JP2003073332A - 2−オキソカルボン酸エステル類の製造方法 - Google Patents

2−オキソカルボン酸エステル類の製造方法

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JP2003073332A
JP2003073332A JP2002178183A JP2002178183A JP2003073332A JP 2003073332 A JP2003073332 A JP 2003073332A JP 2002178183 A JP2002178183 A JP 2002178183A JP 2002178183 A JP2002178183 A JP 2002178183A JP 2003073332 A JP2003073332 A JP 2003073332A
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史彦 岡部
Masahiro Torihara
正浩 鳥原
Hironobu Tamai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2−オキソカルボン酸エステル類を、収率よ
く、簡便に、工業的に有利に製造し得る方法を提供する
こと。 【解決手段】 一般式(II)で示される2−ヒドロキ
シカルボン酸エステル類を、一般式(III)で示され
るニトロキシラジカル、次亜塩素酸塩、金属臭化物およ
び水の存在下、反応系のpHが5〜7の範囲の条件下で
酸化することを特徴とする一般式(I)で示される2−
オキソカルボン酸エステル類の製造方法。 【化1】 (式中、RおよびRはそれぞれ置換基を有していて
もよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニ
ル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基
を有していてもよいアリール基または置換基を有してい
てもよいアラルキル基を表し、Rは水素原子、アルコ
キシル基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基または
水酸基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2−オキソカルボン
酸エステル類の製造方法に関する。本発明により得られ
る2−オキソカルボン酸エステル類は、例えば抗てんか
ん薬として有用な(S)−α−エチル−2−オキソ−1
−ピロリジンアセトアミドなどの医薬品の合成中間体と
して有用である(特開昭60−252461号公報参
照)。
【0002】
【従来の技術】従来、2−オキソカルボン酸エステル類
の製造方法として、アセチレン化合物を酸化オスミウ
ムにより酸化する方法[ジャーナル オブ オーガニッ
ク ケミストリー(J.Org.Chem.)、43
巻、21号、4245頁(1978年)参照]、シュ
ウ酸ジエステルとアルキルアルミニウムを反応させる方
法(ドイツ特許第2151867号明細書参照)、2
−ヒドロキシカルボン酸エステルを気相で酸化脱水素す
る方法(特開平5−255190号公報および特開平8
−34762号公報参照)、2−ヒドロキシカルボン
酸エステルを、光照射下に塩素により酸化する方法(特
開平11−228502号公報参照)、2−ヒドロキ
シカルボン酸エステルを、ヒンダード2級アミンの存在
下、水と混合しない溶媒中、pH6以下の酸性条件で次
亜塩素酸塩で酸化する方法(特開平11−315052
号公報参照)、2−ヒドロキシカルボン酸エステルを
実質的にハロゲン化炭化水素溶媒中で、触媒量のニトロ
キシラジカルの存在下に次亜塩素酸で酸化する方法(特
開平3−58956号公報参照)、2−ヒドロキシカ
ルボン酸エステルをニトロキシラジカルおよび臭化ナト
リウムの存在下に次亜塩素酸ナトリウムで酸化する方法
[テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron
Lett.)、33巻、35号、5033頁(199
2年)参照]などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法は、人体
に有害な酸化オスミウムを使用するという問題点を有し
ている。の方法は、工業的規模での取り扱いが困難で
あるアルキルアルミニウムを使用するという問題点を有
している。の方法は、気相反応であり、またの方法
は、光照射を行うため、いずれも特殊な設備が必要であ
るという問題点を有している。の方法は、ヒンダード
2級アミンを使用前に活性化させるため、取り扱い難い
過酸で処理する必要がある。の方法は、環境に悪影響
を及ぼすハロゲン化炭化水素を溶媒として使用するとい
う問題点を有している。の方法は、得られる2−オキ
ソカルボン酸エステルの収率が低いという問題点を有し
ている。したがって、これらの方法は、いずれも2−オ
キソカルボン酸エステル類の工業的に有利な製造方法と
は言い難い。
【0004】しかして、本発明の目的は、2−オキソカ
ルボン酸エステル類を、収率よく、簡便に、工業的に有
利に製造し得る方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、一般式(II)
【0006】
【化4】
【0007】(式中、RおよびRはそれぞれ置換基
を有していてもよいアルキル基、置換基を有していても
よいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニ
ル基、置換基を有していてもよいアリール基または置換
基を有していてもよいアラルキル基を表す。)で示され
る2−ヒドロキシカルボン酸エステル類[以下、2−ヒ
ドロキシカルボン酸エステル類(II)と称する]を、
一般式(III)
【0008】
【化5】
【0009】(式中、Rは水素原子、アルコキシル
基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基または水酸基
を表す。)で示されるニトロキシラジカル[以下、ニト
ロキシラジカル(III)と称する]、次亜塩素酸塩、
金属臭化物および水の存在下、反応系のpHが5〜7の
範囲の条件下で酸化することを特徴とする一般式(I)
【0010】
【化6】
【0011】(式中、RおよびRは上記定義のとお
りである。)で示される2−オキソカルボン酸エステル
類[以下、2−オキソカルボン酸エステル類(I)と称
する]の製造方法を提供することにより達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】上記の一般式中、RおよびR
がそれぞれ表すアルキル基としては、炭素数1〜8のア
ルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペ
ンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、3−ペン
チル基、n−ヘキシル基、3−メチル−1−ペンチル
基、n−ヘプチル基、4−ヘプチル基、n−オクチル
基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、アルケニル基
としては、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例
えばビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、
オクテニル基などが挙げられ、またアルキニル基として
は、炭素数2〜8のアルキニル基が好ましく、例えばエ
チニル基、プロピニル基、ブチニル基、オクチニル基な
どが挙げられる。これらのアルキル基、アルケニル基お
よびアルキニル基は置換基を有していてもよく、かかる
置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原
子、ヨウ素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの好ましくは炭
素数1〜4のアルコキシル基;アセトキシ基、ベンゾイ
ルオキシ基などの好ましくは炭素数2〜11のアシルオ
キシ基;ニトロ基などが挙げられる。
【0013】RおよびRがそれぞれ表すアリール基
としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例
えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アラルキ
ル基としては、アルキル部分として炭素数1〜6のアル
キル基を有し、かつアリール部分として炭素数6〜10
のアリール基を有するものが好ましく、例えばベンジル
基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1
−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基、4−
フェニルブチル基、2−フェニルヘキシル基、ナフチル
メチル基、3−ナフチルブチル基などが挙げられる。こ
れらのアリール基およびアラルキル基は置換基を有して
いてもよく、かかる置換基としては、例えばフッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの
好ましくは炭素数1〜4のアルキル基;フェニル基、4
−メチルフェニル基、ナフチル基などの好ましくは炭素
数6〜10のアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基などの好ましくは炭素数1〜4
のアルコキシル基;アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基
などの好ましくは炭素数2〜11のアシルオキシ基;ニ
トロ基などが挙げられる。
【0014】Rが表すアルコキシル基としては、炭素
数1〜8のアルコキシル基が好ましく、例えばメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシル
オキシ基、オクチルオキシ基などが挙げられ、アラルキ
ルオキシ基としては、アルキル部分として炭素数1〜6
のアルキル基を有し、かつアリール部分として炭素数6
〜10のアリール基を有するものが好ましく、例えばフ
ェニルエチルオキシ基、ベンジルオキシ基などが挙げら
れ、アシルオキシ基としては、炭素数2〜7のアシルオ
キシ基が好ましく、例えばアセトキシ基、プロピオニル
オキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。
【0015】2−ヒドロキシカルボン酸エステル類(I
I)としては、例えばマンデル酸メチル、マンデル酸エ
チル、2−ヒドロキシ−2−(4−メトキシカルボニル
フェニル)酢酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メ
チル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロ
キシ−3−フェニルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキ
シブタン酸メチル、2−ヒドロキシブタン酸イソプロピ
ル、2−ヒドロキシブタン酸−n−ブチル、2−ヒドロ
キシ−3−メチルブタン酸メチル、2−ヒドロキシ−3
−フェニルブタン酸エチル、2−ヒドロキシ−4−(4
−クロロフェニル)ブタン酸エチル、4−アセトキシ−
2−ヒドロキシブタン酸メチル、2−ヒドロキシペンタ
ン酸メチル、2−ヒドロキシペンタン酸エチル、2−ヒ
ドロキシ−3−フェニルペンタン酸メチル、2−ヒドロ
キシ−5−(2−メトキシフェニル)ペンタン酸イソプ
ロピル、4−クロロ−2−ヒドロキシ−5−(2−ナフ
チル)ヘキサン酸−t−ブチル、4−フルオロ−2−ヒ
ドロキシ−4−(4−メチルフェニル)オクタン酸−n
−ブチル、2−ヒドロキシノナン酸メチル、2−ヒドロ
キシノナン酸エチル、3−ブロモ−2−ヒドロキシ−5
−ニトロノナン酸エチル、2−ヒドロキシ−3−ブテン
酸エチル、2−ヒドロキシ−4−ペンチン酸メチルなど
が挙げられる。
【0016】ニトロキシラジカル(III)としては、
例えば2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−
オキシ、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン−1−オキシ、4−ベンジルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシ、4
−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン−1−オキシ、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン−1−オキシ、4−ヒドロ
キシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−
オキシなどが挙げられる。これらの中でも、4−アセト
キシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−
オキシが好ましい。ニトロキシラジカル(III)の使
用量は、2−ヒドロキシカルボン酸エステル類(II)
に対して0.001〜1.0倍モルの範囲が好ましく、
経済的な観点から0.001〜0.2倍モルの範囲がよ
り好ましい。
【0017】次亜塩素酸塩としては、例えば次亜塩素酸
ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウ
ム(高度さらし粉)などが挙げられる。次亜塩素酸塩
は、通常、水溶液として使用されるが、これらの次亜塩
素酸塩の中でも、次亜塩素酸ナトリウムが、12〜13
質量%の水溶液の形態で安価に入手することができ、取
扱いが容易である観点から好ましい。次亜塩素酸ナトリ
ウム水溶液を使用する場合、市販されている水溶液をそ
のまま使用しても、適宜、希釈して使用してもよい。ま
た、高度さらし粉などの固体の状態で入手できる次亜塩
素酸塩を使用する場合、固体のまま使用しても、あるい
は水に溶解して5〜20質量%の水溶液を調製して使用
してもよい。次亜塩素酸塩の使用量は、2−ヒドロキシ
カルボン酸エステル類(II)に対して1〜10倍モル
の範囲が好ましく、1〜4倍モルの範囲がより好まし
い。
【0018】金属臭化物としては、例えば臭化リチウ
ム、臭化ナトリウム、臭化カリウムなどのアルカリ金属
臭化物;臭化マグネシウム、臭化バリウムなどのアルカ
リ土類金属臭化物などが挙げられる。金属臭化物の使用
量は、2−ヒドロキシカルボン酸エステル類(II)に
対して0.001〜10.0倍モルの範囲が好ましく、
経済性、反応の選択性などの観点から0.002〜0.
3倍モルの範囲がより好ましい。
【0019】水の使用量に特に制限はないが、通常、金
属臭化物に対して、0.1〜500質量倍の範囲が好ま
しく、0.5〜100質量倍の範囲がより好ましい。
【0020】反応は溶媒の存在下で行うのが好ましい。
溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない限り特に制限
はなく、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エ
チルなどのエステル;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トル
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが挙げられ
る。これらの溶媒は1種類を単独で使用しても2種類以
上を混合して使用してもよい。溶媒の使用量は、2−ヒ
ドロキシカルボン酸エステル類(II)に対して0.1
〜100質量倍の範囲が好ましく、経済性および後処理
の容易さの観点から1〜20質量倍の範囲がより好まし
い。
【0021】本発明の反応は、pH5〜7の範囲で実施
されるが、pH5〜6の範囲で実施するのがより好まし
い。反応系のpHが5未満である場合には、触媒である
ニトロキシラジカル(III)が失活して反応が進行し
なくなる。また、反応系のpHが7を越える場合には、
生成物である2−オキソカルボン酸エステル類(I)が
加水分解され、該生成物の反応収率および純度が低下す
る。
【0022】反応系のpHを制御する方法に特に制限は
ないが、例えば、反応系のpHを観察しながら、反応に
悪影響を及ぼさない酸を、適時、反応系に添加していく
方法;反応系に緩衝溶液を予め添加しておく方法などが
挙げられる。前者の方法において使用する酸としては、
例えば塩酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸などの鉱酸;
酢酸、プロピオン酸、p−トルエンスルホン酸などの有
機酸;リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム
などのリン酸塩;フタル酸水素カリウムなどが挙げられ
る。これらの酸は、そのまま使用しても、または水に溶
解もしくは水で希釈して使用してもよく、これらの酸の
中でも、pHの制御が容易である観点から、鉱酸または
リン酸塩が好ましい。
【0023】反応温度は、0〜80℃の範囲が好まし
く、0〜50℃の範囲がより好ましい。反応時間は、2
−ヒドロキシカルボン酸エステル類(II)、次亜塩素
酸塩、ニトロキシラジカル(III)、金属臭化物およ
び溶媒の種類やその使用量、反応温度などにより異なる
が、通常、30分〜50時間の範囲である。
【0024】反応方法には特に制限はなく、例えば、2
−ヒドロキシカルボン酸エステル類(II)、ニトロキ
シラジカル(III)、金属臭化物、水および必要に応
じて溶媒を混合し、得られた混合液に、所定温度におい
て、反応系のpHが5〜7の範囲の条件下で、次亜塩素
酸塩の水溶液を少量ずつ添加することなどにより行うこ
とができる。
【0025】こうして得られた2−オキソカルボン酸エ
ステル類(I)の反応混合物からの単離・精製は、有機
化合物の単離・精製において通常用いられている方法と
同様にして行うことができる。例えば、反応混合液にチ
オ硫酸ナトリウムなどの還元剤を加えて残存する次亜塩
素酸塩を分解した後、水層と有機層を分液し、次いで、
水層を酢酸エチルなどの有機溶媒で抽出し、この抽出液
を先の有機層と混合した後、濃縮し、薄膜蒸留などによ
りニトロキシラジカル(III)などの高沸成分を除去
し、得られた留出分を蒸留、カラムクロマトグラフィー
などにより精製する。
【0026】なお、本発明の方法で原料として用いる2
−ヒドロキシカルボン酸エステル類(II)、例えば2
−ヒドロキシブタン酸メチルは、例えば、シアンヒドリ
ンを水および硫酸でアミド化し、次いでアルコールを加
えてエステル化した後、反応混合物に含水アルコールを
連続的に供給しながら同時に生成するヒドロキシカルボ
ン酸エステルを留出させる方法(特開平6−24789
6号公報参照)などにより得ることができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるも
のではない。
【0028】実施例1 滴下漏斗2基、温度計、pHメーターおよび攪拌機を備
えた内容積200mlの四つ口フラスコに、2−ヒドロ
キシブタン酸メチル10g(84.7mmol)、4−
アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
−1−オキシ0.09g(0.42mmol)、臭化ナ
トリウム0.87g(8.47mmol)、水11gお
よび酢酸エチル43.4gを仕込み、内温を0〜10℃
まで冷却した。得られた混合液に、13質量%次亜塩素
酸ナトリウム水溶液56.2g(97.4mmol)
を、内温10℃以下を保持しながら連続的に滴下した。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴下により、反応系のp
Hがアルカリ性となるため、次亜塩素酸ナトリウム水溶
液を滴下する際、20質量%リン酸水溶液を滴下するこ
とにより反応系のpHを5〜6の範囲に制御した。次亜
塩素酸ナトリウム水溶液の滴下終了後、さらに1時間攪
拌した後、有機層と水層を分液し、これらの層をガスク
ロマトグラフィーを用いて内部標準法により分析したと
ころ、2−ヒドロキシブタン酸メチルの変換率は99.
9%であり、2−オキソブタン酸メチル9.45g(収
率96.0%)を含んでいた。
【0029】得られた水層を酢酸エチル21.7gで抽
出し、得られた有機層を先の有機層と混合した後、濃縮
し、得られた残留物を薄膜蒸留により精製し、次いで得
られた留出分をさらに蒸留することにより2−オキソブ
タン酸メチル8.71gを得た(純度97.6%,単離
収率86.4%)。
【0030】実施例2 滴下漏斗2基、温度計、pHメーターおよび攪拌機を備
えた内容積200mlの四つ口フラスコに、2−ヒドロ
キシブタン酸メチル10g(84.7mmol)、4−
アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
−1−オキシ0.09g(0.42mmol)、臭化ナ
トリウム0.87g(8.47mmol)、水11gお
よび酢酸エチル43.4gを仕込み、内温を0〜10℃
まで冷却した。得られた混合液に、13質量%次亜塩素
酸ナトリウム水溶液56.2g(97.4mmol)
を、内温10℃以下を保持しながら連続的に滴下した。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴下により、反応系のp
Hがアルカリ性となるため、次亜塩素酸ナトリウム水溶
液を滴下する際、20質量%リン酸水溶液を滴下するこ
とにより反応系のpHを6〜6.5の範囲に制御した。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴下終了後、さらに1時
間攪拌した後、有機層と水層を分液し、これらの層をガ
スクロマトグラフィーを用いて内部標準法により分析し
たところ、2−ヒドロキシブタン酸メチルの変換率は9
9.9%であり、2−オキソブタン酸メチル9.21g
(収率93.7%)を含んでいた。
【0031】実施例3 滴下漏斗2基、温度計、pHメーターおよび攪拌機を備
えた内容積200mlの四つ口フラスコに、2−ヒドロ
キシブタン酸メチル10g(84.7mmol)、4−
アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
−1−オキシ0.09g(0.42mmol)、臭化ナ
トリウム0.87g(8.47mmol)、水11gお
よび酢酸エチル43.4gを仕込み、内温を0〜10℃
まで冷却した。得られた混合液に、13質量%次亜塩素
酸ナトリウム水溶液56.2g(97.4mmol)
を、内温10℃以下を保持しながら連続的に滴下した。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴下により、反応系のp
Hがアルカリ性となるため、次亜塩素酸ナトリウム水溶
液を滴下する際、20質量%リン酸水溶液を滴下するこ
とにより反応系のpHを6.5〜7の範囲に制御した。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴下終了後、さらに1時
間攪拌した後、有機層と水層を分液し、これらの層をガ
スクロマトグラフィーを用いて内部標準法により分析し
たところ、2−ヒドロキシブタン酸メチルの変換率は9
9.9%であり、2−オキソブタン酸メチル8.96g
(収率91.0%)を含んでいた。
【0032】比較例1 滴下漏斗2基、温度計、pHメーターおよび攪拌機を備
えた内容積200mlの四つ口フラスコに、2−ヒドロ
キシブタン酸メチル10g(84.7mmol)、4−
アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
−1−オキシ0.09g(0.42mmol)、臭化ナ
トリウム0.87g(8.47mmol)、水11gお
よび酢酸エチル43.4gを仕込み、内温を0〜10℃
まで冷却した。得られた混合液に、13質量%次亜塩素
酸ナトリウム水溶液56.2g(97.4mmol)
を、内温10℃以下を保持しながら連続的に滴下した。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴下により、反応系のp
Hがアルカリ性となるため、次亜塩素酸ナトリウム水溶
液を滴下する際、20質量%リン酸水溶液を滴下するこ
とにより反応系のpHを3〜4の範囲に制御した。次亜
塩素酸ナトリウム水溶液の滴下終了後、さらに1時間攪
拌した後、有機層と水層を分液し、これらの層をガスク
ロマトグラフィーを用いて内部標準法により分析したと
ころ、2−ヒドロキシブタン酸メチルの変換率は44.
9%であり、2−オキソブタン酸メチル4.30g(収
率43.6%)を含んでいた。
【0033】比較例2 滴下漏斗2基、温度計、pHメーターおよび攪拌機を備
えた内容積200mlの四つ口フラスコに、2−ヒドロ
キシブタン酸メチル10g(84.7mmol)、4−
アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
−1−オキシ0.09g(0.42mmol)、臭化ナ
トリウム0.87g(8.47mmol)、水11gお
よび酢酸エチル43.4gを仕込み、内温を0〜10℃
まで冷却した。得られた混合液に、13質量%次亜塩素
酸ナトリウム水溶液56.2g(97.4mmol)
を、内温10℃以下を保持しながら連続的に滴下した。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴下により、反応系のp
Hがアルカリ性となるため、次亜塩素酸ナトリウム水溶
液を滴下する際、20質量%リン酸水溶液を滴下するこ
とにより反応系のpHを4〜4.5の範囲に制御した。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴下終了後、さらに1時
間攪拌した後、有機層と水層を分液し、これらの層をガ
スクロマトグラフィーを用いて内部標準法により分析し
たところ、2−ヒドロキシブタン酸メチルの変換率は4
0.6%であり、2−オキソブタン酸メチル3.82g
(収率38.9%)を含んでいた。
【0034】比較例3 滴下漏斗2基、温度計、pHメーターおよび攪拌機を備
えた内容積200mlの四つ口フラスコに、2−ヒドロ
キシブタン酸メチル10g(84.7mmol)、4−
アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
−1−オキシ0.09g(0.42mmol)、臭化ナ
トリウム0.87g(8.47mmol)、水11gお
よび酢酸エチル43.4gを仕込み、内温を0〜10℃
まで冷却した。得られた混合液に、13質量%次亜塩素
酸ナトリウム水溶液56.2g(97.4mmol)
を、内温10℃以下を保持しながら連続的に滴下した。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴下により、反応系のp
Hがアルカリ性となるため、次亜塩素酸ナトリウム水溶
液を滴下する際、20質量%リン酸水溶液を滴下するこ
とにより反応系のpHを4.5〜5の範囲に制御した。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴下終了後、さらに1時
間攪拌した後、有機層と水層を分液し、これらの層をガ
スクロマトグラフィーを用いて内部標準法により分析し
たところ、2−ヒドロキシブタン酸メチルの変換率は7
3.9%であり、2−オキソブタン酸メチル6.90g
(収率70.2%)を含んでいた。
【0035】比較例4 滴下漏斗2基、温度計、pHメーターおよび攪拌機を備
えた内容積200mlの四つ口フラスコに、2−ヒドロ
キシブタン酸メチル10g(84.7mmol)、4−
アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
−1−オキシ0.09g(0.42mmol)、臭化ナ
トリウム0.87g(8.47mmol)、水11gお
よび酢酸エチル43.4gを仕込み、内温を0〜10℃
まで冷却した。得られた混合液に、13質量%次亜塩素
酸ナトリウム水溶液56.2g(97.4mmol)
を、内温10℃以下を保持しながら連続的に滴下した。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液を滴下する際、20質量%
リン酸水溶液を滴下することにより反応系のpHを7〜
8の範囲に制御した。次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴
下終了後、さらに1時間攪拌した後、有機層と水層を分
液し、これらの層をガスクロマトグラフィーを用いて内
部標準法により分析したところ、2−ヒドロキシブタン
酸メチルの変換率は92.9%であり、2−オキソブタ
ン酸メチル7.30g(収率74.3%)を含んでい
た。
【0036】比較例5 滴下漏斗2基、温度計、pHメーターおよび攪拌機を備
えた内容積200mlの四つ口フラスコに、2−ヒドロ
キシブタン酸メチル10g(84.7mmol)、4−
アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
−1−オキシ0.09g(0.42mmol)、水11
gおよび酢酸エチル43.4gを仕込み、内温を0〜1
0℃まで冷却した。得られた混合液に、13質量%次亜
塩素酸ナトリウム水溶液56.2g(97.4mmo
l)を、内温10℃以下を保持しながら連続的に滴下し
た。次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴下により、反応系
のpHがアルカリ性となるため、次亜塩素酸ナトリウム
水溶液を滴下する際、20質量%リン酸水溶液を滴下す
ることにより反応系のpHを5〜6の範囲に制御した。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液の滴下終了後、さらに1時
間攪拌した後、有機層と水層を分液し、これらの層をガ
スクロマトグラフィーを用いて内部標準法により分析し
たところ、2−ヒドロキシブタン酸メチルの変換率は8
7.0%であり、2−オキソブタン酸メチル7.63g
(収率89.1%)を含んでいた。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、2−オキソカルボン酸
エステル類(I)を、収率よく、簡便に、工業的に有利
に製造することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC44 BA02 BA37 BA51 BA60 BC14 BC17 BE90 BR10 KA31 4H039 CA62 CC20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(II) 【化1】 (式中、RおよびRはそれぞれ置換基を有していて
    もよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニ
    ル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基
    を有していてもよいアリール基または置換基を有してい
    てもよいアラルキル基を表す。)で示される2−ヒドロ
    キシカルボン酸エステル類を、一般式(III) 【化2】 (式中、Rは水素原子、アルコキシル基、アラルキル
    オキシ基、アシルオキシ基または水酸基を表す。)で示
    されるニトロキシラジカル、次亜塩素酸塩、金属臭化物
    および水の存在下、反応系のpHが5〜7の範囲の条件
    下で酸化することを特徴とする一般式(I) 【化3】 (式中、RおよびRは上記定義のとおりである。)
    で示される2−オキソカルボン酸エステル類の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 反応系のpHが5〜6の範囲の条件下で
    ある請求項1に記載の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007512400A (ja) * 2003-11-20 2007-05-17 ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト カルボニル基を有する有機ケイ素化合物の製造方法
JP2013521225A (ja) * 2010-04-05 2013-06-10 重▲慶▼博▲騰製薬▼科技股▲フン▼有限公司 ロスバスタチンカルシウム中間生成物及びその調製方法

Cited By (3)

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