JP2003068839A - 基板収納容器及びその製造方法 - Google Patents
基板収納容器及びその製造方法Info
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Abstract
領域を容器本体又は蓋体と異なる樹脂から寸法精度良く
形成でき、接合部に凹凸が少なく、使用時に汚染物が基
板支持部である棚片表面のインサート部分に溜まること
がなく、且つ安価な基板収納容器及びその製造方法を提
供すること。 【解決手段】 機能領域を第一の樹脂からなる別部材4
0として形成し、該別部材を第二の樹脂からなる前記容
器本体又は前記蓋体と一体化してなる基板収納容器であ
って、前記別部材は、前記容器本体又は前記蓋体の内側
面近傍で一体化される板状の接続部31を有し、前記接
続部の肉厚が、前記内側面を形成する壁部33の肉厚よ
りも薄いものである。
Description
マスクガラス等の基板を収納し輸送や、工程間の搬送、
保管に使用される基板収納容器及びその製造方法に関す
るものである。
を収納して輸送に使われる基板収納容器あるいはカセッ
トなどは、従来、単一の材料で形成されている。しかし
ながら、単一の材料での形成では全ての要求を満たすこ
とはできず、例えば、基板収納容器の容器本体内に設け
られる基板支持部と容器本体のその他の部分とでは、異
なる材料特性が要求されている。この場合、基板支持部
では、基板への汚染を最小限にするような耐摩耗性や耐
薬品性あるいは耐熱性の良好な材料が望まれ、一方、前
記容器本体のその他の部分では、剛性、軽量化等の性能
向上あるいはコスト減のための材料が望まれている。
を持たせたい領域(以下、機能領域という)を、他の部
分とは異なる材料で形成することにより、性能向上を計
るものである。こうした従来の基板収納容器の性能を材
料面から改善するため、機能領域である基板支持部と容
器本体のその他の部分とを異なる材料を用いた部材から
形成する方法が、特開2000−12673号公報で提
案されている。
異なる材料から形成する方法としては、異なる材料を連
続して同一の金型内に射出成形する2色成形法と、別部
材で形成された部分を、他の部材の成形時に金型に挿入
し、異なる材料を充填させて一体化するインサート成形
法とがある。
来の2色成形法では、1つの金型で2つの射出成形を行
うので、例えば、金型のコアをスライドさせる機構が必
要であったり、スライド前後でコアと嵌合する2つのキ
ャビティを必要とするなど、金型構造が複雑であり、高
価であるという問題点があった。
能とする2つのシリンダーと金型のスライド機構を有す
ることが必要であり、あるいは2つの金型が搭載可能な
2色成形専用の成形機が必要であるなど、高価な設備が
必要であるという問題点があった。
内に充填して十分固化させてから、第二の材料を充填す
ることになるので、通常の単一の材料での成形に比べて
成形サイクルが長くなり、設備投資が高価になるのと合
わせて、製品のコストが高くなるという問題点があっ
た。
別部材を第二の材料の成形金型にインサートして一体化
する場合、図10(a)に示す別部材となる支持溝部分
60は、一端側に支持溝となる凹凸面を有し、他端側は
平面状でなる非対称形となっているので、図10(b)
に示すように、成形後の収縮によって湾曲状に変形し易
く、二次成形をするときに金型内に精度良く挿入できな
かったり、第二の材料と一体成形するときに支持溝部分
60をインサートする部分としない部分とでは冷却速度
が異なり、収縮量も異なるので、残留歪みや残留応力が
緩和されずにソリ等の変形が起こり易いという問題点が
あった。
えば、直径300mmの半導体ウェーハを25枚収納す
るような大型の容器をインサート成形する場合では、寸
法バラツキや変形等の悪影響も大きく、精度の良い成形
が難しいという問題点があった。前記問題点を解決する
方法として、図11(a)に示す支持部材の棚部を個別
の棚片70として形成し、これら棚片70を容器本体7
1内に組み合わせて棚部としたり、棚片70を金型に挿
入して一体化する方法が考えられる。
の接合部が支持部の各棚片毎に表れ、成形するときの樹
脂流れを阻害し、射出圧力が十分伝わらずにウェルドラ
インがはっきり表面に出たり、ショートショットとなっ
たりして、支持部の表面に微小の窪み72が生じ易く、
洗浄時や長期間使用中にパーティクルが前記窪みに溜り
基板に悪影響を及ぼす恐れがあり、また片側25枚の棚
片を組み立てたり、該棚片を金型に挿入するのに大変労
力を要するので、生産性を著しく低下させるという問題
点があった。
めになされたもので、金型構造が簡単であり、基板収納
容器の機能領域を容器本体又は蓋体と異なる樹脂から寸
法精度良く形成でき、接合部に凹凸が少なく、使用時に
汚染物が基板支持部である棚片表面のインサート部分に
溜まることがなく、且つ安価な基板収納容器及びその製
造方法を提供することである。
端に開口部と内側面に基板を支持する支持部とを有する
容器本体と、前記開口部を閉鎖する蓋体とを備え、前記
容器本体又は前記蓋体に設けられる少なくとも一つの機
能領域を第一の樹脂からなる別部材として形成し、該別
部材を第二の樹脂からなる前記容器本体又は前記蓋体と
一体化してなる基板収納容器であって、前記別部材は、
前記容器本体又は前記蓋体の内側面近傍で一体化される
板状の接続部を有し、前記接続部の肉厚が、前記内側面
を形成する壁部の肉厚よりも薄いものである。
る水平棚部と、該水平棚部それぞれの一端部近傍を連結
する前記板状の接続部とを有し、前記水平棚部の他端部
側で前記基板を支持する支持部材であり、該支持部材を
容器本体形成用の金型にインサートして一体化させると
共に、前記接続部の前記他端部側の表面が前記容器本体
の内側面として露呈するものであり、前記接続部の肉厚
は、該接続部と一体化する前記容器本体の壁部の肉厚の
10〜75%の厚さであるものが好ましい。
と内側面に基板を支持する支持部とを有する容器本体
と、前記開口部を閉鎖する蓋体とを備え、前記容器本体
又は前記蓋体に設けられる少なくとも一つの機能領域を
第一の樹脂からなる別部材として形成し、該別部材を第
二の樹脂からなる前記容器本体又は前記蓋体と一体化し
てなる基板収納容器の製造方法であって、第一の樹脂か
ら別部材として形成されると共に、肉厚が前記容器本体
又は蓋体の内側面を形成する壁部の肉厚よりも薄く前記
内側面の近傍で一体化される板状の接続部を有する少な
くとも一つの機能領域を、容器本体成形金型にインサー
トし、前記容器本体又は蓋体を第一の樹脂と異なる第二
の樹脂から形成し、前記機能領域と一体化するものであ
る。
実施形態について説明する。図1は、本発明による基板
収納容器の実施形態を示す分解斜視図である。図2は、
図1のA−A線断面図である。図3は、図1に示す基板
収納容器の開口部正面図である。図4は、図3に示すB
−B線断面図である。
形態の基板収納容器10は、一端に開口部を有し、内部
に基板11を収納する容器本体12と、容器本体12の
開口部を閉鎖する蓋体13とからなる。容器本体12の
内側面である相対する側壁には、基板11を水平方向に
支持する支持部14が垂直方向に一定間隔に形成されて
いて、基板11を水平状態で支持する。
端壁には、図2に示すように、基板11を保持する1又
は複数個のリアリテーナ15が必要に応じて設けられて
いる。リアリテーナ15は、棒状や板状に形成され、基
板11との接続部が断面V字状や断面U字状の溝を有し
て、容器本体12と一体に形成されたり、別部材として
弾性材料から形成されて取り付けられる。リアリテーナ
15は、容器本体12に基板11を収納するときのスト
ッパーとしての役割を果たしたり、容器本体12の開口
部を上向きにしたときに、基板11を垂直方向で直立さ
せて支持するのにも役立つ。
容器10に基板11をローディングしたり、アンローデ
ィングしたりするロードポートに搭載するときに位置決
めを行うためのV字溝状又はU字溝状の位置決め部材1
6が、容器本体12と一体に又はボトムプレート17を
介して、少なくともY字形となる3箇所に設けられてい
る。
は、基板収納容器10を自動搬送するためのロボティッ
クフランジ18やレールあるいは手動把持用のマニュア
ルハンドル19が、必要に応じて取り付けられる。
3とを係止可能な係止手段、例えば、係止クランプ20
を少なくとも2箇所に有していて、容器本体12の開口
部周縁に設けられる蓋体係止部21と係合するように取
り付けられる。また、容器本体12の開口部と向き合う
蓋体13の内側面には、基板11を保持するフロントリ
テーナ22が設けられている。
部22aと基板11との接触のために容器本体12内方
に突出るように設けられる接触部22bとからなり、少
なくとも接触部22bが弾性材料から形成され、接触部
22bの断面V字状又は断面U字状の溝22cを備え、
枠体部22aが蓋体13内面に設けられる係合手段によ
り固定されて保持される。
する蓋体13の側壁には、全周に渡ってエンドレスに形
成されたシール部材23が取り付けられており、容器本
体12の開口部をシール可能に閉鎖する。
能領域、例えば、図6に示す基板11を支持する支持部
材40を容器本体12とは別部材として形成し、支持部
材40とは別の材料から成る容器本体12の成形時に、
これを容器本体12と一体化するものである。
える支持部14、蓋体13に取り付けられ基板11を保
持するフロントリテーナ22及び容器本体12の背面側
に設けられるリアリテーナ15等の支持部材、容器本体
12の底面に設けられる位置決め部材16や、容器本体
12の外壁に取り付けられる各種の搬送手段等である。
を目視可能に透明材料から形成することが好ましい。一
方、前記支持部材は、基板11との接触の際に摩耗紛を
発生しないような耐摩耗性が良好で、静電気による埃の
付着が少ない静電気消散性があり、なおかつ容器本体1
2と相溶性の良好な材料で形成することが好ましい。
リカーボネート、環状オレフィン樹脂、ポリブチレンテ
レフタレート等の熱可塑性樹脂があり、容器本体12と
は別部材として形成する前記支持部材の材料としては、
容器本体12の材料とは異なるポリブチレンテレフタレ
ート樹脂、フッ素樹脂等が添加され耐摩耗性が向上した
ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹
脂、あるいはこれらの樹脂にカーボンフィラーやカーボ
ンブラックなどの導電材料や帯電防止材料が添加された
り、前記熱可塑性樹脂をアロイ化して帯電防止性能が付
与された樹脂がある。
側を、容器本体12と、それと別部材の支持部材40と
で構成されるとして説明する。
40と容器本体12との一体化について説明する。図5
は図1に示す支持部14の正面図であり、図6は別部材
として形成される支持部材40の側面図であり、図7は
図5に示すC−C線断面図であり、図8は支持部材40
の平面形状を表す図5に示すD−D線断面図である。
は、基板11を水平に支持する平面部を有する複数の水
平棚部30と、水平棚部30同士をその一端部近傍で連
結する板状の接続部31とからなる。
11の形状に沿った湾曲した水平支持部である水平棚部
30を有し、容器本体12の開口部側には、基板11の
飛び出しを防止するストッパー32が、載置する基板1
1の外周よりも外側に、基板11の厚さと同程度の高
さ、約0.7mm、で基板11の形状に沿って設けられ
ている。
の壁部33の肉厚は、3.5mm〜5mmに設定され
る。これに対して接続部31の肉厚は、壁部33の肉厚
より薄く、壁部33の平均肉厚を4mmとするとこの値
の10〜75%の範囲になる0.4mm〜3mmに設定
され、好ましくは、壁部33の肉厚の20〜50%の範
囲となる0.8mm〜2.0mmに設定される。より好
ましくは、壁部33の肉厚の25〜37.5%の範囲と
なる1.0mm〜1.5mmに設定される。接続部31
の肉厚が壁部33の肉厚の75%を超えると、支持部材
40を成形するときに図10(b)に示すように変形し
易くなり、前記肉厚が壁部33の肉厚の10%未満で
は、剛性がなくなり、金型にインサートするときに精度
良く位置規制ができず、自動化が難しくなるので好まし
くない。また、板状接続部には、上記した肉厚の範囲を
超えない範囲で、容器本体との接続面側に補強用のリブ
や部分的な肉厚部を設けることができる。
法の実施形態について説明する。図6と図8に示すよう
な形状をした別部材として形成された支持部材40は、
図9に示すように、幅方向と高さ方向の位置決めをする
位置決め突起41が、適当な間隔で設けられていて、容
器本体形成用の金型に挿入される。容器本体12を形成
する金型(以下、金型という)の支持部材40のインサ
ート部には、位置決め突起41と嵌り合う嵌合用の溝が
形成されていて、前記嵌合用の溝と位置決め突起41と
が嵌合し、支持部材40が金型内の所定の位置に精度良
く挿入される。
と反対側の水平棚部30の一端部近傍部分は、固定金型
50と移動金型51の間で挟持できるような形状である
突起30aに形成しておくことが好ましく、突起30a
によって支持部材40は容器本体成形金型が型締めされ
る時に、前記相対する2つの金型の間に挟まれて、容器
本体形成用のキャビティ52内でしっかりと保持される
ので、樹脂圧等で動いたりすることが防止される。
けることができる。例えば、支持部材40の上端近傍及
び下端近傍で、側面に略平行な2箇所に設けてもよい
し、支持部材40の対角線近傍上で、上端近傍及び下端
近傍の2箇所に設けてもよい。また、位置決め突起41
を設けずに、インサート部材の傾斜面等を利用して位置
決めすることも可能である。
からなる支持部材40が、金型内にインサートされて型
締めが完了した後に、金型のキャビティ(空間部)であ
る容器本体形成用キャビティ52に、容器本体12を形
成する溶融した樹脂を充填して、容器本体12を形成す
ると共に、金型にインサートしておいた支持部材40を
容器本体12と一体化させる。尚、支持部材40と容器
本体12との境界面は、後から充填される溶融樹脂の熱
によって支持部材40が溶かされて、熱融着により一体
化する。
1の基板11を支持する側の表面を容器本体12の内側
面として露呈させるようにする。
化ばかりでなく、他の機能部材、例えば、フロントリテ
ーナ22、リアリテーナ15、位置決め部材16を容器
本体12とは異なる材料の別部材として形成し、これと
容器本体12あるいは蓋体13と一体化するのに用いる
ことができる。
を容器本体とは別の材料から成る部材として構成し、容
器本体と一体化する薄肉の板状の接続部を設けたので、
容器本体との一体成形時に、容易にしかも精度良く安定
的に金型内に保持でき、変形の少ない前記板状の接続部
により形状が維持されるので、成形後の支持部の変形も
少なく、精度良く一体化できる。また、性能面を重視し
て各部分の材料を選択することが可能となり、高性能の
基板収納容器を提供できる。更に、容器本体又は蓋体と
は異なる材料で別部材として形成される機能領域の基板
収納容器のその他の部分との接合部は、一枚の板状片な
ので、一体成形時に接触する樹脂によって連続的に溶融
するので、成形後にウェルド等の窪みが発生し難く、使
用時や洗浄時に前記接合部の窪みにパーティクルが溜ま
って基板の汚染源となることが無くなる。
解斜視図である。
る。
る支持部材の側面図である。
器本体形成用金型の型締め状態を示す断面図である。
(b)は容器本体との一体成形で生じる変形を示す断面
図である。
体と一体化したところを示す断面図、(b)は(a)の
一部拡大断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも一端に開口部と内側面に基板
を支持する支持部とを有する容器本体と、前記開口部を
閉鎖する蓋体とを備え、前記容器本体又は前記蓋体に設
けられる少なくとも一つの機能領域を第一の樹脂からな
る別部材として形成し、該別部材を第二の樹脂からなる
前記容器本体又は前記蓋体と一体化してなる基板収納容
器であって、 前記別部材は、前記容器本体又は前記蓋体の内側面近傍
で一体化される板状の接続部を有し、前記接続部の肉厚
が、前記内側面を形成する壁部の肉厚よりも薄いことを
特徴とする基板収納容器。 - 【請求項2】 前記別部材は、一定間隔で形成される水
平棚部と、該水平棚部それぞれの一端部近傍を連結する
板状の接続部とを有し、前記水平棚部の他端部側で前記
基板を支持する支持部材であり、該支持部材を容器本体
形成用の金型にインサートして一体化させると共に、前
記接続部の前記他端部側の表面が前記容器本体の内側面
として露呈することを特徴とする請求項1記載の基板収
納容器。 - 【請求項3】 前記接続部の肉厚は、該接続部と一体化
する前記容器本体の壁部の肉厚の10〜75%の厚さで
あることを特徴とする請求項2記載の基板収納容器。 - 【請求項4】 少なくとも一端に開口部と内側面に基板
を支持する支持部とを有する容器本体と、前記開口部を
閉鎖する蓋体とを備え、前記容器本体又は前記蓋体に設
けられる少なくとも一つの機能領域を第一の樹脂からな
る別部材として形成し、該別部材を第二の樹脂からなる
前記容器本体又は前記蓋体と一体化してなる基板収納容
器の製造方法であって、 第一の樹脂から別部材として形成されると共に、肉厚が
前記容器本体又は蓋体の内側面を形成する壁部の肉厚よ
りも薄く前記内側面の近傍で一体化される板状の接続部
を有する少なくとも一つの機能領域を、容器本体成形金
型にインサートし、前記容器本体又は蓋体を第一の樹脂
と異なる第二の樹脂から形成し、前記機能領域と一体化
することを特徴とする基板収納容器の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2001254998A JP4030280B2 (ja) | 2001-08-24 | 2001-08-24 | 基板収納容器及びその製造方法 |
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