JP2003070645A - 過熱蒸気による食品類加工装置及び方法 - Google Patents

過熱蒸気による食品類加工装置及び方法

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JP2003070645A
JP2003070645A JP2001270897A JP2001270897A JP2003070645A JP 2003070645 A JP2003070645 A JP 2003070645A JP 2001270897 A JP2001270897 A JP 2001270897A JP 2001270897 A JP2001270897 A JP 2001270897A JP 2003070645 A JP2003070645 A JP 2003070645A
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superheated steam
foods
steam
food
heating
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JP2001270897A
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Taizo Kawamura
泰三 川村
Yoshitaka Uchibori
義隆 内堀
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Seta Giken KK
Original Assignee
Seta Giken KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食品の本来有する旨味が非常に強調され、ま
ろやかな食品に加工する。 【解決手段】 水を加熱して水蒸気とする加熱部2(第
1加熱部)と、水蒸気を電磁誘導加熱により過熱蒸気と
する電磁誘導加熱部3(第2加熱部)と、電磁誘導加熱
部3からの過熱蒸気を、無機材料に通過させる添加部4
と、添加部4を通過した過熱蒸気にて食品類を加工する
缶体5(食品類加工部)と、を備えてなる過熱蒸気によ
る食品類加工装置1とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比較的高温の過熱
蒸気を用いて食品類を加工処理する過熱蒸気による食品
類加工装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】過熱蒸気による食品類加工装置として、
特開平11−108301号公報には、水を加熱して形
成された過熱蒸気のみで満たされた釜内で、肉や野菜の
蒸し焼き等を行う食品類加工装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の構成であると、
食品の本来有する旨味が強調され、まろやかな食品に加
工できるものであることが知られている。
【0004】本発明は、この種の装置を使用して、処理
温度や処理速度等々を変化させ、食品の持つ旨味の研究
を進める傍ら、処理に使用する過熱蒸気を前処理するこ
とで、食品に与える影響に変化は生じないかと問い、試
験・研究を重ねた結果生まれたものであって、従来装置
に比し、食品の本来有する旨味がより強調され、非常に
まろやかな食品に加工する新たな食品類加工装置及び方
法を得たものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の過熱蒸
気による食品類加工装置は、水を加熱して水蒸気とする
第1加熱部と、前記水蒸気を過熱蒸気とする第2加熱部
と、前記第2加熱部からの前記過熱蒸気を、ミネラルを
含む材料を通過させる添加部と、前記添加部を通過した
前記過熱蒸気にて食品類を加工する食品類加工部と、を
備えてなるものである。
【0006】上記の構成によると、食品が加工される食
品加工部に供給される過熱蒸気がミネラルを含む材料を
通過する時、過熱蒸気が高温であるため材料に含まれる
ミネラルは溶出すると考えられる。ミネラルを含む過熱
蒸気により、食品はミネラルを含む食品に加工されると
考えられ、食品類は、食品の本来有する旨味が非常に強
調され、まろやかな食品に加工される。なお、カルシウ
ム、マグネシウム等のミネラルを多く含む材料として
は、例えば鉱石類、炭化物、塩等が用いられる。
【0007】請求項2に記載の過熱蒸気による食品類加
工装置は、請求項1において、前記第2加熱部が、電磁
誘導加熱によるものである。
【0008】上記の構成によると、電磁誘導加熱により
過熱蒸気とされるため、過熱蒸気は非常に活性化される
と考えられる。そのため、ミネラルはより溶出され、食
品類は、食品の本来有する旨味が非常に強調され、まろ
やかな食品に加工される。
【0009】請求項3に記載の過熱蒸気による食品類加
工装置は、請求項2において、電磁誘導加熱による前記
第2加熱部は、磁力線を横切る斜め配置の板部材を有
し、前記板部材を組み合わせて多数の規則的な流体通路
が形成された導電性材料の積層構造体と、前記積層構造
体を内部に有するパイプ部材と、前記パイプ部材に巻回
された励磁コイルとから構成されるものである。
【0010】上記の構成によると、積層構造体により、
高電流が流れると共に高磁力線が通過する広大な伝熱面
積に接触して加熱でき、磁化及びイオン化による活性化
された過熱蒸気を得ることができる。そのため、材料中
のミネラルが効率よく溶出すると考えられ、食品類は、
食品の本来有する旨味が非常に強調され、まろやかな食
品に加工される。
【0011】請求項4に記載の過熱蒸気による食品類加
工装置は、請求項3において、前記積層構造体は、前記
パイプ部材の軸心と交差する方向の多数の小通路が形成
されたものである。
【0012】上記の構成によると、小通路を通過する過
熱蒸気が拡散、放散、輝散されるため、磁化及びイオン
化による活性化された過熱蒸気が均一になると共に、温
度分布も均一になる。そのため、食品類は、食品の本来
有する旨味が非常に強調され、まろやかな食品に加工さ
れる。
【0013】請求項5に記載の過熱蒸気による食品加工
装置は、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記材料
が、高温になると遠赤外線を放射する無機材料であるも
のである。
【0014】上記の構成によると、過熱蒸気が高温であ
るため、材料は遠赤外線を放射する。遠赤外線を放射す
る材料内を通過した過熱蒸気により加工されると、食品
類は、食品の本来有する旨味が非常に強調され、まろや
かな食品に加工される。
【0015】請求項6に記載の過熱蒸気による食品類加
工方法は、第1加熱部にて水の蒸発を行う工程と、第2
加熱部にて、蒸発した水を過熱蒸気とする工程と、前記
過熱蒸気を、ミネラルを含む材料に通過させる工程と、
前記ミネラルを含む材料を通過した前記過熱蒸気にて食
品類を加工する工程と、を有するものである。
【0016】上記の構成により、水を水蒸気とし、更に
過熱蒸気とし、該過熱蒸気を、ミネラルを含む材料を通
過させるため、過熱蒸気にはミネラルが溶出するものと
考えられる。そのため、食品類は、食品の本来有する旨
味が非常に強調され、まろやかな食品に加工される。
【0017】請求項7に記載の過熱蒸気による食品類加
工方法は、請求項6において、前記第2加熱部にて、蒸
発した水を過熱蒸気とする工程が、電磁誘導加熱による
ものである。
【0018】上記の構成によると、電磁誘導加熱により
過熱蒸気とされるため、過熱蒸気は非常に活性化される
と考えられる。そのため、ミネラルはより溶出され、食
品類は、食品の本来有する旨味が非常に強調され、まろ
やかな食品に加工される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
好適な実施の形態を説明する。図1は、本発明を用いた
食品類加工装置1を示す模式図である。
【0020】図1に示す食品類加工装置1は、水を水蒸
気とする加熱部2(第1加熱部)と、水蒸気を過熱蒸気
とする電磁誘導加熱部3(第2加熱部)と、添加部4
と、缶体5(食品類加工部)と、ローラ31a及びロー
ラ31bに掛け渡されたコンベア6と、制御部7と、で
構成される。
【0021】加熱部2は、水を水蒸気にするためのもの
であればよく、周知のボイラー等が用いられる。
【0022】電磁誘導加熱部3は、パイプ部材11内
に、図3及び図4で示す積層構造体12が収納され、パ
イプ部材11に励磁コイル13が巻回されたものであ
る。パイプ部材11は耐熱性、耐蝕性及び耐圧性に優れ
たセラミック等の非磁性材料によりパイプ状に形成され
たものである。パイプ部材11内に収納された積層構造
体12は、励磁コイル13により発生する磁界変化によ
り発熱する金属等の導電性材料により多数の小通路を形
成したものである。
【0023】加熱部2と、電磁誘導加熱部3とは、直列
に接続されている。電磁誘導加熱部3からの過熱蒸気
は、流量調整用の電磁弁21を経て上側蒸気吹き出し部
8に至るラインと、流量調整用の電磁弁22を経て下側
蒸気吹き出し部9に至るラインと、分岐して供給され
る。また、上下の蒸気吹き出し部8、9を前半部と後半
部の様にコンベア6の長手方向に2部分以上とし、各部
分毎に流量調整用の電磁弁を介して過熱蒸気の供給量を
調整し、低温、中温、高温の様に、各部分の温度を変え
る構成とすることが好ましい。
【0024】添加部4は、図2に示すように、過熱蒸気
が通過するパイプ51と、パイプ51とパイプ53とを
連結する継手52と、無機材料55を収納するパイプ5
3と、パイプ53内を仕切る網目54と、で構成されて
いる。
【0025】パイプ51は、電磁誘導加熱部3からの過
熱蒸気を添加部4に送り込み、添加部4を通過した過熱
蒸気を缶体5に送出する。パイプ53は、耐熱性、耐蝕
性及び耐圧性に優れた材料により形成された、パイプ5
1よりもやや大きい径を有する円筒形状のものである。
継手52は、パイプ53の両側に設けられており、パイ
プ51とパイプ53とを連結するものである。継手52
の径は、パイプ51の径からパイプ53の径に漸増す
る。この形状により、過熱蒸気はスムーズに添加部4を
通過し、過熱蒸気のエネルギーロスが少ない。網目54
は、パイプ53内の両端近傍に取り外し可能に設けられ
ており、パイプ53内を3室に仕切っている。パイプ5
3の網目54に両端を挟まれた室内に、無機材料55が
充填される。無機材料55は、粒状、又は砂状である。
表面積が大きい方が、ミネラルを溶出する効果が大きい
と考えられるため、過熱蒸気の通過を妨げない程度に、
粒径は小さい方が好ましい。また、過熱蒸気が通過する
経路が長いものとすれば、より無機材料内のミネラルが
溶出するのではないかと考えられる。
【0026】パイプ53内の一端の近傍に網目54を取
付け、無機材料55を充填してから、他端の近傍に網目
54を取付ける。両側の網目54の間に無機材料55が
充填された状態で、パイプ53は継手によりパイプ51
に設置される。添加部4は、交換可能であり、本実施形
態の形状に限定されない。例えば、径の小さいパイプを
取付けるものとすれば、添加部内部の圧力は高まり、無
機材料のミネラルがより溶出するのではないかと考えら
れる。
【0027】なお、添加部4のパイプ53内部に収納さ
れるのは、無機材料55には限らず、ミネラルを含むも
のであればよい。例えば、備長炭、木炭、竹炭、活性炭
等の炭化物や、塩等でもよい。また、ミネラルを含むと
ともに、高温により遠赤外線を放射するものであれば、
食品類が、食品の本来有する旨味が非常に強調され、ま
ろやかな食品に加工される効果が更に向上するものと考
えられる。
【0028】缶体5は、コンベア6の上側の走行ライン
の中程を上下の対で覆う箱体で形成されている。コンベ
ア6が入る側の缶体5の端に、コンベア6に載った食品
類が通過できる程度の開口となった入口部5aが設けら
れ、コンベア6が出る側の缶体5の端に、コンベア6に
載った食品が通過できる程度の開口となった出口部5b
が設けられている。この入口部5a及び出口部5bに
は、短冊状に切り刻まれて垂下するアルミ箔又はステン
レス箔によるフレキシブルなカーテン59、60が取付
けられている。食品類は、カーテン59、60を押し上
げて通過可能である。
【0029】缶体5に収納された、コンベア6の上側に
位置する上側蒸気吹き出し部8は、コンベア6の走行方
向に沿って配置された管62の下方に多数の蒸気吹き出
し孔63を開口させたものである。缶体5に収納され
た、コンベア6の下方に位置する下側吹き出し部9は、
コンベア6の走行方向に沿って配置された管64の上方
に多数の蒸気吹き出し孔65を開口させたものである。
蒸気吹き出し孔63はコンベア6の幅方向の左右に振り
分けられており、食品の上面に過熱蒸気を直接吹き付け
る。蒸気吹き出し孔65もコンベア6の幅方向の左右に
振り分けられており、食品の下面にコンベア6の網目を
介して過熱蒸気を直接吹き付ける。
【0030】上側蒸気吹き出し部8を更に上から覆うよ
うに、上側の反射板23が設けられている。また、下側
蒸気吹き出し部9を更に下側から覆うように、下側の反
射板24も設けられている。この上下の反射板23、2
4は、上下の蒸気吹き出し部8、9と略同じ長さを有す
るとともに、コンベア6と略同じ長さを有する。この上
下の反射板23、24は、過熱蒸気からの輻射熱をコン
ベア6の側に反射させる機能を有する。この反射板2
3、24に、遠赤外線を放射する材質を選択すると、食
品類の遠赤外線による内部加熱も可能になる。
【0031】上下の蒸気吹き出し部8、9の長さ方向に
適宜間隔を隔てて、コンベア6に向けて水を噴射するノ
ズル等の水付与装置25、26が設けられている。この
水付与装置25、26からの水は、常温から60℃まで
位の適宜温度を有する。過熱蒸気によって、食品類の表
面が急速加熱される。表面が100℃以上になると、蒸
気の凝縮が起こらず、過熱蒸気による加熱だけが作用す
るようになる。ただし、食品類の表面だけが加熱され、
内部は加熱不十分である場合、食品類の表面を水で濡ら
して100℃以下に落とすと、過熱蒸気の凝縮を伴う急
速加熱が回復する。この水のシャワリングを数回繰り返
すと、食品類の内部に至る加熱が効率的に行われる。
【0032】コンベア6は、ステンレス線材で網目を形
成し、エンドレスの帯状にしたものである。網目の上に
食品類が直接又は間接的に載ることができ、流体透過性
の網目を通して蒸気が上下方向に通過することができ
る。このコンベア6は、駆動ローラ31aと、従動ロー
ラ31bとの間で掛け渡されている。駆動ローラ31a
は、モータ14及び減速機13を介して駆動される。従
動ローラ31bは、テンショナー15で軸方向に移動可
能であり、コンベア6に所定の張力を付与する。
【0033】制御部7は、缶体5内の適所に配設された
温度センサーからの入力を受け、電磁誘導加熱部3に対
して電磁誘導加熱による過熱蒸気の温度制御を行い、加
熱部2に対して水蒸気発生量の制御を行うように構成さ
れている。これにより、所定温度で所定量の過熱蒸気が
缶体5に送り込まれる。また、缶体5内をコンベア6の
長手方向に2以上の部分に分割した場合、各部分毎に水
蒸気発生量と過熱蒸気温度の制御を行うことが望まし
い。
【0034】また、上下の蒸気吹き出し部8、9とコン
ベア6との間隔を、入口側で大きくし、出口側で小さく
することにより、全体として出口側から入口側へ向かう
蒸気の流れを形成することができる。また、上下の蒸気
吹き出し部8、9をコンベア6と平行に設け、蒸気吹き
出し孔63、64の配列ピッチを、入口側で密にし、出
口側で粗にすることにより、全体として出口側から入口
側に向かう蒸気の流れを形成することができる。
【0035】図3及び図4は、電磁誘導加熱部3におい
て用いられる積層構造体12を示す。図4の如く、ジグ
ザグの山型に折り曲げられた第1金属板531と、平た
い第2金属板532とを交互に積層し、全体として円筒
形の積層体に形成したものである。この第1金属板53
1や、第2金属板532の材質としては、マルテンサイ
ト系ステンレスが用いられる。
【0036】図4に示されるように、第1金属板531
の山(又は谷)533は、中心軸534に対して角度α
だけ傾くように配設され、第2金属板532を挟んで隣
り合う第1金属板531の山(又は谷)533は交差す
るように配設されている。そして、隣り合う第1金属板
531における山(又は谷)533の交差点において、
第1金属板531と、第2金属板532とがスポット溶
接で溶着され、電気的に導通可能に接合されている。
【0037】結局、手前側の第1金属板531と第2金
属板532との間には、角度αだけ傾いた第1小流路5
35が形成され、第2金属板532と奥側の第1金属板
531との間には、角度−αだけ傾いた第2小流路53
6が形成され、この第1小流路535と第2小流路53
6は角度2×αで交差している。また、第1金属板53
1や第2金属板532の表面には、流体の乱流を生じさ
せるための第3小流路としての孔537が設けられてい
る。更に、第1金属板531や第2金属板532の表面
は平滑ではなく、梨地加工又はエンボス加工によって微
小な凹凸538が施されている。この凹凸538は山
(又は谷)533の高さに比較して無視できる程度に小
さい。
【0038】励磁コイル13に高周波電流を流して、積
層構造体12内に高周波磁界を作用させると、第1金属
板531と第2金属板532の全体に渦電流が生じ、積
層構造体12が発熱する。このときの温度分布は、第1
金属板531と第2金属板532の長手方向に延びた目
玉型となり、周辺部より中心部の方が発熱し、中央部を
流れようとする水又は水蒸気の加熱に有利になってい
る。
【0039】また、図4に示すように、積層構造体12
には、交差する第1小流路533と、第2小流路536
とが形成され、周辺と中央との拡散が行われ、加えて第
3小流路を形成する孔537の存在によって、第1小流
路535と第2小流路536間の厚み方向の拡散も行わ
れる。従って、これらの小流路535、536、537
によって積層構造体12の全体にわたる水又は水蒸気の
マクロ的な分散、放散、輝散が生じる。加えて、表面の
微小な凹凸538によってミクロ的な拡散、放散、輝散
も生じる。その結果、積層構造体12を通過する水又は
水蒸気は略均一な流れになって、第1金属板531及び
第2金属板532と流体との均一な接触機会が得られ
る。その結果、水又は水蒸気の均一な加熱が確保され
る。
【0040】ところで、金属板531、532の厚みが
30ミクロン以上1mm以下であり、高周波電流発生器
による高周波電流の周波数が15kHz〜150kHzの範
囲にあるものが好ましい。金属板の厚みが30ミクロン
以上1mm以下であると、電力が入り易く、又伝熱面積
を大きくとるための波形等の加工による小流路の確保が
容易になる。また、使用する周波数が15kHz〜150
kHzの範囲であると、励磁コイルの銅損や、スイッチン
グ素子の損失を防止できる。特に、損失が少ない周波数
帯としては、20kHz〜70kHzである。また、積層構
造体12の1cm3当たりの伝熱面積が、2.5cm2
上であるものが好ましい。積層構造体12の1cm3
たりの表面積が、2.5cm2、より好ましくは5cm2
以上になるように金属板を積層すると、熱交換の効率を
上げることができる。また、積層構造体12の表面積1
cm2当たりで加熱すべき流体量が、0.4cm3以下で
あるものが好ましい。積層構造体12の表面積1cm2
当たりの流体量を0.4cm3以下、より好ましくは
0.1cm3以下にすると、流体に対する伝熱の急速応
答性が得られる。
【0041】上述した構造の積層構造体12による加熱
においては、電気エネルギーから熱エネルギーへの変換
効率が極めて高いことが確認されている。例えば、10
0mm径、長さ200mm、表面積2.2m2〜6.2
2の積層構造体12を用いた場合、流体の膜厚(1c
3当たりの水膜量)が0.5mm〜0.2mmと極め
て薄膜状であり、積層構造体12を構成する金属板53
1、532も薄いため、温度差も極めて小さく、熱伝達
を素早く促進できる。従って、特に電磁誘導加熱部3が
コンパクトであっても、大量の過熱蒸気を発生させるこ
とが可能になる。
【0042】また、積層構造体12には高電流が複雑に
流れるとともに、磁力線も複雑に通っている。この状態
の積層構造体12の広大な面積に過熱蒸気が触れること
で熱交換されるため、純粋なる過熱蒸気ではなく、イオ
ン化又は磁化され、食品に対する活性力が高まった過熱
蒸気になっていると想定される。更に、その状態でミネ
ラルを多く含む材料を通過するため、ミネラルは溶出
し、ミネラルを多く含む過熱蒸気となって、食品が加工
される。
【0043】このようにして得られた過熱蒸気を缶体5
内に導入する。缶体5内に充満した過熱蒸気により、缶
体5内の空気が追い出され、過熱蒸気だけで空気が存在
しない状態になる。また、缶体5内は、外気は入らない
ものの内部の過熱蒸気が僅かに漏れる程度の構造になっ
ているため、大気圧付近での作動になる。
【0044】上述した食品類加工装置1による食品類の
加工を以下に説明する。食品類は、コンベア6の駆動側
からの繋ぎのコンベア、又はロボットアームを介して供
給される。コンベア6に載った食品類は、入口部5aを
経て缶体5内に導入される。缶体5内のコンベア6の上
下から所定温度の過熱蒸気が長手方向に途切れることな
く供給されている。そのため、食品類は搬送途中に順次
加熱される。表面が100℃以下の状態であると、過熱
蒸気は表面で凝縮し、大量の凝縮熱を放出する。周りは
高温の過熱蒸気が充満しているため、表面の水分はすぐ
に蒸発し、過熱蒸気からの熱量の補給が絶え間なく行わ
れる。また、食品類は、反射板23、24からの輻射熱
又は遠赤外線による加熱作用も受ける。
【0045】食品類の表面が100℃以上になると、過
熱蒸気からの直接の熱伝達と輻射熱の過熱だけになる。
表面だけが100℃以上であって、表面からすぐ下が1
00℃以内の場合、水付与装置25、26からの局部的
なシャワリングにより、食品類の表面温度を100℃以
下に下げ、内外の温度の均一化を行う。この状態で、更
に過熱蒸気を作用させると、表面の凝縮熱による急速加
熱が行われる。この水付与装置25、26からの水のシ
ャワリングを繰り返すことにより、食品類の内部加熱も
急速に行われる。
【0046】缶体5内は過熱蒸気が充満しており、空気
が存在しない状態であるため、食品類は酸化の作用を受
けることがなく、色調改善特性、ドリップを少なくする
収率改善特性、表面改善特性が効果的に行われる。
【0047】なお、本実施形態例において、食品類加工
部は缶体5とし、缶体5内に食品類が載せられたコンベ
ア6が通過するものとしたが、食品類加工部はこの形態
に限定されるものではなく、食品類が過熱蒸気により加
工されるようになっていればどんな形状でもよい。例え
ば、振動コンベアや、ロータリーキルン等が用いられて
もよい。
【0048】また、本実施形態例において、第2加熱部
が電磁誘導加熱によるものであったが、水蒸気を100
℃以上に加熱して過熱蒸気とすればよく、ボイラー等を
用いることも可能である。
【0049】
【実施例】本発明の具体的な実施例を以下に説明する。
ただし、本発明は以下の実施例に限定されない。以下の
実施例では、図1の食品類加工装置1を用い、積層構造
体12の1cm2辺りの過熱蒸気量を0.1cm3のもの
を用いた。
【0050】(実施例1)本実施形態の食品加工装置1
において、添加部4の箱体の内部に、岩ショウ岩を充填
した。コンベア6上には塩を載せ、缶体5内で過熱蒸気
により加工をした。
【0051】(実施例2)本実施形態の食品加工装置1
において、添加部4の箱体の内部に、備長炭を充填し
た。コンベア6上には塩を載せ、缶体5内で過熱蒸気に
より加工をした。
【0052】(比較例)本実施形態の食品加工装置1に
おいて、添加部4を設けなかった。コンベア6上には塩
を載せ、缶体5内で過熱蒸気により加工をした。
【0053】実施例1及び実施例2では、ミネラルを含
む材料を通過した過熱蒸気で食品を加工することで、塩
の本来有する旨味が非常に強調され、甘味さえ感ずる角
のないまろやかな味になった。また、比較例では、塩の
本来有する旨味が強調され、まろやかな味になったが、
実施例ほどではなかった。これにより、過熱蒸気を、ミ
ネラルを含む材料を通過させてから食品を加工すると、
食品類の本来有する旨味が非常に強調され、まろやかな
味になると言える。
【0054】
【発明の効果】請求項1の構成によると、食品が加工さ
れる食品加工部に供給される過熱蒸気がミネラルを含む
材料を通過する時、過熱蒸気が高温であるため材料に含
まれるミネラルは溶出すると考えられる。ミネラルを含
む過熱蒸気により、食品はミネラルを含む食品に加工さ
れると考えられ、食品類は、食品の本来有する旨味が非
常に強調され、まろやかな食品に加工される。なお、カ
ルシウム、マグネシウム等のミネラルを多く含む材料と
しては、例えば鉱石類、炭化物、塩等が用いられる。
【0055】請求項2に構成によると、電磁誘導加熱に
より過熱蒸気とされるため、過熱蒸気は非常に活性化さ
れると考えられる。そのため、ミネラルはより溶出さ
れ、食品類は、食品の本来有する旨味が非常に強調さ
れ、まろやかな食品に加工される。
【0056】請求項3の構成によると、積層構造体によ
り、高電流が流れると共に高磁力線が通過する広大な伝
熱面積に接触して加熱でき、磁化及びイオン化による活
性化された過熱蒸気を得ることができる。そのため、材
料中のミネラルが効率よく溶出すると考えられ、食品類
は、食品の本来有する旨味が非常に強調され、まろやか
な食品に加工される。
【0057】請求項4の構成によると、小通路を通過す
る過熱蒸気が拡散、放散、輝散されるため、磁化及びイ
オン化による活性化された過熱蒸気が均一になると共
に、温度分布も均一になる。そのため、食品類は、食品
の本来有する旨味が非常に強調され、まろやかな食品に
加工される。
【0058】請求項5の構成によると、過熱蒸気が高温
であるため、材料は遠赤外線を放射する。遠赤外線を放
射する材料内を通過した過熱蒸気により加工されると、
食品類は、食品の本来有する旨味が非常に強調され、ま
ろやかな食品に加工される。
【0059】請求項6の構成によると、水を水蒸気と
し、更に過熱蒸気とし、該過熱蒸気を、ミネラルを含む
材料を通過させるため、過熱蒸気にはミネラルが溶出す
るものと考えられる。そのため、食品類は、食品の本来
有する旨味が非常に強調され、まろやかな食品に加工さ
れる。
【0060】請求項7の構成によると、電磁誘導加熱に
より過熱蒸気とされるため、過熱蒸気は非常に活性化さ
れると考えられる。そのため、ミネラルはより溶出さ
れ、食品類は、食品の本来有する旨味が非常に強調さ
れ、まろやかな食品に加工される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例の食品類加工装置1の模式
図である。
【図2】本発明の実施形態例の食品類加工装置1の添加
部4の側面図である。
【図3】実施形態例の食品類加工装置1の電磁誘導加熱
部3で用いられる積層構造体12の斜視図である。
【図4】実施形態例の食品類加工装置1の電磁誘導加熱
部3で用いられる積層構造体12の組立図である。
【符号の説明】
1 食品類加工装置 2 加熱部(第1加熱部) 3 電磁誘導加熱部(第2加熱部) 4 添加部 5 缶体(食品類加工部) 6 コンベア 7 制御部 8 上側蒸気吹き出し部 9 下側蒸気吹き出し部 11 パイプ本体 12 積層構造体 13 励磁コイル 14 モータ 15 減速機 16 テンショナー 21 電磁弁 22 電磁弁 23 反射板 24 反射板 25 水付与装置 26 水付与装置 31a ローラ 31b ローラ 59 カーテン 60 カーテン 62 管 63 蒸気吹き出し孔 64 管 65 蒸気吹き出し孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K059 AA08 AB28 4B035 LC01 LP03 LT02 4B054 AA17 AB03 BA02 BA10 CG01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を加熱して水蒸気とする第1加熱部
    と、 前記水蒸気を過熱蒸気とする第2加熱部と、 前記第2加熱部からの前記過熱蒸気を、ミネラルを含む
    材料を通過させる添加部と、 前記添加部を通過した前記過熱蒸気にて食品類を加工す
    る食品類加工部と、を備えてなる過熱蒸気による食品類
    加工装置。
  2. 【請求項2】 前記第2加熱部が、電磁誘導加熱による
    ことを特徴とする請求項1に記載の過熱蒸気による食品
    類加工装置。
  3. 【請求項3】 電磁誘導加熱による前記第2加熱部は、
    磁力線を横切る斜め配置の板部材を有し、前記板部材を
    組み合わせて多数の規則的な流体通路が形成された導電
    性材料の積層構造体と、 前記積層構造体を内部に有するパイプ部材と、 前記パイプ部材に巻回された励磁コイルとから構成され
    る請求項2に記載の過熱蒸気による食品類加工装置。
  4. 【請求項4】 前記積層構造体は、前記パイプ部材の軸
    心と交差する方向の多数の小通路が形成されたものであ
    る請求項3に記載の過熱蒸気による食品類加工装置。
  5. 【請求項5】 前記材料が、高温になると遠赤外線を放
    射する無機材料である請求項1〜4のいずれかに記載の
    過熱蒸気による食品類加工装置。
  6. 【請求項6】 第1加熱部にて水の蒸発を行う工程と、 第2加熱部にて、蒸発した水を過熱蒸気とする工程と、 前記過熱蒸気を、ミネラルを含む材料に通過させる工程
    と、 前記ミネラルを含む材料を通過した前記過熱蒸気にて食
    品類を加工する工程と、を有する過熱蒸気による食品類
    加工方法。
  7. 【請求項7】 前記第2加熱部にて、蒸発した水を過熱
    蒸気とする工程が、電磁誘導加熱によることを特徴とす
    る請求項6に記載の過熱蒸気による食品類加工方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005185157A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Sharp Corp 分離方法および分離機
KR100642090B1 (ko) 2004-11-10 2006-11-10 서강인 식품 증숙시스템
CN104855748A (zh) * 2015-06-03 2015-08-26 广西宁明正珠食品进出口有限公司 一种蒸煮装置
KR102159193B1 (ko) * 2020-06-05 2020-09-23 윤지홍 과열증기발생부가 내장된 과열증기 조리기

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