JP2003073356A - メチルヒドロキシアルキルピリジン類の製造方法 - Google Patents
メチルヒドロキシアルキルピリジン類の製造方法Info
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Abstract
ン類を、簡易な分離精製手段により、収率よく、工業的
に有利に製造する方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 本発明のメチルヒドロキシアルキルピリ
ジン類の製造方法は、水素化触媒の存在下に、ヒドロキ
シアルキルピリジン類をアルコール類と反応させること
を特徴とするメチルヒドロキシアルキルピリジン類の製
造方法である。水素化触媒としては、例えばスポンジコ
バルト触媒、スポンジニッケル触媒等が使用される。
Description
アルキルピリジン類の製造方法に関する。
は、医薬品合成のための中間体として有用な化合物であ
る。
類の製造方法としては、例えば、J.Am. Chem. Soc., 19
77, 99(19), 6392-6398 に記載の方法、WO01/017968 に
記載の方法等が知られている。
式(A)で表される2,6−ジメチルピリジンオキシド
と無水酢酸とを反応させ、次いで得られる6−メチル−
2−アセトキシメチルピリジンを濃塩酸を用いて加水分
解して、6−メチル−1−ピリジンメタノールを製造す
る方法である。
工程を必要とし、反応操作が煩雑であるばかりか、第二
工程において用いられる濃塩酸の後処理に問題があり、
工業的に不利である。
水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)の存在下
に、式(B)で表される6−メチルニコチン酸メチルエ
ステルを還元して、6−メチル−3−ピリジンメタノー
ルを製造する方法である。
するLiAlH4が水及び空気中の水分と容易に反応す
るために、その取り扱いが困難であり、更に反応後に生
成するLiAlH4の分解物(例えば、Li化合物、A
l化合物等)の処理に多大の労力を必要とし、工業的に
不利である。
ルヒドロキシアルキルピリジン類の工業的に有利な製造
方法を提供することである。
ロキシアルキルピリジン類の工業的に有利な製造方法を
開発すべく鋭意研究を重ねた結果、ヒドロキシアルキル
ピリジンとアルコールとを原料に用い、更に水素化触媒
を用いることにより、ピリジン骨格上に活性基であるヒ
ドロキシアルキル基を有しているにもかかわらず、該ヒ
ドロキシアルキル基に悪影響を及ぼすことなく、該ピリ
ジン骨格上にメチル基を導入することに成功した。そし
て、本発明者は、この方法が、反応により生成する副生
物が主に水であり、他の副生成物が殆ど生成しないこと
から、環境に対する負荷が少なく、後処理が簡便であ
り、メチルヒドロキシアルキルピリジン類の工業的な製
造方法として極めて有利であるという知見を得た。本発
明は、このような知見に基づき完成されたものである。 1.本発明は、水素化触媒の存在下に、ヒドロキシアル
キルピリジン類をアルコール類と反応させることを特徴
とするメチルヒドロキシアルキルピリジン類の製造方法
である。 2.本発明は、ヒドロキシアルキルピリジン類が一般式
(1)
又はアリール基を示す。mは0〜3の整数を示す。nは
1〜5の整数を示す。]で表されるヒドロキシアルキル
ピリジンであり、アルコール類が一般式(2) R2OH (2) [式中、R2はアルキル基又はアラルキル基を示す。]
で表されるアルコールであり、メチルヒドロキシアルキ
ルピリジン類が一般式(3)
で表されるメチルヒドロキシアルキルピリジンである上
記1に記載の方法である。 3.本発明は、反応により生成するガスを反応系外に取
り出しつつ反応を行う上記1に記載の方法である。 4.本発明は、水素化触媒がスポンジコバルト触媒及び
スポンジニッケル触媒からなる群より選ばれた少なくと
も1種である上記1に記載の方法である。 5.本発明は、反応を150〜250℃にて行う上記1
に記載の方法である。
在下に、ピリジン骨格上にヒドロキシアルキル基を有す
るピリジン類を、アルコール類と反応させることであ
る。本発明の反応により、原料として使用されるアルコ
ール類の種類とは無関係にピリジン骨格上にメチル基が
導入される。
するシアノピリジン類又はピリジン骨格上にカルボキシ
ル基(−COOH)を有するピリジンカルボン酸類を、
本発明の方法と同様にしてアルコールと反応させようと
しても、反応が進行せず、ピリジン骨格上にメチル基を
導入できない。
者が予期し得なかった特異的な反応であると言える。
シアルキルピリジン類としては、例えば上記一般式
(3)で表されるメチルヒドロキシアルキルピリジンを
挙げることができる。
ルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso
−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、
n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6の直
鎖又は分枝鎖状アルキル基等を挙げることができる。
えばベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニル
エチル基、1−フェニルプロピル基、2−フェニルプロ
ピル基、3−フェニルプロピル基基、4−フェニルブチ
ル基等のアルキル部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖
状アルキル基であるフェニルアルキル基等を挙げること
ができる。
ばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。これらフェ
ニル基及びナフチル基は、フェニル環上にアルキル基、
アルコキシ基等の置換基が1個又は2個以上置換してい
てもよい。アルキル基としては、例えばメチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチ
ル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素
数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキル基等が挙げられ
る。アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキ
シ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、
tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシ
ルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルコ
キシ基等が挙げられる。
アルキルピリジンとしては、具体的には2−メチル−3
−ピリジンメタノール、4−メチル−3−ピリジンメタ
ノール、5−メチル−3−ピリジンメタノール、6−メ
チル−3−ピリジンメタノール、2−メチル−4−ピリ
ジンメタノール、2,4−ジメチル−3−ピリジンメタ
ノール、2,6−ジメチル−3−ピリジンメタノール、
2,6−ジメチル−4−ピリジンメタノール、2−(6
−メチル−2−ピリジル)エチルアルコール、2−(6
−メチル−3−ピリジル)エチルアルコール、2−(2
−メチル−4−ピリジル)エチルアルコール、3−(6
−メチル−2−ピリジル)プロピルアルコール、3−
(6−メチル−3−ピリジル)プロピルアルコール、3
−(2−メチル−4−ピリジル)プロピルアルコール、
4−(6−メチル−2−ピリジル)ブチルアルコール、
4−(6−メチル−3−ピリジル)ブチルアルコール、
4−(2−メチル−4−ピリジル)ブチルアルコール、
5−(6−メチル−2−ピリジル)ペンチルアルコー
ル、5−(6−メチル−3−ピリジル)ペンチルアルコ
ール、5−(2−メチル−4−ピリジル)ペンチルアル
コール等を例示できる。
水素化触媒の存在下に、ヒドロキシアルキルピリジン類
をアルコール類と反応させることにより製造される。
例えば上記一般式(1)で表されるヒドロキシアルキル
ピリジンを挙げることができる。
ルピリジンとしては、具体的には2−ピリジンメタノー
ル、3−ピリジンメタノール、4−ピリジンメタノー
ル、4−メチル−3−ピリジンメタノール、2−メチル
−3−ピリジンメタノール、2−メチル−4−ピリジン
メタノール、2−(2−ピリジル)エチルアルコール、
2−(3−ピリジル)エチルアルコール、2−(4−ピ
リジル)エチルアルコール、3−(2−ピリジル)プロ
ピルアルコール、3−(3−ピリジル)プロピルアルコ
ール、3−(4−ピリジル)プロピルアルコール、4−
(2−ピリジル)ブチルアルコール、4−(3−ピリジ
ル)ブチルアルコール、4−(4−ピリジル)ブチルア
ルコール、5−(2−ピリジル)ペンチルアルコール、
5−(3−ピリジル)ペンチルアルコール、5−(4−
ピリジル)ペンチルアルコール等を例示できる。
(2)で表されるアルコールを挙げることができる。
ルキル基としては、前記R1で示されるアルキル基と同
じでよく、例えば前記した炭素数1〜6の直鎖又は分枝
鎖状アルキル基等を挙げることができる。
記R1で示されるアラルキル基と同じでよく、例えば前
記したアルキル部分が炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状
アルキル基であるフェニルアルキル基等を挙げることが
できる。
例えば工業的に市販されているラネーコバルト合金をア
ルカリで展開したラネーコバルト触媒(スポンジコバル
ト触媒)、ラネーニッケル合金をアルカリで展開したラ
ネーニッケル触媒(スポンジニッケル触媒)等を挙げる
ことができる。スポンジコバルト触媒には、マンガン等
の他の金属が含有されていてもよいし、含有されていな
くてもよい。
し、2種以上を併用してもよい。
れるものではないが、通常ヒドロキシアルキルピリジン
類に対して10〜200重量%、好ましくは20〜15
0重量%の範囲とするのがよい。
と接触させてより活性化した後、反応に使用するのが望
ましい。この活性化処理は、例えば反応器に水素化触媒
を入れ、次いで反応器内を水素置換することにより行う
ことができる。或いは、水素化触媒を用いてヒドロキシ
アルキルピリジン類とアルコール類とを反応させるに先
立って、これらの成分が反応容器に仕込まれた段階で、
反応器内を水素置換し、水素化触媒を活性化してもよ
い。
ル類との使用割合は、限定されるものではないが、通常
前者に対して後者を少なくとも2倍モル、好ましくは2
〜8倍モル使用するのがよい。
類又はヒドロキシアルキルピリジン類を連続的に供給す
るのが好ましい。アルコール類又はヒドロキシアルキル
ピリジン類を連続的に供給する時間としては特に限定さ
れないが、通常2〜20時間程度が効率的である。アル
コール類又はヒドロキシアルキルピリジン類を連続的に
供給する手段としては、特に制限がなく、公知の手段を
いずれも採用することができる。具体的には、加熱、加
圧されたアルコール類又はヒドロキシアルキルピリジン
類にアルコール類又はヒドロキシアルキルピリジン類を
定量ポンプで圧入する方法等を挙げることができる。
容物の蒸気圧以上であれば充分であるが、好ましくは1
〜6MPa程度の範囲である。反応の進行により、生成
する分解ガスのために反応圧は上昇し、このまま反応を
続けると反応圧が高圧になって反応の進行を妨げる虞れ
がある。そこで、本発明では、反応の進行に伴い生成す
る分解ガスを反応系外に抜きながら、適度の反応圧を維
持しつつ反応を行うのが好ましい。
器を使用して非凝縮ガスのみを抜くのがよい。還流冷却
器を使用しない場合には、原料及び生成物の一部が分解
ガスと共に反応系外に留出するため、反応効率が低下す
る。しかし、本発明では、このような場合には、反応系
外に留出する原料及び生成物を凝集させ、回収し、反応
系内に循環させて、反応を行うことができる。
るものではないが、不活性溶媒中で反応を行うこともで
きる。用いられる不活性溶媒としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等を挙げ
ることができる。
であれば特に限定されないが、好ましくは150〜25
0℃の範囲である。
とするメチルヒドロキシアルキルピリジン類の生成を増
加させることができる。
ピリジン類におけるピリジン骨格のα位(即ち、2位又
は6位)がメチル化されたメチルヒドロキシアルキルピ
リジン類を高収率で製造できる。更に、ヒドロキシアル
キルピリジン類が3−ヒドロキシアルキルピリジンであ
る場合には、メチル基が6位に選択的に導入される。
キシアルキルピリジン類は、例えば反応液から触媒を濾
別し、濾液を蒸留することにより、反応液から容易に単
離、精製することができる。
シアルキルピリジン類を原料のヒドロキシアルキルピリ
ジン類に対して高収率で得ることができる。しかも、本
発明の方法では、反応が極めて高選択的に起こるため
に、副生成物は主に水であり、水以外の副生成物が少な
く、そのために目的物の分離精製が極めて容易になり、
高純度のメチルヒドロキシアルキルピリジン類を容易に
製造することができる。
使用することができ、また特殊で高価な試薬を使用する
必要はなく、経済的にも有利であると共に、環境に対す
る負荷が少ない。
らかにする。
に、4−ピリジンメタノール30.0g(0.27モ
ル)、メタノール26.4g(0.83モル)及びスポ
ンジニッケル触媒30.0gを仕込んで混合した後、反
応器内を窒素ガスで置換した。反応器内容物を攪拌しな
がら、215℃に昇温し、同温度で内圧を4〜5MPa
に保持するように生成ガスを断続的に放出しながら6時
間反応させた後、室温まで冷却した。得られた反応混合
物を濾過して触媒を除去し、濾液をガスクロマトグラフ
ィーで分析した。
の2−メチル−4−ピリジンメタノールを含有してい
た。4−ピリジンメタノールの転化率は96.9%、4
−ピリジンメタノールから2−メチル−4−ピリジンメ
タノールへの選択率は66.2%であった。
に、3−ピリジンメタノール200.0g(1.83モ
ル)、メタノール176.2g(5.50モル)及びス
ポンジニッケル触媒200.0gを仕込んで混合した
後、反応器内を窒素ガスで置換した。反応器内容物を攪
拌しながら、215℃に昇温し、同温度で内圧を4〜5
MPaに保持するように生成ガスを断続的に放出しなが
ら3時間反応させた後、室温まで冷却した。得られた反
応混合物を濾過して触媒を除去し、濾液をガスクロマト
グラフィーで分析した。
当の6−メチル−3−ピリジンメタノール及び収率0.
8%相当の位置異性体(2−メチル−3−ピリジンメタ
ノール、5−メチル−3−ピリジンメタノール及び4−
メチル−3−ピリジンメタノール)が含まれていた。3
−ピリジンメタノールの転化率は82.2%、3−ピリ
ジンメタノールから6−メチル−3−ピリジンメタノー
ルへの選択率は65.5%であった。
Claims (5)
- 【請求項1】 水素化触媒の存在下に、ヒドロキシアル
キルピリジン類をアルコール類と反応させることを特徴
とするメチルヒドロキシアルキルピリジン類の製造方
法。 - 【請求項2】 ヒドロキシアルキルピリジン類が一般式
(1) 【化1】 [式中、R1はアルキル基、アラルキル基又はアリール
基を示す。mは0〜3の整数を示す。nは1〜5の整数
を示す。]で表されるヒドロキシアルキルピリジンであ
り、アルコール類が一般式(2) R2OH (2) [式中、R2はアルキル基又はアラルキル基を示す。]
で表されるアルコールであり、メチルヒドロキシアルキ
ルピリジン類が一般式(3) 【化2】 [式中、R1、m及びnは前記に同じ。]で表されるメ
チルヒドロキシアルキルピリジンである請求項1に記載
の方法。 - 【請求項3】 反応により生成するガスを反応系外に取
り出しつつ反応を行う請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 水素化触媒がスポンジコバルト触媒及び
スポンジニッケル触媒からなる群より選ばれた少なくと
も1種である請求項1に記載の方法。 - 【請求項5】 反応を150〜250℃にて行う請求項
1に記載の方法。
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JP2001261292A JP4836368B2 (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | メチルヒドロキシアルキルピリジン類の製造方法 |
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Publications (2)
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JP (1) | JP4836368B2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2001038307A1 (de) * | 1999-11-26 | 2001-05-31 | Dsm Fine Chemicals Austria Nfg Gmbh & Co Kg | Verfahren zur herstellung von hydroxymethylpyridinen |
-
2001
- 2001-08-30 JP JP2001261292A patent/JP4836368B2/ja not_active Expired - Fee Related
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