JP2003067020A - 速度制御装置、速度制御方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム - Google Patents

速度制御装置、速度制御方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム

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JP2003067020A JP2001258412A JP2001258412A JP2003067020A JP 2003067020 A JP2003067020 A JP 2003067020A JP 2001258412 A JP2001258412 A JP 2001258412A JP 2001258412 A JP2001258412 A JP 2001258412A JP 2003067020 A JP2003067020 A JP 2003067020A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 進行方向の変化量を確実に捕らえ、隣り合う
移動軌跡で配置の異なる点列に対しても通過速度の決定
が同じように行うことができる速度制御装置、速度制御
方法およびその方法を実行するためのプログラムを得る
こと。 【解決手段】 速度差依存状態量算出部20において
は、連続する4点についての指令位置データを用い、該
4点のうちの前半の2点を結ぶ速度ベクトルと、後半の
2点を結ぶ速度ベクトルとの差を算出し、該算出した速
度ベクトル差を用いて該速度ベクトル差に依存する状態
量を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、NC工作機械やロ
ボットなどを用いて自由曲面を加工する際に、工具の移
動経路が急激に変化する箇所のコーナー位置などの通過
速度を制限すべき箇所で確実に工具の通過速度を制限で
きるようにした速度制御装置、速度制御方法およびその
方法をコンピュータに実行させるプログラムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】金型のような自由曲面を有する形状を、
数値制御(NC)工作機械で加工する場合、自由曲線を
微少区間に分割して微少線分データとし、これらの線分
データを用いて移動経路を補間し制御する方法が用いら
れている。
【0003】このような手法では、指令データであるN
Cプログラムは、指令送り速度と、微小線分データ(ブ
ロック)の連続で構成される。NC制御装置では、各微
小線分データを解析して、機械の許容加速度内で軌跡に
追従できるかどうかを判断し、必要に応じて指令送り速
度以下に通過速度(送り速度)を制限する処理を行う。
【0004】このように通過速度を制限する方法は、例
えば特開平2−137006号公報あるいは特開平3−
84604号公報に示されている。
【0005】これらの公報に示された従来技術において
は、連続する3点における第1点から第2点への速度ベ
クトルと第2点から第3点への速度ベクトルを用いて連
続する2つの速度ベクトル差を求めるか、あるいは連続
する2つのブロックの各ベクトルを用いて連続する2つ
の速度ベクトル差を求め、該求めた速度ベクトル差から
加速度を求め、該求めた加速度を機械の許容加速度と比
較することで、速度差を評価し、許容加速度の条件を満
たしていない場合は、通過速度を制限するようにしてい
る。このように、通過速度を制限することを「クランプ
する」といい、クランプされる位置をクランプ位置、ク
ランプされた通過速度をクランプ速度と呼ぶ。
【0006】上記手法によって通過速度を決定した後、
クランプ位置が現在点から所定距離以上の場合には、減
速する必要がないので、指令速度f×サンプリング時間
Δtで表される移動量(f×Δt)で微小線分ブロック
を補間することを続け、クランプ位置を所定距離以内で
検出したら、クランプ位置においてクランプ速度で通過
できるように加減速器によって、前もってクランプ点の
手前からサンプリング周期毎に許容加速度内で減速し
て、加減速処理を施した速度f´×Δtで表される移動
量で微小線分ブロックを補間する。
【0007】このように、現在のNC等のサーボシステ
ム制御装置には、指令された軌跡形状を何らかの手段で
評価して通過速度を決定する機能が搭載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、金型加工の
ように加工面の滑らかさや連続性が重要視される場合に
は、所定の送りピッチ(ピックフィード)で隣り合う軌
跡の連続的な変化が求められる。このためには、例えば
一方の軌跡上にある点Piがコーナーと判定されて減速
されるならば、微小送りピッチで隣り合う軌跡のPi
近の点Qiでも、同様にコーナーと判定されて減速させ
る必要がある。
【0009】前記したように、NC工作機械を動作させ
るには、NCプログラムを作成する必要があり、金型を
対象とする場合には、NC装置外部のCAM(Computer
Aided Manufacturing)システムでNCプログラムを作
成するのが一般的である。CAMシステムでは、理想的
には自由曲線である軌跡をユーザーが所望するトレラン
スを守る範囲で、微小線分に分割したブロックを生成す
るが、常にコーナー位置から等距離の位置にブロック点
が生成されるわけではなく、またコーナー位置にブロッ
ク点が出力されるわけでもないので、点列(ブロック点
列)の位置や間隔にばらつきがあるのが普通である。こ
のように、CAMなどの指令軌跡生成装置で生成された
指令点列では、工具の移動経路が急激に変化する箇所の
コーナー位置に必ずしもブロック点が設定されるとは限
らない。
【0010】しかしながら、上記した従来技術では、2
つのブロック(連続する3点)から、連続する2つの速
度ベクトル差を求め、該求めた速度ベクトル差を用いて
加速度を求めるようにしているので、指令のされ方によ
ってはコーナー位置(角部)を逃してしまう可能性があ
り、加速度を過小評価することがあり、減速が必要な箇
所で減速が行われない可能性がある。このような事態に
対処するためには、減速と判定するための、加速度比較
の閾値を小さめに設定しなくてはならず、そうした場合
は、移動経路の変化が小さな箇所でも減速することがあ
り、効率の良い加工をなし得ない。
【0011】図3は、隣り合う2つの点列を示すもので
あり、この図3を用いて従来技術の不具合を説明する。
この場合、点列Pi-1,Pi,Pi+1,Pi+2と、隣り合う
点列Qi-1,Qi,Qi+1,Qi+2に対する指令送り速度は
同じとして、上記従来手法を用いて連続する2つのブロ
ック(連続する3点)から、通過速度を決定するとす
る。点Pi-1からPiへの速度ベクトルVi-1と、点Pi
ら点Pi+1への速度ベクトルViとを用いて加速度を求め
ると、速度ベクトルVi-1と速度ベクトルViとの速度ベ
クトル差は大きいので、求められた加速度は許容加速度
を超え、通過速度は制限される。一方、点Qi-1から点
iへの速度ベクトルUi-1と、点Qiから点Qi+1への速
度ベクトルUiとで加速度を求めると、速度ベクトルU
i-1と速度ベクトルUiとの速度ベクトル差は小さいの
で、求められた加速度は許容加速度を超えず、通過速度
は制限されない。
【0012】このように、従来技術では、隣り合う移動
経路の形状がほぼ同じであるにも係わらず、一方の経路
のコーナーは減速が行われ、他方の経路のコーナーは減
速が行われないといった制御が行われてしまう。
【0013】なお、上記の説明では、加速度と許容加速
度を比較することで通過速度を制限するか否かを判断す
る例を示しているが、通過速度の評価方法には、他に、
2つの速度ベクトル差と機械に設定された許容速度差を
比較する手法や、2つの速度ベクトルの成す角度と閾角
度とを比較する手法などがあり、このような手法を用い
た場合でも同様の問題が起きる。なぜなら、速度差によ
る手法の場合でも、ベクトルの成す角度による手法の場
合でも、移動方向がどれほど変化するかに依存するため
である。勿論、通過速度が制限されるか否かは、加速度
比較の場合と同様、許容速度差、閾角度の値に依存する
が、実際に数値制御装置等に前記従来技術を適用する場
合には、点列位置や点間隔のばらつきを考慮して、例え
ば閾角度は5度や10度等かなり低めに設定されている
のが一般的である。しかし、閾角度を低く設定すると、
前述したように、滑らかな曲線軌跡を近似表現した微小
ブロックに対してもコーナーと判定してしまって減速
し、結果として加工時間が無駄に長くなるという問題が
起こる。
【0014】この発明は上記に鑑みてなされたもので、
進行方向の変化量を確実に捕らえ、隣り合う移動軌跡で
配置の異なる点列に対しても通過速度の決定が同じよう
に行うことができる速度制御装置、速度制御方法および
その方法を実行するためのプログラムを得ることを目的
としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
この発明にかかる速度制御装置は、工具軌跡を示す点列
の各点の指令位置データと指令送り速度データとを用い
て連続する2点を結ぶ2つの速度ベクトルの差を算出
し、該算出した速度ベクトル差を用いて該速度ベクトル
差に依存する状態量を算出する速度差依存状態量演算部
と、前記算出された現在の状態量を該状態量に対応する
所定の閾値と比較し、現在の状態量が前記閾値よりも大
きい場合に、前記2つの速度ベクトルを用いて前記閾値
比較を満足する通過速度を算出する通過速度決定部とを
備える速度制御装置において、前記速度差依存状態量演
算部は、前記点列の各点の指令位置データにおける連続
する4点についての指令位置データを用い、該4点のう
ちの前半の2点を結ぶ速度ベクトルと、後半の2点を結
ぶ速度ベクトルとの差を算出し、該算出した速度ベクト
ル差を用いて該速度ベクトル差に依存する状態量を算出
することを特徴としている。
【0016】この発明によれば、連続する4点について
の指令位置データを用い、該4点のうちの前半の2点を
結ぶ速度ベクトルと、後半の2点を結ぶ速度ベクトルと
の差を算出し、該算出した速度ベクトル差を用いて該速
度ベクトル差に依存する状態量を算出するようにしてお
り、これにより前半の2点のうちの後半側の1点と、後
半の2点のうちの前半側の1点との間に角があることを
想定した評価をなし得る。
【0017】つぎの発明にかかる速度制御装置は、上記
の発明において、前記状態量は2つの速度ベクトルにつ
いての加速度であり、前記通過速度決定部は、機械に設
定された許容加速度を前記閾値として前記比較処理を実
行することを特徴とする。
【0018】この発明によれば、2つの速度ベクトルに
ついての加速度と、機械に設定された許容加速度とを比
較処理することによって、減速の有無を判定するように
している。
【0019】つぎの発明にかかる速度制御装置は、上記
の発明において、前記状態量は2つの速度ベクトルのな
す角度であり、前記通過速度決定部は、前記角度に関す
る閾値角度を前記閾値として前記比較処理を実行するこ
とを特徴とする。
【0020】この発明によれば、2つの速度ベクトルの
なす角度と、該角度に関する閾値角度とを比較処理する
ことによって、減速の有無を判定するようにしている。
【0021】つぎの発明にかかる速度制御装置は、上記
の発明において、前記状態量は前記速度ベクトル差自体
であり、前記通過速度決定部は、機械に設定された許容
速度差を前記閾値として前記比較処理を実行することを
特徴としている。
【0022】この発明によれば、前記速度ベクトル差と
機械に設定された許容速度差とを比較処理することによ
って、減速の有無を判定するようにしている。
【0023】つぎの発明にかかる速度制御方法は、工具
軌跡を示す点列の各点の指令位置データと指令送り速度
データとを用いて連続する2点を結ぶ2つの速度ベクト
ルの差を算出し、該算出した速度ベクトル差を用いて該
速度ベクトル差に依存する状態量を算出する第1ステッ
プと、前記算出された現在の状態量を該状態量に対応す
る所定の閾値と比較し、現在の状態量が前記閾値よりも
大きい場合に、前記2つの速度ベクトルを用いて前記閾
値比較を満足する通過速度を算出する第2ステップとを
備える速度制御方法において、前記第1ステップでは、
前記点列の各点の指令位置データにおける連続する4点
についての指令位置データを用い、該4点のうちの前半
の2点を結ぶ速度ベクトルと、後半の2点を結ぶ速度ベ
クトルとの差を算出し、該算出した速度ベクトル差を用
いて該速度ベクトル差に依存する状態量を算出すること
を特徴とする。
【0024】この発明によれば、連続する4点について
の指令位置データを用い、該4点のうちの前半の2点を
結ぶ速度ベクトルと、後半の2点を結ぶ速度ベクトルと
の差を算出し、該算出した速度ベクトル差を用いて該速
度ベクトル差に依存する状態量を算出するようにしてお
り、これにより前半の2点のうちの後半側の1点と、後
半の2点のうちの前半側の1点との間に角があることを
想定した評価をなし得る。
【0025】つぎの発明にかかる速度制御方法は、上記
の発明において、前記状態量は2つの速度ベクトルにつ
いての加速度であり、前記第2ステップでは、機械に設
定された許容加速度を前記閾値として前記比較処理を実
行することを特徴とする。
【0026】この発明によれば、2つの速度ベクトルに
ついての加速度と、機械に設定された許容加速度とを比
較処理することによって、減速の有無を判定するように
している。
【0027】つぎの発明にかかる速度制御方法は、上記
の発明において、前記状態量は2つの速度ベクトルのな
す角度であり、前記第2ステップでは、前記角度に関す
る閾値角度を前記閾値として前記比較処理を実行するこ
とを特徴とする。
【0028】この発明によれば、2つの速度ベクトルの
なす角度と、該角度に関する閾値角度とを比較処理する
ことによって、減速の有無を判定するようにしている。
【0029】つぎの発明にかかる速度制御方法は、上記
の発明において、前記状態量は前記速度ベクトル差自体
であり、前記第2ステップでは、機械に設定された許容
速度差を前記閾値として前記比較処理を実行することを
特徴としている。
【0030】この発明によれば、前記速度ベクトル差と
機械に設定された許容速度差とを比較処理することによ
って、減速の有無を判定するようにしている。
【0031】つぎの発明にかかるプログラムは、上記の
発明のいずれか一つに記載された方法をコンピュータに
実行させるプログラムであり、そのプログラムがコンピ
ュータ読み取り可能となり、これによって、上記の発明
のいずれか一つの動作をコンピュータによって実行する
ことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明にかかる速度制御装置、速度制御方法およびその方
法を実行するためのプログラムの好適な実施の形態を詳
細に説明する。
【0033】実施の形態1.図1はこの発明の実施の形
態1の一例を示すブロック図である。本発明の速度制御
装置は数値制御装置、ロボット制御装置等の一部として
制御装置に組み込まれるが、図1ではこれらの制御装置
の機能のうち本発明の特徴を示すのに必要な最低限の機
能部分のみを示してある。すなわち、この実施形態1で
は、速度制御装置は、点列出力部10、速度差依存状態
量算出部20、点列バッファ30および通過速度決定部
40を備えている。
【0034】点列出力部10には、外部のCAMシステ
ム(図示せず)あるいは前記制御装置内部の図示しない
軌跡データ作成部などから、工具軌跡を示す点列の各点
の指令位置データ(軌跡データ)Pと、指令送り速度デ
ータfとが入力される。外部CAMシステムでは、軌跡
データ、指令送り速度などを作成して、これらを指令デ
ータ出力部を介して点列出力部10に入力する。制御装
置内部の軌跡データ作成部では、曲面モデルと工具モデ
ルから軌跡データを作成し、作成した軌跡データあるい
は設定された指令送り速度などを点列出力部10に入力
する。点列出力部10は、入力された点列の各点の指令
位置データ(軌跡データ)Pおよび指令送り速度データ
fとを、逐次、速度差依存状態量算出部20に出力す
る。
【0035】速度差依存状態量算出部20は、本発明の
主要部の構成要素であり、少なくとも4点の点列データ
(指令位置データ)を記憶できる点列バッファ30を有
し、該点列バッファ30に記憶された4点の指令位置デ
ータおよび指令送り速度データfを用いて、2つの速度
ベクトルの差を算出する。この速度ベクトル差を求める
にあたって、点列バッファ30に記憶している4点の指
令位置データのうち、前半の2点を結ぶ速度ベクトルと
後半の2点を結ぶ速度ベクトルの2つの速度ベクトルを
算出し、求めた2つの速度ベクトルの差を算出する。
【0036】すなわち、図3に示す、点列Pi-1,Pi
i+1,Pi+2の場合は、前半の2点Pi-1からPiへのベ
クトルVi-1と、後半の2点Pi+1からPi+2へのベクト
ルVi +1を算出する。また、隣り合う点列Qi-1,Qi
i+1,Qi+2の場合は、前半の2点Qi-1からQiへのベ
クトルUi-1と、後半の2点Qi+1からQi+2へのベクト
ルUi+1を算出する。
【0037】ここで、速度差依存状態量算出部20は、
この場合は、通過速度を制限するか否かを判断するため
の状態値として、2つの速度ベクトルについての加速度
aを採用しているものとする。速度差依存状態量算出部
20は、前記求めた速度ベクトル差と、この区域に指令
されている送り速度fと、この区域のサンプリング周期
Δtを用い、例えば次のような式(1)によってこの区
域で発生する現在の加速度aを求める。 a=f・|vi+1−vi-1|/Δt …(1) なお、上式(1)において、vi-1は前半の速度ベクト
ルVi-1を単位化したベクトルであり、vi+1は後半の速
度ベクトルVi+1を単位化したベクトルである。
【0038】隣り合う軌跡に関しても、先に求めた前記
速度ベクトルUi-1,Ui+1について、それぞれを単位化
したベクトルui-1、ui+1を求め、上式(1)にしたが
って現在の加速度aを求める。
【0039】そして、速度差依存状態量算出部20は、
このようにして求めた加速度aを通過速度制限の有無を
決定するための状態量として、通過速度決定部40に入
力する。
【0040】通過速度決定部40は、得られた加速度a
と予め設定された許容加速度amaxを比較し、a>amax
ある場合、例えば、次式(2)に従って通過速度(送り
速度)を制限し、許容加速度amaxで通過できる通過速度
limitを求める。 flimit=amax・Δt/{2(1−vi-1・vi+1)}1/2 …(2)
【0041】隣り合う軌跡に関しても、入力された加速
度aを許容加速度amaxと比較し、加速度aが許容加速度
amaxよりも大きい場合に、上式(2)にしたがって通過
速度flimitを求める。このような処理を4つの点毎に
繰り返す。
【0042】通過速度決定部40は、このようにして得
られた通過速度flimitを、軌跡データとともに、図示
しないサーボシステム制御装置に出力する。サーボシス
テム制御装置では、軌跡データの示す各々の位置におい
て、入力された通過速度fli mitを守るように各軸につ
いての加減速処理を行い、加減速処理を施した速度とサ
ンプリング周期Δtから単位時間あたりの移動量を算出
する補間処理を行った後、1〜複数の軸のサーボモータ
を駆動する。
【0043】このようにこの実施の形態1においては、
連続する4点についての指令位置データを用い、該4点
のうちの前半の2点を結ぶ速度ベクトルと、後半の2点
を結ぶ速度ベクトルとの差を算出し、該算出した速度ベ
クトル差を用いて該速度ベクトル差に依存する状態量
(この場合は加速度a)を算出するようにしており、こ
れにより、図2および図3を比較すれば明らかなよう
に、前半の2点のうちの後半側の1点PiまたはQiと、
後半の2点のうちの前半側の1点Pi+1またはQi+1との
間に角(コーナー)があることを想定した評価をなし得
る。したがって、指令された点列の間隔や配置に左右さ
れずに、速度の変化方向を確実に捉えることができ、通
過速度を制限すべき個所で確実に通過速度を制限するこ
とができるようになる。
【0044】また、図2から判るように、vi-1とvi+1
の内積と、ui-1とui+1の内積は、点線で示す理想軌跡
が同一形状であれば一致するため、これらの区域が同じ
通過速度となることは明らかである。また、隣り合う軌
跡形状が連続的に変化していく場合にも4点から求めた
ベクトルの内積は連続的に変化していくため、通過速度
も連続的に変化する。
【0045】なお、速度差依存状態量算出部20におい
て、通過速度制限の有無を決定するための状態量とし
て、2つの速度ベクトルのなす角度θあるいは速度ベク
トル差自体Δfを用いてもよい。
【0046】状態量として、2つの速度ベクトルのなす
角度θを用いた場合は、通過速度決定部40では、この
角度θを閾値角度θmaxと比較し、θ>θmaxである場合
に通過速度の制限を行う。
【0047】また、状態量として、速度ベクトル差Δf
を用いた場合は、通過速度決定部40では、この速度ベ
クトル差Δfを許容速度差Δfmaxと比較し、Δf>Δ
maxである場合に通過速度の制限を行う。
【0048】また、上記説明では、加速度aを式(1)
によって求め、制限する通過速度f limitを式(2)に
よって算出したが、他の任意の算出式によって加速度
a、通過速度flimit、さらには速度差Δf、速度ベク
トルの成す角度θを求めても、本発明の特徴である4点
の位置データを用いる通加速度の制限処理を用いる効果
が発揮されるのは明らかである。
【0049】実施の形態2.つぎに、この発明の実施の
形態2について説明する。本出願人は、特願2000−
64235号において、曲面モデルと使用工具モデルか
ら直接サーボ指令値を生成するシステムを既に出願して
いる。この出願においては、現在補間点が補間している
位置より所定量先行して評価点が生成されていき、評価
点が生成されたパラメータと評価点間の距離を用いて次
の補間点を求める区間を決定し、2つの評価点の間で曲
面モデルと工具モデルから直接補間点を生成する発明が
示されている。
【0050】この出願に示されたシステムでは、評価点
を用いて通過速度の判定および決定を行うが、補間時に
評価点間を結んだ直線上に補間点を算出するのではな
く、曲面と工具モデルから直接補間点を求めるため、通
過速度の判定時には、評価点間に形状が急峻に変化する
ことを見越した評価を行わねばならない。そこで、この
特願2000−64235号において示されている曲面
モデルと使用工具モデルから直接サーボ指令値を生成す
るシステムにおいて、本発明を適用すれば、補間時にも
安全な通過速度決定を行うことが可能になる。
【0051】なお、上記した手法をプログラム化し、コ
ンピュータに実行させるようにすれば、そのプログラム
がコンピュータ読み取り可能となり、これによって、上
記の手法をコンピュータによって実行することができ
る。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、連続する4点についての指令位置データを用い、該
4点のうちの前半の2点を結ぶ速度ベクトルと、後半の
2点を結ぶ速度ベクトルとの差を算出し、該算出した速
度ベクトル差を用いて該速度ベクトル差に依存する状態
量を算出するようにしており、これにより前半の2点の
うちの後半側の1点と、後半の2点のうちの前半側の1
点との間に角があることを想定した評価をなし得るの
で、指令された点列の間隔や配置に左右されずに、速度
の変化方向を確実に捉えることができ、通過速度を制限
すべき個所で確実に通過速度を制限することができる。
さらに隣り合う軌跡が同一の場合には通過速度を一致さ
せることが可能になる。
【0053】つぎの発明によれば、2つの速度ベクトル
についての加速度と、機械に設定された許容加速度とを
比較処理することによって、減速の有無を判定するよう
にしているので、加速度比較による通過速度の決定処理
をなし得る。
【0054】つぎの発明によれば、2つの速度ベクトル
のなす角度と、該角度に関する閾値角度とを比較処理す
ることによって、減速の有無を判定するようにしている
ので、角度比較による通過速度の決定処理をなし得る。
【0055】つぎの発明によれば、速度ベクトル差と機
械に設定された許容速度差とを比較処理することによっ
て、減速の有無を判定するようにしているので、速度差
比較による通過速度の決定処理をなし得る。
【0056】つぎの発明によれば、連続する4点につい
ての指令位置データを用い、該4点のうちの前半の2点
を結ぶ速度ベクトルと、後半の2点を結ぶ速度ベクトル
との差を算出し、該算出した速度ベクトル差を用いて該
速度ベクトル差に依存する状態量を算出するようにして
おり、これにより前半の2点のうちの後半側の1点と、
後半の2点のうちの前半側の1点との間に角があること
を想定した評価をなし得るので、指令された点列の間隔
や配置に左右されずに、速度の変化方向を確実に捉える
ことができ、通過速度を制限すべき個所で確実に通過速
度を制限することができる。さらに隣り合う軌跡が同一
の場合には通過速度を一致させることが可能になる。
【0057】つぎの発明によれば、2つの速度ベクトル
についての加速度と、機械に設定された許容加速度とを
比較処理することによって、減速の有無を判定するよう
にしているので、加速度比較による通過速度の決定処理
をなし得る。
【0058】つぎの発明によれば、2つの速度ベクトル
のなす角度と、該角度に関する閾値角度とを比較処理す
ることによって、減速の有無を判定するようにしている
ので、角度比較による通過速度の決定処理をなし得る。
【0059】つぎの発明によれば、速度ベクトル差と機
械に設定された許容速度差とを比較処理することによっ
て、減速の有無を判定するようにしているので、速度差
比較による通過速度の決定処理をなし得る。
【0060】つぎの発明にかかるプログラムによれば、
上記の発明のいずれか一つに記載された方法をコンピュ
ータに実行させるようにしたので、そのプログラムがコ
ンピュータ読み取り可能となり、これによって、上記の
発明のいずれか一つの動作をコンピュータによって実行
することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明にかかる速度制御装置の実施の形態
1の構成を示すブロック図である。
【図2】 隣り合う軌跡における通過速度判定の2つの
速度ベクトルを示す図である。
【図3】 点列データおよび速度ベクトルを示す図であ
る。
【符号の説明】
10 点列出力部、20 速度差依存状態量算出部、3
0 点列バッファ、40 通過速度決定部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具軌跡を示す点列の各点の指令位置デ
    ータと指令送り速度データとを用いて連続する2点を結
    ぶ2つの速度ベクトルの差を算出し、該算出した速度ベ
    クトル差を用いて該速度ベクトル差に依存する状態量を
    算出する速度差依存状態量演算部と、 前記算出された現在の状態量を該状態量に対応する所定
    の閾値と比較し、現在の状態量が前記閾値よりも大きい
    場合に、前記2つの速度ベクトルを用いて前記閾値比較
    を満足する通過速度を算出する通過速度決定部と、 を備える速度制御装置において、 前記速度差依存状態量演算部は、前記点列の各点の指令
    位置データにおける連続する4点についての指令位置デ
    ータを用い、該4点のうちの前半の2点を結ぶ速度ベク
    トルと、後半の2点を結ぶ速度ベクトルとの差を算出
    し、該算出した速度ベクトル差を用いて該速度ベクトル
    差に依存する状態量を算出することを特徴とする速度制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記状態量は2つの速度ベクトルについ
    ての加速度であり、 前記通過速度決定部は、機械に設定された許容加速度を
    前記閾値として前記比較処理を実行することを特徴とす
    る請求項1に記載の速度制御装置。
  3. 【請求項3】 前記状態量は2つの速度ベクトルのなす
    角度であり、 前記通過速度決定部は、前記角度に関する閾値角度を前
    記閾値として前記比較処理を実行することを特徴とする
    請求項1に記載の速度制御装置。
  4. 【請求項4】 前記状態量は前記速度ベクトル差自体で
    あり、 前記通過速度決定部は、機械に設定された許容速度差を
    前記閾値として前記比較処理を実行することを特徴とす
    る請求項1に記載の速度制御装置。
  5. 【請求項5】 工具軌跡を示す点列の各点の指令位置デ
    ータと指令送り速度データとを用いて連続する2点を結
    ぶ2つの速度ベクトルの差を算出し、該算出した速度ベ
    クトル差を用いて該速度ベクトル差に依存する状態量を
    算出する第1ステップと、 前記算出された現在の状態量を該状態量に対応する所定
    の閾値と比較し、現在の状態量が前記閾値よりも大きい
    場合に、前記2つの速度ベクトルを用いて前記閾値比較
    を満足する通過速度を算出する第2ステップと、 を備える速度制御方法において、 前記第1ステップでは、前記点列の各点の指令位置デー
    タにおける連続する4点についての指令位置データを用
    い、該4点のうちの前半の2点を結ぶ速度ベクトルと、
    後半の2点を結ぶ速度ベクトルとの差を算出し、該算出
    した速度ベクトル差を用いて該速度ベクトル差に依存す
    る状態量を算出することを特徴とする速度制御方法。
  6. 【請求項6】 前記状態量は2つの速度ベクトルについ
    ての加速度であり、 前記第2ステップでは、機械に設定された許容加速度を
    前記閾値として前記比較処理を実行することを特徴とす
    る請求項5に記載の速度制御方法。
  7. 【請求項7】 前記状態量は2つの速度ベクトルのなす
    角度であり、 前記第2ステップでは、前記角度に関する閾値角度を前
    記閾値として前記比較処理を実行することを特徴とする
    請求項5に記載の速度制御方法。
  8. 【請求項8】 前記状態量は前記速度ベクトル差自体で
    あり、 前記第2ステップでは、機械に設定された許容速度差を
    前記閾値として前記比較処理を実行することを特徴とす
    る請求項5に記載の速度制御方法。
  9. 【請求項9】 請求項5〜8のいずれか一つに記載され
    た方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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