JP2003068663A - 半導体結晶膜の製造方法 - Google Patents

半導体結晶膜の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いGe含有率を有しながら格子位置Cを高
い割合で含有するSi1- x-yGexy 層からなる半導体
結晶膜の製造方法を提供する。 【解決手段】 結晶を成長させる基板上に、原料ガスと
原子状水素とを交互に供給する。原子状水素を基板上に
暴露することにより、成長が起こっている最表面に存在
するGe原子のうちH原子が付着しているGe原子の割
合は、原子状水素暴露前よりも増加する。最表面のGe
原子にH原子が付着すると、そのGe原子と、その下層
に存在するSi原子とが入れ替わる現象がおこるので、
原子状水素を暴露しない従来の製造方法よりも、より多
くの割合のGe原子がSi原子と入れ替わることにな
る。その結果、結晶が成長している最表面においてGe
原子の占める割合を少なくすることができ、Ge原子と
相性の悪いC原子が、結晶の格子位置に入りやすくな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】Si結晶を使った半導体デバイスが多機
能性、高速性を次々と実現してきたのは、主として素子
の微細化によるところが大きい。今後もデバイス性能の
向上のためには、更なる微細化を進める必要があるが、
デバイスの微細化を今以上に進めるには、技術的に乗り
越えなければならない課題が多く存在する。さらに、い
くら微細化を行っても、デバイスの最高性能は、Si結
晶という材料のもつ物理的特性(例えば、移動度)によ
って制約をうける。つまり、Si結晶という材料を使う
限り、飛躍的にデバイス性能を向上させるのは難しいと
言える。
【0002】そこで、近年、微細化という手法ではな
く、IV族元素混晶半導体を使用したデバイスが注目され
ている。中でも、Cを含有するIV族元素混晶半導体のシ
リコンゲルマニウムカーボン(Si1-x-yGexy :0
≦x≦1,0≦y≦1)に関する研究が最近盛んに行わ
れるようになってきている。Si1-x-yGexy 結晶
は、実際にデバイスに応用されているシリコンゲルマニ
ウム(Si1-xGex :0≦x≦1)結晶を改良した材
料としてとらえることができる。このSi1-x-yGex
y結晶は、Si1-xGex結晶と比較して以下のような優
れた特性を有している。
【0003】まず第1の特性として、Si1-x-yGex
y 結晶はSi1-xGex結晶と比較してSi結晶とヘテロ
接合した際の圧縮歪みが小さいという特性を有している
が、その理由を以下に述べる。
【0004】Si1-xGex 結晶とSi結晶とによりヘ
テロ接合が形成されると、Si1-xGex 結晶はSi結
晶より格子定数が大きいため大きな圧縮歪が発生しやす
い。この圧縮歪が結晶内に生じると転位が発生しやすく
なることから、臨界膜厚の値が小さくなり転位の発生を
伴わずに堆積できる膜の厚さが制限され、さらに結晶の
熱処理を行う際に転位の発生を伴う緩和が起こりやすく
なる。ところが一方、このSi1-xGex 結晶にSiや
Geより原子半径の小さなCを加えたSi1-x-yGex
y 結晶の格子定数はSi1-xGex 結晶より小さい。こ
のことから、Si結晶上にエピタキシャル成長されたS
1-x-yGexy 結晶とSi結晶とのへテロ結晶におい
て、大きな圧縮歪は生じにくく、熱的耐性も高くなると
考えられている。さらに、Ge組成比xの1/8程度の
C組成比yを有するSi1-x-yGex y 結晶では、Si
結晶と格子整合させることが可能となる。
【0005】そして、第2の特性として、Si1-x-y
xy 結晶は、以下に述べるように、Si結晶とヘテ
ロ接合を形成した際に伝導帯及び価電子帯の双方にバン
ドオフセットが生じるという特性を有している。
【0006】まず、Si1-xGex結晶とSi結晶とがヘ
テロ接合を形成すると、ヘテロ結晶のバンド構造におい
てバンドオフセットはSi1-xGex結晶の価電子帯領域
のみに発生し伝導帯領域には発生しないので、Si1-x
Gex結晶部分をチャネルとした高速MOSトランジス
タを形成する場合、pチャネルのトランジスタは作製で
きるが、nチャネルのトランジスタは作製できない。そ
れに対して、Si1-x-yGexy 結晶とSi結晶とがヘ
テロ接合を形成すると、Si1-x-yGexy結晶のGe
含有率及びC含有率が高い場合には(Ge含有率が数十
at.%、かつC含有率が数at.%以上の場合)、価電子
帯と伝導帯との両方にバンドオフセットが生じるという
報告がある (K.Brunner et al., J.Vac.Sci.Technol.
B16, 1701(1998))。この場合、キャリアの閉じこめ
は、伝導帯と価電子帯のいずれにおいても可能となり、
pチャネルのみならずnチャネルトランジスタの作製も
可能となる。
【0007】次に、第3の特性として、CはB(ホウ
素)等の不純物の拡散を抑制するという特性を有してい
る。この性質は、Bのプロファイルを適切に制御する必
要のあるデバイスを作製する上で非常に有効に機能し、
半導体デバイスの製造プロセスの安定化を行う際にも有
用である。例えば、ベース領域の狭い超高速npnバイ
ポーラトランジスタやδドーピングを用いた電界効果ト
ランジスターを製造する際に、Bをドーピングする領域
にCを含む半導体層を使うことによって、熱処理による
Bの拡散を妨げ、設計通りのドーピングプロファイルを
もつデバイスの作製が可能となる。
【0008】上述のように、Cを含んだIV属結晶である
Si1-x-yGexy 結晶は、Si結晶やSi1-xGex
晶よりも優れた性質を有する材料である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高品質
なSi1-x-yGexy 結晶の作製は、以下に述べるよう
なCのもつ特有の性質により、Si1-xGex結晶よりも
難しい。
【0010】まず、C原子のSi結晶やGe結晶への固
溶度は非常に低く(熱平衡状態でSi結晶へは約1017
/cm3 、Ge結晶へは約108/cm3)、高含有率(a
t.%オーダー)のC原子を含有する結晶の作製は、溶
融法等の熱的平衡状態での作製は困難である。
【0011】また、C原子は、結晶の格子位置のみなら
ず、格子間にも入りやすい性質を有している。なお、こ
の明細書では、便宜上、結晶の格子位置に入り込んだC
原子を格子位置C原子と呼び、結晶の格子間に入り込ん
だC原子を格子間C原子と呼ぶ。 さらに、C原子は結
晶格子中のSi原子と選択的に結合する傾向があり、S
iC結晶(結晶性の炭化ケイ素)や、アモルファスSi
Cに近い構造ができやすく、このような局所的構造が結
晶の質の低下を引き起こす。
【0012】上述のように作成が困難であるSi1-x-y
Gexy 結晶を作成する方法として、従来では、CV
D(Chemical Vapor Deposition)法、ガスソースMB
E(Molecular Beam Epitaxy)法、及び、固体ソースMB
E(Molecular Beam Epitaxy)法と呼ばれる方法が用い
られてきた。次に、これらの方法とその問題点について
説明する。
【0013】まず、CVD法とガスソースMBE法とに
ついて述べる。CVD法とガスソースMBE法とは、原
料となるガスを基板表面上で熱分解し、結晶成長を行う
という点で同一の結晶成長方法である。通常、Si
1-x-yGexy 結晶をSi結晶上に成長する場合には、
真空容器内でSi基板を加熱した状態で、Si1-x-y
xy 結晶を構成するSiの原料であるSiH4やSi
26 等のシラン系ガスと、Geの原料であるGeH4
スと、Cの原料であるSiH3CH3 やC22等のCを
含むガスを真空容器内に同時に供給する。しかし、CV
D法とガスソースMBE法とでも、Cが自在に結晶の格
子位置に入るわけではなく、格子位置に入るC含有率に
はある限界値が存在する。この限界値を超えて、Cを結
晶中に混入しようとすると、Si1-x-yGexy 結晶の
質は著しく低下する。特に、半導体デバイスに応用が可
能な程度に欠陥が無く高い結晶性をもつSi1-x-yGex
y 結晶は、C含有率が約2at. %程度以下でなけれ
ば実現できないというのが現状である。
【0014】次に、固体ソースMBE法について説明す
る。固体ソースMBE法によりSi 1-x-yGexy 結晶
を作製する場合には、超高真空中で固体のSi,Ge,
Cの蒸発により発生する分子線を、基板に照射して結晶
成長を行う。通常、SiとGeの分子線は、SiとGe
との結晶に電子線を照射する方法や、るつぼで加熱する
方法によって発生させる。一方、Cに関しては、グラフ
ァイトを加熱して蒸発させ、分子線状にするのが一般的
である。この固体ソースMBE法においても、上述のC
VD法と同じく、Ge含有率が高い場合にCが格子位置
に入りにくいという報告が最近なされている(J.P.Liu a
nd H.J.Osten, Appl.Phys.Lett.76,3546 (20
00))。
【0015】以上のように、Si1-x-yGexy 結晶の
作製に良く用いられている、ガスを原料とするCVD法
とガスソースMBE法、さらに固体を原料とする固体ソ
ースMBE法のいずれにおいても、Ge含有率が高くな
れば、格子位置に入り込めるC含有率は低下してしま
う。
【0016】ところで、発明者らは、Si1-x-yGex
y 結晶で、半導体結晶膜としての用途に十分なGe含有
率とC含有率を同時に得ることが困難である原因のひと
つとして、Ge原子とC原子との相性が悪く、Si
1-x-yGexy 結晶の格子位置に入るCの含有率の最大
値は、Geの含有率に依存して変化することを明らかに
した。(Y.Kanzawa K.Nozawa,T.Saitoh and M.Kubo,
Appl.Phys.Lett.77, 3962(2000))。図1は、UHV−
CVD法によってSi基板上に単層のSi1-x-yGex
y結晶を堆積した場合に、格子位置に入ることのできる
C含有率の最大値を縦軸に、Ge含有率を横軸にプロッ
トしたグラフである。なお、原料には、Si 26ガス,
GeH4ガス,SiH3CH3 ガスを用い、成長時の基板
の温度は、490℃とした。図1から分かるように、例
えば、Ge含有率が13at. %程度であるSi1-x-y
Gexy 結晶には、Cは1.9at. %程度の含有率
まで格子位置に入るが、Ge含有率が35at. %程度
であるSi1-x-yGexy 結晶には、Cは格子位置に
0.8at.%程度しか入ることができない。つまり、
Si1 -x-yGexy結晶において、Ge含有率が増加す
ればするほど、格子位置に入るC含有率の最大値が低下
することを意味している。
【0017】本発明の目的は、Si1-x-yGexy 層の
堆積の際に、GeとCとの結合性が乏しいことに起因す
るCの固溶限界の向上を図り、もって、各種半導体の製
造に供しうる半導体結晶膜の製造方法を提供することに
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体結晶膜の
製造方法は、基板上に、少なくとも1原子層のSi,G
eおよびCを含有する結晶層をエピタキシャル成長させ
る過程と、上記Si,GeおよびCを含有する結晶層の
上の少なくとも一部を、原子状水素によって覆う過程と
を含み、Si,GeおよびCを含有する結晶膜をエピタ
キシャル成長させる方法である。
【0019】この方法により、結晶が成長している基板
の最表面に存在するGe原子のうちでH原子が付着する
Ge原子の割合は、従来の製造方法と比較して増大す
る。結晶の最表面に存在するGe原子にH原子が付着す
ると、そのGe原子が下層に存在するSiと入れ替わる
現象が起こることから、本発明の製造方法では、従来の
製造方法と比較して、より多くのGe原子が下層のSi
原子と入れ替わるようになる。その結果、結晶を成長し
ている基板の最表面に存在する原子のうちでGe原子の
占める割合は減少し、このことから、Si,Geおよび
Cを含有する結晶膜におけるCの含有率を増加させるこ
とができる。
【0020】上記半導体結晶膜の製造方法において、シ
リコン(Si)を含有する原料ガスと,ゲルマニウム
(Ge)を含有する原料ガスと,炭素(C)を含有する
原料ガスとを熱分解することにより、上記Si,Geお
よびCを含有する結晶層を形成することができる。ま
た、このとき、上記シリコン(Si)を含有する上記原
料ガスとして、モノシラン(SiH4),ジシラン(S
26),ジクロロシラン(SiH2Cl2)あるいはト
リシラン(Si38)のいずれかを用い、上記ゲルマニ
ウム(Ge)を含有する上記原料ガスとしてゲルマン
(GeH4 )を用い、上記炭素(C)を含有する上記原
料ガスとしてモノメチルシラン(SiH3CH3)を用い
ることが好ましい。
【0021】上記半導体結晶膜の製造方法において、そ
れぞれ、固体のSi,固体のGe及び固体のCの蒸発に
より発生するSiの分子線,Geの分子線及びCの分子
線を上記基板上に照射することにより、上記Si,Ge
およびCを含有する結晶層を形成することもできる。
【0022】上記半導体結晶膜の製造方法において、上
記基板上に、少なくとも1原子層の上記Si,Geおよ
びCを含有する結晶層をエピタキシャル成長させる過程
の後に、上記Si,GeおよびCを含有する結晶層の上
の少なくとも一部を、原子状水素によって覆う過程を行
い、その後、少なくとも1原子層のSi,GeおよびC
を含有する結晶層をエピタキシャル成長させる過程をさ
らに含めることもできる。
【0023】上記半導体結晶膜の製造方法において、少
なくとも1原子層のSi,GeおよびCを含有する結晶
層のエピタキシャル成長させる過程と、原子状水素の供
給を行なう過程とを交互に繰り返すこともできる。
【0024】上述の半導体結晶膜の製造方法において、
原子状水素の供給は、少なくとも1原子層の上記Si,
GeおよびCを含有する結晶層のエピタキシャル成長と
同時に行うこともできる。
【0025】上記原子状水素は、プラズマあるいはフィ
ラメントを用いて発生させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】−Si1-x-yGexy 結晶の成長
過程の解析− 発明者らは、Si1-x-yGexy 層において、Ge含有
率xが高くなればC原子が結晶の格子位置に入り込みに
くくなる原因の一つを、以下のように考えた。Si
1-x-yGexy 層におけるGe含有率xが高くなればな
る程、結晶成長が起こっている最表面の原子のうちGe
原子の割合は増加し、Si原子の割合は減少する。する
と、C原子とGe原子との相性はC原子とSi原子との
相性と比較して悪いため、成長している結晶の最表面の
うち、C原子が結合できない領域が増加する。その結
果、Si1-x-yGexy 層のエピタキシャル成長の際
に、結晶内の格子位置に入り込めるCは少なくなるもの
と考えられる。
【0027】それに対し、Si1-x-yGexy 層におい
て、結晶成長最表面に存在する原子のうちでGe原子の
割合が低くSiの割合が高い場合には、結晶成長最表面
に新たにSi1-x-yGexy 層を形成する際に、ある程
度高い含有率でC原子が結晶の格子位置に入りこむこと
ができる。つまり、高いGe含有率xを有するSi1-
x-yGexy 層においても、結晶を成長させる際に、S
1-x-yGexy 層を堆積する最表面に存在する原子の
うちでGe原子の占める割合を低下させることができれ
ば、その後新たに堆積するSi1-x-yGexy 層におい
てはC原子が入り込みやすくなるはずである。
【0028】そこで、本発明では、Si1-x-yGexy
結晶を成長させる際の基板最表面に存在する原子のう
ち、Ge原子の占める割合を低下させる方法として、基
板上に、原料ガスと原子状水素とを供給してSi1-x-y
Gexy 結晶を成長させる方法を提案する。
【0029】(第1の実施形態)以下、本発明の第1の
実施形態に係る半導体結晶膜の製造方法について、図2
(a)〜(d)、図3(a)〜(c)を参照しながら説
明する。まず、図2(a)〜(d)を参照しながら、S
1-x-yGexy 層のエピタキシャル成長を行わせる工
程について説明する。
【0030】初めに、図2(a)に示す工程で、結晶成
長を行うSi基板11を洗浄する。具体的にいうと、S
i基板11を硫酸−過酸化水素水混合溶液で洗浄し、S
i基板11表面上の有機物、金属汚染物質を除去する。
次に、Si基板11をアンモニア−過酸化水素水溶液で
洗浄し、Si基板11の表面上の付着物を除去する。さ
らに、フッ酸溶液を用いてSi基板11表面上の自然酸
化膜を取り去る。最後に、Si基板11を、再度アンモ
ニア−過酸化水素水溶液に浸し、Si基板表面上に薄い
保護酸化膜を形成する。
【0031】次に、洗浄したSi基板11を、結晶成長
装置内に導入する。そして、成長装置内を一旦、2.6
×10-7Pa程度の圧力まで真空引きし、真空中もしく
は水素ガス雰囲気中でSi基板11を850℃の温度に
加熱する。これにより、上述の洗浄工程でSi基板11
表面上に形成された保護酸化膜を除去し、清浄Si基板
11の表面を露出させる。このとき、Si基板11の最
表面に並ぶSi原子12のうちで、ある割合のSi原子
にはH原子13が付着しており、それ以外のSi原子
は、H原子13と結合することなく、ダングリングボン
ドを露出させている。
【0032】次に、図2(b)に示す工程で、Si基板
11上に、Si1-x-yGexy 結晶を成長させる。具体
的にいうと、Si基板11の表面の温度を例えば490
℃程度の温度まで低下させた状態で、Si基板11上面
上にSi1-x-yGexy 結晶の原料ガスを供給して、1
原子層程度の結晶を成長させる。このとき、成長させた
結晶の最表面には、Ge原子15が約100x%(例え
ば、約30at. %)の割合で存在しており、他に、S
i原子16は約100(1−x−y)%,C原子14は
約100y%の割合で存在していると考えてよい。ま
た、基板最表面に存在する原子には、ある割合でH原子
13が付着している。なお、原料ガスと分圧との条件
は、Si26 ガスを9.1×10-3Pa程度、GeH4
ガスを4.3×10-2Pa程度、SiH3CH3ガスを1.
7×10-3 Pa程度とする。ここで、Si,Geおよ
びCの原料ガスの分圧の比を一定に保ちながら結晶を成
長させてもよいし、変化させながら成長させてもよい。
【0033】次に、図2(c)に示す工程で、原料ガス
を供給した後の基板上に原子状水素を供給すると、基板
最表面のうちほぼ全面がH原子によりおおわれる状態と
なる。このとき、基板最表面におけるGe原子は、H原
子と結合しているものと考えられる。
【0034】ここで、基板最表面に存在するGe原子1
5のうち,H原子が付着しているGe原子と、そのGe
原子の下層に存在するSi原子とが、入れ替わる現象が
おこる。なお、このときの基板温度は500℃以下,好
ましくは400℃以下に保つ。原子状水素を得る手段の
例として、例えばヘリコン波プラズマ方式を用いたラジ
カルセルを用いて水素分子を原子状にする手段があり、
その場合には、原子状水素を供給する圧力は、6.5×
10-4Pa程度にする。
【0035】次に、図2(d)に示す工程で、原子状水
素を供給した後の基板上にSi1-x- yGexy結晶の原
料ガスであるSi26ガス,GeH4ガス,SiH3CH
3ガスを再び供給し、さらに原子状水素を供給する。す
ると、新たに形成された最表面のSi1-x-yGexy
に含まれるGeが下層に移動する。ここで、Geの組成
比が低下している状態の下層にGeが移動するので、下
層のGe組成比は、平均的なSi1-x-yGexy 結晶の
組成比程度にまで回復すると考えられる。このことか
ら、Si1-x-yGexy 結晶の原料ガスの供給と、原子
状水素の供給とを繰り返すと、最表面層を除いてほぼ均
一にGeが分布する層が形成される。
【0036】このような手法によって、例えば、原子状
水素を供給しない従来の製造方法では、Ge含有率が3
0at. %であるSi1-x-yGexy 結晶の格子位置に
C原子を約1.2at.%程度しか混入できないのに対
し、本実施形態による製造方法では、Ge含有率が30
at. %であるSi1-x-yGexy 結晶の格子位置に、
C原子を約1.6at.%程度まで混入できるようにな
る。
【0037】次に、原子状水素を供給するとSi1-x-y
Gexy 結晶の格子位置に入るC原子の含有率が増大
する理由について、図3(a)〜(c)を参照しながら
詳細に説明する。図3(a)〜(c)は、本実施形態に
係るSi1-x-yGexy 結晶の成長工程のうち、原子状
水素を暴露する前後におけるSi1-x-yGexy 層の成
長状態を示す断面図である。なお、図3(a)〜(c)
では、簡単のため、Si基板11上に、1原子層のSi
1-x-yGexy 層が堆積している状態を考える。
【0038】図3(a)に示すように、原料ガスを供給
し,原子状水素を供給していない基板においては、基板
の最表面に存在するSi原子16やGe原子15には、
H原子13がある確率で付着している。このとき、基板
の温度が高くなればH原子13が付着している割合は低
下する。また、H原子13は、Ge原子15よりもSi
原子12に付着しやすいため、基板最表面に存在するG
e原子15のうちで、H原子13が付着しているGe原
子の割合は低いと考えられる。
【0039】そこで、図3(b)に示す工程で、上述の
ような状態の基板上に原子状水素を暴露すると、基板最
表面のほぼ全面が原子状水素によって覆われる。その結
果、基板最表面に存在するSi原子16とGe原子15
とのうちH原子13が付着しているSi原子とGe原子
との割合は共に増加する。
【0040】そして、図3(c)に示す工程で、原子状
水素を暴露した後の基板に、500℃程度よりも低い温
度で熱処理を続けると、基板最表面に存在するGe原子
15のうちH原子が付加したGe原子と、そのGe原子
の下層に存在するSi原子とが入れ替わる現象がおこ
る。これは、このような条件下では、Ge原子とSi原
子との入れ替わりが起こった方がエネルギー的に安定で
あることに起因する(Y.Kobayashi, K.Sumitomo, K.Sh
iraishi, T.Urisu and T.Ogino, Surf.Sci. 436, 9
(1999))。
【0041】なお、図3(c)では、上述の条件を満た
すGe原子はすべて、下層に存在するSi原子と入れ替
わっているが、必ずしも全てが入れ替わるとは限らな
い。なお、基板に原子状水素を供給した後、基板の温度
を500℃よりもあまり高い温度にすると、基板の最表
面に付着しているH原子が脱離しやすくなる。よって、
500℃程度より低い温度にすることにより基板最表面
をより確実にH原子で覆い、Ge原子と、そのGe原子
の下層に存在するSi原子との置換を促進することがで
きる。
【0042】以上のように、原子状水素を基板上に供給
すると、基板最表面に存在する原子に新たにH原子13
が付着するため、基板最表面に存在する原子のうちでH
原子13が付着している原子の割合は、原子状水素供給
前よりも増大する。そのため、基板最表面に存在するG
e原子15のうちでH原子13が付着しているGe原子
の割合も原子状水素供給前より増大する。その結果、本
実施形態による製造方法では、原子状水素を暴露しない
従来の製造方法に比べ、Ge原子が下層に存在するSi
原子と入れ替わる確率は高くなる。そして、結晶の原料
ガスを供給するときの基板の最表面に存在する原子のう
ちGe原子の占める割合を低減させることができ、原料
ガスから供給されるC原子が、結晶の格子位置に入りや
すくなる。
【0043】従来の技術について説明したように、格子
位置にC原子が入りにくい大きな要因の一つに、C原子
とGe原子との相性の悪さがあった。しかし、本実施形
態による半導体結晶膜の製造方法では、Si1-x-yGex
y 層を新たに堆積する際の基板において、C原子と相
性の悪いGe原子を最表面の原子層の下方に存在する原
子層に移動させることにより、最表面のGe原子密度を
低下させ、格子位置Cの割合の増加を図ることが可能と
なる。
【0044】(第2の実施形態)以下、本発明の第2の
実施形態に係る半導体結晶膜の製造方法について、図4
(a)〜(c)を参照しながら説明する。
【0045】本実施形態では、Si1-x-yGexy 層を
成長させる際の基板最表面に存在する原子のうち、Ge
原子の占める割合を低下させる方法としてUHV−CV
D法を用い、基板上に原料ガスと原子状水素を同時供給
してSi1-x-yGexy 層を供給する方法を用いる。
【0046】まず、図4(a)に示す工程で、第1の実
施形態で述べた方法と同様の方法でSi基板に洗浄処理
を含む前処理を施したのち、Si基板を超高真空中で加
熱して清浄なSi基板11の表面を露出させる。
【0047】次に、図4(b)に示す工程で、Si基板
11の温度を、例えば490℃程度の温度まで低下させ
て、Si基板11上に原料ガスと原子状水素とを同時に
供給する。なお、原料ガスと原子状水素とを供給すると
きの温度は、500℃程度以下の温度が好ましい。この
温度範囲にすることにより、Si1-x-yGexy 層の成
長とGe原子の下層への拡散作用とを同時に行うことが
できる。原料ガスと装置内の圧力は、Si26 ガスを
9.1×10-3Pa程度、GeH4ガスを4.3×10-2
Pa程度、SiH3CH3ガスを1.7×10-3Pa程度
とする。また、原子状水素は、例えば、H分子をヘリコ
ン波プラズマ方式を用いたラジカルセルを用いて原子状
にし、6.5×10-4 Pa程度の圧力で供給する。
【0048】このような状態で結晶成長を行うと、結晶
成長が起こっている基板の最表面には、常に原子状水素
を供給できるため、第1の実施形態とほぼ同じ作用によ
り最表面の原子にH原子が付着している割合を、原子状
水素を供給しない従来の製造方法における割合よりも高
く保つことができる。そのため、最表面に存在するGe
原子のうちでH原子が付着しているGe原子の占める割
合も増加する。その結果、従来の製造方法における割合
よりも多くの割合のGe原子が、そのGe原子の下層に
存在するSi原子と入れ替わる。
【0049】その後、図4(c)に示す工程で、基板上
への原料ガス,原子状水素の同時供給を、所定の膜厚が
得られるまで行う。
【0050】以上の工程により、本実施形態では、従来
の製造方法と比較して、結晶成長が起こっている基板の
最表面の原子のうちGe原子の占める割合が減少し、逆
にSi原子の占める割合が増加するため、C原子が結晶
の格子位置に入りやすくなる。その結果、Si1-x-y
xy 層における格子位置Cの割合を増加させること
ができる。
【0051】(第3の実施形態)以下、本発明の第3の
実施形態に係る半導体結晶膜の製造方法について、図5
(a)〜(d)を参照しながら説明する。
【0052】本実施形態では、Si1-x-yGexy 層を
成長させる際の基板最表面に存在する原子のうち、Ge
原子の占める割合を低下させる方法として、固体ソース
MBE法を用い、Si,Ge,Cの分子線と原子状水素
とを交互供給してSi1-x-yGexy 層を成長させる方
法を提案する。
【0053】まず、図5(a)に示す工程、つまり第1
の実施形態で述べた工程と同様の工程で、Si基板11
に洗浄処理を含む前処理を施したのち、Si基板11を
超高真空中で加熱して清浄なSi基板11の表面を露出
させる。
【0054】次に、図5(b)に示す工程で、Si基板
11の温度を、例えば400℃程度の温度まで低下させ
た状態で、Si基板11上にSi,GeおよびCの分子
線を基板に照射して、1原子層程度のSi1-x-yGex
y 層を成長させる。この時、Siの分子線とGeの分子
線とは、例えば、それぞれSi結晶とGe結晶にそれぞ
れ電子線照射をおこない、蒸発により発生させる。一
方、Cの分子線は、例えば、グラファイトフィラメント
を通電加熱し、蒸発により発生させる。このような固体
ソースMBE法によると、低温でもSi1-x-y Gexy
層を成長させることができるという利点がある。
【0055】次に、図5(c)に示す工程で、SiとG
eとCとの分子線の供給を停止した後の基板上に、原子
状水素を暴露する。原子状水素は、例えば、ヘリコン波
プラズマ方式を用いたラジカルセルを使って発生させ
る。ここで、原子状水素を基板上に暴露することによ
り、結晶が成長している最表面の原子のうち水素が付着
している原子の割合は高くなる。その結果、従来の製造
方法よりも多くのGe原子が下層のSiと入れ替わる。
【0056】その後、図5(d)に示す工程で、基板上
へのSi,Ge,Cの分子線の供給と、原子状水素の供
給とを、所定の膜厚が得られるまで繰り返す。
【0057】以上の工程により、本実施形態では、従来
の製造方法と比較して、結晶成長が起こっている基板の
最表面の原子のうちGe原子の占める割合が減少し、逆
にSi原子の占める割合が増加するため、C原子が結晶
の格子位置に入りやすくなる。その結果、Si1-x-y
xy 層における格子位置Cの割合を増加させること
ができる。
【0058】(第4の実施形態)以下、本発明の第4の
実施形態に係る半導体結晶膜の製造方法について説明す
る。
【0059】本実施形態では、Si1-x-yGexy 層を
成長させる際の基板最表面に存在する原子のうち、Ge
原子の占める割合を低下させる方法として、固体ソース
MBE法を用い、Si,Ge,Cの分子線と原子状水素
とを同時に供給してSi1-x- yGexy 層を成長させる
方法を用いる。
【0060】まず、第1の実施形態で述べた工程と同様
の工程で、Si基板に洗浄処理を含む前処理を施したの
ち、Si基板を超高真空中で加熱して清浄なSi基板表
面を露出させる。
【0061】次に、基板の温度を、例えば400℃程度
の温度まで低下させた状態で、基板上にSi,Geおよ
びCの分子線と、原子状水素を同時に基板上に暴露し
て、1原子層程度のSi1-x-yGexy 層を成長させ
る。この時、Siの分子線とGeの分子線とは、例え
ば、それぞれSi結晶とGe結晶にそれぞれ電子線照射
をおこない、蒸発により発生させる。一方、Cの分子線
は、例えば、グラファイトフィラメントを通電加熱し、
蒸発により発生させる。また、原子状水素は、例えば、
ヘリコン波プラズマ方式を用いたラジカルセルを使って
発生させる。このようにSi1-x-yGexy 層を成長さ
せると、結晶が成長している最表面には、常に原子状水
素が供給されるため、結晶が成長している最表面の原子
のうち水素が付着している原子の割合を高く保つことが
できる。その結果、従来の製造方法よりも多くのGe原
子が下層のSiと入れ替わることができる。
【0062】その後、基板上へのSi,Ge,Cの分子
線と原子状水素との同時供給を、所定の膜厚が得られる
まで行う。
【0063】以上の工程により、本実施形態では、従来
の製造方法と比較して、結晶成長が起こっている基板の
最表面の原子のうちGe原子の占める割合が減少し、逆
にSi原子の占める割合が増加するため、C原子が結晶
の格子位置に入りやすくなる。その結果、Si1-x-y
xy 層における格子位置Cの割合を増加させること
ができる。
【0064】(その他の実施形態)第1および第2の実
施形態において、結晶を成長させる方法としてUHV−
CVD法を用いたが、本発明では、LP−CVD法な
ど,他のCVD法を用いてもよく、原料ガスの分圧を低
く抑えるガスソースのMBE法を用いてもよい。
【0065】また、第1および第2の実施形態におい
て、原料ガスとして上記のSi26を用いたが、本発明
では、替わりにSiH4,SiH2Cl2,Si38 を用
いてもよい。
【0066】第3及び第4の実施形態では、Si及びG
eの分子線を発生させるために電子線を照射する方法を
用いたが、ヒーターでるつぼを加熱する方式を用いても
よい。
【0067】また、第1〜第4の実施形態において原子
状水素を供給するまでに成長させるSi1-x-yGexy
層は、少なくとも1原子層であればよいと述べたよう
に、本発明においては、少なくとも1原子層であればよ
く、数原子層でもよい。つまり、数原子層を成長させる
過程と、原子状水素で覆う過程とを交互に繰り返しても
良い。
【0068】さらに、第1〜第4の実施形態では、Si
基板上に直接Si1-x-yGexy 層を成長する場合につ
いて述べたが、本発明では、Si基板とSi1-x-yGex
y層との間に、SiやSi1-x Gex からなるバッフ
ァ層を介在させてもよい。
【0069】また、第1〜第4の実施形態では、原子状
水素を発生させる方法としてヘリコン波プラズマ方式を
用いたラジカルセルを使用する方法について述べたが、
本発明では、フィラメント加熱による熱分解を用いても
よい。
【0070】また、第1〜第4の実施形態では、原子状
水素を暴露してから基板温度を保持することにより、原
子状水素の付着したGeと、その下層に位置するSiと
が入れ替わると述べた。しかし、本発明においては、原
子状水素を暴露する時点と上述の入れ替わりの時点とが
明確に区別されなくてもよい。
【0071】また、第1〜第4の実施形態においては、
Si層の上にSi1-x-yGexy 層を成長させる場合に
ついて述べたが、本発明においては、Si1-xGex層な
どのSi層以外の層の上に成長させてもよい。
【0072】また、第1および第3の実施形態において
は、結晶成長装置の外で水素分子を分解して原子状水素
とする場合について述べたが、本発明においては、結晶
成長装置内で水素分子を分解して原子状水素を供給して
もよい。例えば、第1の実施形態では、図2(b)に示
す工程でSi1-x-yGexy 結晶の原料ガスの供給を止
めた後、図2(c)に示す工程で、装置内でフィラメン
ト等を用いて水素分子を分解することにより原子状水素
を発生させてもよい。
【0073】なお、本発明を実施する条件は、第1〜第
4の実施形態で述べた条件(例えば、ガス種、圧力、温
度など)に限られるものではない。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、高いGe含有率を有し
ながら格子位置Cを高い割合で含有するSi1-x-yGex
y 層の製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の製造方法によって作成したSi1-x-y
Gexy 層における格子位置に入ることのできるC含
有率の最大値を縦軸に、Ge含有率を横軸にプロットし
たグラフである。
【図2】 (a)〜(d)は、第1の実施形態に係る半
導体結晶膜の製造工程を示した断面図である。
【図3】 (a)〜(c)は、第1の実施形態に係る半
導体結晶膜の製造工程のうち、基板上に原子状水素を暴
露する前後の工程を示した断面図である。
【図4】 (a)〜(c)は、第2の実施形態に係る半
導体結晶膜の製造工程を示した断面図である。
【図5】 (a)〜(d)は、第3の実施形態に係る半
導体結晶膜の製造方法を示した断面図である。
【符号の説明】
11 Si基板 12 Si原子 13 H原子 14 C原子 15 Ge原子 16 Si原子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 徹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 久保 実 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4G077 AA03 BA10 BE05 DA09 DB04 EA02 EF04 HA06 TA04 TA07 TB02 5F045 AA07 AA15 AA18 AB01 AC01 AC05 AC08 AD08 AD12 AE03 AF03 BB04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、少なくとも1原子層のSi,
    GeおよびCを含有する結晶層をエピタキシャル成長さ
    せる過程と、 上記Si,GeおよびCを含有する結晶層の上の少なく
    とも一部を、原子状水素によって覆う過程とを含むこと
    を特徴とする半導体結晶膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体結晶膜の製造方
    法において、 シリコン(Si)を含有する原料ガスと,ゲルマニウム
    (Ge)を含有する原料ガスと,炭素(C)を含有する
    原料ガスとを熱分解することにより、上記Si,Geお
    よびCを含有する結晶層を形成することを特徴とする半
    導体結晶膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の半導体結晶膜の製造方
    法において、 固体のSi,固体のGe及び固体のCの蒸発により発生
    するSiの分子線,Geの分子線及びCの分子線を上記
    基板上に照射することにより、上記Si,GeおよびC
    を含有する結晶層を形成することを特徴とする半導体結
    晶膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載
    の半導体結晶膜の製造方法において、 上記基板上に、少なくとも1原子層の上記Si,Geお
    よびCを含有する結晶層をエピタキシャル成長させる過
    程の後に、上記Si,GeおよびCを含有する結晶層の
    上の少なくとも一部を、原子状水素によって覆う過程を
    行い、その後、少なくとも1原子層のSi,Geおよび
    Cを含有する結晶層をエピタキシャル成長させる過程を
    さらに含むことを特徴とする半導体結晶膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の半導体結晶膜の製造方
    法において、 少なくとも1原子層のSi,GeおよびCを含有する結
    晶層のエピタキシャル成長させる過程と、原子状水素の
    供給を行なう過程とを交互に繰り返すことを特徴とする
    半導体結晶膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のうちいずれか1つに記載
    の半導体結晶膜の製造方法において、 原子状水素の供給は、少なくとも1原子層の上記Si,
    GeおよびCを含有する結晶層のエピタキシャル成長と
    同時に行うことを繰り返すことを特徴とする半導体結晶
    膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の半導体結晶膜の製造方
    法において、 上記シリコン(Si)を含有する上記原料ガスとして、
    モノシラン(SiH4),ジシラン(Si26 ),ジク
    ロロシラン(SiH2Cl2 )あるいはトリシラン(S
    38)のいずれかを用い、上記ゲルマニウム(Ge)
    を含有する上記原料ガスとしてゲルマン(GeH4 )を
    用い、上記炭素(C)を含有する上記原料ガスとしてモ
    ノメチルシラン(SiH3CH3)を用いることを特徴と
    する半導体結晶膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7に記載の半導体結晶膜の製
    造方法において、 上記原子状水素は、プラズマあるいはフィラメントを用
    いて発生させることを特徴とする半導体結晶膜の製造方
    法。 【発明の属する技術分野】本発明は、Si,Geおよび
    Cを含有する結晶膜を有する半導体結晶膜の製造方法に
    関する。
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