JP2003070209A - ブラシ装置 - Google Patents

ブラシ装置

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JP2003070209A
JP2003070209A JP2001258993A JP2001258993A JP2003070209A JP 2003070209 A JP2003070209 A JP 2003070209A JP 2001258993 A JP2001258993 A JP 2001258993A JP 2001258993 A JP2001258993 A JP 2001258993A JP 2003070209 A JP2003070209 A JP 2003070209A
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brush
commutator
potential side
side brush
magnetic pole
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JP2001258993A
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English (en)
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Takeshi Tanaka
猛 田中
Seiya Yokoyama
誠也 横山
Kazumitsu Moriya
和満 守屋
Yasuhide Ito
靖英 伊藤
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Asmo Co Ltd
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Asmo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動速度を切り替え可能な直流モータのブラシ
装置において、選択されていない高電位側ブラシによる
短絡を抑制し、整流不良を防止することができるブラシ
装置を提供する。 【解決手段】ブラシ装置4は、低電位側ブラシ5と、低
速用高電位側ブラシ6と、高速用高電位側ブラシとを備
える。低電位側ブラシ5は、低電位側電源に接続され
る。低速用高電位側ブラシ6と高速用高電位側ブラシ7
とは、いずれかが選択されて高電位側電源に接続され
る。高速用高電位側ブラシ7には永久磁石16が設けら
れ、ブラシホルダ12には電磁石13が固定される。電
磁石13を構成する鉄心14の端部14a,14bは、
高速用高電位側ブラシ7の側方に配置されるとともに、
永久磁石16の磁極端に対してコンミテータ3の径方向
にオフセットした位置に配置される。高速用高電位側ブ
ラシ7は電磁石13と永久磁石16の吸引反発力にてコ
ンミテータ3に接触/非接触される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動速度を切り替
え可能な直流モータにおけるブラシをモータのコンミテ
ータに当接させるブラシ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両ワイパ装置等には駆動速度を
切り替え可能な直流モータが用いられている。このよう
な直流モータは、図5に示すように、コンミテータ(整
流子)51と、低電位側ブラシ52と、低速用高電位側
ブラシ53と、高速用高電位側ブラシ54とを備えてい
る。コンミテータ51は、図示しないモータケースに支
持された回転軸55に固定され、その外周に円形に並設
された複数のセグメント(整流子片)56を備えてい
る。この隣り合うセグメント56間には、図示しない電
機子コアに巻装された巻線コイルがそれぞれ接続され
る。
【0003】低電位側ブラシ52は、所定角度位置でコ
ンミテータ51(セグメント56)と接触するようにブ
ラシホルダ57に収容保持されている。低速用高電位側
ブラシ53は、低電位側ブラシ52に対して180度間
隔の位置でコンミテータ51と接触するようにブラシホ
ルダ58に収容保持されている。高速用高電位側ブラシ
54は、低電位側ブラシ52に対して180度未満間隔
(図5中、約120度間隔)の位置でコンミテータ51
と接触するようにブラシホルダ59に収容保持されてい
る。
【0004】低電位側ブラシ52は、低電位側電源(グ
ランド)に接続される。低速用高電位側ブラシ53及び
高速用高電位側ブラシ54は、図示しない切替スイッチ
を介して高電位側電源に接続される。即ち、低速用高電
位側ブラシ53及び高速用高電位側ブラシ54は、切替
スイッチが切替えられることで、そのいずれかが選択さ
れて高電位側電源に接続される。
【0005】このように構成されたモータでは、切替ス
イッチが切替えられることで低速用高電位側ブラシ53
が高電位側電源に接続されると、駆動電流が低速用高電
位側ブラシ53からコンミテータ51(セグメント5
6)を介して巻線コイルに供給され低電位側ブラシ52
に流れることから、電機子が低速で回転する。又、切替
スイッチが切替えられることで高速用高電位側ブラシ5
4が高電位側電源に接続されると、駆動電流が高速用高
電位側ブラシ54からコンミテータ51(セグメント5
6)を介して巻線コイルに供給され低電位側ブラシ52
に流れることから、電機子が高速で回転する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成の
モータ(ブラシ装置)では、例えばその低速駆動時に、
使用しない(切替スイッチにて選択されていない)高速
用高電位側ブラシ54がセグメント56と摺接すること
になる。そして、その高速用高電位側ブラシ54が隣り
合うセグメント56に跨って接触する瞬間に、該隣り合
うセグメント56間が短絡してしまうという問題があ
る。このことは、整流不良を発生させ、火花や電気雑音
を発生させる等の種々の原因となる。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その目的は、駆動速度を切り替え
可能な直流モータのブラシ装置において、選択されてい
ない高電位側ブラシによる短絡を抑制し、整流不良を防
止することができるブラシ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、磁極端をコンミテータの径方向として永久磁石を設
け、コンミテータにその径方向から接触するブラシと、
前記永久磁石の磁極端に対しコンミテータの径方向にオ
フセットして対向配置された磁極端を有する電磁石とを
備えたブラシ装置を要旨とする。
【0009】請求項2に記載の発明は、所定角度位置で
コンミテータと接触するように配置され、低電位側電源
に接続された低電位側ブラシと、前記低電位側ブラシに
対して所定角度間隔の位置で前記コンミテータに接触可
能に保持され、その内のいずれかが選択されて高電位側
電源に接続される複数の高電位側ブラシとを備えたブラ
シ装置において、少なくとも1つの前記高電位側ブラシ
を、電磁石にて前記コンミテータに接触/非接触させ
る。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
のブラシ装置において、前記高電位側ブラシに、前記コ
ンミテータの径方向に分極された永久磁石を設け、前記
電磁石の磁極端を、前記高電位側ブラシの側方に配置す
るとともに、前記永久磁石の磁極端に対して前記コンミ
テータの径方向にオフセットした位置に配置した。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
のブラシ装置において、前記電磁石の2つの磁極端を、
前記永久磁石の各磁極端に対して前記コンミテータの径
方向にそれぞれオフセットした位置に配置した。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項2に記載
のブラシ装置において、前記高電位側ブラシに、前記コ
ンミテータの径方向に分極された永久磁石を設け、前記
電磁石の磁極端の少なくとも1つを、前記高電位側ブラ
シの後方に配置した。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
のブラシ装置において、前記電磁石の磁極端の少なくと
も1つを、前記高電位側ブラシの側方に配置するととも
に、前記永久磁石の磁極端に対して前記コンミテータの
径方向にオフセットした位置に配置した。
【0014】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
のブラシ装置において、前記電磁石を、鉄心の一端側及
び他端側に第1及び第2のコイルを巻装して構成し、磁
極端である該鉄心の一端部を前記高電位側ブラシの後方
に配置し、磁極端である該鉄心の中間部及び他端部を、
前記高電位側ブラシの側方に配置するとともに前記永久
磁石の各磁極端に対して前記コンミテータの径方向にオ
フセットした位置に配置した。
【0015】請求項8に記載の発明は、請求項3乃至7
のいずれか1項に記載のブラシ装置において、前記高電
位側ブラシを前記コンミテータの径方向に移動可能に収
容保持するブラシホルダに開口部を形成し、前記電磁石
の磁極端を前記開口部から前記ブラシホルダの内側に露
出するように設けた。
【0016】(作用)請求項1に記載の発明によれば、
電磁石のオンオフ制御によって、ブラシのコンミテータ
への接触/非接触がなされる。よって、例えば、使用頻
度が多いブラシと使用頻度が少ないブラシを備えたブラ
シ装置において、使用頻度が少ないブラシを電磁石によ
って制御することにより、使用頻度が少ないブラシのみ
を、選択的にしかも容易に、非接触とすることができ
る。また、接触状態におけるコンミテータへの付勢力を
電磁石により容易に加減でき、最適な接触状態に制御で
きる。又、ブラシをコンミテータ側へ付勢するための付
勢スプリングも不要となる。
【0017】請求項2に記載の発明によれば、少なくと
も1つの前記高電位側ブラシは、電磁石にてコンミテー
タに接触/非接触される。よって、例えば、選択されて
いない高電位側ブラシを電磁石にて容易にコンミテータ
に非接触とすることができる。その結果、選択されてい
ない高電位側ブラシによる短絡を抑制し、整流不良を防
止することができる。
【0018】請求項3に記載の発明によれば、前記高電
位側ブラシには、前記コンミテータの径方向に分極され
た永久磁石が設けられ、前記電磁石の磁極端は、前記高
電位側ブラシの側方に配置されるとともに、前記永久磁
石の磁極端に対して前記コンミテータの径方向にオフセ
ットした位置に配置される。よって、簡単な構成で、電
磁石と永久磁石との吸引反発力にて高電位側ブラシをコ
ンミテータの径方向に移動させることができる。
【0019】請求項4に記載の発明によれば、電磁石の
2つの磁極端は、前記永久磁石の各磁極端に対して前記
コンミテータの径方向にそれぞれオフセットした位置に
配置される。よって、電磁石の両磁極端と永久磁石の両
磁極端との吸引反発力にて高電位側ブラシをコンミテー
タの径方向に大きな力で移動させることができる。
【0020】請求項5に記載の発明によれば、前記高電
位側ブラシには、前記コンミテータの径方向に分極され
た永久磁石が設けられ、前記電磁石の磁極端の少なくと
も1つは、前記高電位側ブラシの後方に配置される。よ
って、簡単な構成で、電磁石と永久磁石との吸引反発力
にて高電位側ブラシをコンミテータの径方向に移動させ
ることができる。
【0021】請求項6に記載の発明によれば、前記電磁
石の磁極端の少なくとも1つは、前記高電位側ブラシの
側方に配置されるとともに、前記永久磁石の磁極端に対
して前記コンミテータの径方向にオフセットした位置に
配置される。よって、高電位側ブラシの後方に配置され
る電磁石の磁極端と永久磁石の磁極端との吸引反発力、
及び高電位側ブラシの側方に配置される電磁石の磁極端
と永久磁石の磁極端との吸引反発力にて高電位側ブラシ
をコンミテータの径方向に大きな力で移動させることが
できる。
【0022】請求項7に記載の発明によれば、前記電磁
石は、鉄心の一端側及び他端側に第1及び第2のコイル
が巻装されて構成され、磁極端である該鉄心の一端部が
前記高電位側ブラシの後方に配置され、磁極端である該
鉄心の中間部及び他端部が、前記高電位側ブラシの側方
に配置されるとともに前記永久磁石の各磁極端に対して
前記コンミテータの径方向にオフセットした位置に配置
される。よって、第1及び第2のコイルに逆方向の励磁
電流を供給することで、高電位側ブラシの後方に配置さ
れる電磁石の磁極端と永久磁石の磁極端との吸引反発
力、及び高電位側ブラシの側方に配置される電磁石の2
つの磁極端と永久磁石の磁極端との吸引反発力にて高電
位側ブラシをコンミテータの径方向に大きな力で移動さ
せることができる。
【0023】請求項8に記載の発明によれば、前記高電
位側ブラシを前記コンミテータの径方向に移動可能に収
容保持するブラシホルダには開口部が形成され、前記電
磁石の磁極端は前記開口部から前記ブラシホルダの内側
に露出するように設けられる。よって、ブラシホルダに
て高電位側ブラシを前記コンミテータの径方向に移動可
能としながら、電磁石の磁力を効率良く利用することが
できる。
【0024】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明を車両ワイパ装置に備えられる直流モータに具体化し
た第1の実施の形態を図1及び図2に従って説明する。
【0025】図1に示すように、直流モータ1は、回転
軸2と、該回転軸2に固定されたコンミテータ(整流
子)3と、該コンミテータ3の近傍に配設されたブラシ
装置4とを備えている。ブラシ装置4は、低電位側ブラ
シ5と、低速用高電位側ブラシ6と、高速用高電位側ブ
ラシ7とを備えている。
【0026】回転軸2は図示しないモータケースに対し
て回転可能に支持されている。コンミテータ3は、略円
筒形状に形成され、回転軸2の外周に固定されている。
コンミテータ3の外周には、周方向に複数のセグメント
(整流子片)3aが固定されている。この隣り合うセグ
メント3a間には、図示しない電機子コアに巻装された
巻線コイルがそれぞれ接続されている。尚、本実施の形
態の直流モータ1の回転軸2は、図示しない減速機構や
リンク機構等を介してワイパブレードに連結される。
【0027】低電位側ブラシ5は、所定角度位置でコン
ミテータ3(セグメント3a)と接触するようにブラシ
ホルダ8に収容保持されている。詳しくは、ブラシホル
ダ8は、樹脂材よりなり、図示しないモータケースに対
して固定されている。ブラシホルダ8は、内部に低電位
側ブラシ5及びコイルスプリング9を収容保持すべくコ
ンミテータ3の径方向に延びる略断面4角形の有底筒形
状に形成されている。そして、ブラシホルダ8内には、
コイルスプリング9及び低電位側ブラシ5がこの順で挿
入され、収容保持される。ここで、低電位側ブラシ5及
びコイルスプリング9が組み付けられたとき、コイルス
プリング9がコンミテータ3の径方向に圧縮されるよう
に、各部材の寸法が設定されている。よって、低電位側
ブラシ5は、その後端部がコイルスプリング9によりコ
ンミテータ3側に付勢され、その先端部がコンミテータ
3に押圧接触される。
【0028】低速用高電位側ブラシ6は、低電位側ブラ
シ5に対して180度間隔の位置でコンミテータ3(セ
グメント3a)と接触するようにブラシホルダ10に収
容保持されている。詳しくは、ブラシホルダ10は、樹
脂材よりなり、図示しないモータケースに対して固定さ
れている。ブラシホルダ10は、内部に低速用高電位側
ブラシ6及びコイルスプリング11を収容保持すべくコ
ンミテータ3の径方向に延びる略断面4角形の有底筒形
状に形成されている。そして、ブラシホルダ10内に
は、コイルスプリング11及び低速用高電位側ブラシ6
がこの順で挿入され、収容保持される。ここで、低速用
高電位側ブラシ6及びコイルスプリング11が組み付け
られたとき、コイルスプリング11がコンミテータ3の
径方向に圧縮されるように、各部材の寸法が設定されて
いる。よって、低速用高電位側ブラシ6は、その後端部
がコイルスプリング11によりコンミテータ3側に付勢
され、その先端部がコンミテータ3に押圧接触される。
【0029】高速用高電位側ブラシ7は、低電位側ブラ
シ5に対して180度未満間隔(図1中、約120度間
隔)の位置でコンミテータ3(セグメント3a)と接触
可能にブラシホルダ12に収容保持されている。
【0030】詳述すると、ブラシホルダ12は、樹脂材
よりなり、図示しないモータケースに対して固定されて
いる。ブラシホルダ12は、内部に隙間を有した状態で
高速用高電位側ブラシ7を収容保持すべくコンミテータ
3の径方向に延びる略断面4角形の有底筒形状に形成さ
れている。このブラシホルダ12において、コンミテー
タ3の径方向に延びコンミテータ3の回転方向側に一対
並設された回転方向側側壁12a,12bの一方(図1
中、時計回り方向側の回転方向側側壁12a)には、一
対の開口部12c,12dが形成されている。この一対
の開口部12c,12dは、コンミテータ3の回転方向
(コンミテータ3の径方向と直交する方向)に貫通する
ように略4角形に形成され、コンミテータ3の径方向に
並んで形成されている。
【0031】そして、このブラシホルダ12には、電磁
石13が固定されている。詳しくは、電磁石13は、略
コ字状(図1参照)に形成された鉄心(継鉄)14の中
間部にコイル15が巻装されて構成されている。そし
て、電磁石13は、磁極端である鉄心14の両端部14
a,14bが、ブラシホルダ12の内側に露出するよう
に、ブラシホルダ12の外側から開口部12c,12d
に挿入されて固定されている。尚、コイル15は、図示
しない電磁石制御装置に接続されている。
【0032】高速用高電位側ブラシ7は、略4角柱形状
に形成されている。この高速用高電位側ブラシ7には、
コンミテータ3の径方向に分極された永久磁石16が設
けられている。永久磁石16は、高速用高電位側ブラシ
7のブラシ長より短く形成されている。永久磁石16
は、高速用高電位側ブラシ7の後端からその内部に埋設
されている。又、永久磁石16は、高速用高電位側ブラ
シ7において、一方の回転方向側側壁12a側に寄った
位置に配設されている。尚、本実施の形態の永久磁石1
6は、高速用高電位側ブラシ7の後端側にS極、高速用
高電位側ブラシ7の先端側にN極となるように設定され
ている。
【0033】そして、ブラシホルダ12内には、高速用
高電位側ブラシ7が挿入され、コンミテータ3の径方向
に移動可能に収容保持される。ここで、図1及び図2に
示すように、高速用高電位側ブラシ7が組み付けられた
とき、永久磁石16の先端部(N極の磁極端)が鉄心1
4の一方(コンミテータ3側)の端部14aに対してコ
ンミテータ3の径方向(径方向外側)にオフセットした
位置となるように、且つ、永久磁石16の後端部(S極
の磁極端)が鉄心14の他方(反コンミテータ3側)の
端部14bに対してコンミテータ3の径方向(径方向外
側)にオフセットした位置となるように、各部材の寸法
が設定されている。
【0034】前記低電位側ブラシ5は、図示しない配線
等を介して低電位側電源(グランド)に接続される。低
速用高電位側ブラシ6及び高速用高電位側ブラシ7は、
図示しない配線及び切替スイッチ等を介して高電位側電
源に接続される。即ち、低速用高電位側ブラシ6及び高
速用高電位側ブラシ7は、切替スイッチが切替えられる
ことで、そのいずれかが選択されて高電位側電源に接続
される。尚、本実施の形態の切替スイッチは、車両室内
に設けられたワイパスイッチの操作に基づいて切替動作
を行う。
【0035】又、前記電磁石制御装置は、切替スイッチ
の切替位置に応じた方向の励磁電流を電磁石13のコイ
ル15に供給する。詳しくは、電磁石制御装置は、切替
スイッチが切替えられることで高速用高電位側ブラシ7
が高電位側電源に接続されるとき、図1に示すように、
鉄心14の一方(コンミテータ3側)の端部14aにS
極、鉄心14の他方(反コンミテータ3側)の端部14
bにN極を発生させるための励磁電流を供給する。又、
電磁石制御装置は、切替スイッチが切替えられることで
低速用高電位側ブラシ6が高電位側電源に接続されると
き、図2に示すように、鉄心14の一方(コンミテータ
3側)の端部14aにN極、鉄心14の他方(反コンミ
テータ3側)の端部14bにS極を発生させるための励
磁電流を供給する。
【0036】このように構成された直流モータ1では、
切替スイッチが切替えられることで低速用高電位側ブラ
シ6が高電位側電源に接続されると、駆動電流が低速用
高電位側ブラシ6からコンミテータ3(セグメント3
a)を介して巻線コイルに供給され低電位側ブラシ5に
流れることから、電機子(回転軸2及びコンミテータ3
等)が低速で回転する。これにより、本実施の形態で
は、ワイパブレードにて低速で払拭動作が行われる。
【0037】このとき、図2に示すように、コイル15
には、鉄心14の一方(コンミテータ3側)の端部14
aにN極、鉄心14の他方(反コンミテータ3側)の端
部14bにS極を発生させるための励磁電流が供給され
る。よって、高速用高電位側ブラシ7は、永久磁石16
の先端部(N極の磁極端)が鉄心14の一方(コンミテ
ータ3側)の端部14a(N極)に反発することと、永
久磁石16の後端部(S極の磁極端)が鉄心14の他方
(反コンミテータ3側)の端部14b(S極)に反発す
ることにより、コンミテータ3の径方向外側に移動され
る。又、このとき、高速用高電位側ブラシ7は、前記反
発により、他方(図2中、反時計回り方向側)の回転方
向側側壁12b側に移動される。これにより、高速用高
電位側ブラシ7は、ブラシホルダ12の回転方向側側壁
12b及び後端壁12eに押圧接触されて保持される。
よって、高速用高電位側ブラシ7は、コンミテータ3と
非接触とされる。
【0038】一方、切替スイッチが切替えられることで
高速用高電位側ブラシ7が高電位側電源に接続される
と、図1に示すように、コイル15には、鉄心14の一
方(コンミテータ3側)の端部14aにS極、鉄心14
の他方(反コンミテータ3側)の端部14bにN極を発
生させるための励磁電流が供給される。よって、高速用
高電位側ブラシ7は、永久磁石16の先端部(N極の磁
極端)が鉄心14の一方(コンミテータ3側)の端部1
4a(S極)に吸引されることと、永久磁石16の後端
部(S極の磁極端)が鉄心14の他方(反コンミテータ
3側)の端部14b(N極)に吸引されることにより、
コンミテータ3の径方向内側に移動される。又、このと
き、高速用高電位側ブラシ7は、前記吸引により、一方
(図1中、時計回り方向側)の回転方向側側壁12a側
に移動される。これにより、高速用高電位側ブラシ7
は、コンミテータ3(セグメント3a)及びブラシホル
ダ12の回転方向側側壁12aに押圧接触される。よっ
て、駆動電流が高速用高電位側ブラシ7からコンミテー
タ3(セグメント3a)を介して巻線コイルに供給され
低電位側ブラシ5に流れることから、電機子(回転軸2
及びコンミテータ3等)が高速で回転する。これによ
り、本実施の形態では、ワイパブレードにて高速で払拭
動作が行われる。
【0039】次に、上記第1の実施の形態の特徴的な効
果を以下に記載する。 (1)切替スイッチが切替えられることで低速用高電位
側ブラシ6が高電位側電源に接続されると(低速用高電
位側ブラシ6の選択時、図2参照)、高速用高電位側ブ
ラシ7は、電磁石13の反発力にてコンミテータ3に非
接触とされる。よって、選択されていない高速用高電位
側ブラシ7によるセグメント3a間の短絡が抑制され、
整流不良が防止される。よって、選択されていない高速
用高電位側ブラシ7による火花や電気雑音の発生が防止
される。
【0040】(2)切替スイッチが切替えられることで
高速用高電位側ブラシ7が高電位側電源に接続されると
(低速用高電位側ブラシ7の選択時、図1参照)、高速
用高電位側ブラシ7は、電磁石13の吸引力にてコンミ
テータ3に押圧接触される。即ち、高速用高電位側ブラ
シ7をコンミテータ3に非接触とするための電磁石13
が、高速用高電位側ブラシ7をコンミテータ3に押圧接
触させる手段を兼ねるため、コイルスプリング等の他の
付勢手段が不要となる。又、高速用高電位側ブラシ7
は、電磁石13の吸引力にてブラシホルダ12の回転方
向側側壁12aにも押圧接触されるため、コンミテータ
3(セグメント3a)との摺接中に、ブラシホルダ12
に対してコンミテータ3の回転方向にがたつくことが抑
制される。その結果、高速用高電位側ブラシ7の先端部
とコンミテータ3との接触が常に維持され、図示しない
電機子コアに巻着された巻線への駆動電流の供給が維持
されるとともに、高速用高電位側ブラシ7の振動に基づ
いた騒音の発生は低減される。
【0041】(3)高速用高電位側ブラシ7にコンミテ
ータ3の径方向に分極された永久磁石16を設け、電磁
石13の磁極端である鉄心14の端部14a,14b
を、高速用高電位側ブラシ7の側方に配置するととも
に、永久磁石16の磁極端である端部に対してコンミテ
ータ3の径方向にオフセットした位置に配置した。よっ
て、簡単な構成で、電磁石13と永久磁石16との吸引
反発力にて高速用高電位側ブラシ7をコンミテータ3の
径方向に移動させることができる。
【0042】(4)電磁石13の2つの磁極端である鉄
心14の両端部14a,14bを、永久磁石16の各磁
極端である両端部(先端部及び後端部)に対してコンミ
テータ3の径方向にそれぞれオフセットした位置に配置
した。よって、電磁石13の両磁極端(両端部14a,
14b)と永久磁石16の両磁極端(両端部)との吸引
反発力にて高速用高電位側ブラシ7をコンミテータ3の
径方向に大きな力で移動させることができる。
【0043】(5)高速用高電位側ブラシ7をコンミテ
ータ3の径方向に移動可能に収容保持するブラシホルダ
12に開口部12c,12dを形成し、電磁石13の磁
極端である鉄心14の端部14a,14bを開口部12
c,12dからブラシホルダ12の内側に露出するよう
に設けた。よって、ブラシホルダ12にて高速用高電位
側ブラシ7をコンミテータ3の径方向に移動可能としな
がら、電磁石13の磁力を効率良く利用することができ
る。
【0044】(6)電磁石13にて高速用高電位側ブラ
シ7のみをコンミテータ3に接触/非接触させるように
した。即ち、車両ワイパ装置において使用される頻度の
高い低速の払拭動作時にのみ、選択されていない高速用
高電位側ブラシ7によるセグメント3a間の短絡を抑制
するようにした。よって、電磁石13の数を最小限とし
てコストの増大を抑制しながら、頻度の高い低速の払拭
動作時に(効率良く)上記した効果を得ることができ
る。
【0045】(第2の実施の形態)以下、本発明を車両
ワイパ装置に備えられる直流モータに具体化した第2の
実施の形態を図3及び図4に従って説明する。尚、第2
の実施の形態では、第1の実施の形態のブラシ装置4に
おける高速用高電位側ブラシ7、ブラシホルダ12、及
び電磁石13が異なるのみであるため、同様の部材につ
いては同様の符号を付して、その詳細な説明を一部省略
する。
【0046】高速用高電位側ブラシ21は、低電位側ブ
ラシ5に対して180度未満間隔(図3中、約120度
間隔)の位置でコンミテータ3(セグメント3a)と接
触可能にブラシホルダ22に収容保持されている。
【0047】詳述すると、ブラシホルダ22は、樹脂材
よりなり、図示しないモータケースに対して固定されて
いる。ブラシホルダ22は、内部に隙間を有した状態で
高速用高電位側ブラシ21を収容保持すべくコンミテー
タ3の径方向に延びる略断面4角形の有底筒形状に形成
されている。このブラシホルダ22において、コンミテ
ータ3の径方向に延びコンミテータ3の回転方向側に一
対並設された回転方向側側壁22a,22bの一方(図
1中、時計回り方向側の回転方向側側壁22a)には、
2つの開口部22c,22dが形成されている。この一
対の開口部22c,22dは、コンミテータ3の回転方
向(コンミテータ3の径方向と直交する方向)に貫通す
るように略4角形に形成され、コンミテータ3の径方向
に並んで形成されている。又、ブラシホルダ22におい
て、前記一対の回転方向側側壁22a,22bの後端を
連結する後端壁22eの中央には、開口部22fが形成
されている。開口部22fは、コンミテータ3の径方向
に貫通するように略4角形に形成されている。
【0048】そして、このブラシホルダ22には、電磁
石23が固定されている。詳しくは、電磁石23は、鉄
心(継鉄)24の一端側及び他端側に第1及び第2のコ
イル25,26が巻装されて構成されている。この鉄心
24は、その一端部24aが前記開口部22fに挿入可
能に、且つその他端部24bが前記開口部22cに挿入
可能に、且つ中間部24cが前記開口部22dに挿入可
能に、それぞれ突出形成されている。そして、電磁石2
3は、磁極端である鉄心24の一端部24a、他端部2
4b、及び中間部24cが、ブラシホルダ22の内側に
露出するように、ブラシホルダ22の外側からそれぞれ
開口部22f,22c,22dに挿入されて固定されて
いる。尚、第1及び第2のコイル25,26は、図示し
ない電磁石制御装置に接続されている。
【0049】高速用高電位側ブラシ21は、略4角柱形
状に形成されている。この高速用高電位側ブラシ21に
は、コンミテータ3の径方向に分極された永久磁石27
が設けられている。永久磁石27は、略L字形状に形成
され、その長辺が高速用高電位側ブラシ21のブラシ長
より短く形成され、その短辺が高速用高電位側ブラシ2
1の幅(コンミテータ3の回転方向の幅)より短く形成
されている。永久磁石27は、高速用高電位側ブラシ2
1の後端からその内部に埋設されている。この永久磁石
27は、高速用高電位側ブラシ21において、その長辺
が一方の回転方向側側壁22a側に寄った(沿った)位
置に配設され、その短辺が高速用高電位側ブラシ21の
後端面に沿って配置されている。尚、本実施の形態の永
久磁石27は、高速用高電位側ブラシ21の後端側にS
極、高速用高電位側ブラシ21の先端側にN極となるよ
うに設定されている。
【0050】そして、ブラシホルダ22内には、高速用
高電位側ブラシ21が挿入され、コンミテータ3の径方
向に移動可能に収容保持される。ここで、図3及び図4
に示すように、高速用高電位側ブラシ21が組み付けら
れたとき、永久磁石27の先端部(N極の磁極端)が鉄
心24の他端部24bに対してコンミテータ3の径方向
(径方向外側)にオフセットした位置となるように、且
つ、永久磁石27の後端部(S極の磁極端)が鉄心24
の中間部24cに対してコンミテータ3の径方向(径方
向外側)にオフセットした位置となるように、各部材の
寸法が設定されている。
【0051】前記低電位側ブラシ5は、図示しない配線
等を介して低電位側電源(グランド)に接続される。低
速用高電位側ブラシ6及び高速用高電位側ブラシ21
は、図示しない配線及び切替スイッチ等を介して高電位
側電源に接続される。即ち、低速用高電位側ブラシ6及
び高速用高電位側ブラシ21は、切替スイッチが切替え
られることで、そのいずれかが選択されて高電位側電源
に接続される。尚、本実施の形態の切替スイッチは、車
両室内に設けられたワイパスイッチの操作に基づいて切
替動作を行う。
【0052】又、前記電磁石制御装置は、切替スイッチ
の切替位置に応じた方向の励磁電流を電磁石23の第1
及び第2のコイル25,26に供給する。尚、この励磁
電流の方向は、第1のコイル25と第2のコイル26と
で逆方向となるように設定される。詳しくは、電磁石制
御装置は、切替スイッチが切替えられることで高速用高
電位側ブラシ21が高電位側電源に接続されるとき、図
3に示すように、鉄心24の両端部24a,24bにS
極、鉄心24の中間部24cにN極を発生させるための
励磁電流を供給する。又、電磁石制御装置は、切替スイ
ッチが切替えられることで低速用高電位側ブラシ6が高
電位側電源に接続されるとき、図4に示すように、鉄心
24の両端部24a,24bにN極、鉄心24の中間部
24cにS極を発生させるための励磁電流を供給する。
【0053】このように構成された直流モータでは、切
替スイッチが切替えられることで低速用高電位側ブラシ
6が高電位側電源に接続されると、駆動電流が低速用高
電位側ブラシ6からコンミテータ3(セグメント3a)
を介して巻線コイルに供給され低電位側ブラシ5に流れ
ることから、電機子(回転軸2及びコンミテータ3等)
が低速で回転する。これにより、本実施の形態では、ワ
イパブレードにて低速で払拭動作が行われる。
【0054】このとき、図4に示すように、第1及び第
2のコイル25,26には、鉄心24の両端部24a,
24bにN極、鉄心24の中間部24cにS極を発生さ
せるための励磁電流が供給される。よって、高速用高電
位側ブラシ21は、永久磁石27の先端部(N極の磁極
端)が鉄心24の他端部24b(N極)に反発すること
と、永久磁石27の後端部(S極の磁極端)が鉄心24
の中間部24c(S極)に反発することと、永久磁石2
7の後端部(S極の磁極端)が鉄心24の一端部24a
(N極)に吸引されることにより、コンミテータ3の径
方向外側に移動される。又、このとき、高速用高電位側
ブラシ21は、前記反発により、他方(図4中、反時計
回り方向側)の回転方向側側壁22b側に移動される。
これにより、高速用高電位側ブラシ21は、ブラシホル
ダ22の回転方向側側壁22b及び後端壁22eに押圧
接触されて保持される。よって、高速用高電位側ブラシ
21は、コンミテータ3と非接触とされる。
【0055】一方、切替スイッチが切替えられることで
高速用高電位側ブラシ21が高電位側電源に接続される
と、図3に示すように、第1及び第2のコイル25,2
6には、鉄心24の両端部24a,24bにS極、鉄心
24の中間部24cにN極を発生させるための励磁電流
が供給される。よって、高速用高電位側ブラシ21は、
永久磁石27の先端部(N極の磁極端)が鉄心24の他
端部24b(S極)に吸引されることと、永久磁石27
の後端部(S極の磁極端)が鉄心24の中間部24c
(N極)に吸引されることと、永久磁石27の後端部
(S極の磁極端)が鉄心24の一端部24a(S極)に
反発することにより、コンミテータ3の径方向内側に移
動される。又、このとき、高速用高電位側ブラシ21
は、前記吸引により、一方(図3中、時計回り方向側)
の回転方向側側壁22a側に移動される。これにより、
高速用高電位側ブラシ21は、コンミテータ3(セグメ
ント3a)及びブラシホルダ22の回転方向側側壁22
aに押圧接触される。よって、駆動電流が高速用高電位
側ブラシ21からコンミテータ3(セグメント3a)を
介して巻線コイルに供給され低電位側ブラシ5に流れる
ことから、電機子(回転軸2及びコンミテータ3等)が
高速で回転する。これにより、本実施の形態では、ワイ
パブレードにて高速で払拭動作が行われる。
【0056】次に、上記第2の実施の形態の特徴的な効
果を以下に記載する。 (1)切替スイッチが切替えられることで低速用高電位
側ブラシ6が高電位側電源に接続されると(低速用高電
位側ブラシ6の選択時、図4参照)、高速用高電位側ブ
ラシ21は、電磁石23の吸引反発力にてコンミテータ
3に非接触とされる。よって、選択されていない高速用
高電位側ブラシ21によるセグメント3a間の短絡が抑
制され、整流不良が防止される。よって、選択されてい
ない高速用高電位側ブラシ21による火花や電気雑音の
発生が防止される。
【0057】(2)切替スイッチが切替えられることで
高速用高電位側ブラシ21が高電位側電源に接続される
と(低速用高電位側ブラシ21の選択時、図3参照)、
高速用高電位側ブラシ21は、電磁石23の吸引反発力
にてコンミテータ3に押圧接触される。即ち、高速用高
電位側ブラシ21をコンミテータ3に非接触とするため
の電磁石23が、高速用高電位側ブラシ21をコンミテ
ータ3に押圧接触させる手段を兼ねるため、コイルスプ
リング等の他の付勢手段が不要となる。又、高速用高電
位側ブラシ21は、電磁石23の吸引反発力にてブラシ
ホルダ22の回転方向側側壁22aにも押圧接触される
ため、コンミテータ3(セグメント3a)との摺接中
に、ブラシホルダ22に対してコンミテータ3の回転方
向にがたつくことが抑制される。その結果、高速用高電
位側ブラシ21の先端部とコンミテータ3との接触が常
に維持され、図示しない電機子コアに巻着された巻線へ
の駆動電流の供給が維持されるとともに、高速用高電位
側ブラシ21の振動に基づいた騒音の発生は低減され
る。
【0058】(3)高速用高電位側ブラシ21にコンミ
テータ3の径方向に分極された永久磁石27を設け、電
磁石23の磁極端である鉄心24の一端部24aを、高
速用高電位側ブラシ21の後方に配置した。よって、簡
単な構成で、電磁石23と永久磁石27との吸引反発力
にて高速用高電位側ブラシ21をコンミテータ3の径方
向に移動させることができる。
【0059】(4)電磁石23の磁極端である鉄心24
の他端部24b及び中間部24cを、高速用高電位側ブ
ラシ21の側方に配置するとともに、永久磁石27の磁
極端である端部に対してコンミテータ3の径方向にオフ
セットした位置に配置した。よって、高速用高電位側ブ
ラシ21の後方に配置される電磁石23の磁極端(一端
部24a)と永久磁石27の磁極端との吸引反発力、及
び高速用高電位側ブラシ21の側方に配置される電磁石
23の磁極端(他端部24b及び中間部24c)と永久
磁石27の磁極端との吸引反発力にて高速用高電位側ブ
ラシ21をコンミテータ3の径方向に大きな力で移動さ
せることができる。
【0060】(5)電磁石23は、鉄心24の一端側及
び他端側に第1及び第2のコイル25,26が巻装され
て構成され、磁極端である鉄心24の一端部24aを高
速用高電位側ブラシ21の後方に配置し、他の2つの磁
極端である鉄心24の他端部24b及び中間部24cを
高速用高電位側ブラシ21の側方に配置されるとともに
永久磁石27の各磁極端である各端部に対してコンミテ
ータ3の径方向にそれぞれオフセットした位置に配置し
た。よって、第1及び第2のコイル25,26に逆方向
の励磁電流を供給することで、高速用高電位側ブラシ2
1の後方に配置される電磁石23の磁極端(一端部24
a)と永久磁石27の磁極端との吸引反発力、及び高速
用高電位側ブラシ21の側方に配置される電磁石23の
2つの磁極端(他端部24b及び中間部24c)と永久
磁石27の両磁極端(両端部)との各吸引反発力にて高
速用高電位側ブラシ21をコンミテータ3の径方向に大
きな力で移動させることができる。
【0061】(6)高速用高電位側ブラシ21をコンミ
テータ3の径方向に移動可能に収容保持するブラシホル
ダ22に開口部22c,22d,22fを形成し、電磁
石23の磁極端である鉄心24の一端部24a、他端部
24b、中間部24cを開口部22c,22d,22f
からブラシホルダ22の内側に露出するように設けた。
よって、ブラシホルダ22にて高速用高電位側ブラシ2
1をコンミテータ3の径方向に移動可能としながら、電
磁石23の磁力を効率良く利用することができる。
【0062】(7)電磁石23にて高速用高電位側ブラ
シ21のみをコンミテータ3に接触/非接触させるよう
にした。即ち、車両ワイパ装置において使用される頻度
の高い低速の払拭動作時にのみ、選択されていない高速
用高電位側ブラシ21によるセグメント3a間の短絡を
抑制するようにした。よって、電磁石23の数を最小限
としてコストの増大を抑制しながら、頻度の高い低速の
払拭動作時に(効率良く)上記した効果を得ることがで
きる。
【0063】上記各実施の形態は、以下のように変更し
て実施してもよい。 ・上記各実施の形態では、高速用高電位側ブラシ7,2
1のみをコンミテータ3に接触/非接触させるようにし
たが、該モータの用途等に応じて、低速用高電位側ブラ
シのみを接触/非接触させるようにしてもよいし、低速
用高電位側ブラシ及び高速用高電位側ブラシを共に接触
/非接触させるようにしてもよい。このようにしても、
選択されていない高電位側ブラシによるセグメント間の
短絡が抑制され、整流不良が防止される。
【0064】・上記各実施の形態では、切替スイッチが
切替えられることで高速用高電位側ブラシ7,21が高
電位側電源に接続されると、高速用高電位側ブラシ7,
21は、電磁石13,23の吸引反発力にてコンミテー
タ3に押圧接触されるとしたが、高速用高電位側ブラシ
をコンミテータ3に押圧接触させるための力を、他の付
勢手段にて与えるようにしてもよい。例えば、高速用高
電位側ブラシの後端部とブラシホルダの後端壁間にコイ
ルスプリングを設け、該コイルスプリングにて高速用高
電位側ブラシをコンミテータ3に押圧接触させるように
してもよい。尚、この場合、高速用高電位側ブラシが選
択されていないとき、コイルスプリングに抗して(圧縮
させて)高速用高電位側ブラシをコンミテータの径方向
外側に移動させるように電磁石による吸引反発力を設定
する必要がある。又、この場合、高速用高電位側ブラシ
が選択されているとき、電磁石に励磁電流を供給する必
要がなくなる。このようにしても、選択されていない高
速用高電位側ブラシによるセグメント間の短絡が抑制さ
れ、整流不良が防止される。
【0065】・上記各実施の形態の電磁石13,23及
び永久磁石16,27の形状や配置は、電磁石にて高速
用高電位側ブラシ7,21をコンミテータ3に接触/非
接触させることができれば、他の形状に適宜変更しても
よい。
【0066】・上記各実施の形態では、電磁石13,2
3の複数の磁極端と、永久磁石16,27の両磁極端と
による複数の吸引反発力を同時に利用して高速用高電位
側ブラシ7,21をコンミテータ3の径方向に移動させ
るとしたが、電磁石の1つの磁極端に基づく吸引反発力
のみを利用して移動させたり、永久磁石の1つの磁極端
に基づく吸引反発力のみを利用して移動させるようにし
てもよい。
【0067】・上記各実施の形態では、ブラシホルダ1
2,22に開口部12c,12d,22c,22d,2
2fを形成し、電磁石13,23の磁極端である鉄心1
4,24の端部14a,14b、一端部24a、他端部
24b、中間部24cを開口部12c,12d,22
c,22d,22fからブラシホルダ12,22の内側
に露出するように設けたが、開口部を形成せずに、ブラ
シホルダの外側に電磁石の磁極端を配置して実施しても
よい。このようにしても、上記第1の実施の形態の効果
(1)〜(4),(6)又は、上記第2の実施の形態の
効果(1)〜(5),(7)と同様の効果を得ることが
できる。
【0068】・上記各実施の形態のモータは、低速用高
電位側ブラシ6が低電位側ブラシ5に対して180度間
隔の位置でコンミテータ3と接触するように、高速用高
電位側ブラシ7,21が低電位側ブラシ5に対して18
0度未満間隔(図1及び図3中、約120度間隔)の位
置でコンミテータ3と接触可能に配置されているとした
が、低電位側ブラシに対して複数の角度間隔(180度
や120度以外の間隔)の位置でコンミテータに接触可
能に保持され、その内のいずれかが選択されて高電位側
電源に接続される複数の高電位側ブラシを備えていれ
ば、他のモータに具体化してもよい。尚、この場合、少
なくとも1つの高電位側ブラシを、電磁石にてコンミテ
ータに接触/非接触させる。このようにしても、選択さ
れていない高電位側ブラシによる短絡を抑制し、整流不
良を防止することができる。
【0069】・上記各実施の形態では、車両ワイパ装置
に備えられる直流モータに具体化したが、他の装置に備
えられる直流モータに具体化してもよい。上記実施の形
態から把握できる技術的思想について、以下にその効果
とともに記載する。
【0070】(イ)請求項2乃至8のいずれか1項に記
載のブラシ装置において、前記高電位側ブラシは、前記
低電位側ブラシに対して180度間隔の位置で前記コン
ミテータと接触するように配置された低速用高電位側ブ
ラシと、前記低電位側ブラシに対して180度未満間隔
の位置で前記コンミテータと接触するように配置された
高速用高電位側ブラシとを有することを特徴とするブラ
シ装置。このようにすると、低速用高電位側ブラシが高
電位側電源に接続されると低速駆動され、高速用高電位
側ブラシが高電位側電源に接続されると高速駆動され
る。
【0071】(ロ)上記(イ)に記載のブラシ装置にお
いて、前記電磁石にて前記コンミテータに接触/非接触
させる前記高電位側ブラシを、前記高速用高電位側ブラ
シとしたことを特徴とするブラシ装置。このようにする
と、低速用高電位側ブラシが選択され高電位側電源に接
続されているとき、高速用高電位側ブラシが電磁石にて
コンミテータに非接触とされる。その結果、低速用高電
位側ブラシの選択時、高速用高電位側ブラシによる短絡
が抑制され、整流不良を防止することができる。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
駆動速度を切り替え可能な直流モータのブラシ装置にお
いて、選択されていない高電位側ブラシによる短絡を抑
制し、整流不良を防止することができるブラシ装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のブラシ装置を回転軸線方向
から見た模式図。
【図2】第1の実施の形態のブラシ装置を回転軸線方向
から見た模式図。
【図3】第2の実施の形態のブラシ装置を回転軸線方向
から見た模式図。
【図4】第2の実施の形態のブラシ装置を回転軸線方向
から見た模式図。
【図5】従来技術のブラシ装置を回転軸線方向から見た
模式図。
【符号の説明】
3…コンミテータ、5…低電位側ブラシ、6…低速用高
電位側ブラシ(高電位側ブラシ)、7,21…高速用高
電位側ブラシ(高電位側ブラシ)、12,22…ブラシ
ホルダ、13,23…電磁石、16,27…永久磁石、
24…鉄心、25…第1のコイル、26…第2のコイ
ル、12c,12d,22c,22d,22f…開口
部、14a,14b…端部(電磁石の磁極端)、24a
…一端部(電磁石の磁極端)、24b…他端部(電磁石
の磁極端)、24c…中間部(電磁石の磁極端)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守屋 和満 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ 株式 会社内 (72)発明者 伊藤 靖英 静岡県湖西市梅田390番地 アスモ 株式 会社内 Fターム(参考) 5H613 AA03 AA06 BB04 BB15 BB19 BB21 BB27 BB29 BB32 BB35 GA04 GA10 GA13 GB03 GB13 GB17 PP08 QQ06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁極端をコンミテータ(3)の径方向と
    して永久磁石(16,27)を設け、コンミテータ
    (3)にその径方向から接触するブラシ(7,21)
    と、 前記永久磁石(16,27)の磁極端に対しコンミテー
    タ(3)の径方向にオフセットして対向配置された磁極
    端(14a,14b,24b,24c)を有する電磁石
    (13,23)とを備えたことを特徴とするブラシ装
    置。
  2. 【請求項2】 所定角度位置でコンミテータ(3)と接
    触するように配置され、低電位側電源に接続された低電
    位側ブラシ(5)と、 前記低電位側ブラシ(5)に対して所定角度間隔の位置
    で前記コンミテータ(3)に接触可能に保持され、その
    内のいずれかが選択されて高電位側電源に接続される複
    数の高電位側ブラシ(6,7,21)とを備えたブラシ
    装置において、 少なくとも1つの前記高電位側ブラシ(7,21)を、
    電磁石(13,23)にて前記コンミテータ(3)に接
    触/非接触させることを特徴とするブラシ装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のブラシ装置において、 前記高電位側ブラシ(7)に、前記コンミテータ(3)
    の径方向に分極された永久磁石(16)を設け、 前記電磁石(13)の磁極端(14a,14b)を、前
    記高電位側ブラシ(7)の側方に配置するとともに、前
    記永久磁石(16)の磁極端に対して前記コンミテータ
    (3)の径方向にオフセットした位置に配置したことを
    特徴とするブラシ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のブラシ装置において、 前記電磁石(13)の2つの磁極端(14a,14b)
    を、前記永久磁石(16)の各磁極端に対して前記コン
    ミテータ(3)の径方向にそれぞれオフセットした位置
    に配置したことを特徴とするブラシ装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のブラシ装置において、 前記高電位側ブラシ(21)に、前記コンミテータ
    (3)の径方向に分極された永久磁石(27)を設け、 前記電磁石(23)の磁極端(24a〜24c)の少な
    くとも1つ(24a)を、前記高電位側ブラシ(21)
    の後方に配置したことを特徴とするブラシ装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のブラシ装置において、 前記電磁石(23)の磁極端(24a〜24c)の少な
    くとも1つ(24b,24c)を、前記高電位側ブラシ
    (21)の側方に配置するとともに、前記永久磁石(2
    7)の磁極端に対して前記コンミテータ(3)の径方向
    にオフセットした位置に配置したことを特徴とするブラ
    シ装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のブラシ装置において、 前記電磁石(23)を、鉄心(24)の一端側及び他端
    側に第1及び第2のコイル(25,26)を巻装して構
    成し、磁極端である該鉄心(24)の一端部(24a)
    を前記高電位側ブラシ(21)の後方に配置し、磁極端
    である該鉄心(24)の中間部(24c)及び他端部
    (24b)を、前記高電位側ブラシ(21)の側方に配
    置するとともに前記永久磁石(27)の各磁極端に対し
    て前記コンミテータ(3)の径方向にオフセットした位
    置に配置したことを特徴とするブラシ装置。
  8. 【請求項8】 請求項3乃至7のいずれか1項に記載の
    ブラシ装置において、 前記高電位側ブラシ(7,21)を前記コンミテータ
    (3)の径方向に移動可能に収容保持するブラシホルダ
    (12,22)に開口部(12c,12d,22c,2
    2d,22f)を形成し、 前記電磁石(13,23)の磁極端(14a,14b,
    24a〜24c)を前記開口部(12c,12d,22
    c,22d,22f)から前記ブラシホルダ(12,2
    2)の内側に露出するように設けたことを特徴とするブ
    ラシ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008043037A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電動送風機及びそれを用いた電気掃除機
JP2008211921A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Mitsuba Corp モータ
EP3007338A3 (en) * 2008-10-07 2016-08-17 MITSUBA Corporation Electric motor and reduction motor

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