JP2003067900A - 乱気流予測装置及び乱気流予測方法 - Google Patents

乱気流予測装置及び乱気流予測方法

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JP2003067900A JP2001257640A JP2001257640A JP2003067900A JP 2003067900 A JP2003067900 A JP 2003067900A JP 2001257640 A JP2001257640 A JP 2001257640A JP 2001257640 A JP2001257640 A JP 2001257640A JP 2003067900 A JP2003067900 A JP 2003067900A
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洋 酒巻
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乱気流検出用センサによる乱気流観測結果
を、乱気流寿命予測の精度向上に利用する方法につい
て、これまで具体化されたものはなかった。 【解決手段】 航空機の後方に生じる乱気流を観測して
乱気流の位置及び強度を観測データとして出力する乱気
流観測部100と、前記観測データに基いて予測対象と
なる航空機の後方に発生する乱気流の寿命を予測する乱
気流予測部200を備え、前記乱気流観測部は、電磁波
放射部、送受信部、信号処理部を有し、前記乱気流予測
部は、乱気流時間変化シミュレーション部、減衰パラメ
ータを推定する減衰パラメータ推定部、予測対象となる
航空機の後方に生じる乱気流の寿命を予測する乱気流寿
命予測部を有する。 【効果】 乱気流寿命予測を高い精度で行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、航空機の後方の
発生する乱気流の寿命を予測する乱気流予測装置及び乱
気流予測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、航空機利用者が増加し、大都市に
近接する空港における航空機の離発着数を増加させるこ
とが望まれている。離発着数を増加させるための方策の
一つとしては、新規に滑走路を増設する方法がある。し
かし、滑走路の増設は、一般に容易なことではない。滑
走路を増設せずに、離着陸数を増加させるには、既設の
滑走路の利用率を上げなければならない。既設の滑走路
の利用率を上げるには、安全を確保しつつ離発着の間隔
を短くする必要がある。
【0003】従来、離着陸の時間間隔は、航空機の飛行
に伴って主翼の後方に発生する乱気流が消失するのに十
分な時間をとるように設定されている。しかし、もし乱
気流が消滅する時間を正確に知ることができれば、安全
性を確保したまま、離着陸の時間間隔のマージンを省く
ことにより、離着陸の間隔を狭めることが可能となる。
これにより、滑走路当たり単位時間に滑走できる航空機
の数を増加させることができる。
【0004】乱気流が消滅するまでの時間を正確に知る
ためには、後方乱気流を検出するセンサが必要となる。
この乱気流検出センサとしては、例えば、文献「S. M.
Hannon and J. A. Thomson, Aircraft wake vortex det
ection and measurement with pulsed solid-state coh
erent laser radar, Journal of Modern Optics, vol.
41, no.11, pp.2175-2196, 1994.」に紹介されているよ
うな、風速計測用レーザレーダ(以後、ドップラライダ
とも呼ぶ)がある。
【0005】従来の乱気流予測装置について図面を参照
しながら説明する。図11は、上述したような風速計測
用レーザレーダを一般化した構成を示す図である。
【0006】図11において、110は電磁波放射部、
120は送受信部、130は信号処理部である。
【0007】図12は、図11の風速計測用レーザレー
ダの信号処理部の構成を示す図である。
【0008】図12において、131はドップラ速度算
出部、132は乱気流検出処理部である。
【0009】つぎに、従来の乱気流予測装置の動作につ
いて図面を参照しながら説明する。
【0010】送受信部120において、送信光パルスを
生成する。この送信光パルスは、電磁波放射部110へ
と伝送される。この電磁波放射部110は、送信光パル
スを空間へ放射する。電磁波放射部110は、例えば、
送信光を空間へ放射する際に送信光を収束させる望遠鏡
と、放射の方向を制御する反射鏡とから構成される。空
間へ放射された送信光は、大気で反射される。その際、
反射位置の風速に応じてドップラ効果が生じるため、大
気による反射光の周波数はドップラ効果による偏移を受
ける。
【0011】大気による反射光は、電磁波放射部110
により受信され、送受信部120へ伝送される。この送
受信部120は、受信信号に増幅、周波数変換などの処
理を施した後に、信号処理部130へ受信信号を出力す
る。
【0012】信号処理部130内のドップラ速度算出部
131は、入力した受信信号からそのドップラ周波数を
算出し、それをターゲットのドップラ速度、すなわち大
気の視線方向風速へと変換する。この視線方向風速は、
距離−角度の2次元断面上で得られる。
【0013】次に、乱気流検出処理部132では、風速
の空間分布に対して、例えば「大森、桐本、テンプレー
トマッチングを用いた航空機の後方乱気流の検出、信学
技報SANE99−9、1999」に紹介されているよ
うなテンプレートマッチングの手法により乱気流を検出
する。
【0014】乱気流検出処理部132からは、乱気流検
出結果として、乱気流の位置と強度が出力される。乱気
流の強度としては、例えば乱気流の渦の周囲の風速分布
を線積分した値である循環の値を出力することが考えら
れる。
【0015】以上では、乱気流をレーザレーダで観測す
る技術の例を示したが、雨や霧が存在する場合には、電
波を使ったレーダによっても乱気流を観測することがで
きる。
【0016】以上の説明は、乱気流を検出する装置につ
いての従来技術である。しかし、航空機の離着陸間隔を
設定するためには、乱気流を検出する装置だけではな
く、乱気流の寿命を予測する装置も必要となる。
【0017】乱気流検出装置を利用して、実際にどのよ
うにして航空機の離着陸間隔を設定するかという問題に
ついて、例えば米国においては、AVOSS(Airc
raft VORTEX SPACING SYSTE
M)と呼ばれるシステムの研究開発が現在進められてい
る。本システムでは、航空機の飛行計画を立てることを
考慮して、未来に離着陸する航空機の通過によって生じ
る乱気流の寿命を知ることも必要となるとしている。
【0018】乱気流の寿命を予測するためには、乱気流
が発生してから消滅するまでの時間変化を表現する乱気
流モデルを知っていることが必要である。乱気流モデル
についても、従来から研究開発が進められている。例え
ば、文献「F. H. Proctor,The NASA-Langley wake vort
ex modelling effort in support of an operational a
ircraft spacing system, Papers. American Institut
e of Aeronautics and Astronautics, AIAA-98-0589, 1
998.」に紹介されているLES(Large-EddySimulatio
n)モデルのような、流体計算を数値モデル化すること
によって、乱気流の時間変化を計算機で算出する方法が
従来から研究されている。
【0019】また、文献「G. C. Greene, An approxima
te model of vortex decay in theatmosphere, Journal
of Aircraft, vol.23, no.7, pp.566-573, 1986.」、
あるいは文献「A. Corjon and T. Poinsot, A model to
define aircraft separations due to wake vortex en
counter, AIAA Applied Aerodynamics Conference, vo
l.13, no.1, pp.117-124, 1995.」のように、乱気流を
簡易なモデルによって、乱気流の減衰や移動といった時
間変化を計算する手法も開発されている。
【0020】なお、後方乱気流の位置を予測して警報を
発生させる技術の別の例として、特開平4−24680
0号公報もある。ただし、この従来技術では、航空機の
通過位置と背景の風向および風速から乱気流の流される
位置を予測するのみであり、乱気流の減衰については特
に考慮していない。また、乱気流そのものを観測するセ
ンサを持っていないため、乱気流位置の予測精度を高め
ることができないという問題がある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】このように、乱気流の
寿命を予測するための乱気流モデルの開発は多く行われ
ている。しかし、実際には、これらの乱気流モデルが実
用的な離着陸間隔設定システムの一部に組込まれるまで
には至っていない。その理由の一つは、モデルの精度が
十分でないということが挙げられる。モデルの精度が十
分でないということについては、モデル化の問題だけで
なく、モデルに用いるパラメータの精度が十分でないこ
とも考えられる。例えば、GreeneおよびCorj
onのモデルでは、乱気流の減衰速度を決める因子(以
後、減衰パラメータと呼ぶ)の中に、背景大気の粘性や
擾乱度などのパラメータがある。これらのパラメータ
は、直接計測することは必ずしも容易ではない。そのた
め、乱気流予測の際に設定する減衰パラメータの精度が
十分でないことが、乱気流予測の精度を劣化させる要因
となりうる。
【0022】そのようなことから、乱気流モデルから寿
命を予測するだけでなく、風速計測用レーザレーダのよ
うな乱気流検出装置によって乱気流を観測した結果をも
とに、予測した乱気流寿命を修正することが必要である
と考えられている。しかし、乱気流検出用センサによる
乱気流観測結果を、乱気流寿命予測の精度向上に利用す
る方法について、これまで具体化されたものはなかっ
た。
【0023】この発明は、前述した問題点を解決するた
めになされたもので、センサによる乱気流の観測結果を
乱気流寿命予測にフィードバックさせることにより、高
い乱気流予測精度を実現することができる乱気流予測装
置及び乱気流予測方法を得ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る乱気流予測装置は、航空機の後方に生じる乱気流を観
測して乱気流の位置及び強度を観測データとして出力す
る乱気流観測部と、前記観測データに基いて予測対象と
なる航空機の後方に発生する乱気流の寿命を予測する乱
気流予測部とを備え、前記乱気流観測部は、電磁波を大
気中に放射するとともに、大気で散乱された電磁波を入
力する電磁波放射部と、前記電磁波放射部へ生成した電
磁波を出力するとともに、前記電磁波放射部から大気で
散乱された電磁波を入力して周波数変換を施すことによ
り受信信号を生成する送受信部と、前記受信信号に信号
処理を施して前記観測データを出力する信号処理部とを
有し、前記乱気流予測部は、シミュレーションモデルに
基いて乱気流の位置及び強度の時間変化を算出する乱気
流時間変化シミュレーション部と、前記観測データ、並
びに前記シミュレーションモデルとして観測対象の航空
機モデル及び気象モデルを提供して前記乱気流時間変化
シミュレーション部から得たシミュレーション結果に基
いて乱気流の減衰速度を決定する減衰パラメータを推定
する減衰パラメータ推定部と、前記減衰パラメータ、並
びに前記シミュレーションモデルとして予測対象の航空
機モデル及び気象モデルを提供して前記乱気流時間変化
シミュレーション部から得たシミュレーション結果に基
いて予測対象となる航空機の後方に生じる乱気流の寿命
を予測する乱気流寿命予測部とを有するものである。
【0025】この発明の請求項2に係る乱気流予測装置
は、前記乱気流予測部が、前記推定された減衰パラメー
タの時間変化に基いて未来の減衰パラメータである予測
減衰パラメータを求める減衰パラメータ予測部をさらに
有し、前記乱気流寿命予測部は、前記予測減衰パラメー
タ、並びに前記シミュレーションモデルとして予測対象
の航空機モデル及び気象モデルを提供して前記乱気流時
間変化シミュレーション部から得たシミュレーション結
果に基いて予測対象となる航空機の後方に生じる乱気流
の寿命を予測するものである。
【0026】この発明の請求項3に係る乱気流予測装置
は、前記減衰パラメータ推定部が、前記減衰パラメータ
の初期値を設定する初期値設定部と、前記乱気流観測部
の信号処理部で得られた前記観測データに対して、前記
乱気流時間変化シミュレーション部で得られた前記シミ
ュレーション結果を当てはめ、両者が一致するように減
衰パラメータを推定するフィッティング処理部とを持つ
ものである。
【0027】この発明の請求項4に係る乱気流予測装置
は、前記信号処理部が、前記受信信号から大気で散乱さ
れた電磁波のドップラ速度を算出するドップラ速度算出
部と、前記ドップラ速度の空間分布から乱気流を検出し
て前記観測データとして出力する乱気流検出処理部とを
持つものである。
【0028】この発明の請求項5に係る乱気流予測装置
は、前記信号処理部が、前記受信信号から大気で散乱さ
れた電磁波のドップラ速度を算出するドップラ速度算出
部と、前記ドップラ速度の空間分布から乱気流を検出し
て前記観測データとして出力する乱気流検出処理部と、
前記ドップラ速度の空間分布から大気の擾乱度を算出す
る大気擾乱度算出部とを持つものである。
【0029】この発明の請求項6に係る乱気流予測装置
は、前記フィッティング処理部が、前記大気擾乱度算出
部で算出された大気擾乱度を前記推定する減衰パラメー
タに含ませ、かつ前記大気擾乱度を大気擾乱度推定の初
期値として利用するものである。
【0030】この発明の請求項7に係る乱気流予測装置
は、前記信号処理部が、前記受信信号から大気で散乱さ
れた電磁波のドップラ速度を算出するドップラ速度算出
部と、前記ドップラ速度の空間分布から乱気流を検出し
て前記観測データとして出力する乱気流検出処理部と、
前記ドップラ速度の空間分布から風速の空間変化率を表
すシア係数を算出するシア係数算出部とを持つものであ
る。
【0031】この発明の請求項8に係る乱気流予測装置
は、前記フィッティング処理部が、前記シア係数算出部
で算出されたシア係数を前記推定する減衰パラメータに
含ませ、かつ前記シア係数をシア係数推定の初期値とし
て利用するものである。
【0032】この発明の請求項9に係る乱気流予測方法
は、観測対象となる航空機モデル及び気象モデルを入力
する観測対象入力ステップと、減衰パラメータの初期値
を設定する初期値設定ステップと、観測された乱気流強
度の時間変化に、減衰パラメータを仮定することにより
得られる乱気流モデルから算出された乱気流強度の時間
変化を当てはめ、減衰パラメータを推定するフィッティ
ング処理ステップと、予測対象となる航空機モデル及び
気象モデルを入力する予測対象入力ステップと、前記推
定された減衰パラメータを用いて乱気流強度の時間変化
を算出するシミュレーションステップと、前記シミュレ
ーションステップで算出された乱気流強度の時間変化か
ら乱気流の寿命を予測する乱気流寿命予測ステップとを
含むものである。
【0033】この発明の請求項10に係る乱気流予測方
法は、観測対象となる航空機モデル及び気象モデルを入
力する観測対象入力ステップと、減衰パラメータの初期
値を設定する初期値設定ステップと、観測された乱気流
強度の時間変化に、減衰パラメータを仮定することによ
り得られる乱気流モデルから算出された乱気流強度の時
間変化を当てはめ、減衰パラメータを推定するフィッテ
ィング処理ステップと、前記フィッティング処理ステッ
プを所定の回数繰返したかどうかを判定する判定ステッ
プと、前記フィッティング処理ステップを所定の回数繰
返していない場合に、前記初期値を変更して前記フィッ
ティング処理ステップに戻る初期値変更ステップと、複
数の初期値を用いてフィッティング処理の推定した減衰
パラメータのうち、最適な減衰パラメータを選択する最
適解選択ステップと、予測対象となる航空機モデル及び
気象モデルを入力する予測対象入力ステップと、前記選
択された減衰パラメータを用いて乱気流強度の時間変化
を算出するシミュレーションステップと、前記シミュレ
ーションステップで算出された乱気流強度の時間変化か
ら乱気流の寿命を予測する乱気流寿命予測ステップとを
含むものである。
【0034】この発明の請求項11に係る乱気流予測方
法は、観測対象となる航空機モデル及び気象モデルを入
力する観測対象入力ステップと、減衰パラメータの初期
値を設定する初期値設定ステップと、観測された乱気流
強度の時間変化に、減衰パラメータを仮定することによ
り得られる乱気流モデルから算出された乱気流強度の時
間変化を当てはめ、減衰パラメータを推定するフィッテ
ィング処理ステップと、前記推定された減衰パラメータ
の時間変化特性から未来の減衰パラメータを予測する減
衰パラメータ予測ステップと、予測対象となる航空機モ
デル及び気象モデルを入力する予測対象入力ステップ
と、前記予測された減衰パラメータを用いて乱気流強度
の時間変化を算出するシミュレーションステップと、前
記シミュレーションステップで算出された乱気流強度の
時間変化から乱気流の寿命を予測する乱気流寿命予測ス
テップとを含むものである。
【0035】この発明の請求項12に係る乱気流予測方
法は、観測対象となる航空機モデル及び気象モデルを入
力する観測対象入力ステップと、減衰パラメータの初期
値を設定する初期値設定ステップと、観測された乱気流
強度の時間変化に、減衰パラメータを仮定することによ
り得られる乱気流モデルから算出された乱気流強度の時
間変化を当てはめ、減衰パラメータを推定するフィッテ
ィング処理ステップと、前記フィッティング処理ステッ
プを所定の回数繰返したかどうかを判定する判定ステッ
プと、前記フィッティング処理ステップを所定の回数繰
返していない場合に、前記初期値を変更して前記フィッ
ティング処理ステップに戻る初期値変更ステップと、複
数の初期値を用いてフィッティング処理の推定した減衰
パラメータのうち、最適な減衰パラメータを選択する最
適解選択ステップと、前記選択された減衰パラメータの
時間変化特性から未来の減衰パラメータを予測する減衰
パラメータ予測ステップと、予測対象となる航空機モデ
ル及び気象モデルを入力する予測対象入力ステップと、
前記予測された減衰パラメータを用いて乱気流強度の時
間変化を算出するシミュレーションステップと、前記シ
ミュレーションステップで算出された乱気流強度の時間
変化から乱気流の寿命を予測する乱気流寿命予測ステッ
プとを含むものである。
【0036】この発明の請求項13に係る乱気流予測方
法は、現時点から近い過去に乱気流を観測した結果から
推定した減衰パラメータの値を、フィッティング処理の
初期値として用いるものである。
【0037】この発明の請求項14に係る乱気流予測方
法は、前記減衰パラメータに大気の粘性の大きさを表す
係数を含むものである。
【0038】この発明の請求項15に係る乱気流予測方
法は、前記減衰パラメータに大気擾乱の大きさを表すパ
ラメータを含むものである。
【0039】この発明の請求項16に係る乱気流予測方
法は、前記減衰パラメータに風速シアの大きさを表すパ
ラメータを含むものである。
【0040】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1に係る乱気流予測装置について図面を参照しなが
ら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る乱
気流予測装置の全体構成を示す図である。なお、各図
中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0041】図1において、100は乱気流観測部、2
00は乱気流予測部である。
【0042】また、図2は、この発明の実施の形態1に
係る乱気流予測装置の乱気流予測部の構成を示す図であ
る。なお、乱気流観測部の構成は、図11及び図12に
示す従来の乱気流予測装置と同様である。
【0043】図2において、210は減衰パラメータ推
定部、220は乱気流寿命予測部、230は乱気流時間
変化シミュレーション部である。また、211は初期値
設定部、212はフィッティング処理部である。
【0044】つぎに、この実施の形態1に係る乱気流予
測装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0045】乱気流観測部100では、ドップラライダ
やドップラレーダなどのセンサを用いて航空機の後方に
生じる乱気流を観測し、乱気流観測データを出力する。
この乱気流観測データは、乱気流の位置と強度の時系列
データからなる。
【0046】次に、乱気流予測部200は、乱気流観測
部100で得られた乱気流観測データ、観測対象航空機
モデル、及び気象モデルから、乱気流の減衰の速度を決
める大気パラメータ(以後、減衰パラメータと呼ぶ)を
推定し、その減衰パラメータ、予測対象航空機モデル、
及び気象モデルから、予測対象となる航空機の後方に生
じる乱気流の寿命を算出し、それを出力する。
【0047】ここで、「観測対象航空機」とは、乱気流
観測部100が観測した乱気流の発生源となった航空機
のことを意味する。また、「観測対象航空機モデル」と
は、観測対象となる航空機の翼長、重量、飛行速度など
の、発生させる乱気流の強度を決めるパラメータの集合
で表現される航空機モデルを意味する。
【0048】一方、「予測対象航空機」とは、乱気流予
測部200において寿命予測の対象となる乱気流を発生
させる、未来に飛行する航空機のことを意味する。そし
て、「予測対象航空機モデル」とは、予測対象航空機の
翼長、重量、飛行速度などの、予測対象航空機の後方に
生じる乱気流の初期強度を決めるパラメータの集合で表
現される航空機モデルを意味する。
【0049】乱気流観測部100は、従来からある風速
計測用レーザレーダを用いれば良い。その構成は、前述
の図11のようなもので良い。また、乱気流検出装置を
ドップラレーダにより実現しても良く、その場合は、送
受信部120では送信光の代わりに送信電波が生成さ
れ、電磁波放射部110から空間に放射される。この電
磁波放射部110としてアンテナが用いられる。その他
は、ドップラライダの場合と同じである。
【0050】乱気流予測部200内の減衰パラメータ推
定部210は、乱気流観測部100で得られた乱気流検
出結果、すなわち乱気流位置と強度の観測データを入力
する。さらに観測された乱気流の発生源となる航空機パ
ラメータ(モデル)と気象パラメータ(モデル)を外部
から入力する。これらの入力データを用いて推定された
減衰パラメータを乱気流寿命予測部220へ出力する。
【0051】次に、乱気流寿命予測部220では、減衰
パラメータ推定部210で推定された減衰パラメータ
と、外部から入力される予測対象の航空機パラメータ
(モデル)と気象パラメータ(モデル)を入力し、乱気
流時間変化シミュレーション部230を用いて、予測対
象航空機の乱気流の時間変化を算出する。算出された乱
気流強度の時間変化において、予め定められた乱気流強
度の基準を下回ったときに乱気流が消滅したとみなし、
乱気流の寿命を算出する。この算出された乱気流の寿命
は、乱気流寿命予測部220つまり乱気流予測部200
から出力される。
【0052】図3は、本発明の原理を示す図である。
【0053】この図に示すように、過去に観測された乱
気流のデータから減衰パラメータを推定し、未来に離着
陸する後続の航空機が発生する乱気流の減衰の様子を予
測し、そこから予測寿命を算出するというのが、本発明
の要点である。なお、出力された乱気流寿命は、航空管
制システムが利用することになるが、その利用の仕方に
ついては、本発明の範囲外である。
【0054】乱気流時間変化シミュレーション部230
では、減衰パラメータ推定部210、または乱気流寿命
予測部220からシミュレーションモデルパラメータを
入力し、乱気流の位置と強度の時間変化(以後、乱気流
時系列とも呼ぶ)を算出(シミュレーション)し、その
算出結果(シミュレーション結果)を指示の発生元であ
る減衰パラメータ推定部210、または乱気流寿命予測
部220へ出力する。
【0055】具体的なシミュレーションの方法について
は、例えば、従来から開発されているLESモデルによ
るシミュレーションを用いてもよいし、あるいは、Gr
eeneおよびCorjonの簡易モデルによるシミュ
レーションを実行しても良い。
【0056】減衰パラメータ推定部210が推定する減
衰パラメータとして、1つは大気粘性を表すパラメータ
が考えられる。Corjonの文献ではCDで表されて
いる量である。また、大気の擾乱度を表すパラメータq
も減衰パラメータ推定部210で推定するパラメータと
なる。その他に、減衰パラメータとして、背景大気の風
速の空間変化率、すなわち風速シアの大きさを減衰パラ
メータ推定部210で推定する減衰パラメータに含めて
もよい。
【0057】つづいて、減衰パラメータ推定部210の
詳細な構成と動作を説明する。
【0058】減衰パラメータ推定部210は、図2に示
すように、初期値設定部211とフィッティング処理部
212から構成される。
【0059】フィッティング処理部212は、乱気流観
測部100で得られた乱気流の位置および強度のデータ
に対して、乱気流時間変化シミュレーション部230の
算出する乱気流位置および強度のデータを当てはめ、両
者が一致するように減衰パラメータを推定する。
【0060】当てはめについては、例えば、ガウスニュ
ートン法などの最小二乗法の一般的な手法を用いればよ
い。この最小二乗法を用いる場合、まず乱気流の位置と
強度に関するパラメータ、例えば乱気流の水平位置座
標、垂直位置座標、循環のそれぞれについて、両者の差
の二乗を計算する。そして、計算された差の二乗の全て
を加算したものである残差二乗和が最小となるような減
衰パラメータが、正しい減衰パラメータであると推定す
る。
【0061】ただし、この最小二乗法は非線形最小二乗
法となるため、反復改良により推定する解を求めること
になる。反復改良によって解を求める場合には、予め適
切な初期値を用意する必要がある。その初期値が初期値
設定部211で設定される。なお、残差二乗和の算出に
おいて、乱気流の位置については考慮せず、乱気流の強
度のみについて残差二乗和を計算するようにしても良
い。
【0062】図4は、この発明の実施の形態1に係る乱
気流予測装置の乱気流予測部の動作、つまり乱気流予測
方法を示すフローチャートである。
【0063】ステップ310において、フィッティング
処理部212により、観測対象となる航空機のモデルと
気象モデルを入力する。
【0064】次に、ステップ320において、初期値設
定部211により、減衰パラメータの初期値設定を行
う。
【0065】次に、ステップ330において、フィッテ
ィング処理部212により、乱気流時間変化シミュレー
ション部230によって乱気流モデル(観測対象となる
航空機のモデルと気象モデルを含むシミュレーションモ
デル)から算出される乱気流時系列を、観測された乱気
流時系列にフィッティングすることにより、減衰パラメ
ータを推定する。
【0066】次に、ステップ340において、乱気流寿
命予測部220により、予測対象の航空機モデルと気象
モデルを入力する。
【0067】次に、ステップ350において、乱気流時
間変化シミュレーション部230により、ステップ33
0で推定された減衰パラメータと、ステップ340で入
力した予測対象の航空機モデルおよび気象モデル(シミ
ュレーションモデル)をもとに、乱気流時間変化シミュ
レーションを実行することにより、予測対象航空機の乱
気流時系列を算出する。
【0068】そして、ステップ360において、乱気流
寿命予測部220により、ステップ350で算出された
乱気流時系列から、予測対象となる乱気流の寿命を求め
る。
【0069】初期値設定部211における初期値設定方
法としては、減衰パラメータの時間変化が緩やかである
とみなせる場合には、最後に減衰パラメータを推定した
際に得られた減衰パラメータの推定結果を、そのまま初
期値として採用すれば良い。換言すると、現時点から近
い過去に乱気流を観測した結果から推定した減衰パラメ
ータの値を、フィッティング処理の初期値として用い
る。
【0070】減衰パラメータの時間変化が大きい場合、
または、前回の減衰パラメータ推定から長時間が経過し
た場合には、各減衰パラメータが取りうる値の範囲で、
複数の組合せの初期値によって最小二乗法によるフィッ
ティングを実行し、残差の最も小さくなる場合を正しい
推定結果としても良い。
【0071】図5は、この発明の実施の形態1に係る乱
気流予測装置の乱気流予測部の別の動作、つまり複数の
組合せの初期値を用いてフィッティングを行う場合の乱
気流予測方法を示すフローチャートである。
【0072】ステップ440において、フィッティング
処理部212により、異なる初期値を用いたステップ4
30によるフィッティングが所定の回数繰返されたかど
うかを確認する。
【0073】ステップ450において、所定の回数繰返
されない場合には、初期値を変更する。
【0074】ステップ460において、異なる初期値を
用いたステップ430によるフィッティングの実行結果
のうち、最適なフィッティングを行った場合を選定す
る。
【0075】上記以外のステップ410〜430、及び
470〜490は、図4のステップ310〜330、及
び340〜360と同じである。
【0076】図5のフローの場合、フィッティングによ
る減衰パラメータの推定は、複数通りの初期値を用いて
行われる。所定回数の繰り返しが完了していない間は、
ステップ440からステップ450へ分岐する。このス
テップ450では、初期値の組合わせを異なるものに変
更し、ステップ430に戻る。
【0077】ステップ430、440、450の処理が
所定回数だけ繰返されると、ステップ440からステッ
プ460へ分岐する。このステップ460では、ステッ
プ430での異なる初期値を用いた減衰パラメータ推定
において、フィッティングの残差が最も小さい場合に、
最適解が得られたと判断し、その場合の減衰パラメータ
を最終的な解として選択する。選択された減衰パラメー
タは、ステップ480での乱気流時間変化シミュレーシ
ョンに用いられる。
【0078】図5のフローに示す乱気流予測方法によれ
ば、フィッティング処理を複数回実行する必要があるた
め、図4に示すフローの方法よりも多くの演算時間を必
要とするが、減衰パラメータの時間変化が大きい場合に
も、正確な減衰パラメータ推定が可能となるため、乱気
流予測の精度も高くなる。
【0079】実施の形態2.この発明の実施の形態2に
係る乱気流予測装置について図面を参照しながら説明す
る。図6は、この発明の実施の形態2に係る乱気流予測
装置の乱気流予測部の構成を示す図である。
【0080】図6において、240は乱気流予測部20
0A内の減衰パラメータ予測部である。その他の構成に
ついては、上記実施の形態1のものと同じである。
【0081】上記の実施の形態1では、減衰パラメータ
推定部210で算出した減衰パラメータを、そのまま乱
気流寿命予測部220で用いていた。しかし、減衰パラ
メータの時間変化率が大きい場合、観測対象航空機の乱
気流を観測した時刻と予測対象航空機が通過した時刻で
は、減衰パラメータが異なっている可能性がある。本実
施の形態2では、減衰パラメータの時間変化を考慮し
て、減衰パラメータの予測値を用いて乱気流寿命を予測
する。
【0082】つぎに、この実施の形態2に係る乱気流予
測装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0083】乱気流予測部200A内の減衰パラメータ
推定部210、乱気流寿命予測部220、及び乱気流時
間変化シミュレーション部230の個々の動作について
は、上記実施の形態1の乱気流予測部200と同じであ
る。ただし、減衰パラメータ推定部210から出力され
る減衰パラメータをそのまま乱気流寿命予測部220に
渡すのではなく、減衰パラメータ予測部240を通して
予測減衰パラメータにしてから、乱気流寿命予測部22
0に渡す点が、上記実施の形態1と異なる点となる。
【0084】減衰パラメータ予測部240では、減衰パ
ラメータ推定部210から出力された減衰パラメータの
時間変化の傾向から、予測対象航空機の通過する時刻の
減衰パラメータの予測値を算出する。具体的には、減衰
パラメータの時間変化を外挿することにより、予測減衰
パラメータを求める。外挿の方法としては、例えば線形
外挿を行ってもよいし、あるいは減衰パラメータの時間
変化を多項式近似することにより、曲線外挿を行っても
良い。
【0085】図7は、この発明の実施の形態2に係る乱
気流予測装置の乱気流予測部の動作、つまり乱気流検出
方法を示すフローチャートである。
【0086】ステップ540において、減衰パラメータ
予測部240により、減衰パラメータの予測値を算出す
る。
【0087】ステップ560において、乱気流時間変化
シミュレーション部230により、予測された減衰パラ
メータを用いて乱気流時間変化シミュレーションを行
う。他のステップ510〜530、並びにステップ55
0及び570については、前述した図4のステップ31
0〜330、並びにステップ340及び360と同じで
ある。
【0088】図7に示す乱気流検出方法において、ステ
ップ530までは図4に示した乱気流検出方法のフロー
と同じである。ただし、ステップ530の次のステップ
であるステップ540において、ステップ530で推定
された減衰パラメータを用いて、減衰パラメータの予測
値を算出する。この減衰パラメータ予測値の算出は、ス
テップ530で推定された減衰パラメータの時間変化を
外挿することにより行う。予測された減衰パラメータ
は、ステップ560における乱気流時間変化シミュレー
ションで用いられる。その他のステップについては、前
述したように図4に示した乱気流検出方法のフローと同
じである。
【0089】図8は、この発明の実施の形態2に係る乱
気流予測装置の乱気流予測部の別の動作、つまり複数の
組合せの初期値を用いてフィッティングを行う場合の乱
気流予測方法を示すフローチャートである。
【0090】図8のフローは、複数通りの初期値の組合
せを用いて減衰パラメータを予測する点で、上記実施の
形態1の図5の乱気流検出方法のフローと同じである。
【0091】図5のフローに、減衰パラメータの予測値
を算出するステップ660を加え、ステップ480の代
わりに、ステップ680において、予測された減衰パラ
メータを用いた乱気流時間変化シミュレーションを行う
ようにしている。
【0092】本実施の形態2によれば、減衰パラメータ
の時間変化率が大きい場合にも、乱気流寿命の予測精度
を維持することが可能となる。
【0093】実施の形態3.この発明の実施の形態3に
係る乱気流予測装置について図面を参照しながら説明す
る。図9は、この発明の実施の形態3に係る乱気流予測
装置の信号処理部の構成を示す図である。
【0094】図9において、133は大気擾乱度算出部
である。その他の構成については、前述した図12のも
のと同じである。
【0095】本実施の形態3の乱気流予測装置の全体構
成は図1に示したものと同じである。乱気流観測部10
0の内部にある信号処理部130Aの構成が異なるだけ
である。
【0096】前述の各実施の形態では、背景大気の擾乱
の度合いを表すパラメータqについては、レーザレーダ
による計測の対象ではなかった。しかし、パラメータq
は、背景大気の風速の擾乱成分の自乗平均平方根を表す
ものであるため、背景大気のドップラー速度計測結果か
ら算出することも可能である。ここでは、パラメータq
をレーザレーダで計測する場合について説明する。
【0097】図9に示す信号処理部130A内の大気擾
乱度算出部133では、ドップラ速度算出部131で算
出されたドップラ速度の空間分布のうち、乱気流の存在
しない部分のみを利用して、ドップラ速度の標準偏差を
算出して、その値をパラメータqとする。大気の擾乱が
大きいほど、様々な風速成分が存在するため、パラメー
タqの値は大きくなる。
【0098】この場合、乱気流とは異なる位置における
大気の擾乱度を用いることになるが、大気の性質が空間
的に一様であるとみなせる場合には、パラメータqをフ
ィッティングのパラメータから除くことができる。
【0099】レーザレーダの観測データから算出された
パラメータqについては、2通りの使用方法が考えられ
る。
【0100】1つは、大気擾乱度算出部133で算出さ
れたパラメータqをそのまま乱気流寿命予測部220で
用いる方法である。この場合、減衰パラメータ推定部2
10では、qはフィッティングで推定されるパラメータ
とならない。よってフィッティングのパラメータ数を減
らすことができるため、フィッティングに要する演算量
を削減することができるという効果が得られる。
【0101】ただし、大気擾乱度算出部133で算出さ
れるパラメータqの値は、乱気流の存在する空間位置と
は異なる領域で算出されたものであること、乱気流観測
部100で大気を観測する際の空間分解能が、擾乱度を
測定するのに必ずしも十分高くないことから、このパラ
メータqは高い精度で得られないこともありうる。そこ
で、大気擾乱度算出部133で算出されたパラメータq
の値を初期値として、フィッティング処理部212でパ
ラメータqの値を修正するような方法も考えられる。こ
れによれば、減衰パラメータqの精度が向上するため、
乱気流寿命予測部220での予測精度も向上するという
効果が得られる。
【0102】実施の形態4.この発明の実施の形態4に
係る乱気流予測装置について図面を参照しながら説明す
る。図10は、この発明の実施の形態4に係る乱気流予
測装置の信号処理部の構成を示す図である。
【0103】図10において、134はシア係数算出部
である。その他の構成については、前述した図12のも
のと同じである。
【0104】本実施の形態4の乱気流予測装置の全体構
成は図1に示したものと同じである。乱気流観測部10
0の内部にある信号処理部130Bの構成が異なるだけ
である。
【0105】この実施の形態4では、シア係数をレーザ
レーダで計測する。
【0106】図10に示すシア係数算出部134では、
ドップラ速度算出部131で算出されたドップラ速度の
空間分布のうち、乱気流の存在しない部分のみを利用し
て、ドップラ速度の高度方向の風速変化率をシア係数と
して算出する。
【0107】レーザレーダの観測データから算出された
シア係数については、2通りの使用方法が考えられる。
【0108】1つは、シア係数算出部134で算出され
たシア係数をそのまま乱気流寿命予測部220で用いる
方法である。この場合、減衰パラメータ推定部210で
は、シアはフィッティングで推定されるパラメータとな
らない。よってフィッティングのパラメータ数を減らす
ことができるため、フィッティングに要する演算量を削
減することができるという効果が得られる。
【0109】ただし、シア係数算出部134で算出され
るシア係数の値は、乱気流の存在する空間位置とは異な
る領域で算出されたものであることから、このシア係数
は高い精度で得られないこともありうる。そこで、シア
係数算出部134で算出されたシア係数の値を初期値と
して、フィッティング処理部212でシア係数の値を修
正するような方法も考えられる。これによれば、シア係
数の推定精度が向上するため、乱気流寿命予測部220
での予測精度も向上するという効果が得られる。
【0110】
【発明の効果】この発明の請求項1に係る乱気流予測装
置は、以上説明したとおり、航空機の後方に生じる乱気
流を観測して乱気流の位置及び強度を観測データとして
出力する乱気流観測部と、前記観測データに基いて予測
対象となる航空機の後方に発生する乱気流の寿命を予測
する乱気流予測部とを備え、前記乱気流観測部は、電磁
波を大気中に放射するとともに、大気で散乱された電磁
波を入力する電磁波放射部と、前記電磁波放射部へ生成
した電磁波を出力するとともに、前記電磁波放射部から
大気で散乱された電磁波を入力して周波数変換を施すこ
とにより受信信号を生成する送受信部と、前記受信信号
に信号処理を施して前記観測データを出力する信号処理
部とを有し、前記乱気流予測部は、シミュレーションモ
デルに基いて乱気流の位置及び強度の時間変化を算出す
る乱気流時間変化シミュレーション部と、前記観測デー
タ、並びに前記シミュレーションモデルとして観測対象
の航空機モデル及び気象モデルを提供して前記乱気流時
間変化シミュレーション部から得たシミュレーション結
果に基いて乱気流の減衰速度を決定する減衰パラメータ
を推定する減衰パラメータ推定部と、前記減衰パラメー
タ、並びに前記シミュレーションモデルとして予測対象
の航空機モデル及び気象モデルを提供して前記乱気流時
間変化シミュレーション部から得たシミュレーション結
果に基いて予測対象となる航空機の後方に生じる乱気流
の寿命を予測する乱気流寿命予測部とを有するので、乱
気流寿命予測を高い精度で行うことができるという効果
を奏する。
【0111】この発明の請求項2に係る乱気流予測装置
は、以上説明したとおり、前記乱気流予測部が、前記推
定された減衰パラメータの時間変化に基いて未来の減衰
パラメータである予測減衰パラメータを求める減衰パラ
メータ予測部をさらに有し、前記乱気流寿命予測部は、
前記予測減衰パラメータ、並びに前記シミュレーション
モデルとして予測対象の航空機モデル及び気象モデルを
提供して前記乱気流時間変化シミュレーション部から得
たシミュレーション結果に基いて予測対象となる航空機
の後方に生じる乱気流の寿命を予測するので、減衰パラ
メータの時間変化率が大きいような気象条件において
も、乱気流予測精度を維持することができるという効果
を奏する。
【0112】この発明の請求項3に係る乱気流予測装置
は、以上説明したとおり、前記減衰パラメータ推定部
が、前記減衰パラメータの初期値を設定する初期値設定
部と、前記乱気流観測部の信号処理部で得られた前記観
測データに対して、前記乱気流時間変化シミュレーショ
ン部で得られた前記シミュレーション結果を当てはめ、
両者が一致するように減衰パラメータを推定するフィッ
ティング処理部とを持つので、乱気流寿命予測を高い精
度で行うことができるという効果を奏する。
【0113】この発明の請求項4に係る乱気流予測装置
は、以上説明したとおり、前記信号処理部が、前記受信
信号から大気で散乱された電磁波のドップラ速度を算出
するドップラ速度算出部と、前記ドップラ速度の空間分
布から乱気流を検出して前記観測データとして出力する
乱気流検出処理部とを持つので、乱気流寿命予測を高い
精度で行うことができるという効果を奏する。
【0114】この発明の請求項5に係る乱気流予測装置
は、以上説明したとおり、前記信号処理部が、前記受信
信号から大気で散乱された電磁波のドップラ速度を算出
するドップラ速度算出部と、前記ドップラ速度の空間分
布から乱気流を検出して前記観測データとして出力する
乱気流検出処理部と、前記ドップラ速度の空間分布から
大気の擾乱度を算出する大気擾乱度算出部とを持つの
で、初期値として利用する大気擾乱度の概算値が分から
ない場合にも、正しく乱気流寿命を予測することが可能
となるという効果を奏する。
【0115】この発明の請求項6に係る乱気流予測装置
は、以上説明したとおり、前記フィッティング処理部
が、前記大気擾乱度算出部で算出された大気擾乱度を前
記推定する減衰パラメータに含ませ、かつ前記大気擾乱
度を大気擾乱度推定の初期値として利用するので、より
高い精度で乱気流寿命予測を行うことができるという効
果を奏する。
【0116】この発明の請求項7に係る乱気流予測装置
は、以上説明したとおり、前記信号処理部が、前記受信
信号から大気で散乱された電磁波のドップラ速度を算出
するドップラ速度算出部と、前記ドップラ速度の空間分
布から乱気流を検出して前記観測データとして出力する
乱気流検出処理部と、前記ドップラ速度の空間分布から
風速の空間変化率を表すシア係数を算出するシア係数算
出部とを持つので、初期値として利用するシア係数の概
算値が分からない場合にも、正しく乱気流寿命を予測す
ることが可能となるという効果を奏する。
【0117】この発明の請求項8に係る乱気流予測装置
は、以上説明したとおり、前記フィッティング処理部
が、前記シア係数算出部で算出されたシア係数を前記推
定する減衰パラメータに含ませ、かつ前記シア係数をシ
ア係数推定の初期値として利用するので、より高い精度
で乱気流寿命予測を行うことができるという効果を奏す
る。
【0118】この発明の請求項9に係る乱気流予測方法
は、以上説明したとおり、観測対象となる航空機モデル
及び気象モデルを入力する観測対象入力ステップと、減
衰パラメータの初期値を設定する初期値設定ステップ
と、観測された乱気流強度の時間変化に、減衰パラメー
タを仮定することにより得られる乱気流モデルから算出
された乱気流強度の時間変化を当てはめ、減衰パラメー
タを推定するフィッティング処理ステップと、予測対象
となる航空機モデル及び気象モデルを入力する予測対象
入力ステップと、前記推定された減衰パラメータを用い
て乱気流強度の時間変化を算出するシミュレーションス
テップと、前記シミュレーションステップで算出された
乱気流強度の時間変化から乱気流の寿命を予測する乱気
流寿命予測ステップとを含むので、乱気流寿命予測を高
い精度で行うことができるという効果を奏する。
【0119】この発明の請求項10に係る乱気流予測方
法は、以上説明したとおり、観測対象となる航空機モデ
ル及び気象モデルを入力する観測対象入力ステップと、
減衰パラメータの初期値を設定する初期値設定ステップ
と、観測された乱気流強度の時間変化に、減衰パラメー
タを仮定することにより得られる乱気流モデルから算出
された乱気流強度の時間変化を当てはめ、減衰パラメー
タを推定するフィッティング処理ステップと、前記フィ
ッティング処理ステップを所定の回数繰返したかどうか
を判定する判定ステップと、前記フィッティング処理ス
テップを所定の回数繰返していない場合に、前記初期値
を変更して前記フィッティング処理ステップに戻る初期
値変更ステップと、複数の初期値を用いてフィッティン
グ処理の推定した減衰パラメータのうち、最適な減衰パ
ラメータを選択する最適解選択ステップと、予測対象と
なる航空機モデル及び気象モデルを入力する予測対象入
力ステップと、前記選択された減衰パラメータを用いて
乱気流強度の時間変化を算出するシミュレーションステ
ップと、前記シミュレーションステップで算出された乱
気流強度の時間変化から乱気流の寿命を予測する乱気流
寿命予測ステップとを含むので、減衰パラメータの時間
変換率が大きい場合など、適切な減衰パラメータ推定初
期値を設定するのが難しい場合にも、高い精度の減衰パ
ラメータ推定を行うことが可能となるという効果を奏す
る。
【0120】この発明の請求項11に係る乱気流予測方
法は、以上説明したとおり、観測対象となる航空機モデ
ル及び気象モデルを入力する観測対象入力ステップと、
減衰パラメータの初期値を設定する初期値設定ステップ
と、観測された乱気流強度の時間変化に、減衰パラメー
タを仮定することにより得られる乱気流モデルから算出
された乱気流強度の時間変化を当てはめ、減衰パラメー
タを推定するフィッティング処理ステップと、前記推定
された減衰パラメータの時間変化特性から未来の減衰パ
ラメータを予測する減衰パラメータ予測ステップと、予
測対象となる航空機モデル及び気象モデルを入力する予
測対象入力ステップと、前記予測された減衰パラメータ
を用いて乱気流強度の時間変化を算出するシミュレーシ
ョンステップと、前記シミュレーションステップで算出
された乱気流強度の時間変化から乱気流の寿命を予測す
る乱気流寿命予測ステップとを含むので、減衰パラメー
タの時間変化率が大きいような気象条件においても、乱
気流予測精度を維持することができるという効果を奏す
る。
【0121】この発明の請求項12に係る乱気流予測方
法は、以上説明したとおり、観測対象となる航空機モデ
ル及び気象モデルを入力する観測対象入力ステップと、
減衰パラメータの初期値を設定する初期値設定ステップ
と、観測された乱気流強度の時間変化に、減衰パラメー
タを仮定することにより得られる乱気流モデルから算出
された乱気流強度の時間変化を当てはめ、減衰パラメー
タを推定するフィッティング処理ステップと、前記フィ
ッティング処理ステップを所定の回数繰返したかどうか
を判定する判定ステップと、前記フィッティング処理ス
テップを所定の回数繰返していない場合に、前記初期値
を変更して前記フィッティング処理ステップに戻る初期
値変更ステップと、複数の初期値を用いてフィッティン
グ処理の推定した減衰パラメータのうち、最適な減衰パ
ラメータを選択する最適解選択ステップと、前記選択さ
れた減衰パラメータの時間変化特性から未来の減衰パラ
メータを予測する減衰パラメータ予測ステップと、予測
対象となる航空機モデル及び気象モデルを入力する予測
対象入力ステップと、前記予測された減衰パラメータを
用いて乱気流強度の時間変化を算出するシミュレーショ
ンステップと、前記シミュレーションステップで算出さ
れた乱気流強度の時間変化から乱気流の寿命を予測する
乱気流寿命予測ステップとを含むので、減衰パラメータ
の時間変化率が大きいような気象条件においても、乱気
流予測精度を維持することができるという効果を奏す
る。
【0122】この発明の請求項13に係る乱気流予測方
法は、以上説明したとおり、現時点から近い過去に乱気
流を観測した結果から推定した減衰パラメータの値を、
フィッティング処理の初期値として用いるので、減衰パ
ラメータの時間変化率が小さいような気象条件におい
て、少ない計算量で乱気流予測を行うことができるとい
う効果を奏する。
【0123】この発明の請求項14に係る乱気流予測方
法は、以上説明したとおり、前記減衰パラメータに大気
の粘性の大きさを表す係数を含むので、大気粘性の効果
を正確に乱気流寿命予測に反映させることができ、高い
精度の乱気流寿命予測を行うことが可能となるという効
果を奏する。
【0124】この発明の請求項15に係る乱気流予測方
法は、以上説明したとおり、前記減衰パラメータに大気
擾乱の大きさを表すパラメータを含むので、大気擾乱の
効果を正確に乱気流寿命予測に反映させることができ、
高い精度の乱気流寿命予測を行うことが可能となるとい
う効果を奏する。
【0125】この発明の請求項16に係る乱気流予測方
法は、以上説明したとおり、前記減衰パラメータに風速
シアの大きさを表すパラメータを含むので、風速シアの
効果を正確に乱気流寿命予測に反映させることができ、
高い精度の乱気流寿命予測を行うことが可能となるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る乱気流予測装
置の全体構成を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る乱気流予測装
置の乱気流予測部の構成を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る乱気流予測装
置の原理を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係る乱気流予測装
置の乱気流予測部の動作を示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態1に係る乱気流予測装
置の乱気流予測部の別の動作を示すフローチャートであ
る。
【図6】 この発明の実施の形態2に係る乱気流予測装
置の乱気流予測部の構成を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態2に係る乱気流予測装
置の乱気流予測部の動作を示すフローチャートである。
【図8】 この発明の実施の形態2に係る乱気流予測装
置の乱気流予測部の別の動作を示すフローチャートであ
る。
【図9】 この発明の実施の形態3に係る乱気流予測装
置の乱気流観測部の信号処理部の構成を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態4に係る乱気流予測
装置の乱気流観測部の信号処理部の構成を示す図であ
る。
【図11】 従来の乱気流予測装置、及びこの発明の実
施の形態1に係る乱気流予測装置の乱気流観測部の構成
を示す図である。
【図12】 従来の乱気流予測装置の信号処理部、及び
この発明の実施の形態1に係る乱気流予測装置の乱気流
観測部の信号処理部の構成を示す図である。
【符号の説明】
100 乱気流観測部、110 電磁波放射部、120
送受信部、130信号処理部、130A 信号処理
部、130B 信号処理部、131 ドップラ速度算出
部、132 乱気流検出処理部、133 大気擾乱度算
出部、134シア係数算出部、200 乱気流予測部、
200A 乱気流予測部、210 減衰パラメータ推定
部、211 初期値設定部、212 フィッティング処
理部、220 乱気流寿命予測部、230 乱気流時間
変化シミュレーション部、240 減衰パラメータ予測
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒巻 洋 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 藤坂 貴彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5H180 AA26 CC14 CC15 EE11

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 航空機の後方に生じる乱気流を観測して
    乱気流の位置及び強度を観測データとして出力する乱気
    流観測部と、 前記観測データに基いて予測対象となる航空機の後方に
    発生する乱気流の寿命を予測する乱気流予測部とを備
    え、 前記乱気流観測部は、 電磁波を大気中に放射するとともに、大気で散乱された
    電磁波を入力する電磁波放射部と、 前記電磁波放射部へ生成した電磁波を出力するととも
    に、前記電磁波放射部から大気で散乱された電磁波を入
    力して周波数変換を施すことにより受信信号を生成する
    送受信部と、 前記受信信号に信号処理を施して前記観測データを出力
    する信号処理部とを有し、 前記乱気流予測部は、 シミュレーションモデルに基いて乱気流の位置及び強度
    の時間変化を算出する乱気流時間変化シミュレーション
    部と、 前記観測データ、並びに前記シミュレーションモデルと
    して観測対象の航空機モデル及び気象モデルを提供して
    前記乱気流時間変化シミュレーション部から得たシミュ
    レーション結果に基いて乱気流の減衰速度を決定する減
    衰パラメータを推定する減衰パラメータ推定部と、 前記減衰パラメータ、並びに前記シミュレーションモデ
    ルとして予測対象の航空機モデル及び気象モデルを提供
    して前記乱気流時間変化シミュレーション部から得たシ
    ミュレーション結果に基いて予測対象となる航空機の後
    方に生じる乱気流の寿命を予測する乱気流寿命予測部と
    を有することを特徴とする乱気流予測装置。
  2. 【請求項2】 前記乱気流予測部は、 前記推定された減衰パラメータの時間変化に基いて未来
    の減衰パラメータである予測減衰パラメータを求める減
    衰パラメータ予測部をさらに有し、 前記乱気流寿命予測部は、前記予測減衰パラメータ、並
    びに前記シミュレーションモデルとして予測対象の航空
    機モデル及び気象モデルを提供して前記乱気流時間変化
    シミュレーション部から得たシミュレーション結果に基
    いて予測対象となる航空機の後方に生じる乱気流の寿命
    を予測することを特徴とする請求項1記載の乱気流予測
    装置。
  3. 【請求項3】 前記減衰パラメータ推定部は、 前記減衰パラメータの初期値を設定する初期値設定部
    と、 前記乱気流観測部の信号処理部で得られた前記観測デー
    タに対して、前記乱気流時間変化シミュレーション部で
    得られた前記シミュレーション結果を当てはめ、両者が
    一致するように減衰パラメータを推定するフィッティン
    グ処理部とを持つことを特徴とする請求項1又は2記載
    の乱気流予測装置。
  4. 【請求項4】 前記信号処理部は、 前記受信信号から大気で散乱された電磁波のドップラ速
    度を算出するドップラ速度算出部と、 前記ドップラ速度の空間分布から乱気流を検出して前記
    観測データとして出力する乱気流検出処理部とを持つこ
    とを特徴とする請求項3記載の乱気流予測装置。
  5. 【請求項5】 前記信号処理部は、 前記受信信号から大気で散乱された電磁波のドップラ速
    度を算出するドップラ速度算出部と、 前記ドップラ速度の空間分布から乱気流を検出して前記
    観測データとして出力する乱気流検出処理部と、 前記ドップラ速度の空間分布から大気の擾乱度を算出す
    る大気擾乱度算出部とを持つことを特徴とする請求項3
    記載の乱気流予測装置。
  6. 【請求項6】 前記フィッティング処理部は、前記大気
    擾乱度算出部で算出された大気擾乱度を前記推定する減
    衰パラメータに含ませ、かつ前記大気擾乱度を大気擾乱
    度推定の初期値として利用することを特徴とする請求項
    5記載の乱気流予測装置。
  7. 【請求項7】 前記信号処理部は、 前記受信信号から大気で散乱された電磁波のドップラ速
    度を算出するドップラ速度算出部と、 前記ドップラ速度の空間分布から乱気流を検出して前記
    観測データとして出力する乱気流検出処理部と、 前記ドップラ速度の空間分布から風速の空間変化率を表
    すシア係数を算出するシア係数算出部とを持つことを特
    徴とする請求項3記載の乱気流予測装置。
  8. 【請求項8】 前記フィッティング処理部は、前記シア
    係数算出部で算出されたシア係数を前記推定する減衰パ
    ラメータに含ませ、かつ前記シア係数をシア係数推定の
    初期値として利用することを特徴とする請求項7記載の
    乱気流予測装置。
  9. 【請求項9】 観測対象となる航空機モデル及び気象モ
    デルを入力する観測対象入力ステップと、 減衰パラメータの初期値を設定する初期値設定ステップ
    と、 観測された乱気流強度の時間変化に、減衰パラメータを
    仮定することにより得られる乱気流モデルから算出され
    た乱気流強度の時間変化を当てはめ、減衰パラメータを
    推定するフィッティング処理ステップと、 予測対象となる航空機モデル及び気象モデルを入力する
    予測対象入力ステップと、 前記推定された減衰パラメータを用いて乱気流強度の時
    間変化を算出するシミュレーションステップと、 前記シミュレーションステップで算出された乱気流強度
    の時間変化から乱気流の寿命を予測する乱気流寿命予測
    ステップとを含むことを特徴とする乱気流予測方法。
  10. 【請求項10】 観測対象となる航空機モデル及び気象
    モデルを入力する観測対象入力ステップと、 減衰パラメータの初期値を設定する初期値設定ステップ
    と、 観測された乱気流強度の時間変化に、減衰パラメータを
    仮定することにより得られる乱気流モデルから算出され
    た乱気流強度の時間変化を当てはめ、減衰パラメータを
    推定するフィッティング処理ステップと、 前記フィッティング処理ステップを所定の回数繰返した
    かどうかを判定する判定ステップと、 前記フィッティング処理ステップを所定の回数繰返して
    いない場合に、前記初期値を変更して前記フィッティン
    グ処理ステップに戻る初期値変更ステップと、 複数の初期値を用いてフィッティング処理の推定した減
    衰パラメータのうち、最適な減衰パラメータを選択する
    最適解選択ステップと、 予測対象となる航空機モデル及び気象モデルを入力する
    予測対象入力ステップと、 前記選択された減衰パラメータを用いて乱気流強度の時
    間変化を算出するシミュレーションステップと、 前記シミュレーションステップで算出された乱気流強度
    の時間変化から乱気流の寿命を予測する乱気流寿命予測
    ステップとを含むことを特徴とする乱気流予測方法。
  11. 【請求項11】 観測対象となる航空機モデル及び気象
    モデルを入力する観測対象入力ステップと、 減衰パラメータの初期値を設定する初期値設定ステップ
    と、 観測された乱気流強度の時間変化に、減衰パラメータを
    仮定することにより得られる乱気流モデルから算出され
    た乱気流強度の時間変化を当てはめ、減衰パラメータを
    推定するフィッティング処理ステップと、 前記推定された減衰パラメータの時間変化特性から未来
    の減衰パラメータを予測する減衰パラメータ予測ステッ
    プと、 予測対象となる航空機モデル及び気象モデルを入力する
    予測対象入力ステップと、 前記予測された減衰パラメータを用いて乱気流強度の時
    間変化を算出するシミュレーションステップと、 前記シミュレーションステップで算出された乱気流強度
    の時間変化から乱気流の寿命を予測する乱気流寿命予測
    ステップとを含むことを特徴とする乱気流予測方法。
  12. 【請求項12】 観測対象となる航空機モデル及び気象
    モデルを入力する観測対象入力ステップと、 減衰パラメータの初期値を設定する初期値設定ステップ
    と、 観測された乱気流強度の時間変化に、減衰パラメータを
    仮定することにより得られる乱気流モデルから算出され
    た乱気流強度の時間変化を当てはめ、減衰パラメータを
    推定するフィッティング処理ステップと、 前記フィッティング処理ステップを所定の回数繰返した
    かどうかを判定する判定ステップと、 前記フィッティング処理ステップを所定の回数繰返して
    いない場合に、前記初期値を変更して前記フィッティン
    グ処理ステップに戻る初期値変更ステップと、 複数の初期値を用いてフィッティング処理の推定した減
    衰パラメータのうち、最適な減衰パラメータを選択する
    最適解選択ステップと、 前記選択された減衰パラメータの時間変化特性から未来
    の減衰パラメータを予測する減衰パラメータ予測ステッ
    プと、 予測対象となる航空機モデル及び気象モデルを入力する
    予測対象入力ステップと、 前記予測された減衰パラメータを用いて乱気流強度の時
    間変化を算出するシミュレーションステップと、 前記シミュレーションステップで算出された乱気流強度
    の時間変化から乱気流の寿命を予測する乱気流寿命予測
    ステップとを含むことを特徴とする乱気流予測方法。
  13. 【請求項13】 現時点から近い過去に乱気流を観測し
    た結果から推定した減衰パラメータの値を、フィッティ
    ング処理の初期値として用いることを特徴とする請求項
    9又は11記載の乱気流予測方法。
  14. 【請求項14】 前記減衰パラメータに大気の粘性の大
    きさを表す係数を含むことを特徴とする請求項9から請
    求項12までのいずれかに記載の乱気流予測方法。
  15. 【請求項15】 前記減衰パラメータに大気擾乱の大き
    さを表すパラメータを含むことを特徴とする請求項9か
    ら請求項12までのいずれかに記載の乱気流予測方法。
  16. 【請求項16】 前記減衰パラメータに風速シアの大き
    さを表すパラメータを含むことを特徴とする請求項9か
    ら請求項12までのいずれかに記載の乱気流予測方法。
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