JP2002257930A - 乱気流検出装置および乱気流検出方法 - Google Patents

乱気流検出装置および乱気流検出方法

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JP2002257930A JP2001062370A JP2001062370A JP2002257930A JP 2002257930 A JP2002257930 A JP 2002257930A JP 2001062370 A JP2001062370 A JP 2001062370A JP 2001062370 A JP2001062370 A JP 2001062370A JP 2002257930 A JP2002257930 A JP 2002257930A
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  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乱気流発生から時間が経過した後の、渦間隔
の広がった乱気流をも正しく検出する。 【解決手段】 乱気流検出装置において、乱気流で反射
された電磁波に関連する信号に基づいて、観測領域内の
ドップラ速度空間分布をドップラ速度算出部1が算出す
る。乱気流の速度分布を模式化した速度分布テンプレー
トを設定可能なテンプレート設定部2が、乱気流を構成
する二つの渦の間隔の仮定値を変更しながら、個々の仮
定値に適合した個々の速度分布テンプレートを設定す
る。ドップラ速度算出部1で算出されたドップラ速度空
間分布と、テンプレート設定部2で設定された個々の速
度分布テンプレートとの類似度をテンプレートマッチン
グ結果保存部4が算出する。算出された個々の類似度に
基づき渦間隔決定部5が渦の間隔を決定する。決定され
た渦の間隔に基づいて、乱気流の強度に関連した指標を
求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、航空機通過時
に、航空機の後方に発生する乱気流を検出する乱気流検
出装置および乱気流検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、航空機利用者が増加し、大都市に
近接する空港における航空機の離発着数を増大させるこ
とが望まれている。一般には、新滑走路の増設が困難で
あるため、安全を確保しつつ離発着の間隔を短くするこ
とが求められている。従来、離発着の時間間隔は、航空
機の飛行に伴って主翼の後方に発生する乱気流が消失す
るのに十分な時間をとることで決められている。従っ
て、離発着間隔を短縮するためには、後方乱気流の発生
と消失を検出できる乱気流検出装置が必要である。この
ような航空機の後方乱気流を検出する従来技術について
は、例えば“大森,桐本,「テンプレートマッチングを
用いた航空機の後方乱気流の検出、電子通信情報学会技
術研究報告SANE99−9」,1999”および特開
2000−310680号公報に述べられている。
【0003】図13にドップラレーダあるいはドップラ
ライダ(lidar)を用いた乱気流検出装置の構成を
示す。この図において、100は乱気流検出装置、10
1は電磁波放射部、102は送受信部、103は信号処
理部、104は表示・記録部である。
【0004】次に、図13の装置100がドップラライ
ダを利用している場合を想定して、その動作を説明す
る。送受信部102において、送信光パルスを生成す
る。この送信光パルスは電磁波放射部101へと伝送さ
れる。電磁波放射部101は送信光パルスを空間へ放射
する。電磁波放射部101は、例えば、送信光を空間へ
放射する際に送信光を収束させる望遠鏡と、放射の方向
を制御する反射鏡とから構成される。空間へ放射された
送信光は大気で反射される。その際、反射位置の風速に
応じてドップラ効果が生じるため、大気による反射光の
周波数はドップラ効果による偏移を受ける。大気からの
反射光は電磁波放射部101により受信され、送受信部
102へと伝送される。送受信部102は、受信信号に
増幅、周波数変換などの処理を施した後に、処理された
受信信号を信号処理部103へ供給する。必要な空間
(観測領域)全体にわたって速度を計測するため、電磁
波放射部101は、反射鏡の角度を制御して波の放射方
向を変化させながら、反射波を受信する。
【0005】信号処理部103は入力した受信信号から
そのドップラ周波数を算出し、それをターゲット(大
気)のドップラ速度、すなわち大気の視線方向風速へと
変換する。各検出位置の視線方向風速は、その位置にあ
る大気の移動方向に影響されている。信号処理部103
の変換結果は、2次元断面(観測領域)における速度分
布である。この断面に関しては、放射部からの距離と角
度で位置が決まる座標系を採ることができ、信号処理部
103からの変換結果は、距離−角度座標系で表され
る。ただし、座標変換により、変換結果を直交座標系で
表すことができる。さらに、後述のようなテンプレート
マッチングの手法により、2次元断面上の風速分布の変
化パタンから乱気流を検出する。信号処理部103で生
成された信号処理結果に基づいて、表示・記録部104
は乱気流の速度を表示あるいは記録する。
【0006】乱気流検出装置100がドップラレーダを
利用する場合は、送受信部102では送信光の代わりに
送信電波が生成され、電磁波放射部101から空間に放
射される。電磁波放射部101としてアンテナが用いら
れる。その他の機能はドップラライダの場合と本質的に
同じである。
【0007】次に、従来技術における乱気流検出の原理
を具体的に説明する。乱気流検出装置100による後方
乱気流の観測の状況を図14に示す。航空機が通過する
と、その後方に二つの渦から構成される乱気流が生じ
る。この後方乱気流をドップラレーダまたはドップララ
イダで観測すると、正のドップラ速度が観測される領域
と、負のドップラ速度が観測される領域とが現れる。こ
こで、正のドップラ速度とは、乱気流検出処理装置から
離れる方向の風を観測したときに得られるドップラ速
度、負のドップラ速度とは、乱気流検出処理装置に近づ
く方向の風を観測したときに得られるドップラ速度とす
る。図14の例では、乱気流の中心位置O3、すなわち
航空機が通過した位置から見て、左上の領域で正、左下
の領域で負、右上の領域で負、右下の領域で正のドップ
ラ速度がそれぞれ得られる。
【0008】そこで、例えば図16に示すようなテンプ
レートと式(1)を用いて、小領域に応じて予め設定さ
れた係数を測定速度に乗算してドップラ速度データを積
分する。図16のテンプレートによれば、係数は±1で
ある。すなわち、図16に示すテンプレートでは、テン
プレート領域の中心O2から見て、左上の小領域に+
1、左下の小領域に−1、右上の小領域に−1、右下の
小領域に+1の係数が割り当てられる。
【0009】
【数1】
【0010】式(1)で、M(Xt ,Yt )は、計算上
仮定した乱気流の位置と、乱気流の真の位置との類似度
を表す。位置(Xt ,Yt )は、図16に示すように、
電磁波放射部101の位置を原点O1としたX−Y座標
系におけるテンプレート領域(仮定した観測領域)の原
点O2の位置を表す。wはテンプレート領域の幅の半分
(小領域の幅)であり、hはテンプレート領域の高さの
半分(小領域の高さ)であり、V1(Xt +x,Yt
y)はX−Y座標系における個々の位置(Xt+x,Y
t +y)の測定されたドップラ速度である。V2(x,
y)はテンプレート内の係数であり、テンプレート領域
において左上の小領域で+1、左下の小領域で−1、右
上の小領域で−1、右下の小領域で+1である。
【0011】上述のように、乱気流内部に関するドップ
ラ速度V1(Xt +x,Yt +y)は、乱気流の中心位
置から見て、左上の小領域で正、左下の小領域で負、右
上の小領域で負、右下の小領域で正であるから、テンプ
レート領域の原点O2が乱気流の実際の中心位置O3
(図14、図17参照)に一致すれば、式(1)に従っ
た積分結果であるところの類似度M(Xt ,Yt )は最
大となる。換言すれば、類似度M(Xt ,Yt )が最大
になる位置(Xt ,Yt )が乱気流の中心位置O3とし
て推定される。従って、位置(Xt ,Yt )のパラメー
タXt ,Yt を変更しながら類似度M(Xt ,Yt )の
算出試行を繰り返し、類似度M(Xt ,Y t )が最大に
なる位置(Xt ,Yt )を求める。
【0012】式(1)から理解できるように、類似度M
(Xt ,Yt )はテンプレート中心位置O2と乱気流中
心位置O3とが一致した場合に、速度の絶対値を加算し
たものであるから、乱気流の位置確定後の類似度M(X
t ,Yt )は乱気流の速度(強度)を表す指標として使
うことができる。すなわち、複数回の算術試行で得られ
た類似度M(Xt ,Yt )のうち、最大の類似度Mmax
(Xt ,Yt )を乱気流の強度と考えることができる。
【0013】一方、乱気流の存在しない位置または時刻
では、類似度M(Xt ,Yt )は0に近づく。以上のよ
うにして、乱気流の検出が可能となる。
【0014】信号処理部の具体的な構成を図15に示
す。この図において、1はドップラ速度算出部、2はテ
ンプレート設定部、3はテンプレートマッチング処理部
(演算部、乱気流検出部)である。ドップラ速度算出部
1は、送受信部102から供給された受信信号からドッ
プラ速度を算出する。ドップラ速度を算出するには、受
信信号をフーリエ変換し、受信信号のパワースペクトル
を算出する。パワースペクトルには大気エコースペクト
ルが含まれる。この大気エコースペクトルのピーク位置
の周波数からドップラ速度を算出することができる。パ
ワースペクトルを算出する際には、パワースペクトルの
持つ統計的なゆらぎを小さくすることを目的として、イ
ンコヒーレント積分が行われる。
【0015】テンプレート設定部2では、テンプレート
マッチング処理に用いるテンプレートを設定する。例え
ば前述の図16に示すようなテンプレートを設定する。
テンプレートマッチング処理部3では、テンプレート設
定部2で設定したテンプレートと一致する風速変化パタ
ンをドップラ速度データから抽出することにより、後方
乱気流を検出する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術では、
乱気流が二つの渦から構成され、それらの渦が水平方向
に近接して存在していることを仮定してテンプレートを
設定し、乱気流を検出していた。この技術によれば、乱
気流の発生直後、すなわち航空機の通過直後の乱気流の
検出には有効である。しかし、通常の後方乱気流は、時
間の経過とともに、二つの渦の間隔が広がるように移動
することが知られている。図17は二つの渦からなる後
方乱気流の典型的な移動軌跡を示したものである。この
ように、二つの渦は、まず二つの渦の間に生じる相互作
用により、下方に移動する。そして、地面に接近するに
つれて、地面の影響を受けて、渦間隔が広がる。すなわ
ち、二つの渦は互いに離れてゆく。
【0017】このように、二つの渦の間の間隔が時間の
経過とともに広がるため、乱気流検出に適したテンプレ
ートは、時間の経過とともに変化する。しかし、従来技
術では、発生直後の乱気流に適したテンプレートだけを
用いていたため、乱気流発生からある程度の時間が経過
したときに、乱気流検出性能が低下するという問題があ
った。
【0018】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、乱気流発生から時間が経過した
後の、渦間隔の広がった乱気流をも正しく検出する乱気
流検出装置および乱気流検出方法を得ることを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明に係る乱気流検
出装置は、電磁波を発生する送信部と、空間に電磁波を
放射する電磁波放射部と、大気で反射された電磁波を受
信する電磁波入射部と、上記電磁波放射部で受信した電
磁波を処理して受信信号を生成する受信部と、上記受信
部で生成された受信信号に基づいて、観測領域内のドッ
プラ速度空間分布を算出するドップラ速度算出部と、乱
気流の速度分布を模式化した速度分布テンプレートを設
定可能であり、乱気流を構成する二つの渦の間隔の仮定
値を変更しながら、個々の仮定値に適合した個々の速度
分布テンプレートを設定するテンプレート設定部と、上
記ドップラ速度算出部で算出されたドップラ速度空間分
布と、上記テンプレート設定部で設定された個々の速度
分布テンプレートとの類似度を算出する演算部と、上記
演算部で算出された個々の上記類似度に基づいて、上記
渦の間隔を決定する渦間隔決定部と、上記渦間隔決定部
で決定された渦の間隔に基づいて、乱気流の強度に関連
した指標を求める乱気流検出部とを備えたものである。
【0020】この発明に係る乱気流検出装置は、電磁波
を発生する送信部と、空間に電磁波を放射する電磁波放
射部と、大気で反射された電磁波を受信する電磁波入射
部と、上記電磁波放射部で受信した電磁波を処理して受
信信号を生成する受信部と、上記受信部で生成された受
信信号に基づいて、観測領域内のドップラ速度空間分布
を算出するドップラ速度算出部と、乱気流の速度分布を
模式化した速度分布テンプレートを設定可能であり、乱
気流を構成する二つの渦の間隔の仮定値を変更しなが
ら、個々の仮定値に適合した個々の速度分布テンプレー
トを設定するテンプレート設定部と、上記テンプレート
設定部で設定された個々の速度分布テンプレートがそれ
ぞれ供給され、上記ドップラ速度算出部で算出されたド
ップラ速度空間分布と、供給された速度分布テンプレー
トとの類似度を算出する複数の演算部と、上記複数の演
算部で算出された個々の上記類似度に基づいて、上記渦
の間隔を決定する渦間隔決定部と、上記渦間隔決定部で
決定された渦の間隔に基づいて、乱気流の強度に関連し
た指標を求める乱気流検出部とを備えたものである。
【0021】この発明に係る乱気流検出装置は、上記テ
ンプレート設定部が、二つの渦が同じ高度に水平方向に
並んで存在するという仮定の下に、テンプレートを設定
するものである。
【0022】この発明に係る乱気流検出装置は、上記テ
ンプレート設定部が、実際の乱気流を構成する渦流の方
向に関連した、+n、−n、0の3つの値(nは実数で
ある)を持つテンプレートを設定するものである。
【0023】この発明に係る乱気流検出装置は、渦間隔
決定部で推定された観測渦間隔を保存する渦間隔保存部
を備え、テンプレート設定部は渦間隔保存部に保存され
た過去の観測渦間隔に基づいて、次の時刻の乱気流検出
の試行における渦の間隔を仮定するものである。
【0024】この発明に係る乱気流検出装置は、気象状
況を表す気象モデル情報と、航空機の諸元を表す航空機
モデル情報に基づいて、乱気流を構成する二つの渦の間
隔の時間的変化を予測する乱気流シミュレーション部を
備え、テンプレート設定部は上記乱気流シミュレーショ
ン部が予測した現在の渦の間隔に基づいて、次の時刻の
乱気流検出の試行における渦の間隔を仮定するものであ
る。
【0025】この発明に係る乱気流検出方法は、(a)
空間に電磁波を放射するステップと、(b)大気で反射
された電磁波を受信するステップと、(c)一回の走査
における上記受信した電磁波に関連する受信信号に基づ
いて、観測領域内のドップラ速度空間分布を算出するス
テップと、(d)乱気流を構成する二つの渦の間隔の仮
定値を設定するステップと、(e)乱気流の速度分布を
模式化した速度テンプレートであるところの上記仮定値
に適合した速度分布テンプレートを設定するステップ
と、(f)上記ドップラ速度空間分布と上記速度分布テ
ンプレートとの類似度を算出するステップと、(g)上
記渦の間隔の仮定値を変更して、ステップ(e)および
(f)を繰り返すステップと、(h)個々の上記類似度
に基づいて、上記渦の間隔を決定するステップと、
(i)上記決定された渦の間隔に基づいて、乱気流の強
度に関連した指標を求めるステップとを備えたものであ
る。
【0026】この発明に係る乱気流検出方法は、ステッ
プ(d)では、以前の乱気流検出で決定された渦間隔に
基づいて、二つの渦の間隔の仮定値を設定するものであ
る。
【0027】この発明に係る乱気流検出方法は、ステッ
プ(d)では、以前の乱気流検出で決定された渦間隔を
そのまま二つの渦の間隔の仮定値とするものである。
【0028】この発明に係る乱気流検出方法は、ステッ
プ(d)は、以前の乱気流検出で決定された複数の渦間
隔に基づいて渦間隔の変化パターンを求めるステップ
と、上記変化パターンと走査時刻に基づいて渦間隔を予
測するステップと、上記予測された渦間隔からある値を
差し引いて仮定値を求めるステップとを有するものであ
る。
【0029】この発明に係る乱気流検出方法は、ステッ
プ(d)は、周囲の気象条件に関連する気象モデル情報
と、航空機のタイプに関連する航空機モデル情報に基づ
いて、乱気流シミュレーションを実行することにより渦
間隔の変化パターンを予測するステップと、上記変化パ
ターンと走査時刻に基づいて渦間隔を予測するステップ
と、上記予測された渦間隔に基づいて仮定値を求めるス
テップとを有するものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.この発明の実施の形態1の乱気流検出装
置の全体構成は、図13に示した従来技術のものと概略
的には同じである。すなわち、上述のように、100は
乱気流検出装置、101は電磁波放射部(電磁波入射
部)、102は送受信部(受信部)、103は信号処理
部、104は表示・記録部である。乱気流検出装置10
0は、乱気流を検出するのに、ドップラライダを利用し
てもよいし、ドップラレーダを利用してもよい。再び、
図13に示された各構成要素の機能を説明する。
【0031】図13の乱気流検出装置100がドップラ
ライダを利用している場合には、送受信部102におい
て、送信光パルスを生成する。この送信光パルスは電磁
波放射部101へと伝送される。電磁波放射部101は
送信光パルスを空間へ放射する。電磁波放射部101
は、例えば、送信光を空間へ放射する際に送信光を収束
させる望遠鏡と、放射の方向を制御する反射鏡とから構
成される。空間へ放射された送信光は大気で反射され
る。その際、反射位置の風速に応じてドップラ効果が生
じるため、大気による反射光の周波数はドップラ効果に
よる偏移を受ける。大気からの反射光は電磁波放射部1
01により受信され、送受信部102へと伝送される。
送受信部102は、受信信号に増幅、周波数変換などの
処理を施した後に、処理された受信信号を信号処理部1
03へ供給する。必要な空間(観測領域)全体にわたっ
て速度を計測するため、電磁波放射部101は、反射鏡
の角度を制御して波の放射方向を変化させながら、反射
波を受信する。
【0032】信号処理部103は入力した受信信号から
そのドップラ周波数を算出し、それをターゲット(大
気)のドップラ速度、すなわち大気の視線方向風速へと
変換する。各検出位置の視線方向風速は、その位置にあ
る大気の移動方向に影響されている。信号処理部103
の変換結果は、2次元断面(観測領域)における速度分
布である。この断面に関しては、放射部からの距離と角
度で位置が決まる座標系を採ることができ、信号処理部
103からの変換結果は、距離−角度座標系で表され
る。ただし、座標変換により、変換結果を直交座標系で
表すことができる。さらに、後述のようなテンプレート
マッチングの手法により、2次元断面上の風速分布の変
化パタンから乱気流を検出する。信号処理部103で生
成された信号処理結果に基づいて、表示・記録部104
は乱気流の速度を表示あるいは記録する。
【0033】乱気流検出装置100がドップラレーダを
利用する場合は、送受信部102では送信光の代わりに
送信電波が生成され、電磁波放射部101から空間に放
射される。電磁波放射部101としてアンテナが用いら
れる。その他の機能はドップラライダの場合と本質的に
同じである。空港での航空機の離発着間隔の管制に使わ
れる場合には、乱気流検出装置100は、例えば空港の
滑走路の横に配置される。
【0034】図1はこの発明の実施の形態1における信
号処理部103の構成を示すブロック図である。図1に
おいて、1は受信信号からドップラ速度を算出するドッ
プラ速度算出部である。2はテンプレート設定部であ
り、このテンプレート設定部2は、乱気流を構成する二
つの渦の間隔をある値に仮定し、その渦間隔を持つ乱気
流に適したテンプレートを設定する。この実施の形態1
では、テンプレート設定部2は、渦の間隔の候補を複数
設定することができる。すなわち、異なる仮定された間
隔を持つ複数のテンプレート候補を設定する。3はテン
プレートマッチング処理部である。テンプレートマッチ
ング処理部3は、ドップラ速度算出部1から供給された
ドップラ速度の空間分布に、テンプレート設定部2で設
定されたテンプレートを用いてテンプレートマッチング
処理を行う。この実施の形態1では、テンプレート設定
部2で設定された複数のテンプレート候補について、テ
ンプレートマッチング処理を繰り返す。
【0035】4はテンプレートマッチング結果保存部4
である。テンプレートマッチング結果保存部4は、テン
プレートマッチング処理部3での個々のテンプレート候
補に基づく複数のテンプレート処理結果を保存する。5
は渦間隔決定部である。渦間隔決定部5は、テンプレー
トマッチング結果保存部4に保存された処理結果のうち
の最適なものを選択する。
【0036】次に信号処理部103の動作について説明
する。ドップラ速度算出部1は、送受信部102(図1
3参照)から供給された受信信号から大気のドップラ速
度分布を算出する。ドップラ速度分布を算出するには、
受信信号をフーリエ変換し、受信信号のパワースペクト
ルを算出する。このパワースペクトルには大気エコース
ペクトル(大気からの反射波に影響された成分)が含ま
れる。この大気エコースペクトルのピーク位置の周波数
から大気のドップラ速度分布を算出することができる。
パワースペクトルを算出する際には、パワースペクトル
の持つ統計的なゆらぎを小さくすることを目的として、
インコヒーレント積分が行われる。
【0037】テンプレート設定部2では、乱気流を構成
する二つの渦の間隔をある値に仮定し、その渦間隔を持
つ乱気流に適応したテンプレートを設定する。具体的に
は、従来のテンプレートを二つの部分テンプレートに分
割し(すなわち横方向に分離し)、二つの部分テンプレ
ートの間の距離が、仮定された渦間隔に等しくなるよう
に、部分テンプレートの間隔を設定する。図2はこのよ
うなテンプレートの例を示す。このテンプレートは、従
来技術で用いられている図16のテンプレートの左半分
と右半分を水平方向に分離し、左右の左右の部分テンプ
レートの間に値0の小領域を挿入し、さらに左右の部分
テンプレートを互いに垂直方向にずらすことにより構成
されたものである。値0の領域の幅は、左側の部分テン
プレートの中心と右側の部分テンプレートの中心との間
の距離が、仮定された渦間隔と等しくなるように設定さ
れる。図2に示すテンプレートは、乱気流を構成する二
つの渦が時間の経過につれて水平方向および垂直方向に
離れていく挙動に基づく。
【0038】ただし、乱気流を構成する二つの渦は、垂
直方向に離れてゆくことよりも、水平方向に離れてゆく
ことが多い(図17参照)。そこで、二つの渦が水平方
向のみに離れてゆくと予測しうる場合には、図3に示す
ように、従来のテンプレートを左右の二つの部分テンプ
レートに分離し、水平方向のみに部分テンプレートを離
したようなテンプレートを設定してもよい。二つの渦の
ずれを水平方向のみに離すことにより、以下に述べるテ
ンプレートマッチング処理の試行回数を削減することが
できる。図2および図3に示されたテンプレートを用い
たテンプレートのマッチング処理については後述する。
【0039】テンプレートマッチング処理部3では、テ
ンプレート設定部2で設定したテンプレートと、風速変
化パタンすなわちドップラ速度データとを対比して、後
方乱気流の強度(速度)を検出する。ただし、テンプレ
ート設定部2で仮定した渦間隔は未知である。そこで、
仮定する渦間隔を変化させながら、テンプレート設定部
2とテンプレートマッチング処理部3による乱気流検出
を繰り返す。図2に示したようなテンプレートを用いる
場合は、水平方向の渦間隔と垂直方向の渦間隔を変化さ
せてテンプレートマッチング処理を繰返す。図3に示し
たようなテンプレートを用いる場合は、水平方向の渦間
隔のみを変化させてテンプレートマッチング処理を繰返
す。それぞれの渦間隔に基づいて行われたテンプレート
マッチング処理の結果である乱気流検出結果は、テンプ
レートマッチング結果保存部4に一時的に保存される。
【0040】予め設定した範囲内で仮定された渦間隔の
乱気流の強度検出が終わると、渦間隔決定部5は、テン
プレートマッチング結果保存部4から、複数の仮定した
渦間隔に基づくテンプレートマッチング結果を読み出
す。そして、渦間隔決定部5では、これらの渦間隔のう
ちで、ドップラ速度分布とテンプレートが最も適合す
る、すなわちマッチング値が最も高くなるものを、観測
渦間隔として選択する。選択された観測渦間隔はテンプ
レートマッチング結果保存部4に供給される。テンプレ
ートマッチング結果保存部4は、一時保存された乱気流
検出結果のうちから、観測渦間隔に基づく乱気流検出結
果(強度)を、最終的に確定した乱気流検出結果として
選択し、これを出力する。この信号処理部103の出力
は、表示・記録部104へと渡される。表示・記録部1
04では、乱気流検出結果を表示または記録する。
【0041】次に、図2および図3に示されたテンプレ
ートを用いたテンプレートのマッチング処理について説
明する。まず、図2に示されたテンプレートを用いたテ
ンプレートマッチング処理では、テンプレートと式
(2)を用いて、小領域に応じて予め設定された係数を
測定速度に乗算してドップラ速度データを積分する。図
2のテンプレートによれば、係数は±1および0であ
る。すなわち、図2に示すテンプレートでは、左上の小
領域に+1、左下の小領域に−1、右上の小領域に−
1、右下の小領域に+1、中央の領域に0の係数が割り
当てられる。
【0042】
【数2】
【0043】ここで、M(Xt ,Yt )は、計算上仮定
した乱気流の位置と、乱気流の真の位置との類似度を表
す。位置(Xt ,Yt )は、図2に示したように、電磁
波放射部101の位置を原点O1としたX−Y座標系に
おけるテンプレート領域(仮定した観測領域)の原点O
2の位置を表す。β1maxは左上テンプレート小領域の最
大高さ(テンプレート座標系(α−β)座標系)、β
1minは左下テンプレート小領域の最小高さ、α1maxは左
側テンプレート小領域の最大水平方向位置(テンプレー
ト座標系(α−β)座標系)、α1minは左側テンプレー
ト小領域の最小水平方向位置である。β2maxは右上テン
プレート小領域の最大高さ(テンプレート座標系(α−
β)座標系)、β2minは右下テンプレート小領域の最小
高さ、α2m axは右側テンプレート小領域の最大水平方向
位置(テンプレート座標系(α−β)座標系)、α2min
は右側テンプレート小領域の最小水平方向位置である。
【0044】V1(Xt +α,Yt +β)はX−Y座標
系における個々の位置(Xt +α,Yt +β)の測定さ
れたドップラ速度である。V2(α,β)はテンプレー
ト内の係数であり、テンプレート領域において左上の小
領域で+1、左下の小領域で−1、右上の小領域で−
1、右下の小領域で+1、中央の領域で0である。より
正確にこれを式で表すと以下の通りである。
【0045】 V2(α,β)=+1 …((α1min+α1max)/2<
α<α1maxであって、β1min<β<β1maxの場合) V2(α,β)=−1 …(α1min<α<(α1min+α
1max)/2であって、β1min<β<β1maxの場合) V2(α,β)=−1 …((α2min+α2max)/2<
α<α2maxであって、β2min<β<β2maxの場合) V2(α,β)=+1 …(α2min<α<(α2min+α
2max)/2であって、β2min<β<β2maxの場合)
【0046】上述のように、発生直後の乱気流内部に関
するドップラ速度V1(Xt +α,Yt +β)は、左上
の小領域で正、左下の小領域で負、右上の小領域で負、
右下の小領域で正である。時間の経過により乱気流の実
際の位置は移動してゆく。しかし、テンプレート領域の
原点O2が乱気流の実際の中心位置O3(図14、図1
7参照)に一致すれば、式(2)に従った積分結果であ
るところの類似度M(Xt ,Yt )は最大となる。換言
すれば、類似度M(Xt ,Yt )が最大になる位置(X
t ,Yt )が乱気流の中心位置O3として推定される。
従って、位置(Xt ,Yt )のパラメータXt ,Yt
変更しながら類似度M(Xt ,Yt )の算出試行を繰り
返し、類似度M(Xt ,Yt )が最大になる位置
(Xt ,Yt )を求める。
【0047】式(2)から理解できるように、類似度M
(Xt ,Yt )はテンプレート中心位置O2と乱気流中
心位置O3とが一致した場合に、速度の絶対値を加算し
たものであるから、乱気流の位置確定後の類似度M(X
t ,Yt )は乱気流の速度(強度)を表す指標として使
うことができる。すなわち、複数回の算術試行で得られ
た類似度M(Xt ,Yt )のうち、最大の類似度Mmax
(Xt ,Yt )を乱気流の強度と考えることができる。
以上が、水平渦間隔と垂直渦間隔を固定した(α 1min
α1max、α2min、α2max、β1min、β1max、β2min、β
2maxを固定した)一回の試行での乱気流の強度の測定で
ある。そして、水平方向の渦間隔と垂直方向の渦間隔を
変化させて(α1min、α1max、α2min、α2max
β1min、β1max、β2min、β2maxを変化させて)、この
試行を繰り返し、複数回の試行で得られた複数の最大の
類似度Mmax (Xt ,Yt )の中から最大の類似度M
max (Xt ,Yt )を選択し、これを乱気流の強度と推
定するのである。
【0048】図3に示されたテンプレートを用いたテン
プレートマッチング処理も基本的には上記と同様であ
る。ただし、図3に示すように、垂直方向のずれはない
ので、式(2)中のβ1max=β2max=βmax に置き換え
られ、β1min=β2min=βminに置き換えられる。ま
た、水平方向の渦間隔のみを変化させて(α1min、α
1max、α2min、α2maxを変化させて)、乱気流強度測定
試行を繰り返す。
【0049】以上のような乱気流検出装置の動作のフロ
ーチャートを図4に示す。まず、ステップST1では、
以後のステップで実施するテンプレートマッチング処理
で仮定する渦間隔のうちの最小値を渦初期間隔としてテ
ンプレート設定部2が設定する。ステップST2では、
現時刻の観測で得られた一回の走査分の受信信号からド
ップラ速度算出部1が算出したドップラ速度(ドップラ
速度の空間分布)をテンプレートマッチング処理部3が
読み込む。ステップST3では、ステップST1で設定
された渦初期間隔を仮定する渦間隔として用いて、その
渦間隔に対応したテンプレートをテンプレート設定部2
が設定する。ステップST4では、ステップST3で設
定されたテンプレートをテンプレートマッチング処理部
3が用いて、ドップラ速度データにテンプレートマッチ
ング処理を行う。処理の結果は、テンプレートマッチン
グ結果保存部4に蓄積されてゆく。
【0050】ステップST5では、仮定した渦間隔が予
め設定された上限値に達しているかどうかをテンプレー
トマッチング処理部3が判定する。仮定した渦間隔が上
限に達していなければ、処理はステップST6に進み、
そうでなければ、ステップST7に進む。ステップST
6では、仮定する渦間隔を予め設定された刻み幅だけテ
ンプレート設定部2が増加させた後に、処理はステップ
ST3に戻る。その後、増加させた仮定渦間隔を用いて
ステップST3でテンプレートの設定を行い、再度ステ
ップST4でテンプレートマッチング処理を行う。ステ
ップST7では、ステップST3、ステップST4、ス
テップST5、ステップST6が構成するループで得ら
れた複数の仮定渦間隔に基づくテンプレートマッチング
結果を渦間隔決定部5がドップラ速度分布と対比し、マ
ッチング値が最大となる場合が正しい渦間隔を仮定した
テンプレートマッチングであると判断し、その渦間隔を
観測渦間隔とする。ステップST8では、観測渦間隔に
選択された渦間隔でのテンプレートマッチング処理の結
果を、最終的に確定した乱気流検出結果として、テンプ
レートマッチング結果保存部4が選択し、この結果を信
号処理部103から出力する。
【0051】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、仮定する渦間隔を変化させながらテンプレートマッ
チングを繰返し、最もマッチング値が大きい場合のテン
プレートマッチング処理の結果を乱気流検出結果として
選択するようにしているので、発生から時間が経過する
ことにより渦間隔が広がった航空機後方の乱気流も正し
く検出することができるという効果が得られる。
【0052】また、+1、−1、0の3つの値のみを持
つ簡易なテンプレートを利用するようにしているため、
テンプレート設定に要する計算時間を短縮することがで
きる。
【0053】典型的な乱気流のみを仮定して、乱気流を
構成する二つの渦が水平方向に並んでいる場合に適合し
た図3に示したようなテンプレートを用いる場合は、仮
定するテンプレートの数が少なくなり、少ない計算量で
乱気流検出を行うことができる。
【0054】図2および図3のテンプレートでは、部分
テンプレートの小領域の形状は矩形であるが、本発明を
この開示に限定する意図ではなく、例えば扇形、その他
の適当な形状でもよい。またテンプレートの小領域は水
平線と垂直線で区画されているが、本発明をこの開示に
限定する意図ではない。場合によっては、小領域を区画
する線が傾斜したテンプレートでもよい。また、左右の
各部分テンプレートは、係数V2(α,β)が+1と−
1の二つの小領域を有するが、本発明をこの開示に限定
する意図ではない。各部分テンプレートにおいて、二つ
より多い小領域を設けてもよいし、そのうちの一つまた
は複数に係数V2(α,β)として0を割り当ててもよ
い。以上のようなバリエーションでは、適切な変更が式
(2)に対してされる。
【0055】また、係数V2(α,β)は±1でなくて
もよく、±n(nは実数である)と0であればよい。式
(2)から理解できるように、この場合は、類似度M
(Xt,Yt )は、係数V2(α,β)=±1の場合の
それのn倍になる。
【0056】実施の形態2.以上の実施の形態1では、
乱気流を構成する二つの渦間隔の仮定において、仮定す
る渦間隔の初期値を一定値にしていた。つまり、一定の
下限値(初期値)から上限値まで、マッチング処理を繰
り返した。しかし、通常二つの渦間隔は時間の経過とと
もに単調増加することが多い。従って、乱気流の発生か
らある時間が経過しているのが明らかであれば、マッチ
ング処理に利用する初期値は別な値でもよい。そこで、
実施の形態2では、仮定する渦間隔の初期値を乱気流発
生後の時間経過とともに変更するようにした。この実施
の形態2の乱気流検出装置の全体構成は、図13に示し
た実施の形態1のものと概略的には同じである。ただ
し、実施の形態2の信号処理部103の内部構成は、実
施の形態1のものと異なる。図5は実施の形態2の乱気
流検出装置の信号処理部103の構成を示すブロック図
である。この図において、6は渦間隔保存部である。そ
の他の構成要素は、実施の形態1と共通であり、それら
を詳細には説明しない。この実施の形態2でも、図2に
例示するような渦が水平方向にも垂直方向にも離れてゆ
くことを前提としたテンプレートを用いてもよいし、図
3に例示するような渦が水平方向にのみ離れてゆくこと
を前提としたテンプレートを用いてもよい。
【0057】次に動作について説明する。前述の実施の
形態1と同様に、この実施の形態2でも、ドップラ速度
算出部1、テンプレートマッチング処理部3、テンプレ
ートマッチング結果保存部4、渦間隔決定部5によっ
て、複数の仮定した渦間隔に基づくテンプレート処理の
結果と、ドップラ速度分布とを対比して、最終的な乱気
流検出結果を確定する。最終的な乱気流検出結果は、表
示・記録部104に供給される。
【0058】さらに、この実施の形態2においては、渦
間隔決定部5は、観測渦間隔を決定すると、この観測渦
間隔を渦間隔保存部6に供給する。渦間隔保存部6は、
観測渦間隔を保存し、次の時刻に測定されるドップラ速
度データに対する乱気流検出において、仮定する渦間隔
の初期値を、保存した観測渦間隔に基づいて定める。
【0059】以上の乱気流検出装置の動作のフローチャ
ートを図6に示す。前述の実施の形態1のフローチャー
ト(図4)は、一回の走査分の速度分布のみに対する乱
気流検出処理を示すが、この実施の形態2のフローチャ
ートである図6は、時間的に連続する複数回の走査で得
られるデータ(ドップラ速度の空間分布)に対する乱気
流検出処理を示す。
【0060】図6のフローチャートのうち、ステップS
T1からステップST8までの処理の流れは、図4のフ
ローチャートと同じものである。ただし、ステップST
7で選択された観測渦間隔を渦間隔決定部5が渦間隔保
存部6に保存する。ステップST8で現時刻での乱気流
検出結果を信号処理装置103から表示・記録部104
に供給した後に、ステップST9において、乱気流が消
滅したかどうかを判定する。例えば、ステップST1か
らステップST8までの処理で、全く乱気流が検出され
ないか、乱気流の強度が閾値より小さい場合は、乱気流
が消滅したとみなせる。この場合は、処理を終了する。
逆に乱気流が検出された場合または乱気流の強度が閾値
以上である場合は、乱気流が消滅せずに残留していると
判断できる。この場合、処理はステップST10に進
む。
【0061】ステップST10では、ステップST7で
選択した観測渦間隔(渦間隔保存部6に保存されてい
る)に基づいて、テンプレート設定部2が、次の走査時
刻の乱気流検出における渦間隔初期値を設定する。処理
はこの後、ステップST2に戻って、次の走査時刻のデ
ータ(ドップラ速度の空間分布)をテンプレート設定部
2が読み出し、この走査時刻の乱気流検出処理に進む。
【0062】観測渦間隔に基づいて次の走査時刻の渦間
隔初期値を設定する方法として、最も簡単なものは、前
走査時刻の観測渦間隔を、そのまま次の走査時刻の渦間
隔初期値とするものである。前述のように、渦間隔は通
常時間の経過とともに単調に増加する。よって、単調増
加の前提が正しい限りにおいて、前時刻の観測渦間隔を
初期値として、仮定する渦間隔を増加させながら試行を
繰り返すことにより、最適な渦間隔を探索するようにし
ても、実際の渦間隔が試行範囲から漏れることはない。
【0063】ただし、受信信号の信号対雑音比(SN
比)が低い場合など、観測渦間隔に誤差が生じている可
能性がある場合には、前走査時刻の観測渦間隔よりも少
し小さい値を初期値として、観測渦間隔の探索を行って
もよい。
【0064】また、乱気流の発生から時間が経過する
と、過去の複数の時刻における観測渦間隔が渦間隔保存
部6に蓄積されてゆく。そこで、これらを利用してもよ
い、すなわち、図7のように、過去の複数の時刻におけ
る渦間隔の観測値Mに基づいて、渦間隔の時系列変化パ
ターンLを求め、この時系列変化パターンLから次の走
査時刻の渦間隔Aを予測してもよい。上述の通り、次の
走査時刻の渦間隔初期値Iは、予測された渦間隔Aと同
じでもよい。ただし、図7に示すように、渦間隔初期値
Iは、予測された渦間隔Aから所定のマージンmを引い
たものでもよい。
【0065】この初期値設定方法(図4のステップST
10の具体的動作)のフローチャートを図8に示す。ま
ず、ステップST21では、過去に観測された渦間隔M
に基づいて、観測渦間隔の時系列変化パターン(関数)
Lを算術的に求める。ステップST22では、変化パタ
ーンLの関数中の変数に次の観測時刻を代入することに
より、次の時刻の渦間隔の予測値Aを求める。ステップ
ST23では、予測値Aから予め設定したマージンmを
差し引いた値を渦間隔の初期値Iとする。
【0066】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、前の時刻に観測された渦間隔に基づいて、乱気流を
構成する二つの渦の間隔を予測して、次の観測時刻の渦
間隔の初期値を仮定することにより、実際の渦間隔を探
索する範囲(初期値と上限値で定まる)を狭めることが
できる。従って、観測渦間隔の算出のためのテンプレー
トマッチング処理の試行の回数が少なくなり、少ない計
算量で乱気流検出を行うことができる。
【0067】この実施の形態2において、前の時刻に観
測された渦間隔をそのまま次の時刻の渦間隔探索の初期
値とすれば、初期値設定に要する計算量が少なくなる。
【0068】過去の複数の時刻における渦間隔の観測値
に基づいて、渦間隔の時系列変化パターンを算術的に求
め、この時系列変化パターンから次の走査時刻の渦間隔
を予測すれば、高い精度で初期値が算出されるため、テ
ンプレートマッチング処理の回数がより少なくなり、少
ない計算量で乱気流検出を行うことが可能となる。
【0069】実施の形態3.前述の実施の形態2では、
過去に観測された渦間隔に基づいて、次の観測時刻にお
ける渦間隔探索用の初期値を設定することにより、テン
プレートマッチング処理の回数を減らし、乱気流検出の
計算量を少なくしていた。この実施の形態3では、別の
方法によって渦間隔の初期値を算出することにより、テ
ンプレートマッチングの回数を減らし、乱気流検出の計
算量を少なくする。
【0070】この実施の形態3の乱気流検出装置の全体
構成は、図13に示した実施の形態1または実施の形態
2のものと概略的には同じである。ただし、実施の形態
3の信号処理部103の内部構成は、実施の形態1また
は実施の形態2のものと異なる。図9は実施の形態3の
乱気流検出装置の信号処理部103の構成を示すブロッ
ク図である。この図において、7は乱気流シミュレーシ
ョン部である。その他の構成要素は、実施の形態1と共
通であり、それらを詳細には説明しない。この実施の形
態3でも、図2に例示するような渦が水平方向にも垂直
方向にも離れてゆくことを前提としたテンプレートを用
いてもよいし、図3に例示するような渦が水平方向にの
み離れてゆくことを前提としたテンプレートを用いても
よい。
【0071】次に動作について説明する。前述の実施の
形態1および実施の形態2と同様に、この実施の形態3
でも、ドップラ速度算出部1、テンプレートマッチング
処理部3、テンプレートマッチング結果保存部4、渦間
隔決定部5によって、複数の仮定した渦間隔に基づくテ
ンプレート処理の結果と、ドップラ速度分布とを対比し
て、最終的な乱気流検出結果を確定する。最終的な乱気
流検出結果は、表示・記録部104に供給される。
【0072】さらに、この実施の形態3においては、乱
気流シミュレーション部7によって、乱気流の時間変化
を予測し、その結果から渦間隔の初期値を設定する。
【0073】乱気流シミュレーション部7では、観測時
の気象状況を表す気象モデルと、航空機の諸元を表す航
空機モデルとから、乱気流を構成する渦の強度と位置の
時間変化を予測する。予測方法としては、例えば、A. C
orjon and T. Poinsot, A model to define aircraft s
eparations due to wake vortex encounter, AIAA Appl
ied Aerodynamics Conference, vol. 13, no. 1, pp. 1
17-124, 1995. で述べられているような微分方程式を解
く方法がある。この微分方程式は少ない計算量で、乱気
流を構成する渦の強度と位置の時間変化を表現すること
のできるものとして知られている。2つ渦の位置の時間
変化が求まれば、二つの渦の間隔の時間変化も求めるこ
とができる。上記の乱気流の渦との強度と位置の時間変
化を求めるための式を以下に掲げる。
【0074】
【数3】
【0075】
【数4】
【0076】
【数5】
【0077】
【数6】
【0078】
【数7】
【0079】
【数8】
【0080】
【数9】
【0081】
【数10】
【0082】
【数11】
【0083】
【数12】 式(10)から式(12)でi=1,2である。
【0084】
【数13】
【0085】
【数14】
【0086】式(3)は、一次乱気流の減衰を表す循環
Γi ,i=1,2の時間変化(時間微分)dΓi /dt
を表す。かっこ内の第1項は粘性による減衰項、第2項
は浮力による減衰項、第3項は背景の乱流による減衰項
である。粘性による減衰項(式(3)の第1項)は、式
(4)で算出される。式(4)でφi はΓi に加わる力
の方向、すなわち鉛直下向方向と渦の進行方向のなす各
である。またρは空気の密度、b0 は一次乱気流の二つ
の渦の初期間隔であり、航空機の翼幅に等しい。F|
viscous は粘性力であり、式(5)で算出される。式
(5)でvは一次乱気流の降下速度、CD は粘性力の大
きさを表す係数、Lは一次乱気流の存在する領域の幅で
あり、2.09b0 の値が用いられる。
【0087】浮力による減衰項(式(3)の第2項)
は、式(6)で算出される。F|buoy ancyは浮力であ
り、式(7)で算出される。式(7)で、Nはブラント
−バイサラ周波数である。Δzは乱気流の初期位置と比
較した垂直方向の位置、すなわち降下距離である。Aは
渦の存在する領域の面積である。この値は式(8)で表
される一定値と仮定してよい。
【0088】乱気流による減衰項(式(3)の第3項)
は、式(9)で算出される。式(9)でb0 は二つの渦
の間隔、qは乱流の速度自乗平均の平方根である。
【0089】式(10)から式(12)は、一次乱気流
に含まれる二つの渦の運動を表す。ここで、一次乱気流
に含まれる二つの渦Γ1 およびΓ2 の位置をそれぞれ
(y1,z1 )、(y2 ,z2 )、二次乱気流に含まれる二
つの渦Γ'1およびΓ'2の位置をそれぞれ(y'1,,
z'1)、(y'2, z'2)、影像乱気流に含まれる二つの渦
Γ3およびΓ4 の位置をそれぞれ(y3 ,z3 )、(y4 ,z
4 )と仮定している。
【0090】式(10)および式(11)の第1項の和
は、j=1,...4、かつj≠iについて行う。rij
は二つの渦Γi とΓj の間の距離であり、式(13)で
表される。また、r'iは二つの渦Γi とΓ'iの間の距離
であり、式(14)で表される。式(14)のθi は一
次乱気流の渦Γi の中心と二次乱気流の渦Γ'iの中心を
結ぶ線分と、Γiから地表面に下ろした垂線とがなす角
度である。その符号については、図10に示す状況にお
いて、θ1 <0、θ2 >0となるように定義される。式
(3)および式(10)から式(12)で表される微分
方程式を逐次的に解くことにより、乱気流の強さと位置
の時間的変化を求めることができる。一次乱気流の初期
位置は航空機が通過した際の主翼の両端の点とする。
【0091】密度ρ、一次乱気流の二つの渦の初期間隔
(航空機の翼幅)b0 が判明していれば、以上の微分方
程式を解くことが可能である。従って、観測時の気象状
況を表す気象モデルと、航空機の諸元を表す航空機モデ
ルとから、乱気流を構成する渦の強度と位置の時間変化
を予測することができる。
【0092】次に動作について説明する。テンプレート
設定部2では、乱気流シミュレータ部で算出された渦間
隔の予測値から、仮定する渦間隔の初期値を設定する。
乱気流の発生領域の周囲の気象条件を正確に知ることが
できる場合には、乱気流シミュレータ部7による予測の
精度も高いと考えられる。この場合は、予測される渦間
隔をそのまま仮定する渦間隔として、テンプレートを設
定すれば良い。しかし実際には、全ての気象条件を正確
に知ることは困難であるため、渦間隔の予測結果には誤
差が生じる。そこで、予測される渦間隔の近傍範囲で、
渦間隔を変化させたテンプレートマッチング処理を試行
し、マッチング値が最も高い場合の渦間隔が正しい渦間
隔、すなわち観測渦間隔であると確定する。そして、確
定された観測渦間隔に基づくテンプレートマッチング結
果を最終的な乱気流検出結果として供給する。
【0093】この実施の形態3では、図11に示すフロ
ーチャートに従って観測が行われる。まず、乱気流シミ
ュレーション部7にはステップST11で気象モデル情
報が入力され、ステップST12で航空機モデル情報が
入力される。気象モデル情報は現在の周囲の気象条件に
関連するパラメータであり、航空機モデル情報は観測対
象となる乱気流を引き起こした航空機のタイプに関連す
るパラメータである。これらのパラメータに基づいて、
ステップST13で、乱気流シミュレーション部7は乱
気流シミュレーションを実行し、渦間隔を予測する。
【0094】テンプレート設定部2は、このようにして
予測された渦間隔の値よりもわずかに小さい値をステッ
プST1で渦初期間隔として設定する。以後の処理は、
図4で示した実施の形態1の動作と同じである。
【0095】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、周囲の気象条件を知ることができる場合に、精度の
高い渦間隔初期値を得ることができるため、渦間隔探索
のためのテンプレートマッチング処理の回数が少なくて
済むため、乱気流検出に要する計算量が少なくなる。
【0096】実施の形態4.この実施の形態4では、複
数の渦間隔を仮定したテンプレートマッチング処理の試
行を並列に行うことにより、乱気流検出に要する計算時
間を短縮する。
【0097】この実施の形態4の乱気流検出装置の全体
構成は、図13に示した実施の形態1から実施の形態3
のものと概略的には同じである。ただし、実施の形態4
の信号処理部103の内部構成は、実施の形態1から実
施の形態3のものと異なる。図12は実施の形態4の乱
気流検出装置の信号処理部103の構成を示すブロック
図である。この図において、31から3Nは第1から第
Nのテンプレートマッチング部(演算部、乱気流検出
部)を示す。すなわち、実施の形態4においては、信号
処理部103にN個(Nは自然数)のテンプレートマッ
チング処理部が設けられている。その他の構成要素は、
実施の形態1と共通であり、それらを詳細には説明しな
い。この実施の形態4でも、図2に例示するような渦が
水平方向にも垂直方向にも離れてゆくことを前提とした
テンプレートを用いてもよいし、図3に例示するような
渦が水平方向にのみ離れてゆくことを前提としたテンプ
レートを用いてもよい。また、実施の形態2または3で
用いられる渦間隔初期値の決定手法をこの実施の形態4
に応用してもよい。
【0098】テンプレート設定部2では、それぞれ異な
る渦間隔を仮定したN個のテンプレートを設定する。こ
れらN個のテンプレートは、それぞれ第1のテンプレー
トマッチング処理部31から第Nのテンプレートマッチ
ング部3Nに入力される。第1のテンプレートマッチン
グ部31から第Nのテンプレートマッチング部3Nは、
異なる渦間隔を仮定したテンプレートマッチング処理を
並列に実行する。N個のテンプレートマッチング処理の
結果は、テンプレートマッチング結果保存部4に供給さ
れて、テンプレートマッチング結果保存部4で保存され
る。さらに、テンプレートマッチング結果保存部4に供
給されたテンプレートマッチング結果は、渦間隔決定部
5にも供給され、渦間隔決定部5が最もマッチング値が
高くなる場合を観測渦間隔に決定する。テンプレートマ
ッチング結果保存部4では、渦間隔決定部5で決定され
た観測渦間隔に基づくテンプレートマッチング処理結果
を、最終的に確定した乱気流検出結果として、信号処理
部103から出力する。
【0099】この実施の形態4によれば、複数のテンプ
レートマッチング部を用いて、異なる渦間隔を仮定した
テンプレートマッチング処理を同時に平行して行うた
め、乱気流検出に必要な計算時間を短縮することができ
る。テンプレートマッチング処理部の数Nは、この信号
処理部103全体でテンプレートマッチング処理を試行
すべき回数と同じにしてもよい。換言すると、個々のテ
ンプレートマッチング処理部で行う試行の回数は1回で
よい。ただし、個々のテンプレートマッチング処理部で
行う試行の回数をT回(Tは自然数)としてもよい。こ
の場合、全体の試行の回数は、T×Nになる。
【0100】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、乱気
流を構成する二つの渦の間隔の仮定値を変更しながら、
個々の仮定値に適合した個々の速度分布テンプレートを
設定するテンプレート設定部と、上記ドップラ速度算出
部で算出されたドップラ速度空間分布と、上記テンプレ
ート設定部で設定された個々の速度分布テンプレートと
の類似度を算出する演算部と、上記演算部で算出された
個々の上記類似度に基づいて、上記渦の間隔を決定する
渦間隔決定部と、上記渦間隔決定部で決定された渦の間
隔に基づいて、乱気流の強度に関連した指標を求める乱
気流検出部とを備えるように構成したので、観測する後
方乱気流を構成する二つの渦の間隔に適応したテンプレ
ートを用いて乱気流検出を行うことができるため、発生
から時間の経過し、渦間隔が広がった航空機後方の乱気
流も正しく検出することができるという効果がある。
【0101】この発明によれば、乱気流を構成する二つ
の渦の間隔の仮定値を変更しながら、個々の仮定値に適
合した個々の速度分布テンプレートを設定するテンプレ
ート設定部と、上記テンプレート設定部で設定された個
々の速度分布テンプレートがそれぞれ供給され、上記ド
ップラ速度算出部で算出されたドップラ速度空間分布
と、供給された速度分布テンプレートとの類似度を算出
する複数の演算部と、上記複数の演算部で算出された個
々の上記類似度に基づいて、上記渦の間隔を決定する渦
間隔決定部と、上記渦間隔決定部で決定された渦の間隔
に基づいて、乱気流の強度に関連した指標を求める乱気
流検出部とを備えるように構成したので、複数の演算部
を用いて、異なる渦間隔を仮定したテンプレートマッチ
ング処理を同時に行うことができるため、発生から時間
の経過し、渦間隔が広がった航空機後方の乱気流も正し
く検出することができるだけでなく、乱気流検出に必要
な計算時間を短縮することができる。
【0102】この発明によれば、上記テンプレート設定
部は、二つの渦が同じ高度に水平方向に並んで存在する
という典型的な乱気流の渦の態様の仮定の下に、テンプ
レートを設定するように構成したので、設定するテンプ
レートの数が少なくなり、少ない計算量で乱気流検出を
行うことができるという効果がある。
【0103】この発明によれば、上記テンプレート設定
部が、実際の乱気流を構成する渦流の方向に関連した、
+n、−n、0の3つの値(nは自然数である)を持つ
テンプレートを設定するように構成したので、テンプレ
ートが簡易になり、テンプレート設定に要する計算時間
を短縮することができるという効果がある。
【0104】この発明によれば、テンプレート設定部が
渦間隔保存部に保存された過去の観測渦間隔に基づい
て、次の時刻の乱気流検出の試行における渦の間隔を仮
定するように構成したので、正しい渦間隔を探索する試
行回数を減らすことができ、少ない計算量で乱気流検出
を行うことができるという効果がある。
【0105】この発明によれば、気象状況を表す気象モ
デル情報と、航空機の諸元を表す航空機モデル情報に基
づいて、乱気流を構成する二つの渦の間隔の時間的変化
を予測する乱気流シミュレーション部を備え、テンプレ
ート設定部は上記乱気流シミュレーション部が予測した
現在の渦の間隔に基づいて、次の時刻の乱気流検出の試
行における渦の間隔を仮定するように構成したので、周
囲の気象条件を知ることができる場合に、渦間隔に関す
る精度の高い試行初期値を得ることができるため、渦間
隔探索のためのテンプレートマッチング処理の試行回数
が少なくて済み、乱気流検出に要する計算量が少なくな
るという効果がある。
【0106】この発明によれば、(a)空間に電磁波を
放射するステップと、(b)大気で反射された電磁波を
受信するステップと、(c)一回の走査における上記受
信した電磁波に関連する受信信号に基づいて、観測領域
内のドップラ速度空間分布を算出するステップと、
(d)乱気流を構成する二つの渦の間隔の仮定値を設定
するステップと、(e)乱気流の速度分布を模式化した
速度テンプレートであるところの上記仮定値に適合した
速度分布テンプレートを設定するステップと、(f)上
記ドップラ速度空間分布と上記速度分布テンプレートと
の類似度を算出するステップと、(g)上記渦の間隔の
仮定値を変更して、ステップ(e)および(f)を繰り
返すステップと、(h)個々の上記類似度に基づいて、
上記渦の間隔を決定するステップと、(i)上記決定さ
れた渦の間隔に基づいて、乱気流の強度に関連した指標
を求めるステップとを備えた乱気流検出方法のように構
成したので、仮定する渦間隔を変化させながらテンプレ
ートマッチングを繰返し、最もマッチング値が大きい場
合のテンプレートマッチング処理の結果を乱気流検出結
果に採用することができるため、発生から時間の経過
し、渦間隔が広がった航空機後方の乱気流も正しく検出
することができるという効果がある。
【0107】この発明によれば、ステップ(d)では、
以前の乱気流検出で決定された渦間隔に基づいて、二つ
の渦の間隔の仮定値を設定するので、正しい渦間隔を探
索する試行回数を減らすことができ、少ない計算量で乱
気流検出を行うことができるという効果がある。
【0108】この発明によれば、ステップ(d)では、
以前の乱気流検出で決定された渦間隔をそのまま二つの
渦の間隔の仮定値とするので、渦間隔の設定に要する計
算量が少なくなるという効果がある。
【0109】この発明によれば、ステップ(d)は、以
前の乱気流検出で決定された複数の渦間隔に基づいて渦
間隔の変化パターンを求めるステップと、上記変化パタ
ーンと走査時刻に基づいて渦間隔を予測するステップ
と、上記予測された渦間隔からある値を差し引いて仮定
値を求めるステップとを有するので、高い精度で仮定値
を求めることができ、正しい渦間隔を探索する試行回数
を減らすことができ、少ない計算量で乱気流検出を行う
ことができるという効果がある。
【0110】この発明によれば、ステップ(d)は、周
囲の気象条件に関連する気象モデル情報と、航空機のタ
イプに関連する航空機モデル情報に基づいて、乱気流シ
ミュレーションを実行することにより渦間隔の変化パタ
ーンを予測するステップと、上記変化パターンと走査時
刻に基づいて渦間隔を予測するステップと、上記予測さ
れた渦間隔に基づいて仮定値を求めるステップとを有す
るので、周囲の気象条件を知ることができる場合に、渦
間隔に関する精度の高い試行初期値を得ることができる
ため、渦間隔探索のためのテンプレートマッチング処理
の試行回数が少なくて済み、乱気流検出に要する計算量
が少なくなるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による乱気流検出装
置の信号処理部の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による乱気流検出装
置で用いられるテンプレートの例を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による乱気流検出装
置で用いられるテンプレートの別の例を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による乱気流検出方
法を示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態2による乱気流検出装
置の信号処理部の構成を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態2による乱気流検出方
法を示すフローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態2によるおいて、仮定
する渦間隔の初期値を定める原理の説明に参照されるグ
ラフである。
【図8】 この発明の実施の形態2において、仮定する
渦間隔の初期値を定める方法のフローチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態3による乱気流検出装
置の信号処理部の構成を示すブロック図である。
【図10】 この発明の実施の形態3による乱気流検出
方法の原理の説明に参照される乱気流の様相を示す模式
図である。
【図11】 この発明の実施の形態3による乱気流検出
方法を示すフローチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態4による乱気流検出
装置の信号処理部の構成を示すブロック図である。
【図13】 従来およびこの発明の実施の形態の乱気流
検出装置の全体構成を示すブロック図である。
【図14】 乱気流検出装置で航空機後方の乱気流を検
出する原理を示す図である。
【図15】 従来の乱気流検出装置の信号処理部の構成
を示すブロック図である。
【図16】 従来の乱気流検出装置で用いられるテンプ
レートを示す図である。
【図17】 航空機後方の乱気流の典型的な移動軌跡を
示す図である。
【符号の説明】
1 ドップラ速度算出部、2 テンプレート設定部、3
テンプレートマッチング処理部(演算部、乱気流検出
部)、31−3N テンプレートマッチング処理部(演
算部、乱気流検出部)、4 テンプレートマッチング結
果保存部、5渦間隔決定部、6 渦間隔保存部、7 乱
気流シミュレーション部、100 乱気流検出装置、1
01 電磁波放射部(電磁波入射部)、102 送受信
部(受信部)、103 信号処理部、104 表示・記
録部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大鋸 康功 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J070 AB01 AC06 AE12 AE20 AF01 AH04 AH35 AH50 AK13 AK22 BA01 5J084 AA07 AB12 AD04 CA03 CA33 CA76 DA10 EA04 FA03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁波を発生する送信部と、 空間に電磁波を放射する電磁波放射部と、 大気で反射された電磁波を受信する電磁波入射部と、 上記電磁波放射部で受信した電磁波を処理して受信信号
    を生成する受信部と、 上記受信部で生成された受信信号に基づいて、観測領域
    内のドップラ速度空間分布を算出するドップラ速度算出
    部と、 乱気流の速度分布を模式化した速度分布テンプレートを
    設定可能であり、乱気流を構成する二つの渦の間隔の仮
    定値を変更しながら、個々の仮定値に適合した個々の速
    度分布テンプレートを設定するテンプレート設定部と、 上記ドップラ速度算出部で算出されたドップラ速度空間
    分布と、上記テンプレート設定部で設定された個々の速
    度分布テンプレートとの類似度を算出する演算部と、 上記演算部で算出された個々の上記類似度に基づいて、
    上記渦の間隔を決定する渦間隔決定部と、 上記渦間隔決定部で決定された渦の間隔に基づいて、乱
    気流の強度に関連した指標を求める乱気流検出部とを備
    えた乱気流検出装置。
  2. 【請求項2】 電磁波を発生する送信部と、 空間に電磁波を放射する電磁波放射部と、 大気で反射された電磁波を受信する電磁波入射部と、 上記電磁波放射部で受信した電磁波を処理して受信信号
    を生成する受信部と、 上記受信部で生成された受信信号に基づいて、観測領域
    内のドップラ速度空間分布を算出するドップラ速度算出
    部と、 乱気流の速度分布を模式化した速度分布テンプレートを
    設定可能であり、乱気流を構成する二つの渦の間隔の仮
    定値を変更しながら、個々の仮定値に適合した個々の速
    度分布テンプレートを設定するテンプレート設定部と、 上記テンプレート設定部で設定された個々の速度分布テ
    ンプレートがそれぞれ供給され、上記ドップラ速度算出
    部で算出されたドップラ速度空間分布と、供給された速
    度分布テンプレートとの類似度を算出する複数の演算部
    と、 上記複数の演算部で算出された個々の上記類似度に基づ
    いて、上記渦の間隔を決定する渦間隔決定部と、 上記渦間隔決定部で決定された渦の間隔に基づいて、乱
    気流の強度に関連した指標を求める乱気流検出部とを備
    えた乱気流検出装置。
  3. 【請求項3】 上記テンプレート設定部は、二つの渦が
    同じ高度に水平方向に並んで存在するという仮定の下
    に、テンプレートを設定することを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の乱気流検出装置。
  4. 【請求項4】 上記テンプレート設定部が、実際の乱気
    流を構成する渦流の方向に関連した、+n、−n、0の
    3つの値(nは実数である)を持つテンプレートを設定
    することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのい
    ずれか1項記載の乱気流検出装置。
  5. 【請求項5】 渦間隔決定部で推定された観測渦間隔を
    保存する渦間隔保存部を備え、テンプレート設定部は渦
    間隔保存部に保存された過去の観測渦間隔に基づいて、
    次の時刻の乱気流検出の試行における渦の間隔を仮定す
    ることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいず
    れか1項記載の乱気流検出装置。
  6. 【請求項6】 気象状況を表す気象モデル情報と、航空
    機の諸元を表す航空機モデル情報に基づいて、乱気流を
    構成する二つの渦の間隔の時間的変化を予測する乱気流
    シミュレーション部を備え、テンプレート設定部は上記
    乱気流シミュレーション部が予測した現在の渦の間隔に
    基づいて、次の時刻の乱気流検出の試行における渦の間
    隔を仮定することを特徴とする請求項1から請求項4の
    うちのいずれか1項記載の乱気流検出装置。
  7. 【請求項7】 (a)空間に電磁波を放射するステップ
    と、 (b)大気で反射された電磁波を受信するステップと、 (c)一回の走査における上記受信した電磁波に関連す
    る受信信号に基づいて、観測領域内のドップラ速度空間
    分布を算出するステップと、 (d)乱気流を構成する二つの渦の間隔の仮定値を設定
    するステップと、 (e)乱気流の速度分布を模式化した速度テンプレート
    であるところの上記仮定値に適合した速度分布テンプレ
    ートを設定するステップと、 (f)上記ドップラ速度空間分布と上記速度分布テンプ
    レートとの類似度を算出するステップと、 (g)上記渦の間隔の仮定値を変更して、ステップ
    (e)および(f)を繰り返すステップと、 (h)個々の上記類似度に基づいて、上記渦の間隔を決
    定するステップと、 (i)上記決定された渦の間隔に基づいて、乱気流の強
    度に関連した指標を求めるステップとを備えた乱気流検
    出方法。
  8. 【請求項8】 ステップ(d)では、以前の乱気流検出
    で決定された渦間隔に基づいて、二つの渦の間隔の仮定
    値を設定することを特徴とする請求項7記載の乱気流検
    出方法。
  9. 【請求項9】 ステップ(d)では、以前の乱気流検出
    で決定された渦間隔をそのまま二つの渦の間隔の仮定値
    とすることを特徴とする請求項8記載の乱気流検出方
    法。
  10. 【請求項10】 ステップ(d)は、 以前の乱気流検出で決定された複数の渦間隔に基づいて
    渦間隔の変化パターンを求めるステップと、 上記変化パターンと走査時刻に基づいて渦間隔を予測す
    るステップと、 上記予測された渦間隔からある値を差し引いて仮定値を
    求めるステップとを有することを特徴とする請求項8記
    載の乱気流検出方法
  11. 【請求項11】 ステップ(d)は、 周囲の気象条件に関連する気象モデル情報と、航空機の
    タイプに関連する航空機モデル情報に基づいて、乱気流
    シミュレーションを実行することにより渦間隔の変化パ
    ターンを予測するステップと、上記変化パターンと走査
    時刻に基づいて渦間隔を予測するステップと、 上記予測された渦間隔に基づいて仮定値を求めるステッ
    プとを有することを特徴とする請求項7記載の乱気流検
    出方法。
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