31Monomer units or repeat units incorporating structural elements in the main chain incorporating aromatic structural elements in the main chain
    • C08G2261/312Non-condensed aromatic systems, e.g. benzene

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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Vessels, Lead-In Wires, Accessory Apparatuses For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 陰極線管等の真空表示管の機械的強度を補強
することを目的とし、且つ重量を大幅に増加させること
なく強度向上の効果を高め、防爆効果が得られる真空表
示管用強化フィルム及びこれを用いた真空表示管を提供
する。 【解決手段】 真空表示管の表示面10Sに被着される
真空表示管用強化フィルム3であって、その材料を、下
記の化1に示す分子構造を有する材料であって、そのア
ルキル基(R)が下記の化2又は化3に示す分子構造と
する。 【化1】 【化2】 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空表示管の表示
面に被着され、機械的強度を補強する真空表示管用強化
フィルム及びこれを用いた真空表示管に係わる。
【0002】
【従来の技術】陰極線管等の真空表示管の機械的強度
は、これを構成しているガラスによって確保されてい
る。陰極線管の機械的強度を向上させるには、なるべく
球状に近い形状とし、ガラスの肉厚を厚くすることが有
効であることが一般に知られている。
【0003】しかしながら、陰極線管を含む真空表示管
は、表示装置という機能上、その表示面は平面に近いこ
とが求められている。表示面が球面であると、映し出さ
れる画像も球面状に歪んでしまい、表示品質を損ねてし
まうため、表示面を平面に近くした陰極線管が望まれて
いる。このように表示面を平面に近い形状とすると、内
部が高真空に保持される表示管の機械的強度が低下して
しまい、例えばガラス肉厚を厚くせざるを得なくなり、
真空表示管の重量の増加及びコスト高を招来してしま
い、また取り扱いが煩雑となり、生産性の低下をも招く
恐れがある。
【0004】このように、画面の平面化による品質の向
上は、機械的強度と相反する問題があり、機械的強度を
確保したままいかにして陰極線管等の真空表示管を軽量
化するかが、現状では大きな課題となっている。
【0005】このような課題の解決方法として、加熱後
冷却して締め付けを強化するいわゆる焼きばめバンドの
締結力を調整する方法、板ガラスやプラスチック板を接
着する、金属製のカバーを側面に固定するシェルボンド
方式、周辺部を覆うリムを持ちテンションバンドで締結
するリムバンド方式、額縁状の補強板を密着させる(特
開2000-35419号公開公報)方法などが、提案されてい
る。
【0006】しかしながら、これらの方法は強度向上の
効果はあるものの、重量が増加したり、強度向上効果が
低いなど、いずれも解決方法として不充分であった。
【0007】また、プラスチックフィルムを接着する方
法は、建物の窓ガラス等への用途では広く利用されてお
り、ガラス飛散防止効果が期待され、簡易で重量増とは
ならないが、一般的なプラスチックフィルムを陰極線管
の表示面に単に接着しただけでは、爆縮時の衝撃に耐え
られず、フィルムが破れたり、脱落したりする不都合が
生じてしまい、真空表示管としての強度保持としては、
十分な効果が得られないという問題を抱えていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、陰
極線管等の真空表示管の機械的強度を補強することを目
的とし、且つ重量を大幅に増加させることなく強度向上
の効果を高め、防爆効果が得られる真空表示管用強化フ
ィルム及びこれを用いた真空表示管を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、真空表示管の
表示面に被着される真空表示管用強化フィルムであっ
て、その材料を、下記の化13に示す分子構造を有する
材料であって、そのアルキル基(R)が下記の化14又
は化15に示す分子構造とする。
【0010】
【化13】
【化14】
【化15】
【0011】また本発明は、上述の真空表示管用強化フ
ィルムにおいて、その材料を、透明フィルム上に、1μ
m以上50μmの膜厚でほぼ均一に塗布して構成する。
【0012】また更に本発明は、上述の真空表示管用強
化フィルムの上に、ハードコート膜、帯電防止膜、反射
防止膜及び防汚膜のうち少なくとも一つを形成して構成
する。
【0013】更に本発明は、真空表示管の表示面に被着
される真空表示管用強化フィルムであって、その材料
を、下記の化16に示す分子構造を有する材料であっ
て、そのアルキル基(R)が下記の化17又は化18に
示す分子構造とする。
【0014】
【化16】
【化17】
【化18】
【0015】また本発明は、上述の真空表示管用強化フ
ィルムにおいて、その材料を、透明フィルム上に、1μ
m以上50μmの膜厚でほぼ均一に塗布して構成する。
【0016】また更に本発明は、上述の真空表示管用強
化フィルムの上に、ハードコート膜、帯電防止膜、反射
防止膜及び防汚膜のうち少なくとも一つを形成して構成
する。
【0017】更にまた本発明による真空表示管は、表示
面に、真空表示管用強化フィルムが被着され、この真空
表示管用強化フィルムの材料を、下記の化19に示す分
子構造を有する材料として、そのアルキル基(R)を下
記の化20又は化21に示す分子構造として構成し、こ
の真空表示管用強化フィルムの上に、ハードコート膜、
帯電防止膜、反射防止膜及び防汚膜のうち少なくとも一
つを形成して構成する。
【0018】
【化19】
【化20】
【化21】
【0019】また本発明は、上述の真空表示管におい
て、その真空表示管用強化フィルムを、上記化19およ
び化20、又は化19及び化21に示す分子構造の原材
料を表示面の上に塗布した後、重合によりその表示面と
一体化させて構成する。更に本発明は、上述の真空表示
管を、陰極線管とする。
【0020】また更に本発明による真空表示管は、表示
面に、真空表示管用強化フィルムが被着され、この真空
表示管用強化フィルムの材料を、下記の化22に示す分
子構造を有する材料として、そのアルキル基(R)を下
記の化23又は化24に示す分子構造として構成し、こ
の真空表示管用強化フィルムの上に、ハードコート膜、
帯電防止膜、反射防止膜及び防汚膜のうち少なくとも一
つを形成して構成する。
【0021】
【化22】
【化23】
【化24】
【0022】また本発明は、上述の真空表示管におい
て、その真空表示管用強化フィルムを、上記化22及び
化23、又は化22及び化24に示す分子構造の原材料
を表示面の上に塗布した後、重合によりその表示面と一
体化させて構成する。また更に本発明は、上述の真空表
示管を、陰極線管とする。
【0023】上述の本発明によれば、軽量な透明プラス
チックでありながら、非常に優れた強度を有する上述の
各化学式、即ち化13及び化14、化13及び化15、
化16及び化17、化16及び化18に示す分子構造を
有するいわゆるSRP(Self-Reinforced Polymers)を
用いた強化フィルムを用いることによって、真空表示管
の重量を大幅に増加させることなく、その機械的強度を
向上させ、いわゆる防爆効果を格段に高めることができ
る。
【0024】またこの強化フィルムを陰極線管の表示面
に被着して設ける構成とすることによって、後段の発明
の実施の形態において詳細に説明するように、破損時の
ガラス飛散量を低減化させ、また外部からの衝撃を緩和
し、また機械的強度を増加させたことにより陰極線管の
ガラス肉厚を薄くすることができ、陰極線管の軽量化を
はかることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。以下の各例においては、真
空表示管として陰極線管の表示面に真空表示管用強化フ
ィルムを塗布、またはフィルム状に成形して貼付するな
どして被着した場合を示すが、本発明はこれらの例に限
定されるものではなく、その他PDP(プラズマ・ディ
スプレイ・パネル)、FED(電界放出型ディスプレ
イ)等各種の真空表示管に適用することができ、また本
発明構成を逸脱しない範囲で種々の変形変更を採り得る
ことはいうまでもない。
【0026】上述したように本発明による強化フィルム
は、上述の各化学式に示す材料、即ち下記の化25及び
化26、又は化25及び化27、又は、化28及び化2
9、化28及び化30で示す分子構造を有するいわゆる
SRP材料より構成され、例えば陰極線管等の真空表示
管の表示面に直接的に塗布等により被着形成されるか、
或いは、1μm以上50μmの膜厚で透明フィルム上に
均一に塗布されて強化フィルムを形成し、これを表示面
に貼付する構成とすることもできる。
【0027】
【化25】
【化26】
【化27】
【0028】
【化28】
【化29】
【化30】
【0029】SRP材料を被着する透明フィルムの材料
は、特に限定されることなく、有機高分子からなる基材
であればいかなるものを用いてもよいが、透明性が高
く、屈折率、分散などの光学特性が映像表示等に問題を
生じない程度とされ、更には耐衝撃性、耐熱性、耐久性
などの諸特性が十分高い材料として、下記の各種材料を
用いることができる。例えば、
【0030】・ポリメチルメタクリレート、メチルメタ
クリレートと他のアルキル(メタ)アクリレート(即ち
アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレート、以
下同様に(メタ)を付して示す)、スチレンなどといっ
たビニルモノマーとの共重合体などの(メタ)アクリル
系樹脂
【0031】・ポリカーボネート、ジエチレングリコー
ルビスアリルカーボネート(CR-39)などのポリカーボネ
ート系樹脂 ・(臭素化)ビスフェノールA型のジ(メタ)アクリレ
ートの単独重合体ないし共重合体、(臭素化)ビスフェ
ノールAモノ(メタ)アクリレートのウレタン変性モノ
マーの重合体及び共重合体などといった熱硬化性(メ
タ)アクリル系樹脂
【0032】・ポリエステル特にポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレート及び不飽和ポリエス
テル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ塩化
ビニル、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが好ましい。
また、耐熱性を考慮したアラミド系樹脂の使用も可能で
ある。
【0033】透明フィルムの基材は、これらの樹脂を伸
延或いは溶剤に希釈後フィルム状に成膜して乾燥するな
どの方法で得ることができ、厚さは通常25μm〜50
0μm程度である。
【0034】そしてこの上に、SRP材料を被着した
後、ハードコート膜、反射防止膜、帯電防止膜、防汚膜
等が順次積層形成される。
【0035】ハードコート膜の材料としては、透明性を
有し、硬化後の表面硬度が高い樹脂であればいずれでも
良く、熱硬化型、紫外線硬化型の樹脂が好適である。具
体的には、アクリル樹脂、アクリル−ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリブタジェン樹脂、フェノール樹脂、メラミ
ン樹脂等の各樹脂を用いることができるがこの限りでは
ない。
【0036】更に、これらの樹脂に必要に応じて架橋
剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調
整剤を加えても良い。例えば特公昭50−28092号
公報、特公昭50−28446号公報、特公昭50−3
9449号公報、特公昭51−24368号公報、特開
昭52−112698号公報、特公昭57−2735号
公報などに記載のプラスチック基材の表面硬度化皮膜と
して従来から知られている材料を用いることができる。
【0037】ハードコート膜の形成方法としては、基材
の上層に例えばアクリル系架橋性樹脂原料を塗布した
後、紫外線或いは電子線などの照射による架橋硬化反応
を起こさせて硬化させて形成する方法、また、シリコン
系、メラミン系、或いはエポキシ系の樹脂原料を塗布
し、熱硬化反応により硬化させて形成する方法を用いる
ことができる。
【0038】このようなハードコート層を被着すること
によって、付着性、硬度、耐薬品性、耐染色性などの諸
物性を向上させることが可能である。またこのハードコ
ート膜の膜厚は、通常1〜20μm程度である。更に、
無機導電性物質の微粒子を予めハードコート膜の材料に
混合してから塗布することにより、帯電防止効果を持た
せることも可能である。
【0039】また、強化フィルムの表面には、反射防止
膜を設けることもでき、例えば特開平6−056478
号公報に開示されているように、ポリエーテル変性シリ
コーンオイル(シリコーン界面活性剤)と粒径1〜10
0nm程度の平均粒径を持つアンチモンドープ酸化錫微
粉末を水と混合して作製した分散液を、ディップコート
法、スピンコート法、ロールコート法などの各種塗布法
(ウェットコート法)により塗布・積層し、ゾル−ゲル
反応によって硬化させたり、または、特開平9−226
68号公報に開示されているような、Zr (OC3 7)
4 とTEOS(テトラエトキシシラン:Si (OC2
5)4 )を重合させたアルコール溶液を塗布して、乾燥・
焼成する方法により得ることができる。
【0040】その他の反射防止膜の被着方法としては、
真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング
法などに代表される各種PVD(物理的気相成長)法及
びCVD(化学的気相成長)法が適用される。このPV
D法に適した物質としては、SiO2 、SiO、Si3
4 、Al2 3 、ZrO2 、TiO2 、Ta2 5
TiO、Ti2 3 、HfO2 、ZnO、In2 3
In2 3 /SnO2、Y2 3 、Yb2 3 、Sb2
3 、MgO、CeO2 などの無機酸化物が好ましく適
用される。
【0041】また、反射防止膜の少なくとも1層に導電
材料を選択すれば、PVD法及びCVD法特有の低抵抗
な膜が得られ、帯電防止効果及び漏洩電界シールド機能
を持たせることもできる。特開平9−80205号公報
に示されているように、反応性スパッタリングによる反
射防止膜の形成や、反射防止膜の上に特開平9−255
919号公報に示されている防汚膜を薄く形成する方法
なども好ましく適用することができる。
【0042】本発明において、強化フィルムを真空表示
管の例えば陰極線管に接着する手段としては、例えばエ
ポキシ系、ゴム系、アクリル系、或いはシリコーン系な
どの各種接着剤、粘着剤、粘接着剤が利用できる。接着
剤としては、特開平8−83566号公報に開示されて
いるような、紫外線硬化型のアクリル系接着剤を陰極線
管の表示面に塗布し、強化フィルムに押し付けて、紫外
線を照射して硬化させるという方法が利用できる。
【0043】粘着剤としては、透明性に優れ、架橋度が
高い永久接着用のアクリル系粘着剤が好適であり、例え
ば特開平10−279900号公報に開示されているよ
うな、耐ブリスター性に優れたアクリル系粘着剤も好ま
しく利用できる。
【0044】更には、特開平10−187056号公報
に開示されているような、粘着剤に着色剤を配合して着
色粘着剤層を構成し、光透過率を調整する機能を持った
ものも好ましく適用できる。粘着剤に付加する着色剤と
しては、例えば染料或いはカーボンブラック等の顔料等
を例示することができるが、透過率の安定性、耐久性な
どの点から無機顔料もしくは有機顔料を用いることが好
ましい。
【0045】このような材料を用いて真空表示管用強化
フィルムを構成した例を図1に示す。この場合、接着層
2が表面に被着された剥離フィルム1を用意し、この上
に、順次SRP材料より成る真空表示管用強化フィルム
3、ハードコート膜4、反射防止膜5及び防汚膜6が形
成されて成る。
【0046】このような構成によるフィルムを、真空表
示管の表示面に被着することによって、表面が強化され
た例えば陰極線管等の真空表示管を得ることができる。
【0047】次に、このような材料を用いて強化フィル
ムを設けた真空表示管の各例に対し、その強度について
検討した。各例共に、陰極線管の表示面に強化フィルム
を被着形成した。
【0048】(1)実施例1 上記化25及び化26に示す分子構造を有するSRP材
料を、膜厚制御しながらロール成形することによって、
188μmのフィルム状に成形し、強化フィルム3とし
て用いた。
【0049】この強化フィルム3の一方の表面上に、コ
ーティング膜として、表面硬度を確保するために、アク
リル酸エステルモノマー(カヤラットDPHA:商品
名、日本化薬(株)製)の30wt%メチルエチルケト
ン溶液をロールコート法にて約6μm/dryとなるよ
うに塗工し、100℃のオーブンを用いてメチルエチル
ケトンを除去し、塗膜とした。この塗膜に対し、電子線
照射装置(キュアトロン:商品名、日清ハイボルテージ
(株)製)175kV、5Mradの電子線を照射し硬
化させ、ハードコート膜とした。更にその上に、反応性
スパッタリング法により、反射防止膜5として、SiO
x を5nm、TiNを13nm、SiO2を80nm被
着形成した。
【0050】更にその反射防止膜5の上に、グラビアコ
ーティング法により、防汚膜6として、前述の特開平9
−255919号公報に詳細に開示されている材料、即
ちパーフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラ
ン化合物を含有する材料を用いて膜厚3nmとして形成
した。
【0051】そして、強化フィルム3のもう一方の表
面、即ち裏面には、例えば剥離フィルム1付きの接着層
2を被着して、または、この強化フィルム3の裏面に直
接アクリル系粘着剤を接着層として25μm塗布して、
図2に示す陰極線管より成る真空表示管10の表示面1
0Sに被着する。
【0052】この真空表示管10の管体は、ガラス等よ
り成る真空管とされ、ほぼ矩形の表示面10Sいわゆる
フェースパネルと、ファンネル本体11及びネック部1
2とより構成される。表示面10Sからファンネル本体
11にかけては、図示しないが曲面状のいわゆるスカー
ト部が構成され、この部分を含んで表示面10Sの外周
部に、加熱後冷却して締め付けを強化する締め付けバン
ド(いわゆる焼きばめバンド)13が設けられて成る。
14はホルダー即ち取り付け金具を示す。
【0053】この例においては、図2に示すように、表
示面10S上とその外周部にかけて、締め付けバンド1
1の一部を覆うように接着した。この場合、1枚の強化
フィルム3の外周部分に切り込みを入れて曲面部を含む
外周部を覆う構成とした。
【0054】(2)実施例2 この例では、上記化25及び化27に示すSRP材料
を、厚さ188μmのフィルム状にして強化フィルム3
を構成した。この上に、上述の実施例1における例と同
様に、ハードコート膜4、反射防止膜5、防汚膜6を被
着して、表示管10の表示面10Sの上に実施例1と同
様に接着した。
【0055】(3)実施例3 この例では、上記化28及び化29に示すSRP材料
を、厚さ188μmのフィルム状にして強化フィルム3
を構成した。その他の構成は、上述の実施例1と同様に
形成した。 (4)実施例4 この例では、図3に示すように、上記化25及び化26
に示すSRP材料を、厚さ500μmとして、表示管1
0の表示面10Sの上に直接塗布又は射出成形等によっ
てほぼ均一な膜厚に被着し、その後、紫外線照射、又は
加熱、又は触媒による反応促進によりポリマー化して重
合し、表示面10Sのこの場合ガラスと一体化させる。
そしてこの上に、上記実施例1と同様に、ハードコート
膜4、反射防止膜5及び防汚膜6を同様の構成により形
成した。
【0056】(5)実施例5 この例では、図4に示すように、透明フィルム22の上
にSRP材料より成る強化フィルム3を被着形成した場
合で、透明フィルム22として、厚さ188μmのPE
T(ポリエチレンテレフタレート、分子構造を以下の化
31に示す)より成るプラスチックフィルムを用いて、
厚さ1〜50μmの例えば10μmとして上記化25及
び化26に示すSRP材料を塗布した強化フィルム3を
形成した。
【0057】
【化31】
【0058】そしてこの上に、厚さ6μmのハードコー
ト層4、厚さ0.2μmの反射防止膜5、厚さ3nmの
防汚膜6を、上述の実施例1における材料と同様の材料
をもって、順次積層形成し、このようにして形成した透
明フィルム22の裏面側、即ち強化フィルム3を被着し
た側とは反対側の面を、表示管10の表示面10Sに厚
さ25μmの接着剤21を用いて接着した。
【0059】このように、透明フィルム上にSRP材料
を塗布して真空表示管用強化フィルムを構成する場合、
その膜厚を1μm未満とする場合は、強化フィルムとし
ての効果が十分得られず、また上述したように、透明フ
ィルムの膜厚が通常25μm以上500μm以下程度と
されることから、50μmを越えて被着する場合は、透
明フィルムの膜厚に比し厚くなり過ぎて、全体としてフ
ィルム状に成形し難く、また取扱いも煩雑となる恐れが
あることから、本発明においては、1μm以上50μm
以下に選定するものである。
【0060】次に、本発明構成による場合との比較のた
めに、以下の比較例を用意した。 (6)比較例1 真空表示管として、強化フィルムを全く使用しない陰極
線管を用意した。
【0061】(7)比較例2 上述の化5に示すPETより成る厚さ188μmのフィ
ルムを用いて、表示管の表示面に接着した。他の構成
は、上述の実施例1と同様に構成した。
【0062】以上の(1)〜(7)で説明した各例によ
る表示管この場合陰極線管に対し、米国の安全規格のU
L1418にあるミサイルテストを行った。これは、陰
極線管の画面にミサイル形状の鉄塊(直径50mmφ×
長さ150mm)を、7〜20Jでぶつけて、飛散した
ガラス片の重量を測定する方法である。今回の評価で
は、15Jのエネルギーで陰極線管の表示面に鉄塊をぶ
つけ、第2ゾーンと呼ばれる表示面からの距離が90c
m以上150cmの範囲に飛散したガラス片の総重量を
測定した。この結果を、以下の表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】表1の結果からわかるように、上記SRP
材料を用いた強化フィルムを表示面に接着、又は皮膜を
形成してこの表示面を強化した各実施例1〜5において
は、爆縮時のガラス飛散量を大幅に改善することができ
ることがわかる。
【0065】このように、本発明においては、SRP材
料をフィルム状に成形して、真空表示管の表示面に貼着
するか、または直接塗布または射出成形等により被着し
た後、重合させて一体化させるか、或いは、透明フィル
ム上にSRP材料を被着して、表示面に接着等によって
被着する構成を採ることによって、確実に、表示面を強
化して防爆効果を向上させることができる。
【0066】そして、このような効果を、軽量なフィル
ムの被着によって得ることができることから、例えば陰
極線管等の表示面のガラスをより薄くすることができ
て、陰極線管の更なる軽量化をはかることができる。
【0067】尚、上述の各実施例においては、真空表示
管として陰極線管を用いた例を示したが、前述したよう
に本発明は、その他PDP、FED等各種真空表示管に
用いることができ、またその材料構成においても、種々
の態様を採り得ることはいうまでもない。
【0068】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、軽量
な透明プラスチックでありながら、非常に優れた強度を
有する上述の各化学式、即ち化25及び化26、化25
及び化27、化28及び化29、化28及び化30に示
す分子構造を有するいわゆるSRP材料による強化フィ
ルムを用いることによって、真空表示管の重量を大幅に
増加させることなく、その機械的強度を向上させ、いわ
ゆる防爆効果を格段に高めることができて、破損時のガ
ラス飛散量を格段に低減化することができ、また外部か
らの衝撃を緩和することができる。
【0069】またこの強化フィルムは高い透明度を有す
るため、映像等の表示に全く影響を及ぼすことがなく、
表示特性を良好に保持することができ、また機械的強度
を増加させたことにより陰極線管等の真空表示管のガラ
ス肉厚を薄くすることができ、陰極線管の軽量化をはか
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空表示管用強化フィルムの一例の略線的拡大
断面図である。
【図2】真空表示管の一例の側面図である。
【図3】真空表示管の一例の一部拡大断面図である。
【図4】真空表示管の一例の一部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 剥離フィルム、2 接着層、3 真空表示管用強化
フィルム、4 ハードコート膜、5 防汚膜、10 真
空表示管、10S 表示面、11 ファンネル本体、1
2 ネック部、13 締め付けバンド、14 ホルダ
ー、21 接着層、22 透明フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA31A AA46B AA69 AF30 AH12 BA01 BA02 BB02 BB04 BB06 BC01 BC12 4J032 CA03 CA04 CB01 CB04 CG02 CG06 CG08 5C032 AA02 CC06 CD04 EE10 EF05 EF07

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空表示管の表示面に被着される真空表
    示管用強化フィルムであって、その材料が、下記の化1
    に示す分子構造を有する材料であって、下記化1のアル
    キル基(R)が下記の化2又は化3に示す分子構造とさ
    れることを特徴とする真空表示管用強化フィルム。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】 上記真空表示管用強化フィルムの材料
    が、透明フィルム上に、1μm以上50μmの膜厚でほ
    ぼ均一に被着されて成ることを特徴とする上記請求項1
    に記載の真空表示管用強化フィルム。
  3. 【請求項3】 上記真空表示管用強化フィルムの上に、
    ハードコート膜、帯電防止膜、反射防止膜及び防汚膜の
    うち少なくとも一つが形成されて成ることを特徴とする
    上記請求項1又は2に記載の真空表示管用強化フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 真空表示管の表示面に被着される真空表
    示管用強化フィルムであって、その材料が、下記の化4
    に示す分子構造を有する材料であって、下記化4のアル
    キル基(R)が下記の化5又は化6に示す分子構造とさ
    れることを特徴とする真空表示管用強化フィルム。 【化4】 【化5】 【化6】
  5. 【請求項5】 上記真空表示管用強化フィルムの材料
    が、透明フィルム上に、1μm以上50μmの膜厚でほ
    ぼ均一に被着されて成ることを特徴とする上記請求項4
    に記載の真空表示管用強化フィルム。
  6. 【請求項6】 上記真空表示管用強化フィルムの上に、
    ハードコート膜、帯電防止膜、反射防止膜及び防汚膜の
    うち少なくとも一つが形成されて成ることを特徴とする
    上記請求項4又は5に記載の真空表示管用強化フィル
    ム。
  7. 【請求項7】 表示面に、真空表示管用強化フィルムが
    被着され、上記真空表示管用強化フィルムの材料が、下
    記の化7に示す分子構造を有する材料とされ、下記化7
    のアルキル基(R)が下記の化8又は化9に示す分子構
    造とされて成り、 上記真空表示管用強化フィルムの上に、ハードコート
    膜、帯電防止膜、反射防止膜及び防汚膜のうち少なくと
    も一つが形成されて成ることを特徴とする真空表示管。 【化7】 【化8】 【化9】
  8. 【請求項8】 上記真空表示管用強化フィルムは、上記
    化7及び上記化8に示す分子構造の原材料か、又は上記
    化7及び上記化9に示す分子構造の原材料が、上記真空
    表示管の上記表示面の上に塗布された後、重合により上
    記表示面と一体化されて構成されたことを特徴とする上
    記請求項7に記載の真空表示管。
  9. 【請求項9】 上記真空表示管が、陰極線管とされるこ
    とを特徴とする上記請求項7又は8に記載の真空表示
    管。
  10. 【請求項10】 表示面に真空表示管用強化フィルムが
    被着され、 上記真空表示管用強化フィルムの材料が、下記の化10
    に示す分子構造を有する材料とされ、下記化10のアル
    キル基(R)が下記の化11又は化12に示す分子構造
    とされて成り、 上記真空表示管用強化フィルムの上に、ハードコート
    膜、帯電防止膜、反射防止膜及び防汚膜のうち少なくと
    も一つが形成されて成ることを特徴とする真空表示管。 【化10】 【化11】 【化12】
  11. 【請求項11】 上記真空表示管用強化フィルムは、上
    記化10及び上記化11に示す分子構造の原材料か、又
    は上記化10及び上記化12に示す分子構造の原材料
    が、上記真空表示管の上記表示面の上に塗布された後、
    重合により上記表示面と一体化されて構成されたことを
    特徴とする上記請求項10に記載の真空表示管。
  12. 【請求項12】 上記真空表示管が、陰極線管とされる
    ことを特徴とする上記請求項10又は11に記載の真空
    表示管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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