JP2003071358A - 塗布装置および塗布装置の製造方法 - Google Patents
塗布装置および塗布装置の製造方法Info
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- JP2003071358A JP2003071358A JP2001268863A JP2001268863A JP2003071358A JP 2003071358 A JP2003071358 A JP 2003071358A JP 2001268863 A JP2001268863 A JP 2001268863A JP 2001268863 A JP2001268863 A JP 2001268863A JP 2003071358 A JP2003071358 A JP 2003071358A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 スロット面研磨時に発生する段差を最小限に
とどめる塗布装置および、塗布装置の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 塗布装置のスロット面を研磨する際に、
超硬合金にて形成されたエッジ本体と、鉄系合金にて形
成されたエッジ支持体との繋ぎ部分に段差が発生する。
これに対し、研磨加工前に予め段差を設け、その後、研
磨加工することによって、段差を最小限に抑えた塗布装
置および、塗布装置の製造方法。
とどめる塗布装置および、塗布装置の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 塗布装置のスロット面を研磨する際に、
超硬合金にて形成されたエッジ本体と、鉄系合金にて形
成されたエッジ支持体との繋ぎ部分に段差が発生する。
これに対し、研磨加工前に予め段差を設け、その後、研
磨加工することによって、段差を最小限に抑えた塗布装
置および、塗布装置の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行する可撓性帯
状支持体に薄層を塗布する塗布装置および、該塗布装置
の製造方法に関するものである。
状支持体に薄層を塗布する塗布装置および、該塗布装置
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、薄膜層を形成するための塗布ヘ
ッドとして、例えば特開昭62−241574号公報に
示されるような構成が知られている。図3に示すよう
に、塗布ヘッド6は、可撓性帯状支持体7の走行方向
(矢印Aの方向)に順次配置された2つの部材を有し、
これらの部材1,2の間は、向かい合ったスロット面
4,5によって形成されるスロット3となっている。該
スロット3は塗布液が可撓性帯状支持体7に向かって流
通する流路となる。また、スロット3の長手方向の両端
部に、スロット3の幅方向の長さを規制する規制部材
8,8が設けられている。
ッドとして、例えば特開昭62−241574号公報に
示されるような構成が知られている。図3に示すよう
に、塗布ヘッド6は、可撓性帯状支持体7の走行方向
(矢印Aの方向)に順次配置された2つの部材を有し、
これらの部材1,2の間は、向かい合ったスロット面
4,5によって形成されるスロット3となっている。該
スロット3は塗布液が可撓性帯状支持体7に向かって流
通する流路となる。また、スロット3の長手方向の両端
部に、スロット3の幅方向の長さを規制する規制部材
8,8が設けられている。
【0003】このような構成の塗布ヘッド6において、
先端側に長尺広巾の可撓性帯状支持体7が矢印A方向に
走行すると、スロット3から塗布液が可撓性帯状支持体
7に向けて吐出され、可撓性帯状支持体7の一方の面に
塗布液が均一な厚さで塗布されるようになっている。
先端側に長尺広巾の可撓性帯状支持体7が矢印A方向に
走行すると、スロット3から塗布液が可撓性帯状支持体
7に向けて吐出され、可撓性帯状支持体7の一方の面に
塗布液が均一な厚さで塗布されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、可撓性帯状
支持体に塗布される塗布液の厚さは、数〜数十ミクロン
相当のものであって、これを流通させる上記スロット3
は必然的に隘路となる形状になる。上記塗布装置におけ
る上記スロット面4,5は、流通する塗布液が直接触れ
る部分であり、前記スロット3を塗布液が通過する際、
塗布液と前記スロット3の間には少なからず摩擦が生じ
るため、可能な限りの均一な平面が必要とされる。これ
は、塗布に際して、この面に段差等の流体に対する抵抗
があると、液圧のばらつき、および圧力損失によって、
塗布膜の膜厚偏差が発生してしまうためである。
支持体に塗布される塗布液の厚さは、数〜数十ミクロン
相当のものであって、これを流通させる上記スロット3
は必然的に隘路となる形状になる。上記塗布装置におけ
る上記スロット面4,5は、流通する塗布液が直接触れ
る部分であり、前記スロット3を塗布液が通過する際、
塗布液と前記スロット3の間には少なからず摩擦が生じ
るため、可能な限りの均一な平面が必要とされる。これ
は、塗布に際して、この面に段差等の流体に対する抵抗
があると、液圧のばらつき、および圧力損失によって、
塗布膜の膜厚偏差が発生してしまうためである。
【0005】また、近年では、薄膜塗布や高速塗布など
に用いられる塗布装置においては、前記部材1,2は、
超硬合金にて形成されたエッジ本体と、鉄系合金にて形
成されたエッジ支持体から構成されており、前記エッジ
本体を、前記エッジ支持体に組み込んで使用している。
これは、前記塗布装置の部材1,2の先端部分において
高応力が発生するためで、前記スロット面4,5の研磨
を行う際には、超硬合金部分と鉄系合金部分とでは別々
の砥石を用いて研磨加工を行っており、それらの繋ぎ部
分に段部や傾斜(ダレ)が生じてしまい、均一な平面状
のスロット面を得ることができないという問題があっ
た。
に用いられる塗布装置においては、前記部材1,2は、
超硬合金にて形成されたエッジ本体と、鉄系合金にて形
成されたエッジ支持体から構成されており、前記エッジ
本体を、前記エッジ支持体に組み込んで使用している。
これは、前記塗布装置の部材1,2の先端部分において
高応力が発生するためで、前記スロット面4,5の研磨
を行う際には、超硬合金部分と鉄系合金部分とでは別々
の砥石を用いて研磨加工を行っており、それらの繋ぎ部
分に段部や傾斜(ダレ)が生じてしまい、均一な平面状
のスロット面を得ることができないという問題があっ
た。
【0006】この問題を解決するために、前記エッジ支
持体と前記エッジ本体とを、鉄系合金一体物にて形成す
ること、または、繋ぎ部分に前記別々の砥石の干渉を避
けるための逃げをつけること、が考えられる。
持体と前記エッジ本体とを、鉄系合金一体物にて形成す
ること、または、繋ぎ部分に前記別々の砥石の干渉を避
けるための逃げをつけること、が考えられる。
【0007】しかしながら、前記鉄系合金一体物によっ
て形成されたエッジ本体では、研磨加工時に強度不足に
よってバリが発生してしまうため、塗布の精密性に限界
が生じてしまう問題があった。さらには、薄膜塗布の需
要において、よりいっそうの薄膜化および高速化がすす
んでおり、エッジ本体にかかる液圧等の応力は増大する
方向にあって、超硬合金にて形成されたエッジ本体の必
要性が増しているという問題も持っていた。また、スロ
ット面に逃げを設けることは、前述したとおり、塗布膜
に膜厚偏差を生じさせる恐れや、塗料の液離れ性を悪化
させるのは勿論、逃げに塗料が入り込んでしまい、メン
テナンス時の清掃を阻害するなど、メンテナンス性が低
下したり、乾燥した塗料が粉塵化するといった問題を生
じさせる恐れがあった。
て形成されたエッジ本体では、研磨加工時に強度不足に
よってバリが発生してしまうため、塗布の精密性に限界
が生じてしまう問題があった。さらには、薄膜塗布の需
要において、よりいっそうの薄膜化および高速化がすす
んでおり、エッジ本体にかかる液圧等の応力は増大する
方向にあって、超硬合金にて形成されたエッジ本体の必
要性が増しているという問題も持っていた。また、スロ
ット面に逃げを設けることは、前述したとおり、塗布膜
に膜厚偏差を生じさせる恐れや、塗料の液離れ性を悪化
させるのは勿論、逃げに塗料が入り込んでしまい、メン
テナンス時の清掃を阻害するなど、メンテナンス性が低
下したり、乾燥した塗料が粉塵化するといった問題を生
じさせる恐れがあった。
【0008】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、平坦なスロット面を有する、塗布面に膜厚偏差を生
じさせない塗布装置、および塗布装置の製造方法を提供
することを課題とする。
で、平坦なスロット面を有する、塗布面に膜厚偏差を生
じさせない塗布装置、および塗布装置の製造方法を提供
することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、以下の手段を採用した。請求項
1記載の本発明では、一の方向に走行する可撓性帯状支
持体の上に塗布液を塗布する塗布ヘッドを備え、前記塗
布ヘッドは、前記可撓性帯状支持体の走行方向に順次配
置された少なくとも2つの部材を有し、前記部材同士の
間に前記塗布液が前記可撓性帯状支持体に向かって流通
するスロットが形成された塗布装置の製造方法であっ
て、前記部材は、鉄系合金によって形成されたエッジ支
持体と、前記可撓性帯状支持体に摺接するように前記エ
ッジ支持体の先端部分に取り付けられる超硬合金によっ
て形成されたエッジ本体とを有しており、前記部材の前
記スロットを形成するスロット面に対する研磨加工前
に、前記スロット面の前記エッジ本体と前記エッジ支持
体との繋ぎ部に、前記エッジ本体が前記エッジ支持体よ
りも一段突出するように段差を設け、その後、前記エッ
ジ本体側から前記エッジ支持体側に向かって連続的に研
磨加工を行い、これらを面一に仕上げることを特徴とす
る。これにより、超硬合金からなるエッジ本体が砥石を
案内する役目を果たし、繋ぎ部で砥石が逃げることを防
ぐため、段部や傾斜(ダレ)が小さくなり、スロット面
の平面性を向上させることができる。従って、塗布時の
液圧のばらつき、および圧力損失が小さくなり、膜厚の
均一性が向上する。その他にも、スロット面の平面性が
高くなると、塗布液の液離れ性が向上し、乾燥した塗料
による粉塵を抑制する効果が得られ、清掃等のメンテナ
ンス性が向上する。
め、本発明においては、以下の手段を採用した。請求項
1記載の本発明では、一の方向に走行する可撓性帯状支
持体の上に塗布液を塗布する塗布ヘッドを備え、前記塗
布ヘッドは、前記可撓性帯状支持体の走行方向に順次配
置された少なくとも2つの部材を有し、前記部材同士の
間に前記塗布液が前記可撓性帯状支持体に向かって流通
するスロットが形成された塗布装置の製造方法であっ
て、前記部材は、鉄系合金によって形成されたエッジ支
持体と、前記可撓性帯状支持体に摺接するように前記エ
ッジ支持体の先端部分に取り付けられる超硬合金によっ
て形成されたエッジ本体とを有しており、前記部材の前
記スロットを形成するスロット面に対する研磨加工前
に、前記スロット面の前記エッジ本体と前記エッジ支持
体との繋ぎ部に、前記エッジ本体が前記エッジ支持体よ
りも一段突出するように段差を設け、その後、前記エッ
ジ本体側から前記エッジ支持体側に向かって連続的に研
磨加工を行い、これらを面一に仕上げることを特徴とす
る。これにより、超硬合金からなるエッジ本体が砥石を
案内する役目を果たし、繋ぎ部で砥石が逃げることを防
ぐため、段部や傾斜(ダレ)が小さくなり、スロット面
の平面性を向上させることができる。従って、塗布時の
液圧のばらつき、および圧力損失が小さくなり、膜厚の
均一性が向上する。その他にも、スロット面の平面性が
高くなると、塗布液の液離れ性が向上し、乾燥した塗料
による粉塵を抑制する効果が得られ、清掃等のメンテナ
ンス性が向上する。
【0010】請求項2に記載の塗布装置は、請求項1に
記載の塗布装置の製造方法によって製造された塗布装置
であって、超硬合金にて形成された前記エッジ本体の硬
さが、ロックウェル硬度のAスケールで85(HRA)
以上、かつ、93(HRA)以下であるとともに、鉄系
合金にて形成された前記エッジ支持体の硬さが、ロック
ウェル硬度のCスケールで30(HRC)以上であるこ
とを特徴とする。これにより、硬度の差を小さくできる
ので、同一材を研削する様な加工により近くなり、繋ぎ
部の段差をさらに小さく仕上げることができ、塗布時の
液圧のばらつき、および圧力損失がいっそう小さくな
る。よって、膜厚の均一性がより向上する。その他に
も、スロット面の平面性がより高くなるため、塗布液の
液離れ性が向上し、乾燥した塗料による粉塵を抑制する
効果が得られ、清掃等のメンテナンス性がいっそう向上
する。
記載の塗布装置の製造方法によって製造された塗布装置
であって、超硬合金にて形成された前記エッジ本体の硬
さが、ロックウェル硬度のAスケールで85(HRA)
以上、かつ、93(HRA)以下であるとともに、鉄系
合金にて形成された前記エッジ支持体の硬さが、ロック
ウェル硬度のCスケールで30(HRC)以上であるこ
とを特徴とする。これにより、硬度の差を小さくできる
ので、同一材を研削する様な加工により近くなり、繋ぎ
部の段差をさらに小さく仕上げることができ、塗布時の
液圧のばらつき、および圧力損失がいっそう小さくな
る。よって、膜厚の均一性がより向上する。その他に
も、スロット面の平面性がより高くなるため、塗布液の
液離れ性が向上し、乾燥した塗料による粉塵を抑制する
効果が得られ、清掃等のメンテナンス性がいっそう向上
する。
【0011】請求項3に記載の塗布装置は、請求項1に
記載の塗布装置の製造方法によって製造された塗布装置
であって、超硬合金にて形成された前記エッジ本体の面
粗度をRy1と表し、鉄系合金にて形成された前記エッ
ジ支持体の面粗度をRy2と表したときに、それぞれの
差分であるRy2−Ry1が、0.1S≦Ry2−Ry
1≦1.0Sの条件式を満足することを特徴とする。す
なわち、本発明の製造方法によれば、同一の砥石で研削
を行うので、スロット面について、超硬合金部からなる
エッジ本体と、鉄系合金からなるエッジ支持体の面粗度
の差が小さく設定されることにより、塗布液に対する流
路抵抗の変動が低減する。よって、塗布時の液圧のばら
つき、および圧力損失が小さくなり、膜厚の均一性が向
上する。また、同時にスロット面の平面性が向上するた
め、液離れ性も向上し、乾燥した塗料による粉塵もいっ
そう抑制する効果が得られ、清掃等のメンテナンス性が
飛躍的に向上する。
記載の塗布装置の製造方法によって製造された塗布装置
であって、超硬合金にて形成された前記エッジ本体の面
粗度をRy1と表し、鉄系合金にて形成された前記エッ
ジ支持体の面粗度をRy2と表したときに、それぞれの
差分であるRy2−Ry1が、0.1S≦Ry2−Ry
1≦1.0Sの条件式を満足することを特徴とする。す
なわち、本発明の製造方法によれば、同一の砥石で研削
を行うので、スロット面について、超硬合金部からなる
エッジ本体と、鉄系合金からなるエッジ支持体の面粗度
の差が小さく設定されることにより、塗布液に対する流
路抵抗の変動が低減する。よって、塗布時の液圧のばら
つき、および圧力損失が小さくなり、膜厚の均一性が向
上する。また、同時にスロット面の平面性が向上するた
め、液離れ性も向上し、乾燥した塗料による粉塵もいっ
そう抑制する効果が得られ、清掃等のメンテナンス性が
飛躍的に向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明による塗布装置を図
面に基づき説明する。本発明の塗布装置、および塗布装
置の製造方法は、一方向に走行するフィルムやシート等
の可撓性帯状支持体の表面に塗付液を均一に塗布して薄
層を形成する塗布装置、および塗布装置の製造方法に関
するもので、その他の構成要素や用法に関して特に制限
を設けるものではない。
面に基づき説明する。本発明の塗布装置、および塗布装
置の製造方法は、一方向に走行するフィルムやシート等
の可撓性帯状支持体の表面に塗付液を均一に塗布して薄
層を形成する塗布装置、および塗布装置の製造方法に関
するもので、その他の構成要素や用法に関して特に制限
を設けるものではない。
【0013】図1に本発明に係わる塗布装置の一実施形
態を示す。図1において、塗布装置は塗布ヘッド20を
有し、この塗布ヘッド20がスロット21を形成する部
材22a,22bによって構成されている。これら部材
22a,22bは、可撓性帯状支持体24の走行方向B
(矢印B)にそって順次配置され、マルテンサイト系ス
テンレス等の鉄系合金にて形成されるエッジ支持体23
a,23bのそれぞれの先端部に、WC等の超硬合金に
て形成されるエッジ本体25a,25bが装着される構
造となっている。本実施形態では、超硬合金の硬さを、
ロックウェル硬度のAスケールで85(HRA)以上、
かつ、93(HRA)以下であるとし、鉄系合金の硬さ
を、熱処理を施すことにより、ロックウェル硬さのCス
ケールで30以上とする。
態を示す。図1において、塗布装置は塗布ヘッド20を
有し、この塗布ヘッド20がスロット21を形成する部
材22a,22bによって構成されている。これら部材
22a,22bは、可撓性帯状支持体24の走行方向B
(矢印B)にそって順次配置され、マルテンサイト系ス
テンレス等の鉄系合金にて形成されるエッジ支持体23
a,23bのそれぞれの先端部に、WC等の超硬合金に
て形成されるエッジ本体25a,25bが装着される構
造となっている。本実施形態では、超硬合金の硬さを、
ロックウェル硬度のAスケールで85(HRA)以上、
かつ、93(HRA)以下であるとし、鉄系合金の硬さ
を、熱処理を施すことにより、ロックウェル硬さのCス
ケールで30以上とする。
【0014】そして、塗布装置は、可撓性帯状支持体2
4の走行時、図示しない給液手段によって塗布液30が
供給され、該塗布液30がポケット31およびスロット
21を通過することにより、可撓性帯状支持体24の片
面に塗布液30が塗布されるように構成されている。
4の走行時、図示しない給液手段によって塗布液30が
供給され、該塗布液30がポケット31およびスロット
21を通過することにより、可撓性帯状支持体24の片
面に塗布液30が塗布されるように構成されている。
【0015】この場合の塗布液としては、本実施形態で
は、積層セラミックスコンデンサーのグリーンシートに
用いられる母材シートを形成するためのものであり、例
えば、誘電体セラミックス粉の含有液等である。
は、積層セラミックスコンデンサーのグリーンシートに
用いられる母材シートを形成するためのものであり、例
えば、誘電体セラミックス粉の含有液等である。
【0016】また、図2は塗布ヘッドにおける部材の加
工形態を示す断面図である。図2において、研削加工前
の部材22aは前述のとおり、鉄系合金にて形成された
エッジ支持体23aと、超硬合金にて形成されたエッジ
本体25aを有しており、スロット21を形成するスロ
ット面32にて、前記エッジ支持体23aとエッジ本体
25aとの繋ぎ部33は段差Cが設けられている。寸法
Aは30mmで、寸法Bは40mmであるが、この寸法
に限定するものではない。繋ぎ部33における、超硬合
金からなるエッジ本体と鉄系合金にて形成されるエッジ
支持体との段差Cは、ダイヤモンド砥石34の切り込み
量に適した値とし、50μm程度が望ましい。ダイヤモ
ンド砥石34は前記スロット面と平行な回転軸を持つよ
うに配置される。
工形態を示す断面図である。図2において、研削加工前
の部材22aは前述のとおり、鉄系合金にて形成された
エッジ支持体23aと、超硬合金にて形成されたエッジ
本体25aを有しており、スロット21を形成するスロ
ット面32にて、前記エッジ支持体23aとエッジ本体
25aとの繋ぎ部33は段差Cが設けられている。寸法
Aは30mmで、寸法Bは40mmであるが、この寸法
に限定するものではない。繋ぎ部33における、超硬合
金からなるエッジ本体と鉄系合金にて形成されるエッジ
支持体との段差Cは、ダイヤモンド砥石34の切り込み
量に適した値とし、50μm程度が望ましい。ダイヤモ
ンド砥石34は前記スロット面と平行な回転軸を持つよ
うに配置される。
【0017】ここで、前記ダイヤモンド砥石34は定位
置で回転し、前記部材22aが図示しない方法にて固定
され、該部材22a自体が移動することにより、スロッ
ト面32が研削される。加工の進行は、前記エッジ本体
25aにおいて長尺方向に端から端まで加工することか
ら始まり、この工程を順次エッジ支持体23aの方向に
向かって続ける、トラバース加工を行うことで進められ
る(矢印D参照)。この際、単一の前記ダイヤモンド砥
石34で全ての加工を行うこととなる。
置で回転し、前記部材22aが図示しない方法にて固定
され、該部材22a自体が移動することにより、スロッ
ト面32が研削される。加工の進行は、前記エッジ本体
25aにおいて長尺方向に端から端まで加工することか
ら始まり、この工程を順次エッジ支持体23aの方向に
向かって続ける、トラバース加工を行うことで進められ
る(矢印D参照)。この際、単一の前記ダイヤモンド砥
石34で全ての加工を行うこととなる。
【0018】さらに、研削後の超硬合金のスロット面3
2における面粗度(Ry1)が0.2S〜0.8Sとな
り、同様に、研削後の鉄系合金のスロット面32におけ
る面粗度(Ry2)が0.4S〜1.8Sとなり、同時
に、両者の差分Ry2−Ry1が0.1S≦Ry2−R
y1≦1.0Sの条件式を満足するように研削を行う。
なお、粗さ単位の表記は「JIS B 0601」に基
づいたものである。
2における面粗度(Ry1)が0.2S〜0.8Sとな
り、同様に、研削後の鉄系合金のスロット面32におけ
る面粗度(Ry2)が0.4S〜1.8Sとなり、同時
に、両者の差分Ry2−Ry1が0.1S≦Ry2−R
y1≦1.0Sの条件式を満足するように研削を行う。
なお、粗さ単位の表記は「JIS B 0601」に基
づいたものである。
【0019】このように、超硬合金からなるエッジ本体
25aと鉄系合金からなるエッジ支持体23aとの間の
繋ぎ部33に、前記エッジ本体25aが段差を形成し、
前記エッジ本体25a側から前記エッジ支持体23a側
に向かって単一のダイヤモンド砥石34で連続的に研削
を行っていることから、超硬合金からなる前記エッジ本
体25aを研磨している間は鉄系合金からなる前記エッ
ジ支持体23aは削られず、前記エッジ本体25aから
前記エッジ支持体23aの研削に移行する際には、超硬
合金からなる前記エッジ本体25aが前記ダイヤモンド
砥石34を導くガイドの役割を果たし、前記繋ぎ部33
での研磨の移行がスムースに行われる。したがって、ス
ロット面32は、段部や傾斜(ダレ)の少ない、あるい
は段部や傾斜のない、面一な仕上げ面を得ることができ
る。本実施例においては、段部寸法3μm以下、実績値
としては0.5μm以下の面を得ることができる。
25aと鉄系合金からなるエッジ支持体23aとの間の
繋ぎ部33に、前記エッジ本体25aが段差を形成し、
前記エッジ本体25a側から前記エッジ支持体23a側
に向かって単一のダイヤモンド砥石34で連続的に研削
を行っていることから、超硬合金からなる前記エッジ本
体25aを研磨している間は鉄系合金からなる前記エッ
ジ支持体23aは削られず、前記エッジ本体25aから
前記エッジ支持体23aの研削に移行する際には、超硬
合金からなる前記エッジ本体25aが前記ダイヤモンド
砥石34を導くガイドの役割を果たし、前記繋ぎ部33
での研磨の移行がスムースに行われる。したがって、ス
ロット面32は、段部や傾斜(ダレ)の少ない、あるい
は段部や傾斜のない、面一な仕上げ面を得ることができ
る。本実施例においては、段部寸法3μm以下、実績値
としては0.5μm以下の面を得ることができる。
【0020】また、エッジ本体25aとエッジ支持体2
3aの硬さを限定するのは、その差分が大きいときは、
単一のダイヤモンド砥石34で研削を行うという条件で
は、前記エッジ本体25aと前記エッジ支持体23aと
の被研削面の表面粗さにおいても、その差が大きいもの
となってしまい、塗布液30の流路抵抗の変動が増加す
ることを招いてしまうからであり、対して、硬さの前記
差分が小さいときは、単一の前記ダイヤモンド砥石34
で硬さの近い材質を研削することとなり、研削の結果得
られる両者の表面粗さも近い値を示すこととなるからで
ある。なお、エッジ支持体23aの硬さ上限値は、これ
が高い程、超硬合金からなるエッジ本体25aの硬さに
近くなり、従って、両者の表面粗さも近くなるため望ま
しいのであるが、鉄系合金からなるエッジ支持体23a
の硬度をそのように高くするのは、多くの時間と労力を
要することになるので、現実的にはロックウェル硬度の
Cスケールで35(HRC)程度とされるのが望まし
い。
3aの硬さを限定するのは、その差分が大きいときは、
単一のダイヤモンド砥石34で研削を行うという条件で
は、前記エッジ本体25aと前記エッジ支持体23aと
の被研削面の表面粗さにおいても、その差が大きいもの
となってしまい、塗布液30の流路抵抗の変動が増加す
ることを招いてしまうからであり、対して、硬さの前記
差分が小さいときは、単一の前記ダイヤモンド砥石34
で硬さの近い材質を研削することとなり、研削の結果得
られる両者の表面粗さも近い値を示すこととなるからで
ある。なお、エッジ支持体23aの硬さ上限値は、これ
が高い程、超硬合金からなるエッジ本体25aの硬さに
近くなり、従って、両者の表面粗さも近くなるため望ま
しいのであるが、鉄系合金からなるエッジ支持体23a
の硬度をそのように高くするのは、多くの時間と労力を
要することになるので、現実的にはロックウェル硬度の
Cスケールで35(HRC)程度とされるのが望まし
い。
【0021】さらに、研削の結果得られる、エッジ本体
25aとエッジ支持体23aとの表面粗さの差を限定す
る理由について、その差分を極小にすることは、単一の
ダイヤモンド砥石34で硬さの異なる材質の研削を行う
以上、現実的とはいえないからであり、対して、表面粗
さの前記差分があまりに大きなものとなるときは、塗布
液30の流路における、前記エッジ支持体23aから前
記エッジ本体25aに向けての繋ぎ部33における流路
抵抗の変動が大きなものとなり、塗布膜の膜厚に影響が
でる恐れがあるからである。
25aとエッジ支持体23aとの表面粗さの差を限定す
る理由について、その差分を極小にすることは、単一の
ダイヤモンド砥石34で硬さの異なる材質の研削を行う
以上、現実的とはいえないからであり、対して、表面粗
さの前記差分があまりに大きなものとなるときは、塗布
液30の流路における、前記エッジ支持体23aから前
記エッジ本体25aに向けての繋ぎ部33における流路
抵抗の変動が大きなものとなり、塗布膜の膜厚に影響が
でる恐れがあるからである。
【0022】なお、これまで述べた各実施形態において
は、一層の塗布液を塗布する塗布装置に適用した例を示
したが、無論、二層以上の塗布液を塗布する装置(3つ
以上の部材を有する塗布工具)に適用しても、同様の作
用効果が得られる。
は、一層の塗布液を塗布する塗布装置に適用した例を示
したが、無論、二層以上の塗布液を塗布する装置(3つ
以上の部材を有する塗布工具)に適用しても、同様の作
用効果が得られる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の塗布装置
および、該塗布装置の製造方法によれば、スロット面を
研磨する際に、超硬合金にて形成されたエッジ本体と、
鉄系合金にて形成されたエッジ支持体との繋ぎ部分に生
じる段部や傾斜(ダレ)を最小限に抑え、前記エッジ本
体と前記エッジ支持体間の表面粗さの差も抑えることが
可能となる。よって、塗布時の液圧のばらつき、および
圧力損失を抑え、安定した均一な膜厚を得ることができ
るようになる。また、スロット面の液離れ性が向上し、
乾燥した塗料の粉塵化を抑制できるため、分解時の清掃
等のメンテナンス性が向上する。
および、該塗布装置の製造方法によれば、スロット面を
研磨する際に、超硬合金にて形成されたエッジ本体と、
鉄系合金にて形成されたエッジ支持体との繋ぎ部分に生
じる段部や傾斜(ダレ)を最小限に抑え、前記エッジ本
体と前記エッジ支持体間の表面粗さの差も抑えることが
可能となる。よって、塗布時の液圧のばらつき、および
圧力損失を抑え、安定した均一な膜厚を得ることができ
るようになる。また、スロット面の液離れ性が向上し、
乾燥した塗料の粉塵化を抑制できるため、分解時の清掃
等のメンテナンス性が向上する。
【図1】 塗布装置の断面図である。
【図2】 加工時の形態を示す断面図である。
【図3】 従来の塗布装置を示す概略図である。
20 塗布ヘッド
21 スロット
22a,22b 部材
23a,23b エッジ支持体
24 可撓性帯状支持体
25a,25b エッジ本体
30 塗布液
32 スロット面
33 繋ぎ部
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 金山 利彦
岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田1528
番地 株式会社リョウテック耐摩工具工場
内
Fターム(参考) 4D075 AC02 AC93 BB02X BB91X
DA03
4F041 AA12 BA12 BA17
Claims (3)
- 【請求項1】 一の方向に走行する可撓性帯状支持体の
上に塗布液を塗布する塗布ヘッドを備え、前記塗布ヘッ
ドは、前記可撓性帯状支持体の走行方向に順次配置され
た少なくとも2つの部材を有し、前記部材同士の間に前
記塗布液が前記可撓性帯状支持体に向かって流通するス
ロットが形成された塗布装置の製造方法であって、 前記部材は、鉄系合金によって形成されたエッジ支持体
と、前記可撓性帯状支持体に摺接するように前記エッジ
支持体の先端部分に取り付けられる超硬合金によって形
成されたエッジ本体とを有しており、 前記部材の前記スロットを形成するスロット面に対する
研磨加工前に、前記スロット面の前記エッジ本体と前記
エッジ支持体との繋ぎ部に、前記エッジ本体が前記エッ
ジ支持体よりも一段突出するように段差を設け、その
後、前記エッジ本体側から前記エッジ支持体側に向かっ
て連続的に研磨加工を行い、これらを面一に仕上げるこ
とを特徴とする塗布装置の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の塗布装置の製造方法に
よって製造された塗布装置であって、 超硬合金にて形成された前記エッジ本体の硬さが、ロッ
クウェル硬度のAスケールで85(HRA)以上、か
つ、93(HRA)以下であるとともに、鉄系合金にて
形成された前記エッジ支持体の硬さが、ロックウェル硬
度のCスケールで30(HRC)以上であることを特徴
とする塗布装置。 - 【請求項3】 請求項1に記載の塗布装置の製造方法に
よって製造された塗布装置であって、 超硬合金にて形成された前記エッジ本体の面粗度をRy
1と表し、鉄系合金にて形成された前記エッジ支持体の
面粗度をRy2と表したときに、それぞれの差分である
Ry2−Ry1が、 0.1S≦Ry2−Ry1≦1.0S の条件式を満足することを特徴とする塗布装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001268863A JP2003071358A (ja) | 2001-09-05 | 2001-09-05 | 塗布装置および塗布装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001268863A JP2003071358A (ja) | 2001-09-05 | 2001-09-05 | 塗布装置および塗布装置の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003071358A true JP2003071358A (ja) | 2003-03-11 |
Family
ID=19094787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001268863A Withdrawn JP2003071358A (ja) | 2001-09-05 | 2001-09-05 | 塗布装置および塗布装置の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003071358A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011505245A (ja) * | 2007-12-05 | 2011-02-24 | アーテック システムズ アーゲー | 管状篩を備える篩システムおよび管状篩を備える篩システムの操作方法 |
-
2001
- 2001-09-05 JP JP2001268863A patent/JP2003071358A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011505245A (ja) * | 2007-12-05 | 2011-02-24 | アーテック システムズ アーゲー | 管状篩を備える篩システムおよび管状篩を備える篩システムの操作方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20081202 |