JP4169956B2 - 安定化された抗炎症軟膏剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は医薬製剤、詳しくは抗炎症軟膏剤、さらに詳しくは安定化されたフランカルボン酸モメタゾンを含有する軟膏剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
フランカルボン酸モメタゾンは抗炎症作用などを有する化合物で特開昭57−146800号公報に開示されている。本薬物は局所への優れた抗炎症作用から、外用の医薬品として上市されている。
一般に医薬品を外用剤として製剤化する場合、軟膏剤、外用液剤、クリーム剤、ローション剤、硬膏剤などの種々の剤形を選択しうる。この中で、軟膏剤は適当な稠度の全質均等な半固形状に製した外用剤であり、種々の状態の病変皮膚に適用可能で、様々な面積の疾患皮膚に直接塗布できることから汎用されている製剤である。
WO95/17196号公報には、フランカルボン酸モメタゾンおよびサリチル酸を含有する乾癬治療のための軟膏剤が開示されている。
また、一般に難溶性薬物を溶解させ、皮膚への刺激性が少ない添加剤の一つとしてN−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」と略記することがある)が知られている。WO91/08733号公報には、O/W型エマルションの構造が崩壊しない、フランカルボン酸モメタゾンおよびNMPを含有するクリーム剤、ローション剤が開示されている。しかし上記公報には、NMPを含有するフランカルボン酸モメタゾンの軟膏剤は開示されていない。
WO00/12096号には、フランカルボン酸モメタゾンおよびNMPを配合した軟膏剤が開示されており、抗酸化剤を添加すること、好ましくはさらに酸を添加することにより、保存安定性のよいフランカルボン酸モメタゾンを含有する軟膏剤が得られると記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、医薬品として開発するためには、さらに高品質のフランカルボン酸モメタゾンを含有する軟膏剤が求められていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記事情を鑑み、本発明者らはWO00/12096号に記載の軟膏剤についてさらに品質を改良すべく、経時安定性を調べた。その結果、主薬や製剤中に配合されている原料以外に品質上問題となる微量物(以下、これを分解物と定義する)を検出することが判明した。
そこで、NMPを含むフランカルボン酸モメタゾン軟膏剤の製剤化をさらに検討した結果、界面活性剤としてグリセリン脂肪酸エステルを選択するとともに、抗酸化剤及び酸を添加し、かつ実質的に水を配合しないことにより、前記分解物の生成が抑制されて、保存安定性が良い品質の優れたフランカルボン酸モメタゾン軟膏剤が得られることを見出し、以下に示す本発明を完成した。
(1):フランカルボン酸モメタゾン、NMP、グリセリン脂肪酸エステル、抗酸化剤および酸を含有し、かつ実質的に水を含有しない軟膏剤。
(2):抗酸化剤がビタミンCおよび/またはジブチルヒドロキシトルエンである、上記(1)記載の軟膏剤。
(3):酸がリン酸である、上記(1)から(2)のいずれかに記載の軟膏剤。
(4):製剤全量に対して、NMPを1〜12(W/W)%含有する、上記(1)から(3)のいずれかに記載の軟膏剤。
(5):製剤全量に対して、グリセリン脂肪酸エステルを1〜10(W/W)%含有する、上記(1)から(4)のいずれかに記載の軟膏剤。
(6):製剤全量に対して、抗酸化剤を0.001〜1(W/W)%含有する、上記(1)から(5)のいずれかに記載の軟膏剤。
(7):製剤全量に対して、酸を0.001〜1(W/W)%含有する、上記(1)から(6)のいずれかに記載の軟膏剤。
(8):さらに炭酸プロピレンを含有する、上記(1)から(7)のいずれかに記載の軟膏剤。
(9):製剤全量に対して、炭酸プロピレンを0.1〜12(W/W)%含有する、上記(8)記載の軟膏剤。
(10):軟膏剤が油脂性軟膏剤である、上記(1)から(9)のいずれかに記載の軟膏剤。
【0005】
本発明の軟膏剤とは、第14改正日本薬局方(以下「局方」と略記することがある)製剤総則に記載された軟膏剤および眼軟膏剤を指す。
また、本発明の油脂性軟膏剤とは、軟膏剤の中でも乳剤性基剤、水溶性基剤、懸濁性基剤を用いた軟膏剤を除いたものを指し、活性成分を油脂性基剤に分散、溶解した軟膏剤または活性成分を溶解した溶液を油脂性基剤に分散した軟膏剤を指す。
本発明で使用するフランカルボン酸モメタゾンは公知の方法(例えば、特開昭57−146800号公報)で合成された任意の状態のフランカルボン酸モメタゾンであり、結晶、非晶質、水和物、溶媒和物、またはそれらの混合物などいずれの状態であってもよい。また粉砕などにより微粉化されたフランカルボン酸モメタゾンを用いることが、より好ましい。
本発明のフランカルボン酸モメタゾンの添加量は、適用疾患の種類や投与方法(投与の回数や間隔等)などの要因により異なるが、好ましくは製剤全量に対して0.001〜0.5(W/W)%、より好ましくは0.01〜0.25(W/W)%である。
本発明で使用するNMPは、医薬品添加物規格1998(以下「薬添規」と略記することがある)や医薬部外品原料規格(以下「外原規」と略記することがある)に収載されているNMPを使用すればよい。
本発明のNMPの添加量は、主薬であるフランカルボン酸モメタゾンの濃度(製剤中の添加量)などの要因により異なるが、好ましくは製剤全量に対して1〜12(W/W)%、より好ましくは2〜10(W/W)%である。
【0006】
界面活性剤として、グリセリン脂肪酸エステルを使用することにより、製剤の安定性が向上する。本発明で使用される界面活性剤のグリセリン脂肪酸エステルは、好ましくは薬添規および第7版食品添加物公定書(以下「食添」と略記することがある)に収載されているグリセリン脂肪酸エステルを使用すればよい。より好ましくはHLB10以下のもので、具体的には、モノオレイン酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、グリセリン酢酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルであり、好ましくはポリグリセリン脂肪酸エステルである。ポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、モノステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸ヘキサグリセリル、ジステアリン酸デカグリセリル、ジイソステアリン酸デカグリセリル、トリステアリン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、ペンタステアリン酸テトラグリセリル、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、セスキステアリン酸ヘキサグリセリル、ヘプタステアリン酸デカグリセリル、デカステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、ジオレイン酸ジグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリル、テトラオレイン酸ペンタグリセリル、ペンタオレイン酸テトラグリセリル、ペンタオレイン酸ヘキサグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル、ヘプタオレイン酸デカグリセリル、デカオレイン酸デカグリセリル、デカイソオレイン酸デカグリセリル、ポリリシノール酸ヘキサグリセリル、ヘプタベヘニン酸デカグリセリル、ドデカベヘニン酸デカグリセリル、エルカ酸デカグリセリル、縮合リシノレイン酸テトラグリセリル、縮合リシノレイン酸ヘキサグリセリルおよび縮合リシノレイン酸ポリグリセリルであり、好ましくは、トリステアリン酸テトラグリセリルである。
本発明のグリセリン脂肪酸エステルの添加量は、主薬であるフランカルボン酸モメタゾンの濃度(製剤中の添加量)などにより異なるが、好ましくは製剤全量に対して1〜10(W/W)%、より好ましくは2〜8(W/W)%である。
【0007】
本発明で使用する抗酸化剤は、薬物の酸化を防止させる化合物であればよく、例えばビタミンC、ジブチルヒドロキシトルエン(以下「BHT」と略記することがある)、ビタミンE、ジブチルヒドロキシアニソール、アルファチオグリセリンおよび没食子酸プロピルなどを使用すればよい。この中で好ましくは、ビタミンCおよび/またはBHTを使用すると、長期保存時における薬剤の安定性を高めることができる。
本発明で使用するビタミンCは、局方で収載されているアスコルビン酸、食添に収載されているL−アスコルビン酸などを使用すればよい。
本発明で使用するBHTは、薬添規、食添や化粧品原料基準第2版(以下「粧原基」と略記することがある)に収載されているBHTを使用すればよい。
本発明の抗酸化剤の添加量は、抗酸化剤の種類および主薬であるフランカルボン酸モメタゾンの濃度(製剤中の添加量)などの要因により異なるが、好ましくは製剤全量に対して0.001〜1(W/W)%、より好ましくは0.005〜0.5(W/W)%である。
本発明で使用する酸は、プロトンを供与できる化合物であればよいが、例えばリン酸、クエン酸、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸などが挙げられる。この中で好ましくは、リン酸を使用するのがよい。
本発明で使用するリン酸は、薬添規や食添に収載されているリン酸を使用すればよい。
本発明の酸の添加量は、酸の種類および抗酸化剤の種類や濃度(製剤中の添加量)などの要因により異なるが、好ましくは製剤全量に対して0.001〜1(W/W)%、より好ましくは0.005〜0.5(W/W)%である。
本発明で使用する炭酸プロピレンは、軟膏剤中のフランカルボン酸モメタゾンの結晶化を防止するために配合されるものであり、薬添規や外原基に収載されている炭酸プロピレンを使用すればよい。
本発明の炭酸プロピレンの添加量は、主薬であるフランカルボン酸モメタゾンの濃度(製剤中の添加量)などの要因により異なるが、好ましくは製剤全量に対して0.1〜10(W/W)%、より好ましくは0.5〜8(W/W)%である。
【0008】
本発明の軟膏剤において、「実質的に水を配合しない」とは、保存中の主薬や添加物由来の分解物の生成が実質的に抑制されるように、水分含量が制御されていることを意味し、好ましくは製剤全量に対して水分含量が0.2(W/W)%未満、より好ましくは0.1(W/W)%未満、最も好ましくは、0(W/W)%であるが、分解物を実質的に生成しない程度であれば、界面活性剤やリン酸等の添加剤に極微量の水分を含有しても差し支えない。このように製剤中の水分含量を制御することにより、保存安定性を高めることができる。なお、ここで分解物とはHPLC分析において、本製剤中に配合されている主薬や添加物以外のピークを示すものであり、分解物量(%)とは、便宜的にHPLCクロマトチャート上の分解物ピークの面積の合計を主薬ピークの面積で除した価に100を乗じたものと定義し、この分解物量を指標に製剤の安定性を評価した。例えば、60℃条件下における保存中の分解物の生成量を好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.5%以下、特に好ましくは実質的に0%に抑制できる。
【0009】
本発明の軟膏剤は、当業者には周知の軟膏基剤を加えてもよい。例えば、ワセリン(例:白色ワセリンや黄色ワセリンなど)、パラフィン(例:流動パラフィンなど)、プラスチベース、ラノリン、動植物油、天然ワックス、ろう(例:サラシミツロウなど)などの油脂性基剤を加えてもよい。
また、本発明の軟膏剤は、上記の添加剤のみならず、その他薬剤学的に許容される種々の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で加えてもよい。例えばパラベン類など保存剤等を加えても差し支えない。
本発明の軟膏剤を製造するには、当業者の周知の方法で軟膏剤を調製すればよい。例えば溶融法で製造する場合、油脂性基剤および界面活性剤を加温して融解し、混和し、半ば冷却した後、基剤以外の医薬品を少量の溶媒または前記の溶解した基剤溶液に溶かし、残りの基剤を加えて全質均等になるまでかき混ぜて練り合わせる方法で軟膏剤を調製すればよい。
【0010】
【実施例】
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、これは単に例示であって本発明を制限するものではない。
実施例1〜2
(軟膏剤調製法)
表1、表3、表5に記載した処方で、実施例1、実施例2、実施例3、比較例1−1〜1−2、比較例2−1〜2−2および比較例3の軟膏剤を調製した。実施例1処方の軟膏剤の調製法を下記に示す。他の実施例や比較例も、処方に応じた添加物量の増減あるいは削除をして、実質的に同様に調製した。
(実施例1軟膏剤調製法)
調製に用いた原料を挙げる。NMPは薬添規適合品を、グリセリン脂肪酸は阪本薬品工業株式会社製のTS−310(トリステアリン酸テトラグリセリル)を、ビタミンCは局方品を、BHTは薬添規適合品を、リン酸は薬添規適合品を、ワセリンは局方に収載されている白色ワセリンを、流動パラフィンは局方適合品を用いた。またフランカルボン酸モメタゾンは、特開昭57−164800の実施例14によって開示されている方法で作製し、粉砕した原末を用いた。
ワセリン84.63g、流動パラフィン5gおよびグリセリン脂肪酸エステル4gを容器に投入し、攪拌しながら約80℃に加熱した。一様に溶解したことを目視で確認した後、温度約60℃に下げた。この液を「油性基剤溶液」とする。
室温において、別容器にNMP6g、ビタミンC 0.01g、BHT0.25gおよびリン酸0.01gを投入して混合、一様に溶解したことを目視確認した後、フランカルボン酸モメタゾン0.1gを加え溶解させた。この液を「主薬混合溶液」とする。
油性基剤溶液に主薬混合溶液を投入し、減圧下で攪拌し、全質均等な溶液状または半固形状となるまで練り合わせた。練り合わせ(練合)を続け温度を徐々に下げ、約30℃となった時容器から取り出し、軟膏剤100gを得た。
【0011】
(軟膏剤加速安定性試験)
得られた実施例1、実施例2、比較例1−1〜1−2および比較例2−1〜2−2の軟膏剤について加速安定性試験を行なった。容量5g用のポリエチレン内装金属チューブに調製直後の軟膏剤約5gを充填して、60℃条件下で1週間保存した。保存後の分解物量および主薬量は、チューブから軟膏剤を押出して、所定量の抽出溶媒で含有している主薬のフランカルボン酸モメタゾンおよび分解物を抽出し、HPLC法で測定した。この抽出溶媒とは、メタノール:水:酢酸=300:150:1(体積比)である。分解物量(%)の測定結果を以下に示す。
表2から明らかなように、水の配合量を低減するに応じて、分解物量が低下し、水を配合しない場合、分解物量は最も低下した。また、表4に示すように、抗酸化剤および酸を配合すれば、配合しない場合に比べ分解物量は低下し、製剤の安定性は向上した。
【表1】
Figure 0004169956
【表2】
Figure 0004169956
【表3】
Figure 0004169956
【表4】
Figure 0004169956
【表5】
Figure 0004169956
【0012】
実施例4
(軟膏剤調製法)
表6に記載した処方で、実施例4−1〜4−3の軟膏剤を調製した。実施例4−1軟膏剤の調製法を下記に示す。
調製に用いた原料を挙げる。NMPは薬添規適合品を、炭酸プロピレンは薬添規適合品を、ビタミンCは局方品を、グリセリン脂肪酸エステルは阪本薬品工業株式会社製のTS−310(トリステアリン酸テトラグリセリル)を、リン酸は薬添規適合品を、ワセリンは局方に収載されている白色ワセリンを、流動パラフィンは局方適合品を用いた。またフランカルボン酸モメタゾンは、特開昭57−164800の実施例14によって開示されている方法で作製し、粉砕した原末を用いた。
ワセリン84.88g、流動パラフィン5gおよびグリセリン脂肪酸エステル4gを容器に投入し、攪拌しながら約80℃に加熱した。一様に溶解したことを目視で確認した後、温度約60℃に下げた。この液を「油性基剤溶液」とする。
室温において、別容器にNMP1g、炭酸プロピレン5g、ビタミンC0.01gおよびリン酸0.01gを投入して混合、一様に溶解したことを目視確認した後、フランカルボン酸モメタゾン0.1gを加え溶解させた。この液を「主薬混合溶液」とする。
油性基剤溶液に主薬混合溶液を投入し、減圧下で攪拌し、全質均等な溶液状または半固形状となるまで練り合わせた。練り合わせ(練合)を続け温度を徐々に下げ、約30℃となった時容器から取り出し、軟膏剤100gを得た。
【0013】
(軟膏剤加速安定性試験)
得られた実施例4−1〜4−3について加速安定性試験を行なった。方法は前記した方法と同様に行なったが、保存温度および保存期間を変更した。すなわち、容量5g用のポリエチレン内装金属チューブに調製直後の軟膏剤約5gを充填して、40℃条件下で3ヶ月保存した。保存後の分解物量および主薬量は、チューブから軟膏剤を押出して、所定量の抽出溶媒で含有している主薬のフランカルボン酸モメタゾンおよび分解物を抽出し、HPLC法で測定した。この抽出溶媒とは、メタノール:水:酢酸=300:150:1(体積比)である。分解物量(%)の測定結果を以下に示す。
表7から明らかなように、炭酸プロピレンを配合した場合でも、製剤の安定性は向上した。
【表6】
Figure 0004169956
【表7】
Figure 0004169956
【0014】
【発明の効果】
本発明により、湿疹、皮膚炎群、乾癬、薬疹、中毒疹、虫刺されや痒疹群などの皮膚の炎症症状の治療や緩和に有益で、保存安定性に優れた抗炎症軟膏剤を得ることができる。

Claims (7)

  1. フランカルボン酸モメタゾン、N−メチル−2−ピロリドン、グリセリン脂肪酸エステル、製剤1g中0.1mgのビタミンCおよびリン酸を含有し、かつ製剤全量に対して水分含量が0.2(w/w)%未満である軟膏剤。
  2. 製剤全量に対して、N−メチル−2−ピロリドンを1〜12(W/W)%含有する請求項1記載の軟膏剤。
  3. 製剤全量対して、グリセリン脂肪酸エステルを1〜10(W/W)%含有する請求項1または2記載の軟膏剤。
  4. 製剤全量に対して、リン酸を0.001〜1(W/W)%含有する請求項1〜のいずれかに記載の軟膏剤。
  5. さらに炭酸プロピレンを含有する請求項1〜のいずれかに記載の軟膏剤。
  6. 製剤全量に対して、炭酸プロピレンを0.1〜12%(W/W)%含有する請求項記載の軟膏剤。
  7. 軟膏剤が油脂性軟膏剤である請求項1〜のいずれかに記載の軟膏剤。
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