JP2003067908A - 垂直磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

垂直磁気記録媒体およびその製造方法

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JP2003067908A
JP2003067908A JP2001253128A JP2001253128A JP2003067908A JP 2003067908 A JP2003067908 A JP 2003067908A JP 2001253128 A JP2001253128 A JP 2001253128A JP 2001253128 A JP2001253128 A JP 2001253128A JP 2003067908 A JP2003067908 A JP 2003067908A
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magnetic
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Yasushi Sakai
泰志 酒井
Akihiro Otsuki
章弘 大月
Keiji Okubo
恵司 大久保
Kazuo Enomoto
一雄 榎本
Sadayuki Watanabe
貞幸 渡辺
Takahiko Tamaki
孝彦 玉城
Atsushi Kuga
淳 久我
Hidekazu Miyashita
英一 宮下
Akira Taguchi
亮 田口
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Japan Broadcasting Corp
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Fuji Electric Co Ltd
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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    • G11INFORMATION STORAGE
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/84Processes or apparatus specially adapted for manufacturing record carriers
    • G11B5/851Coating a support with a magnetic layer by sputtering
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/73Base layers, i.e. all non-magnetic layers lying under a lowermost magnetic recording layer, e.g. including any non-magnetic layer in between a first magnetic recording layer and either an underlying substrate or a soft magnetic underlayer
    • G11B5/7368Non-polymeric layer under the lowermost magnetic recording layer

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スパッタ法で目的の磁気特性を有する垂直磁
気記録媒体を容易に得る方法および該方法で得られる磁
気記録媒体を提供すること。 【解決手段】 本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性基
板上に、少なくとも軟磁性裏打ち層、下地層、磁気記録
層、保護層および液体潤滑剤層が順次積層された垂直磁
気記録媒体において、前記磁気記録層がスパッタ法によ
り形成される希土類−遷移金属合金非晶質膜であり、該
スパッタ法による前記磁気記録層の形成が2%以上60
%以下のHガスを添加した成膜用ガスにより行われる
ことを特徴とする。また、本発明は、該垂直磁気記録媒
体の製造方法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の磁気記録装
置に搭載される垂直磁気記録媒体およびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク記録装置の大容量化に伴っ
て、磁気記録媒体の高記録密度化の要求が高まってい
る。従来の磁気記録方式では、長手磁気記録方式が主流
であるが、最近、磁気記録の高記録密度化を実現する技
術として垂直磁気記録方式が注目されつつある。
【0003】垂直磁気記録媒体は、硬質磁性材料の磁気
記録層と、この記録層への記録に用いられる、磁気ヘッ
ドが発生する磁束を集中させる役割を担う軟磁性材料で
形成される裏打ち層を構成要素に含んでいる。垂直磁気
記録媒体の磁気記録層用の材料としては、現在主にCo
Cr系合金結晶質膜が使用されている。この膜では、現
状で4000Oe程度の保磁力(Hc)が最大値であ
り、さらなる高密度化のためには保磁力をさらに高める
必要があるが、この要求を満たすには技術的な困難が伴
う。
【0004】一方、光磁気記録用の材料として、希土類
−遷移金属合金非晶質膜が使用されている。これは、大
きな垂直磁気異方性定数(Ku)を有するため、垂直磁
気記録媒体の磁気記録層材料としても非常に有望であ
る。しかし、光磁気記録では、補償点近傍の組成が使用
されており、この組成域のHcは、垂直磁気記録用の材
料として要求されるHcよりもかなり大きい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、垂直磁
気記録媒体用の材料として希土類−遷移金属合金非晶質
膜を使用することが期待されるが、このためには、磁気
特性を望む特性に変更する必要がある。所望の特性を得
るには、例えば、希土類と遷移金属の組成比を変更する
ことが考えられる。しかし、組成が決まると、Kuの値
や、飽和磁束密度(Ms)などの値が一意に決まってし
まうため、組成を変更することにより磁気特性のバラン
ス設計を行うことが困難となる。さらに、目的の磁気特
性を、組成比を調整することによって得ようとする場
合、量産途中で磁気特性が変化したり、生産の進行に伴
ってスパッタリング用のターゲットの組成にずれが生じ
たりしたときに、磁気特性を目的の値に再調整すること
が困難になる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、磁気記録層
に、希土類−遷移金属合金非晶質膜を使用し、この磁気
記録層の形成に、スパッタ法を用い、スパッタ法のター
ゲットの希土類と遷移金属の組成比を変更することなく
目的の磁気特性を有する垂直磁気記録媒体の製造方法を
開発し、目的の磁気記録媒体が得られることを見出し
た。
【0007】従って、本発明は、希土類−遷移金属合金
非晶質膜を垂直磁気記録媒体に使用した磁気記録媒体で
あって、目的の磁気特性を有する垂直磁気記録媒体を容
易に得る方法により製造された磁気記録媒体を提供す
る。さらに、本発明は、スパッタ用ターゲットの希土類
と遷移金属の組成比を変更することなく、目的の磁気特
性を有する垂直磁気記録媒体を容易に得る方法を提供す
る。
【0008】より具体的には、本発明は以下の特徴を有
する。
【0009】本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性基板
上に、少なくとも軟磁性裏打ち層、下地層、磁気記録
層、保護層および液体潤滑剤層が順次積層された垂直磁
気記録媒体であって、前記磁気記録層がスパッタ法によ
り形成される希土類−遷移金属合金非晶質膜であり、該
スパッタ法による前記磁気記録層の形成が2%以上60
%以下のHガスを添加した成膜用ガスを用いて行われ
ることを特徴とする。
【0010】本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法は、
非磁性基板上に少なくとも軟磁性裏打ち層、下地層、磁
気記録層、保護層および液体潤滑剤層を順次積層する工
程を具備する垂直磁気記録媒体の製造方法において、前
記磁気記録層がスパッタ法により形成される希土類−遷
移金属合金非晶質膜であり、該スパッタ法による前記磁
気記録層の形成が2%以上60%以下のHガスを添加
した成膜用ガスを用いて行われることを特徴とする。
【0011】本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法をさ
らに具体的に述べれば以下の通りである。すなわち、本
発明の垂直磁気記録媒体の製造方法は、 (1)非磁性基板上に軟磁性裏打ち層を形成する工程 (2)前記軟磁性裏打ち層上に下地層を形成する工程 (3)前記下地層上に磁気記録層を形成する工程 (4)前記磁気記録層上に保護層を形成する工程 (5)前記保護層上に液体潤滑剤層を形成する工程 とを具備し、前記磁気記録層が希土類−遷移金属合金非
晶質膜であり、前記希土類−遷移金属合金非晶質膜がス
パッタ法により形成され、スパッタ法による希土類−遷
移金属合金非晶質膜の形成が2%以上60%以下のH
ガスを添加した成膜用ガスを用いて行われることを特徴
とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳細に説
明する。
【0013】本発明の第一は、垂直磁気記録媒体に関す
る。
【0014】本発明の垂直磁気記録媒体は、磁気記録層
に希土類−遷移金属合金非晶質膜を用い、この膜をスパ
ッタ法で成膜するが、この成膜で使用する成膜用ガスに
2%から60%のHガスを添加することを特徴とす
る。本発明は、希土類−遷移金属合金非晶質をスパッタ
法により成膜する際に、成膜用のガスとしてHを添加
したガスを使用し、このHガスの添加の割合を変化さ
せることにより磁気特性を任意の値に制御できることを
見出したことに基づく。
【0015】以下に、第一の発明を図面を参照して説明
するが、以下の説明は一実施形態であり、本発明はこれ
に限定されない。
【0016】図1は、本発明の垂直磁気記録媒体の概略
部分断面図である。図1に示されるように、本発明の垂
直磁気記録媒体は、非磁性基板1上に、少なくとも軟磁
性裏打ち層2、下地層3、磁気記録層4、保護層5およ
び液体潤滑剤層6を順次積層した構造を有する。
【0017】本発明において、非磁性基板1は、従来か
ら磁気記録媒体に用いられている材料で形成される。例
えば、基板1の材料として、ニッケル−リン(NiP)
メッキを施したアルミニウム(Al)合金、強化ガラ
ス、結晶化ガラスなどを用いることができる。
【0018】軟磁性裏打ち層2としては、NiFe合
金、センダスト(FeSiAl)合金等を用いることが
できるが、非晶質のCo合金を用いることが好ましい。
CoにZr、Nb、Ta、Hf、Tiおよび/またはW
を添加することにより非晶質のCo合金を得ることがで
きる。本発明で使用するのに好適な非晶質Co合金は、
CoZrNb、CoZrHf、CoHfTaであり、特
にCoZrNbが好ましい。CoZrNbの場合、その
合金には、好ましくは5から20原子%のZr、3から
15原子%のNbが含まれる。軟磁性裏打ち層2の膜厚
は、記録に使用する磁気ヘッドの構造や特性によって最
適値が変化するが、10nm以上300nm以下である
ことが好ましい。
【0019】本発明においては、上記非磁性基板1と軟
磁性裏打ち層2の間に磁区制御を行うための層を設けて
もよい。この層としては、例えばMn合金からなる反強
磁性層、非磁性基板1の半径方向に磁化を配向させた硬
質磁性層などを挙げることができる。この膜を設ける場
合、その厚さは、5から300nm程度であることが好
ましい。
【0020】下地層3は、磁気記録層4の特性を制御す
るために用いられる。下地層3としては、例えば希土類
元素の酸化を防ぐ目的で、Ti、TiCrなどが用いら
れる。また、磁気記録層に書き込まれた信号を固定する
目的で、CoCr系合金結晶質膜を用いることも高記録
密度の垂直磁気記録媒体を製造するためには非常に有効
である。下地層3の膜厚は、好ましくは5から30nm
である。
【0021】磁気記録層4は、希土類−遷移金属合金非
晶質膜からなる。この希土類−遷移金属合金非晶質膜に
使用される材料には、例えばTbCo、TbFeCoな
どの合金系が使用される。
【0022】本発明では、この磁気記録層4の成膜過程
に特徴を有する。本発明では、磁気記録層4は、スパッ
タ法により成膜される。後述する実施例で詳細に説明す
るように、この成膜過程で、成膜用のガスに2%から6
0%のHガスを添加する。Hガスを添加し、H
スの添加の割合を制御することにより、磁気特性を任意
の値に制御することができ、本発明の磁気記録媒体に所
望の磁気特性を付与できる。磁気記録層4の膜厚は、5
から100nm、好ましくは10から50nmである。
【0023】保護層5は、従来より使用されている保護
層を用いることができる。例えば、カーボンを主体とす
る保護層を用いることができる。
【0024】また、液体潤滑剤層6も従来より使用され
る材料を用いることができる。例えば、パーフルオロポ
リエーテル系の潤滑剤を用いることができる。
【0025】保護層5および液体潤滑剤層6の膜厚等の
諸条件は、通常の磁気記録媒体で用いられる諸条件をそ
のまま用いることができる。
【0026】次に、第二の発明について説明する。
【0027】本発明の第二は、垂直磁気記録媒体の製造
方法に関する。この垂直磁気記録媒体の製造方法は、非
磁性基板上に少なくとも軟磁性裏打ち層、下地層、磁気
記録層、保護層および液体潤滑剤層を順次積層する工程
を含む垂直磁気記録媒体を製造する方法であって、前記
磁気記録層がスパッタ法により形成される希土類−遷移
金属合金非晶質膜であり、該スパッタ法による前記磁気
記録層の形成が2%以上60%以下のHガスを添加し
た成膜用ガスを用いて行われることを特徴とする。
【0028】本発明では、軟磁性裏打ち層、下地層、保
護層の形成は、蒸着法、スパッタ法、CVD法などの技
術を用いることができる。また、磁気記録層はスパッタ
法により形成することができる。上述の各層は、別々に
形成することができるが、スパッタ法を用いて一工程で
形成することが好ましい。
【0029】また、液体潤滑剤層は、上記の方法で得ら
れる磁気記録媒体上にディップコーティング法、スピン
コート法などで塗布すればよい。
【0030】本発明では、磁気記録層の形成を行うスパ
ッタリング工程で、スパッタリングに使用する成膜ガス
にHガスを2%以上60%以下の量で添加する。H
ガスを添加し、そのHガスの添加量を制御することに
より磁気記録媒体の磁気特性を任意に制御することが可
能となる。Hガスの添加量が2%より低いと、垂直磁
気異方性定数(Ku)が大きくなり過ぎる。またH
スの添加量が60%を越えると、磁気記録層4が面内磁
化膜となる。このため、Hガスの添加量は、2%以上
60%以下が好ましい。
【0031】また、本発明の垂直磁気記録媒体では、上
述のように、非磁性基板1と軟磁性裏打ち層2の間に、
磁区制御を行うための層を形成してもよいので、このよ
うな層を形成する工程をさらに設けてもよい。この層と
しては、第一の発明で説明した、例えばMn合金からな
る反強磁性層、非磁性基板1の半径方向に磁化を配向さ
せた硬質磁性層などを設けることができる。この層の形
成には、蒸着法、スパッタ法、CVD法などの技術を用
いることができる。
【0032】本発明の方法をさらに具体的に説明すれ
ば、本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法は、以下の各
工程を具備する。
【0033】(1)非磁性基板上に軟磁性裏打ち層を形
成する工程、(2)前記軟磁性裏打ち層上に下地層を形
成する工程、(3)前記下地層上に磁気記録層を形成す
る工程、(4)前記磁気記録層上に保護層を形成する工
程、(5)前記保護層上に液体潤滑剤層を形成する工
程。
【0034】さらに、本発明では、前記磁気記録層が希
土類−遷移金属合金非晶質膜であり、前記希土類−遷移
金属合金非晶質膜がスパッタ法により形成され、スパッ
タ法による希土類−遷移金属合金非晶質膜の形成が2%
以上60%以下のHガスを添加した成膜用ガスを用い
て行われることを特徴とする。
【0035】工程(1)から(4) 本発明の製造方法は、まず、上述の工程(1)から
(4)を順次行う。本発明の製造方法では、非磁性基
板、軟磁性裏打ち層、下地層、磁気記録層、および保護
層には、第一の発明で述べたものを用いることができ
る。例えば、非磁性基板1としては、化学強化ガラス基
板を用いることができるが、この場合、該ガラス基板と
して、従来技術に従って、表面に平滑化、洗浄などの所
定の処理を施したものを使用する。この基板上に各層を
順次積層する。積層は、スパッタ法を用いて行うことが
できる。例えば、上記工程(1)から(4)は、ガス圧
5mTorr下で、DCマグネトロンスパッタリング法
を用いて成膜することができる。この場合、各層の形成
後に基板を取り出す必要はなく、一工程で成膜を行うこ
とが可能である。もちろん、各工程を別々に行うことも
可能である。各工程を別々に行う場合、工程(1)、
(2)および(4)は、蒸着法、スパッタ法、CVD法
などの技術を用いることができる。
【0036】本発明では、上記工程(3)の磁気記録層
4の成膜で、成膜用のガスに2%以上60%以下のH
ガスを添加する。Hガスを添加し、そのHガスの添
加量を制御することにより磁気記録媒体の磁気特性を任
意に制御することが可能となる。Hガスの添加量が2
%より低いと、垂直磁気異方性定数(Ku)が大きくな
り過ぎる。またHガスの添加量が60%を越えると、
磁気記録層4が面内磁化膜となる。このため、Hガス
の添加量は、2%以上60%以下が好ましい。
【0037】さらに、本発明では、工程(1)および
(2)の間に、磁区制御を行うための層を形成する工程
を設けてもよい。この層としては、第一の発明で説明し
た、例えばMn合金からなる反強磁性層、非磁性基板1
の半径方向に磁化を配向させた硬質磁性層などを設ける
ことができる。この層の形成には、蒸着法、スパッタ
法、CVD法などの技術を用いることができる。
【0038】工程(5) 液体潤滑剤層の形成は、従来の方法を用いることができ
る。例えば、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤
滑剤を、上記工程(1)から(4)により得られた磁気
記録媒体上にディップコーティング法、スピンコート法
などで塗布すればよい。
【0039】上述の本発明の垂直磁気記録媒体の製造方
法によれば、希土類−遷移金属合金非晶質膜を形成する
際に、成膜用ガスにHガスを添加し、その添加の割合
を調節することによりスパッタ法のターゲットの組成を
変えることなく、形成された希土類−遷移金属合金非晶
質膜の組成を調節することが可能となる。
【0040】以下に、実施例により本発明をさらに詳細
に説明する。以下の実施例は、本発明の例示であり、本
発明を制限することを意図しない。
【0041】
【実施例】非磁性基板1として表面が平滑な化学強化ガ
ラス基板(例えば、HOYA社製、N−5ガラス基板)
を用い、これを洗浄した後、スパッタ装置内に導入し、
CoZrNb非晶質軟磁性裏打ち層を200nm、Ti
Cr下地層を15nm、TbCo磁性層を30nm、そ
れぞれ形成し、最後にカーボンからなる保護層5nmを
形成した。得られた磁気記録媒体を、スパッタ装置内の
真空装置から取り出した。上記の各層を形成するスパッ
タ工程は、全て、ガス圧5mTorr下で、DCマグネ
トロンスパッタリング法により定法に従って行った。
【0042】磁気記録層(TbCo層)の形成は、全ガ
ス(Ar+H)流量を一定とし、Hガスの全流量に
対する割合を変化させた。これによりHガスの流量を
所望の値に調節した。次いで、パーフルオロポリエーテ
ルからなる液体潤滑剤層を、ディップコーティング法に
より磁気記録媒体表面に2nm形成して垂直磁気記録媒
体を得た。
【0043】上記の方法で、Hガスの流量を種々変化
させて、垂直磁気記録媒体を製造した。各磁気記録媒体
を用いて、磁気記録層のTbおよびCo濃度、磁気記録
媒体の保磁力(Hc)、並びに、垂直磁気異方性定数
(Ku)を測定した。
【0044】磁気記録層のTbおよびCoの濃度は、I
CP発光分析により測定した。磁気特性(保磁力(H
c))は、磁化曲線を振動試料型磁力計で測定し、算出
した。垂直磁気異方性定数(Ku)は、基板面の法線方
向を含む面内で測定した磁気トルク曲線から算出した。
【0045】磁気記録層のTbおよびCoの濃度 Hガスの添加量(%)に対する磁気記録層のTbおよ
びCoの濃度の変化を調査するため、垂直磁気記録媒体
の磁気記録層の組成分析をTbおよびCoに対して行っ
た。図2にTbCoをスパッタ法で成膜する際のH
スの添加量に対して、TbおよびCoの濃度の変化を示
した。図2で、水素添加量(%)は、成膜用ガスの全流
量に対するHガスの添加量の割合を表す。図2からわ
かるように、Hガスを添加しない場合には磁気記録層
中に含まれるTb原子とCo原子の割合は22:78程
度であるが、Hガスの量を増やすとCo原子に対する
Tb原子の割合が減少した。さらに、Hガスを60%
添加すると、Tb:Coの比率は16:84程度とな
る。この組成の変化から、スパッタ法で、希土類−遷移
金属合金非晶質の磁気記録層を形成する際に、成膜用ガ
スにHガスを添加すると希土類(Tb)と遷移金属
(Co)の割合が、Hガスの添加量に応じて大きく変
化することがわかる。
【0046】保磁力(Hc) Hガスの添加量(%)に対する垂直磁気記録媒体の保
磁力(Hc)の変化を調査した。図3に、Hガスの添
加量に対し保磁力(Hc)の変化を示した。図3に示さ
れるように、Hガスをわずかに(約2%)添加する
と、保磁力は、15kOeから約9kOeまで急激に低
下する。さらに図3から、Hガスの添加量を増加して
いくと保磁力は減少するが、減少の仕方はそれほど急激
ではないことがわかる。Hガスの添加量が60%で
は、保磁力は約2000Oeであるが、Hの添加量が
70%では、保磁力は1000Oe以下の値になる。H
ガスを70%添加した垂直磁気記録媒体では、保磁力
の面内成分も観測された。さらにHガスの添加量を増
加すると、垂直方向に測定した保磁力はほぼ0となっ
た。従って、Hガスを成膜用ガスに添加して、スパッ
タ法で希土類−遷移金属合金非晶質の磁気記録層を製造
する場合、Hガスの添加量は60%以下とすることが
好ましい。また、Hガスの添加量の下限は、垂直磁気
記録媒体の保磁力の要請から2%以上とすることが好ま
しい。このような範囲であれば、Hガスの添加量を調
節することにより保磁力を自由に調節することが可能で
ある。
【0047】垂直磁気異方性定数(Ku) Hガスの添加量に対して、垂直磁気異方性定数(K
u)の変化を調査した。図4に、Hガスの添加量に対
する垂直磁気異方性定数(Ku)の変化を示した。垂直
磁気異方性定数(Ku)は、磁気トルク曲線より求め
た。図4に示されるように、Hガスを添加しない場
合、垂直磁気異方性定数(Ku)は、約3.5×10
erg/ccの大きな値を示す。これに対し、成膜用ガ
スにHガスを添加した場合には、垂直磁気異方性定数
(Ku)の値は減少した。図4に示されるように、H
ガスの添加量が増加するにつれて垂直磁気異方性定数
(Ku)の値も徐々に減少した。成膜用ガスにHガス
を約60%添加した場合には、垂直磁気異方性定数(K
u)は、0.6×10erg/ccとなった。さらに
ガスを添加すると、磁気記録層は面内方向に磁化容
易軸を有する面内磁化膜となる。垂直磁気記録媒体の垂
直磁気異方性定数(Ku)の測定からもわかるとおり、
ガスを成膜用ガスに添加して、スパッタ法で希土類
−遷移金属合金非晶質の磁気記録層を製造する場合、H
ガスの添加量は60%以下とすることが好ましい。
【0048】一般的に、希土類−遷移金属非晶質合金系
では、補償点近傍の組成で使用されているが、この組成
がわずかにずれるだけでも磁気特性が大きく変化するこ
とが知られている。本発明における上述のような磁気特
性の変化(図3および4に示されるようなもの)も、希
土類−遷移金属合金非晶質の磁気記録層を形成する際
に、成膜用ガスにHガスを添加することで図2に示さ
れるような希土類−遷移金属合金非晶質の磁気記録層の
組成が変化することに起因すると考えられる。
【0049】本実施例で示されるように、希土類−遷移
金属合金非晶質の磁気記録層をスパッタ法で形成する場
合、成膜用ガスにHガスを添加し、その割合を調節す
ることで、スパッタ用のターゲットの組成を一定にした
ままで磁気記録層の希土類と遷移金属の組成を調節する
ことができる。これにより、垂直磁気記録媒体の磁気特
性を任意の値に調節することが可能となる。
【0050】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、垂直磁
気記録媒体の磁気記録層として希土類−遷移金属合金非
晶質膜を用い、この膜をスパッタ法で形成する際に、成
膜用ガスにHガスを添加し、その量を2%以上60%
以下の範囲で調節することにより所望の磁気特性を持っ
た希土類−遷移金属合金非晶質膜を得ることができる。
【0051】本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法は、
既存の製造装置を用いて、簡単な操作で行うことができ
るので、大容量磁気記録媒体の大量生産にも適する方法
である。
【0052】さらに、本発明の方法で製造された磁気記
録媒体は、所望の磁気特性を有し、かつ、大容量磁気記
録媒体として適したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の垂直磁気記録媒体の概略部分断面図で
ある。
【図2】Hガスの添加量に対する本発明の垂直磁気記
録媒体のTbおよびCoの濃度の依存性を示すグラフで
ある。
【図3】Hガスの添加量に対する本発明の垂直磁気記
録媒体の保磁力(Hc)の依存性を示すグラフである。
【図4】Hガスの添加量に対する本発明の垂直磁気記
録媒体の垂直磁気異方性定数(Ku)の依存性を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 非磁性基板 2 軟磁性裏打ち層 3 下地層 4 磁気記録層 5 保護層 6 液体潤滑剤層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 10/13 H01F 10/13 41/18 41/18 (72)発明者 大月 章弘 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 大久保 恵司 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 榎本 一雄 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 渡辺 貞幸 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 玉城 孝彦 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 (72)発明者 久我 淳 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 (72)発明者 宮下 英一 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 (72)発明者 田口 亮 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 Fターム(参考) 4K029 BA21 BA24 BB02 BD11 CA05 EA05 5D006 BB01 CA03 DA03 DA08 EA03 FA09 5D112 AA04 AA05 AA24 BB01 BD03 FA04 FB08 5E049 AC01 BA08 GC01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に、少なくとも軟磁性裏打
    ち層、下地層、磁気記録層、保護層および液体潤滑剤層
    が順次積層された垂直磁気記録媒体において、前記磁気
    記録層がスパッタ法により形成される希土類−遷移金属
    合金非晶質膜であり、該スパッタ法による前記磁気記録
    層の形成が2%以上60%以下のHガスを添加した成
    膜用ガスを用いて行われることを特徴とする垂直磁気記
    録媒体。
  2. 【請求項2】 非磁性基板上に少なくとも軟磁性裏打ち
    層、下地層、磁気記録層、保護層および液体潤滑剤層を
    順次積層する工程を具備する垂直磁気記録媒体の製造方
    法において、前記磁気記録層がスパッタ法により形成さ
    れる希土類−遷移金属合金非晶質膜であり、該スパッタ
    法による前記磁気記録層の形成が2%以上60%以下の
    ガスを添加した成膜用ガスを用いて行われることを
    特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 垂直磁気記録媒体の製造方法であって、
    該製造方法が、 (1)非磁性基板上に軟磁性裏打ち層を形成する工程 (2)前記軟磁性裏打ち層上に下地層を形成する工程 (3)前記下地層上に磁気記録層を形成する工程 (4)前記磁気記録層上に保護層を形成する工程 (5)前記保護層上に液体潤滑剤層を形成する工程 とを具備し、前記磁気記録層が希土類−遷移金属合金非
    晶質膜であり、前記希土類−遷移金属合金非晶質膜がス
    パッタ法により形成され、スパッタ法による希土類−遷
    移金属合金非晶質膜の形成が2%以上60%以下のH
    ガスを添加した成膜用ガスを用いて行われることを特徴
    とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
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