JP2003066669A - 導電性ブラシ - Google Patents

導電性ブラシ

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JP2003066669A
JP2003066669A JP2001256506A JP2001256506A JP2003066669A JP 2003066669 A JP2003066669 A JP 2003066669A JP 2001256506 A JP2001256506 A JP 2001256506A JP 2001256506 A JP2001256506 A JP 2001256506A JP 2003066669 A JP2003066669 A JP 2003066669A
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conductive
yarn
brush
thread
parts
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JP2001256506A
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English (en)
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Yasuyuki Ohara
康之 大原
Keisuke Yokohama
敬祐 横濱
Hidetaka Yamauchi
秀隆 山内
Toyohiro Kanzaki
豊裕 神崎
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Tsuchiya TSCO Co Ltd
Original Assignee
Tsuchiya TSCO Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用環境に影響されることなく、適度に高い
電気抵抗値を安定して維持することができる導電性ブラ
シを提供する。 【解決手段】 導電性ブラシを構成する導電性糸32
は、内部に配設された導電部38と、導電部38の周囲
を被覆する非導電部39とを備えている。各導電部38
は、断面略楕円形状をなし、それぞれの基端部が導電性
糸32の断面の中心で一体化されるとともに、それぞれ
の先端が等間隔おきで互いに異なる方向に延びることに
より、放射状をなすように配設されている。各導電部3
8の先端部には非導電部39による被覆が薄く、導電性
糸32の表面に接近する接近部38aがそれぞれ設けら
れている。接近部38aにおいては、他箇所と比較して
導電性糸32の表面から導電部38へ電気が流れやすく
なっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、画像形成装置に
おいて、例えば画像転写後の感光ドラム表面を除電する
ために設けられる除電ブラシ、感光ドラム表面を帯電す
るために設けられる帯電ブラシ、感光体上の残留トナー
を除去するために設けられるクリーニングブラシ等の導
電性ブラシに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような導電性ブラシは金属
製の丸棒よりなる支軸に対し、帯状をなすパイル織物を
螺旋状に巻き付けて接着することによって形成されてい
る。このパイル織物はタテ糸及びヨコ糸よりなる基布と
基布にパイル織りされたパイル糸とから構成されてい
る。そして、基布にパイル織りされたパイル糸は隣接す
るパイル糸同士が互いを支え合うように密に織り込まれ
ることで基布上に起毛され、その先端部を感光ドラム等
の相手部材に対して均一に接触させるようになってい
る。
【0003】前記パイル糸は複数本の導電性糸を撚糸加
工することにより形成されている。この導電性糸は化学
繊維よりなり、原糸段階で微粒子状の炭素、金属粉等の
導電性物質が練りこまれることにより導電性を有してい
る。そして、導電性ブラシは、感光ドラム表面に帯電さ
れた静電気をパイル糸に通電させ、放電することによっ
て除電を行うようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
導電性糸によれば、練りこまれた導電性物質が不均一に
混合されたり、糸表面に露出されたり等することによ
り、使用環境の影響で電気抵抗値が変化し、その性能を
安定して発揮することができなくなるおそれがある。例
えば、湿度の高い雰囲気中で導電性ブラシを使用する
と、導電性糸が空気中の水分を吸収し、電気抵抗値が低
くなるおそれがある。このように、電気抵抗値が低くな
ると、例えば切れたり、抜けたり等した導電性糸が画像
形成装置内の他部位に付着し、ショートしたり、パイル
糸に通電された静電気が感光ドラムに逆流したり等する
ことにより、記録用紙上の画像に不具合が生じてしま
う。このため、導電性糸には湿度等に影響されることが
ないように、高い電気抵抗値を有するものを用いること
が好ましい。
【0005】しかし、高い電気抵抗値の導電性糸を用い
る場合、使用環境の影響で電気抵抗値がさらに高くなる
と導電性糸が静電気を迅速に通電することができず、所
望の除電機能を維持することができなかったり、導電性
糸表面に余剰電荷が蓄積してトナーが付着してしまった
り等するおそれがある。その結果、記録用紙上の画像に
不具合が生じるという問題があった。
【0006】この発明は、このような従来技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、使用環境に影響されることなく、適度に高
い電気抵抗値を安定して維持することができる導電性ブ
ラシを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の導電性ブラシの発明は、導電性
糸により得られるベロア材、編物又は静電植毛材より構
成された導電性ブラシであって、前記導電性糸は、内部
に導電部が配設され、その導電部の周囲を非導電部で被
覆した構造を有し、該非導電部による導電部の被覆を薄
くすることにより、導電部には導電性糸の表面に接近す
る接近部を設けるとともに、この接近部から導電性糸の
表面までの距離が0.5〜20μmであることを特徴と
するものである。
【0008】請求項2に記載の導電性ブラシの発明は、
請求項1に記載の発明において、前記導電性糸は、その
表面における比抵抗率が断面における比抵抗率に対し、
10 1〜104倍であることを特徴とするものである。
【0009】請求項3に記載の導電性ブラシの発明は、
請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記接近
部を導電性糸の周方向に沿って等間隔おきに複数箇所設
けることを特徴とするものである。
【0010】請求項4に記載の導電性ブラシの発明は、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明におい
て、前記導電部を放射状をなすように複数複数箇所設け
ることを特徴とするものである。
【0011】請求項5に記載の導電性ブラシの発明は、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明におい
て、前記導電部を導電性糸の断面の中心からそれぞれ異
なる方向へ放射状に延びるように3箇所設けるととも
に、各導電部を導電性糸の周方向に沿ってそれぞれ等間
隔おきに配設することを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を、図
面に基づいて詳細に説明する。図2に示すように、導電
性ブラシとしてのクリーニングブラシ20はアルミニウ
ム、ステンレス鋼等の金属製の丸棒よりなる支持軸21
と、この支持軸21の表面に接合された帯状をなすベロ
ア材としてのパイル織物31とにより構成されている。
そして、支持軸21の表面に接着剤を塗布し、その上に
パイル織物31を螺旋状をなすように巻回して接着する
ことによりクリーニングブラシ20が形成されている。
【0013】図3及び図4(a),(b)に示すよう
に、パイル織物31は、タテ糸34及びヨコ糸35を織
り上げた織布よりなる基布33と、その基布33のヨコ
糸35にU字状に絡ませるようにパイル織りによって織
り込まれたパイル糸36とから構成されている。この基
布33を形成するタテ糸34及びヨコ糸35には耐久
性、柔軟性の高い糸が使用され、このような糸としては
フィラメント糸、紡績糸、綿糸等が挙げられる。この実
施形態ではタテ糸及びヨコ糸35には柔軟性が高く、嵩
高い紡績糸が使用されている。前記パイル糸36は、複
数本の導電性糸32を撚糸加工することにより形成され
ており、その上端で各導電性糸32が拡がることによっ
て基布33上で起毛されている。また、基布33の裏面
には合成樹脂製のコーティング層37が形成され、この
コーティング層37によりパイル糸36の根元と基布3
3が接合されている。
【0014】図1に示すように、前記導電性糸32は、
内部に配設された3つの導電部38と、これら導電部3
8の周囲を被覆する非導電部39とにより、その断面形
状が略円形状をなすように形成されている。各導電部3
8は、それぞれ断面形状が略楕円形状に形成されるとと
もに、その長径が導電性糸32の断面の中心から半径方
向に延びるように配設されている。また、3つの導電部
38は、導電性糸32の断面の中心でそれらの基端部が
一体化されるとともに、それぞれの先端が等間隔おきで
互いに異なる方向に延びることにより、放射状をなすよ
うに配設されている。
【0015】前記の各導電部38の先端部には、非導電
部39による被覆が薄く、導電性糸32の表面に接近す
る接近部38aがそれぞれ設けられている。接近部38
aにおいては、他箇所と比較して導電性糸32の表面か
ら導電部38へ電気が流れやすくなっている。このた
め、導電性糸32の表面は、高い電気抵抗値ではある
が、絶縁性ではなく、導電性を有している。この接近部
38aの先端部から導電性糸32の表面までの距離L
は、0.5〜20μmであり、1〜5μmであることが
好ましい。距離Lが0.5μm未満の場合、例えば高湿
度の雰囲気下で使用する際、水分の影響によって非導電
部39の電気抵抗が低下し、導電性糸32の表面から導
電部38へ電気が流れやすくなる等のように、使用環境
の影響を受けて導電性糸32の電気抵抗値を安定して維
持することができなくなる。また、距離Lが20μmよ
り長い場合、導電性糸32の表面から導電部38へ電気
が流れず、絶縁性となってしまう。
【0016】このような導電性糸32は、導電部38及
び非導電部39に対応する形状をなすノズルを使用した
溶融紡糸法により得られ、その材料には溶融紡糸可能な
合成樹脂を使用することが好ましい。加えて、摺動性が
良好で、耐摩耗性を有し、適度な耐熱性を有する合成樹
脂を使用することがより好ましい。このような合成樹脂
としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレー
ト等のポリエステル樹脂、ナイロン、アラミド樹脂等の
ポリアミド樹脂、ポリアクリロニトリル等のアクリル樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリ
デン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。さらに、前記導
電部38は、前に挙げた合成樹脂に、例えばニッケル等
の金属、酸化亜鉛、酸化錫等の金属化合物、炭素等の微
粒子等のような導電性物質が練り込まれることによって
導電性を有している。この実施形態では、合成樹脂にポ
リエステル樹脂が、導電性物質に安定した導電性を有す
るとともに、低コストな炭素が用いられている。
【0017】溶融紡糸法により前記導電性糸32を得る
際、導電性糸32に対する導電部38の重量比率は、好
ましくは10〜30重量%であり、より好ましくは18
〜22重量%である。重量比率はが10重量%未満の場
合、導電性糸32として所望とする導電性を維持するこ
とができなくなるおそれがあり、30重量%より多くし
た場合、適度な高さの電気抵抗値を維持しにくくなる。
また、導電性糸32の太さは、3〜10デシテックスで
あることが好ましい。太さが3デシテックス未満の場
合、導電性糸32の剛性が低下し、毛切れ等を生じやす
くなり、10デシテックスより太くすると、導電性糸3
2が接触される相手部材を傷付けるおそれがある。
【0018】前記導電性糸32の電気抵抗値を比抵抗率
ρで示すと、導電性糸32の表面における比抵抗率ρ1
は、断面における比抵抗率ρ2に対し、101〜104
であることが好ましく、101〜102倍がより好まし
い。表面における比抵抗率ρ1が断面における比抵抗率
ρ2に対して101倍未満の場合、使用環境の影響で導電
性糸32がその電気抵抗を安定して維持することができ
なくなるおそれがある。また、表面における比抵抗率ρ
1が断面における比抵抗率ρ2に対して104倍より高い
場合、導電性糸32の表面から導電部38へ電気が流れ
ず、除電ムラ等が生じて得られる画像に不具合を生じる
おそれがある。
【0019】前記比抵抗率ρは、単位長さ当たりの電気
抵抗を表す値であり、実際に測定した電気抵抗値から算
出される。この比抵抗率ρの算出方法について以下に説
明する。
【0020】実際に測定した導電性糸32の電気抵抗値
をR、測定した導電性糸32の断面積の総和をS、測定
した導電性糸32の長さをLとすると、導電性糸32の
比抵抗率ρは下記式(1)で示される。
【0021】ρ=(R×S)/L …(1) 但し、上記式(1)において、導電性糸32の断面積の
総和Sは、測定した導電性糸32の総デニールをF、密
度をDとすると、下記式(2)で示される。
【0022】 S=F/(9000×100×D) …(2) 測定時においては、図6(a)に示すように、導電性糸
32の表面に前に挙げたような導電性物質を塗布し、導
通部32aを設けることによって測定された電気抵抗値
Rが表面の電気抵抗値R1とされる。そして、表面の電
気抵抗値R1を上記式(1)に代入して算出された比抵
抗率ρを表面の比抵抗率ρ1としている。同様に、図6
(b)に示すように、導電性糸32の断面に導通部32
aを設け、測定した電気抵抗値Rを断面の電気抵抗値R
2とし、これを上記式(1)に代入して算出された比抵
抗率ρを表面の比抵抗率ρ2としている。
【0023】図5は画像形成装置を概念的に示した図で
ある。画像形成装置内において相手部材としての感光ド
ラム11は支軸11aにより回転可能に支持され、その
周囲にはその上方位置から回転方向に向かって順番に帯
電部12、露光部13、現像部14、転写部15及びク
リーニング部17が配設されている。感光ドラム11は
帯電部12により帯電され、露光部13により静電潜像
が形成された後、現像部14の現像ブラシ14bにより
トナーが供給されて、転写部15で記録用紙16に対し
トナーによる可視像を転写する。
【0024】前記クリーニング部17において、そのハ
ウジング17a内には前記クリーニングブラシ20が感
光ドラム11表面に接触した状態で支持軸21により回
転可能に支持されている。このクリーニングブラシ20
の隣接位置には回収ローラ18がクリーニングブラシ2
0に対して圧触されるように、その回転軸18aにより
回転可能に支持されている。また、回収ローラ18の斜
め下方位置にはクリーニングブレード19がその先端を
回収ローラ18の周面に接触させるように配設されてい
る。
【0025】さて、上記クリーニング過程において、ク
リーニングブラシ20のパイル糸36が感光ドラム11
表面に摺接される。この状態で、感光ドラム11に帯電
された静電気はパイル糸36へと通電された後、このパ
イル糸36から支持軸21へと通電され、迅速に放電さ
れて、除電される。これと同時に、静電気により感光ド
ラム11の表面に付着されていたトナーは、クリーニン
グブラシ20のパイル糸36に電気的吸引作用により掻
き取られ、除去される。この後、クリーニングブラシ2
0のパイル糸36に掻き取られたトナーは、クリーニン
グブラシ20から回収ローラ18の表面に転写された
後、クリーニングブレード19により回収ローラ18の
表面から掻き取られ、ハウジング17a内に回収され
る。つまり、このクリーニングブラシ20は、トナーの
掻き取り機能を備えるとともに、感光ドラム11の除電
機能も兼ね備えており、感光ドラム表面を除電するため
に設けられる除電ブラシとしても機能する。
【0026】上記のようにパイル糸36が感光ドラム1
1表面に摺接されるとき、導電性糸32は、その先端部
が感光ドラム11表面に接触される。このとき、導電性
糸32の内部に設けられた導電部38により、感光ドラ
ム11に帯電された静電気が良好に通電される。この導
電部38は、非導電部39で被覆されることにより、導
電性糸32の表面に露出していない。このため、例えば
高湿度の雰囲気中でクリーニングブラシ20を使用する
場合であっても、導電性糸32に含まれる水分によって
導電部38の電気抵抗値が変化することが抑制される。
【0027】また、導電性糸32の先端部において、そ
の表面に感光ドラム11が接触される場合、使用環境に
より非導電部39の電気抵抗値が変化しても、静電気は
非導電部39を介して接近部38aから導電部38通電
されるため、導電性糸32の全体において電気抵抗値が
大きく変化することが抑制される。さらに、通電された
静電気は、導電部38に通電された後、支持軸21に通
電され、迅速に放電されるため、導電性糸32が帯電さ
れることが抑制され、導電性糸32へのトナーの付着が
防止される。
【0028】前記の実施形態によって発揮される効果に
ついて、以下に記載する。 ・ 実施形態のクリーニングブラシ20によれば、感光
ドラム11に摺接されるパイル糸36は、導電性糸32
を撚糸加工することによって形成されている。この導電
性糸32は、その内部に導電性を有する導電部38が配
設されるとともに、この導電部38を被覆するようにそ
の周囲に非導電性の非導電部39を配設した構造を備え
ており、高い電気抵抗値を有している。さらに、導電部
38には非導電部39による被覆を薄くすることによ
り、導電性糸32の表面に接近する接近部38aが設け
られるとともに、接近部38aから導電性糸32の表面
までの距離を0.5〜20μmとすることにより、導電
性糸32は、高い電気抵抗値を有しながらも良好な導電
性を有している。このため、導電性糸32は、導電部3
8がその表面に露出されていないため、高湿度等のよう
な使用環境においても、これに影響されることなく、適
度に高い電気抵抗値を安定して維持することができる。
【0029】・ また、導電性糸32は、その表面にお
ける比抵抗率が断面における比抵抗率に対し、101
103倍とされている。このため、良好な導電性を有し
つつ、適度に高い電気抵抗値をより安定して維持するこ
とができる。
【0030】・ 前記接近部38aは、導電性糸32の
周方向に沿って等間隔おきに3箇所設けられている。こ
のため、導電性糸32が接触する箇所によって電気抵抗
値が変化することを抑制することができる。
【0031】・ 前記導電部38は、それぞれが放射状
をなすように3箇所に設けられている。このため、電気
抵抗値を低くすることなく、良好な導電性を発揮するこ
とができる。
【0032】・ さらに、前記導電部38を等間隔おき
に配設することにより、適度に高い電気抵抗値を安定し
て維持しつつ、良好な導電性を効果的に発揮することが
できる。
【0033】なお、本実施形態は、次のように変更して
具体化することも可能である。 ・ 前記導電部38は実施形態の形状に限定されず、例
えば図7(a)に示すように、導電部38の断面形状を
略直線状としてもよい。略直線状の他に、例えば三角形
状、四角形状、五角形状、六角形状、七角形状、八角形
状等のような多角形状、曲線状、扇状、半円弧状、4半
円弧状等としてもよい。または、図7(b)に示すよう
に、各導電部38をそれぞれの端部で一体化することな
く、独立して設けてもよい。さらには、前に挙げたよう
な断面形状をなす複数の導電部38を、導電性糸32の
周方向に沿って並ぶように設けてもよい。このとき、複
数の導電部38は、等間隔おきに設けてもよいし、実施
形態のようにそれぞれの端部が導電性糸32の断面の中
心で一体化されるように設けてもよい。あるいは、導電
部38を複数設けずとも、例えば前に挙げたような断面
形状をなす1つの導電部38をその中心が導電性糸32
の断面の中心と同じ位置になるように配設したり、導電
性糸32の断面の中心から外れ、周縁部に偏らせて設け
てもよい。
【0034】・ 導電性ブラシは実施形態で示したクリ
ーニングブラシ20に限らず、感光ドラム11に摺接さ
れる、例えば帯電ブラシ12b、現像ブラシ14b等の
全てに採用したり、又はこれらのうち少なくとも一部を
組み合わせて採用したりしてもよい。このように帯電ブ
ラシ12b、現像ブラシ14bとして構成した場合にお
いても、導電性糸32は、使用環境に影響されることな
く、適度に高い電気抵抗値を安定して維持することがで
きる。
【0035】・ また、導電性ブラシを、上に挙げたよ
うなクリーニングブラシ20、帯電ブラシ12b、現像
ブラシ14b等のような感光ドラム11に摺接されるも
のに限らず、例えば、図8に示すように、別形態の画像
形成装置内において、記録用紙16を転写部15へと移
送するための転写ベルト41に摺接されるクリーニング
ブラシ42に採用してもよい。
【0036】すなわち、転写ベルト41は、一対のロー
ラ43の間に張設されており、前記転写部15は、転写
ベルト41によって囲まれた内側に配設されている。こ
の転写ベルト41よりも下方位置にはクリーナー部40
を構成するハウジング40aが配設されている。ハウジ
ング40a内には、前記クリーニングブラシ42が転写
ベルト41の表面に接触した状態で回転可能に支持され
ている。このクリーニングブラシ42の下方位置には除
去ローラ44がクリーニングブラシ42に対して圧触さ
れるようにして回転可能に支持されている。また、除去
ローラ44の下方位置には除去ブレード45がその先端
を除去ローラ44の周面に接触させるように配設されて
いる。
【0037】そして、クリーニングブラシ42が転写ベ
ルト41表面に摺接されると、転写ベルト41の表面に
付着された紙粉、トナー、埃等が除電されるとともに、
クリーニングブラシ42によって掻き取られる。その
後、紙粉、トナー、埃等は、クリーニングブラシ42の
表面から除去ローラ44及び除去ブレード45を介して
ハウジング40a内に回収される。このように転写ベル
ト41をクリーニングするためのクリーニングブラシ4
2として構成した場合においても、導電性糸32が使用
環境に影響されることなく、適度に高い電気抵抗値を安
定して維持することができ、転写ベルト41に付着した
紙粉、トナー、埃等を良好に除去することができる。
【0038】・ 上記のようなクリーニングブラシ2
0、帯電ブラシ12b、現像ブラシ14b、クリーニン
グブラシ42等の導電性ブラシにおいて、パイル糸36
を導電性糸32と、化学繊維よりなる絶縁性の糸とを混
織して形成してもよい。なお、前記化学繊維よりなる絶
縁性の糸としては、レーヨン繊維、キュプラ繊維等の再
生繊維よりなる糸、ナイロン、アクリル、ポリプロピレ
ン、ポリエステル等の合成繊維よりなる糸等が挙げられ
る。このようにパイル糸36を導電性糸32と絶縁性の
糸を混織して形成した場合には、コストが嵩む導電性糸
32の使用量を低減することにより、製造コストの低減
を図ることができる。
【0039】・ 導電性ブラシは、実施形態のクリーニ
ングブラシ20のようなロール状のものに限定されず、
例えば帯状をなすパイル織物31としたままで導電性ブ
ラシを構成してもよい。
【0040】・ 例えば感光ドラム11のように相手部
材が回転する場合にはパイル糸36の先端部が相手部材
の回転方向へ斜めに延びるように斜毛させてもよい。あ
るいは、相手部材が回転せず、ブラシのみが回転する場
合にはパイル糸36の先端部がブラシの回転方向と逆方
向へ斜めに延びるように斜毛させてもよい。このように
構成した場合、相手部材に対する摺動抵抗を低減しつ
つ、パイル糸36の先端部を均一に接触させることがで
きる。
【0041】・ 例えば、導電性糸32を編み上げて編
布を形成し、この編布を金属製の支持軸に巻き付けてロ
ール状の導電性ブラシとしたり、編布を帯状に裁断し、
この帯状をなす編布より導電性ブラシを構成したり等し
てもよい。
【0042】・ ベロア材はパイル織物31に限定され
ず、例えば導電性糸32を使用して得られる不織布より
なるベロア材としてもよい。 ・ 例えば、織布、編布等の布、フィルム、発泡フォー
ム材等といったシート材の表面に導電性糸32を静電植
毛して得られる静電植毛材で導電性ブラシを構成しても
よい。
【0043】さらに、前記実施形態より把握できる技術
的思想について以下に記載する。 ・ 前記導電性糸に対する導電部の重量比率が10〜3
0重量%であることを特徴とする請求項1から請求項5
のいずれかに記載の導電ブラシ。このように構成した場
合、所望とする導電性を維持しつつ、適度な高さの電気
抵抗値を維持することができる。
【0044】・ 前記導電性糸の太さを、3〜10デシ
テックスの範囲内に設定したことを特徴とする請求項1
から請求項5のいずれかに記載の導電性ブラシ。このよ
うに構成した場合、導電性糸を適度な剛性に保持するこ
とができる。
【0045】・ 前記導電部を炭素を含有する合成樹脂
より形成し、非導電部をポリエステルより形成したこと
を特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の
導電性ブラシ。このように構成した場合、ポリエステル
による良好な摺動性、耐摩耗性、適度な耐熱性を導電性
糸に付与することができる。
【0046】・ 前記導電性糸は複数のノズルから異な
る合成樹脂材料を吐出して溶融紡糸する複合紡糸法によ
り得られたものである請求項1から請求項5のいずれか
に記載の導電性ブラシ。このように構成した場合、内側
の導電部と、その周囲を被覆する非導電部とを有する導
電性糸を容易に製造することができる。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明に
よれば、使用環境に影響されることなく、適度に高い電
気抵抗値を安定して維持することができる。
【0048】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明の効果に加えて、良好な導電性を有しつ
つ、適度に高い電気抵抗値をより安定して維持すること
ができる。
【0049】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、接触箇所に
よって電気抵抗値が変化することを抑制することができ
る。請求項4に記載の発明によれば、請求項1から請求
項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、電気抵抗
値を低くすることなく、良好な導電性を発揮することが
できる。
【0050】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
から請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、
適度に高い電気抵抗値を安定して維持しつつ、良好な導
電性を効果的に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の導電性糸を示す断面図。
【図2】 パイル織物を支持軸に巻き付ける状態を示す
正面図。
【図3】 パイル織物を示す斜視図。
【図4】 (a)は正面から見た状態のパイル織物を示
す断面図、(b)は側面から見た状態のパイル織物を示
す断面図。
【図5】 画像形成装置を示す概念図。
【図6】 (a)は導電性糸の表面の電気抵抗を測定す
る状態を示す概念図、(b)は導電性糸の断面の電気抵
抗を測定する状態を示す概念図。
【図7】 (a)は別形態の導電性糸を示す断面図、
(b)は別形態の導電性糸を示す断面図。
【図8】 別形態の画像形成装置を示す概念図。
【符号の説明】
20…導電性ブラシとしてのクリーニングブラシ、31
…ベロア材としてのパイル織物、32…導電性糸、38
…導電部、38a…接近部、39…非導電部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 501 G03G 15/08 501Z 3B202 21/06 21/00 314 4L041 21/10 340 (72)発明者 山内 秀隆 愛知県知立市牛田町裏新切43番地1 槌屋 ティスコ 株式会社内 (72)発明者 神崎 豊裕 愛知県知立市牛田町裏新切43番地1 槌屋 ティスコ 株式会社内 Fターム(参考) 2H035 AA14 AB02 2H071 BA43 DA06 DA07 DA08 DA13 DA34 2H077 AD05 EA18 FA12 FA16 FA26 FA27 FA29 GA02 2H134 GA01 GA10 GB02 HB01 HB03 HB07 HB12 HB19 HB20 KD04 KD12 KD16 KE01 KE07 KH04 KH15 2H200 FA01 FA09 GA23 GA46 GB01 GB13 HA02 HA12 HA28 HB03 HB12 HB22 HB45 HB46 HB47 JA02 JB06 JB42 LB01 LB08 LB15 LC08 LC10 MA04 MA12 MA13 MA14 MA17 MA20 MB01 MB02 MB03 MB06 MB09 MC11 MC16 MC18 3B202 AA30 AB03 BA03 BC01 EG03 EG05 4L041 BA02 BA05 BA23 BA24 BC09 BD17 BD20 CB02 CB28 DD21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性糸により得られるベロア材、編物
    又は静電植毛材より構成された導電性ブラシであって、 前記導電性糸は、内部に導電部が配設され、その導電部
    の周囲を非導電部で被覆した構造を有し、該非導電部に
    よる導電部の被覆を薄くすることにより、導電部には導
    電性糸の表面に接近する接近部を設けるとともに、この
    接近部から導電性糸の表面までの距離が0.5〜20μ
    mであることを特徴とする導電性ブラシ。
  2. 【請求項2】 前記導電性糸は、その表面における比抵
    抗率が断面における比抵抗率に対し、101〜104倍で
    あることを特徴とする請求項1に記載の導電性ブラシ。
  3. 【請求項3】 前記接近部を導電性糸の周方向に沿って
    等間隔おきに複数箇所設けることを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の導電性ブラシ。
  4. 【請求項4】 前記導電部を放射状をなすように複数箇
    所設けることを特徴とする請求項1から請求項3のいず
    れかに記載の導電性ブラシ。
  5. 【請求項5】 前記導電部を導電性糸の断面の中心から
    それぞれ異なる方向へ放射状に延びるように3箇所設け
    るとともに、各導電部を導電性糸の周方向に沿ってそれ
    ぞれ等間隔おきに配設することを特徴とする請求項1か
    ら請求項4のいずれかに記載の導電性ブラシ。
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