JP2003066427A - 電気光学装置用基板の製造方法、電気光学装置用基板、電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置用基板の製造方法、電気光学装置用基板、電気光学装置及び電子機器

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JP2003066427A
JP2003066427A JP2001261572A JP2001261572A JP2003066427A JP 2003066427 A JP2003066427 A JP 2003066427A JP 2001261572 A JP2001261572 A JP 2001261572A JP 2001261572 A JP2001261572 A JP 2001261572A JP 2003066427 A JP2003066427 A JP 2003066427A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶装置等の電気光学装置を構成する電気光
学装置用基板であって、素子特性及び耐光性に優れたS
OI構造の半導体素子を備えた電気光学装置用基板を製
造し、歩留まりも向上させる。 【解決手段】 基板(10)上に所定パターンを有する
遮光膜(11a)を形成し、この上に第1下地絶縁膜
(12a)を形成し、この上に第2下地絶縁膜(12
b)を形成し、この表面を研磨して平坦化する。その
後、単結晶半導体層(1a)上に形成された貼り合わせ
用絶縁膜(13)の表面を、平坦化された第2下地絶縁
膜の表面に貼り合わせる。そして、この単結晶半導体層
を用いて半導体素子(30)を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、SOI構造を有す
るトランジスタ等の半導体素子を備えた電気光学装置用
基板及びその製造方法、そのような電気光学装置用基板
を備えてなる液晶装置等の電気光学装置、並びに該電気
光学装置を具備してなるプロジェクタ等の電子機器の技
術分野に属する。
【0002】
【背景技術】一般に、電気光学装置用基板及び対向基板
間に液晶等の電気光学物質が挟持されてなるアクティブ
マトリクス駆動方式の液晶装置等の電気光学装置用基板
では、電気光学装置用基板上において、マトリクス状に
配列された複数の画素電極に夫々、画素電極スイッチン
グ用の薄膜トランジスタ(以下適宜、TFT(Thin Fil
m Transistor)と称す)が設けられている。そして各T
FTは、走査信号がそのゲート電極に印加される度に、
オン状態とされ、当該TFTを介して画像信号が画素電
極に書き込まれる。特に、画素スイッチング制御を行う
際に、高性能なトランジスタ特性を有するTFTにより
制御できるように、半導体製造技術におけるSOI(Si
licon On Insulator)構造或いはSOI技術を、この種
の電気光学装置用基板に応用する試みもなされている。
具体的には、基板上に形成したクオーツ、サファイア等
の絶縁体層上に、単結晶半導体層を貼り合わせ等により
形成して、この単結晶半導体層にトランジスタを作り込
む。係るSOI技術を応用すれば、アモルファスシリコ
ンTFTやポリシリコンTFTよりも基本的に高性能の
単結晶シリコンTFTを電気光学装置用基板上に作り込
むことも可能とされている。
【0003】他方、この種の電気光学装置用基板では、T
FTに光が入射すると、光電効果によって光リーク電流
が発生して、そのトランジスタ特性が変化してしまう。
特に、プロジェクタ用途など強力な投射光が入射される
用途では、このような特性変化は顕著である。このため
従来から、電気光学装置用基板において入射光が入射さ
れるTFTの上側において、対向基板上のTFTに対向
する領域に、ブラックマスク或いはブラックマトリクス
(BM)と称される遮光膜を設けることで、TFTに対
する遮光を行っている。或いはTFTの上側における、
電気光学装置用基板上のTFTに対向する領域に、内蔵
遮光膜を形成することで、TFTに対する遮光を行って
いる。
【0004】更に、プロジェクタ用途の如く強力な光を
利用する場合、基板の裏面における反射光や、当該電気光
学装置用基板を含んでなるライトバルブを複数用いた複
板式のプロジェクタにおける他のライトバルブから出射
されて合成光学系を突き抜けてくる光などの戻り光に対
する遮光を行う必要もある。このため、電気光学装置用
基板におけるTFTの下側にも、遮光膜(以下適宜、下
側遮光膜と称する)を作り込む技術が開発されている。
この際特に、例えば高融点金属等からなる下側遮光膜
は、TFTを形成する工程中における不純物の発生源と
なる。従って、下側遮光膜上に絶縁膜(以下適宜、下地絶
縁膜と称する)を形成してから、その上に、高温プロセス
等によりTFTを形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如きSOI構造を採用しつつ下側遮光膜を作り込む場
合、以下の問題点がある。
【0006】即ち、単結晶半導体層を基板に貼り合わせ
るためには、基板上における貼り合わせ面を、例えばC
MP処理等を用いて研磨して、平坦化しておく必要があ
る。従ってSOI構造を採用しつつ下側遮光膜を作り込
む場合には、下側遮光膜上に形成される下地絶縁膜の表
面を、このように平坦化することが必要となる。しかる
に、下地絶縁膜の表面を、CMP処理等により研磨した
場合、多かれ少なかれ、下地絶縁膜に対して、応力或いは
摩擦力が発生する。この結果、下地絶縁膜には、当該下
地絶縁膜の表面から、その下に積層されている下側遮光
膜に至るクラック、ボイド、ピンホール等が発生するこ
とになる。そして、このような下側遮光膜に至るクラッ
ク等が発生していると、その後、平坦化された表面上に
貼り合わせた単結晶半導体層を用いてTFTを形成する
工程中に、クラック等を介して下側遮光膜から不純物が
飛散或いは流出して、製造装置のチャンバー内を汚染す
る。更に、パターニングされる単結晶半導体層、その上
に形成されるゲート絶縁膜等のTFTの各構成要素を汚
染する。この結果、トランジスタ特性及び耐光性を高め
るべくSOI構造を採用しつつ下側遮光膜を作り込むよ
うに製造しているにも拘わらず、実際には、下側遮光膜か
らの汚染によって高品質の半導体素子を形成するのが非
常に困難となり、歩留まりも低下してしまうという問題
点がある。
【0007】本発明は上述した問題点に鑑みなされたも
のであり、素子特性及び耐光性に優れたSOI構造の半
導体素子を備えた電気光学装置用基板を製造可能であ
り、歩留まりにも優れた電気光学装置用基板の製造方
法、素子特性及び耐光性に優れた半導体素子を備えた電
気光学装置用基板、このような電気光学装置用基板を備
えた電気光学装置、並びに該電気光学装置を具備してな
る電子機器を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の電気光学装置用
基板の製造方法は上記課題を解決するために、SOI構
造を有する半導体素子を備えてなる電気光学装置用基板
を製造する電気光学装置用基板の製造方法であって、前
記基板上に所定パターンを有する遮光膜を形成する工程
と、該遮光膜上に第1下地絶縁膜を形成する工程と、該第
1下地絶縁膜上に第2下地絶縁膜を形成する工程と、該
第2下地絶縁膜の表面を研磨して平坦化する工程と、単
結晶半導体層上に形成された貼り合わせ用絶縁膜の表面
を前記平坦化された第2下地絶縁膜の表面に貼り合わせ
る工程と、前記単結晶半導体層を用いて前記半導体素子
を形成する工程とを含む。
【0009】本発明の電気光学装置用基板の製造方法に
よれば、先ず、基板上に所定パターンを有する遮光膜を
形成し、その上に第1下地絶縁膜を形成し、更にその上
に第2下地絶縁膜を形成する。従って、この段階では、遮
光膜の所定パターンに応じて、第2下地絶縁膜の表面に
は、凹凸が生じる。続いて、この第2下地絶縁膜の凹凸表
面を研磨して平坦化する。この際特に、研磨時に発生す
る応力は、第1下地絶縁膜と第2下地絶縁膜との間の界
面により緩和される。更に、仮に研磨時に発生する応力
或いは摩擦力によって第2下地絶縁膜内にクラック、ボ
イド、ピンホール等が生じても、第1下地絶縁膜と第2
下地絶縁膜との間の界面において停止される。或いは、
第1下地絶縁膜内にクラック等が生じても、第1下地絶
縁膜と第2下地絶縁膜との間の界面において停止され
る。即ち両者のうち、研磨時に発生する応力或いは摩擦
力と膜強度との関係で、クラック等が生じ易い方にクラ
ックが入り、これが両者間の界面で停止される。よっ
て、いずれにせよ平坦化された第2下地絶縁膜の表面か
ら遮光膜にまで至るクラック、ボイド、ピンホール等
は、研磨を行っても殆ど発生しない。従って、その後こ
の平坦化された第2下地絶縁膜の表面に、貼り合わせ用
絶縁膜により貼り合わせられた単結晶半導体層を用いて
SOI構造の半導体素子等を形成する工程中に、遮光膜
からの不純物によって、製造装置のチャンバー内やゲー
ト絶縁膜等の半導体素子の構成要素等が汚染されること
は殆ど無くなる。
【0010】仮に、高温酸化により単結晶半導体層の表
面に、例えばゲート酸化膜等の酸化膜を形成する場合
に、その表面から遮光膜に至るクラック等が存在してい
ると、高温酸化時にこれらのクラック等を通じて遮光膜
も酸化して、更にこれらのクラック等を通じて飛散或い
は流出される遮光膜からの不純物によって、製造装置の
チャンバー内やゲート絶縁膜等を汚染してしまう。特
に、ゲート酸化膜等をウエット熱酸化により成膜する場
合には、このような傾向は強くなる。更にまた、ゲート絶
縁膜等における膜質低下はそのまま素子特性の顕著な劣
化に繋がるので、この問題は重大である。しかるに、本
発明によれば、前述の如く、第2下地絶縁膜の表面から
遮光膜に至るクラック等が殆ど又は全く存在しないの
で、高温環境でも、遮光膜が酸化することは殆どなく、遮
光膜の成分によって、チャンバー内やゲート絶縁膜等を
汚染することを効果的に防止できる。
【0011】特に上述の貼り合わせる工程は、例えば第
2下地絶縁膜と貼り合わせ用絶縁膜とを密着させた状態
で熱処理して行われるが、この工程中にも、第2下地絶
縁膜の表面から遮光膜に至るクラック等が殆ど又は全く
存在しないので、高温環境で遮光膜が酸化することは殆
どなく、遮光膜の成分によってチャンバー内等を汚染す
ることを効果的に防止できる。
【0012】このように遮光膜上にSOI構造を持つ半
導体素子等を形成する際に、遮光膜からの汚染が低減さ
れることによって高品質の半導体素子等を形成でき、歩
留まりを向上させることも可能となる。
【0013】しかも、以上のように製造される電気光学
装置用基板は、基板上において半導体素子が遮光膜によ
り下側から遮光された構造を有する。このため、当該電
気光学装置用基板を電気光学装置に適用した場合におけ
る、基板の裏面側からの戻り光が半導体素子に到達する
ことによる光リーク電流の発生を極めて効果的に低減で
き、これによる素子特性の劣化を防止できる。即ち、強
力な光源光等の使用に耐え得る、耐光性に優れた半導体
素子を備えた電気光学装置用基板を製造できる。
【0014】尚、基板上における半導体素子の上側の遮
光については、半導体素子の上側に別途、遮光膜を設けれ
ばよい。より具合的には、半導体素子上に層間絶縁膜を
介して所定パターンの内蔵遮光膜を形成してもよいし、
基板に対向配置される対向基板上における半導体素子と
対向する領域に遮光膜を形成してもよい。
【0015】以上の結果、本発明によれば、遮光膜の存
在により耐光性に優れると共に、遮光膜による汚染が低
減されることで高品質であり、しかもポリシリコンTF
T、アモルファスシリコンTFT等と比べて基本的に素
子特性に優れた単結晶半導体層を用いた半導体素子を形
成可能となり、しかも歩留まりを向上させることも可能
となる。
【0016】本発明の電気光学装置用基板の製造方法の
一態様では、前記貼り合わせ用絶縁膜は、前記基板とは
別に用意された半導体基板上の前記単結晶半導体層上に
形成されており、前記貼り合わせる工程後に、前記貼り
合わせ用絶縁膜及び前記単結晶半導体層を前記基板上に
残すように前記半導体基板を除去する工程を更に含む。
【0017】この態様によれば、貼り合わせ工程前に、半
導体基板上に、酸化等によって貼り合わせ用絶縁膜を形
成しておく。そして、これを別に用意された基板上で平
坦化された第2下地絶縁膜の表面に貼り合わせた後、単
結晶半導体層を残して半導体基板を除去する。この半導
体基板を除去する工程は、単結晶半導体層を残すよう
に、半導体基板の本体を引き剥がしてもよく、この場合
には、半導体基板の本体を再使用できる。或いは、この半
導体基板を除去する工程は、単結晶半導体層を残して、
半導体基板を研磨除去やエッチング除去してもよい。そ
して、このような貼り合わせ及び半導体基板の除去に係
る一連の工程中にも、第2下地絶縁膜の表面から遮光膜
に至るクラック等が殆ど又は全く存在しないので、遮光
膜が酸化することは殆どなく、遮光膜の成分によって、
チャンバー内等を汚染することを効果的に防止できる。
【0018】本発明の電気光学装置用基板の製造方法の
他の態様では、前記平坦化する工程は、CMP処理により
研磨する。
【0019】この態様によれば、CMP処理によって、
第2下地絶縁膜の表面を良好に平坦化できる。特に、こ
のCMP処理によれば、研磨時に基板上に応力が発生す
るが、係る応力は、第1下地絶縁膜と第2下地絶縁膜と
の間の界面により緩和される。更に、係る応力或いは摩
擦力によってクラック等が仮に生じても、第1下地絶縁
膜と第2下地絶縁膜との間の界面において停止可能であ
る。
【0020】本発明の電気光学装置用基板の製造方法の
他の態様では、前記第2下地絶縁膜を形成する工程は、前
記第2下地絶縁膜を前記遮光膜よりも厚く形成し、前記
平坦化する工程は、前記第1下地絶縁膜が露出する以前
に研磨を停止する。
【0021】この態様によれば、第2下地絶縁膜を遮光
膜よりも厚く形成した後に、これを平坦化し、第1下地
絶縁膜が露出する以前に研磨を停止する。従って、基板
面の全体に渡って、第1下地絶縁膜や遮光膜が露出する
ことなく平坦化を完了できる。そして、研磨時の応力
は、第1下地絶縁膜と第2下地絶縁膜との間の界面によ
り緩和され、クラック等が仮に生じても、第1下地絶縁
膜と第2下地絶縁膜との間の界面において停止可能であ
る。
【0022】本発明の電気光学装置用基板の製造方法の
他の態様では、前記第1及び第2下地絶縁膜の一方は、高
絶縁性ガラスからなり、他方は、HTOからなる。
【0023】この態様によれば、第1及び第2下地絶縁
膜の一方は、NSG(ノンドープトシリケートガラ
ス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロ
ンシリケートガラス)、ASG(アルミノシリケートガ
ラス)、GSG(ゲルマニウムシリケートガラス)、B
PSG(ボロンリンシリケートガラス)、TEOS(テ
トラ・エチル・オルソ・シリケート)ガラス、SOG
(スピンオングラス)等の高絶縁性ガラスからなり、他
方は、HTOからなる。この際、第2下地絶縁膜が高絶縁
性ガラスであってもHTOであっても、研磨による平坦
化は可能である。
【0024】尚、第1及び第2下地絶縁膜を共に、高絶
縁性ガラス又はHTOから形成することも可能である。
【0025】本発明の電気光学装置用基板の製造方法の
他の態様では、前記半導体素子を形成する工程は、前記
単結晶半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程と、該
ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程とを含む。
【0026】この態様によれば、遮光膜による汚染が殆
どなく、高品質のTFTを、単結晶半導体層を用いて形
成できる。
【0027】この態様では、前記遮光膜を形成する工程
は、前記基板上で前記単結晶半導体層のうち少なくとも
チャネル領域に対向する領域に前記遮光膜を形成しても
よい。
【0028】このように形成すれば、基板上に、遮光膜
で下側から遮光されたチャネル領域を有するTFTを構
築できる。このため、当該電気光学装置用基板を電気光
学装置に適用した場合における、基板の裏面側からの戻
り光がチャネル領域に到達することによる光リーク電流
の発生を効果的に低減でき、トランジスタ特性を高めら
れる。
【0029】本発明の電気光学装置用基板の製造方法の
他の態様では、前記遮光膜は、導電性を有し、配線又は電
極としても機能する。
【0030】この態様によれば、遮光膜に、遮光機能の
みならず、配線又は電極としての機能を持たせることが
できるので、両機能を別々の構成要素に持たせる場合と
比較して、基板上における積層構造及び製造プロセスの
単純化を図れる。例えば、所定パターンを持つ導電性の
遮光膜を、定電位配線として利用できる。
【0031】本発明の電気光学装置用基板の製造方法の
他の態様では、前記遮光膜に代えて、配線又は電極として
機能する導電膜を形成する。
【0032】この態様によれば、遮光膜に代えて又は加
えて、配線又は電極として機能する、遮光性若しくは透
光性又は半透光性の導電膜の上に、SOI構造を持つ半
導体素子等を形成する際に、当該導電膜からの汚染が低
減されることによって高品質の半導体素子等を形成で
き、歩留まりを向上させることも可能となる。
【0033】本発明の電気光学装置用基板の製造方法の
他の態様では、前記第1下地絶縁膜を形成する工程後且
つ前記第2下地絶縁膜を形成する工程前に、前記第1下
地絶縁膜上に一又は複数の他の下地絶縁膜を形成する工
程を更に含む。
【0034】この態様によれば、第1下地絶縁膜上に一
又は複数の他の下地絶縁膜を形成し、更にこの上に第2
下地絶縁膜を形成して、その表面を研磨により平坦化す
る。従って、第2下地絶縁膜の研磨時に基板上に応力が
発生するが、係る応力は、第1下地絶縁膜、他の下地絶
縁膜及び第2下地絶縁膜間の各界面により分散され、緩
和される。更に、係る応力或いは摩擦力によってクラッ
ク等が仮に生じても、他の下地絶縁膜と第2下地絶縁膜
との間の界面等の界面において停止可能である。
【0035】本発明の電気光学装置用基板の製造方法の
他の態様では、前記遮光膜は、高融点金属を含む。
【0036】この態様によれば、半導体素子等を形成時
に、所謂高温プロセスを用いても、遮光膜は、高融点金属
からなるので溶融或いは破壊せずに済む。このような高
融点金属としては、光を反射或いは吸収する性質を有す
る、不透明或いは半透明の、例えば、Ti(チタン)、C
r(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタ
ル)、Mo(モリブデン)、Pd(パラジウム)等の高
融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合
金、金属シリサイド、これらを積層した不透明な導電膜
等からなる。
【0037】本発明の他の電気光学装置用基板の製造方
法は上記課題を解決するために、基板上に所定パターン
を有する第1膜を形成する工程と、該第1膜上に第1下
地絶縁膜を形成する工程と、該第1下地絶縁膜上に第2
下地絶縁膜を形成する工程と、該第2下地絶縁膜の表面
を研磨して平坦化する工程と、前記平坦化された表面の
上側に、配線及び素子のうち少なくとも一方を形成する
工程とを含む。
【0038】本発明の他の電気光学装置用基板の製造方
法によれば、先ず、基板上に所定パターンを有する、例
えば導電膜、遮光膜、半導体膜などの第1膜を形成し、
その上に第1下地絶縁膜を形成し、更にその上に第2下
地絶縁膜を形成する。従って、この段階では、第1膜の所
定パターンに応じて、第2下地絶縁膜の表面には、凹凸が
生じる。続いて、この第2下地絶縁膜の凹凸表面を研磨
して平坦化する。この際特に、研磨時に発生する応力は、
第1下地絶縁膜と第2下地絶縁膜との間の界面により緩
和される。更に、仮に研磨時に発生する応力或いは摩擦
力によって第2下地絶縁膜又は第1下地絶縁膜にクラッ
ク等が生じても、第1下地絶縁膜と第2下地絶縁膜との
間の界面において停止される。即ち、平坦化された第2
下地絶縁膜の表面から第1膜にまで至るクラック等は、
研磨を行っても殆ど発生しない。従って、その後この平
坦化された第2下地絶縁膜の表面の上側に、配線或いは
素子を形成する工程中に、クラック等を介して第1膜が
腐蝕したり、クラック等を介して飛散或いは流出する第
1膜からの不純物によって、製造装置のチャンバー内や
配線或いは素子の構成要素が汚染されることは殆ど無く
なる。
【0039】以上の結果、本発明によれば、第1及び第
2下地絶縁膜を介して第1膜上に、配線或いは素子を形
成する際に、第1膜からの汚染が低減されることによっ
て高品質の配線或いは素子を形成でき、歩留まりを向上
させることも可能となる。
【0040】本発明の電気光学装置用基板は上記課題を
解決するために、基板上に、所定パターンを有する遮光
膜と、該遮光膜上に形成された第1下地絶縁膜と、該第1
下地絶縁膜上に形成されていると共に表面が研磨により
平坦化された第2下地絶縁膜と、該第2下地絶縁膜にお
ける平坦化された表面上に貼り合わされた貼り合わせ用
絶縁膜と、該貼り合わせ用絶縁膜上に形成された単結晶
半導体層を用いて構成された半導体素子とを備える。
【0041】本発明の電気光学装置用基板によれば、第
2下地絶縁膜は、その表面が研磨により平坦化されてい
るが、その下には、第1下地絶縁膜が存在する。従って、
研磨時における応力が第1及び第2下地絶縁膜間の界面
の存在によって緩和された結果、第2下地絶縁膜の表面
から第1膜に至るクラック等は低減されている。更に、
仮に研磨時に第2下地絶縁膜又は第1下地絶縁膜にクラ
ック等が生じていても、いずれか一方の下地絶縁膜内で
発生し且つ第1及び第2下地絶縁膜間の界面にて停止し
ているものが殆どである。従って、このような第2下地
絶縁膜上に構築された半導体素子は、遮光膜の存在によ
って基板側からの戻り光等に対する耐光性に優れてお
り、しかも第1下地絶縁膜の下側に配置された遮光膜に
よる汚染が低減されていることで高品質である。
【0042】以上の結果、本発明によれば、遮光膜の存
在により耐光性に優れると共に、遮光膜による汚染が低
減されることで高品質であり、しかも基本的に素子特性
に優れた単結晶半導体層を用いた半導体素子を備えた電
気光学装置用基板を実現できる。
【0043】尚、本発明の電気光学装置用基板は、上述し
た本発明の電気光学装置用基板の製造方法における各種
態様によって製造される各種態様を含むものである。
【0044】本発明の電気光学装置は上記課題を解決す
るために、上述した本発明の電気光学装置用基板と、該
電気光学装置用基板に対向配置された対向基板と、該対
向基板と前記電気光学装置用基板との間に挟持された電
気光学物質とを備える。
【0045】本発明の電気光学装置は、上述した本発明
の電気光学装置用基板(但し、上述した本発明の電気光
学装置用基板の製造方法における各種態様によって製造
される各種電気光学装置用基板を含む)を備えているの
で、これを一方の基板とする一対の基板間に液晶等の電
気光学物質が挟持されてなる、耐光性に優れており明る
く高品位の画像表示が可能な液晶装置等の電気光学装置
を実現できる。
【0046】本発明の電子機器は上記課題を解決するた
めに、上述した本発明の電気光学装置を具備してなる。
【0047】本発明の電子機器は、上述した本発明の電
気光学装置を具備してなるので、耐光性に優れており明
るく高品位の画像表示が可能な、投射型表示装置、液晶
テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビュ
ーファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコー
ダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タ
ッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
【0048】本発明のこのような作用及び他の利得は次
に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0050】(電気光学装置用基板)図1は、本発明の
実施形態である電気光学装置用基板の断面図である。本
実施形態の電気光学装置用基板は、例えば後述の電気光
学装置を構成する一対の基板のうちのTFTアレイ基板
側を構成するものである。
【0051】本実施形態の電気光学装置用基板では、S
OI構造を有するTFTが、後述の如く電気光学装置の
画像表示領域内にマトリクス状に配置される画素スイッ
チング用のTFTとして複数作り込まれるものである。
或いは、これに加えて、同様のTFTが周辺回路を構成
するTFTとしても複数作り込まれるものである。但
し、当該電気光学装置用基板の用途は、特にこれに限定
されるものではない。
【0052】図1において、電気光学装置用基板200
は、基板10上に、下側遮光膜11a、下地絶縁膜1
2、貼り合わせ用絶縁膜13、例えば後述の電気光学装
置における画素スイッチング用のTFT30を構成する
単結晶シリコン層からなる単結晶半導体層1a、TFT
30を構成するゲート電極を含む走査線3a、TFT3
0を構成するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、第1層間絶
縁膜41、並びに、TFT30のソース電極303、ド
レイン電極302及び引き出し電極204をこの順に備
えて構成されている。
【0053】基板10は、ガラス基板、石英基板、シリ
コン基板等からなり、当該電気光学装置用基板を透過型
とする場合には、透明の基板とされ、当該電気光学装置
用基板を反射型とする場合には、不透明又は透明の基板
とされる。
【0054】下側遮光膜11aは、例えば、Ti、C
r、W、Ta、Mo、Pd等の高融点金属のうちの少な
くとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、
ポリサイド、これらを積層したもの等からなる。下側遮
光膜11aは、TFT30を構成する単結晶半導体層1
aのうち少なくともチャネル領域1a’を、図中下側か
ら覆うことにより、図中下側からTFT30に向かう戻
り光を遮光する。
【0055】尚、周辺回路を構成するTFT30の場合
には、このような下側遮光膜11aを省略し、当該電気
光学装置用基板を備えてなる電気光学装置が実装される
遮光性ケースの窓枠部分で、遮光するように構成しても
よい。
【0056】加えて本実施形態では特に、下側遮光膜1
1aは、導電性を有し、引き出し電極204が設けられ
ることにより、配線としても機能する。即ち、下側遮光膜
11aに、二つの機能を有するので、これを別々の部材
から構築するのと比較して、基板10上における積層構
造及び製造プロセスの単純化を図れる。
【0057】下地絶縁膜12は、基板10の全面に形成
されることにより、基板10の表面の研磨時における荒
れや、洗浄後に残る汚れ等でTFT30の特性の劣化を
防止する機能を有する。
【0058】本実施形態では特に、下地絶縁膜12は、第
1下地絶縁膜12a及び第2下地絶縁膜12bの二層か
らなる。これらのうち、第2下地絶縁膜12bの表面
は、CMP処理により平坦化されている。このような下
地絶縁膜12における二層構造については、後述の製造
方法のところで更に詳述する。
【0059】そして、第2下地絶縁膜12bの平坦化さ
れた表面上には、貼り合わせ界面201において、貼り
合わせ用絶縁膜13が貼り合わされている。
【0060】TFT30は、LDD構造を有しており、
走査線3aの一部からなるゲート電極、当該走査線3a
からの電界によりチャネルが形成される単結晶半導体層
1aのチャネル領域1a’、走査線3aと単結晶半導体
層1aとを絶縁するゲート絶縁膜を含む絶縁膜2、単結
晶半導体層1aの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレ
イン領域1c、単結晶半導体層1aの高濃度ソース領域
1d及び高濃度ドレイン領域1e、ソース電極303並
びにドレイン電極302を備えて構成されている。
【0061】走査線3aの上には、高濃度ソース領域1
dとソース電極303とを通じるコンタクトホール8
2、高濃度ドレイン領域1eとドレイン電極302とを
通じるコンタクトホール83、及び下側遮光膜11aと
引き出し電極204とを通じるコンタクトホール282
が各々形成された第1層間絶縁膜41が形成されてい
る。
【0062】本実施形態では、TFT30は、Nチャネ
ル型でもよく、Pチャネル型でもよいが、Nチャネル型
とすれば、一般にキャリア移動度に優る電子をキャリア
とするため、トランジスタ特性の向上を図れる。但し、こ
の場合、SOI構造を採用しているので、チャネル領域
から半導体層部分を、余剰キャリアを引き抜くために延
設すると共に、この延設部分に余剰キャリア引き抜き用
の導電層、即ち「ボディコンタクト」を接触させること
が望ましい。これに対し、TFT30をPチャネル型と
すれば、キャリア移動度には劣るものの、このようなボ
ディコンタクトは設けなくてもよい。そして、本実施形
態ではSOI構造を採用しているので、Pチャネル型の
ポリシリコンTFT、アモルファスシリコンTFT等と
比べると、基本的にトランジスタ特性に優り、Pチャネ
ル型であっても当該電気光学装置用基板上における半導
体素子として十分に実践上の使用に耐え得るように構成
可能である。
【0063】(電気光学装置用基板の製造方法)次に、
以上の如き構成を持つ電気光学装置用基板の製造方法に
ついて図2から図7を参照して説明する。ここに、図2
から図4は、図1に示した断面部分における各工程での
断面構造を、順を追って示す工程図である。但し、図2
の工程(1)から工程(3)と、図3に示す工程(1
b)及び工程(2b)とは、別々の基板上で行われ、図
2の工程(4)において、これらの基板が貼り合わされ
るものである。また、図5は、比較例におけるCMPに
よる研磨時に生じるクラックを示す概念図であり、図6
は、本実施形態におけるCMPによる研磨時に生じるク
ラックの一例を示す概念図であり、図7は、本実施形態
におけるCMPによる研磨時に生じるクラックの他の例
を示す概念図である。
【0064】図2の工程(1)では、先ず石英基板、ハ
ードガラス、シリコン基板等の基板10を用意する。こ
こで、好ましくはN(窒素)等の不活性ガス雰囲気且
つ約900〜1300℃の高温でアニール処理し、後に
実施される高温プロセスにおける基板10に生じる歪み
が少なくなるように前処理しておく。
【0065】続いて、このように処理された基板10の
全面に、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPd等の金属
や金属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタリングに
より、100〜500nm程度の膜厚、好ましくは約2
00nmの膜厚の遮光膜を形成する。そしてフォトリソ
グラフィ及びエッチングにより、所定平面形状を持つ下
側遮光膜11aを形成する。
【0066】続いて、下側遮光膜11a上に、例えば、
常圧又は減圧CVD法等によりTEOS(テトラ・エチ
ル・オルソ・シリケート)ガス、TEB(テトラ・エチ
ル・ボートレート)ガス、TMOP(テトラ・メチル・
オキシ・フォスレート)ガス等を用いて、NSG、PS
G、BSG、ASG、GSG、BPSGなどのシリケー
トガラス或いはTEOS、SOG等の高絶縁性ガラス、
窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第1下地絶
縁膜12aを形成する。
【0067】次に、工程(2)では、第1下地絶縁膜1
2a上に、例えば、高温酸化、常圧又は減圧CVD法等
により、HTO膜等からなる第2下地絶縁膜12b’を
形成する。
【0068】続いて、工程(3)では、第2下地絶縁膜
12b’に対してCMP処理を行って、その表面を平坦
化する。具体的には、例えば研磨プレート上に固定され
た研磨パッド上に、シリカ粒を含んだ液状のスラリー
(化学研磨液)を流しつつ、スピンドルに固定した基板
表面(下地絶縁膜12b’の側)を、回転接触させるこ
とにより、第1下地層間絶縁膜12’の表面を研磨す
る。そして、時間管理により或いは適当なストッパ層を
基板10上の所定位置に形成しておくことにより、研磨
処理を停止する。この結果、膜厚が約500〜1500
nmであると共に上面が平坦化された第2下地絶縁膜1
2bが完成する。
【0069】以上により、第1下地絶縁膜12a及び第
2下地絶縁膜12bの二層構造を有する下地絶縁膜12
が基板10上に完成する。このように下地絶縁膜12を
二層構造とすることにより得られる作用効果について
は、後に図5から図7を参照して詳述する。
【0070】尚、工程(2)で、第2下地絶縁膜12
b’を下側遮光膜11aよりも厚く形成しておき、工程
(3)で、CMP処理を第1下地絶縁膜12aが露出す
る以前に停止することにより、基板面の全体に渡って二
層構造を有する下地絶縁膜12が得られる。
【0071】他方、図3に示した工程(1b)では、上
記工程(1)から工程(3)とは別に、半導体基板40
0を用意する。より具体的には、TFT30をPチャネ
ル型とするためにはN型の半導体基板400を用意す
る。或いは、TFT30をNチャネル型とするために
は、P型の半導体基板400を用意する。尚、ドープ
は、インゴットの段階で行ってもよいが、ウエーハの段
階で行ってもよいし、更には、単結晶半導体層1が基板
10上に移された後に行ってもよい。
【0072】続いて、半導体基板400に対して、例え
ば約900〜1300℃の高温による熱処理を施して、
その表面に熱酸化膜たる貼り合わせ用絶縁膜13を形成
する。
【0073】次に工程(2b)では、このように半導体
基板400上に形成された貼り合わせ用絶縁膜13に対
して水素イオン注入を行う。この水素イオン注入量によ
り、後の分離工程において分離線220で分離される単
結晶半導体層1の層厚を制御できるが、具体的な注入量
については、実験的、経験的又は理論的に若しくはシミ
ュレーションにより個別具体的に設定する。
【0074】次に、図2に示した工程(4)では、工程
(3)で形成された下地絶縁膜12の表面に、図3に示
した工程(2b)で形成された貼り合わせ用絶縁膜13
の表面が密着するように、この工程(2b)に示した半
導体基板400の上下を逆転させて、両基板を対向配置
させる。この状態で、例えば600℃程度の熱処理を施
すことにより、下地絶縁膜12と貼り合わせ用絶縁膜1
3とを貼り合わせ界面201にて相互に接着する。
【0075】次に工程(5)では、両基板の分離を行
う。ここでは、図3に示した工程(2b)における水素
イオン注入量に応じた層厚の単結晶半導体層1を、その
熱酸化膜たる貼り合わせ用絶縁膜13と共に、分離線2
20にて、半導体基板400から分離する。更に、基板
10上に移された単結晶半導体層1に対しタッチポリッ
シュによる表面処理を行う。これらにより、例えば約5
0〜200nmの層厚の単結晶半導体層1が形成され
る。尚、単結晶半導体層1が分離した半導体基板40
0’については、リサイクルに回される。
【0076】次に、工程(6)では、下地絶縁膜12上
に貼り合わせ界面201にて貼り合わせられた貼り合わ
せ用絶縁膜13上に、単結晶半導体層1に対するフォト
リソグラフィ及びエッチングにより、所定パターンを有
する単結晶半導体層1aを形成する。即ち、SOI構造
を持つ単結晶半導体層1aを形成する。
【0077】次に、図4の工程(7)では、単結晶半導
体層1aを約900〜1300℃の温度、好ましくは約
1000℃の温度により熱酸化して下層ゲート絶縁膜を
形成し、続けて減圧CVD法等により、若しくは両者を
続けて行うことにより、上層ゲート絶縁膜を形成する、
これにより、多層の高温酸化シリコン膜(HTO膜)や
窒化シリコン膜からなる(ゲート絶縁膜を含む)絶縁膜
2を形成する。この結果、単結晶半導体層1aは、約3
0〜150nmの厚さ、好ましくは約35〜50nmの
厚さとなり、絶縁膜2の厚さは、約20〜150nmの
厚さ、好ましくは約30〜100nmの厚さとなる。
【0078】続いて、TFT30のスレッシュホールド
電圧Vthを制御するために、単結晶半導体層1aのう
ちチャネル領域に、所定種類のドーパントを予め設定さ
れた所定量だけイオン注入等によりドープする。
【0079】続いて、絶縁膜2上に、減圧CVD法等に
よりポリシリコン膜を堆積し、更にリン(P)を熱拡散
し、このポリシリコン膜を導電化する。又は、Pイオン
をこのポリシリコン膜の成膜と同時に導入したドープト
シリコン膜を用いてもよい。このポリシリコン膜の膜厚
は、約100〜500nmの厚さ、好ましくは約350
nm程度である。そして、フォトリソグラフィ及びエッ
チングにより、TFT30のゲート電極部を含めて所定
パターンの走査線3aを形成する。
【0080】本実施形態では、TFT30をLDD構造
を持つPチャネル型のTFTとするので、単結晶半導体
層1aに、先ず低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイ
ン領域1cを形成するために、走査線3a(ゲート電
極)をマスクとして、単結晶半導体層1aに、所定種類
のドーパントを低濃度でドープする。これにより走査線
3a下の単結晶半導体層1aはチャネル領域1a’とな
る。更に、画素スイッチング用TFT30を構成する高
濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを形成
するために、走査線3aよりも幅の広い平面パターンを
有するレジスト層を走査線3a上に形成する。その後、
所定種類のドーパントを高濃度でドープする。尚、例え
ば、低濃度のドープを行わずに、オフセット構造のTF
Tとしてもよく、走査線3aをマスクとして、Bイオン
等を用いたイオン注入技術によりセルフアライン型のT
FTとしてもよい。この不純物のドープにより走査線3
aは更に低抵抗化される。
【0081】続いて、走査線3a上に、例えば、常圧又
は減圧CVD法等によりTEOSガス、TEBガス、T
MOPガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BP
SGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化
シリコン膜等からなる第1層間絶縁膜41を形成する。
この第1層間絶縁膜12の膜厚は、例えば約500〜2
000nm程度とする。ここで好ましくは、800℃の
程度の高温でアニール処理し、層間絶縁膜41の膜質を
向上させておく。
【0082】次に工程(8)では、第1層間絶縁膜41
に対する反応性イオンエッチング、反応性イオンビーム
エッチング等のドライエッチングにより、コンタクトホ
ール82、83及び282を同時開孔する。
【0083】続いて、第1層間絶縁膜41上に、減圧C
VD法等によりポリシリコン膜を堆積し、更にリン
(P)を熱拡散し、このポリシリコン膜を導電化する。
又は、Pイオンをこのポリシリコン膜の成膜と同時に導
入したドープトシリコン膜を用いてもよい。このポリシ
リコン膜の膜厚は、約50〜500nmの厚さ、好まし
くは約150nm程度である。そして、フォトリソグラ
フィ及びエッチングにより、図1に示した如き、ソース
電極303、ドレイン電極302及び引き出し電極20
4を形成する。
【0084】以上説明した製造方法により、前述した電
気光学装置用基板200を製造できる。
【0085】本製造方法では特に、図2に示した工程
(1)から(3)において、下側遮光膜11a上に、第
1下地絶縁膜12a及び第2下地絶縁膜12bの二層構
造を有する下地絶縁膜12を形成する。従って、工程
(3)で、第2下地絶縁膜12b’の凹凸表面を研磨し
て平坦化する際に、研磨時に発生する応力を、第1下地絶
縁膜12aと第2下地絶縁膜12b’との間の界面によ
り緩和できる。更に、この研磨の際の応力或いは摩擦力
によるクラックを、これら第1下地絶縁膜12a及び第
2下地絶縁膜12b間の界面で停止できる。
【0086】この点について図5から図7を参照して更
に説明する。
【0087】先ず図5に示す比較例のように、仮に工程
(3)のCMP処理を単一層からなる第1下地絶縁膜1
2aに対して行って、その一部12cを研磨除去したと
する。この場合、単一層の第1下地絶縁膜12a内には
界面は存在しないので、その一部12cを研磨除去する
際に発生する応力が、第1下地絶縁膜12a内の界面で
緩和されることはない。更に、この研磨の際の応力或い
は摩擦力は、下側遮光膜11a及び第1下地絶縁膜12
a間の界面にまでも応力集中等により顕著に作用する。
この結果、図5の下段に示すように、平坦化された第1下
地絶縁膜12aの表面から、下側遮光膜11a及び第1
下地絶縁膜12a間の界面に至るクラック401或い
は、ボイド、ピンホール等の不良個所等が多発してしま
う。そして、このようなクラック401が存在する状態
で、図2及び図4に示した工程(4)以降を行うと、特に
ゲート酸化膜の形成に係る工程(7)等における高温処
理時に、これらのクラック401を通じて下側遮光膜1
1aも酸化されてしまう。更にこれらのクラック401
を通じて飛散或いは流出される下側遮光膜11aからの
不純物によって、製造装置のチャンバー内やゲート絶縁
膜等を汚染してしまう。この結果、工程(8)を終えて
製造されるTFT30の品質は劣化してしまうか或いは
歩留まりが低下してしまうのである。特に、ゲート酸化
膜における膜質の劣化は、TFT30の特性劣化にその
ままつながってしまうので不利である。
【0088】これに対して、図6に示すように本実施形
態の一例によれば、工程(3)のCMP処理を第2下地
絶縁膜12b’に対して行って、その一部12cを研磨
除去するので、この一部12cを研磨除去する際に発生
する応力が、第1下地絶縁膜12a及び第2下地絶縁膜
12b間の界面で緩和される。更に、この研磨の際の応
力或いは摩擦力は、第2下地絶縁膜12b及び第1下地
絶縁膜12a間の界面に応力集中等により作用する。
【0089】ここで、図6に示した例では、研磨時に発
生する応力或いは摩擦力の種類と、膜厚、膜質等により
規定される膜強度との関係で、高絶縁性ガラス膜等から
なる第1下地絶縁膜12aよりも、HTO膜等からなる
第2下地絶縁膜12bの方が、当該CMP処理によりク
ラック等が生じ易い状況に置かれている。すると、図6
の下段に示すように、界面による応力の緩和によって、
平坦化された第2下地絶縁膜12bの表面から、第2下
地絶縁膜12b及び第1下地絶縁膜12a間の界面に至
るクラック402が若干発生するかもしれない。しかし
ながら、このようなクラック402は、第1下地絶縁膜
12a及び第2下地絶縁膜12b間の界面において停止
される。このため、このようなクラック402が存在す
る状態で、図2及び図4に示した工程(4)以降を行っ
ても、高温処理時等にこれらのクラック402を通じて
下側遮光膜11aが酸化されることは殆ど又は全くな
い。更にこれらのクラック402を通じて飛散或いは流
出される下側遮光膜11aからの不純物によって、製造
装置のチャンバー内やゲート絶縁膜等を汚染してしまう
ことも殆ど又は全くない。この結果、工程(8)を終え
て製造されるTFT30は、高品質のゲート絶縁膜等を
備えてなり、その品質は極めて良好となる。
【0090】他方、図7に示した例では、研磨時に発生
する応力或いは摩擦力の種類と、膜厚、膜質等により規
定される膜強度との関係で、高絶縁性ガラス膜等からな
る第1下地絶縁膜12aよりも、HTO膜等からなる第
2下地絶縁膜12bの方が、当該CMP処理によりクラ
ック等が生じ難い状況に置かれている。すると、図7の
下段に示すように、界面による応力の緩和によって、第
2下地絶縁膜12b及び第1下地絶縁膜12a間の界面
から下側遮光膜11aに至るクラック403が若干発生
するかもしれない。しかしながら、このようなクラック
403は、第1下地絶縁膜12a及び第2下地絶縁膜1
2b間の界面において停止される。このため、このよう
なクラック403が存在する状態で、図2及び図4に示
した工程(4)以降を行っても、高温処理時等にこれら
のクラック403を通じて下側遮光膜11aが酸化され
ることは殆ど又は全くない。更にこれらのクラック40
3を通じて飛散或いは流出される下側遮光膜11aから
の不純物によって、製造装置のチャンバー内やゲート絶
縁膜等を汚染してしまうことも殆ど又は全くない。この
結果、工程(8)を終えて製造されるTFT30は、高
品質のゲート絶縁膜等を備えてなり、その品質は極めて
良好となる。
【0091】図5から図7から理解されるように、本実
施形態の製造方法によれば、下側遮光膜11aからの汚
染が低減されることによって、品質が高いSOI構造の
TFT30を形成でき、歩留まりを向上できる。
【0092】尚、本実施形態では、基板10として、石
英ガラス、ガラス等の透明基板を用い、画素電極9aと
してもITO膜等の透明電極を用いることにより、透過
型の電気光学装置用基板や、画素電極9a或いは画素電
極透9a及び基板10を介して光が反射する反射型の電
気光学装置を構築できる。或いは、本実施形態では、画
素電極9aとしてAl膜等の反射電極を用いることによ
り、反射型の電気光学装置用基板を構築できる。更に
は、半透過反射電極或いは半透過反射板を用いること
で、反射型と透過型とを切り替え可能な半透過反射型の
電気光学装置を構築できる。
【0093】(変形形態)以上説明した実施形態では、
第1下地絶縁膜12aを高絶縁性ガラスから構成し、第
2下地絶縁膜12bをHTOから構成したが、一の変形
形態として、第1下地絶縁膜12aをHTOから構成
し、第2下地絶縁膜12bを高絶縁性ガラスから構成し
てもよい。或いは、第1下地絶縁膜12a及び第2下地
絶縁膜12bを、成膜条件が異なる或いは同一である高
絶縁性ガラスから構成してもよい。更に、第1下地絶縁
膜12a及び第2下地絶縁膜12bを、成膜条件が異な
る或いは同一であるHTOから構成してもよい。
【0094】また、以上説明した実施形態では、下地絶
縁膜12の下側には、TFT30を遮光する機能と配線
としての機能との両者を有する下側遮光膜が11aを形
成したが、他の変形形態として、これを遮光機能のみを専
ら発揮するように形成してもよい。或いは、配線として
の機能のみを専ら発揮するように構成してもよい。後者
の場合には、下側遮光膜11aは、遮光膜である必要は
無く、透明或いは半透明の導電膜から構成されてもよ
い。いずれにせよ、その上に二層構造を有する下地絶縁
膜12が形成される限り、前述の如くCMP処理時にお
ける応力緩和やクラック防止の効果や、更には、クラッ
クを介しての不純物の飛散や流出を抑制する効果は得ら
れる。
【0095】更に、下側遮光膜11aを、配線としての
みならず、何らかの平面パターンを有すると共に不純物
の発生源に多少なりともなり得るような材質からなる導
電膜、絶縁膜、半導体膜等に置き換える変形形態も可能
である。この場合にも、その上に二層構造を有する下地
絶縁膜12が形成される限り、前述の如くCMP処理時
における応力緩和やクラック防止の効果や、更には、ク
ラックを介しての不純物の飛散や流出を抑制する効果は
得られる。
【0096】更にまた、以上説明した実施形態では、下地
絶縁膜12は、第1下地絶縁膜12a及び第2下地絶縁
膜12bの二層構造を有するが、これらの間に更に他の
下地絶縁膜を形成してもよい。このような他の下地絶縁
膜は、例えば高絶縁性ガラス、HTO等から構成すれば
よい。即ち、下地絶縁膜12は、三層以上を含む多層構
造を有していてもよい。この場合には、下地絶縁膜12
の内部に構築される二つ以上の界面によって、CMP処
理等の研磨時に発生する応力を緩和することができ、更
に、たとえ内部にクラックが発生しても、該二つ以上の界
面の夫々によって停止することにより、下地絶縁膜12
の表面から下側遮光膜11aに至るようなクラックの発
生を効果的に防止できる。
【0097】次に、以上の如く構成された電気光学装置
用基板を備えてなる、本発明の電気光学装置に係る実施
形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態は、本
発明の電気光学装置を液晶装置に適用したものである。
【0098】(電気光学装置の全体構成)先ず、本発明
の実施形態における電気光学装置の全体構成について、
図8及び図9を参照して説明する。ここでは、電気光学
装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマ
トリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
【0099】図8は、TFTアレイ基板をその上に形成
された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図で
あり、図9は、図8のH−H’断面図である。
【0100】図8及び図9において、本実施形態に係る
電気光学装置では、図1に示した電気光学装置用基板2
00と対向基板20とが対向配置されている。
【0101】電気光学装置用基板200を構成する基板
10と対向基板20との間に液晶層50が封入されてお
り、基板10と対向基板20とは、画像表示領域10a
の周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52
により相互に接着されている。シール材52は、両基板
を貼り合わせるために、例えば熱硬化樹脂、熱及び光硬
化樹脂、光硬化樹脂、紫外線硬化樹脂等からなり、製造
プロセスにおいて基板10上に塗布された後、加熱、加
熱及び光照射、光照射、紫外線照射等により硬化させら
れたものである。
【0102】このようなシール材52中には、両基板間
の間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラス
ファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が混合され
ている。即ち、本実施形態の電気光学装置は、プロジェ
クタのライトバルブ用として小型で拡大表示を行うのに
適している。但し、当該電気光学装置が液晶ディスプレ
イや液晶テレビのように大型で等倍表示を行う液晶装置
であれば、このようなギャップ材は、液晶層50中に含
まれてもよい。
【0103】対向基板20の4隅には、上下導通材10
6が設けられており、基板10に設けられた上下導通端
子と対向基板20に設けられた対向電極21との間で電
気的な導通をとる。
【0104】図8及び図9において、シール材52が配
置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域1
0aを規定する遮光性の額縁53が対向基板20側に設
けられている。額縁53は基板10側に設けても良いこ
とは言うまでもない。画像表示領域の周辺に広がる周辺
領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外
側部分には、データ線駆動回路101及び外部回路接続
端子102が基板10の一辺に沿って設けられており、
走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿
って設けられている。更に基板10の残る一辺には、画
像表示領域10aの両側に設けられた走査線駆動回路1
04間をつなぐための複数の配線105が設けられてい
る。
【0105】図5において、基板10上には、画素スイ
ッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成
された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されてい
る。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、最
上層部分に配向膜が形成されている。また、液晶層50
は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合し
た液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向
状態をとる。
【0106】本実施形態では、額縁53下にある基板1
0上の領域に、サンプリング回路118が設けられてい
る。サンプリング回路118は、画像信号線上の画像信
号をデータ線駆動回路101から供給されるサンプリン
グ回路駆動信号に応じてサンプリングしてデータ線に供
給するように構成されている。
【0107】(電気光学装置の回路構成及び動作)次に
以上の如く構成された電気光学装置における回路構成及
び動作について図10を参照して説明する。図10は、
電気光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に
形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価
回路と周辺回路とを示すブロック図である。
【0108】図10において、本実施形態における電気
光学装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成
された複数の画素には夫々、画素電極9aと当該画素電
極9aをスイッチング制御するためのTFT30とが形
成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当
該TFT30のソース電極に電気的に接続されている。
【0109】画像表示領域10a外である周辺領域に
は、データ線6aの一端(図6中で下端)が、サンプリ
ング回路118の例えばTFTからなる各スイッチング
素子のドレインに接続されている。他方、画像信号線1
15は、引き出し配線116を介してサンプリング回路
118のTFTのソースに接続されている。データ線駆
動回路101に接続されたサンプリング回路駆動信号線
114は、サンプリング回路118のTFTのゲートに
接続されている。そして、画像信号線115上の画像信
号S1、S2、…、Snは、データ線駆動回路101か
らサンプリング回路駆動信号線114を介してサンプリ
ング回路駆動信号が供給されるのに応じて、サンプリン
グ回路118によりサンプリングされて各データ線6a
に供給されるように構成されている。
【0110】このようにデータ線6aに書き込む画像信
号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給して
も構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対
して、グループ毎に供給するようにしても良い。
【0111】また、画素スイッチング用のTFT30の
ゲートに走査線3aが電気的に接続されており、所定の
タイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、
G2、…、Gmを、走査線駆動回路104により、この
順に線順次で印加するように構成されている。画素電極
9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されてお
り、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけ
そのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供
給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミ
ングで書き込む。画素電極9aを介して電気光学物質の
一例としての液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号
S1、S2、…、Snは、対向基板に形成された対向電
極21との間で一定期間保持される。液晶は、印加され
る電位レベルにより分子集合の配向や秩序が変化するこ
とにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ノーマ
リーホワイトモードであれば、各画素の単位で印加され
た電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマ
リーブラックモードであれば、各画素の単位で印加され
た電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体
として電気光学装置からは画像信号に応じたコントラス
トを持つ光が出射する。ここで、保持された画像信号が
リークするのを防ぐために、画素電極9aと対向電極2
1との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を
付加する。蓄積容量70は、後述する画素スイッチング
用のTFT30の高濃度ドレイン領域1eと定電位の容
量線300の間に誘電体膜301を介して形成される。
【0112】尚、基板10上には、これらのデータ線駆
動回路101、走査線駆動回路104、サンプリング回
路118等に加えて、複数のデータ線6aに所定電圧レ
ベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給
するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該電気光
学装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形
成してもよい。
【0113】(電気光学装置の画素部における構成)本
実施形態における電気光学装置の画素部における構成に
ついて、図11及び図12を参照して説明する。図11
は、データ線、走査線、画素電極等が形成された電気光
学装置の相隣接する複数の画素群の平面図であり、図1
2は、図11のA−A’断面図である。尚、図12にお
いては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大き
さとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてあ
る。
【0114】図11において、電気光学装置の基板10
上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a(点
線部9a’により輪郭が示されている)が設けられてお
り、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ線6
a、走査線3aが設けられている。
【0115】また、単結晶半導体層1aのうち図中右上
がりの斜線領域で示したチャネル領域1a’に対向する
ように走査線3aが配置されており、走査線3aはゲー
ト電極として機能する。このように、走査線3aとデー
タ線6aとの交差する個所には夫々、チャネル領域1
a’に走査線3aがゲート電極として対向配置された画
素スイッチング用のTFT30が設けられている。
【0116】本実施形態では、容量線300が、図中破
線で示したように走査線3aの形成領域に重ねて形成さ
れている。より具体的には容量線300は、走査線3a
に沿って延びる本線部と、図11中、データ線6aと交
差する各個所からデータ線6aに沿って上方に夫々突出
した突出部と、コンタクトホール85に対応する個所が
僅かに括れた括れ部とを備えている。
【0117】図11及び図12に示すように、データ線
6aは、ソース電極303を中継することにより、コン
タクトホール81及びコンタクトホール82を介して単
結晶半導体層1aのうち高濃度ソース領域1dに電気的
に接続されている。他方、画素電極9aは、ソース電極
303と同一膜からなるドレイン電極302を中継層と
して利用して中継することにより、コンタクトホール8
3及び85を介して単結晶半導体層1aのうち高濃度ド
レイン領域1eに電気的に接続されている。
【0118】このようにドレイン電極302を中継層と
して用いることにより、画素電極9aとTFT30を構
成する単結晶半導体層1aとの間の層間距離が例えば1
000nm程度に長くても、両者間を一つのコンタクト
ホールで接続する技術的困難性を回避しつつ比較的小径
の二つの直列なコンタクトホール83及び85で両者間
を良好に接続でき、画素開口率を高めること可能とな
る。特にこのような中継層を用いれば、コンタクトホー
ル開孔時におけるエッチングの突き抜け防止にも役立
つ。同様に、ソース電極303を用いることにより、デ
ータ線6aとTFT30を構成する単結晶半導体層1a
との間の層間距離が長くても、両者間を一つのコンタク
トホールで接続する技術的困難性を回避しつつ比較的小
径の二つの直列なコンタクトホール81及び82で両者
間を良好に接続できる。
【0119】図11及び図12に示すように、ドレイン
電極302と容量線300とが誘電体膜301を介して
対向配置されることにより、平面的に見て走査線3aに
重なる領域及びデータ線6aに重なる領域に、蓄積容量
70が構築されている。
【0120】即ち、容量線300は、走査線3aを覆う
ように延びると共に、データ線6aの領域下で、ドレイ
ン電極302を覆うように突き出す突出部を有し櫛歯状
に形成している。ドレイン電極302は、走査線3aと
データ線6aの交差部から、一方がデータ線6aの領域
下にある容量線300の突出部に沿って延び、他方が走
査線3aの領域上にある容量線300に沿って隣接する
データ線6a近傍まで延びるL字状の島状容量電極を形
成している。そして、誘電体膜301を介して容量線3
00にL字状のドレイン電極302が重なる領域で蓄積
容量70が形成される。
【0121】蓄積容量70の一方の容量電極を含むドレ
イン電極302は、コンタクトホール85で画素電極9
aと接続されており且つコンタクトホール83で高濃度
ドレイン領域1eと接続されており、画素電極電位とさ
れる。
【0122】蓄積容量70の他方の容量電極を含む容量
線300は、画素電極9aが配置された画像表示領域か
らその周囲に延設され、定電位源と電気的に接続され
て、固定電位とされる。定電位源としては、TFT30
を駆動するための走査信号を走査線3aに供給するため
の走査線駆動回路や画像信号をデータ線6aに供給する
サンプリング回路を制御するデータ線駆動回路に供給さ
れる正電源や負電源の定電位源でも良いし、対向基板に
供給される定電位でも構わない。
【0123】蓄積容量70の誘電体膜301は、例えば
膜厚5〜200nm程度の比較的薄いHTO膜(高温酸
化膜)、LTO膜(低温酸化膜)等の酸化シリコン膜、
あるいは窒化シリコン膜等から構成される。誘電体膜3
01は、ドレイン電極302の表面を酸化することによ
って得た熱酸化膜でもよい。蓄積容量70を増大させる
観点からは、膜厚の信頼性が十分に得られる限りにおい
て、誘電体膜301は薄い程良い。
【0124】更に本実施形態では、蓄積容量70を構成
するドレイン電極302及び容量線300、並びにデー
タ線6aは、画素スイッチング用のTFT30のチャネ
ル領域1a層を上側から覆う上側遮光膜としても機能す
る。この際、Al膜等からなる遮光性のデータ線6a
で、各画素の遮光領域のうちデータ線6aに沿った部分
を遮光してもよいし、容量線300を遮光性の膜で形成
することによりチャネル領域1a’等を遮光することが
できる。従って、プロジェクタにおける強力な投射光な
どの入射光から、このチャネル領域1aを遮光できる。
【0125】図12に示すように、電気光学装置は、電
気光学装置用基板200と、これに対向配置される透明
な対向基板20とを備えている。対向基板20は、例え
ばガラス基板や石英基板からなる。基板10には、画素
電極9aが設けられており、その上側には、ラビング処
理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられ
ている。また配向膜16は例えば、ポリイミド膜などの
有機膜からなる。
【0126】他方、対向基板20には、その全面に渡っ
て対向電極21が設けられており、その下側には、ラビ
ング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設
けられている。対向電極21は例えば、ITO膜などの
透明導電性膜からなる。また配向膜22は、ポリイミド
膜などの有機膜からなる。
【0127】基板10には、各画素電極9aに隣接する
位置に、各画素電極9aをスイッチング制御する画素ス
イッチング用のTFT30が設けられている。
【0128】対向基板20には、更に遮光膜を設けるよ
うにしてもよい。このような構成を採ることで、対向基
板20側から入射光がTFT30の単結晶半導体層1a
のチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1b及び低濃
度ドレイン領域1cに侵入するのを抑制できる。更に、
対向基板上の遮光膜は、入射光が照射される面を高反射
な膜で形成することにより、電気光学装置の温度上昇を
防ぐ働きをする。
【0129】このように構成され、画素電極9aと対向
電極21とが対面するように配置された基板10と対向
基板20との間には、シール材により囲まれた空間に電
気光学物質の一例である液晶が封入され、液晶層50が
形成される。液晶層50は、画素電極9aからの電界が
印加されていない状態で配向膜16及び22により所定
の配向状態をとる。液晶層50は、例えば一種又は数種
類のネマティック液晶を混合した液晶からなる。
【0130】以上図8から図12を参照して説明した回
路構成において、周辺回路の一例たるデータ線駆動回路
101、走査線駆動回路104及びサンプリング回路1
18のうち少なくとも一つは、画素スイッチング用のT
FT30と同一積層構造を持つTFTを含んで構成され
ている。従って、これらのTFTを別々に形成したり、
層厚の相異なる単結晶シリコン層からこれらのTFTを
形成する場合と比較して、製造工程の削減或いは製造プ
ロセスの簡略化を行なえる。
【0131】以上説明した実施形態では、多数の導電層
を積層することにより、データ線6aや走査線3aに沿
った領域に段差が生じるが、第1層間絶縁膜41、第2
層間絶縁膜42に溝を掘って、データ線6a等の配線や
TFT30等を埋め込むことにより平坦化処理を行って
もよいし、第3層間絶縁膜43や第2層間絶縁膜42の
上面の段差をCMP処理等で研磨することにより、或い
は有機SOGを用いて平らに形成することにより、当該
平坦化処理を行ってもよい。
【0132】更に以上説明した実施形態では、画素スイ
ッチング用TFT30は、好ましくは図12等に示した
ようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領域1b及び
低濃度ドレイン領域1cに不純物の打ち込みを行わない
オフセット構造を持ってよいし、走査線3aの一部から
なるゲート電極をマスクとして高濃度で不純物を打ち込
み、自己整合的に高濃度ソース及びドレイン領域を形成
するセルフアライン型のTFTであってもよい。また本
実施形態では、画素スイッチング用TFT30のゲート
電極を高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1
e間に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、
これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。
このようにデュアルゲート或いはトリプルゲート以上で
TFTを構成すれば、チャネルとソース及びドレイン領
域との接合部のリーク電流を防止でき、オフ時の電流を
低減することができる。そして、周辺回路を構成するT
FTについても同様に各種のTFTとして構築可能であ
る。
【0133】以上図1から図12を参照して説明した各
実施形態では、データ線駆動回路101、走査線駆動回
路104等の周辺回路のうちの一部を、TFTアレイ基
板10の上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape Aut
omated bonding)基板上に実装された駆動用LSIに、
基板10の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介
して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。ま
た、対向基板20の投射光が入射する側及び基板10の
出射光が出射する側には各々、例えば、TN(Twisted
Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モー
ド、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モー
ド等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノー
マリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位
相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
【0134】以上説明した各実施形態における電気光学
装置は、プロジェクタに適用されるため、3枚の電気光
学装置がRGB用のライトバルブとして各々用いられ、
各ライトバルブには各々RGB色分解用のダイクロイッ
クミラーを介して分解された各色の光が投射光として各
々入射されることになる。従って、各実施形態では、対
向基板20に、カラーフィルタは設けられていない。し
かしながら、対向基板に遮光膜の形成されていない画素
電極9aに対向する所定領域にRGBのカラーフィルタ
をその保護膜と共に、対向基板20上に形成してもよ
い。このようにすれば、プロジェクタ以外の直視型や反
射型のカラー電気光学装置について、各実施形態におけ
る電気光学装置を適用できる。また、対向基板20上に
1画素1個対応するようにマイクロレンズを形成しても
よい。あるいは、TFTアレイ基板10上のRGBに対
向する画素電極9a下にカラーレジスト等でカラーフィ
ルタ層を形成することも可能である。このようにすれ
ば、入射光の集光効率を向上することで、明るい電気光
学装置が実現できる。更にまた、対向基板20上に、何
層もの屈折率の相違する干渉層を堆積することで、光の
干渉を利用して、RGB色を作り出すダイクロイックフ
ィルタを形成してもよい。このダイクロイックフィルタ
付き対向基板によれば、より明るいカラー電気光学装置
が実現できる。
【0135】(電子機器の実施形態)次に、以上詳細に
説明した電気光学装置をライトバルブとして用いた電子
機器の一例たる投射型カラー表示装置の実施形態につい
て、その全体構成、特に光学的な構成について説明す
る。ここに図13は、投射型カラー表示装置の図式的断
面図である。
【0136】図13において、本実施形態における投射
型カラー表示装置の一例たる液晶プロジェクタ1100
は、駆動回路がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装
置100を含む液晶モジュールを3個用意し、夫々RG
B用のライトバルブ100R、100G及び100Bと
して用いたプロジェクタとして構成されている。液晶プ
ロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白
色光源のランプユニット1102から投射光が発せられ
ると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイック
ミラー1108によって、RGBの3原色に対応する光
成分R、G、Bに分けられ、各色に対応するライトバル
ブ100R、100G及び100Bに夫々導かれる。こ
の際特にB光は、長い光路による光損失を防ぐために、
入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レ
ンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して
導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及
び100Bにより夫々変調された3原色に対応する光成
分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成
された後、投射レンズ1114を介してスクリーン11
20にカラー画像として投射される。
【0137】本発明は、上述した各実施形態に限られる
ものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れ
る発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能
であり、そのような変更を伴なう電気光学装置用基板の
製造方法、電気光学装置用基板、電気光学装置及び電子
機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である電気光学装置用基板の
断面図である。
【図2】実施形態の電気光学装置用基板の製造方法の工
程図(その1)である。
【図3】実施形態の電気光学装置用基板の製造方法の工
程図(その2)である。
【図4】実施形態の電気光学装置用基板の製造方法の工
程図(その3)である。
【図5】比較例におけるCMPによる研磨時に生じるク
ラックを示す概念図である。
【図6】本実施形態におけるCMPによる研磨時に生じ
るクラックの一例を示す概念図である。
【図7】本実施形態におけるCMPによる研磨時に生じ
るクラックの他の例を示す概念図である。
【図8】本発明の実施形態の電気光学装置におけるTF
Tアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対
向基板の側から見た平面図である。
【図9】図8のH−H’断面図である。
【図10】本発明の実施形態の電気光学装置における画
像表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設け
られた各種素子、配線等の等価回路である。
【図11】実施形態の電気光学装置におけるデータ線、
走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相
隣接する複数の画素群の平面図である。
【図12】図11のA−A’断面図である。
【図13】本発明の電子機器の実施形態である投射型カ
ラー表示装置の一例たるカラー液晶プロジェクタを示す
図式的断面図である。
【符号の説明】
1a…半導体層 1a’…チャネル領域 1b…低濃度ソース領域 1c…低濃度ドレイン領域 1d…高濃度ソース領域 1e…高濃度ドレイン領域 2…絶縁膜 3a…走査線 6a…データ線 9a…画素電極 10…基板 11a…下側遮光膜 12…下地絶縁膜 12a…第1下地絶縁膜 12b…第2下地絶縁膜 13…貼り合わせ用絶縁膜 16…配向膜 20…対向基板 21…対向電極 22…配向膜 30…TFT 50…液晶層 70…蓄積容量 81、82、83、85…コンタクトホール 200…電気光学装置用基板 300…容量線 301…絶縁膜 302…ドレイン電極 303…ソース電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/786 H01L 29/78 627D 626C Fターム(参考) 2H042 AA15 AA26 2H090 HA01 HB03X HC03 HD03 HD07 JB02 JB04 JD01 KA03 LA05 2H091 FA34Y FB08 FB13 FC01 FC26 FD06 FD11 GA07 HA05 LA03 MA07 2H092 GA29 HA04 JA24 JB51 JB56 KA03 KA10 KB05 MA31 NA01 NA17 NA19 PA09 QA05 RA05 5F110 AA21 BB02 CC02 DD02 DD03 DD05 DD12 DD13 DD14 DD17 DD25 EE09 EE28 EE45 FF02 FF03 FF09 FF23 FF32 GG02 GG12 GG25 GG52 GG60 HJ01 HJ13 HL08 HL24 HM14 HM15 NN04 NN22 NN23 NN24 NN35 NN40 NN42 NN44 NN45 NN46 NN54 NN73 QQ11 QQ17 QQ19

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SOI(Silicon On Insulator)構造を
    有する半導体素子を備えてなる電気光学装置用基板を製
    造する電気光学装置用基板の製造方法であって、 前記基板上に所定パターンを有する遮光膜を形成する工
    程と、該遮光膜上に第1下地絶縁膜を形成する工程と、該
    第1下地絶縁膜上に第2下地絶縁膜を形成する工程と、
    該第2下地絶縁膜の表面を研磨して平坦化する工程と、
    単結晶半導体層上に形成された貼り合わせ用絶縁膜の表
    面を前記平坦化された第2下地絶縁膜の表面に貼り合わ
    せる工程と、 前記単結晶半導体層を用いて前記半導体素子を形成する
    工程とを含むことを特徴とする電気光学装置用基板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記貼り合わせ用絶縁膜は、前記基板と
    は別に用意された半導体基板上の前記単結晶半導体層上
    に形成されており、 前記貼り合わせる工程後に、前記貼り合わせ用絶縁膜及
    び前記単結晶半導体層を前記基板上に残すように前記半
    導体基板を除去する工程を更に含むことを特徴とする請
    求項1に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記平坦化する工程は、CMP(Chemica
    l Mechanical Polishing:化学的機械研磨)処理により
    研磨することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気
    光学装置用基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第2下地絶縁膜を形成する工程は、
    前記第2下地絶縁膜を前記遮光膜よりも厚く形成し、 前記平坦化する工程は、前記第1下地絶縁膜が露出する
    以前に研磨を停止することを特徴とする請求項1から3
    のいずれか一項に記載の電気光学装置用基板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2下地絶縁膜の一方は、
    高絶縁性ガラスからなり、他方は、HTO(High Temper
    ature Oxide:高温酸化物)からなることを特徴とする
    請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置用
    基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記半導体素子を形成する工程は、 前記単結晶半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程
    と、 該ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程とを含む
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載
    の電気光学装置用基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記遮光膜を形成する工程は、前記基板
    上で前記単結晶半導体層のうち少なくともチャネル領域
    に対向する領域に前記遮光膜を形成することを特徴とす
    る請求項6に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記遮光膜は、導電性を有し、配線又は
    電極としても機能することを特徴とする請求項1から7
    のいずれか一項に記載の電気光学装置用基板の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記遮光膜に代えて、配線又は電極とし
    て機能する導電膜を形成することを特徴とする請求項1
    から7のいずれか一項に記載の電気光学装置用基板の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記第1下地絶縁膜を形成する工程後
    且つ前記第2下地絶縁膜を形成する工程前に、前記第1
    下地絶縁膜上に一又は複数の他の下地絶縁膜を形成する
    工程を更に含むことを特徴とする請求項1から9のいず
    れか一項に記載の電気光学装置用基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記遮光膜は、高融点金属を含むこと
    を特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の
    電気光学装置用基板の製造方法。
  12. 【請求項12】 基板上に所定パターンを有する第1膜
    を形成する工程と、該第1膜上に第1下地絶縁膜を形成
    する工程と、該第1下地絶縁膜上に第2下地絶縁膜を形
    成する工程と、該第2下地絶縁膜の表面を研磨して平坦
    化する工程と、前記平坦化された表面の上側に、配線及
    び素子のうち少なくとも一方を形成する工程とを含むこ
    とを特徴とする電気光学装置用基板の製造方法。
  13. 【請求項13】 基板上に、 所定パターンを有する遮光膜と、該遮光膜上に形成され
    た第1下地絶縁膜と、該第1下地絶縁膜上に形成されて
    いると共に表面が研磨により平坦化された第2下地絶縁
    膜と、該第2下地絶縁膜における平坦化された表面上に
    貼り合わされた貼り合わせ用絶縁膜と、 該貼り合わせ用絶縁膜上に形成された単結晶半導体層を
    用いて構成された半導体素子とを備えたことを特徴とす
    る電気光学装置用基板。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の電気光学装置用基
    板と、 該電気光学装置用基板に対向配置された対向基板と、該
    対向基板と前記電気光学装置用基板との間に挟持された
    電気光学物質とを備えたことを特徴とする電気光学装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の電気光学装置を具
    備してなることを特徴とする電子機器。
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