JP2003072293A - ツゲ模様加工機およびその制御用プログラムならびに時計部品 - Google Patents

ツゲ模様加工機およびその制御用プログラムならびに時計部品

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JP2003072293A
JP2003072293A JP2001267961A JP2001267961A JP2003072293A JP 2003072293 A JP2003072293 A JP 2003072293A JP 2001267961 A JP2001267961 A JP 2001267961A JP 2001267961 A JP2001267961 A JP 2001267961A JP 2003072293 A JP2003072293 A JP 2003072293A
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boxwood
outer peripheral
pattern
processing machine
track
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JP2001267961A
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Kuniaki Morimoto
邦明 森元
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Seiko Epson Corp
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】加工時間が短縮されるようになるツゲ模様加工
機およびその制御用プログラムならびに時計部品の提
供。 【解決手段】ゴム砥石を回転駆動するモータ12を備えた
研磨機構11を複数設けるとともに、これらの研磨機構11
に対応して複数の加工テーブル20を設け、研磨機構11同
士の位置関係を維持したまま、スライダ32,33,34によ
り、加工テーブル20に対して、互いに直交する三方向に
沿って、研磨機構11を移動させるようにする。これによ
り、被加工部材である裏蓋の加工に要する時間が、手作
業による加工よりも短くなり、複数の裏蓋に対して同時
に加工が行えるので、同じ時間内に加工可能な裏蓋の数
を著しく増やすことができ、加工時間を大幅に短縮する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加工部材の被加
工面に研磨材でツゲ模様と呼ばれる複数の円形模様を形
成するツゲ模様加工機、および、このツゲ模様加工機を
動作させるのに必要なツゲ模様加工機の制御用プログラ
ム、ならびに、前述のツゲ模様加工機、あるいは、前述
の制御プログラムを実行したツゲ模様加工機で加工され
た時計部品に関する。
【0002】
【背景技術】腕時計や懐中時計等の時計、特に、高級な
時計としては、ムーブメントやケースに設けられた比較
的広い平面、あるいは、緩やかな曲面に、真珠をイメー
ジさせる多数の円形模様を形成したツゲ模様(「ペルラ
ージュ模様」ともいう)仕上げが施されたものがある。
図19には、その一例として、ツゲ模様仕上げがなされ
た時計の裏蓋100 が示されている。図19において、裏
蓋100 の裏面(時計のムーブメントと対向する面)に
は、多数の円形模様101 が設けられ、これらの円形模様
101 は、互いに一部分が重なるように形成されたものと
なっている。このツゲ模様仕上げを被加工面に施すツゲ
模様加工は、一般的に、次のような手順で行われる。す
なわち、図20に示されるように、ボール盤等の回転加
工装置の回転駆動軸102 にゴム砥石103 をセットすると
ともに、作業者が把持しやすい大きさの治具104 に被加
工部材105 を固定する。この後、被加工部材105 を固定
した治具104を作業者が手に持ち、その被加工部材105
の被加工面105Aをボール盤の回転駆動軸102 に対向させ
る。この状態で、ボール盤を操作して、研磨剤の粉を被
加工面105Aに散布しながら、回転駆動されているゴム砥
石103 を被加工面105Aに押し当て、円形模様101 を一つ
形成する。
【0003】そして、一つの円形模様101 が完成する
と、治具104 の位置をずらし、被加工面105Aの別の位置
にゴム砥石103 を押し当て、完成した円形模様101 に一
部を重ねて、新たな円形模様101 を形成する。このよう
に、円形模様101 の形成および治具104 の移動を交互に
行い、複数の円形模様101 を次々に形成していき、多数
の円形模様101 が被加工面105A全体に形成されたら、ツ
ゲ模様加工が完了する。ここで、ツゲ模様加工における
円形模様101 の数や間隔には、特に決まりがなく、ツゲ
模様のパターンは、作業者のセンスと勘に基づいて、そ
の場で決定される。そして、熟練した職人の手作業によ
れば、美しい外観を有するツゲ模様仕上げで、被加工面
105Aを装飾することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなツゲ模様加
工では、作業者が眼で円形模様の位置を確認しながら、
円形模様に別の円形模様を重ねていく必要があるうえ、
研磨剤の量を微妙に調節しながら、円形模様を形成して
いく必要があるので、被加工面全体に円形模様を施すの
に時間がかかるうえ、美しいツゲ模様仕上げを得るには
熟練を要する、という問題がある。また、手作業である
ことから、同一作業者が複数用意された同一種類の被加
工部材のそれぞれにツゲ模様仕上げを施すと、各ツゲ模
様のパターンが微妙に相違してしまうので、複数の同一
被加工部材に形成されるツゲ模様のパターンを均一化す
るのが困難である、という問題がある。さらに、研磨剤
の量を調節するにあたり、研磨剤の量が多すぎると、ゴ
ム砥石および被加工面の間に、研磨剤の粉の層が形成さ
れ、ゴム砥石が空回りし、ゴム砥石および研磨剤の両方
で研磨が行われず、美しいシャープなツゲ模様を形成で
きない。一方、研磨剤の量が少なすぎると、殆どゴム砥
石だけで研磨が行われ、多い場合と同様に、ゴム砥石お
よび研磨剤の両方で研磨が行われず、美しいシャープな
ツゲ模様を形成できない。このため、美しいシャープな
ツゲ模様を形成するのが難しい、という問題がある。
【0005】本発明の第1の目的は、加工時間が短縮さ
れるようになるツゲ模様加工機およびその制御用プログ
ラムを提供することにある。本発明の第2の目的は、操
作に熟練を要することがなく、複数用意された同一種類
の被加工部材に形成されるツゲ模様のパターンが均一化
されるようになるツゲ模様加工機およびその制御用プロ
グラムを提供することにある。本発明の第3の目的は、
美しくシャープなツゲ模様が形成されるようになるツゲ
模様加工機およびその制御用プログラムを提供すること
にある。本発明の第4の目的は、美しくシャープなツゲ
模様が形成された時計部品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、被加工部材の
被加工面に研磨材でツゲ模様と呼ばれる複数の円形模様
を形成するツゲ模様加工機であって、研磨材を回転駆動
する回転駆動手段と、前記被加工部材を保持するととも
に、前記回転駆動手段に応じた数の加工テーブルと、互
いに直交する三方向に沿って、前記回転駆動手段および
前記加工テーブルを相対的に移動可能に支持する支持手
段と、前記回転駆動手段を前記加工テーブルに対して相
対的に移動させる移動手段と、円形模様の中心位置を示
す位置データが入力されるとともに入力された位置デー
タに基づき前記駆動手段を制御する制御手段とを備えて
いることを特徴とする。このような本発明では、被加工
部材の加工に要する時間が、手作業による加工よりも短
くなるうえ、回転駆動手段を複数設ければ、複数の被加
工部材に対して同時に加工が行えるようになるので、同
じ時間内に加工可能な被加工部材の数を著しく増やすこ
とができ、加工時間の大幅な短縮が図れるようになる。
【0007】以上のようなツゲ模様加工機において、前
記互いに直交する三方向のそれぞれに沿って、X軸、Y
軸およびZ軸が設定され、前記支持手段は、前記回転駆
動手段を前記Z軸方向に沿って移動可能に支持する支持
ブラケットと、この支持ブラケットを前記X軸および前
記Y軸のそれぞれに沿って移動可能に支持するX軸スラ
イダおよびY軸スライダとを備えていることが好まし
い。ここで、回転駆動手段を複数設ける場合、ツゲ模様
加工機の製作時の誤差等により、複数の回転駆動手段の
Z軸方向における位置が微妙に相違すると、回転駆動さ
れる研磨材を被加工面に押し当てる押圧力が微妙に相違
するので、複数の被加工部材に形成されるツゲ模様の鮮
明さが不均一となる。そこで、前述のように支持ブラケ
ットを設け、この支持ブラケットに複数の回転駆動手段
を、それぞれ独立して移動可能となるように設ければ、
複数の回転駆動手段を設けても、被加工面への押圧力が
均等となるように、Z軸方向に沿った位置調整が可能と
なり、被加工部材に形成されるツゲ模様の鮮明さの均一
化が図れるようになる。
【0008】また、前述のツゲ模様加工機において、前
記研磨材として、ゴム砥石が採用され、加工の際に前記
研磨材および前記被加工面の間に注入される研磨剤とし
て、粉状の研磨剤が混ざった切削油が採用されているこ
とが望ましい。このようにすれば、研磨剤が液状となる
ので、研磨剤の量が多くても、ゴム砥石および被加工面
の間から排出され、研磨剤の層が形成されない。このた
め、液状の研磨剤を所定量ずつ供給すれば、ゴム砥石が
空回りしないうえ、ゴム砥石だけの研磨も生じず、ゴム
砥石および研磨剤の両方で確実に研磨が行われ、美しい
シャープなツゲ模様の形成が可能となる。なお、粉状の
研磨剤としては、アルミナや炭化珪素等の磨き粉を採用
することができる。
【0009】さらに、前述のようなツゲ模様加工機にお
いて、前記被加工部材の外周形状についての外周形状デ
ータが入力されると、この外周形状データに基づいて前
記被加工部材の外周縁に沿って平行に延びるトラックを
設定するトラック設定手段と、このトラック設定手段が
設定したトラックの上に間隔が均等となるように、前記
円形模様の中心位置を設定する中心位置設定手段とが設
けられ、これらのトラック設定手段および中心位置設定
手段により、円形模様の中心位置を示す位置データを生
成する位置データ生成手段を備えていることが好まし
い。このようにすれば、被加工部材の外周形状に基づい
て、被加工部材に形成されるツゲ模様のパターンが自動
的に生成されるようになり、同一種類の被加工部材に
は、同一パターンのツゲ模様仕上げがなされるようにな
るうえ、ツゲ模様加工が大幅に自動化されるので、ツゲ
模様仕上げがなされた部品の大量生産が可能となる。
【0010】ここで、前記トラック設定手段は、前記被
加工部材の外周縁と同心の円弧からなるトラックを設定
するとともに、当該外周縁を基準にして前記トラックの
位置を設定するものであることが望ましい。このように
すれば、被加工部材として、半径が異なる複数の円弧を
連結したアーモンド形、および、複数の辺を連結した多
角形の形状を有する複数種類のものがあっても、少なく
とも被加工部材の外周縁近傍の部分に設定されるトラッ
クは、不連続な線にはならず、連続した線で形成される
ようになるので、ツゲ模様を形成する多数の円形模様の
列は、外観的に美しい配列となり、美しいツゲ模様仕上
げが形成されるようになる。
【0011】この際、前記トラック設定手段は、寸法が
異なるとともに、互いに同心位置に配置された環状のト
ラックを複数設定できるものであり、前記トラック設定
手段および前記中心位置設定手段は、前記研磨材の研磨
面の半径を一辺とする基準正三角形を設定し、互いに隣
接する三つの円形模様の中心がなす三角形が、前記基準
正三角形になるべく近いものとなるように、トラック同
士の間隔および円形模様同士の間隔を設定するものであ
ることが好ましい。このようにすれば、ツゲ模様を形成
する多数の円形模様が幾何学的に整然と配列されるよう
になるので、手作業で加工したツゲ模様仕上げに劣らな
い、外観的に美しいツゲ模様仕上げが形成されるように
なり、熟練した技能者の技能による手作業だけでなく、
自動機械による作業でも、美しいツゲ模様仕上げを形成
できるようになるうえ、自動機械により、熟練した技能
者の技能を次の世代の技能者に伝承することも図れる。
【0012】また、前述のようなツゲ模様加工機におい
て、前記被加工部材としては、半径が異なる複数の円弧
を連結したアーモンド形、複数の辺を連結した多角形、
および、単なる円形の各外周形状を有する複数種類のも
のがあり、前記位置データ生成手段には、前記外周形状
データに基づいて前記被加工部材の外周形状がアーモン
ド形、多角形および円形のいずれであるかを判定する形
状判定手段が設けられていることが望ましい。このよう
な形状判定手段を設ければ、アーモンド形、多角形およ
び円形の外形形状をそれぞれ有する被加工部材に対し
て、最適なツゲ模様のパターンが設定されるようにな
り、外形形状によらず、外観的に美しいツゲ模様仕上げ
の形成が図れるようになる。
【0013】ここで、前記被加工部材の外周形状がアー
モンド形であると、前記形状判定手段が判定すると、前
記被加工部材の外周形状を前記円弧毎に分解した円弧部
を設定する円弧部設定手段を備え、前記トラック設定手
段は、前記円弧部のそれぞれに対応した円弧トラックを
設定するものであることが好ましい。このようにすれ
ば、アーモンド形の外周形状に相応しいトラックが設定
され、アーモンド形の被加工部材に最適なツゲ模様のパ
ターンが設定されるようになるので、機械で自動的にパ
ターンを設定するようにしても、外観的に美しいツゲ模
様仕上げを当該被加工部材に施すことが可能となる。
【0014】この際、前記円弧部設定手段には、前記被
加工部材の寸法よりも著しく長大な半径を有する基準円
が予め設定され、前記円弧部設定手段は、前記被加工部
材の外周形状が多角形であると、前記形状判定手段が判
定すると、前記被加工部材の外周形状を形成する辺が直
線である場合には、当該辺を、前記基準円の円周の一部
分となる円弧部とみなして設定し、前記トラック設定手
段は、前記円弧部のそれぞれに対応した円弧トラックを
設定するものであることが望ましい。このようにすれ
ば、多角形の一辺が直線であっても、当該一辺を円弧部
とみなして設定するので、前記トラック設定手段で被加
工部材の外周形状に最適なトラックの設定が可能とな
り、多角形の被加工部材に最適なツゲ模様のパターンが
設定され、外観的に美しいツゲ模様仕上げを当該被加工
部材に施すことが可能となる。そのうえ、多角形専用の
トラック設定手段を設ける必要がないので、位置データ
生成手段を構成する要素の増加および複雑化が抑えられ
る。
【0015】さらに、前述のツゲ模様加工機の前記位置
データ生成手段をコンピュータで構成する場合には、前
記被加工部材の外周形状についての外周形状データが入
力されると、この外周形状データに基づいて前記被加工
部材の外周縁に沿って平行に延びるトラックを設定する
トラック設定ステップと、このトラック設定ステップで
設定したトラックの上に間隔が均等となるように、前記
円形模様の中心位置を設定する中心位置設定ステップと
を前記コンピュータに実行させることを特徴とするツゲ
模様加工機の制御用プログラム等を採用すれば、前述の
ようなツゲ模様加工機が容易に実現可能となる。
【0016】前述のようなツゲ模様加工機、または、前
述のような制御プログラムを実行するツゲ模様加工機に
より、時計本体の部品である地板、受、回転錘および裏
蓋、ならびに、金属製の時計バンドの部品である中留を
被加工部材とし、これらの被加工部材の被加工面にツゲ
模様と呼ばれる複数の円形模様を形成すれば、美しいシ
ャープなツゲ模様の形成が可能となるので、時計に高級
感を付与することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づいて説明する。図1には、本実施形態に係るツ
ゲ模様加工機1が示されている。図1において、ツゲ模
様加工機1は、時計の裏蓋を被加工部材とし、裏蓋の被
加工面である裏面に複数の円形模様を形成することで、
ツゲ模様仕上げを施すものである。ツゲ模様加工機1に
は、研磨材で裏蓋を研磨する研磨装置2と、円形模様の
中心位置を示す位置データを自動生成する位置データ生
成手段であるパーソナルコンピュータ3とが設けられて
いる。研磨装置2およびパーソナルコンピュータ3は、
ケーブル4Aを介して相互に接続され、相互に通信可能と
なっている。パーソナルコンピュータ3は、入力された
裏蓋の加工データや設計データに基づいて、位置データ
を自動生成して研磨装置2に送出するようになってい
る。研磨装置2は、パーソナルコンピュータ3から送ら
れてきた位置データに基づいてツゲ模様仕上げを施すよ
うになっている。
【0018】研磨装置2は、複数の裏蓋に対して同時に
研磨加工を施すために、研磨材であるゴム砥石10を回転
駆動する研磨機構11を複数有するとともに、これらの研
磨機構11等の動作を制御する制御手段であるデジタルシ
ーケンサ4を備えたものである。なお、パーソナルコン
ピュータ3からの位置データは、研磨装置2のデジタル
シーケンサ4に入力されるようになっている。すなわ
ち、研磨装置2は、図2および図3に示されるように、
回転駆動手段であるモータ12でゴム砥石10を回転駆動さ
せる複数の研磨機構11と、裏蓋を保持する複数の加工テ
ーブル20とが同数ずつ設けられている。また、研磨装置
2には、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸の三方向
に沿って、研磨機構11を移動可能に支持する支持手段30
が設けられている。
【0019】加工テーブル20は、裏蓋を径方向外側から
挟持するチャック21で裏蓋の固定を行うものであり、研
磨装置2の基台2Aに固定されている。支持手段30は、複
数の研磨機構11をZ軸方向に沿って移動可能に支持する
支持ブラケット31と、この支持ブラケット31をX軸およ
びY軸のそれぞれに沿って移動可能に支持するX軸スラ
イダ32およびY軸スライダ33とを備えている。X軸スラ
イダ32は、基台2Aに取り付けられ、Y軸スライダ33は、
X軸スライダ32に取り付けられ、支持ブラケット31は、
Y軸スライダ33に取り付けられている。そして、X軸ス
ライダ32には、Y軸スライダ33をX軸方向に移動させる
移動手段としてのモータ32A が設けられ、Y軸スライダ
33には、支持ブラケット31をY軸方向に移動させる移動
手段としてのモータ33 A が設けられている。これによ
り、支持ブラケット31に支持される研磨機構11は、X軸
およびY軸の両方向に沿って移動され、加工テーブル20
の任意の位置にゴム砥石10を配置できるようになってい
る。
【0020】支持ブラケット31には、研磨機構11の各々
をZ軸方向に沿って摺動可能に支持する複数のZ軸スラ
イダ34と、研磨機構11の各々をZ軸方向に沿って移動さ
せる移動手段としてのエアシリンダ装置34A とが設けら
れている。これらのエアシリンダ装置34A は、同一の制
御信号および駆動用圧縮空気が与えられ、互いに連動し
て駆動するようになっている。以上により、各研磨機構
11およびそのモータ12は、互いの位置関係を維持したま
ま、X軸、Y軸およびZ軸に沿って移動可能となってい
る。
【0021】研磨機構11は、図4に示されるように、前
述のモータ12以外に、ゴム砥石10を挟持するチャック13
と、モータ12の回転駆動力をチャック13に伝達する駆動
シャフト14と、この駆動シャフト14を回転自在に支持す
る軸受15と、駆動シャフト14およびモータ12の駆動軸を
相互に連結する撓み継手、例えば、ヘリカルカップリン
グ16とを備えたものとなっている。駆動シャフト14は、
軸受15により、軸方向および径方向への位置ずれが防止
されるとともに、ヘリカルカップリング16により、モー
タ12が発生する振動が伝達されないようになっている。
これにより、ゴム砥石10を回転駆動させて裏蓋の裏面を
研磨する際に、ゴム砥石10の研磨面がぶれることがな
く、美しい円形模様を形成することが可能となってい
る。なお、チャック13の近傍には、図1〜図4に示され
ていないが、粉状の研磨剤が混ざった切削油を、ゴム砥
石10および被加工面の間に注入する研磨剤注入ノズルが
設けられている。ここで、粉状の研磨剤としては、アル
ミナや炭化珪素等の磨き粉を採用することができる。
【0022】ここで、エアシリンダ装置34A の各々は、
駆動用圧縮空気を与えることにより、進退駆動するロッ
ド34B を有するものとなっている。各ロッド34B の先端
は、位置調整機構17を介して各研磨機構11に固定されて
いる。位置調整機構17の各々は、ロッド34B と螺合する
二つのナット18と、これらのナット18を回転可能、か
つ、軸方向には移動不可能に支持するナットホルダ19と
を備えたものとなっている。このうち、ナットホルダ19
は、研磨機構11の軸受15に固定されている。各位置調整
機構17のナット18を回転操作し、ロッド34B およびナッ
ト18の螺合位置を調節することにより、各研磨機構11お
よびそのモータ12は、Z軸方向に沿った位置の微調整が
行えるようになっている。
【0023】そして、各位置調整機構17のZ軸方向に沿
った位置を適宜調整することにより、被加工面へのゴム
砥石10の押圧力を均等にすることが可能となっている。
以上により、複数の研磨機構11で同時に研磨を行って
も、各研磨機構11が形成するツゲ模様のパターンが均一
となるように構成されている。なお、被加工部材である
裏蓋としては、例えば、図5に示されるように、単なる
円形の外周形状を有する裏蓋5A、半径が異なる複数の円
弧6A,6Bを連結したアーモンド形の外周形状を有する裏
蓋5B、および、複数の辺を連結した多角形の外周形状を
有する裏蓋である裏蓋5C, 5Dが用意されている。ここ
で、裏蓋5Cの外周形状は四角形であり、裏蓋5Dの外周形
状は八角形である。なお、被加工部材である裏蓋として
は、例えば、図5に示されるように、単なる円形の外周
形状を有する裏蓋5Aの他に、アーモンド形の外周形状を
有する裏蓋5Bや、多角形の外周形状を有する裏蓋5C, 5D
が用意されている。ここで、裏蓋5Bの外周形状は、半径
が異なる複数の円弧6A,6Bを連結したアーモンド形とな
っている。また、裏蓋5Cの外形形状は、四角形であり、
複数の辺8A, 8Bを円弧8Cで相互に連結した外周形状を有
するものである。裏蓋5Dの外周形状は、八角形であり、
複数の辺9A,9B,9Cのうち、辺9Aと辺9Cと円弧9Dで相互に
連結するとともに、辺9Bと辺9Cと円弧9Eで相互に連結し
た外周形状を有するものである。
【0024】パーソナルコンピュータ3は、ツゲ模様の
パターンを生成し、そのパターンに含まれる円形模様の
中心位置を示す位置データを出力するためのソフトウェ
アがインストールされたものである。すなわち、パーソ
ナルコンピュータ3には、図6に示されるように、記憶
装置7Aおよび演算装置7Bを含んで構成される中央処理装
置3Aと、CRT等を利用した表示手段である表示装置3B
およびキーボードやマウス等の入力装置3Cを含んで構成
されるマンマシンインターフェイスと、ツゲ模様のパタ
ーン等を印刷するためのプリンタ3Dと、フロッピィ・デ
ィスク等のリムーバブル記憶ディスクをドライブするリ
ムーバブル記憶装置3Eとが設けられている。
【0025】記憶装置7Aは、大容量のハードディスク装
置を含んで構成されたものである。一方の演算装置7B
は、マイクロプロセッサ等からなる高速演算素子を有
し、各種のソフトウェがインストールされ、インストー
ルされた複数のソフトウェアを同時に並行処理するマル
チタスク機能を備えている。演算装置7Bには、当該演算
装置7Bの外部とのデータの受け渡し、および、その内部
におけるデータの受け渡しを制御する制御部40A と、ツ
ゲ模様パターンおよび円形模様の位置データを自動生成
するパターン生成部40B と、パターン生成部が生成した
位置データの後処理を行う後処理部40C と、オペレータ
に入力操作を行わせるマニュアル入力案内部40D とが設
けられている。
【0026】パターン生成部40B には、被加工部材であ
る裏蓋の外周形状を判定する形状判定手段41と、裏蓋の
外周形状が複数の円弧に分解できる場合に、分解した円
弧から円弧部を設定する円弧部設定手段42と、裏蓋の外
周縁に沿って平行に延びるトラックを設定するトラック
設定手段43と、トラック設定手段43が設定したトラック
の上に円形模様の中心位置を設定する中心位置設定手段
44と、多角形の外周形状にコーナー部に円形模様が密集
する場合にツゲ模様のパターンを修正処理する修正処理
手段45とが、ソフトウェアにより、設けられている。
【0027】後処理部40C には、パターン生成部40B で
生成したツゲ模様のパターンを表示装置に映し出し、こ
のツゲ模様のパターンを見ながら、オペレータが当該パ
ターンに対して円形模様の追加および削除を行うための
マニュアル修正手段46と、プリンタ3Dを駆動するための
プリンタドライバ手段47と、リムーバブル記憶装置3Eに
セットされたリムーバブル記憶ディスクに対して、デー
タの書き込みおよび読み出しを行うディスクドライバ手
段48と、デジタルシーケンサ4との通信を行うための通
信手段49とが設けられている。
【0028】なお、マニュアル入力案内部40D には、表
示装置3Bおよび入力装置3Cを用いて、オペレータが裏蓋
の外周形状に関する外周形状データを入力する際に、案
内画面を表示しながら、オペレータに入力操作を行わせ
る機能と、ゴム砥石10の研磨面の半径をオペレータに入
力させる機能と、裏蓋の外周縁部分に残すべき余白の幅
寸法である補正値をオペレータに入力させる機能とが設
けられている。また、記憶装置7Aには、パターン生成部
40B が生成した位置データを記憶する位置データ蓄積手
段50が設けられている。
【0029】形状判定手段41は、入力された裏蓋の外周
形状データに基づいて、ツゲ模様加工すべき裏蓋の外周
形状が、円形、アーモンド形および多角形のいずれであ
るかを判定するものである。円弧部設定手段42は、形状
判定手段41により、加工すべき裏蓋がアーモンド形の外
周形状を有する裏蓋5Bであると判定されると、裏蓋5Bの
外周形状を円弧6A,6B毎に分解した円弧部を設定する機
能を有している。ここで、円弧部設定手段42には、裏蓋
の寸法よりも著しく長大な半径、例えば、100mの半
径を有する基準円が予め設定されている。そして、円弧
部設定手段42は、形状判定手段41により、加工すべき裏
蓋が多角形の外周形状を有する裏蓋5Dであると判定さ
れ、かつ、裏蓋5Dの外周形状を形成する辺が直線である
場合には、当該辺を、前述の基準円の円周の一部分とな
る円弧部とみなして設定する機能を有している。
【0030】トラック設定手段43は、ゴム砥石10の研磨
面の半径を一辺とする基準正三角形を設定する機能と、
裏蓋の外周縁と同心の円弧からなるトラックを設定する
とともに、当該外周縁を基準にして当該トラックの位置
を設定する機能と、寸法が異なるとともに、互いに同心
位置に配置された環状のトラックを複数設定する機能
と、互いに隣接する三つの円形模様の中心がなす三角形
が、前述の基準正三角形になるべく近いものとなるよう
に、トラック同士の間隔を設定する機能と、円弧部のそ
れぞれに対応した円弧トラックを設定する機能とを備え
たものである。
【0031】中心位置設定手段44は、トラック設定手段
43が設定したトラックの上に間隔が均等となるように、
円形模様の中心位置を設定する機能と、互いに隣接する
三つの円形模様の中心がなす三角形が、前述の基準正三
角形になるべく近いものとなるように、円形模様同士の
間隔を設定する機能を有している。
【0032】次に、本実施形態に係るパターン生成部40
B の動作説明を通じて、パターン生成部40B の機能をさ
らに詳細に説明する。ツゲ模様加工すべき裏蓋の外周形
状データ、ゴム砥石10の研磨面の直径、および、裏蓋の
外周縁部分に残すべき余白の幅寸法である補正値が入力
された後、パターン生成部40Bは起動される。パターン
生成部40Bが起動すると、図7に示されるように、ステ
ップS101において、形状判定手段41により、裏蓋の外周
形状に角があるか否かを検出し、裏蓋の外周形状が、丸
いもの、および、多角形のもののいずれであるかを判定
する。裏蓋の外周形状が丸い場合には、ステップS102へ
進み、裏蓋の外周形状が多角形の場合には、ステップS1
03へ進む。
【0033】ステップS102において、形状判定手段41に
より、裏蓋の外周形状が真円であるか否かが判定され
る。裏蓋の外周形状が、真円である場合には、ステップ
S200へ進み、裏蓋の外周形状が真円でない場合には、ス
テップS300へ進む。ステップS103において、形状判定手
段41により、裏蓋の外周形状が、四角形のもの、およ
び、八角形のもののいずれであるかを判定する。裏蓋の
外周形状が四角形である場合には、ステップS400へ進
み、裏蓋の外周形状が八角形の場合には、ステップS500
へ進む。
【0034】ステップS200、ステップS300、ステップS4
00およびステップS500のそれぞれにおいて、裏蓋の各外
周形状に応じて、後述する処理が開始される。なお、裏
蓋の外周形状は、互いに直行するX軸およびY軸を有す
る直行座標形の原点に、その中心点をおくと、X軸およ
びY軸のいずれを中心軸にしても、左右対称となる。こ
のため、ステップS200、ステップS300、ステップS400お
よびステップS500から始まる各処理においては、前述の
直行座標形における第1象限についてのみ、ツゲ模様パ
ターンおよびその位置データの生成が行われ、得られた
第1象限の位置データに基づいて、第2〜第4象限の位
置データが容易に生成されるようになっている。
【0035】ステップS200、ステップS300、ステップS4
00およびステップS500の各処理により、裏蓋の各外周形
状に応じたツゲ模様パターンおよびその位置データの生
成が完了すると、ステップS600に進み、ステップS600に
おいて、生成された位置データが位置データ蓄積手段50
に記憶される。この際、オペレータは、生成されたツゲ
模様パターンを目視で確認し、必要に応じて、後処理部
40C のマニュアル修正手段46を用いて、ツゲ模様パター
ンを修正し、修正した位置データを位置データ蓄積手段
50に記憶させる。この後、ステップS601に進み、ステッ
プS600において、位置データ蓄積手段50に記憶された位
置データがデジタルシーケンサ4へ転送され、位置デー
タ蓄積手段50に記憶され、ツゲ模様のパターン生成が完
了する。
【0036】ステップS200からは、円形の外周形状に応
じたツゲ模様パターンおよびその位置データの生成が行
われる。すなわち、ステップS200では、図8に示される
ように、トラック設定手段43により、ゴム砥石10の研磨
面の直径および補正値から最外周に配置される第1トラ
ックの半径が算出される。具体的には、ツゲ模様を施す
べき裏蓋5Aおよびゴム砥石10に関するデータとして、図
9に示されるように、裏蓋5Aの半径a、補正値h、ゴム
砥石10の直径gが入力されたものとすると、第1トラッ
クの半径a1は、次の数1により算出することができる。
【0037】
【数1】
【0038】図8に戻って、第1トラックの半径alが算
出されたら、ステップS210に進む。ステップS210におい
て、トラック設定手段43は、第1トラックの内側に配置
される第2トラックの以降の第nトラックの半径anを算
出する。すなわち、第nトラックの半径anを算出するに
先だって、トラック設定手段43は、図10に示されるよ
うに、ゴム砥石10の研磨面の半径を一辺とする基準正三
角形60を予め設定しておく。そして、互いに隣接する三
つの円形模様61の中心がなす三角形が、基準正三角形60
になるべく近いものとなるようにするには、トラック同
士の間隔kが基準正三角形60の高さjに近ければよい。
基準正三角形60の高さjは、次の数2により算出するこ
とができる。
【0039】
【数2】
【0040】そして、第1トラックの半径a1を高さjで
割ると、第1トラックの内側に何本のトラックが設定で
きるかが把握できるので、その商(a1/j)を四捨五入
した値nをトラックの本数とすれば、トラック同士の間
隔kは、次の数3により算出することができる。
【0041】
【数3】
【0042】このようにトラック同士の間隔kが求まれ
ば、第nトラックの半径anは、次の数4により算出する
ことができる。ただし、第nトラックの半径anは、0以
上の値が設定される。
【0043】
【数4】
【0044】図8に戻って、上述のように全トラックの
設定が完了したら、ステップS220に進む。ステップS220
において、中心位置設定手段44は、各トラックに沿って
配列される円形模様の中心位置を次のように算出する。
すなわち、互いに隣接する三つの円形模様61の中心がな
す三角形が、基準正三角形60になるべく近いものとなる
ようにするには、図11に示されるように、同じトラッ
クに隣接して配置される円形模様61の間隔が基準正三角
形60の一辺、すなわち、ゴム砥石10の研磨面の半径g/
2に近ければよい。このように配置される円形模様61の
中心がなす角度θn'は、余弦定理を変形した次の数5か
ら算出することができる。
【0045】
【数5】
【0046】そして、一周360度を角度θn'で割る
と、第nトラックに何個の円形模様61が設定できるかが
把握できるので、その商(360/θn')を四捨五入し
た整数mを求め、この整数mを円形模様61の個数とすれ
ば、第nトラックにおける円形模様61の中心同士がなす
角度θnは、360/mで求まる。以上により、第nト
ラックにおける円形模様61の座標(Xnm, Ynm)は、次
の数6により算出することができる。ただし、mは、1
から360/θnまでの整数とする。
【0047】
【数6】
【0048】このようにして、全円形模様61の座標(X
nm, Ynm)が設定されると、円形の外周形状に応じたツ
ゲ模様パターンおよびその位置データの生成が完了す
る。
【0049】ステップS300からは、アーモンド形の外周
形状に応じたツゲ模様パターンおよびその位置データの
生成が行われる。まず、ステップS300では、図12に示
されるように、円弧部設定手段42により、裏蓋5Bの外周
形状であるアーモンド形を、半径の異なる円弧6A,6B毎
に分解した円弧部A,Bが設定される。具体的には、ツ
ゲ模様を施すべき裏蓋5Bおよびゴム砥石10に関するデー
タとして、図13に示されるように、裏蓋5Bの円弧6Aの
半径aおよび中心座標(Xa,Ya)、円弧6Bの半径b
および中心座標(Xb,Yb)、補正値h、ゴム砥石10
の直径gが入力されたものとすると、円弧6A,6Bの連結
点Pと、円弧6Aの中心とがなす線分Qの角度βは、次の
数7により算出することができる。
【0050】
【数7】
【0051】図12に戻って、角度βが求まると、ステ
ップS310に進み、ステップS310では、トラック設定手段
43により、ゴム砥石10の研磨面の直径および補正値から
最外周に配置される第1トラックの各円弧部A,Bにつ
いてその半径を算出する。具体的には、図13におけ
る、半径a1および半径b1は、次の数8により算出するこ
とができる。ただし、円弧部Aは、その中心角度が角度
βから90度の間に設定されるものとし、円弧部Bは、
その中心角度が0度から角度βの間に設定されるものと
する。
【0052】
【数8】
【0053】図12に戻って、第1トラックについて円
弧部A,Bの半径a1, b1が算出されたら、ステップS320
に進む。ステップS320において、トラック設定手段43
は、第1トラックの内側に配置される第2トラックの以
降の第nトラックの各円弧部A,Bの半径an, bnを算出
する。すなわち、第nトラックの半径an, bnは、前述の
数3から求めたトラック同士の間隔kを利用すれば、次
の数9から算出することができる。ただし、第nトラッ
クの半径anは、0以上の値が設定される。また、円弧部
Aは、その中心角度が角度βから90度の間に設定され
るものとし、円弧部Bは、その中心角度が0度から角度
βの間に設定されるものとする。
【0054】
【数9】
【0055】上述のように全トラックの設定が完了した
ら、ステップS330に進む。ステップS330において、中心
位置設定手段44は、各トラックの各円弧部A,Bに沿っ
て配列される円形模様の中心位置を次のように算出す
る。すなわち、前述したように、互いに隣接する三つの
円形模様61の中心がなす三角形が、基準正三角形60にな
るべく近いものとするために、同じトラックの各円弧部
A,Bにおいて隣接配置される円形模様61の間隔が、ゴ
ム砥石10の研磨面の半径g/2に近ければよい。このよ
うに配置される円形模様61の中心がなす角度θan', θb
n'は、余弦定理を変形した次の数10から算出すること
ができる。
【0056】
【数10】
【0057】そして、円弧部Bの有効角度β×2を角度
θbn' で割ると、当該円弧部Bに何個の円形模様61が設
定できるかが把握できる。そこで、その商(β×2/θ
bn' )を四捨五入した整数mb を求め、この整数mb を
円形模様61の個数とすれば、円弧部Bにおける円形模様
61の中心がなす角度θbnは、β×2/mb となる。
【0058】以上により、第nトラックにおける円弧部
Bの円形模様61の中心座標(Xbnm,Ybnm)は、次の数
11により算出することができる。ただし、整数mb
は、−β≦mb ×θbn≦βを満足するように設定するよ
うに設定される。
【0059】
【数11】
【0060】同様に、第nトラックの円弧部Aの有効角
度(90−β)×2を角度θan' で割ると、当該円弧部
Aに何個の円形模様61が設定できるかが把握できる。そ
こで、その商{(90−β)×2/θan' )}を四捨五
入した整数ma を求め、この整数ma を円形模様61の個
数とすれば、円弧部Aにおける円形模様61の中心同士が
なす角度θanは、(90−β)×2/ma となる。
【0061】以上により、第nトラックにおける円弧部
Aの円形模様61の中心座標(Xanm,Yanm)は、次の数
12により算出することができる。ただし、整数ma
は、β≦ma ×θan≦180−βを満足するように設定
される。
【0062】
【数12】
【0063】このようにして、円弧部Bの全円形模様61
の中心座標(Xbnm, Ybnm)と、円弧部Aの全円形模様
61の中心座標(Xanm, Yanm)が設定されると、アーモ
ンド形の外周形状に応じたツゲ模様パターンおよび位置
データの生成が完了する。
【0064】ステップS400からは、四角形の外周形状に
応じたツゲ模様パターンおよびその位置データの生成が
行われる。まず、ステップS400では、図14に示される
ように、円弧部設定手段42により、裏蓋5Cの外周形状で
ある四角形に、直線となっている辺が含まれているか否
か、が検出され、直線となっている辺が含まれている場
合には、ステップS410に進み、直線となっている辺が含
まれていない場合には、ステップS410を飛び越えてステ
ップS420に進む。ここで、円弧部設定手段42には、裏蓋
5Cの寸法(約10mm〜50mm)よりも著しく長大な半径
(例えば、100m)を有する基準円が予め設定されて
いる。そして、ステップS410では、円弧部設定手段42に
より、裏蓋5Cの直線となっている辺が、基準円の円弧に
置き換えられ、この後、ステップS420に進む。ステップ
S420では、円弧部設定手段42により、裏蓋5Bの外周形状
である四角形が半径の異なる円弧8A,8B,8C毎に分解さ
れ、円弧部A,B,Cが設定される。すなわち、ツゲ模
様を施すべき裏蓋5Cおよびゴム砥石10に関するデータと
して、図15に示されるように、裏蓋5Cの円弧6Aの半径
aおよび中心座標(Xa,Ya)、円弧8Bの半径bおよ
び中心座標(Xb,Yb)、円弧8Cの半径c、補正値
h、ゴム砥石10の直径gが入力されたものとすると、円
弧8Cの中心座標(Xc,Yc)は、次の数13により算
出することができる。
【0065】
【数13】
【0066】ここで、δは、円弧8A,8Bの連結点Pおよ
び円弧8Aの中心点とがなす線分Qと、円弧8Aの中心点お
よび円弧8Bの中心点がなす線分Rとがなす角度であり、
εは、線分RとX軸とがなす角度であり、これらの角度
δ、εは、次の数14により算出することができる。
【0067】
【数14】
【0068】円弧部設定手段42により、円弧8Cの中心座
標(Xc,Yc)の算出が完了すると、図16に示され
るように、各円弧8A,8B,8Cがなす中心角α,β,γが算
出される。これらの中心角α,β,γは、次の数15に
より算出することができる。
【0069】
【数15】
【0070】以上により、円弧8A,8B,8Cの各々につい
て、その中心座標および半径が求まるので、前述したス
テップS310〜S330と同じ内容の処理を、それぞれステッ
プS420〜S450で行うことにより、四角形の外周形状に応
じたツゲ模様パターンおよび位置データの生成が行わ
れ、この後、ステップS460へ進む。
【0071】ステップS460では、修正処理手段45によ
り、ステップS420〜S450で生成したツゲ模様のパターン
のコーナー部に円形模様が密集する場合に、ステップS4
20〜S450で生成したツゲ模様のパターンに対して修正処
理が行われる。すなわち、修正処理手段45は、コーナー
部に設けられた円形模様の数をカウントし、コーナー部
に設けられた円形模様が2個以下の場合に修正動作を行
う。具体的には、コーナー部の円形模様が2個以下の場
合には、ツゲ模様のパターンの外観を向上させるため
に、図17に示されるように、比較的長い円弧8A,8Bを
相互に連結する比較的短い円弧8Cに対して、その中心線
上に中心点が配置される円形模様61C を強制的に設定す
る。この場合、円形模様61C は、円弧8Aあるいは円弧8B
側に配置される円形模様との間隔が狭くなる。例えば、
円形模様61C と、円弧8B側の円形模様との間隔が狭い場
合には、円弧部Bの角度βを修正角度κに置き換え、再
度、ステップS550と同じ処理を行い、円弧8B側に配置さ
れる円形模様の中心位置をずらして、外観を向上させる
修正処理を行う。
【0072】ここで、円形模様61C の中心座標(Xcs,
Ycs)は、次の数16により算出することができる。
【0073】
【数16】
【0074】そして、修正角度κは、円弧8Bの中心点を
通るとともに、円形模様61C の外周に接する直線Tがな
す角度であればよいので、次の数17により算出するこ
とができる。
【0075】
【数17】
【0076】この修正角度κを用いて、円弧部Bの円形
模様の中心位置を再度計算し、ツゲ模様パターンの修正
を完了させる。以上により、修正処理が完了すると、四
角形の外周形状に応じたツゲ模様パターンおよび位置デ
ータの生成が完了する。
【0077】ステップS500からステップS560において、
八角形の外周形状に応じたツゲ模様パターンおよびその
位置データの生成が行われる。これらのステップS500か
らステップS560は、前述のステップS400からステップS4
60と同様なので、説明を省略する。
【0078】前述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果が得られる。すなわち、ゴム砥石10を回転駆動
するモータ12を備えた研磨機構11を複数設けるととも
に、これらの研磨機構11に対応して複数の加工テーブル
20を設け、研磨機構11同士の位置関係を維持したまま、
スライダ32,33,34により、加工テーブル20に対して、互
いに直交する三方向に沿って、研磨機構11を移動させる
ようにしたので、一つの被加工部材である裏蓋の加工に
要する時間が、手作業による加工よりも長くなっても、
複数の裏蓋に対して同時に加工が行えるので、同じ時間
内に加工可能な裏蓋の数を増やすことができ、結果とし
て、加工時間を短縮することができる。
【0079】また、研磨機構11のZ軸方向位置を調節す
る位置調節機構17を介して、複数の研磨機構11を支持ブ
ラケット31に、Z軸方向に沿って移動可能に設け、この
支持ブラケット31をX軸スライダ32とY軸スライダ33と
でX軸方向およびY軸方向に移動可能にしたので、ツゲ
模様加工機の製作時の誤差等により、複数の回転駆動手
段のZ軸方向における位置が微妙に相違しても、位置調
節機構17による位置調整により、被加工面への押圧力が
均等となり、裏蓋に形成されたツゲ模様のパターンを均
一化することができる。
【0080】さらに、研磨材として、ゴム砥石10を採用
するとともに、加工の際にゴム砥石10と裏蓋の被加工面
との間に注入される研磨剤として、粉状の研磨剤が混ざ
った切削油を採用したので、研磨剤が液状となるので、
研磨剤の量が多くても、余分な研磨剤がゴム砥石10およ
び被加工面の間から排出され、研磨剤の層が形成されな
くなり、液状研磨剤の所定量供給により、ゴム砥石10が
空回りしないうえ、ゴム砥石10だけの研磨も生じず、ゴ
ム砥石10および研磨剤の両方で確実に研磨が行われ、美
しいシャープなツゲ模様を形成することができる。な
お、加工中においては、研磨機構11の先端に設けられた
ゴム砥石10の位置検出は、スライダ32,33,34に設けられ
ている位置検出機構により行われるので、液状研磨剤を
採用したために、研磨剤がゴム砥石10および被加工面の
間から排出され、被加工面全体を覆ってしまい、被加工
面が全く目視で確認できなくとも、作業員が目視で加工
するのと異なり、加工上の不都合が何ら生じない。
【0081】また、裏蓋5A〜5Dの外周形状についての外
周形状データが入力されると、この外周形状データに基
づいて裏蓋5A〜5Dの外周縁に沿って平行に延びるトラッ
クを設定するトラック設定手段43と、このトラック設定
手段43が設定したトラックの上に間隔が均等となるよう
に、円形模様の中心位置を設定する中心位置設定手段44
とを、ソフトウェアにより、パーソナルコンピュータ3
に設けたので、裏蓋5A〜5Dの外周形状に基づいて、裏蓋
5A〜5Dに形成されるツゲ模様のパターンが自動的に生成
されるようになり、同一種類の裏蓋には、同一パターン
のツゲ模様仕上げを形成することができるうえ、ツゲ模
様加工が大幅に自動化されるので、ツゲ模様仕上げがな
された裏蓋5A〜5Dの大量生産を行うことができる。
【0082】さらに、裏蓋5A〜5Dの外周縁と同心の円弧
からなるトラックを設定するとともに、当該外周縁を基
準にしてトラックの位置を設定するトラック設定手段43
を採用したので、裏蓋として、半径が異なる複数の円弧
を連結したアーモンド形の裏蓋5B、および、複数の辺を
連結した多角形の形状を有する裏蓋5C,5D等の複数種類
の裏蓋があっても、少なくとも裏蓋の外周縁近傍の部分
に設定されるトラックは、不連続な線にはならず、連続
した線で形成されるようになるので、ツゲ模様を形成す
る多数の円形模様の列は、外観的に美しい配列となり、
美しいツゲ模様仕上げを形成することができる。
【0083】また、寸法が異なるとともに、互いに同心
位置に配置された環状のトラックを複数設定できるトラ
ック設定手段43を採用し、かつ、トラック設定手段43お
よび中心位置設定手段44として、ゴム砥石10の研磨面の
半径を一辺とする基準正三角形を設定し、互いに隣接す
る三つの円形模様の中心がなす三角形が、基準正三角形
になるべく近いものとなるように、トラック同士の間隔
および円形模様同士の間隔を設定するものとしたので、
ツゲ模様を形成する多数の円形模様が幾何学的に整然と
配列されるようになり、手作業で加工したツゲ模様仕上
げに劣らない、外観的に美しいツゲ模様仕上げを施すこ
とができるうえ、美しいツゲ模様仕上げを形成するの
に、熟練した技能者の技能を不要にできる。
【0084】さらに、裏蓋としては、半径が異なる複数
の円弧を連結したアーモンド形の裏蓋5B、複数の辺を連
結した多角形の裏蓋5C,5D、および、単なる円形の裏蓋
5Aの複数種類の裏蓋に対して、外周形状データに基づい
て裏蓋の外周形状がアーモンド形、多角形および円形の
いずれであるかを判定する形状判定手段41を設けたの
で、アーモンド形、多角形および円形の外形形状をそれ
ぞれ有する裏蓋に対して、最適なツゲ模様のパターンが
設定されるようになり、外形形状によらず、外観的に美
しいツゲ模様仕上げを裏蓋に施すことができる。
【0085】また、形状判定手段41により、裏蓋の外周
形状が、半径の異なる複数の円弧を連結したアーモンド
形であると判定されると、裏蓋の外周形状を円弧毎に分
解した円弧部を設定する円弧部設定手段42を設け、トラ
ック設定手段43で、設定された円弧部のそれぞれに対応
した円弧トラックを設定するようにしたので、アーモン
ド形の外周形状に相応しいトラックが設定され、アーモ
ンド形の裏蓋に最適なツゲ模様のパターンが設定される
ようになり、パターン生成を自動化しても、外観的に美
しいツゲ模様仕上げを裏蓋5Bに施すことができる。
【0086】さらに、裏蓋の寸法よりも著しく長大な半
径を有する基準円を円弧部設定手段42に予め設定してお
き、形状判定手段41により、裏蓋の外周形状が多角形で
あると判定され、かつ、裏蓋の外周形状を形成する辺が
直線であった場合には、円弧部設定手段42が、当該直線
辺を、前述の基準円の円周の一部分となる円弧部とみな
して設定し、トラック設定手段43が、多角形の一辺が直
線であっても、当該一辺を円弧部とみなして設定できる
ようにしたので、トラック設定手段43で裏蓋の外周形状
に最適なトラックの設定が可能となり、多角形の裏蓋に
最適なツゲ模様のパターンが設定され、外観的に美しい
ツゲ模様仕上げを裏蓋に施すことができるうえ、直線辺
を有する多角形専用のトラック設定手段が不要となるの
で、位置データ生成手段を構成する要素の増加および複
雑を抑えることができる。
【0087】また、裏蓋のコーナー部の円形模様が2個
以下の場合には、ツゲ模様のパターンの外観を向上させ
るために、比較的長い円弧8A,8Bを相互に連結する比較
的短い円弧8Cに対して、その中心線上に中心点が配置さ
れる円形模様61C を強制的に設定する修正処理手段45を
設け、これにより、コーナー部に円形模様が密集する場
合に、例えば、円弧部Bの角度βを、当該角度βより狭
い修正角度κに置き換え、再度、ステップS550と同じ処
理を行い、円弧8B側に配置される円形模様の中心位置を
ずらして、外観を向上させる修正処理を行う機能を修正
処理手段45に設けたので、コーナー部に円形模様が密集
することがなくなり、寸法や形状によらず、外観的に美
しいツゲ模様仕上げを裏蓋に施すことができる。
【0088】さらに、ツゲ模様加工機1の位置データ生
成手段をパーソナルコンピュータ3で構成し、裏蓋の外
周形状についての外周形状データが入力されると、この
外周形状データに基づいて裏蓋の外周縁に沿って平行に
延びるトラックを設定するトラック設定ステップと、こ
のトラック設定ステップで設定したトラックの上に間隔
が均等となるように、円形模様の中心位置を設定する中
心位置設定ステップとを前記コンピュータに実行させる
ツゲ模様加工機1の制御用プログラムを採用したので、
汎用のパーソナルコンピュータ3でツゲ模様加工の自動
化を容易に実現することができる。
【0089】以上、本発明について好適な実施形態を挙
げて説明したが、本発明は、この実施形態に限られるも
のでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々
の改良並びに設計の変更が可能である。例えば、被加工
部材としては、時計の裏蓋に限らず、時計のムーブメン
トの地板および受け等の機械部品を受ける基盤ならびに
自動巻機構の駆動源であるロータ等、ある程度広がった
面を有する部材や部品でもよい。この際、地板、受けお
よびロータの外周形状としては、そのもの自体の外周形
状を採用するのではなく、ムーブメントの外周形状を採
用するのが好ましい。このようにすれば、ツゲ模様仕上
げにより、完成したムーブメントの表面および裏面に高
級感を醸し出させることができる。
【0090】さらに、被加工部材としては、時計の部品
や部材に限らず、精密計器や精密加工機械の部品や部材
でもよく、本発明は、従来からツゲ模様仕上げが施され
る部品や部材の加工に適用することができる。
【0091】
【発明の効果】上述のように本発明のツゲ模様加工機に
よれば、加工時間を短縮することができる。また、本発
明のツゲ模様加工機の制御用プログラムによれば、操作
に熟練を要することがなく、複数用意された同一種類の
被加工部材に形成されたツゲ模様のパターンおよび鮮明
さを均一化でき、美しくシャープなツゲ模様を形成で
き、しかも、座標計算プログラムは、数値制御加工ミー
リング等の位置制御機能を有する回転加工装置にも適用
可能である。さらに、本発明の時計部品によれば、美し
いシャープなツゲ模様が形成されるので、時計に高級感
を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の全体を示す斜視図であ
る。
【図2】前記実施形態の研磨装置を示す平面図である。
【図3】前記実施形態の研磨装置を示す側面図である。
【図4】前記実施形態の研磨機構を示す拡大正面図であ
る。
【図5】前記実施形態に係る被加工部材である各種の裏
蓋を示す平面図である。
【図6】前記実施形態の位置データ生成手段であるパー
ソナルコンピュータを示すブロック図である。
【図7】前記実施形態の動作の概略を説明するためのフ
ローチャートである。
【図8】前記実施形態に係る外周形状が円形となった裏
蓋の処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】前記実施形態に係る円形のトラック設定を説明
するための図である。
【図10】前記実施形態に係る基準正三角形を説明する
ための図である。
【図11】前記実施形態に係る中心位置設定を説明する
ための図である。
【図12】前記実施形態に係る外周形状がアーモンド形
となった裏蓋の処理を説明するためのフローチャートで
ある。
【図13】前記実施形態に係るアーモンド形トラック設
定を説明するための図である。
【図14】前記実施形態に係る外周形状が四角形となっ
た裏蓋の処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】前記実施形態に係る円弧部設定を説明するた
めの図である。
【図16】前記実施形態に係る四角形トラック設定を説
明するための図である。
【図17】前記実施形態に係るコーナー部修正処理を説
明するための図である。
【図18】前記実施形態に係る外周形状が八角形となっ
た裏蓋の処理を説明するためのフローチャートである。
【図19】ツゲ模様仕上げを説明するための平面図であ
る。
【図20】従来技術を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ツゲ模様加工機 3 位置データ生成手段であるパーソナルコンピュータ 4 制御手段としてのデジタルシーケンサ 5A〜5D 被加工部材としての裏蓋 10 研磨材としてのゴム砥石 12 回転駆動手段としてのモータ 20 加工テーブル 31 支持ブラケット 32,33,34 支持手段としてのスライダ 41 形状判定手段 42 円弧部設定手段 43 トラック設定手段 44 中心位置設定手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年11月13日(2002.11.
13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】請求項4または請求項に記載のツゲ模様
加工機の前記位置データ生成手段をコンピュータで構成
し、 前記被加工部材の外周形状についての外周形状データが
入力されると、この外周形状データに基づいて前記被加
工部材の外周縁に沿って平行に延びるトラックを設定す
るトラック設定ステップと、このトラック設定ステップ
で設定したトラックの上に間隔が均等となるように、前
記円形模様の中心位置を設定する中心位置設定ステップ
とを前記コンピュータに実行させることを特徴とするツ
ゲ模様加工機の制御用プログラム。
【請求項】請求項に記載のツゲ模様加工機の制御用
プログラムにおいて、前記トラック設定ステップでは、
前記被加工部材の外周縁と同心の円弧からなるトラック
を設定するとともに、当該外周縁を基準にして前記トラ
ックの位置を設定することを特徴とするツゲ模様加工機
の制御用プログラム。
【請求項】請求項に記載のツゲ模様加工機の制御用
プログラムにおいて、前記研磨材の研磨面の半径を一辺
とする基準正三角形が予め設定され、前記トラック設定
ステップでは、前記被加工部材の外周寸法に応じて、寸
法が異なるとともに、互いに同心位置に配置された環状
のトラックを複数設定し、前記トラック設定ステップお
よび前記中心位置設定ステップでは、互いに隣接する三
つの円形模様の中心がなす三角形が、前記基準正三角形
になるべく近いものとなるように、トラック同士の間隔
および円形模様同士の間隔を設定することを特徴とする
ツゲ模様加工機の制御用プログラム。
【請求項】請求項から請求項までのいずれかに記
載のツゲ模様加工機の制御用プログラムにおいて、前記
被加工部材としては、半径が異なる複数の円弧を連結し
たアーモンド形、複数の辺を連結した多角形、および、
単なる円形の各外周形状を有する複数種類のものがあ
り、前記外周形状データに基づいて前記被加工部材の外
周形状がアーモンド形、多角形および円形のいずれであ
るかを判定する形状判定ステップが含まれていることを
特徴とするツゲ模様加工機の制御用プログラム。
【請求項10】請求項に記載のツゲ模様加工機の制御
用プログラムにおいて、前記被加工部材の外周形状がア
ーモンド形であると、前記形状判定手段が判定すると、
前記被加工部材の外周形状を前記円弧毎に分解した円弧
部を設定する円弧部設定ステップを含み、前記トラック
設定ステップでは、前記円弧部設定ステップで設定した
前記円弧部のそれぞれに対応した円弧トラックを設定す
ることを特徴とするツゲ模様加工機の制御用プログラ
ム。
【請求項11】請求項1から請求項までのいずれかに
記載のツゲ模様加工機により、その被加工面にツゲ模様
と呼ばれる複数の円形模様が形成されたことを特徴とす
る時計部品。
【請求項12】請求項から請求項10までのいずれか
に記載の制御プログラムを実行したツゲ模様加工機によ
り、その被加工面にツゲ模様と呼ばれる複数の円形模様
が形成されたことを特徴とする時計部品。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工部材の被加工面に研磨材でツゲ模
    様と呼ばれる複数の円形模様を形成するツゲ模様加工機
    であって、 研磨材を回転駆動する回転駆動手段と、前記被加工部材
    を保持するとともに、前記回転駆動手段に応じた数の加
    工テーブルと、互いに直交する三方向に沿って、前記回
    転駆動手段および前記加工テーブルを相対的に移動可能
    に支持する支持手段と、前記回転駆動手段を前記加工テ
    ーブルに対して相対的に移動させる移動手段と、円形模
    様の中心位置を示す位置データが入力されるとともに入
    力された位置データに基づき前記駆動手段を制御する制
    御手段とを備えていることを特徴とするツゲ模様加工
    機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のツゲ模様加工機におい
    て、前記互いに直交する三方向のそれぞれに沿って、X
    軸、Y軸およびZ軸が設定され、前記支持手段は、前記
    回転駆動手段を前記Z軸方向に沿って移動可能に支持す
    る支持ブラケットと、この支持ブラケットを前記X軸お
    よび前記Y軸のそれぞれに沿って移動可能に支持するX
    軸スライダおよびY軸スライダとを備えていることを特
    徴とするツゲ模様加工機。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のツゲ模
    様加工機において、前記研磨材として、ゴム砥石が採用
    され、加工の際に前記研磨材および前記被加工面の間に
    注入される研磨剤として、粉状の研磨剤が混ざった切削
    油が採用されていることを特徴とするツゲ模様加工機。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれかに
    記載のツゲ模様加工機において、前記被加工部材の外周
    形状についての外周形状データが入力されると、この外
    周形状データに基づいて前記被加工部材の外周縁に沿っ
    て平行に延びるトラックを設定するトラック設定手段
    と、このトラック設定手段が設定したトラックの上に間
    隔が均等となるように、前記円形模様の中心位置を設定
    する中心位置設定手段とが設けられ、これらのトラック
    設定手段および中心位置設定手段により、円形模様の中
    心位置を示す位置データを生成する位置データ生成手段
    を備えていることを特徴とするツゲ模様加工機。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のツゲ模様加工機におい
    て、前記トラック設定手段は、前記被加工部材の外周縁
    と同心の円弧からなるトラックを設定するとともに、当
    該外周縁を基準にして前記トラックの位置を設定するも
    のであることを特徴とするツゲ模様加工機。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のツゲ模様加工機におい
    て、前記トラック設定手段は、寸法が異なるとともに、
    互いに同心位置に配置された環状のトラックを複数設定
    できるものであり、前記トラック設定手段および前記中
    心位置設定手段は、前記研磨材の研磨面の半径を一辺と
    する基準正三角形を設定し、互いに隣接する三つの円形
    模様の中心がなす三角形が、前記基準正三角形になるべ
    く近いものとなるように、トラック同士の間隔および円
    形模様同士の間隔を設定するものであることを特徴とす
    るツゲ模様加工機。
  7. 【請求項7】 請求項4から請求項6までのいずれかに
    記載のツゲ模様加工機において、前記被加工部材として
    は、半径が異なる複数の円弧を連結したアーモンド形、
    複数の辺を連結した多角形、および、単なる円形の各外
    周形状を有する複数種類のものがあり、前記位置データ
    生成手段には、前記外周形状データに基づいて前記被加
    工部材の外周形状がアーモンド形、多角形および円形の
    いずれであるかを判定する形状判定手段が設けられてい
    ることを特徴とするツゲ模様加工機。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のツゲ模様加工機におい
    て、前記被加工部材の外周形状がアーモンド形である
    と、前記形状判定手段が判定すると、前記被加工部材の
    外周形状を前記円弧毎に分解した円弧部を設定する円弧
    部設定手段を備え、前記トラック設定手段は、前記円弧
    部のそれぞれに対応した円弧トラックを設定するものと
    なっていることを特徴とするツゲ模様加工機。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のツゲ模様加工機におい
    て、前記円弧部設定手段には、前記被加工部材の寸法よ
    りも著しく長大な半径を有する基準円が予め設定され、
    前記円弧部設定手段は、前記被加工部材の外周形状が多
    角形であると、前記形状判定手段が判定すると、前記被
    加工部材の外周形状を形成する辺が直線である場合に
    は、当該辺を、前記基準円の円周の一部分となる円弧部
    とみなして設定し、前記トラック設定手段は、前記円弧
    部のそれぞれに対応した円弧トラックを設定するものと
    なっていることを特徴とするツゲ模様加工機。
  10. 【請求項10】請求項4ないし請求項9のいずれかに記
    載のツゲ模様加工機の前記位置データ生成手段をコンピ
    ュータで構成し、 前記被加工部材の外周形状についての外周形状データが
    入力されると、この外周形状データに基づいて前記被加
    工部材の外周縁に沿って平行に延びるトラックを設定す
    るトラック設定ステップと、このトラック設定ステップ
    で設定したトラックの上に間隔が均等となるように、前
    記円形模様の中心位置を設定する中心位置設定ステップ
    とを前記コンピュータに実行させることを特徴とするツ
    ゲ模様加工機の制御用プログラム。
  11. 【請求項11】請求項10に記載のツゲ模様加工機の制
    御用プログラムにおいて、前記トラック設定ステップで
    は、前記被加工部材の外周縁と同心の円弧からなるトラ
    ックを設定するとともに、当該外周縁を基準にして前記
    トラックの位置を設定することを特徴とするツゲ模様加
    工機の制御用プログラム。
  12. 【請求項12】請求項11に記載のツゲ模様加工機の制
    御用プログラムにおいて、前記研磨材の研磨面の半径を
    一辺とする基準正三角形が予め設定され、前記トラック
    設定ステップでは、前記被加工部材の外周寸法に応じ
    て、寸法が異なるとともに、互いに同心位置に配置され
    た環状のトラックを複数設定し、前記トラック設定ステ
    ップおよび前記中心位置設定ステップでは、互いに隣接
    する三つの円形模様の中心がなす三角形が、前記基準正
    三角形になるべく近いものとなるように、トラック同士
    の間隔および円形模様同士の間隔を設定することを特徴
    とするツゲ模様加工機の制御用プログラム。
  13. 【請求項13】請求項10から請求項12までのいずれ
    かに記載のツゲ模様加工機の制御用プログラムにおい
    て、前記被加工部材としては、半径が異なる複数の円弧
    を連結したアーモンド形、複数の辺を連結した多角形、
    および、単なる円形の各外周形状を有する複数種類のも
    のがあり、前記外周形状データに基づいて前記被加工部
    材の外周形状がアーモンド形、多角形および円形のいず
    れであるかを判定する形状判定ステップが含まれている
    ことを特徴とするツゲ模様加工機の制御用プログラム。
  14. 【請求項14】請求項13に記載のツゲ模様加工機の制
    御用プログラムにおいて、前記被加工部材の外周形状が
    アーモンド形であると、前記形状判定手段が判定する
    と、前記被加工部材の外周形状を前記円弧毎に分解した
    円弧部を設定する円弧部設定ステップを含み、前記トラ
    ック設定ステップでは、前記円弧部設定ステップで設定
    した前記円弧部のそれぞれに対応した円弧トラックを設
    定することを特徴とするツゲ模様加工機の制御用プログ
    ラム。
  15. 【請求項15】請求項14に記載のツゲ模様加工機の制
    御用プログラムにおいて、前記被加工部材の寸法よりも
    著しく長大な半径を有する基準円が予め設定され、前記
    円弧部設定ステップでは、前記形状判定ステップで前記
    被加工部材の外周形状が多角形であると判定され、か
    つ、前記被加工部材の外周形状を形成する辺が直線であ
    る場合には、当該辺を、前記基準円の円周の一部分とな
    る円弧部とみなして設定し、前記トラック設定ステップ
    では、前記円弧部設定ステップで設定された前記円弧部
    のそれぞれに対応した円弧トラックを設定することを特
    徴とするツゲ模様加工機の制御プログラム。
  16. 【請求項16】請求項1から請求項9までのいずれかに
    記載のツゲ模様加工機により、その被加工面にツゲ模様
    と呼ばれる複数の円形模様が形成されたことを特徴とす
    る時計部品。
  17. 【請求項17】請求項10から請求項15までのいずれ
    かに記載の制御プログラムを実行したツゲ模様加工機に
    より、その被加工面にツゲ模様と呼ばれる複数の円形模
    様が形成されたことを特徴とする時計部品。
JP2001267961A 2001-09-04 2001-09-04 ツゲ模様加工機およびその制御用プログラムならびに時計部品 Withdrawn JP2003072293A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101129269B1 (ko) * 2004-06-12 2012-03-26 엘지전자 주식회사 전자제품 커버의 다중 원형패턴 형성방법
CN112622126A (zh) * 2020-11-28 2021-04-09 顾超 一种环保型可降解塑料包装盒制作方法

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