JP2001506923A - コーティング・ブレード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 共同回転ロール(９)で支えられた移動するペーパーウェブ(７)上にコーティング組成物を制御しながら塗布し、平らにならすコーティング・ブレード(５)である。このブレード(５)は、第１および第２の縁部分の間で第１の方向に細長いスチール・ストリップ(１３)を包含し、第１の縁部分が、ペーパーウェブ(７)に係合し、ブレードの寿命を延ばす耐摩滅摩耗性付着層(１５)を備えている。付着層(１５)とスチール・ストリップ(１３)との間に中間層(１７)が位置しており、この中間層(１７)は付着層(１５)よりも高い耐摩滅摩耗性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 コーティング・ブレード 本発明は、共同回転ロールで支えられた移動するペーパーウェブ上に制御しな がらコーティング組成物を塗布し、平らにならすコーティング・ブレードに関す る。従来の方法では、ブレードはスチール・ストリップを包含し、このストリッ プの１つの縁が耐摩耗性のコーティングまたは付着層を備え、ブレードの寿命を 延ばしている。 移動するペーパーウェブの従来のコーティングでは、通常、ペーパーの両縁に 沿った縁部は被覆なしのままである。これは、ペーパーウェブの両側部の境界線 に沿ったコーティング材料が、コーティングの境界線に沿った水分吸収度が高い ことにより境界線間のコーティング材料よりも速く乾燥することになるからであ る。コーティング材料のこのようなより速い乾燥による実際的な不利益は、コー ティング境界まわりでコーティング・ブレードがより速く摩耗し、それに対して ブレードの中間部分の摩耗がかなり遅くなるということである。これら局部的な ブレードの早期摩耗でブレードの交換が頻繁となる。コーティング・プロセスで は少ない縁摩耗でもペーパー品質を損なったり、プロセスの妨げになるので許さ れないからである。このような局部的摩耗が大きくなりすぎると、境界領域でブ レードの下に乾燥しすぎたコーティング材料が入り込み、スケーリングによって 被覆済みペーパーに損傷を与えたり、ロールの局部的な摩耗によって、下流側の ロールに損傷を与える可能性がある。スケーリングは、境界線での厚くて乾燥し たコーティングがペーパーから剥がれることによって起きる。 ペーパーウェブと係合する縁に沿ったセラミック付着層を備えたコーティング ・ブレードの使用により、通常、被覆なしのスチール・ブレードと比較してブレ ードの寿命が延びるが、摩耗度が縁領域において高くなって いるので、このブレードは交換しなければならない(たとえ、その主要部分がま だ有効であっても)。 コーティング・ブレードの局所的摩耗についてのこの問題を回避する試みがな されてきた。したがって、縁潤滑剤の塗布が、PCT出願WO95／17264に記載されて いる。ここに提起されている解決法は良好に実行できるが、すえ付けを必要とし 、監視と保守を必然的に伴う。 本発明の主目的は、移動するペーパーウェブ上にコーティング組成物を塗布す る新規なコーティング・ブレードを提供することにある。 本発明の別の目的は、スチール・ストリップと、ブレードの寿命を延ばすよう に設けた耐摩耗性のコーティングとからなるコーティング・ブレードを提供する ことにある。 本発明のまた別の目的は、サンドイッチ・デザインであり、ブレードの寿命を かなり延ばし、しかも被覆済みペーパーの高品質を維持することができるコーテ ィング・ブレードを提供することにある。 本発明のさらにまた別の目的は、耐摩耗性材料を備えていてブレードの寿命を 延ばすと共にペーパー上へのコーティングの良好な平滑化を維持し、高品質を達 成できるコーティング・ブレードを提供することにある。 本発明の別の目的は、高品質コーティングに帰する平滑化操作について要求す ることなく、中間層として高い耐摩耗性の材料を含むサンドイッチ・デザインを 有するコーティング・ブレードを提供することにある。 これらの目的ならびに以下の説明から明らかとなる他の目的のために、本発明 は、共同回転ロールで支えられた移動するペーパーウェブ上に制御しながらコー ティング組成物を塗布し、平滑化するコーティング・ブレードを提供する。本発 明によるコーティング・ブレードは、第１、第２の縁部分の間で第１の方向に長 くなっているスチール・ストリップを包含し、 第１の縁部分がペーパーウェブと係合し、そして、耐摩耗性付着層を備えていて ブレードの寿命を延ばすようになっている。このコーティング・ブレードは、付 着層とスチール・ストリップとの間に位置する中間層を有し、この中間層がコー ティングまたは付着層よりも高い耐摩耗性を有することを特徴とする。 中間層は、適切には、金属炭化物、ホウ化物、窒化物およびその複合材から選 定した材料で構成される。従来の方法では、金属炭化物は金属マトリックスに埋 め込むことができる。 中間層は、好ましくは、約50μmから約150μmまでの範囲内の厚さを有する。 中間層は、炭化物と金属からなるサーメットで構成してあってもよく、そして 、この中間層は、好ましくは、耐摩耗性付着層の耐摩耗性の２〜６倍の耐摩耗性 を有する。 中間層が炭化クロムとCr−Niで構成してあると特に好ましい。 本発明によるブレードの耐摩耗性付着層は、好ましくは、金属酸化物のような セラミックで構成される。好ましい酸化物としては、アルミナがあり、場合によ り、或る量の別の金属酸化物、たとえば酸化ジルコニウムと一緒に用いることも ある。この量は、全組成に基づいて約３重量％から約40重量％まで変化してもよ い。 耐摩耗性の付着層は、従来、約1.0〜約1.0mm、たとえば、約0.2〜約0.5mmの厚 さを有し、スチール・ストリップの平面で第１方向に対して直角の第２方向にお ける幅が約４〜約12mmとなっている。中間層の第２方向における幅が前記耐摩耗 性の付着層の幅を超えないことが好ましい。 以下、本発明を、添付図面を参照しながら非限定実施例によってさらに詳しく 説明する。図面において： 図１は、コーティング装置細部の概略平面図である。 図２Ａ、２Ｂは、図１のＡ−Ａ、Ｂ−Ｂ断面を示す。 図３は、部分Ａ（境界線またはコーティング限界）および部分Ｂにおける摩耗 率の差を示すダイアグラムである。 図４は、本発明の具体例の横断面を示す。 図５は、別の具体例の同様の横断面を示す。 図６は、本発明に従って設計したコーティング・ブレードについての部分Ａ、 Ｂにおける摩耗率差についての図３のダイアグラムに対応するダイアグラムであ る。 図１は、従来設計のコーティング装置の一部を示す従来のブレード・コーティ ング技術を示している。ブレード・ホルダ３がコーティング・ブレード５を支持 しており、このコーティング・ブレードは移動するペーパーウェブ７と係合して いる。移動方向は矢印で示してある。ペーパーウェブ７は、それと共に共同回転 するバッキング・ロール９で支えられている。 コーティング・ブレード５の上流側で、コーティング材料が図示しない塗布機 によってウェブに供給され、ブレード接触領域に入ると、コーティング材料はペ ーパーウェブ７上に均一に分布させられる。そして、それの過剰分は図示しない 方法で除去される。コーティング材料は、二重矢印ｂで示す幅にわたってペーパ ーウェブに塗布される。したがって、二重矢印ａで示すように、ペーパーがその 全幅にわたってコーティングされることはなく、ｃで示す未被覆領域がペーパー ウェブ７の縁に沿って残る。コーティング操作後、最終的にペーパーを縁に沿っ て整えてｅで示すスクラップ部分を除去する。 図１の横断面Ａ−Ａ、Ｂ−Ｂを示す図２Ａ、２Ｂにおいて、ブレードの縁部分 と中間部分との間の摩耗率の差が示してある。ウェブに塗布したコ ーティング材料の境界線まわりのブレード領域が図２Ａに示すように摩耗率がか なり高くなるという事実により、ブレードは、たとえ図２Ｂに対応するブレード の主要部分の摩耗が非常に低い、典型的には全厚さの約５〜約20％であっても、 交換しなければならない。このことは、図１に示すように部分Ａのみが過剰に摩 耗していて、部分Ｂはまだ有効であっても、ブレードを新しいブレードに交換し なければならないことを意味している。 図３は、ブレード先端でのブレード厚さのパーセンテイジを時間に対してプロ ットした摩耗程度を示すダイアグラムを示している。縦座標はセラミック、スチ ールの全厚さを100％として示しており、横座標は摩耗時間を示している。曲線 Ａは図１の部分Ａの摩耗に対応しており、曲線Ｂはブレードの中間部分Ｂの摩耗 を反映している。曲線Ａからわかるように、摩耗がスチール・ストリップまで達 する時間（ts）は比較的短く、その後、摩耗が急速に進む。 図４、５は、本発明によるブレードの具体例を通る横断面を示している。図４ のブレードは、移動するペーパーウェブに面する縁に沿って開先を有するスチー ル・ストリップ１３を包含する。この開先に沿って、中間層１７が、たとえば、 プラズマ溶射、HVOF溶射（高速酸素燃料）その他の適当な溶着技術によって塗布 してある。この中間層は、タングステン・カーバイド−コバルトまたはクロム・ カーバイド−ニッケル・クロムからなると好ましい。この中間層は、約75％〜約 96％の範囲内でカーバイド成分を有すると好ましい。 中間層１７の上面には、セラミックの付着層１５が、たとえば、プラズマ溶射 、HVOF溶射などで塗布してあり、この付着層１５は、スチール・ストリップ1３ の表面に沿って中間層１７を越えて延びている。セラミック付着層１５は、従来 、場合により、酸化ジルコニウムと共に金属酸化物あ るいは金属酸化物の混合物、たとえばアルミナからなる。 図５は、本発明によるコーティング・ブレードの別の具体例を示している。こ の具体例においては、中間層１７は、セラミック付着層１５とスチール・ストリ ップ１３との間の空間内へさらに延びている。第５図による具体例においては、 中間層１７は、セラミック付着層１５とほぼ同一の広がりを有する。 図６において、図３のダイアグラムに対応するダイアグラムが示してある。こ こで再び、縦座標は図４、５によるブレード断面の全厚みを100％として示して いる。この場合、中間層１７のより高い耐摩耗性のために、摩滅がスチール・ス トリップに達する時間（ts）がかなり長くなり、したがって、ブレードは交換前 にそれ相応に長い時間にわたって使用できる。 本発明によれば、高品質コーティングを維持しながらコーティング・ブレード の寿命をかなり延ばすことができる。ここに開示したサンドイッチ・デザインは 上記の具体例に限らず、中間層が耐摩耗性付着層よりも高い耐摩耗摩滅性を有す るということだけが必要である。したがって、本発明は請求の範囲におけるその 定義によってのみ限定される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，Ｍ Ｗ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ ，ＡＴ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ， ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｅ，ＤＫ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＩ，ＧＢ ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ， ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，Ｌ Ｒ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ， ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，Ｔ Ｍ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ ，ＺＷ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．共同回転ロール(９)で支えられた移動するペーパーウェブ(７)上にコーティ ング組成物を制御しながら塗布し、平らにならすコーティング・ブレード(５)で あって、このブレード(５)が、第１および第２の縁部分の間で第１の方向に細長 いスチール・ストリップ(１３)を包含し、第１の縁部分が、ペーパーウェブ(７) に係合し、ブレードの寿命を延ばす耐摩滅摩耗性コーティングまたは付着層(１ ５)を備えているコーティング・ブレードにおいて、付着層(１５)とスチール・ ストリップ(１３)との間に位置する中間層(１７)を包含し、この中間層(１７)が 付着層(１５)よりも高い耐摩滅摩耗性を有することを特徴とするコーティング・ ブレード。 ２．中間層(１７)が、金属炭化物、ホウ化物、窒化物およびそれの複合物から選 んだ材料からなり、金属炭化物は場合により金属マトリックス内に埋め込まれて いることを特徴とする請求項１記載のコーティング・ブレード。 ３．中間層(１７)が、ブレードの先端で、約50μmから約150μmの範囲内の厚さ を有することを特徴とする請求項１または２記載のコーティング・ブレード。 ４．中間層(１７)が、炭化物と金属とからなるサーメットであることを特徴とす る請求項１〜３のいずれか一項記載のコーティング・ブレード。 ５．中間層(１７)が、付着層の耐摩滅摩耗性の２〜６倍も高い耐摩滅摩耗性を有 する材料によって構成してあることを特徴とする請求項４記載のコーティング・ ブレード。 ６．中間層(１７)が、クロム炭化物およびCr−Niによって構成してあることを特 徴とする請求項５記載のコーティング・ブレード。 ７．付着層(１５)が、金属酸化物によって構成してあることを特徴とする請求項 １〜６のいずれか一項記載のコーティング・ブレード。 ８．付着層(１５)が、実質的にアルミナからなることを特徴とする請求項７記載 のコーティング・ブレード。 ９．付着層(１５)が、アルミナと或る量の別の金属酸化物によって構成してある ことを特徴とする請求項８記載のコーティング・ブレード。 10．別の金属酸化物が、酸化ジルコニウムであることを特徴とする請求項９記載 のコーティング・ブレード。 11．付着層(１５)が、約0.1〜約1.0mm、たとえば、約0.2〜約0.5mmの厚さを有し 、第１の方向に対して直角の第２の方向においてスチール・ストリップの平面に おける幅が約４〜約12mmであることを特徴とする請求項１〜１０のいずれか一項 記載のコーティング・ブレード。 12．中間層(１７)が約50〜約150μmの厚さを有することを特徴とする請求項１１ 記載のコーティング・ブレード。 13．スチール・ストリップが、約0.3〜約0.6mmの厚さを有することを特徴とする 請求項１１または１２記載のコーティング・ブレード。 14．中間層(１７)が、第２の方向において付着層の幅を超えない幅を有すること を特徴とする請求項１〜１３のいずれか一項記載のコーティング・ブレード。