JP2003066799A - クリーナ装置及びそれを備えたプロセスユニット - Google Patents

クリーナ装置及びそれを備えたプロセスユニット

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JP2003066799A
JP2003066799A JP2001254110A JP2001254110A JP2003066799A JP 2003066799 A JP2003066799 A JP 2003066799A JP 2001254110 A JP2001254110 A JP 2001254110A JP 2001254110 A JP2001254110 A JP 2001254110A JP 2003066799 A JP2003066799 A JP 2003066799A
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Shogo Sato
正吾 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙粉除去能力を維持できるクリーナ装置を提
供する。 【解決手段】 回転周面の表面が滑らかで、気泡が表面
に開放されないような導電性弾性体からなる紙粉除去ロ
ーラ51に、トナーが感光体ドラム27の方向に向かう
ような電界を形成するためのバイアスを印加して、紙粉
のみを紙粉除去ローラ51の滑らかな表面に引きつけ
る。紙粉除去ローラ51の回転周面の一側には、繊維部
材からなる摺擦部材53を押しつけ、紙粉除去ローラ5
1の表面に付着した紙粉を摺擦部材53の繊維部材にて
からめ捕り、保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザプリンタな
どの電子写真方式の画像形成手段におけるクリーナ装置
及びそれを備えたプロセスユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザプリンタなどの画像形
成装置には、被帯電体である感光体ドラムと、その感光
体ドラムの周りに、帯電装置、スキャナ装置、現像装置
および転写装置とが、感光体ドラムの回転方向に従って
順次設けられているプロセスユニットが備えられてい
る。感光体ドラムの表面は、その感光体ドラムの回転に
伴なって、まず、帯電装置により一様に帯電された後、
スキャナ装置からのレーザービームの高速走査により露
光され、所定の画像データに基づく静電潜像が形成され
る。一方、このプロセスユニットには、現像装置の現像
ローラに供給するためのトナーが収容されており、現像
ローラには、そのトナーが供給されて、薄層として現像
ローラ上に担持されている。そのため、現像ローラの回
転により、その現像ローラ上に担持されているトナー
が、感光体ドラムと対向する時に、感光体ドラムの表面
上に形成されている静電潜像に供給され、選択的に担持
されることによって可視像が形成される。その後、感光
体ドラムの表面上に担持された可視像は、転写装置であ
る転写ローラと対向して、用紙が感光体ドラムと転写ロ
ーラとの間を通る間に、その用紙に転写される。
【0003】このような画像形成装置において、用紙に
転写された後に感光体ドラム上に残存するトナーを、現
像ローラによって再び回収する、いわゆるクリーナレス
方式によって、トナーを回収するものが知られている。
このようなクリーナレス方式によって感光体ドラム上の
残存トナーを回収すれば、ブレードなどのクリーナ装置
や、廃トナーの貯留手段を設ける必要がないため、装置
構成の簡略化、小型化およびコストの低減化を図ること
ができる。
【0004】この方式では、紙から出る紙粉がトナーと
共に現像器に回収され、その紙粉が起因となる印字不良
が発生した。特に印字用紙に酸性紙が使用されると、酸
性紙含まれるパルプ繊維や填料であるタルクが現像器に
混入されることによって、著しい印字不良が発生する。
パルプ繊維は非磁性1成分の現像器に混入されると、ト
ナー層規制用のブレードと現像ローラとの間に挟まっ
て、ブレードにダメージを与えたり、パルプ繊維にまと
わりついたトナーと一緒にブレードを通過して、白ベタ
に印刷されるという印字不良を起こす。
【0005】タルクはかなり強い負帯電性の物質である
ので、正帯電トナーを使用したプロセスにおいては、現
像器にタルクが混入すると、印字カブリの原因となる。
また、負帯電トナーを使用したプロセスにおいても、同
様に印字カブリの原因となったり、カブリとまではいか
なくても、トナーの帯電量が高くなり過ぎて、画像濃度
の低下を引き起こすという問題があった。
【0006】そこで、例えば、特開平9−127844
号公報では、感光体ドラムの回転方向における転写ロー
ラの下流側に、さらに、導電性の弾性体からなるクリー
ニングローラを、感光体ドラムの表面に摺擦するように
設けて、画像形成動作において、用紙への転写時には、
クリーニングローラに感光体ドラムの表面電位よりも低
いバイアス(負バイアス)を印加して、感光体ドラム上
に残存するトナーを一時的に回収する一方、用紙への非
転写時、つまり、順次画像が形成される用紙の間には、
感光体ドラムの表面電位よりも高いバイアス(正バイア
ス)を印加して、クリーニングローラによって一時的に
回収されているトナーを感光体ドラム上に吐出し、その
戻されたトナーを現像ローラによって回収するように構
成し、このクリーニングローラによって一時的に回収さ
れたトナーに混じった紙粉を除去する手段として、当該
クリーニングローラを、体積固有抵抗率が中抵抗値を示
す発泡体により構成し、このクリーニングローラを感光
体ドラムの回転方向に対してカウンタ方向に回転駆動さ
せ、さらに、クリーニングローラの表面に導電性を有す
るブラシ部材を摺擦させる一方、該ブラシ部材には、ク
リーニングローラと同電位にする電圧を印加したり、ク
リーニングローラによって一時的に回収されたトナーと
同極性の電圧を印加することを提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クリー
ニングローラが発泡体であるため、その開放された気泡
中に紙粉が絡め取られて保持する能力が高いため、前記
ブラシにより紙粉を気泡から掻き取り難くなり、クリー
ニングローラ内に紙粉が蓄積され、当該クリーニングロ
ーラの紙粉除去能力が低下する。また、前記ブラシでク
リーニングローラの表面の気泡部分を擦った時に、紙
粉、特にパルプ繊維が毛羽立った状態でクリーニングロ
ーラの表面に付着したままとなるので、これにより、感
光体ドラムの表面に筋状のトナー抜け部が発生したり、
紙粉が感光体ドラムの表面に再度付着してしまうという
問題もあった。さらに、前記ブラシ部材は植設の密度が
荒いため、クリーニングローラの回転周面全体に一様に
ブラシの先端が当接できず、紙粉除去の効率が悪いとい
う問題もあった。
【0008】本発明は、前記従来の問題点を改良すべく
なされたものであり、紙粉除去性能を高くできるクリー
ナ装置、及びこの装置を備えて高い印字品質を保持でき
るプロセスユニットを提供することを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明のクリーナ装置は、画像形成
装置における像担持体上の移動方向のうち転写手段より
下流側で像担持体に接触するローラ手段と、該ローラ手
段に接触する摺擦部材とからなるクリーナ装置におい
て、前記ローラ手段は、表面が多孔性を有しない導電性
弾性体もしくは、表面が多孔性を有しない導電性の発泡
体にて構成し、該ローラ手段の回転周面に対して前記摺
擦部材を押圧付勢したものである。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のクリーナ装置において、前記ローラ手段には、
像担持体との間で、トナーに像担持体方向の力が働く電
界であり、像担持体上の紙粉にローラ手段方向の力が働
く電界を形成するためのバイアスを印加することを特徴
とするものである。
【0011】そして、請求項3に記載の発明は、請求項
2に記載のクリーナ装置において、前記転写手段には、
前記像担持体上のトナーに、当該像担持体と転写手段と
の間の用紙に向かう力が働く電界を形成するためのバイ
アスが印加され、ローラ手段は、前記像担持体の表面の
移動方向において、転写手段の下流であって、前記現像
手段の上流に配置されていることを特徴とするものであ
る。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項2または
3に記載のクリーナ装置において、前記バイアス印加の
電圧はローラ手段と像担持体との間に放電が発生しない
程度に設定したものである。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4のいずれかに記載のクリーナ装置において、前記
摺接手段は、繊維部材を不織布、織物、編み物等のシー
ト状に形成したものにて構成したものである。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項5のいずれかに記載のクリーナ装置において、像担
持体は感光体であり、該感光体とローラ手段との間に相
対的速度差を有するように設定したものである。
【0015】さらに、請求項7に記載の発明の画像形成
装置用のプロセスユニットは、前記請求項1乃至請求項
6のいずれかに記載のクリーナ装置を備えたことを特徴
とするものである。
【0016】請求項8に記載の発明の画像形成装置は、
前記請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のクリーナ
装置及びプロセスユニットを備えたことを特徴とするも
のである。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の画像形成装置と
してのレーザプリンタの一実施形態を示す概略側断面
図、図2は画像形成部(プロセスユニット)の要部拡大
側断面図、図3はプロセスユニットの電源構成を示すブ
ロック図である。図1において、レーザプリンタ1は、
本体ケーシング2内に、記録媒体としての用紙3を給紙
するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に所定の
画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
【0018】フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底
部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレ
イ6内に設けられた用紙押圧板7と、給紙トレイ6の一
端側端部の上方に設けられる給紙ローラ8および給紙パ
ット9と、給紙ローラ8に対し用紙3の搬送方向の下流
側に設けられる紙粉取りローラ10、搬送ローラ11
と、搬送ローラ11に対し用紙3の搬送方向の下流側に
設けられるレジストローラ12とを備えている。
【0019】用紙押圧板7は、用紙3を積層状にスタッ
ク可能とされ、給紙ローラ8に対して遠い方の端部にお
いて揺動可能に支持されることによって、近い方の端部
が上下方向に移動可能とされており、また、その裏側か
ら図示しないばねによって上方向に付勢されている。そ
のため、用紙押圧板7は、用紙3の積層量が増えるに従
って、給紙ローラ8に対して遠い方の端部を支点とし
て、ばねの付勢力に抗して下向きに揺動される。給紙ロ
ーラ8および給紙パット9は、互いに対向状に配設さ
れ、給紙パット9の裏側に配設されるばね13によっ
て、給紙パット9が給紙ローラ8に向かって押圧されて
いる。用紙押圧板7上の最上位にある用紙3は、用紙押
圧板7の裏側から図示しないばねによって給紙ローラ8
に向かって押圧され、その給紙ローラ8の回転によって
給紙ローラ8と給紙パット9とで挟まれた後、1枚毎に
給紙される。給紙された用紙3は、紙粉取りローラ10
にて紙粉がある程度取り除かれた後、搬送ローラ11に
よって、レジストローラ12に送られる。レジストロー
ラ12は、1対のローラから構成されており、用紙3を
所定のレジスト後に、画像形成部5に送るようにしてい
る。
【0020】なお、このフィーダ部4は、さらに、マル
チパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上
に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス側
給紙ローラ15およびマルチパーパス側給紙パット25
とを備えており、マルチパーパス側給紙ローラ15およ
びマルチパーパス側給紙パット25は、互いに対向状に
配設され、マルチパーパス側給紙パット25の裏側に配
設されるばねによって、マルチパーパス側給紙パット2
5がマルチパーパス側給紙ローラ15に向かって押圧さ
れている。マルチパーパストレイ14上に積層される用
紙3は、マルチパーパス側給紙ローラ15の回転によっ
てマルチパーパス側給紙ローラ15とマルチパーパス側
給紙パット25とで挟まれた後、1枚毎に給紙されて前
記レジストローラ12に送られる。
【0021】画像形成部5は、スキャナユニット16、
プロセスユニット17、定着部18などを備えている。
【0022】スキャナユニット16は、本体ケーシング
2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず。)、
回転駆動されるポリゴンミラー19、レンズ20及び2
2、反射鏡21などを備えており、レーザ発光部から発
光される所定の画像データに基づくレーザビームを、鎖
線で示すように、ポリゴンミラー19、レンズ20、反
射鏡21、レンズ22の順に通過あるいは反射させて、
後述するプロセスユニット17における像担持体の一例
としての感光体ドラム27の表面上に高速走査にて照射
させている。
【0023】プロセスユニット17は、スキャナユニッ
ト16の下方に配設され、図2に示すように、本体ケー
シング2に対して着脱自在に装着されるドラムケース2
6内に、感光体ドラム27、現像カートリッジ28、ス
コロトロン型帯電器29、転写手段としての転写ローラ
30、後に詳述するクリーナ装置50としての紙粉除去
ローラ51及び摺擦部材53等を備えている。
【0024】現像カートリッジ28は、ドラムケース2
6に対して着脱自在に装着されており、現像剤担持体と
しての現像ローラ31、層厚規制ブレード32、供給ロ
ーラ33およびトナーボックス34などを備えている。
【0025】トナーボックス34内には、現像剤とし
て、正帯電性の非磁性1成分のトナーが充填されてい
る。このトナーとしては、重合性単量体、たとえば、ス
チレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキ
ル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C
4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁
重合などの公知の重合方法によって共重合させることに
より得られる重合トナーが使用されている。このような
重合トナーは、球状をなし、流動性が極めて良好であ
る。なお、このようなトナーには、カーボンブラックな
どの着色剤やワックスなどが配合されるとともに、流動
性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加され
ている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。
【0026】そして、トナーボックス34内のトナー
は、トナーボックス34の中心に設けられる回転軸35
に支持されるアジテータ36の矢印方向(図2で反時計
方向)への回転により、攪拌されて、トナーボックス3
4の側部に開口されたトナー供給口37から放出され
る。なお、トナーボックス34の側壁には、トナーの残
量検知用の窓38が設けられており、回転軸35に支持
されたクリーナ39によって清掃される。
【0027】トナー供給口37の側方位置には、供給ロ
ーラ33が矢印方向(図2で時計方向)に回転可能に配
設されており、また、この供給ローラ33に対向して、
現像ローラ31が矢印方向(図2で時計方向)に回転可
能に配設されている。そして、これら供給ローラ33と
現像ローラ31とは、そのそれぞれがある程度圧縮する
ような状態で互いに当接されている。
【0028】供給ローラ33は、金属製のローラ軸に、
導電性の発泡材料からなるローラが被覆されている。ま
た、現像ローラ31は、金属製のローラ軸に、導電性の
ゴム材料からなるローラが被覆されている。より具体的
には、現像ローラ31のローラ部分は、カーボン微粒子
などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴム
からなるローラ本体の表面に、フッ素が含有されている
ウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆さ
れている。なお、現像ローラ31には、図示しない現像
バイアス印加電源から現像バイアスが印加される。
【0029】また、現像ローラ31の近傍には、層厚規
制ブレード32が配設されている。この層厚規制ブレー
ド32は、金属の板ばね材からなるブレード本体の先端
部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の
押圧部40を備えており、現像ローラ31の近くにおい
て現像カートリッジ28に支持されて、押圧部40がブ
レード本体の弾性力によって現像ローラ31上に圧接さ
れるように構成されている。
【0030】そして、トナー供給口37から放出される
トナーは、供給ローラ33の回転により、現像ローラ3
1に供給され、この時、供給ローラ33と現像ローラ3
1との間で正極性に摩擦帯電され、さらに、現像ローラ
31上に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に
伴って、層厚規制ブレード32の押圧部と現像ローラ3
1との間に進入し、ここでさらに十分に摩擦帯電され
て、一定厚さの薄層として現像ローラ31上に担持され
る。
【0031】感光体の一例としての感光体ドラム27
は、現像ローラ31の側方位置において、その現像ロー
ラ31と対向するような状態で矢印方向(図2で反時計
方向)に回転可能に配設されている。この感光体ドラム
27は、ドラム本体が接地されるとともに、その表面部
分(感光層)は、例えば、α−Si:H等のアモルファスシ
リコン系、CdSの硫化カドミウム系、ZnO等の参加
亜鉛系、AsSe3等のセレン系の材料、もしくは有
機系感光体材料、例えば、ポリカーボネートなどから構
成される正帯電性の感光層により形成されている。な
お、この感光体ドラム27は、図示しないメインモータ
からの動力によって回転駆動されるように構成されてい
る。
【0032】帯電手段としてのスコロトロン型帯電器2
9は、感光体ドラム27の上方に、感光体ドラム27に
接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されてい
る。スコロトロン型帯電器29は、タングステンなどの
帯電用ワイヤ(後述する放電ワイヤ53)からコロナ放
電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であ
り、感光体ドラム27の表面を一様に正極性に帯電させ
るように構成されている。また、このスコロトロン型帯
電器29は、帯電電源によりオン・オフされる。
【0033】そして、感光体ドラム27の表面は、その
感光体ドラム27の回転に伴なって、まず、スコロトロ
ン型帯電器29により一様に正帯電された後、スキャナ
ユニット16からのレーザービームの高速走査により露
光され、所定の画像データに基づく静電潜像が形成され
る。
【0034】次いで、現像ローラ31の回転により、現
像ローラ31上に担持されかつ正帯電されているトナー
が、感光体ドラム27に対向して接触する時に、感光体
ドラム27の表面上に形成される静電潜像、すなわち、
一様に正帯電されている感光体ドラム27の表面のう
ち、レーザービームによって露光され電位が下がってい
る露光部分に供給され、選択的に担持されることによっ
て可視像化され、これによって反転現像が達成される。
【0035】転写ローラ30は、感光体ドラム27の下
方において、この感光体ドラム27に対向するように配
置され、ドラムケース26に矢印方向(時計方向)に回
転可能に支持されている。この転写ローラ30は、金属
製のローラ軸に、イオン導電性のゴム材料からなるロー
ラが被覆されており、転写時には、転写バイアス印加電
源58から転写バイアス(転写順バイアス、感光体ドラ
ム27上のトナーに転写ローラ30方向の力が働く電界
を形成するバイアス)が印加されるように構成されてい
る。そのため、感光体ドラム27の表面上に担持された
可視像は、用紙3が感光体ドラム27と転写ローラ30
との間を通る間に用紙3に転写される。
【0036】定着部18は、図1に示すように、プロセ
スユニット17の側方下流側に配設され、加熱ローラ4
1、加熱ローラ41を押圧する押圧ローラ42、およ
び、これら加熱ローラ41および押圧ローラ42の下流
側に設けられる1対の搬送ローラ43を備えている。加
熱ローラ41は、金属製で加熱のためのハロゲンランプ
を備えており、プロセスユニット17において用紙3上
に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ41と押圧
ローラ42との間を通過する間に熱定着させ、その後、
その用紙3を搬送ローラ43によって、排紙パス44に
搬送するようにしている。排紙パス44に送られた用紙
3は、排紙ローラ45に送られて、その排紙ローラ45
によって排紙トレイ46上に排紙される。
【0037】このレーザプリンタ1では、転写ローラ3
0によって用紙3に転写された後に感光体ドラム27の
表面上に残存する残存トナーを、現像ローラ31によっ
て回収する、いわゆるクリーナレス方式によって残存ト
ナーを回収するようにしている。このようなクリーナレ
ス方式によって感光体ドラム27の表面上の残存トナー
を回収すれば、ブレードなどのクリーナ装置や廃トナー
の貯留手段を設ける必要がないため、装置構成の簡略
化、小型化およびコストの低減化を図ることができる。
【0038】さらに、このようなクリーナレス方式での
紙粉除去のためのクリーナ装置として、プリンタ1で
は、プロセスユニット17のドラムケース26内に、図
2及び図3に示すように、ローラ手段としての紙粉除去
ローラ51と、これに摺擦する摺擦部材53等が設けら
れている。以下に、このクリーナ装置の構成について詳
述する。
【0039】紙粉除去ローラ51は、金属製のローラ軸
に、導電性のゴム材料等の柔らかい弾性体、例えば内部
に多孔性を有するが表面(回転周面)には気泡が開放さ
れていない(多孔性を有しない)、滑らかな表面状態の
ローラが被覆されている。より具体的には、紙粉除去ロ
ーラ51のローラ部分は、導電性のシリコーンゴム、ウ
レタンゴム、EPDM等の発泡ゴム材料または発泡を有
しないゴム材料から形成されている。ゴム材料の硬度は
asker-Cで35度程度である。このように、弾性材料
(ゴム材料)を使用することにより、像担持体である感
光体ドラム27の周面に一定程度の幅のニップ領域を形
成するように押圧できる。
【0040】紙粉除去ローラ51は、感光体ドラム27
の側方位置、より具体的には、感光体ドラム27の回転
方向における転写ローラ30より下流側であって、か
つ、スコロトロン型帯電器29の上流側において、感光
体ドラム27と接触するように、ドラムケース26内に
おいて矢印方向(図2の時計方向)に回転可能に支持さ
れている。換言すると、感光体ドラム27と紙粉除去ロ
ーラ51との摺接箇所において、同一方向に回転する。
そして、感光体ドラム27と紙粉除去ローラ51とに一
定程度の周速比率を持たせることにより、感光体ドラム
27に紙粉除去ローラ51を摺擦したとき、感光体ドラ
ム27の表面層を薄く機械的に研削できることにより、
感光体ドラム27の表面(感光層)のフィルミング(ト
ナーに含まれる樹脂、オイル成分等による薄膜が感光体
ドラム27の表面に形成された状態のもの)を研削する
効果を持たせるものである。具体的には、感光体ドラム
27の周速に対して紙粉除去ローラ51の周速を略1.
5倍程度に速くなるように設定する。
【0041】さらに、この紙粉除去ローラ51の周面に
付着した紙粉を除去するための摺擦手段としての摺擦部
材53を、紙粉除去ローラ51の周面の一側にその軸線
と略平行状に配置し、付勢手段52の付勢力により摺擦
部材53を紙粉除去ローラ51の周面一側に押圧付勢す
る。摺擦部材53は不織布、織物、編み物等の繊維性部
材をシート状に形成したものからなり、この繊維性部材
により、紙粉除去ローラ51における滑らかな表面に静
電気のみで付着している紙粉を効果的にからめ捕り、紙
粉除去ローラ51の表面に戻さないようにすることがで
きるように構成されている。なお、付勢手段52はスポ
ンジもしくはゴム等の弾性材料であっても良いし、ばね
手段であっても良い。
【0042】図3は、このレーザプリンタ1のプロセス
ユニット17の電源構成を示すブロック図である。図2
及び図3において、このレーザプリンタ1のプロセスユ
ニット17には、上記したように、スコロトロン型帯電
器29、現像ローラ31、転写ローラ30および紙粉除
去ローラ51が、感光体ドラム27の周りにおいて、そ
の感光体ドラム27の回転方向に従って順次配置されて
いる。
【0043】そして、このレーザプリンタ1において
は、帯電電源56、現像バイアス印加電源57、転写バ
イアス印加電源58、クリーニングバイアス印加電源5
5、制御手段としての制御回路54が設けられており、
これら帯電電源56、現像バイアス印加電源57、転写
バイアス印加電源58、クリーニングバイアス印加電源
55が制御回路54に接続され、制御回路54によって
各電源が制御されるように構成されている。
【0044】すなわち、帯電電源56は、スコロトロン
型帯電器29に接続されており、制御回路54の制御に
よって、帯電電源56がスコロトロン型帯電器29に対
してオン・オフされるように構成されている。なお、こ
のレーザプリンタ1においては、帯電電源56のオンに
より、スコロトロン型帯電器29がオンされると、それ
に対向する感光体ドラム27の表面電位が、約900V
に帯電されるように設定されている。
【0045】現像バイアス印加電源57は、現像ローラ
31のローラ軸に接続されており、制御回路54の制御
によって、現像バイアス印加電源57から現像ローラ3
1に印加される現像バイアスが、オン・オフされるよう
に構成されている。
【0046】転写バイアス印加電源58は、転写ローラ
30のローラ軸に接続されており、制御回路54の制御
によって、転写バイアス印加電源58から転写ローラ3
0に印加される転写バイアスが、第1バイアスとしての
転写順バイアスと、第2バイアスとしての転写逆バイア
スとに選択的に切り替えられるように構成されている。
より具体的には、この転写バイアス印加電源58は、選
択切替手段としての切替スイッチ60と、第1バイアス
印加手段としての定電流電源61と、第2バイアス印加
手段としての定電圧電源62とを備えている。切替スイ
ッチ60は、転写ローラ30のローラ軸に接続されると
ともに、その切替スイッチ60に、定電流電源61およ
び定電圧電源62が選択的に接続されている。そして、
制御回路54の制御によって、切替スイッチ60が、転
写ローラ30に接続される電源を、定電流電源61と定
電圧電源62とに選択的に切り替えることによって、転
写ローラ30に印加される転写バイアスが、定電流電源
61からの転写順バイアスと、定電圧電源62からの転
写逆バイアスとに選択的に切り替えられるように構成さ
れている。
【0047】転写順バイアスは、定電流電源61の定電
流制御によって印加され、転写ローラ30の表面電位
が、その転写ローラ30に対向接触する直前の感光体ド
ラム27の表面電位よりも低くなるように設定されてい
る。そのため、転写ローラ30に転写順バイアスを印加
すれば、感光体ドラム27と転写ローラ30との間を通
過する用紙3に、感光体ドラム27に形成されている可
視像を良好に転写することができる。また、この転写順
バイアスは、より具体的には、−12μAの定電流で設
定されている。これによって、たとえば、転写ローラ3
0に対向接触する直前の感光体ドラム27の表面電位
が、スコロトロン型帯電器29からの帯電によって約9
00Vに設定されている場合には、転写順バイアスが印
加されている転写ローラ30と対向接触した後において
は、その感光体ドラム27の表面電位、すなわち、第1
表面電位が、約200〜400Vとされる。
【0048】このように、正帯電トナーを用いた場合、
転写ローラ30は負極性のバイアスが印加され、転写ロ
ーラ30と対向した感光体ドラム27は正極性となって
いるので、用紙3上に存在する正極性の紙粉と負極性の
紙粉とのうち、負極性の紙粉が感光体ドラム27に付着
する。
【0049】また、転写逆バイアスは、定電圧電源62
の定電圧制御によって印加され、転写ローラ30の表面
電位が、その転写ローラ30に対向接触する直前の感光
体ドラム27の表面電位よりも高くなるように設定され
ている。そのため、転写ローラ30に転写逆バイアスを
印加すれば、画像形成動作中において転写ローラ30に
付着したトナーを、感光体ドラム27上に電気的に吐出
させることができる。また、この転写逆バイアスは、よ
り具体的には、+1.6kVの定電圧で設定されてい
る。これによって、たとえば、転写ローラ30に対向接
触する直前の感光体ドラム27の表面電位が、スコロト
ロン型帯電器29からの帯電によって約900Vに設定
されている場合には、転写逆バイアスが印加されている
転写ローラ30と対向接触した後においては、その感光
体ドラム27の表面電位、すなわち、第2表面電位が、
約+900Vとされる。
【0050】他方、紙粉除去ローラ51には、クリーニ
ングバイアス印加電源55から、所定の正バイアスが印
加されるように構成されており、正極性のトナーに、紙
粉除去ローラ51から感光体ドラム27の方向に向かう
力が常時働くような電界を形成するようなバイアスであ
り、そのバイアスにより負極性の紙粉のみが紙粉除去ロ
ーラ51に吸引される。その場合、紙粉除去ローラ51
と感光体ドラム27との間で放電現象が発生しないよう
な電位差とすべきである。具体的には、感光体ドラム2
7の第1表面電位約+200〜400Vよりも高い+7
00V程度の電圧を印加する。
【0051】前記放電現象が発生すると、負極性の紙粉
が正極性となったり、正極性のトナーが負極性になる等
して、紙粉除去ローラ51の紙粉除去能力が悪化するか
らである。
【0052】なお、転写逆バイアスは印字していない時
に印加されるので、この転写逆バイアス印加時には、感
光体ドラム27上の紙粉は紙粉除去ローラ51に取り除
かれ、さらに、紙粉除去ローラ51上の紙粉は摺擦部材
53によって取り除かれているため、転写逆バイアスが
印加されて、感光体ドラム27が約+900Vであって
も、紙粉除去ローラ51から感光体ドラム27に紙粉が
逆戻りすることはない。
【0053】また、転写逆バイアスが印加されて、感光
体ドラム27の表面電位が第2表面電位(約+900
V)となっている領域が紙粉除去ローラ51に接してい
る間は、紙粉除去ローラ51には+900V〜+100
0Vのバイアスに切替えられ(切替え手段は図示せ
ず)、転写ローラ30から吐出された感光体ドラム27
上のトナーは、紙粉除去ローラ51に吐出されることは
ない。
【0054】上記のようなバイアスが印加されている
と、導電性材料で、且つ表面が滑らかな(表面が多孔性
でない)紙粉除去ローラ51の表面には負極性の紙粉が
電界の力にて吸引されるが、該ローラの内部には紙粉が
潜りこまず、その表面の紙粉は、繊維材料製の摺擦部材
52にて全てからめ捕られるから、紙粉除去ローラ51
から感光体ドラム27の表面に戻ることがなく、紙粉除
去の性能、効率が長期間にわたって低下しないという効
果を奏するのである。
【0055】本発明では、像担持体は、前記の感光体ド
ラム27ばかりでなく、ベルト状であっても良い。ま
た、カラー画像形成のための像担持体(中間担持ロー
ラ)に対して前記紙粉除去ローラ51を摺擦するように
配置しても良い。
【0056】なお、本実施形態では、正帯電トナーを用
いたが、負帯電トナーを用いても良く、この場合、帯電
手段、現像手段、転写手段、紙粉除去ローラ51に印加
する電圧の極性を逆にすれば良い。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に記載の発
明のクリーナ装置は、画像形成装置における像担持体上
の移動方向のうち転写手段より下流側で像担持体に接触
するローラ手段と、該ローラ手段に接触する摺擦部材と
からなるクリーナ装置において、前記ローラ手段は、表
面が多孔性を有しない導電性弾性体もしくは、表面が多
孔性を有しない導電性の発泡体にて構成し、該ローラ手
段の回転周面に対して前記摺擦部材を押圧付勢したもの
である。このように、ローラ手段の回転周面は滑らかで
開放状の気泡が存在しないから、像担持体からローラ手
段に移行した紙粉がローラ手段の内径側に潜り込むこと
がなく、摺擦部材により簡単に除去でき、ローラ手段の
紙粉除去能力が長期間にわたって維持でき、また、ロー
ラ手段から像担持体に紙粉が戻ってしまうことがないの
で、印字性能が悪化しないという効果を奏する。
【0058】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のクリーナ装置において、前記ローラ手段には、
像担持体との間で、トナーに像担持体方向の力が働く電
界であり、像担持体上の紙粉にローラ手段方向の力が働
く電界を形成するためのバイアスを印加することを特徴
とするものであるから、紙粉を電界の力だけでローラ手
段に引きつけて移行させるので、トナーを像担持体側に
残したまま、紙粉のみをローラ手段へ効果的に移行させ
ることができるという効果を奏する。
【0059】そして、請求項3に記載の発明は、請求項
2に記載のクリーナ装置において、前記転写手段には、
前記像担持体上のトナーに、当該像担持体と転写手段と
の間の用紙に向かう力が働く電界を形成するためのバイ
アスが印加され、ローラ手段は、前記像担持体の表面の
移動方向において、転写手段の下流であって、前記現像
手段の上流に配置されていることを特徴とするものであ
る。
【0060】従って、トナーと逆極性の紙粉を、請求項
2に記載のバイアスで像担持体から取り除くことができ
るので、現像を良好に行うことができる。
【0061】請求項4に記載の発明は、請求項2または
3に記載のクリーナ装置において、前記バイアス印加の
電圧はローラ手段と像担持体との間に放電が発生しない
程度に設定したものである。放電現象が発生すると、負
極性の紙粉が正極性となったり、正極性のトナーが負極
性になる等して、紙粉除去のためのローラ手段の紙粉除
去能力が悪化するからである。
【0062】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4のいずれかに記載のクリーナ装置において、前記
摺接手段は、繊維部材を不織布、織物、編み物等のシー
ト状に形成したものにて構成したものであるから、ロー
ラ手段の滑らかな表面に付着している紙粉を摺擦部材の
繊維部材により効果的にからめ捕り、且つ保持できて、
紙粉をローラ手段側に戻すことがなく、紙粉除去作用を
長期間持続できるという効果を奏する。
【0063】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項5のいずれかに記載のクリーナ装置において、像担
持体は感光体であり、該感光体とローラ手段との間に相
対的速度差を有するように設定したことにより、ローラ
手段により感光体の表面のフィルミングを無くするよう
に研削できてき印字性能を長期間良好に維持できるとい
う効果を奏する。
【0064】さらに、請求項7に記載の発明の画像形成
装置用のプロセスユニットは、前記請求項1乃至請求項
6のいずれかに記載のクリーナ装置を備えたことを特徴
とするものであるから、紙粉除去能力が長期間維持で
き、印字性能が劣化しないプロセスユニットを需要者に
提供できるという効果を奏する。
【0065】請求項8に記載の発明の画像形成装置は、
前記請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のクリーナ
装置及びプロセスユニットを備えたことを特徴とするも
のであるから、紙粉除去能力が長期間維持でき、印字性
能が劣化しない画像形成装置を提供できるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置としての、レーザプリン
タの一実施形態を示す概略側断面図である。
【図2】図1に示すレーザプリンタのプロセスユニット
を示す要部側断面図である。
【図3】プロセスユニットの電源及び制御装置を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 レーザプリンタ 3 用紙 17 プロセスユニット 27 感光体ドラム 29 スコロトロン型帯電器 30 転写ローラ 31 現像ローラ 51 紙粉除去ローラ 52 押圧手段 53 摺擦部材 54 制御手段としての制御回路 55 クリーニングバイアス印加電源 56 帯電電源 57 現像バイアス印加電源 58 転写バイアス印加電源
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月30日(2001.8.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 クリーナ装置及びそれを備えたプロセ
スユニット
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザプリンタな
どの電子写真方式の画像形成手段におけるクリーナ装置
及びそれを備えたプロセスユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザプリンタなどの画像形
成装置には、被帯電体である感光体ドラムと、その感光
体ドラムの周りに、帯電装置、スキャナ装置、現像装置
および転写装置とが、感光体ドラムの回転方向に従って
順次設けられているプロセスユニットが備えられてい
る。感光体ドラムの表面は、その感光体ドラムの回転に
伴なって、まず、帯電装置により一様に帯電された後、
スキャナ装置からのレーザービームの高速走査により露
光され、所定の画像データに基づく静電潜像が形成され
る。一方、このプロセスユニットには、現像装置の現像
ローラに供給するためのトナーが収容されており、現像
ローラには、そのトナーが供給されて、薄層として現像
ローラ上に担持されている。そのため、現像ローラの回
転により、その現像ローラ上に担持されているトナー
が、感光体ドラムと対向する時に、感光体ドラムの表面
上に形成されている静電潜像に供給され、選択的に担持
されることによって可視像が形成される。その後、感光
体ドラムの表面上に担持された可視像は、転写装置であ
る転写ローラと対向して、用紙が感光体ドラムと転写ロ
ーラとの間を通る間に、その用紙に転写される。
【0003】このような画像形成装置において、用紙に
転写された後に感光体ドラム上に残存するトナーを、現
像ローラによって再び回収する、いわゆるクリーナレス
方式によって、トナーを回収するものが知られている。
このようなクリーナレス方式によって感光体ドラム上の
残存トナーを回収すれば、ブレードなどのクリーナ装置
や、廃トナーの貯留手段を設ける必要がないため、装置
構成の簡略化、小型化およびコストの低減化を図ること
ができる。
【0004】この方式では、紙から出る紙粉がトナーと
共に現像器に回収され、その紙粉が起因となる印字不良
が発生した。特に印字用紙に酸性紙が使用されると、酸
性紙含まれるパルプ繊維や填料であるタルクが現像器に
混入されることによって、著しい印字不良が発生する。
パルプ繊維は非磁性1成分の現像器に混入されると、ト
ナー層規制用のブレードと現像ローラとの間に挟まっ
て、ブレードにダメージを与えたり、パルプ繊維にまと
わりついたトナーと一緒にブレードを通過して、白ベタ
に印刷されるという印字不良を起こす。
【0005】タルクはかなり強い負帯電性の物質である
ので、正帯電トナーを使用したプロセスにおいては、現
像器にタルクが混入すると、印字カブリの原因となる。
また、負帯電トナーを使用したプロセスにおいても、同
様に印字カブリの原因となったり、カブリとまではいか
なくても、トナーの帯電量が高くなり過ぎて、画像濃度
の低下を引き起こすという問題があった。
【0006】そこで、例えば、特開平9−127844
号公報では、感光体ドラムの回転方向における転写ロー
ラの下流側に、さらに、導電性の弾性体からなるクリー
ニングローラを、感光体ドラムの表面に摺擦するように
設けて、画像形成動作において、用紙への転写時には、
クリーニングローラに感光体ドラムの表面電位よりも低
いバイアス(負バイアス)を印加して、感光体ドラム上
に残存するトナーを一時的に回収する一方、用紙への非
転写時、つまり、順次画像が形成される用紙の間には、
感光体ドラムの表面電位よりも高いバイアス(正バイア
ス)を印加して、クリーニングローラによって一時的に
回収されているトナーを感光体ドラム上に吐出し、その
戻されたトナーを現像ローラによって回収するように構
成し、このクリーニングローラによって一時的に回収さ
れたトナーに混じった紙粉を除去する手段として、当該
クリーニングローラを、体積固有抵抗率が中抵抗値を示
す発泡体により構成し、このクリーニングローラを感光
体ドラムの回転方向に対してカウンタ方向に回転駆動さ
せ、さらに、クリーニングローラの表面に導電性を有す
るブラシ部材を摺擦させる一方、該ブラシ部材には、ク
リーニングローラと同電位にする電圧を印加したり、ク
リーニングローラによって一時的に回収されたトナーと
同極性の電圧を印加することを提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クリー
ニングローラが発泡体であるため、その開放された気泡
中に紙粉が絡め取られて保持する能力が高いため、前記
ブラシにより紙粉を気泡から掻き取り難くなり、クリー
ニングローラ内に紙粉が蓄積され、当該クリーニングロ
ーラの紙粉除去能力が低下する。また、前記ブラシでク
リーニングローラの表面の気泡部分を擦った時に、紙
粉、特にパルプ繊維が毛羽立った状態でクリーニングロ
ーラの表面に付着したままとなるので、これにより、感
光体ドラムの表面に筋状のトナー抜け部が発生したり、
紙粉が感光体ドラムの表面に再度付着してしまうという
問題もあった。さらに、前記ブラシ部材は植設の密度が
荒いため、クリーニングローラの回転周面全体に一様に
ブラシの先端が当接できず、紙粉除去の効率が悪いとい
う問題もあった。
【0008】本発明は、前記従来の問題点を改良すべく
なされたものであり、紙粉除去性能を高くできるクリー
ナ装置、及びこの装置を備えて高い印字品質を保持でき
るプロセスユニットを提供することを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明のクリーナ装置は、画像形成
装置における像担持体上の移動方向のうち転写手段より
下流側で像担持体に接触するローラ手段と、該ローラ手
段に接触する摺擦部材とからなるクリーナ装置におい
て、前記ローラ手段は、表面が多孔性を有しない導電性
弾性体もしくは、表面が多孔性を有しない導電性の発泡
体にて構成し、該ローラ手段の回転周面に対して前記摺
擦部材を押圧付勢したものである。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のクリーナ装置において、前記ローラ手段には、
像担持体との間で、トナーに像担持体方向の力が働く電
界であり、像担持体上の紙粉にローラ手段方向の力が働
く電界を形成するためのバイアスを印加することを特徴
とするものである。
【0011】そして、請求項3に記載の発明は、請求項
2に記載のクリーナ装置において、前記転写手段には、
前記像担持体上のトナーに、当該像担持体と転写手段と
の間の用紙に向かう力が働く電界を形成するためのバイ
アスが印加され、ローラ手段は、前記像担持体の表面の
移動方向において、転写手段の下流であって、前記現像
手段の上流に配置されていることを特徴とするものであ
る。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項2または
3に記載のクリーナ装置において、前記バイアス印加の
電圧はローラ手段と像担持体との間に放電が発生しない
程度に設定したものである。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4のいずれかに記載のクリーナ装置において、前記
摺接手段は、繊維部材を不織布、織物、編み物等のシー
ト状に形成したものにて構成したものである。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項5のいずれかに記載のクリーナ装置において、像担
持体は感光体であり、該感光体とローラ手段との間に相
対的速度差を有するように設定したものである。
【0015】さらに、請求項7に記載の発明の画像形成
装置用のプロセスユニットは、前記請求項1乃至請求項
6のいずれかに記載のクリーナ装置を備えたことを特徴
とするものである。
【0016】請求項8に記載の発明の画像形成装置は、
前記請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のクリーナ
装置又はプロセスユニットを備えたことを特徴とするも
のである。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の画像形成装置と
してのレーザプリンタの一実施形態を示す概略側断面
図、図2は画像形成部(プロセスユニット)の要部拡大
側断面図、図3はプロセスユニットの電源構成を示すブ
ロック図である。図1において、レーザプリンタ1は、
本体ケーシング2内に、記録媒体としての用紙3を給紙
するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3に所定の
画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
【0018】フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底
部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレ
イ6内に設けられた用紙押圧板7と、給紙トレイ6の一
端側端部の上方に設けられる給紙ローラ8および給紙パ
ット9と、給紙ローラ8に対し用紙3の搬送方向の下流
側に設けられる紙粉取りローラ10、搬送ローラ11
と、搬送ローラ11に対し用紙3の搬送方向の下流側に
設けられるレジストローラ12とを備えている。
【0019】用紙押圧板7は、用紙3を積層状にスタッ
ク可能とされ、給紙ローラ8に対して遠い方の端部にお
いて揺動可能に支持されることによって、近い方の端部
が上下方向に移動可能とされており、また、その裏側か
ら図示しないばねによって上方向に付勢されている。そ
のため、用紙押圧板7は、用紙3の積層量が増えるに従
って、給紙ローラ8に対して遠い方の端部を支点とし
て、ばねの付勢力に抗して下向きに揺動される。給紙ロ
ーラ8および給紙パット9は、互いに対向状に配設さ
れ、給紙パット9の裏側に配設されるばね13によっ
て、給紙パット9が給紙ローラ8に向かって押圧されて
いる。用紙押圧板7上の最上位にある用紙3は、用紙押
圧板7の裏側から図示しないばねによって給紙ローラ8
に向かって押圧され、その給紙ローラ8の回転によって
給紙ローラ8と給紙パット9とで挟まれた後、1枚毎に
給紙される。給紙された用紙3は、紙粉取りローラ10
にて紙粉がある程度取り除かれた後、搬送ローラ11に
よって、レジストローラ12に送られる。レジストロー
ラ12は、1対のローラから構成されており、用紙3を
所定のレジスト後に、画像形成部5に送るようにしてい
る。
【0020】なお、このフィーダ部4は、さらに、マル
チパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上
に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス側
給紙ローラ15およびマルチパーパス側給紙パット25
とを備えており、マルチパーパス側給紙ローラ15およ
びマルチパーパス側給紙パット25は、互いに対向状に
配設され、マルチパーパス側給紙パット25の裏側に配
設されるばねによって、マルチパーパス側給紙パット2
5がマルチパーパス側給紙ローラ15に向かって押圧さ
れている。マルチパーパストレイ14上に積層される用
紙3は、マルチパーパス側給紙ローラ15の回転によっ
てマルチパーパス側給紙ローラ15とマルチパーパス側
給紙パット25とで挟まれた後、1枚毎に給紙されて前
記レジストローラ12に送られる。
【0021】画像形成部5は、スキャナユニット16、
プロセスユニット17、定着部18などを備えている。
【0022】スキャナユニット16は、本体ケーシング
2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず。)、
回転駆動されるポリゴンミラー19、レンズ20及び2
2、反射鏡21などを備えており、レーザ発光部から発
光される所定の画像データに基づくレーザビームを、鎖
線で示すように、ポリゴンミラー19、レンズ20、反
射鏡21、レンズ22の順に通過あるいは反射させて、
後述するプロセスユニット17における像担持体の一例
としての感光体ドラム27の表面上に高速走査にて照射
させている。
【0023】プロセスユニット17は、スキャナユニッ
ト16の下方に配設され、図2に示すように、本体ケー
シング2に対して着脱自在に装着されるドラムケース2
6内に、感光体ドラム27、現像カートリッジ28、ス
コロトロン型帯電器29、転写手段としての転写ローラ
30、後に詳述するクリーナ装置50としての紙粉除去
ローラ51及び摺擦部材53等を備えている。
【0024】現像カートリッジ28は、ドラムケース2
6に対して着脱自在に装着されており、現像剤担持体と
しての現像ローラ31、層厚規制ブレード32、供給ロ
ーラ33およびトナーボックス34などを備えている。
【0025】トナーボックス34内には、現像剤とし
て、正帯電性の非磁性1成分のトナーが充填されてい
る。このトナーとしては、重合性単量体、たとえば、ス
チレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキ
ル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C
4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁
重合などの公知の重合方法によって共重合させることに
より得られる重合トナーが使用されている。このような
重合トナーは、球状をなし、流動性が極めて良好であ
る。なお、このようなトナーには、カーボンブラックな
どの着色剤やワックスなどが配合されるとともに、流動
性を向上させるために、シリカなどの外添剤が添加され
ている。その粒子径は、約6〜10μm程度である。
【0026】そして、トナーボックス34内のトナー
は、トナーボックス34の中心に設けられる回転軸35
に支持されるアジテータ36の矢印方向(図2で反時計
方向)への回転により、攪拌されて、トナーボックス3
4の側部に開口されたトナー供給口37から放出され
る。なお、トナーボックス34の側壁には、トナーの残
量検知用の窓38が設けられており、回転軸35に支持
されたクリーナ39によって清掃される。
【0027】トナー供給口37の側方位置には、供給ロ
ーラ33が矢印方向(図2で時計方向)に回転可能に配
設されており、また、この供給ローラ33に対向して、
現像ローラ31が矢印方向(図2で時計方向)に回転可
能に配設されている。そして、これら供給ローラ33と
現像ローラ31とは、そのそれぞれがある程度圧縮する
ような状態で互いに当接されている。
【0028】供給ローラ33は、金属製のローラ軸に、
導電性の発泡材料からなるローラが被覆されている。ま
た、現像ローラ31は、金属製のローラ軸に、導電性の
ゴム材料からなるローラが被覆されている。より具体的
には、現像ローラ31のローラ部分は、カーボン微粒子
などを含む導電性のウレタンゴムまたはシリコーンゴム
からなるローラ本体の表面に、フッ素が含有されている
ウレタンゴムまたはシリコーンゴムのコート層が被覆さ
れている。なお、現像ローラ31には、図示しない現像
バイアス印加電源から現像バイアスが印加される。
【0029】また、現像ローラ31の近傍には、層厚規
制ブレード32が配設されている。この層厚規制ブレー
ド32は、金属の板ばね材からなるブレード本体の先端
部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の
押圧部40を備えており、現像ローラ31の近くにおい
て現像カートリッジ28に支持されて、押圧部40がブ
レード本体の弾性力によって現像ローラ31上に圧接さ
れるように構成されている。
【0030】そして、トナー供給口37から放出される
トナーは、供給ローラ33の回転により、現像ローラ3
1に供給され、この時、供給ローラ33と現像ローラ3
1との間で正極性に摩擦帯電され、さらに、現像ローラ
31上に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に
伴って、層厚規制ブレード32の押圧部と現像ローラ3
1との間に進入し、ここでさらに十分に摩擦帯電され
て、一定厚さの薄層として現像ローラ31上に担持され
る。
【0031】感光体の一例としての感光体ドラム27
は、現像ローラ31の側方位置において、その現像ロー
ラ31と対向するような状態で矢印方向(図2で反時計
方向)に回転可能に配設されている。この感光体ドラム
27は、ドラム本体が接地されるとともに、その表面部
分(感光層)は、例えば、α−Si:H等のアモルファスシ
リコン系、CdSの硫化カドミウム系、ZnO等の参加
亜鉛系、AsSe3等のセレン系の材料、もしくは有
機系感光体材料、例えば、ポリカーボネートなどから構
成される正帯電性の感光層により形成されている。な
お、この感光体ドラム27は、図示しないメインモータ
からの動力によって回転駆動されるように構成されてい
る。
【0032】帯電手段としてのスコロトロン型帯電器2
9は、感光体ドラム27の上方に、感光体ドラム27に
接触しないように、所定の間隔を隔てて配設されてい
る。スコロトロン型帯電器29は、タングステンなどの
帯電用ワイヤ(後述する放電ワイヤ53)からコロナ放
電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電器であ
り、感光体ドラム27の表面を一様に正極性に帯電させ
るように構成されている。また、このスコロトロン型帯
電器29は、帯電電源によりオン・オフされる。
【0033】そして、感光体ドラム27の表面は、その
感光体ドラム27の回転に伴なって、まず、スコロトロ
ン型帯電器29により一様に正帯電された後、スキャナ
ユニット16からのレーザービームの高速走査により露
光され、所定の画像データに基づく静電潜像が形成され
る。
【0034】次いで、現像ローラ31の回転により、現
像ローラ31上に担持されかつ正帯電されているトナー
が、感光体ドラム27に対向して接触する時に、感光体
ドラム27の表面上に形成される静電潜像、すなわち、
一様に正帯電されている感光体ドラム27の表面のう
ち、レーザービームによって露光され電位が下がってい
る露光部分に供給され、選択的に担持されることによっ
て可視像化され、これによって反転現像が達成される。
【0035】転写ローラ30は、感光体ドラム27の下
方において、この感光体ドラム27に対向するように配
置され、ドラムケース26に矢印方向(時計方向)に回
転可能に支持されている。この転写ローラ30は、金属
製のローラ軸に、イオン導電性のゴム材料からなるロー
ラが被覆されており、転写時には、転写バイアス印加電
源58から転写バイアス(転写順バイアス、感光体ドラ
ム27上のトナーに転写ローラ30方向の力が働く電界
を形成するバイアス)が印加されるように構成されてい
る。そのため、感光体ドラム27の表面上に担持された
可視像は、用紙3が感光体ドラム27と転写ローラ30
との間を通る間に用紙3に転写される。
【0036】定着部18は、図1に示すように、プロセ
スユニット17の側方下流側に配設され、加熱ローラ4
1、加熱ローラ41を押圧する押圧ローラ42、およ
び、これら加熱ローラ41および押圧ローラ42の下流
側に設けられる1対の搬送ローラ43を備えている。加
熱ローラ41は、金属製で加熱のためのハロゲンランプ
を備えており、プロセスユニット17において用紙3上
に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ41と押圧
ローラ42との間を通過する間に熱定着させ、その後、
その用紙3を搬送ローラ43によって、排紙パス44に
搬送するようにしている。排紙パス44に送られた用紙
3は、排紙ローラ45に送られて、その排紙ローラ45
によって排紙トレイ46上に排紙される。
【0037】このレーザプリンタ1では、転写ローラ3
0によって用紙3に転写された後に感光体ドラム27の
表面上に残存する残存トナーを、現像ローラ31によっ
て回収する、いわゆるクリーナレス方式によって残存ト
ナーを回収するようにしている。このようなクリーナレ
ス方式によって感光体ドラム27の表面上の残存トナー
を回収すれば、ブレードなどのクリーナ装置や廃トナー
の貯留手段を設ける必要がないため、装置構成の簡略
化、小型化およびコストの低減化を図ることができる。
【0038】さらに、このようなクリーナレス方式での
紙粉除去のためのクリーナ装置として、プリンタ1で
は、プロセスユニット17のドラムケース26内に、図
2及び図3に示すように、ローラ手段としての紙粉除去
ローラ51と、これに摺擦する摺擦部材53等が設けら
れている。以下に、このクリーナ装置の構成について詳
述する。
【0039】紙粉除去ローラ51は、金属製のローラ軸
に、導電性のゴム材料等の柔らかい弾性体、例えば内部
に多孔性を有するが表面(回転周面)には気泡が開放さ
れていない(多孔性を有しない)、滑らかな表面状態の
ローラが被覆されている。より具体的には、紙粉除去ロ
ーラ51のローラ部分は、導電性のシリコーンゴム、ウ
レタンゴム、EPDM等の発泡ゴム材料または発泡を有
しないゴム材料から形成されている。ゴム材料の硬度は
asker-Cで35度程度である。このように、弾性材料
(ゴム材料)を使用することにより、像担持体である感
光体ドラム27の周面に一定程度の幅のニップ領域を形
成するように押圧できる。
【0040】紙粉除去ローラ51は、感光体ドラム27
の側方位置、より具体的には、感光体ドラム27の回転
方向における転写ローラ30より下流側であって、か
つ、スコロトロン型帯電器29の上流側において、感光
体ドラム27と接触するように、ドラムケース26内に
おいて矢印方向(図2の時計方向)に回転可能に支持さ
れている。換言すると、感光体ドラム27と紙粉除去ロ
ーラ51との摺接箇所において、同一方向に回転する。
そして、感光体ドラム27と紙粉除去ローラ51とに一
定程度の周速比率を持たせることにより、感光体ドラム
27に紙粉除去ローラ51を摺擦したとき、感光体ドラ
ム27の表面層を薄く機械的に研削できることにより、
感光体ドラム27の表面(感光層)のフィルミング(ト
ナーに含まれる樹脂、オイル成分等による薄膜が感光体
ドラム27の表面に形成された状態のもの)を研削する
効果を持たせるものである。具体的には、感光体ドラム
27の周速に対して紙粉除去ローラ51の周速を略1.
5倍程度に速くなるように設定する。
【0041】さらに、この紙粉除去ローラ51の周面に
付着した紙粉を除去するための摺擦手段としての摺擦部
材53を、紙粉除去ローラ51の周面の一側にその軸線
と略平行状に配置し、付勢手段52の付勢力により摺擦
部材53を紙粉除去ローラ51の周面一側に押圧付勢す
る。摺擦部材53は不織布、織物、編み物等の繊維性部
材をシート状に形成したものからなり、この繊維性部材
により、紙粉除去ローラ51における滑らかな表面に静
電気のみで付着している紙粉を効果的にからめ捕り、紙
粉除去ローラ51の表面に戻さないようにすることがで
きるように構成されている。なお、付勢手段52はスポ
ンジもしくはゴム等の弾性材料であっても良いし、ばね
手段であっても良い。
【0042】図3は、このレーザプリンタ1のプロセス
ユニット17の電源構成を示すブロック図である。図2
及び図3において、このレーザプリンタ1のプロセスユ
ニット17には、上記したように、スコロトロン型帯電
器29、現像ローラ31、転写ローラ30および紙粉除
去ローラ51が、感光体ドラム27の周りにおいて、そ
の感光体ドラム27の回転方向に従って順次配置されて
いる。
【0043】そして、このレーザプリンタ1において
は、帯電電源56、現像バイアス印加電源57、転写バ
イアス印加電源58、クリーニングバイアス印加電源5
5、制御手段としての制御回路54が設けられており、
これら帯電電源56、現像バイアス印加電源57、転写
バイアス印加電源58、クリーニングバイアス印加電源
55が制御回路54に接続され、制御回路54によって
各電源が制御されるように構成されている。
【0044】すなわち、帯電電源56は、スコロトロン
型帯電器29に接続されており、制御回路54の制御に
よって、帯電電源56がスコロトロン型帯電器29に対
してオン・オフされるように構成されている。なお、こ
のレーザプリンタ1においては、帯電電源56のオンに
より、スコロトロン型帯電器29がオンされると、それ
に対向する感光体ドラム27の表面電位が、約900V
に帯電されるように設定されている。
【0045】現像バイアス印加電源57は、現像ローラ
31のローラ軸に接続されており、制御回路54の制御
によって、現像バイアス印加電源57から現像ローラ3
1に印加される現像バイアスが、オン・オフされるよう
に構成されている。
【0046】転写バイアス印加電源58は、転写ローラ
30のローラ軸に接続されており、制御回路54の制御
によって、転写バイアス印加電源58から転写ローラ3
0に印加される転写バイアスが、第1バイアスとしての
転写順バイアスと、第2バイアスとしての転写逆バイア
スとに選択的に切り替えられるように構成されている。
より具体的には、この転写バイアス印加電源58は、選
択切替手段としての切替スイッチ60と、第1バイアス
印加手段としての定電流電源61と、第2バイアス印加
手段としての定電圧電源62とを備えている。切替スイ
ッチ60は、転写ローラ30のローラ軸に接続されると
ともに、その切替スイッチ60に、定電流電源61およ
び定電圧電源62が選択的に接続されている。そして、
制御回路54の制御によって、切替スイッチ60が、転
写ローラ30に接続される電源を、定電流電源61と定
電圧電源62とに選択的に切り替えることによって、転
写ローラ30に印加される転写バイアスが、定電流電源
61からの転写順バイアスと、定電圧電源62からの転
写逆バイアスとに選択的に切り替えられるように構成さ
れている。
【0047】転写順バイアスは、定電流電源61の定電
流制御によって印加され、転写ローラ30の表面電位
が、その転写ローラ30に対向接触する直前の感光体ド
ラム27の表面電位よりも低くなるように設定されてい
る。そのため、転写ローラ30に転写順バイアスを印加
すれば、感光体ドラム27と転写ローラ30との間を通
過する用紙3に、感光体ドラム27に形成されている可
視像を良好に転写することができる。また、この転写順
バイアスは、より具体的には、−12μAの定電流で設
定されている。これによって、たとえば、転写ローラ3
0に対向接触する直前の感光体ドラム27の表面電位
が、スコロトロン型帯電器29からの帯電によって約9
00Vに設定されている場合には、転写順バイアスが印
加されている転写ローラ30と対向接触した後において
は、その感光体ドラム27の表面電位、すなわち、第1
表面電位が、約200〜400Vとされる。
【0048】このように、正帯電トナーを用いた場合、
転写ローラ30は負極性のバイアスが印加され、転写ロ
ーラ30と対向した感光体ドラム27は正極性となって
いるので、用紙3上に存在する正極性の紙粉と負極性の
紙粉とのうち、負極性の紙粉が感光体ドラム27に付着
する。
【0049】また、転写逆バイアスは、定電圧電源62
の定電圧制御によって印加され、転写ローラ30の表面
電位が、その転写ローラ30に対向接触する直前の感光
体ドラム27の表面電位よりも高くなるように設定され
ている。そのため、転写ローラ30に転写逆バイアスを
印加すれば、画像形成動作中において転写ローラ30に
付着したトナーを、感光体ドラム27上に電気的に吐出
させることができる。また、この転写逆バイアスは、よ
り具体的には、+1.6kVの定電圧で設定されてい
る。これによって、たとえば、転写ローラ30に対向接
触する直前の感光体ドラム27の表面電位が、スコロト
ロン型帯電器29からの帯電によって約900Vに設定
されている場合には、転写逆バイアスが印加されている
転写ローラ30と対向接触した後においては、その感光
体ドラム27の表面電位、すなわち、第2表面電位が、
約+900Vとされる。
【0050】他方、紙粉除去ローラ51には、クリーニ
ングバイアス印加電源55から、所定の正バイアスが印
加されるように構成されており、正極性のトナーに、紙
粉除去ローラ51から感光体ドラム27の方向に向かう
力が常時働くような電界を形成するようなバイアスであ
り、そのバイアスにより負極性の紙粉のみが紙粉除去ロ
ーラ51に吸引される。その場合、紙粉除去ローラ51
と感光体ドラム27との間で放電現象が発生しないよう
な電位差とすべきである。具体的には、感光体ドラム2
7の第1表面電位約+200〜400Vよりも高い+7
00V程度の電圧を印加する。
【0051】前記放電現象が発生すると、負極性の紙粉
が正極性となったり、正極性のトナーが負極性になる等
して、紙粉除去ローラ51の紙粉除去能力が悪化するか
らである。
【0052】なお、転写逆バイアスは印字していない時
に印加されるので、この転写逆バイアス印加時には、感
光体ドラム27上の紙粉は紙粉除去ローラ51に取り除
かれ、さらに、紙粉除去ローラ51上の紙粉は摺擦部材
53によって取り除かれているため、転写逆バイアスが
印加されて、感光体ドラム27が約+900Vであって
も、紙粉除去ローラ51から感光体ドラム27に紙粉が
逆戻りすることはない。
【0053】また、転写逆バイアスが印加されて、感光
体ドラム27の表面電位が第2表面電位(約+900
V)となっている領域が紙粉除去ローラ51に接してい
る間は、紙粉除去ローラ51には+900V〜+100
0Vのバイアスに切替えられ(切替え手段は図示せ
ず)、転写ローラ30から吐出された感光体ドラム27
上のトナーは、紙粉除去ローラ51に吸引されることは
ない。
【0054】上記のようなバイアスが印加されている
と、導電性材料で、且つ表面が滑らかな(表面が多孔性
でない)紙粉除去ローラ51の表面には負極性の紙粉が
電界の力にて吸引されるが、該ローラの内部には紙粉が
潜りこまず、その表面の紙粉は、繊維材料製の摺擦部材
52にて全てからめ捕られるから、紙粉除去ローラ51
から感光体ドラム27の表面に戻ることがなく、紙粉除
去の性能、効率が長期間にわたって低下しないという効
果を奏するのである。
【0055】本発明では、像担持体は、前記の感光体ド
ラム27ばかりでなく、ベルト状であっても良い。ま
た、カラー画像形成のための像担持体(中間担持ロー
ラ)に対して前記紙粉除去ローラ51を摺擦するように
配置しても良い。
【0056】なお、本実施形態では、正帯電トナーを用
いたが、負帯電トナーを用いても良く、この場合、帯電
手段、現像手段、転写手段、紙粉除去ローラ51に印加
する電圧の極性を逆にすれば良い。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に記載の発
明のクリーナ装置は、画像形成装置における像担持体上
の移動方向のうち転写手段より下流側で像担持体に接触
するローラ手段と、該ローラ手段に接触する摺擦部材と
からなるクリーナ装置において、前記ローラ手段は、表
面が多孔性を有しない導電性弾性体もしくは、表面が多
孔性を有しない導電性の発泡体にて構成し、該ローラ手
段の回転周面に対して前記摺擦部材を押圧付勢したもの
である。このように、ローラ手段の回転周面は滑らかで
開放状の気泡が存在しないから、像担持体からローラ手
段に移行した紙粉がローラ手段の内径側に潜り込むこと
がなく、摺擦部材により簡単に除去でき、ローラ手段の
紙粉除去能力が長期間にわたって維持でき、また、ロー
ラ手段から像担持体に紙粉が戻ってしまうことがないの
で、印字性能が悪化しないという効果を奏する。
【0058】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のクリーナ装置において、前記ローラ手段には、
像担持体との間で、トナーに像担持体方向の力が働く電
界であり、像担持体上の紙粉にローラ手段方向の力が働
く電界を形成するためのバイアスを印加することを特徴
とするものであるから、紙粉を電界の力だけでローラ手
段に引きつけて移行させるので、トナーを像担持体側に
残したまま、紙粉のみをローラ手段へ効果的に移行させ
ることができるという効果を奏する。
【0059】そして、請求項3に記載の発明は、請求項
2に記載のクリーナ装置において、前記転写手段には、
前記像担持体上のトナーに、当該像担持体と転写手段と
の間の用紙に向かう力が働く電界を形成するためのバイ
アスが印加され、ローラ手段は、前記像担持体の表面の
移動方向において、転写手段の下流であって、前記現像
手段の上流に配置されていることを特徴とするものであ
る。
【0060】従って、トナーと逆極性の紙粉を、請求項
2に記載のバイアスで像担持体から取り除くことができ
るので、現像を良好に行うことができる。
【0061】請求項4に記載の発明は、請求項2または
3に記載のクリーナ装置において、前記バイアス印加の
電圧はローラ手段と像担持体との間に放電が発生しない
程度に設定したものである。放電現象が発生すると、負
極性の紙粉が正極性となったり、正極性のトナーが負極
性になる等して、紙粉除去のためのローラ手段の紙粉除
去能力が悪化するからである。
【0062】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項4のいずれかに記載のクリーナ装置において、前記
摺接手段は、繊維部材を不織布、織物、編み物等のシー
ト状に形成したものにて構成したものであるから、ロー
ラ手段の滑らかな表面に付着している紙粉を摺擦部材の
繊維部材により効果的にからめ捕り、且つ保持できて、
紙粉をローラ手段側に戻すことがなく、紙粉除去作用を
長期間持続できるという効果を奏する。
【0063】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項5のいずれかに記載のクリーナ装置において、像担
持体は感光体であり、該感光体とローラ手段との間に相
対的速度差を有するように設定したことにより、ローラ
手段により感光体の表面のフィルミングを無くするよう
に研削できてき印字性能を長期間良好に維持できるとい
う効果を奏する。
【0064】さらに、請求項7に記載の発明の画像形成
装置用のプロセスユニットは、前記請求項1乃至請求項
6のいずれかに記載のクリーナ装置を備えたことを特徴
とするものであるから、紙粉除去能力が長期間維持で
き、印字性能が劣化しないプロセスユニットを需要者に
提供できるという効果を奏する。
【0065】請求項8に記載の発明の画像形成装置は、
前記請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のクリーナ
装置又はプロセスユニットを備えたことを特徴とするも
のであるから、紙粉除去能力が長期間維持でき、印字性
能が劣化しない画像形成装置を提供できるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置としての、レーザプリン
タの一実施形態を示す概略側断面図である。
【図2】図1に示すレーザプリンタのプロセスユニット
を示す要部側断面図である。
【図3】プロセスユニットの電源及び制御装置を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】 1 レーザプリンタ 3 用紙 17 プロセスユニット 27 感光体ドラム 29 スコロトロン型帯電器 30 転写ローラ 31 現像ローラ 51 紙粉除去ローラ 52 押圧手段 53 摺擦部材 54 制御手段としての制御回路 55 クリーニングバイアス印加電源 56 帯電電源 57 現像バイアス印加電源 58 転写バイアス印加電源

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成装置における像担持体上の移動
    方向のうち転写手段より下流側で像担持体に接触するロ
    ーラ手段と、該ローラ手段に接触する摺擦部材とからな
    るクリーナ装置において、 前記ローラ手段は、表面が多孔性を有しない導電性弾性
    体もしくは、表面が多孔性を有しない導電性の発泡体に
    て構成し、該ローラ手段の回転周面に対して前記摺擦部
    材を押圧付勢したことを特徴とするクリーナ装置。
  2. 【請求項2】 前記ローラ手段には、像担持体との間
    で、トナーに像担持体方向の力が働く電界であり、像担
    持体上の紙粉にローラ手段方向の力が働く電界を形成す
    るためのバイアスを印加することを特徴とする請求項1
    に記載のクリーナ装置。
  3. 【請求項3】 前記転写手段には、前記像担持体上のト
    ナーに、当該像担持体と転写手段との間の用紙に向かう
    力が働く電界を形成するためのバイアスが印加され、ロ
    ーラ手段は、前記像担持体の表面の移動方向において、
    転写手段の下流であって、前記現像手段の上流に配置さ
    れていることを特徴とする請求項2に記載のクリーナ装
    置。
  4. 【請求項4】 前記バイアス印加の電圧はローラ手段と
    像担持体との間に放電が発生しない程度に設定したこと
    を特徴とする請求項2または3に記載のクリーナ装置。
  5. 【請求項5】 前記摺接手段は、繊維部材を不織布、織
    物、編み物等のシート状に形成したものにて構成されて
    いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
    のクリーナ装置。
  6. 【請求項6】 像担持体は感光体であり、該感光体とロ
    ーラ手段との間に相対的速度差を有するように設定した
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のク
    リーナ装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項1乃至請求項6のいずれかに
    記載のクリーナ装置を備えたことを特徴とする画像形成
    装置用のプロセスユニット。
  8. 【請求項8】 前記請求項1乃至請求項7のいずれかに
    記載のクリーナ装置及びプロセスユニットを備えたこと
    を特徴とする画像形成装置
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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