JP2003073276A - 安定化された抗炎症軟膏剤 - Google Patents

安定化された抗炎症軟膏剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】品質に優れた抗炎症軟膏剤、詳しくは保存安定
性に優れたフランカルボン酸モメタゾン軟膏剤を提供す
る。 【解決手段】少なくとも、フランカルボン酸モメタゾ
ン、N−メチル−2−ピロリドン、グリセリン脂肪酸エ
ステル、抗酸化剤および酸を含有し、かつ実質的に水を
含有しないことを特徴とする、軟膏剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬製剤、詳しくは
抗炎症軟膏剤、さらに詳しくは安定化されたフランカル
ボン酸モメタゾンを含有する軟膏剤に関する。
【0002】
【従来の技術】フランカルボン酸モメタゾンは抗炎症作
用などを有する化合物で特開昭57−146800号公
報に開示されている。本薬物は局所への優れた抗炎症作
用から、外用の医薬品として上市されている。一般に医
薬品を外用剤として製剤化する場合、軟膏剤、外用液
剤、クリーム剤、ローション剤、硬膏剤などの種々の剤
形を選択しうる。この中で、軟膏剤は適当な稠度の全質
均等な半固形状に製した外用剤であり、種々の状態の病
変皮膚に適用可能で、様々な面積の疾患皮膚に直接塗布
できることから汎用されている製剤である。WO95/
17196号公報には、フランカルボン酸モメタゾンお
よびサリチル酸を含有する乾癬治療のための軟膏剤が開
示されている。また、一般に難溶性薬物を溶解させ、皮
膚への刺激性が少ない添加剤の一つとしてN−メチル−
2−ピロリドン(以下「NMP」と略記することがあ
る)が知られている。WO91/08733号公報に
は、O/W型エマルションの構造が崩壊しない、フラン
カルボン酸モメタゾンおよびNMPを含有するクリーム
剤、ローション剤が開示されている。しかし上記公報に
は、NMPを含有するフランカルボン酸モメタゾンの軟
膏剤は開示されていない。WO00/12096号に
は、フランカルボン酸モメタゾンおよびNMPを配合し
た軟膏剤が開示されており、抗酸化剤を添加すること、
好ましくはさらに酸を添加することにより、保存安定性
のよいフランカルボン酸モメタゾンを含有する軟膏剤が
得られると記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、医薬品として
開発するためには、さらに高品質のフランカルボン酸モ
メタゾンを含有する軟膏剤が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記事情を鑑み、本発明
者らはWO00/12096号に記載の軟膏剤について
さらに品質を改良すべく、経時安定性を調べた。その結
果、主薬や製剤中に配合されている原料以外に品質上問
題となる微量物(以下、これを分解物と定義する)を検
出することが判明した。そこで、NMPを含むフランカ
ルボン酸モメタゾン軟膏剤の製剤化をさらに検討した結
果、界面活性剤としてグリセリン脂肪酸エステルを選択
するとともに、抗酸化剤及び酸を添加し、かつ実質的に
水を配合しないことにより、前記分解物の生成が抑制さ
れて、保存安定性が良い品質の優れたフランカルボン酸
モメタゾン軟膏剤が得られることを見出し、以下に示す
本発明を完成した。 (1):フランカルボン酸モメタゾン、NMP、グリセ
リン脂肪酸エステル、抗酸化剤および酸を含有し、かつ
実質的に水を含有しない軟膏剤。 (2):抗酸化剤がビタミンCおよび/またはジブチル
ヒドロキシトルエンである、上記(1)記載の軟膏剤。 (3):酸がリン酸である、上記(1)から(2)のい
ずれかに記載の軟膏剤。 (4):製剤全量に対して、NMPを1〜12(W/
W)%含有する、上記(1)から(3)のいずれかに記
載の軟膏剤。 (5):製剤全量に対して、グリセリン脂肪酸エステル
を1〜10(W/W)%含有する、上記(1)から
(4)のいずれかに記載の軟膏剤。 (6):製剤全量に対して、抗酸化剤を0.001〜1
(W/W)%含有する、上記(1)から(5)のいずれ
かに記載の軟膏剤。 (7):製剤全量に対して、酸を0.001〜1(W/
W)%含有する、上記(1)から(6)のいずれかに記
載の軟膏剤。 (8):さらに炭酸プロピレンを含有する、上記(1)
から(7)のいずれかに記載の軟膏剤。 (9):製剤全量に対して、炭酸プロピレンを0.1〜
12(W/W)%含有する、上記(8)記載の軟膏剤。 (10):軟膏剤が油脂性軟膏剤である、上記(1)か
ら(9)のいずれかに記載の軟膏剤。
【0005】本発明の軟膏剤とは、第14改正日本薬局
方(以下「局方」と略記することがある)製剤総則に記
載された軟膏剤および眼軟膏剤を指す。また、本発明の
油脂性軟膏剤とは、軟膏剤の中でも乳剤性基剤、水溶性
基剤、懸濁性基剤を用いた軟膏剤を除いたものを指し、
活性成分を油脂性基剤に分散、溶解した軟膏剤または活
性成分を溶解した溶液を油脂性基剤に分散した軟膏剤を
指す。本発明で使用するフランカルボン酸モメタゾンは
公知の方法(例えば、特開昭57−146800号公
報)で合成された任意の状態のフランカルボン酸モメタ
ゾンであり、結晶、非晶質、水和物、溶媒和物、または
それらの混合物などいずれの状態であってもよい。また
粉砕などにより微粉化されたフランカルボン酸モメタゾ
ンを用いることが、より好ましい。本発明のフランカル
ボン酸モメタゾンの添加量は、適用疾患の種類や投与方
法(投与の回数や間隔等)などの要因により異なるが、
好ましくは製剤全量に対して0.001〜0.5(W/
W)%、より好ましくは0.01〜0.25(W/W)
%である。本発明で使用するNMPは、医薬品添加物規
格1998(以下「薬添規」と略記することがある)や
医薬部外品原料規格(以下「外原規」と略記することが
ある)に収載されているNMPを使用すればよい。本発
明のNMPの添加量は、主薬であるフランカルボン酸モ
メタゾンの濃度(製剤中の添加量)などの要因により異
なるが、好ましくは製剤全量に対して1〜12(W/
W)%、より好ましくは2〜10(W/W)%である。
【0006】界面活性剤として、グリセリン脂肪酸エス
テルを使用することにより、製剤の安定性が向上する。
本発明で使用される界面活性剤のグリセリン脂肪酸エス
テルは、好ましくは薬添規および第7版食品添加物公定
書(以下「食添」と略記することがある)に収載されて
いるグリセリン脂肪酸エステルを使用すればよい。より
好ましくはHLB10以下のもので、具体的には、モノ
オレイン酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モ
ノラウリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリ
ル、モノミリスチン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセ
リル、ジステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸ポリ
オキシエチレングリセリル、モノステアリン酸ポリオキ
シエチレングリセリル、グリセリン酢酸脂肪酸エステ
ル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン
酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステ
ル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリ
セリン酢酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸
エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルであり、好ま
しくはポリグリセリン脂肪酸エステルである。ポリグリ
セリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノステアリ
ン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリ
ル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリ
ン酸ヘキサグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリ
ル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、トリステアリ
ン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセ
リル、トリステアリン酸デカグリセリル、ペンタステア
リン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸ヘキサグ
リセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタ
イソステアリン酸デカグリセリル、セスキステアリン酸
ヘキサグリセリル、ヘプタステアリン酸デカグリセリ
ル、デカステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸
ジグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、モノ
オレイン酸ヘキサグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリ
ル、トリオレイン酸デカグリセリル、テトラオレイン酸
ペンタグリセリル、ペンタオレイン酸テトラグリセリ
ル、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリル、ペンタオレイ
ン酸デカグリセリル、ヘプタオレイン酸デカグリセリ
ル、デカオレイン酸デカグリセリル、デカイソオレイン
酸デカグリセリル、ポリリシノール酸ヘキサグリセリ
ル、ヘプタベヘニン酸デカグリセリル、ドデカベヘニン
酸デカグリセリル、エルカ酸デカグリセリル、縮合リシ
ノレイン酸テトラグリセリル、縮合リシノレイン酸ヘキ
サグリセリルおよび縮合リシノレイン酸ポリグリセリル
であり、好ましくは、トリステアリン酸テトラグリセリ
ルである。本発明のグリセリン脂肪酸エステルの添加量
は、主薬であるフランカルボン酸モメタゾンの濃度(製
剤中の添加量)などにより異なるが、好ましくは製剤全
量に対して1〜10(W/W)%、より好ましくは2〜
8(W/W)%である。
【0007】本発明で使用する抗酸化剤は、薬物の酸化
を防止させる化合物であればよく、例えばビタミンC、
ジブチルヒドロキシトルエン(以下「BHT」と略記す
ることがある)、ビタミンE、ジブチルヒドロキシアニ
ソール、アルファチオグリセリンおよび没食子酸プロピ
ルなどを使用すればよい。この中で好ましくは、ビタミ
ンCおよび/またはBHTを使用すると、長期保存時に
おける薬剤の安定性を高めることができる。本発明で使
用するビタミンCは、局方で収載されているアスコルビ
ン酸、食添に収載されているL−アスコルビン酸などを
使用すればよい。本発明で使用するBHTは、薬添規、
食添や化粧品原料基準第2版(以下「粧原基」と略記す
ることがある)に収載されているBHTを使用すればよ
い。本発明の抗酸化剤の添加量は、抗酸化剤の種類およ
び主薬であるフランカルボン酸モメタゾンの濃度(製剤
中の添加量)などの要因により異なるが、好ましくは製
剤全量に対して0.001〜1(W/W)%、より好ま
しくは0.005〜0.5(W/W)%である。本発明
で使用する酸は、プロトンを供与できる化合物であれば
よいが、例えばリン酸、クエン酸、塩酸、硫酸、硝酸、
酢酸などが挙げられる。この中で好ましくは、リン酸を
使用するのがよい。本発明で使用するリン酸は、薬添規
や食添に収載されているリン酸を使用すればよい。本発
明の酸の添加量は、酸の種類および抗酸化剤の種類や濃
度(製剤中の添加量)などの要因により異なるが、好ま
しくは製剤全量に対して0.001〜1(W/W)%、
より好ましくは0.005〜0.5(W/W)%であ
る。本発明で使用する炭酸プロピレンは、軟膏剤中のフ
ランカルボン酸モメタゾンの結晶化を防止するために配
合されるものであり、薬添規や外原基に収載されている
炭酸プロピレンを使用すればよい。本発明の炭酸プロピ
レンの添加量は、主薬であるフランカルボン酸モメタゾ
ンの濃度(製剤中の添加量)などの要因により異なる
が、好ましくは製剤全量に対して0.1〜10(W/
W)%、より好ましくは0.5〜8(W/W)%であ
る。
【0008】本発明の軟膏剤において、「実質的に水を
配合しない」とは、保存中の主薬や添加物由来の分解物
の生成が実質的に抑制されるように、水分含量が制御さ
れていることを意味し、好ましくは製剤全量に対して水
分含量が0.2(W/W)%未満、より好ましくは0.
1(W/W)%未満、最も好ましくは、0(W/W)%
であるが、分解物を実質的に生成しない程度であれば、
界面活性剤やリン酸等の添加剤に極微量の水分を含有し
ても差し支えない。このように製剤中の水分含量を制御
することにより、保存安定性を高めることができる。な
お、ここで分解物とはHPLC分析において、本製剤中
に配合されている主薬や添加物以外のピークを示すもの
であり、分解物量(%)とは、便宜的にHPLCクロマ
トチャート上の分解物ピークの面積の合計を主薬ピーク
の面積で除した価に100を乗じたものと定義し、この
分解物量を指標に製剤の安定性を評価した。例えば、6
0℃条件下における保存中の分解物の生成量を好ましく
は1.0%以下、より好ましくは0.5%以下、特に好
ましくは実質的に0%に抑制できる。
【0009】本発明の軟膏剤は、当業者には周知の軟膏
基剤を加えてもよい。例えば、ワセリン(例:白色ワセ
リンや黄色ワセリンなど)、パラフィン(例:流動パラ
フィンなど)、プラスチベース、ラノリン、動植物油、
天然ワックス、ろう(例:サラシミツロウなど)などの
油脂性基剤を加えてもよい。また、本発明の軟膏剤は、
上記の添加剤のみならず、その他薬剤学的に許容される
種々の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で加え
てもよい。例えばパラベン類など保存剤等を加えても差
し支えない。本発明の軟膏剤を製造するには、当業者の
周知の方法で軟膏剤を調製すればよい。例えば溶融法で
製造する場合、油脂性基剤および界面活性剤を加温して
融解し、混和し、半ば冷却した後、基剤以外の医薬品を
少量の溶媒または前記の溶解した基剤溶液に溶かし、残
りの基剤を加えて全質均等になるまでかき混ぜて練り合
わせる方法で軟膏剤を調製すればよい。
【0010】
【実施例】以下に、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明するが、これは単に例示であって本発明を制限す
るものではない。 実施例1〜2 (軟膏剤調製法)表1、表3、表5に記載した処方で、
実施例1、実施例2、実施例3、比較例1−1〜1−
2、比較例2−1〜2−2および比較例3の軟膏剤を調
製した。実施例1処方の軟膏剤の調製法を下記に示す。
他の実施例や比較例も、処方に応じた添加物量の増減あ
るいは削除をして、実質的に同様に調製した。 (実施例1軟膏剤調製法)調製に用いた原料を挙げる。
NMPは薬添規適合品を、グリセリン脂肪酸は阪本薬品
工業株式会社製のTS−310(トリステアリン酸テト
ラグリセリル)を、ビタミンCは局方品を、BHTは薬
添規適合品を、リン酸は薬添規適合品を、ワセリンは局
方に収載されている白色ワセリンを、流動パラフィンは
局方適合品を用いた。またフランカルボン酸モメタゾン
は、特開昭57−164800の実施例14によって開
示されている方法で作製し、粉砕した原末を用いた。ワ
セリン84.63g、流動パラフィン5gおよびグリセ
リン脂肪酸エステル4gを容器に投入し、攪拌しながら
約80℃に加熱した。一様に溶解したことを目視で確認
した後、温度約60℃に下げた。この液を「油性基剤溶
液」とする。室温において、別容器にNMP6g、ビタ
ミンC 0.01g、BHT0.25gおよびリン酸
0.01gを投入して混合、一様に溶解したことを目視
確認した後、フランカルボン酸モメタゾン0.1gを加
え溶解させた。この液を「主薬混合溶液」とする。油性
基剤溶液に主薬混合溶液を投入し、減圧下で攪拌し、全
質均等な溶液状または半固形状となるまで練り合わせ
た。練り合わせ(練合)を続け温度を徐々に下げ、約3
0℃となった時容器から取り出し、軟膏剤100gを得
た。
【0011】(軟膏剤加速安定性試験)得られた実施例
1、実施例2、比較例1−1〜1−2および比較例2−
1〜2−2の軟膏剤について加速安定性試験を行なっ
た。容量5g用のポリエチレン内装金属チューブに調製
直後の軟膏剤約5gを充填して、60℃条件下で1週間
保存した。保存後の分解物量および主薬量は、チューブ
から軟膏剤を押出して、所定量の抽出溶媒で含有してい
る主薬のフランカルボン酸モメタゾンおよび分解物を抽
出し、HPLC法で測定した。この抽出溶媒とは、メタ
ノール:水:酢酸=300:150:1(体積比)であ
る。分解物量(%)の測定結果を以下に示す。表2から
明らかなように、水の配合量を低減するに応じて、分解
物量が低下し、水を配合しない場合、分解物量は最も低
下した。また、表4に示すように、抗酸化剤および酸を
配合すれば、配合しない場合に比べ分解物量は低下し、
製剤の安定性は向上した。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0012】実施例4 (軟膏剤調製法)表6に記載した処方で、実施例4−1
〜4−3の軟膏剤を調製した。実施例4−1軟膏剤の調
製法を下記に示す。調製に用いた原料を挙げる。NMP
は薬添規適合品を、炭酸プロピレンは薬添規適合品を、
ビタミンCは局方品を、グリセリン脂肪酸エステルは阪
本薬品工業株式会社製のTS−310(トリステアリン
酸テトラグリセリル)を、リン酸は薬添規適合品を、ワ
セリンは局方に収載されている白色ワセリンを、流動パ
ラフィンは局方適合品を用いた。またフランカルボン酸
モメタゾンは、特開昭57−164800の実施例14
によって開示されている方法で作製し、粉砕した原末を
用いた。ワセリン84.88g、流動パラフィン5gお
よびグリセリン脂肪酸エステル4gを容器に投入し、攪
拌しながら約80℃に加熱した。一様に溶解したことを
目視で確認した後、温度約60℃に下げた。この液を
「油性基剤溶液」とする。室温において、別容器にNM
P1g、炭酸プロピレン5g、ビタミンC0.01gお
よびリン酸0.01gを投入して混合、一様に溶解した
ことを目視確認した後、フランカルボン酸モメタゾン
0.1gを加え溶解させた。この液を「主薬混合溶液」
とする。油性基剤溶液に主薬混合溶液を投入し、減圧下
で攪拌し、全質均等な溶液状または半固形状となるまで
練り合わせた。練り合わせ(練合)を続け温度を徐々に
下げ、約30℃となった時容器から取り出し、軟膏剤1
00gを得た。
【0013】(軟膏剤加速安定性試験)得られた実施例
4−1〜4−3について加速安定性試験を行なった。方
法は前記した方法と同様に行なったが、保存温度および
保存期間を変更した。すなわち、容量5g用のポリエチ
レン内装金属チューブに調製直後の軟膏剤約5gを充填
して、40℃条件下で3ヶ月保存した。保存後の分解物
量および主薬量は、チューブから軟膏剤を押出して、所
定量の抽出溶媒で含有している主薬のフランカルボン酸
モメタゾンおよび分解物を抽出し、HPLC法で測定し
た。この抽出溶媒とは、メタノール:水:酢酸=30
0:150:1(体積比)である。分解物量(%)の測
定結果を以下に示す。表7から明らかなように、炭酸プ
ロピレンを配合した場合でも、製剤の安定性は向上し
た。
【表6】
【表7】
【0014】
【発明の効果】本発明により、湿疹、皮膚炎群、乾癬、
薬疹、中毒疹、虫刺されや痒疹群などの皮膚の炎症症状
の治療や緩和に有益で、保存安定性に優れた抗炎症軟膏
剤を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/22 A61K 47/22 A61P 29/00 A61P 29/00 Fターム(参考) 4C076 AA08 BB31 CC04 DD22 DD37 DD46 DD59 DD60 FF36 FF39 FF63 4C086 AA01 DA12 MA03 MA05 MA28 MA63 NA03 NA05 NA10 ZB11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フランカルボン酸モメタゾン、N−メチル
    −2−ピロリドン、グリセリン脂肪酸エステル、抗酸化
    剤および酸を含有し、かつ実質的に水を含有しない軟膏
    剤。
  2. 【請求項2】抗酸化剤がビタミンCおよび/またはジブ
    チルヒドロキシトルエンである請求項1記載の軟膏剤。
  3. 【請求項3】酸がリン酸である請求項1〜2のいずれか
    に記載の軟膏剤。
  4. 【請求項4】製剤全量に対して、N−メチル−2−ピロ
    リドンを1〜12(W/W)%含有する請求項1〜3の
    いずれかに記載の軟膏剤。
  5. 【請求項5】製剤全量対して、グリセリン脂肪酸エステ
    ルを1〜10(W/W)%含有する請求項1〜4のいず
    れかに記載の軟膏剤。
  6. 【請求項6】製剤全量に対して、抗酸化剤を0.001
    〜1(W/W)%含有する請求項1〜5のいずれかに記
    載の軟膏剤。
  7. 【請求項7】製剤全量に対して、酸を0.001〜1
    (W/W)%含有する請求項1〜6のいずれかに記載の
    軟膏剤。
  8. 【請求項8】さらに炭酸プロピレンを含有する請求項1
    〜7のいずれかに記載の軟膏剤。
  9. 【請求項9】製剤全量に対して、炭酸プロピレンを0.
    1〜12%(W/W)%含有する請求項8記載の軟膏
    剤。
  10. 【請求項10】軟膏剤が油脂性軟膏剤である請求項1〜
    9のいずれかに記載の軟膏剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014152138A (ja) * 2013-02-08 2014-08-25 Pola Pharma Inc 医薬組成物

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JP2014152138A (ja) * 2013-02-08 2014-08-25 Pola Pharma Inc 医薬組成物

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