JP2003073172A - セラミック成形体及びそれを用いたセラミック焼結体の製造方法 - Google Patents
セラミック成形体及びそれを用いたセラミック焼結体の製造方法Info
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- JP2003073172A JP2003073172A JP2001262466A JP2001262466A JP2003073172A JP 2003073172 A JP2003073172 A JP 2003073172A JP 2001262466 A JP2001262466 A JP 2001262466A JP 2001262466 A JP2001262466 A JP 2001262466A JP 2003073172 A JP2003073172 A JP 2003073172A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】セラミック成形体中に樹脂成分を多量に含む場
合においても、焼結性を阻害することなく、緻密な焼結
体を作製することができるセラミック成形体とセラミッ
ク焼結体の製造方法を提供する。 【解決手段】セラミック成分と有機成分とからなるセラ
ミック成形体において、前記有機成分中に、少なくとも
重合開始剤およびモノマー(オリゴマー)を含み、体積
収縮する収縮性有機成分を添加混合し、この成形体に対
して、光や熱によって前記収縮性有機成分を体積収縮さ
せ、さらに有機成分を分解除去させた後、セラミック成
形体を焼成する。
合においても、焼結性を阻害することなく、緻密な焼結
体を作製することができるセラミック成形体とセラミッ
ク焼結体の製造方法を提供する。 【解決手段】セラミック成分と有機成分とからなるセラ
ミック成形体において、前記有機成分中に、少なくとも
重合開始剤およびモノマー(オリゴマー)を含み、体積
収縮する収縮性有機成分を添加混合し、この成形体に対
して、光や熱によって前記収縮性有機成分を体積収縮さ
せ、さらに有機成分を分解除去させた後、セラミック成
形体を焼成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック成形体
などのセラミック成形体への要求特性上、成形体中に含
まれる有機成分が多くなった場合でも、焼結性を損なう
ことなく緻密な焼結体を得ることのできるセラミック成
形体と、それを用いたセラミック焼結体の製造方法に関
するものである。
などのセラミック成形体への要求特性上、成形体中に含
まれる有機成分が多くなった場合でも、焼結性を損なう
ことなく緻密な焼結体を得ることのできるセラミック成
形体と、それを用いたセラミック焼結体の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来技術】セラミック多層配線基板は、そのセラミッ
クスの優れた物性、例えば誘電特性、高絶縁性等から電
子機器に広く応用されてきた。また、近年、特に低温焼
成基板がその性能の高さから多用されてきている。
クスの優れた物性、例えば誘電特性、高絶縁性等から電
子機器に広く応用されてきた。また、近年、特に低温焼
成基板がその性能の高さから多用されてきている。
【0003】低温焼成基板とは、従来から多用されてい
るアルミナ系セラミックスの焼成温度である1400〜
1600℃よりも低い温度で焼成可能な基板のことを総
称したものであり、一般的には850〜1050℃程度
の焼成温度で実現可能なものを指す。これはアルミナ系
セラミックスで同時焼成されるタングステン系導体と比
較して良電導体材料である金、銀及び銅更にはそれらを
主成分とした合金を同時焼成用の導体材料として選択で
きるという特長を有する。この特長は、電子機器の小型
化、高速化、高周波化を実現する上で必要不可欠な技術
となりつつある。
るアルミナ系セラミックスの焼成温度である1400〜
1600℃よりも低い温度で焼成可能な基板のことを総
称したものであり、一般的には850〜1050℃程度
の焼成温度で実現可能なものを指す。これはアルミナ系
セラミックスで同時焼成されるタングステン系導体と比
較して良電導体材料である金、銀及び銅更にはそれらを
主成分とした合金を同時焼成用の導体材料として選択で
きるという特長を有する。この特長は、電子機器の小型
化、高速化、高周波化を実現する上で必要不可欠な技術
となりつつある。
【0004】特に近年の通信機器の小型化はとどまると
ころがなく、その為に、携帯端末においては、例えばV
CO(電圧制御発振器)、PA(パワーアンプ)、AS
M(アンテナスイッチモジュール)等の回路ブロックに
対しても低温焼成基板が利用されている。
ころがなく、その為に、携帯端末においては、例えばV
CO(電圧制御発振器)、PA(パワーアンプ)、AS
M(アンテナスイッチモジュール)等の回路ブロックに
対しても低温焼成基板が利用されている。
【0005】一方、セラミック多層配線基板は、セラミ
ック、またはガラスセラミックからなる絶縁層を複数積
層してなり、絶縁層表面あるいは絶縁層間には配線層が
形成され、これら配線層はビアホール導体によって互い
に接続されて回路を形成している。配線層やビアホール
導体は、タングステン等の高融点金属や、金、銀、銅な
どの低抵抗導体が用いられている。
ック、またはガラスセラミックからなる絶縁層を複数積
層してなり、絶縁層表面あるいは絶縁層間には配線層が
形成され、これら配線層はビアホール導体によって互い
に接続されて回路を形成している。配線層やビアホール
導体は、タングステン等の高融点金属や、金、銀、銅な
どの低抵抗導体が用いられている。
【0006】このようなセラミック多層配線基板は、セ
ラミック層となるガラス粉末やセラミック粉末を用いて
ドクターブレード法などによって成形体を作成し、この
シートにNCパンチや金型などで貫通孔を形成した後、
導電性ペーストを配線パターンに印刷したり、前記貫通
孔内に充填し、その後、これらのシートを複数積層し
て、焼成することによって作製される。
ラミック層となるガラス粉末やセラミック粉末を用いて
ドクターブレード法などによって成形体を作成し、この
シートにNCパンチや金型などで貫通孔を形成した後、
導電性ペーストを配線パターンに印刷したり、前記貫通
孔内に充填し、その後、これらのシートを複数積層し
て、焼成することによって作製される。
【0007】ところが、この製造方法では、セラミック
層となる成形体を作製するためのテープ成型工程が必要
であること、さらにビアホール導体形成のための貫通孔
を穿設する工程が必要となり、穿設に際しては、金型や
NCパンチを用いることが一般的であり、NCパンチの
場合、1つづつの孔を開けなくてはならないため、工数
がかかり高価になり、また、微細な貫通孔を形成するに
も限界があり、微細回路形成に不向きであった。
層となる成形体を作製するためのテープ成型工程が必要
であること、さらにビアホール導体形成のための貫通孔
を穿設する工程が必要となり、穿設に際しては、金型や
NCパンチを用いることが一般的であり、NCパンチの
場合、1つづつの孔を開けなくてはならないため、工数
がかかり高価になり、また、微細な貫通孔を形成するに
も限界があり、微細回路形成に不向きであった。
【0008】これに対して、フォトリソ方式による感光
性スラリーを用いてセラミック層を形成する方法が提案
されている。これは、セラミック材料やガラス材料に、
光硬化可能なモノマー、有機バインダ及び有機溶剤とか
らなるスリップ材を薄層化し乾燥してセラミック成形体
を形成し、露光現像処理により内部配線を接続するため
の微細な貫通孔を一括して形成した後、導電性ペースト
の充填、内部配線パターンの印刷を行い、これを繰り返
すことにより、積層成形体を作製し、これを焼成するも
のである。
性スラリーを用いてセラミック層を形成する方法が提案
されている。これは、セラミック材料やガラス材料に、
光硬化可能なモノマー、有機バインダ及び有機溶剤とか
らなるスリップ材を薄層化し乾燥してセラミック成形体
を形成し、露光現像処理により内部配線を接続するため
の微細な貫通孔を一括して形成した後、導電性ペースト
の充填、内部配線パターンの印刷を行い、これを繰り返
すことにより、積層成形体を作製し、これを焼成するも
のである。
【0009】このフォトリソ方式は、製造工程の簡略化
が可能であり、精度よくビアホール導体の貫通孔を形成
できるために、高密度回路の形成が可能であり、従来の
製造方法の問題を解消できるものである。
が可能であり、精度よくビアホール導体の貫通孔を形成
できるために、高密度回路の形成が可能であり、従来の
製造方法の問題を解消できるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フォト
リソ方式による感光性スラリーを用い、露光現像処理に
よりビアホールを形成するセラミック成形体は、紫外線
を所定の厚みのセラミック成形体に対して均一に透過さ
せる必要があるため、光硬化可能なモノマー、有機バイ
ンダ等の樹脂成分を多く含む必要がある。このようなセ
ラミック成形体中の樹脂成分の増加は、成形体中でのセ
ラミック粉末のパッキングの低下につながり、その結
果、セラミック粉末の焼結性を劣化させる原因になる。
リソ方式による感光性スラリーを用い、露光現像処理に
よりビアホールを形成するセラミック成形体は、紫外線
を所定の厚みのセラミック成形体に対して均一に透過さ
せる必要があるため、光硬化可能なモノマー、有機バイ
ンダ等の樹脂成分を多く含む必要がある。このようなセ
ラミック成形体中の樹脂成分の増加は、成形体中でのセ
ラミック粉末のパッキングの低下につながり、その結
果、セラミック粉末の焼結性を劣化させる原因になる。
【0011】即ち、セラミック成形体中に多量の樹脂成
分が含まれていると、成形体中におけるセラミック粉末
自体の充填率が低いために、脱バインダ処理後の成形体
密度が非常に低く、焼成時に十分に緻密化しにくいとい
う問題があった。
分が含まれていると、成形体中におけるセラミック粉末
自体の充填率が低いために、脱バインダ処理後の成形体
密度が非常に低く、焼成時に十分に緻密化しにくいとい
う問題があった。
【0012】つまり、樹脂成分を多く含むセラミック成
形体は、焼結過程での樹脂成分が分解除去した後におけ
る成形体の密度が低く、これを焼成した後に焼結体中に
多くのボイドが残存するというう問題があった。
形体は、焼結過程での樹脂成分が分解除去した後におけ
る成形体の密度が低く、これを焼成した後に焼結体中に
多くのボイドが残存するというう問題があった。
【0013】従って、本発明は、セラミック成形体中に
樹脂成分を多量に含む場合においても、焼結性を阻害す
ることなく、緻密な焼結体を作成することができるセラ
ミック成形体とセラミック焼結体の製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
樹脂成分を多量に含む場合においても、焼結性を阻害す
ることなく、緻密な焼結体を作成することができるセラ
ミック成形体とセラミック焼結体の製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる課題
に対して種々検討を重ねた結果、セラミック成形体中に
光や加熱などによって体積収縮するような有機成分を加
えておくことによって、この有機成分による収縮によっ
て成形体の収縮が助長され、焼成前の成形体の密度を高
めることができ、その結果、最終的に、セラミックスの
焼結性を劣化させることなく緻密に焼成できることを見
出した。
に対して種々検討を重ねた結果、セラミック成形体中に
光や加熱などによって体積収縮するような有機成分を加
えておくことによって、この有機成分による収縮によっ
て成形体の収縮が助長され、焼成前の成形体の密度を高
めることができ、その結果、最終的に、セラミックスの
焼結性を劣化させることなく緻密に焼成できることを見
出した。
【0015】即ち、本発明のセラミック成形体は、セラ
ミック成分と有機成分とからなるセラミック成形体にお
いて、前記有機成分中に、体積収縮する収縮性有機成分
を含むことを特徴とするものであり、前記収縮性有機成
分は、少なくとも重合開始剤およびモノマーを含み、重
合反応により体積収縮するものであることが望ましい。
ミック成分と有機成分とからなるセラミック成形体にお
いて、前記有機成分中に、体積収縮する収縮性有機成分
を含むことを特徴とするものであり、前記収縮性有機成
分は、少なくとも重合開始剤およびモノマーを含み、重
合反応により体積収縮するものであることが望ましい。
【0016】また、この体積収縮は、セラミック成形体
中のセラミック粉末の焼結開始温度よりも低い温度で生
じることが望ましく、特に前記焼結開始温度到達時にお
いて成形体が1%以上体積収縮するものであることが望
ましい。
中のセラミック粉末の焼結開始温度よりも低い温度で生
じることが望ましく、特に前記焼結開始温度到達時にお
いて成形体が1%以上体積収縮するものであることが望
ましい。
【0017】また、前記収縮性有機成分は、上記体積収
縮を達成する上で、セラミック成分100質量部に対し
て、5〜20質量部含有されていることが適当である。
縮を達成する上で、セラミック成分100質量部に対し
て、5〜20質量部含有されていることが適当である。
【0018】さらに、このセラミック成形体中には、前
記収縮性有機成分以外に、成形用有機成分をセラミック
成分100質量部に対して、15〜40質量部含有して
いてもよく、セラミック成分100質量部に対して、有
機成分を合計で20〜50質量部含有する場合に特に有
用である。
記収縮性有機成分以外に、成形用有機成分をセラミック
成分100質量部に対して、15〜40質量部含有して
いてもよく、セラミック成分100質量部に対して、有
機成分を合計で20〜50質量部含有する場合に特に有
用である。
【0019】また、本発明のセラミック焼結体の製造方
法は、上記のセラミック成形体に対して、光および/ま
たは熱によって前記収縮性有機成分を体積収縮させる工
程と、有機成分を分解除去する工程と、有機成分を分解
除去した後のセラミック成形体を焼成する工程と、を具
備することを特徴とするものであり、かかるセラミック
焼結体は、回路基板用の絶縁基板として好適に用いられ
る。
法は、上記のセラミック成形体に対して、光および/ま
たは熱によって前記収縮性有機成分を体積収縮させる工
程と、有機成分を分解除去する工程と、有機成分を分解
除去した後のセラミック成形体を焼成する工程と、を具
備することを特徴とするものであり、かかるセラミック
焼結体は、回路基板用の絶縁基板として好適に用いられ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明のセラミック成形体は、セ
ラミック成分と有機成分によって形成されている。この
有機成分は、通常、セラミックスの成形性を高めるため
のものあるが、本発明によれば、この有機成分中に、光
や熱によって体積収縮する収縮性有機成分を含むことが
重要である。
ラミック成分と有機成分によって形成されている。この
有機成分は、通常、セラミックスの成形性を高めるため
のものあるが、本発明によれば、この有機成分中に、光
や熱によって体積収縮する収縮性有機成分を含むことが
重要である。
【0021】本発明によれば、成形体中に収縮性有機成
分を添加することによってセラミック成形体の焼成前の
密度、特にセラミック成分の充填密度を高め、最終的に
得られる焼結体の密度を高めるものである。
分を添加することによってセラミック成形体の焼成前の
密度、特にセラミック成分の充填密度を高め、最終的に
得られる焼結体の密度を高めるものである。
【0022】より具体的には、この収縮性有機成分によ
る収縮作用は、セラミック成形体中のセラミック粉末の
焼結開始温度よりも低い温度、具体的には600℃以
下、特に500℃以下、さらには400℃以下で収縮を
生じせしめることによって、焼結開始時における成形体
の密度を高めることができる。焼結体の密度の向上に寄
与するためには、焼結開始時において、成形体が1%以
上、特に2%以上、さらには3%以上収縮性有機成分に
よって収縮していることが望ましい。
る収縮作用は、セラミック成形体中のセラミック粉末の
焼結開始温度よりも低い温度、具体的には600℃以
下、特に500℃以下、さらには400℃以下で収縮を
生じせしめることによって、焼結開始時における成形体
の密度を高めることができる。焼結体の密度の向上に寄
与するためには、焼結開始時において、成形体が1%以
上、特に2%以上、さらには3%以上収縮性有機成分に
よって収縮していることが望ましい。
【0023】本発明のセラミック成形体は、とりわけ、
有機成分の合計量がセラミック成分100質量部に対し
て20質量部以上、特に25質量部以上、さらには30
質量部以上と非常に多い場合に、焼成前の成形体密度を
高めることができるために特に有効である。
有機成分の合計量がセラミック成分100質量部に対し
て20質量部以上、特に25質量部以上、さらには30
質量部以上と非常に多い場合に、焼成前の成形体密度を
高めることができるために特に有効である。
【0024】このように有機成分を多量に含む典型的な
ものとしては、セラミック成形体への加工を紫外線など
の光照射によって樹脂成分を部分的に硬化させ、未硬化
部分を除去することによって所定の形状の成形体を作製
する場合が挙げられる。
ものとしては、セラミック成形体への加工を紫外線など
の光照射によって樹脂成分を部分的に硬化させ、未硬化
部分を除去することによって所定の形状の成形体を作製
する場合が挙げられる。
【0025】本発明において用いられる収縮性有機成分
としては、重合開始剤と、モノマーによって構成される
が、特に上記のような光硬化性を兼ね備えた有機成分を
選択することが望ましい。
としては、重合開始剤と、モノマーによって構成される
が、特に上記のような光硬化性を兼ね備えた有機成分を
選択することが望ましい。
【0026】このような重合開始剤としては、ビスアシ
ルフォスフォンオキサイド、ビストリメチルペンチルフ
ォスフォンオキシド、ヒドロキシケトン、アセトフェノ
ン系重合開始剤、ジカボニル系光重合開始剤の群から選
ばれる少なくとも1種が挙げられる。
ルフォスフォンオキサイド、ビストリメチルペンチルフ
ォスフォンオキシド、ヒドロキシケトン、アセトフェノ
ン系重合開始剤、ジカボニル系光重合開始剤の群から選
ばれる少なくとも1種が挙げられる。
【0027】また、モノマーとしては、トリプロピレン
グリコールトリアクリレート、ポリオキシエチル化トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、イソオクリルアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラ
エチレングリコールジメタクリレートの群から選ばれる
少なくとも1種が好適に挙げられる。成形体中に配合す
る場合には、モノマーまたはオリゴマーであってもよ
い。
グリコールトリアクリレート、ポリオキシエチル化トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリアクリレート、イソオクリルアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラ
エチレングリコールジメタクリレートの群から選ばれる
少なくとも1種が好適に挙げられる。成形体中に配合す
る場合には、モノマーまたはオリゴマーであってもよ
い。
【0028】上記の重合開始剤は、セラミック粉末10
0質量部に対し1〜10質量部の割合で添加することが
望ましく、またモノマーは、セラミック粉末100質量
部に対し3〜10質量部の割合で添加することが望まし
い。
0質量部に対し1〜10質量部の割合で添加することが
望ましく、またモノマーは、セラミック粉末100質量
部に対し3〜10質量部の割合で添加することが望まし
い。
【0029】また、上記の収縮性有機成分は重合開始剤
とモノマーとの合量で、セラミック粉末100質量部に
対して、5質量部以上、特に8質量部以上の割合で含有
することが、上記収縮率を得る上で望ましい。ただし、
この有機成分の含有量が20質量部を超えると、有機成
分の分解除去が困難となる場合があるために、収縮性有
機成分の上限は、セラミック粉末100質量部に対して
20質量部以下、特に18質量部以下であることが望ま
しい。
とモノマーとの合量で、セラミック粉末100質量部に
対して、5質量部以上、特に8質量部以上の割合で含有
することが、上記収縮率を得る上で望ましい。ただし、
この有機成分の含有量が20質量部を超えると、有機成
分の分解除去が困難となる場合があるために、収縮性有
機成分の上限は、セラミック粉末100質量部に対して
20質量部以下、特に18質量部以下であることが望ま
しい。
【0030】さらに、本発明によれば、上記の収縮性有
機成分以外に、成形性を高めたり、光硬化後の現像性を
付与することを目的とするために、他の有機バインダを
含有させることができる。このような成形用有機成分と
しては、アクリル系樹脂、セルロース系、ブチラール
系、群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。その
他、成形用の有機成分として上記以外に、可塑剤、消泡
剤、解ごう剤、分散剤、レベリング剤等を含んでいても
よい。
機成分以外に、成形性を高めたり、光硬化後の現像性を
付与することを目的とするために、他の有機バインダを
含有させることができる。このような成形用有機成分と
しては、アクリル系樹脂、セルロース系、ブチラール
系、群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。その
他、成形用の有機成分として上記以外に、可塑剤、消泡
剤、解ごう剤、分散剤、レベリング剤等を含んでいても
よい。
【0031】一方、本発明のセラミック成形体における
セラミック成分としては、従来から知られるあらゆるセ
ラミックスを使用することができる。例えば、アルミ
ナ、ムライトなどの酸化物セラミックス、AlN、Si
3N4などの非酸化性セラミックス、ガラスを原料として
含むガラスセラミックスなどが挙げられる。
セラミック成分としては、従来から知られるあらゆるセ
ラミックスを使用することができる。例えば、アルミ
ナ、ムライトなどの酸化物セラミックス、AlN、Si
3N4などの非酸化性セラミックス、ガラスを原料として
含むガラスセラミックスなどが挙げられる。
【0032】特に、回路基板としての利用を考慮する
と、回路を形成する導体材料として銅などの低抵抗金属
を用いることが強く望まれていることを考慮すると、8
00〜1050℃の低温で焼成することができる低温焼
成セラミックスが好適に用いられる。
と、回路を形成する導体材料として銅などの低抵抗金属
を用いることが強く望まれていることを考慮すると、8
00〜1050℃の低温で焼成することができる低温焼
成セラミックスが好適に用いられる。
【0033】この低温焼成セラミックスとしては、例え
ば、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、アルカリ珪酸ガラス
などのガラス、またはこれらガラスに対して、アルミ
ナ、ムライト、フォルステライト、石英、石英ガラスな
どのフィラー成分を含有せしめたガラス系、ガラス−フ
ィラー複合系からなるもの、あるいはSiO2、Al2O
3、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、B2
O3の群から選ばれる複数の酸化物を所定比率で混合し
た非ガラス系などが挙げられる。
ば、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、アルカリ珪酸ガラス
などのガラス、またはこれらガラスに対して、アルミ
ナ、ムライト、フォルステライト、石英、石英ガラスな
どのフィラー成分を含有せしめたガラス系、ガラス−フ
ィラー複合系からなるもの、あるいはSiO2、Al2O
3、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、B2
O3の群から選ばれる複数の酸化物を所定比率で混合し
た非ガラス系などが挙げられる。
【0034】セラミック原料粉末としては、例えば、金
属元素として少なくともMg、Ti、Caを含有する複
合酸化物であって、その金属元素酸化物による組成式を
(1−x)MgTiO3−xCaTiO3(但し、式中x
は質量比を表し、0.01≦x≦0.15)で表される
主成分100質量部に対して、硼素含有化合物をB2O3
換算で3〜30質量部、アルカリ金属含有化合物をアル
カリ金属炭酸塩換算で1〜25質量部添加含有してなる
ものが用いられる。
属元素として少なくともMg、Ti、Caを含有する複
合酸化物であって、その金属元素酸化物による組成式を
(1−x)MgTiO3−xCaTiO3(但し、式中x
は質量比を表し、0.01≦x≦0.15)で表される
主成分100質量部に対して、硼素含有化合物をB2O3
換算で3〜30質量部、アルカリ金属含有化合物をアル
カリ金属炭酸塩換算で1〜25質量部添加含有してなる
ものが用いられる。
【0035】本発明のセラミック成形体を作製するに
は、上記のセラミック成分に対して、上記の収縮性有機
成分、成形用有機成分などを適宜配合した混合物をプレ
ス成形、鋳込み成形、冷間静水圧成形、ドクターブレー
ド法などのシート成形法などによって成形される。
は、上記のセラミック成分に対して、上記の収縮性有機
成分、成形用有機成分などを適宜配合した混合物をプレ
ス成形、鋳込み成形、冷間静水圧成形、ドクターブレー
ド法などのシート成形法などによって成形される。
【0036】例えば、ドクターブレード法等において
は、上記混合物をこれに適当な溶媒、例えば、イソプロ
ピルアルコールなどのアルコール系、トルエン系、エチ
ルカルビトールアセテートなどのアセテート系、セロソ
ルブ系などの周知の有機溶剤、あるいは水系溶剤を添加
してスリップを調製し、これをドクターブレード法によ
って所定の厚みのシート状の成形体を作製することがで
きる。
は、上記混合物をこれに適当な溶媒、例えば、イソプロ
ピルアルコールなどのアルコール系、トルエン系、エチ
ルカルビトールアセテートなどのアセテート系、セロソ
ルブ系などの周知の有機溶剤、あるいは水系溶剤を添加
してスリップを調製し、これをドクターブレード法によ
って所定の厚みのシート状の成形体を作製することがで
きる。
【0037】次に、かかる成形体を用いてセラミック焼
結体を作製するには、まず、上記の成形体を収縮性有機
成分によって収縮させる。収縮させる方法としては、加
熱または光照射のいずれでもよい。(以下、収縮工程と
いう。)。そして、焼成前の段階、具体的には、焼成開
始温度よりも低い温度で収縮させ、焼成開始温度到達時
に1%以上、特に2%以上、さらには3%以上収縮させ
る。この処理時の雰囲気としては、体積収縮は雰囲気の
影響は受けにくいために、酸化性雰囲気、非酸化性雰囲
気のいずれでもよい。
結体を作製するには、まず、上記の成形体を収縮性有機
成分によって収縮させる。収縮させる方法としては、加
熱または光照射のいずれでもよい。(以下、収縮工程と
いう。)。そして、焼成前の段階、具体的には、焼成開
始温度よりも低い温度で収縮させ、焼成開始温度到達時
に1%以上、特に2%以上、さらには3%以上収縮させ
る。この処理時の雰囲気としては、体積収縮は雰囲気の
影響は受けにくいために、酸化性雰囲気、非酸化性雰囲
気のいずれでもよい。
【0038】次に、この成形体中に含まれる有機成分を
熱分解して除去することのできる温度に加熱処理する。
この時の加熱処理は、添加した有機成分に応じて適宜選
択される。また、この熱分解工程は、上記の収縮工程と
同時に行うことも可能である。なお熱分解工程における
雰囲気は、低コストで有機バインダの熱分解を促進させ
るために大気中で行うことが望ましい。
熱分解して除去することのできる温度に加熱処理する。
この時の加熱処理は、添加した有機成分に応じて適宜選
択される。また、この熱分解工程は、上記の収縮工程と
同時に行うことも可能である。なお熱分解工程における
雰囲気は、低コストで有機バインダの熱分解を促進させ
るために大気中で行うことが望ましい。
【0039】その後、この成形体を焼成する(以下、焼
成工程という。)。焼成条件は、成形体中のセラミック
成分の種類によって適宜最適な焼成温度、焼成雰囲気で
焼成される。
成工程という。)。焼成条件は、成形体中のセラミック
成分の種類によって適宜最適な焼成温度、焼成雰囲気で
焼成される。
【0040】また、上記のセラミック焼結体の製造方法
において、成形体中に光硬化性有機成分を含有する場
合、上記収縮処理を施す前、または同時に、成形体に所
定の光照射を行い、光照射部を硬化させ、光照射されて
いない部分を除去した後、上記収縮工程、熱分解工程、
および焼成工程を経て緻密なセラミック焼結体を得るこ
とができる。
において、成形体中に光硬化性有機成分を含有する場
合、上記収縮処理を施す前、または同時に、成形体に所
定の光照射を行い、光照射部を硬化させ、光照射されて
いない部分を除去した後、上記収縮工程、熱分解工程、
および焼成工程を経て緻密なセラミック焼結体を得るこ
とができる。
【0041】本発明によれば、上記の一連の製造方法に
よって、有機成分を多量に含有する成形体であっても、
有機成分中の収縮性有機成分の存在によって、焼成前の
成形体中のセラミック成分の充填密度を高めることがで
きる結果、焼結体の緻密性を高めることができる。
よって、有機成分を多量に含有する成形体であっても、
有機成分中の収縮性有機成分の存在によって、焼成前の
成形体中のセラミック成分の充填密度を高めることがで
きる結果、焼結体の緻密性を高めることができる。
【0042】次に、本発明のセラミック成形体およびセ
ラミック焼結体の製造方法を具体的な製品に応用した場
合について説明する。この例では、セラミック回路基板
を光硬化性を有する収縮性有機成分を含む成形体を用い
て製造する方法について図1をもとに説明する。
ラミック焼結体の製造方法を具体的な製品に応用した場
合について説明する。この例では、セラミック回路基板
を光硬化性を有する収縮性有機成分を含む成形体を用い
て製造する方法について図1をもとに説明する。
【0043】本発明のセラミック回路基板の製造方法に
よれば、まず、上述のセラミック成分と収縮性有機成分
および成形用有機成分を含有する混合物に、適当な溶剤
を添加し、混合してスリップ材を調製する。そして、図
1(a)に示すように、支持基板1上に、スリップ材を
ドクターブレード法によって塗布後、乾燥して、セラミ
ック層成形体2aを形成する。ここで、支持基板1とし
ては、マイラーフイルムやPETフィルムなどの有機フ
ィルムなどが用いられる。なお、このフィルムは、焼成
工程前に取り外される。そして、貫通孔3aの形成のた
めに、このセラミック層成形体2に、露光処理を行う。
よれば、まず、上述のセラミック成分と収縮性有機成分
および成形用有機成分を含有する混合物に、適当な溶剤
を添加し、混合してスリップ材を調製する。そして、図
1(a)に示すように、支持基板1上に、スリップ材を
ドクターブレード法によって塗布後、乾燥して、セラミ
ック層成形体2aを形成する。ここで、支持基板1とし
ては、マイラーフイルムやPETフィルムなどの有機フ
ィルムなどが用いられる。なお、このフィルムは、焼成
工程前に取り外される。そして、貫通孔3aの形成のた
めに、このセラミック層成形体2に、露光処理を行う。
【0044】露光処理は、セラミック層成形体2aに、
貫通孔3aが形成される領域が遮光されるようなフォト
ターゲット(図示せず)を載置して、例えば、超高圧水
銀灯等を光源として用いて露光を行なう。
貫通孔3aが形成される領域が遮光されるようなフォト
ターゲット(図示せず)を載置して、例えば、超高圧水
銀灯等を光源として用いて露光を行なう。
【0045】これにより、貫通孔3aが形成される領域
のセラミック層成形体2aにおいては、光硬化可能なモ
ノマの光重合反応がおこらず、貫通孔3aが形成される
領域以外のセラミック層成形体2aにおいては、光重合
反応が起こる。ここで光重合反応が起こった部位を不溶
化部といい、光重合反応が起こらない部位を溶化部とい
う。また、この露光による光硬化によって収縮性有機成
分の体積収縮をすべてまたは一部進行させる。
のセラミック層成形体2aにおいては、光硬化可能なモ
ノマの光重合反応がおこらず、貫通孔3aが形成される
領域以外のセラミック層成形体2aにおいては、光重合
反応が起こる。ここで光重合反応が起こった部位を不溶
化部といい、光重合反応が起こらない部位を溶化部とい
う。また、この露光による光硬化によって収縮性有機成
分の体積収縮をすべてまたは一部進行させる。
【0046】次に、露光後のセラミック層成形体2aを
現像する。現像処理は、セラミック層成形体2aの溶化
部を現像液で除去するもので、具体的には、例えば、ト
リエタノールアミン水溶液を現像液として用いてスプレ
ー現像を行う。この現像処理により溶化部が除去され、
図1(b)に示すように、セラミック層成形体2aに貫
通孔3aを形成することができる。
現像する。現像処理は、セラミック層成形体2aの溶化
部を現像液で除去するもので、具体的には、例えば、ト
リエタノールアミン水溶液を現像液として用いてスプレ
ー現像を行う。この現像処理により溶化部が除去され、
図1(b)に示すように、セラミック層成形体2aに貫
通孔3aを形成することができる。
【0047】そして、この貫通孔3aへ導電性ペースト
を充填し、乾燥して、図1(c)に示すように、ビアホ
ール導体4aを形成する。
を充填し、乾燥して、図1(c)に示すように、ビアホ
ール導体4aを形成する。
【0048】また、必要に応じて、図1(d)に示すよ
うに、ビアホール導体4aが形成されたセラミック層成
形体2aの表面に、前記導電性ペーストをスクリーン印
刷等によって内部導体層5を形成する。
うに、ビアホール導体4aが形成されたセラミック層成
形体2aの表面に、前記導電性ペーストをスクリーン印
刷等によって内部導体層5を形成する。
【0049】さらに、このセラミック層成形体2aの表
面に、上記(a)〜(d)の工程を繰り返すことによっ
て、図1(e)に示すようなセラミック層成形体2a〜
2dを積層形成することができる。
面に、上記(a)〜(d)の工程を繰り返すことによっ
て、図1(e)に示すようなセラミック層成形体2a〜
2dを積層形成することができる。
【0050】このようにして作製された積層体を、必要
に応じて、プレスで形状を整えた後、支持基板1を除去
し、積層体の底面に導体層6を形成して、図2(e)の
積層体を形成する。また、必要に応じて、積層体の表面
に、個々の回路基板単位に分割するための分割溝を形成
してもよい。
に応じて、プレスで形状を整えた後、支持基板1を除去
し、積層体の底面に導体層6を形成して、図2(e)の
積層体を形成する。また、必要に応じて、積層体の表面
に、個々の回路基板単位に分割するための分割溝を形成
してもよい。
【0051】この後、この積層体を加熱処理することに
よって、収縮性有機成分による体積収縮を完全に進行さ
せる。また、この加熱処理に先立って、収縮の均一性を
図るために、再度、積層体全体に光を照射して光硬化さ
せることもできる。なお、上記の加熱工程は、有機成分
の熱分解工程を兼ねていてもよい。
よって、収縮性有機成分による体積収縮を完全に進行さ
せる。また、この加熱処理に先立って、収縮の均一性を
図るために、再度、積層体全体に光を照射して光硬化さ
せることもできる。なお、上記の加熱工程は、有機成分
の熱分解工程を兼ねていてもよい。
【0052】本発明によれば、上記の処理によって積層
体中に含まれるセラミック成分によって焼成収縮が開始
する温度に達した時点で、成形体が1%以上、特に2%
以上体積収縮していることが望ましい。セラミック成分
が十分に焼成が進行する条件で焼成することによって、
緻密質な焼結体を作製することができる。
体中に含まれるセラミック成分によって焼成収縮が開始
する温度に達した時点で、成形体が1%以上、特に2%
以上体積収縮していることが望ましい。セラミック成分
が十分に焼成が進行する条件で焼成することによって、
緻密質な焼結体を作製することができる。
【0053】また、必要に応じて、この焼結体の表面
に、厚膜抵抗膜や厚膜保護膜の印刷・焼きつけ、メッキ
処理、さらにICチップを含む電子部品の実装を行うこ
とによってセラミック回路基板を得ることができる。
に、厚膜抵抗膜や厚膜保護膜の印刷・焼きつけ、メッキ
処理、さらにICチップを含む電子部品の実装を行うこ
とによってセラミック回路基板を得ることができる。
【0054】
【実施例】セラミック成分として、MgTiO3:95
質量%、CaTiO3:5質量%で表される主成分10
0質量部に対して、BをB2O3換算で10質量部、Li
をLiCO3換算で5質量部添加したものを用いた。
質量%、CaTiO3:5質量%で表される主成分10
0質量部に対して、BをB2O3換算で10質量部、Li
をLiCO3換算で5質量部添加したものを用いた。
【0055】このセラミック成分100質量部に重合開
始剤としビスアシルフォスフォンオキサイドを、モノマ
ー(オリゴマー)としてポリオキシエチル化トリメチロ
ールプロパントリアクリレートからなる収縮性有機成分
を表1に示す比率(質量部)で添加した。
始剤としビスアシルフォスフォンオキサイドを、モノマ
ー(オリゴマー)としてポリオキシエチル化トリメチロ
ールプロパントリアクリレートからなる収縮性有機成分
を表1に示す比率(質量部)で添加した。
【0056】さらに、セラミック成分100質量部に対
して、成形用有機成分として、主にポリアクリルメタク
リレートを表1に示す比率(質量部)で添加した。
して、成形用有機成分として、主にポリアクリルメタク
リレートを表1に示す比率(質量部)で添加した。
【0057】そして、上記混合物に溶媒としてエチルカ
ルビトールアセテートをセラミック成分100質量部に
対して60質量部の比率で混合し、これをボールミルで
混練して作製してスリップを調製した。そして、このス
リップをガラス台板上に貼ったマイラーフィルムの表面
に、1層100μmの厚みに成るようにスリップを塗
布、乾燥した後、所望の露光処理を行った。この露光面
に前記と同様のスリップを塗布乾燥、露光する。これを
繰り返して全体厚みが1mmの積層体を作製した。
ルビトールアセテートをセラミック成分100質量部に
対して60質量部の比率で混合し、これをボールミルで
混練して作製してスリップを調製した。そして、このス
リップをガラス台板上に貼ったマイラーフィルムの表面
に、1層100μmの厚みに成るようにスリップを塗
布、乾燥した後、所望の露光処理を行った。この露光面
に前記と同様のスリップを塗布乾燥、露光する。これを
繰り返して全体厚みが1mmの積層体を作製した。
【0058】その後、この積層体を150℃の温度で1
時間、熱収縮処理を行った後、さらに300℃の大気雰
囲気中で4時間熱分解処理を行い、900℃の大気雰囲
気中で2時間焼成処理を施した。
時間、熱収縮処理を行った後、さらに300℃の大気雰
囲気中で4時間熱分解処理を行い、900℃の大気雰囲
気中で2時間焼成処理を施した。
【0059】上記の製造過程で体積収縮率を測定した。
まず、収縮処理前の成形体の寸法を測定し、さらに収縮
処理後、焼成開始温度到達時に一旦冷却して寸法を測定
した。そして、焼成後の寸法を測定し、収縮処理前の成
形体の寸法に対する収縮率(体積変化量/処理前の体
積)を算出した。
まず、収縮処理前の成形体の寸法を測定し、さらに収縮
処理後、焼成開始温度到達時に一旦冷却して寸法を測定
した。そして、焼成後の寸法を測定し、収縮処理前の成
形体の寸法に対する収縮率(体積変化量/処理前の体
積)を算出した。
【0060】また、焼結体密度は、焼結体をアルキメデ
ス法により測定した。焼結体の密度の目標値は、用いて
いるセラミック原料粉末の特性が満たされる3.50g
/cm3である。
ス法により測定した。焼結体の密度の目標値は、用いて
いるセラミック原料粉末の特性が満たされる3.50g
/cm3である。
【0061】
【表1】
【0062】この表1から、有機成分の合計量が同じの
セラミック成形体において、有機成分として収縮性有機
成分を含有しない場合、焼成開始温度到達時の成形体は
0.せいぜい0.3%程度しか収縮しておらず、焼成後
の収縮率も18%以下であり、焼結体密度は3.47g
/cm3以下であるのに対して、本発明に基づき収縮性
有機成分を含有することによって、焼成開始温度到達時
に成形体は1%以上収縮しており、また、焼成後で20
%以上収縮し、その結果、焼結体密度は3.50g/c
m3以上に高めることができた。
セラミック成形体において、有機成分として収縮性有機
成分を含有しない場合、焼成開始温度到達時の成形体は
0.せいぜい0.3%程度しか収縮しておらず、焼成後
の収縮率も18%以下であり、焼結体密度は3.47g
/cm3以下であるのに対して、本発明に基づき収縮性
有機成分を含有することによって、焼成開始温度到達時
に成形体は1%以上収縮しており、また、焼成後で20
%以上収縮し、その結果、焼結体密度は3.50g/c
m3以上に高めることができた。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、セラミ
ック成形体に光または熱によって収縮性有機成分を添加
含有させることによって、有機成分の含有量が多い成形
体であっても、有機成分の分解後のボイドの発生を抑制
し、焼成前の密度を高め、緻密化な焼結体を作製するこ
とができる。このセラミック成形体を用いることで、光
硬化性有機成分等を含むような成形体中におけるセラミ
ック材料の焼結性に負荷のかかるセラミック多層回路基
板も容易に製造できる。
ック成形体に光または熱によって収縮性有機成分を添加
含有させることによって、有機成分の含有量が多い成形
体であっても、有機成分の分解後のボイドの発生を抑制
し、焼成前の密度を高め、緻密化な焼結体を作製するこ
とができる。このセラミック成形体を用いることで、光
硬化性有機成分等を含むような成形体中におけるセラミ
ック材料の焼結性に負荷のかかるセラミック多層回路基
板も容易に製造できる。
【図1】本発明におけるセラミック回路基板の工程図で
ある。
ある。
1 支持基板
2a〜2d セラミック層成形体
3a 貫通孔
4a ビアホール導体
5 内部導体層
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 4G030 AA02 AA07 AA08 AA16 AA35
BA09 CA08 GA09 GA14 GA15
GA17 GA20 GA28
Claims (9)
- 【請求項1】セラミック成分と有機成分とからなるセラ
ミック成形体において、前記有機成分中に、体積収縮す
る収縮性有機成分を含むことを特徴とするセラミック成
形体。 - 【請求項2】前記収縮性有機成分が、少なくとも重合開
始剤およびモノマーを含み、重合反応により体積収縮す
ることを特徴とする請求項1記載のセラミック成形体。 - 【請求項3】前記収縮性有機成分の体積収縮が、セラミ
ック成形体中のセラミック粉末の焼結開始温度よりも低
い温度で生じることを特徴とする請求項1または請求項
2記載のセラミック成形体。 - 【請求項4】前記焼結開始温度到達時における1%以上
体積収縮することを特徴とする請求項1乃至請求項3の
いずれか記載のセラミック成形体。 - 【請求項5】前記収縮性有機成分をセラミック成分10
0質量部に対して、5〜20質量部含有することを特徴
とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載のセラミッ
ク成形体。 - 【請求項6】成形用有機成分をセラミック成分100質
量部に対して、15〜40質量部含有することを特徴と
する請求項1乃至請求項5のいずれか記載のセラミック
成形体。 - 【請求項7】セラミック成分100質量部に対して、有
機成分を合計で20〜50質量部含有することを特徴と
する請求項1乃至請求項6のいずれか記載のセラミック
成形体。 - 【請求項8】請求項1乃至請求項7のいずれか記載のセ
ラミック成形体に対して、光および/または熱によって
前記収縮性有機成分を体積収縮させる工程と、有機成分
を分解除去する工程と、有機成分を分解除去した後のセ
ラミック成形体を焼成する工程と、を具備することを特
徴とするセラミック焼結体の製造方法。 - 【請求項9】前記セラミック焼結体が、回路基板用の絶
縁基板を形成するものである請求項8記載のセラミック
焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001262466A JP2003073172A (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | セラミック成形体及びそれを用いたセラミック焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001262466A JP2003073172A (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | セラミック成形体及びそれを用いたセラミック焼結体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003073172A true JP2003073172A (ja) | 2003-03-12 |
Family
ID=19089361
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001262466A Pending JP2003073172A (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | セラミック成形体及びそれを用いたセラミック焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003073172A (ja) |
-
2001
- 2001-08-30 JP JP2001262466A patent/JP2003073172A/ja active Pending
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