JP2000062698A - 乱気流回避航法装置 - Google Patents

乱気流回避航法装置

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JP2000062698A
JP2000062698A JP10280410A JP28041098A JP2000062698A JP 2000062698 A JP2000062698 A JP 2000062698A JP 10280410 A JP10280410 A JP 10280410A JP 28041098 A JP28041098 A JP 28041098A JP 2000062698 A JP2000062698 A JP 2000062698A
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turbulence
outside air
airliner
flight
avoiding
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Shigeru Nagano
茂 長野
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 航空旅客機の航行時の飛行ルートの前方に発
生した乱気流に対して予測検知を行い、その乱気流発生
空域から航空旅客機をいかに迅速に飛行ルートの変更を
行い、乱気流発生空域から航空旅客機を回避させること
のできる乱気流回避航法装置を提供する。 【解決手段】 航空旅客機に設置した乱気流測定装置に
て外気圧と外気温度の連続測定をする。乱気流測定装置
からのデータをフライト・マネジメント・システムにて
解析を行い、乱気流の発生状況を予測検知する。乱気流
の発生が乱気流測定装置にて検知されフライト・マネジ
メント・システムにて解析されると、操縦室に警報が発
せられると同時にその空域から航空旅客機を回避する手
段として、フライト・マネジメント・システムによる制
御コントロールにより自動推力調製装置と自動操舵装置
を連動稼動させて、必要最少限度の飛行ルートの変更に
て航空旅客機を乱気流発生空域から緊急回避させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、航空旅客機の航行時に
飛行ルート前方に発生した乱気流を予測し回避するにあ
たり、航空旅客機の胴体と主翼の両端に、外気圧を測定
する乱気流測定装置を設置して、その測定をもとに乱気
流の予測を計算する装置と乱気流の発生時にその空域を
回避する航行制御装置システムを備えることにより乱気
流発生空城からの回避を可能とした乱気流回避航法装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】航空旅客機が高い高度を飛行するにおい
て、悪天候などの遭遇によって飛行ルート前方の気流が
大きく乱れると航空旅客機は、この乱気流の影響を直接
受けて、激しい偏揺れが起きたり飛行高度が急激に下が
るなどの障害がを生じ、航空旅客機内の乗客や航空旅客
機の機体に被害をおよぼすことに至る。このような障害
が、一旦生じると航空旅客機の機体を元の飛行状態に戻
すことは非常に困難な操作が要求される。従って、あら
かじめ航空旅客機が飛行するルートにおいて乱気流の発
生が見込まれるような気象条件となっていないかどうか
気象レーダ及び気象衛星の写真等によって予測して悪天
候の空域を回避するなどの対策を施している。
【0003】しかし乱気流の発生する空域は、低気圧の
周辺や温暖、寒冷前線上だけとは、限らず雲のない晴天
の空域においても乱気流が発生している。この乱気流の
ことを一般的に晴天乱気流と称している。この晴天乱気
流を予測することは、従来の技術では非常に困難であっ
た。この晴天乱気流に遭遇し、その空域内に航空旅客機
が侵入すると悪天候時に発生する乱気流の時と同じく、
航空機の機体が、激しく偏揺れが起き、時として衝撃波
失速を起こし飛行高度が急激に落ち最悪の場合は、操縦
不能になる可能性がある。現在のところ晴天乱気流の発
生を予測し、事前に回避する技術が実用化される段階ま
で至っていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】悪天候時に発生する乱
気流は、気象レーダ等によって乱気流が発生していると
推測される空域をある程度について予測限定することが
可能となっている。よって乱気流が発生していると推測
される空域から事前に回避することが可能となってい
る。晴天乱気流に関しては、気象レーダ等によって、発
生している空域を限定することが困難であり、事前に回
避するこはできない。よって航空旅客機の飛行ルート前
方に発生したあらゆる乱気流に対しての探知方法と探知
した乱気流からいかに早く回避するシステムを確立する
かが、航空旅客機内の乗客の安全と航空旅客機の機体の
損傷を防ぐ目的から重要な課題となっている。
【0005】そこで、本発明では航空旅客機の飛行ルー
ト前方に発生した悪天時または晴天時におけるあらゆる
乱気流の発生を的確に検知して、自動航法システムによ
ってその空域からの回避することのできる乱気流回避装
置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の第1の
発明は、航空旅客機の航行時に飛行ルート前方に発生し
た乱気流を予測するにあたり、航空旅客機の胴体の前面
及び後方部分、左右両主翼、垂直尾翼に各設置した外気
圧と外気温度を測定する乱気流測定装置と測定した外気
圧と外気温度をもとに前記乱気流の予測を計算する装置
と前記乱気流の発生時にその空域を回避する制御装置シ
ステムを具備している。
【0007】上記第1の発明によると、現在のシステム
において飛行中の航空機の飛行ルート前方に発生した突
発的な乱気流を予想することは難しく、その乱気流が発
生している空域に対して、飛行中の航空機が、直前に探
知して侵入を回避することができず、乱気流の空域に侵
入した航空機は、その乱気流の影響を直接受け、飛行高
度の極度の損失や機体のバランスを崩すなどといった被
害を受けていた。
【0008】これに対して、航空旅客機の胴体の前面及
び後方部分、左右両主翼、垂直尾翼に各設置した外気圧
と外気温度を測定する乱気流測定装置を装着することに
より、そのデータを基に乱気流の発生を探知予測する計
算機システムによって乱気流の予測を行う。このシステ
ムによって予測された乱気流の発生空域から回避するに
あたり、各エンジン出力、各翼の方向舵と昇降舵の制御
調整を行うことにより、乱気流の発生空域から航空旅客
機を回避させる。
【0009】請求項2に記載の第2の発明は、第1の発
明の構成に加え、前記乱気流測定装置は、航空旅客機の
胴体前面と後方部分、左右主翼の両端、垂直尾翼の上端
に設置され、測定箇所を複数にすることにより測定範囲
を広め航路上の外気圧と外気温度の変化を連続測定する
ことを特徴としている。
【0010】上記第2の発明によると、飛行中の航空機
の飛行ルートの前方の常に変動している気流の変化を的
確に把握するために、航空旅客機の胴体前面と後方部
分、左右主翼の両端、垂直尾翼の上端におのおのに設置
された外気圧と外気温度の測定装置によって測定をす
る。外気圧と外気温度の測定箇所を複数にすることによ
り測定範囲が広められ、現在飛行している現時点におい
ての機体の前後及び左右そして上下の外気圧と外気温度
の変化を計測することができる。この計測された数値に
よって気流の乱れが、機体の右側か左側か、または機体
の上方か下方かのどちらに生じているかを把握すること
ができる。
【0011】請求項3に記載の第3の発明は、第1及至
2の発明の構成に加え、乱気流測定装置の複数化に伴
い、そのデータを解析するにあたり、航空旅客機の飛行
管理を自動的に計算して行うフライト・マネジメント・
システムにおいて、おのおの測定した外気圧と外気温度
の変化を計算して乱気流の発生を検知すると同時に乱気
流の発生が確認された場合、乱気流回避航法装置を稼動
させることを特徴としている。
【0012】上記第3の発明によると、外気圧と外気温
度の測定装置は、航空旅客機の胴体前面と後方部分、左
右主翼の両端、垂直尾翼の上端におのおのに設置されて
いる。外気圧と外気温度の測定装置の複数化に伴い、そ
のデータを解析するにあたり、今まで飛行してきた飛行
ルートの外気圧と外気温度の測定結果と現時点の外気圧
と外気温度の測定結果を比較する必要がある。この比較
計算を行う電子計算機システムとして、航空旅客機の飛
行管理を自動的に計算して行うフライト・マネジメント
・システムにおいて、おのおのの箇所にて測定した外気
圧と外気温度の変化を測定箇所別に計算して乱気流の発
生を検知する。それと同時に飛行ルートの前方に乱気流
の発生が予測確認された場合、フライト・マネジメント
・システムによって乱気流回避航法装置を稼動させる。
【0013】請求項4に記載の第4の発明は、第1及至
3の発明の構成に加え、乱気流の発生を検知して、その
乱気流の空域から航空旅客機を回避する制御装置とし
て、自動推力調整装置により、自動制御にて各エンジン
の推力の調整を行い乱気流を回避する推力制御システム
と自動操舵装置により、自動制御にて主翼の補助翼、水
平尾翼の昇降舵と垂直尾翼の方向舵の調整を行い乱気流
の回避する操舵制御システムを具備している。
【0014】上記第4の発明によると、航空旅客機の飛
行管理を自動的に計算して行うフライト・マネジメント
・システムにおいて、今まで飛行してきた飛行ルートの
外気圧と外気温度の測定結果と現時点の外気圧と外気温
度の測定結果を測定箇所ごとに、そのデータを解析する
ことによって航路上の前方に乱気流の発生を検知する。
仮に飛行ルートの前方に乱気流の発生を予測確認する
と、その乱気流の発生している空域から航空旅客機を回
避する操作が必要となってくる。航空旅客機を乱気流の
発生空域から回避する制御装置として、自動推力調整装
置を稼動させて、自動制御にて各エンジンの推力の調整
を行い乱気流を回避する推力制御システムとそれに連動
して自動操舵装置を稼動させることにより、自動制御に
て主翼の補助翼、水平尾翼の昇降舵と垂直尾翼の方向舵
の調整を行い乱気流の回避する操舵制御システムを備え
る。この自動推力調整装置と自動操舵装置をコントロー
ルするシステムとして、前記フライト・マネジメント・
システムによって制御コントロールする。
【0015】
【発明の実施形態】以下、本発明を、航空旅客機の飛行
ルート前方に発生した乱気流を予測検知し、その乱気流
発生空域から航空旅客機を回避する乱気流回避航法装置
に具体化した一実施形態を図1に従って説明する。
【0016】航空旅客機が、飛行する高高度の航路上で
は、時として場所を問わずに気流の変動が、少なからず
とも起きている。この気流の変動によって乱気流やエア
ーポケットなどが発生する。航空旅客機がその空域に侵
入すると航空旅客機が飛行するにおいて何らかの障害を
生じさせている。例えば乱気流の空域内に航空旅客機が
侵入すると、機体の左右上下のバランスが崩れることか
ら機体に激しく偏揺れが起き、時として衝撃波失速を起
こし飛行高度が急激に落ち最悪の場合は、操縦不能にな
る可能性がなしともあらず、直接航空機事故にも発展し
かねない状況となっている。この乱気流の発生空域の予
測について、悪天候時に発生する乱気流は、気象レーダ
等によって乱気流が発生していると推測される空域をあ
る程度について予測限定することが可能となっている。
但し、晴天乱気流に関しては、気象レーダ等によって、
発生している空域を限定することが困難となっている。
【0017】航空旅客機の乱気流回避航法装置は、基本
構造として、外気圧と外気温度を測定する乱気流測定装
置14と気流の乱れを計算する電子計算機機能と乱気流
から回避するための推力と舵の制御を行うフライト・マ
ネジメント・システム15とフライト・マネジメント・
システム15によって制御コントロールされる自動推力
調整装置と自動操舵装置の構成となっている。
【0018】航空旅客機の飛行ルート前方に発生した乱
気流を予測するにあたり、測定する項目として外気圧と
外気温度の2種類の測定を行う。一般的に飛行高度が一
定であり、かつ気象条件が一定の場合、空気密度が高い
と気圧は高くなり、逆に空気密度が低いと気圧は低下す
る傾向となる。また前記と同様に飛行高度が一定であ
り、かつ気象条件が一定の場合、空気密度が高いと気温
は上昇し、空気密度が低いと気温は低下する傾向とな
る。この特性の傾向を利用して気流の乱れを計測する。
【0019】乱気流の発生空域の特性として、乱気流の
発生空域の中心付近は、非常に気流が乱れており気圧変
動が激しい空域であるが、中心付近から距離が離れるに
従い、徐々に気流の乱れと気圧の変動は少なくなる傾向
となる。この傾向を利用して、乱気流発生の前兆区域の
空域にて乱気流の予測と検知をすれば、航空旅客機が乱
気流の中心付近に進入する前にその空域から航空旅客機
を回避させることが可能となる。
【0020】仮に乱気流の測定項目を外気圧の一つとし
た場合、航空旅客機が飛行する航路において、気圧の変
動の激しい低気圧の中心付近を通過すると、他の空域よ
りも気圧の下降または上昇の変動が著しくなる傾向とな
り、乱気流の発生はなくても乱気流が発生したと誤った
判断をする可能性がある。また乱気流の測定項目を外気
温度の一つとした場合、航空旅客機が飛行する航路が、
気温の下降または上昇の変動が著しくなる傾向となる温
暖前線や寒冷前線上を通過すると、現実には、乱気流の
発生はなくても乱気流が発生したと誤った判断をする可
能性がある。
【0021】乱気流の発生予測測定項目を外気圧と外気
温度の2項目として、その2項目にて比較検討すること
によって乱気流の発生を確認する。それにより航空旅客
機が、気圧変動の大きい気象条件の空域、または気温変
動の大きい空域を通過する両空域において、乱気流の発
生について誤った判断をすることを未然に防ぐことがで
きる。
【0022】乱気流の発生を予測する外気圧と外気温度
の測定装置14は、航空旅客機の胴体1前面と後方部
分、左右主翼2の両端、垂直尾翼4の上端におのおのに
設置され、外気圧と外気温度の測定装置は、それぞれ独
立した装置とする。これにより外気圧と外気温度の測定
箇所を複数にすることによって測定範囲が広がり、現在
飛行している現時点においての機体の前後及び左右そし
て上下の外気圧と外気温度の変化を計測することができ
る。この計測された数値によつて気流の乱れが、機体の
右側か左側か、または機体の上方か下方かのどちらに生
じているかを把握することができる。
【0023】仮に航空旅客機の飛行ルート前方において
操縦室6から見て左側の空域に乱気流が発生している場
合、航空旅客機の胴体1の前面と航空旅客機の上空から
見て左側の主翼2に設置してある乱気流測定装置14の
外気圧と外気温度の測定装置の計測値の数値が、他の計
測点と比較をすると外気圧が、高くなるか低くなるかと
なり、外気温度についても気温が、上昇するか下降する
かの変化が先に生じる。この変化を見極めることによっ
て乱気流の発生空域の中心が、飛行する飛行ルートの左
側にあるのか、それとも右側にあるのかを把握すること
ができる。
【0023】また乱気流の発生空域の中心が、航空旅客
機の飛行高度より高い高度か低い高度かは、航空旅客機
の胴体の前面と垂直尾翼の上端に設置してある乱気流測
定装置の外気圧と外気温度の計測値の変化を比較するこ
とによって判断することができる。乱気流の発生空域の
中心が、航空旅客機の飛行高度よりも低ければ、垂直尾
翼付近の外気圧と外気温度の計測値の変動は、航空旅客
機の胴体の前面に設置してある乱気流測定装置の外気圧
と外気温度の計測値よりも変動は、鈍くなる傾向とな
る。これによって乱気流の発生空域の中心が、航空旅客
機の飛行高度よりも低いところにあるか、それとも高い
ところにあるか把握することができる。
【0025】航空旅客機の機体の複数箇所に設置した乱
気流測定装置14の測定した計測値のデータを一箇所に
集めて飛行管理する必要がある。また今まで飛行してき
た航路上の計測値のデータに関しても現在の計測値と比
較して航路上の外気圧等の変動具合を把握する必要があ
る。これら得られた各計測値を計算してデータを比較解
析するシステムとして、航空旅客機の飛行管理を自動的
に計算して行う電子計算機装置であるフライト・マネジ
メント・システム15に計測値のデータを集中管理させ
る。このフライト・マネジメント・システム15によっ
て航路上の外気圧と外気温度の乱れの解析を行い気流の
変化を検知して乱気流の予測を的確に行う。
【0026】ここで述べているフライト・マネジメント
・システム15とは、航空旅客機の離陸から着陸までの
全飛行領域にわたってコンピュータによる電子計算シス
テムにより飛行管理を自動的に行い、推力と操舵装置を
コントロール制御する自動航法システムである。フライ
ト・マネジメント・システムのコンピュータは、航法デ
ータベースと呼ばれている大量の航法データを記憶して
いる。例えば空港ごとの出発/進入方式、航空路、飛行
ルート等を記憶されている。操縦席6にてパイロット
が、それら飛行データをコントロール・ディスプレイ・
ユニットを介して取り出し、飛行計画に沿って出発地か
ら到着地までの飛行コースを設定すると水平面の航法と
高度方向の航法に関する情報が提供される。これらの航
法情報を基に飛行経路に合わせてコンピュータが自己に
蓄えている航法データを次々と引き出し、それに基づい
て航空旅客機を目的地まで誘導していく。フライト・マ
ネジメント・システム15により航空旅客機を目的地ま
で誘導していくシステムとして、航空旅客機の各エンジ
ン5の出力の調整行い、目的の推力をコントロール制御
する自動推力調整装置と主翼2の補助翼8と10、フラ
ップ7と9、フロントスポイラー11及び水平尾翼3の
昇降舵12と垂直尾翼4の方向舵13を制御調整する自
動操舵制御装置の機能を有した自動操縦システムを備え
ている。これらの機能をフライト・マネジメント・シス
テム15がコントロール制御することによって航空旅客
機をパイロットが任意に設定した目的地まで航空旅客機
を誘導するこができる。
【0027】各乱気流測定装置14からのデータをフラ
イト・マネジメント・システム15により解析され飛行
ルートの前方に乱気流の発生空域が予測確認された場
合、フライト・マネジメント・システム内15の乱気流
回避装置を作動させて乱気流の発生空域から航空旅客機
の回避する操作を実行する。乱気流の発生空域からの回
避する乱気流回避制御装置として自動推力調整装置と自
動操舵装置を稼動させる。また操縦室に対して乱気流の
発生の警報を発生させ、パイロットに乱気流発生の警告
をうながす。
【0028】航空旅客機の飛行ルート前方の空域に乱気
流の発生を検知すると、フライト・マネジメント・シス
テム15からの指示により、自動推力調整装置が作動す
る。この自動推力調整装置が作動すると航空旅客機の各
エンジン5の出力は、乱気流の発生空域から回避するた
め自動制御にてコントロールされる。左右のエンジン出
力5を別々に可変させることにより、左右の主翼2の推
力が変化する。これをフライト・マネジメント・システ
ム15にて自動制御してコントロールすることにより航
空旅客機の進路変更を行い、乱気流発生空域から航空旅
客機を回避させる。
【0029】また乱気流発生空域から回避するに伴って
フライト・マネジメント・システム15からの制御によ
つて稼動する自動推力調整装置に連動して、自動操舵装
置も同時に稼動させる。自動操舵装置についても自動推
力調整装置と同様にフライト・マネジメント・システム
15からの指示により、自動操舵装置が作動する仕組み
となっている。この自動操舵装置が作動すると航空旅客
機の各主翼2の補助翼8と10、垂直尾翼4の方向舵1
3と水平尾翼3の昇降舵12は、乱気流の発生空域から
回避するためフライト・マネジメント・システム15に
よって全て自動制御にてコントロールされる。左右の主
翼2の補助翼8と10を別々に可変制御させることによ
り左右の主翼2の推力を変化させ、さらに垂直尾翼4の
方向舵13についても連動させて制御を行い稼動させる
ことによって航空旅客機の左右の進路変更を行い、乱気
流発生空域から航空旅客機を回避させる。また航空旅客
機の飛行高度の上昇及び下降させることによって乱気流
発生空域から航空旅客機を回避させるには、水平尾翼3
の昇降舵12を制御コントロールするこによつて、航空
旅客機を上昇または下降させて航空旅客機の進路変更を
行う。
【0030】次に、前記のように構成された本実施形態
の作用及び効果について説明する。図−2のフローチャ
ートは、フライト・マネジメント・システム15によっ
て実行される乱気流回避航法ルーチンを示している。こ
のルーチンは、乱気流測定装置に乱気流の発生が検知さ
れるとともに開始される。
【0031】航空旅客機の飛行ルート前方に乱気流が発
生しているかどうかは、航空旅客機の胴体1前面と後方
部分、左右主翼2の両端、垂直尾翼4の上端におのおの
に設置された乱気流測定専用に設置した外気圧と外気温
度の各測定装置14によって測定される。
【0032】航空旅客機の複数箇所に設置している各乱
気流測定装置14によって得られた外気圧と外気温度の
計測値のデータは、全てフライト・マネジメント・シス
テム15に伝送される。このフライト・マネジメント・
ンステム15では、航空旅客機の離陸から着陸までの全
飛行領域にわたってコンピュータによる電子計算システ
ムにより飛行管理をおこなっている。フライト・マネジ
メント・システム15に伝送された外気圧と外気温度の
各計測値は、このシステム内の電子計算システムによつ
て解析され、飛行ルート前方おける乱気流の発生状況に
ついで予測確認をおこなっている。
【0033】仮に航空旅客機の飛行ルート前方に乱気流
が発生している場合、航空旅客機の複数箇所に設置して
いる各乱気流測定装置14によって得られた外気圧と外
気温度の計測値に急激な変動が生じる。一般的に飛行高
度が一定であり、かつ気象条件が一定の場合、空気密度
が高いと気圧は高くなり、逆に空気密度が低いと気圧は
低下する傾向となる。また前記と同様に飛行高度が一定
であり、かつ気象条件が一定の場合、空気密度が高いと
気温は上昇し、空気密度が低いと気温は低下する傾向と
なる。この特性の傾向を利用して気流の乱れを計測す
る。
【0034】フライト・マネジメント・システム15に
よって航空旅客機の飛行ルート前方に乱気流が発生が確
認されると、航空旅客機の操縦室6に乱気流発生の警報
が発せられる。それと同時に乱気流の発生している空域
から航空旅客機を回避する乱気流回避作動システムが作
動する。
【0035】乱気流回避作動システムとして、自動制御
にて各エンジン5の推力の調整を行い乱気流を回避する
推力制御システムと自動制御にて主翼2の補助翼8と1
0、水平尾翼3の昇降舵12と垂直尾翼4の方向舵13
の調整を行い乱気流の回避する操舵制御システムを運動
して稼動させ。この自動推力調製装置と自動操舵装置
は、全てフライト・マネジメント・システム15によっ
て制御コントロールされている。
【0036】フライト・マネジメント・システム15で
は、乱気流の予測確認されると、その乱気流の発生規模
に応じて自動推力調整装置と自動操舵装置を制御コント
ロールすることによって必要最少限度の飛行ルートの変
更にて航空旅客機を乱気流発生空域から回避させる。
【0037】
【発明の効果】以上のように第1発明によれば、航空旅
客機の航行時に飛行ルート前方に発生した乱気流に対
し、その空域の中心に進入する直前に乱気流の発生の予
測検知すると乱気流発生空域から航空旅客機を緊急回避
させることができる。それによって航空旅客機が乱気流
の発生空域に進入した時に生じる現象として、機体に激
しい偏揺れが起きたり飛行高度が急激に下がるなどとい
った機体を操縦するにおいて有害な障害を軽減すること
が可能となる。
【0038】第2発明によれば、第1の発明の効果に加
え、乱気流測定装置を航空旅客機の機体に複数箇所設置
することにより測定範囲が広がり、航空旅客機が飛行し
ている飛行ルートの前面に対して左右上下のいかなる区
域において気流の変動をすばやく測定検知することが可
能となる。
【0039】第3発明によれば、第1または第2の発明
の効果に加え、複数箇所設置した乱気流測定装置からの
測定データをフライト・マネジメント・システムにて集
中管理を行い、各データと比較計算して解析することに
より、外気圧と外気温度の変化から航空旅客機が飛行し
ている航路上の前面に発生している乱気流の発生状況及
び予想される乱気流の発生空域の位置とその予想される
規模をフライト・マネジメント・システムにて、航空旅
客機が乱気流発生空域の中心付近に進入する前に予測確
認することが可能となる。これにより、乱気流の中心付
近を緊急回避することが可能となり、乱気流によって生
じる機体への障害及び被害から回避することができる。
【0040】第4発明によれば、第1及至3の発明の効
果に加え、航空旅客機の航行時における飛行ルート前方
に発生している乱気流を検知予測確認された場合、乱気
流回避航法装置としてフライト・マネジメント・システ
ムの自動制御コントロールにより自動推力調整装置と自
動操舵装置が連動稼動を行い、航空旅客機の機体の進路
変更を迅速に必要最少限度かつ的確に実行することが可
能となる。これにより航空旅客機の航路上前面のいかな
る場所に乱気流が発生してもその空域から緊急回避する
ことが可能となり、今まで航行時に乱気流の発生によっ
て起きていた数々の障害を軽減するこができ、それによ
って引き起こされる航空機事故を無くすことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図−1】本発明の一実施形態における航空旅客機を示
す概略図である。尚、15のフライト・マネジメント・
システムは、航空旅客機の機内に設置されている。
【図−2】本発明の乱気流回避航法装置による乱気流回
避航法。ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1.航空旅客機の胴体 2.主翼 3.水平尾翼 4.垂直尾翼 5.エンジン 6.操縦室 7.内側フラップ 8.内側補助翼 9.外側フラップ 10.外側補助翼 11.フロント・スポイラー 12.昇降舵(内側と外側) 13.方向舵 14.乱気流測定装置(外気圧計と外気温度計) 15.フライト・マネジメント・システム(機内の操縦
室付近に設置)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G05D 1/10 G05D 1/10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 航空旅客機の航行時に飛行ルート前方に
    発生した乱気流を予測するにあたり、航空旅客機の胴体
    の前面及び後方部分、左右両主翼、垂直尾翼に各設置し
    た外気圧と外気温度を測定する乱気流測定装置と測定し
    た外気圧と外気温度をもとに前記乱気流の予測を計算す
    る装置と前記乱気流の発生時にその空域を回避するため
    の補助翼と方向舵と昇降舵を制御する航法制御装置シス
    テムを具備することを特徴とする乱気流回避航法装置。
  2. 【請求項2】 前記乱気流測定装置は、航空旅客機の胴
    体前面と後方部分、左右主翼の両端、垂直尾翼の上端に
    設置され、測定箇所を複数にすることにより測定範囲を
    広め航路上の外気圧と外気温度の変化を連続測定するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の乱気流測定装置。
  3. 【請求項3】 前記乱気流測定装置の複数化に伴い、そ
    のデータを解析するにあたり、航空旅客機の飛行管理を
    自動的に計算して行うフライト・マネジメント・システ
    ムにおいて、おのおの測定した外気圧と外気温度の変化
    を計算して乱気流の発生を検知すると同時に乱気流の発
    生が確認された場合、乱気流回避航法装置を稼動させる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の乱気流測定
    装置。
  4. 【請求項4】 乱気流の発生を検知して、その乱気流の
    空域から航空旅客機を回避する航法制御装置として、自
    動推力調整装置により、自動制御にて各エンジンの推力
    の調整を行い乱気流を回避する推力制御システムと自動
    操舵装置により、自動制御にて主翼の補助翼、水平尾翼
    の昇降舵と垂直尾翼の方向舵の調整を行い乱気流の回避
    する操舵制御システムを具備することを特徴とする請求
    項1に記載の乱気流回避航法装置。
JP10280410A 1998-08-25 1998-08-25 乱気流回避航法装置 Pending JP2000062698A (ja)

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