JP2003065038A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

Info

Publication number
JP2003065038A
JP2003065038A JP2001251501A JP2001251501A JP2003065038A JP 2003065038 A JP2003065038 A JP 2003065038A JP 2001251501 A JP2001251501 A JP 2001251501A JP 2001251501 A JP2001251501 A JP 2001251501A JP 2003065038 A JP2003065038 A JP 2003065038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxygen storage
fuel ratio
storage capacity
oxygen
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001251501A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoto Kato
直人 加藤
Yutaka Sawada
裕 沢田
Toshinari Nagai
俊成 永井
Takahiro Uchida
孝宏 内田
Akihiro Katayama
章弘 片山
Yasuhiro Kuze
泰広 久世
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2001251501A priority Critical patent/JP2003065038A/ja
Publication of JP2003065038A publication Critical patent/JP2003065038A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気浄化触媒の酸素吸蔵能力を推定する際に
排気浄化率の低下や運動性能の悪化を招くことを抑止し
つつ、酸素吸蔵作用を利用して効果的な排気浄化を行う
ことのできる内燃機関の排気浄化装置を提供すること。 【解決手段】 本発明の内燃機関の排気浄化装置は、排
気浄化触媒20の酸素吸蔵量を推定する吸蔵量推定手段
18、排気浄化触媒20の下流側の排気空燃比を検出す
る下流側空燃比検出手段25、空燃比を強制的に振動さ
せて推定した酸素吸蔵量と検出された下流側排気空燃比
とに基づいて酸素吸蔵能力を推定する吸蔵能力推定手段
18、及び、過去に推定された酸素吸蔵能力に基づいて
予測される酸素吸蔵量の挙動と吸蔵量推定手段18によ
って推定された実際の酸素吸蔵量との間に不整合が生じ
たときに吸蔵能力推定手段18による酸素吸蔵能力の実
行を許可する吸蔵能力推定許可手段18を備えたことを
特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気浄化触媒の酸
素吸蔵作用を利用して排気ガスの浄化を行う内燃機関の
排気浄化触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気ガス内の窒素酸化物NO
x、一酸化炭素CO、炭化水素HCなどの物質は、排気通路
上に配設された三元触媒によって浄化されている(ディ
ーゼルエンジンでは、上述した有害物質に加えて粒子状
物質も浄化する四元触媒も用いられる)。このような三
元触媒などの排気浄化触媒が有している酸素吸蔵作用を
利用して、有害物質の浄化率をより一層向上させる空燃
比制御が従来から検討されている。酸素吸蔵作用を利用
して排気浄化を行う場合、排気浄化触媒の状態を正確に
把握することが重要であり、排気浄化触媒の持つ酸素吸
蔵量や酸素吸蔵能力(排気浄化触媒が吸蔵し得る最大の
酸素吸蔵量、最大酸素吸蔵量や酸素吸蔵可能量とも言わ
れる)を検出(推定)している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、このよ
うな排気浄化触媒の酸素吸蔵作用を利用した排気浄化を
より一層効果的に行うべく更なる改良研究を進め、本発
明を創出するに至った。即ち、本発明の目的は、排気浄
化触媒の酸素吸蔵能力を推定する際に排気浄化率の低下
や運動性能の悪化を招くことを抑止しつつ、酸素吸蔵作
用を利用して効果的な排気浄化を行うことのできる内燃
機関の排気浄化装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】第一発明の内燃機関の排
気浄化装置は、内燃機関の排気通路に配設された排気浄
化触媒の酸素吸蔵作用を利用して排気浄化を行うもの
で、排気浄化触媒に吸蔵されている酸素吸蔵量を推定す
る吸蔵量推定手段、排気浄化触媒の下流側の排気空燃比
を検出する下流側空燃比検出手段、空燃比を強制的に振
動させたときに吸蔵量推定手段によって推定された酸素
吸蔵量と下流側空燃比検出手段によって検出された排気
空燃比とに基づいて酸素吸蔵能力を推定する吸蔵能力推
定手段、及び、吸蔵能力推定手段によって過去に推定さ
れた酸素吸蔵能力に基づいて予測される酸素吸蔵量の挙
動と吸蔵量推定手段によって推定された実際の酸素吸蔵
量との間に不整合が生じたときに吸蔵能力推定手段によ
る酸素吸蔵能力の実行を許可する吸蔵能力推定許可手段
を備えたことを特徴としている。
【0005】また、第二発明の内燃機関の排気浄化装置
は、内燃機関の排気通路に配設された排気浄化触媒の酸
素吸蔵作用を利用して排気浄化を行うもので、排気浄化
触媒に吸蔵されている酸素吸蔵量を推定する吸蔵量推定
手段、排気浄化触媒の下流側の排気空燃比を検出する下
流側空燃比検出手段、及び、空燃比を強制的に振動させ
たときに吸蔵量推定手段によって推定された酸素吸蔵量
と下流側空燃比検出手段によって検出された排気空燃比
とに基づいて酸素吸蔵能力を推定する吸蔵能力推定手段
を備えており、吸蔵能力推定手段によって過去に推定さ
れた酸素吸蔵能力に基づいて予測される酸素吸蔵量の挙
動と吸蔵量推定手段によって推定された実際の酸素吸蔵
量との間の偏差が所定の許容範囲内であるときには、吸
蔵能力検出手段が、空燃比を強制的に振動させつつ酸素
吸蔵能力を推定する制御を行う必要はないと判断するこ
とを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の排気浄化装置の実施形態
について、図面を参照しつつ以下に説明する。図1に、
本実施形態の排気浄化装置を有する内燃機関の構成図を
示す。
【0007】本実施形態の空燃比制御装置は、内燃機関
であるエンジン1の空燃比を制御するものである。エン
ジン1は、図1に示されるように、点火プラグ2によっ
て各シリンダ3内の混合気に対して点火を行うことによ
って駆動力を発生する。エンジン1の燃焼に際して、外
部から吸入した空気は吸気通路4を通り、インジェクタ
5から噴射された燃料と混合され、混合気としてシリン
ダ3内に吸気される。シリンダ3の内部と吸気通路4と
の間は、吸気バルブ6によって開閉される。シリンダ3
の内部で燃焼された混合気は、排気ガスとして排気通路
7に排気される。シリンダ3の内部と排気通路7との間
は、排気バルブ8によって開閉される。
【0008】吸気通路4上には、シリンダ3内に吸入さ
れる吸入空気量Gaを調節するスロットルバルブ9が配設
されている。このスロットルバルブ9には、その開度を
検出するスロットルポジションセンサ10が接続されて
いる。また、吸気通路4上には、アイドル時(スロット
ルバルブ9の全閉時)にバイパス通路11を介してシリ
ンダ3に供給される吸入空気量Gaを調節するエアバイパ
スバルブ12も配されている。さらに、吸気通路4上に
は、吸入空気量Gaを検出するためのエアフローメーター
13も取り付けられている。エアフローメーター13
は、吸入空気の温度を検出する吸気温センサとしても機
能する。
【0009】エンジン1のクランクシャフト近傍には、
クランクシャフトの位置を検出するクランクポジション
センサ14が取り付けられている。クランクポジション
センサ14の出力からは、シリンダ3内のピストン15
の位置や、エンジン回転数NEを求めることもできる。ま
た、エンジン1には、エンジン1のノッキングを検出す
るノックセンサ16や冷却水温度を検出する水温センサ
17も取り付けられている。
【0010】これらの点火プラグ2、インジェクタ5、
スロットルポジションセンサ10、エアバイパスバルブ
12、エアフローメーター13、クランクポジションセ
ンサ14、ノックセンサ16、水温センサ17やその他
のセンサ類は、エンジン1を総合的に制御する電子制御
ユニット(ECU)18と接続されており、ECU18
からの信号に基づいて制御され、あるいは、検出結果を
ECU18に対して送出している。ECU18には、ア
クセル開度を検出するアクセルポジションセンサ19
や、排気通路7上に配設された排気浄化触媒20の温度
を測定する触媒温度検出手段としての触媒温度センサ2
1、チャコールキャニスタ22によって捕集された燃料
タンク内での蒸発燃料を吸気通路4上にパージさせるパ
ージコントロールバルブ23も接続されている。
【0011】また、ECU18には、排気浄化触媒20
の上流側に取り付けられた上流側空燃比センサ24及
び、排気浄化触媒20の下流側に取り付けられた下流側
空燃比センサ25も接続されている。上流側空燃比セン
サ24は、排気浄化触媒20の上流側空燃比を検出する
上流側空燃比検出手段として機能し、下流側空燃比セン
サ25は、排気浄化触媒20の下流側空燃比を検出する
下流側空燃比検出手段として機能する。本実施形態にお
いては、これらの空燃比センサ24,25は、それぞれ
の取付位置における排気ガス中の酸素濃度から排気空燃
比を検出するO2センサ(酸素センサ)である。なお、
これらの空燃比センサ24,25は、所定の温度(活性
化温度)以上とならなければ正確な検出を行えないた
め、早期に活性化温度に昇温されるように、ECU18
から供給される電力によって昇温される。
【0012】さらに、ECU18は、内部に演算を行う
CPUや演算結果などの各種情報量を記憶するRAMや
バッテリによってその記憶内容が保持されるバックアッ
プRAM等を有している。ECU18は、排気浄化触媒
20に吸蔵されている酸素量を酸素吸蔵量O2SUMとして
推定する吸蔵量推定手段や、この酸素吸蔵量O2SUMの履
歴から酸素吸蔵能力を推定する吸蔵能力推定手段として
機能する。
【0013】以下に、酸素吸蔵量及び酸素吸蔵能力の推
定について簡単に説明する。
【0014】まず、酸素吸蔵作用について簡単に説明す
る。排気浄化触媒20として用いられる三元触媒は、セ
リア(CeO2)等の成分を有し、排気ガス中の酸素を吸蔵・
放出する性質を有している。酸素吸蔵作用を利用するこ
とによって、入ガスの排気空燃比がリーンの時は、排気
ガス中の酸素を排気浄化触媒20で吸蔵して還元雰囲気
寄りの状態を形成させて余剰の窒素酸化物NOxの還元
(排気ガス浄化)を促進することができる。一方、入ガ
スの排気空燃比がリッチの時は、吸蔵しておいた酸素を
放出して余剰の一酸化炭素COや炭化水素HCを酸化して排
気ガス浄化を促進させることができる。このように、酸
素を吸蔵・放出する性質を利用して、排気ガスの浄化率
を向上させることができる。
【0015】このとき、上述したように、排気浄化触媒
20がその酸素吸蔵能力の限界まで酸素を吸蔵していれ
ば、入ガスの排気空燃比がリーンとなったときに酸素を
吸蔵することができなくなり、排気ガス中の窒素酸化物
NOxを充分に浄化できなくなる。一方、排気浄化触媒2
0が酸素を放出しきって酸素を全く吸蔵していなけれ
ば、入ガスの排気空燃比がリッチとなったときに酸素を
放出することができないので、排気ガス中の一酸化炭素
COや炭化水素HCを充分に浄化できなくなる。
【0016】このため、入ガスの排気空燃比がリーンと
なってもリッチとなっても対応できるように酸素吸蔵量
の目標値を酸素吸蔵能力の範囲内に設定し、酸素吸蔵量
がこの目標値となるように制御する。この制御では、排
気浄化触媒20が吸蔵している酸素吸蔵量を推定すると
共に、この推定された酸素吸蔵量の履歴を用いて酸素吸
蔵能力も推定している。なお、酸素吸蔵能力は排気浄化
触媒20の状態(温度や劣化状態など)によって変化し
得る。
【0017】排気浄化触媒20の酸素吸蔵量の推定に関
する、各制御量の時間的変化の例を図2に示す。酸素吸
蔵量O2SUMは、上流側空燃比センサ24によって検出さ
れる排気浄化触媒20の上流側の排気空燃比AFと理論空
燃比AFstとの差ΔAF=(AF-AFst)から、排気浄化触媒20
に吸蔵される、あるいは、排気浄化触媒20から放出さ
れる酸素の吸蔵・放出量O2ADを推定し、これを積算して
いくことによって得られる。ここでは、吸蔵・放出量O2
ADが正の値の時は酸素が排気浄化触媒20に吸蔵され、
負の値の時は酸素が放出されるものとする。
【0018】なお、本実施形態においては、酸素吸蔵量
O2SUMは、ある時点(例えばイグニションオン時)を基
準(O2SUM=0)として算出される。即ち、酸素吸蔵量O2S
UMは、排気浄化触媒20に酸素が吸蔵される場合は加算
され、放出される場合は減算される。上述したある時点
で排気浄化触媒20が既に酸素を吸蔵している場合もあ
るので、酸素吸蔵量O2SUMは正の値だけでなく、負の値
も取り得る。あるいは、ある時点での酸素吸蔵量O2SUM
を基準(O2SUM=0)とし、これに従って更新された後に
イグニッションオフ時にECU18内に保存されるよう
にしてもよい。この場合は、イグニッションオン時に保
存されている値を再度読み込んで、その値から再度更新
を開始する。
【0019】まず、酸素吸蔵量O2SUMの算出について、
図3に示されるフローチャートに基づいて説明する。ま
ず、上流側空燃比センサ24によって排気浄化触媒20
への入ガスの排気空燃比AFを検出し、この排気空燃比AF
と理論空燃比AFstとの差ΔAF=(AF-AFst)をECU18に
おいて求める。一方、エアフローメーター13によって
吸入空気量Gaを検出し、この吸入空気量Gaと空燃比差Δ
AFとから、排気浄化触媒20に吸蔵・放出される酸素の
吸蔵・放出量O2ADを算出する(ステップ100)。この
吸蔵・放出量O2ADの算出は、ECU18内のマップから
求めたり、ECU18に記憶させた計算式を用いて算出
するなどすれば良い。
【0020】ステップ100の後、下流側排気空燃比の
リーンフラグXleanがオンで、かつ、算出した吸蔵・放
出量O2ADが正の値であるか否かを判定する(ステップ1
10)。なお、下流側排気空燃比のリーンフラグXlean
及びリッチフラグXrichについては追って詳述するが、
リーンフラグXlean及びリッチフラグXrichは、排気浄化
触媒20の下流側の排気空燃比がリーンの時はリーンフ
ラグXleanがオンとされ、リッチの時はリッチフラグXri
chがオンとされるものである。
【0021】ステップ110において、下流側排気空燃
比のリーンフラグXleanがオンということは、排気浄化
触媒20からの出ガスの排気空燃比がリーンで酸素量が
余剰であるということである。また、吸蔵・放出量O2AD
が正の値であるということは、排気浄化触媒20への入
ガスには、吸蔵し得る酸素が含まれている状態であると
言える。従って、ステップ110が肯定される場合は、
排気浄化触媒20への入ガスには吸蔵し得る酸素が含ま
れているにもかかわらず、排気浄化触媒20は既に限界
まで酸素を吸蔵しており、それ以上酸素を吸蔵できない
状態である。
【0022】このため、ステップ110が肯定される場
合は、そのままこのルーチンを終了し、排気浄化触媒2
0の酸素吸蔵量O2SUMを更新しない。ステップ110が
肯定されているときに酸素吸蔵量O2SUMを更新してしま
うと、実際には吸蔵できない酸素を吸蔵したとしてしま
うので、このように酸素吸蔵量O2SUMの更新を禁止す
る。ステップ110が否定される場合は、今度は、下流
側排気空燃比のリッチフラグXrichがオンで、かつ、算
出した吸蔵・放出量O2ADが負の値であるか否かを判定す
る(ステップ120)。
【0023】下流側排気空燃比のリッチフラグXrichが
オンということは、排気浄化触媒20からの出ガスの排
気空燃比がリッチで酸素量が不足している状態というこ
とである。また、吸蔵・放出量O2ADが負の値であるとい
うことは、排気浄化触媒20への入ガスの排気空燃比が
リッチであり排気浄化触媒20が吸蔵している酸素を放
出させて排気ガスを浄化すべき状態であると言える。従
って、ステップ120が肯定される場合は、排気浄化触
媒20への入ガスは排気浄化触媒20から放出される酸
素によって浄化される状態であるにもかかわらず、排気
浄化触媒20は既に酸素を放出しきっており、それ以上
酸素を放出することができない状態である。
【0024】このため、ステップ120が肯定される場
合は、それ以上、排気浄化触媒20の酸素吸蔵量O2SUM
を更新しない。ステップ120が肯定されているときに
酸素吸蔵量O2SUMを更新してしまうと、実際には放出で
きない酸素を放出したとしてしまうので、このように酸
素吸蔵量O2SUMの更新を禁止する。ステップ120も否
定された場合は、上述したように、入ガス中に吸蔵でき
る酸素があるのに酸素を吸蔵しきっている状態や酸素を
放出すべきであるのに酸素を放出しきっている状態では
ないので、算出された吸蔵・放出量O2ADを用いて酸素吸
蔵量O2SUMを更新する(ステップ130)。
【0025】このように、酸素吸蔵量O2SUMを吸蔵・放
出量O2ADを用いて更新する(ステップ110又はステッ
プ120が肯定される場合は更新は禁止されるが)こと
によって、排気浄化触媒20に吸蔵されている酸素量を
常に正確に推定することができる。このようにして生成
された酸素吸蔵量O2SUMの履歴が、図2のタイミングチ
ャートの上段に示されている。逐次更新される酸素吸蔵
量O2SUMは、ECU18内に記憶される。
【0026】次いで、酸素吸蔵量O2SUMの上限値O2SUMma
x及び下限値O2SUMminの算出について、図4に示すフロ
ーチャートに基づいて説明する。
【0027】なお、上述したように酸素吸蔵量O2SUMが
ある時点を基準としているため、本実施形態において
は、上限値O2SUMmax及び下限値O2SUMminもこの時点を基
準とする。即ち、酸素吸蔵量O2SUMの基準(O2SUM=0)が
規定される時点では、O2SUMmax=O2SUMmin=0である。
【0028】まず、図2のタイミングチャート中の下段
に示されるように、下流側空燃比センサ25の出力電圧
VO2が、予め定められたリーン側閥値Vlean(ここでは、
具体的には0.3V)未満であるか否かを判定する(ステッ
プ200)。出力電圧VO2がリーン側閥値Vlean未満であ
るということは、排気浄化触媒20がその酸素吸蔵能力
の限界まで酸素を吸蔵しているので、それ以上吸蔵する
ことができない状態であると考えられる。このため、ス
テップ200が肯定される場合は、酸素吸蔵量O2SUMが
上限に達しているとして、その時点の酸素吸蔵量O2SUM
を上限値O2SUMmaxとしてECU18内に記憶する。ま
た、排気浄化触媒20の下流側排気空燃比の状態を示す
フラグについては、リーンフラグXleanをオンにセット
し、リッチフラグXrichをオフにセットする(ステップ
210)。
【0029】ステップ200が否定される場合は、下流
側空燃比センサ25の出力電圧VO2が、予め定められた
リッチ側閥値Vrich(ここでは、具体的には0.7V)を超
えているか否かを判定する(ステップ220)。出力電
圧VO2がリッチ側閥値Vrichを超えているということは、
排気浄化触媒20が酸素を吸蔵しておらず、それ以上酸
素を放出できない状態であると考えられる。このため、
ステップ220が肯定される場合は、酸素吸蔵量O2SUM
が下限に達しているとして、その時点の酸素吸蔵量O2SU
Mを下限値O2SUMminとしてECU18内に記憶する。ま
た、排気浄化触媒20の下流側排気空燃比の状態を示す
フラグについては、リーンフラグXleanをオフにセット
し、リッチフラグXrichをオンにセットする(ステップ
230)。
【0030】ステップ220が否定される場合は、下流
側空燃比センサ25の出力電圧VO2が、リーン側閥値Vle
anとリッチ側閥値Vrichとの間にある(Vlean≦VO2≦Vri
ch)ので、排気浄化触媒20からの出ガスの排気空燃比
はリーンでもリッチでもなく、理論空燃比近傍にあると
みなせる。この場合は、リーンフラグXlean・リッチフ
ラグXrich共オフにする(ステップ240)。
【0031】上述したように、酸素吸蔵量O2SUMの履歴
が逐次更新され、この履歴と下流側空燃比センサ25の
出力とから上限値O2SUMmax及び下限値O2SUMminが更新さ
れていく。このため、上限値O2SUMmaxと下限値O2SUMmin
との差(O2SUMmax-O2SUMmin)をとれば、排気浄化触媒2
0の吸蔵し得る最大限の酸素量(酸素吸蔵能力)を得る
ことができる。そして、排気浄化触媒20の酸素吸蔵量
力(O2SUMmax-O2SUMmin)は、排気浄化触媒20の状態
(温度や劣化状態など)に依存して変動するが、上限値
O2SUMmax及び下限値O2SUMminが常に更新されるので、常
に最適な値に維持される。そして、この上限値O2SUMmax
と下限値O2SUMminとの差(O2SUMmax-O2SUMmin)を算出す
るECU18は、酸素吸蔵能力を推定する吸蔵能力推定
手段としても機能している。
【0032】なお、ここでは、上述した上限値O2SUMmax
及び下限値O2SUMminから酸素吸蔵量O2SUMの目標値O2SUM
ref=(O2SUMmax+O2SUMmin)/2を設定し、この目標値O2SUM
refから燃料噴射量の補正係数KAFをECU8内に保存さ
れたマップに基づいて決定し、空燃比制御に適用する。
具体的には、実際にインジェクタ5によって噴射される
燃料噴射量(あるいは、燃料噴射のためのインジェクタ
5の開弁時間)TAUに対して次式のように補正をするこ
とになる。TAU=TAUP×KAF×α+β
【0033】ここで、TAUPは、吸入空気量Gaとエンジン
回転数NEとから求められる基本燃料噴射量である。この
基本燃料噴射量TAUPを上述した補正係数KAFやその他の
各種補正係数α,βで補正することによって、最終的な
燃料噴射量TAUが決定される。上述した補正係数α,β
の一例としては、空燃比フィードバック係数FAFがよく
知られている。この燃料噴射量TAUを制御することによ
ってエンジン1の吸入空燃比が制御される。ここでは、
ECU18は吸入空燃比を制御する吸入空燃比制御手段
としても機能している。なお、上述した補正係数KAF以
外の各種補正係数α,βについての詳しい説明は省略す
る。このように補正係数KAFを用いて燃料噴射量を補正
することによって、排気浄化触媒20の酸素吸蔵量O2SU
Mが目標値O2SUMrefとなるようにフィードバック制御が
行われる。
【0034】上述した説明は、通常の空燃比制御中に行
われる酸素吸蔵量O2SUM及び酸素吸蔵能力の推定制御に
ついてである。即ち、酸素吸蔵能力の算出に必要な酸素
吸蔵量O2SUMの上限値O2SUMmax及び下限値O2SUMminは成
り行きで検出・更新される。しかし、このように成り行
きで測定すると、上限値O2SUMmax及び下限値O2SUMminの
一方が検出・更新されてから他方が検出・更新されるま
でに時間がかかる場合がある。このような場合は、両者
が検出・更新される間に排気浄化触媒20の状況(温度
や劣化具合など)が変わり得るので、両者から算出され
る酸素吸蔵能力は正確でないことも懸念される。
【0035】そこで、本実施形態の排気浄化装置におい
ては、空燃比を強制的にリーン側にして上限値O2SUMmax
を検出し、さらに連続して空燃比をリッチ側にして下限
値O2SUMminを算出することによって酸素吸蔵能力を検出
することも行えるようになっている。即ち、強制的に空
燃比を振動させることによって、より正確に酸素吸蔵能
力を検出・更新するモードを備えている。以下、このモ
ードを強制振動モードと言うこととする。なお、空燃比
の振動は、リーンからリッチにしても、リッチからリー
ンにしても構わない。このように、空燃比を強制的に振
動させる場合には、上述した酸素吸蔵量O2SUMの目標値O
2SUMrefによる制御は一時停止する。
【0036】なお、本実施形態のように、成り行きによ
る酸素吸蔵能力の検出・更新と空燃比を強制的に振動さ
せることによる酸素吸蔵能力の検出・更新を併用せず
に、空燃比を強制的に振動させることによってのみ酸素
吸蔵能力の検出・更新を行うような制御を行っても良
く、本発明はこのような制御を行う場合にも適用できる
ものである。
【0037】ただし、このように空燃比を強制的に振動
させることによって酸素吸蔵能力を検出する場合は、排
気浄化に適した空燃比制御ではなくなるので、排気浄化
効率の低下が懸念される。また、内燃機関が搭載された
車両の運動性能に適した空燃比制御でもなくなるので、
運動性能の悪化を招くことも懸念される。このため、必
要でないならば、強制振動モードによる酸素吸蔵能力の
検出はできるだけ控えたい。しかし、より正確な酸素吸
蔵能力は必要である。本実施形態の排気浄化装置はこれ
をバランス良く両立させることのできるものである。
【0038】本実施形態の排気浄化装置によれば、空燃
比を強制的に振動させて行う酸素吸蔵能力の検出は、必
要であると思われるときにのみ実行が許可される。酸素
吸蔵能力の検出が必要でないと思われるときには、空燃
比を強制的に振動させて行う酸素吸蔵能力の検出は行わ
れない。空燃比を強制的に振動させて行う酸素吸蔵能力
の検出が必要であると思われるときとは、過去に推定さ
れた(それまで使用していた最新の)酸素吸蔵能力に基
づいて予測される酸素吸蔵量の挙動と、実際に推定・更
新されている酸素吸蔵量O2SUMの挙動との間の偏差が所
定の許容範囲外となったときである。逆に言えば、それ
まで使用していた酸素吸蔵能力に基づいて予測される酸
素吸蔵量の挙動と、実際に推定・更新されている酸素吸
蔵量O2SUMの挙動との間の偏差が所定許容範囲内であれ
ば、空燃比を強制的に振動させて行う酸素吸蔵能力の検
出は必要でないと判断できる。
【0039】本実施形態の排気浄化装置による酸素吸蔵
能力算出制御のフローチャートを図5に示す。図5に示
されるフローチャートは、所定時間ごとに繰り返し実行
されている。
【0040】まず、強制振動モードを用いた酸素吸蔵能
力の検出要求が既に生成されているか否かを判断する
(ステップ500)。検出要求の生成は後述するステッ
プ570において生成されるので、検出要求については
ステップ570の説明時に詳しく説明する。ステップ5
00において検出要求が生成されている場合は、強制振
動モードによって酸素吸蔵能力を検出するための基本条
件が成立しているか否かを判定する(ステップ51
0)。例えば、エンジン1に対して全開加速が要求され
ているような状況では、空燃比を振動させるようなこと
はできない。ここに言う基本条件とは、このような空燃
比の強制振動を行うのに適しない状況にないことを確認
するための条件である。
【0041】ステップ510が肯定される場合は、空燃
比を強制的に振動させて酸素吸蔵量O2SUMの上限値O2SUM
maxと下限値O2SUMminを更新して酸素吸蔵能力を新たに
算出・更新する(ステップ520)。一方、ステップ5
10が否定される場合は、強制振動モードによる酸素吸
蔵能力の検出に適しない状況であると判断できるので、
この場合はそのまま図5に示されるフローチャートを一
旦終了する。しかし、この場合は、検出要求はそのまま
残るので、強制振動モードによる酸素吸蔵能力の検出に
適しない状況が解消されれば、そのうちステップ510
が肯定されるようになる。ステップ520において新た
な酸素吸蔵能力の検出された場合は、検出要求がクリア
される(ステップ530)。
【0042】一方、最初のステップ500が否定される
場合は、上述したように酸素吸蔵量O2SUMが推定される
(ステップ540)。そして、この推定された酸素吸蔵
量O2SUMの挙動と、その時点で有効な酸素吸蔵能力に基
づいて予想される酸素吸蔵量の挙動とが整合しているか
を判定する(ステップ550)。両者が整合しているか
否かの判断基準は種々設定し得るが、本実施形態では、
両者の偏差が所定範囲内であるか否かで整合しているか
不整合かを判断している。
【0043】ステップ550が肯定される場合は、両者
は整合しており、これまで使用していた酸素吸蔵能力が
依然として正確であると判断できるので、酸素吸蔵能力
を新たに検出する必要はないとして図5のフローチャー
トを抜ける。ステップ550が否定される場合は、推定
された酸素吸蔵量O2SUMの挙動と予想された酸素吸蔵量
の挙動とが整合していない、即ち、それまで使用してい
た酸素吸蔵能力が既に実際の排気浄化触媒20の状況と
一致していないと判断できるので、まず、強制振動モー
ドによって酸素吸蔵能力の検出を許可する(ステップ5
60)。
【0044】そして、本実施形態においては、推定され
た酸素吸蔵量O2SUMの挙動と予想された酸素吸蔵量の挙
動とが不整合であるとステップ550で判断される場合
は、この両者の偏差が所定の許容範囲外であるので、酸
素吸蔵量の更新が必要であると判断して検出要求が生成
される(ステップ570)。ステップ570の後、図5
に示されるフローチャートを一旦抜けるが、このフロー
チャートの制御は所定時間毎に繰り返し実行されている
ので次回の実行時にはステップ500が肯定されること
になる。
【0045】具体的な事例について、図2を参照しつつ
説明しする。なお、図2のタイミングチャートは強制振
動モードによる酸素吸蔵能力の検出ではなく、成り行き
による酸素吸蔵能力の検出についての説明時に用いたも
のであるが、これを例にして説明する。例えば、図2中
のA点においては、実際に推定されている酸素吸蔵量O2
SUMが、それまで使用していた酸素吸蔵能力の上限値
(酸素吸蔵量O2SUMの上限値でもある)に達しても下流
側空燃比センサ25の出力はリーンを示さない。それま
で使用していた酸素吸蔵能力に基づいて予測される酸素
吸蔵量の挙動によれば、酸素吸蔵量はこのA点で上限に
達するはずであり、ズレが生じている。
【0046】それまで使用していた酸素吸蔵能力に基づ
いて予測される酸素吸蔵量の挙動によれば、A点で下流
側空燃比センサ25の出力がリーンを示し、A点からは
酸素吸蔵量の更新停止が行われて横ばいとなるはずであ
る。しかし、実際には、少し遅れて下流側空燃比センサ
25がリーンを示すまでは酸素吸蔵量O2SUMは増加し、
下流側空燃比センサ25がリーンを示したところで更新
停止される。このときの偏差が、所定の許容範囲内であ
れば整合していると判断され、所定の許容範囲外であれ
ば不整合であると判断される。
【0047】本実施例の場合、不整合であると判断され
た場合、第一発明によって強制振動モードによる酸素吸
蔵能力の検出が許可される。このとき、第一発明自体の
定義では実行が許可されるだけであり、実際に実行され
るか否かは問わない。しかし、本実施形態では、図5の
フローチャートにおけるステップ570にあるように、
第二発明によって強制振動モードによる酸素吸蔵能力の
検出を実行すべく検出要求も生成される。
【0048】逆に言えば、上述した偏差が所定範囲内で
ある場合は、強制振動モードによる酸素吸蔵能力の推定
(更新)は必要ないと判断され、強制振動モードによる
酸素吸蔵能力の推定(更新)は行われない。もちろん、
その後に上述した偏差が所定範囲外となった場合は、強
制振動モードによる酸素吸蔵能力の推定(更新)が必要
であると判断され、強制振動モードによる酸素吸蔵能力
の推定(更新)が行われる。
【0049】同様に、図2中のB点について説明する。
図2中のB点においては、実際に推定されている酸素吸
蔵量O2SUMが、それまで使用していた酸素吸蔵能力の下
限値(酸素吸蔵量O2SUMの下限値でもある)に達する以
前に下流側空燃比センサ25の出力がリッチを示してい
る。それまで使用していた酸素吸蔵能力に基づいて予測
される酸素吸蔵量の挙動によれば、酸素吸蔵量はこのB
点ではまだ下限に達していないはずであり、ズレが生じ
ている。
【0050】そして、それまで使用していた酸素吸蔵能
力に基づいて予測される酸素吸蔵量の挙動は、B点の後
もそれまで使用していた酸素吸蔵能力の下限値に達する
までは減少をつづける。しかし、実際には、下流側空燃
比センサ25がリッチを示して酸素吸蔵量O2SUMの更新
は停止される。(このとき、酸素吸蔵量O2SUMの下限
値、即ち、酸素吸蔵能力の下限値が更新される。ただ
し、このとき酸素吸蔵能力の下限値が更新されるのは、
強制振動モードによる検出によって更新されるのではな
い。)この両者の偏差が、所定の許容範囲内であれば整
合していると判断され、所定の許容範囲外であれば不整
合であると判断される。
【0051】さらに、同様に、図2中のC点について説
明する。図2中のC点においては、実際に推定されてい
る酸素吸蔵量O2SUMが、それまで使用していた酸素吸蔵
能力の下限値(酸素吸蔵量O2SUMの下限値でもある)に
達しても下流側空燃比センサ25の出力はリッチを示さ
ない。それまで使用していた酸素吸蔵能力に基づいて予
測される酸素吸蔵量の挙動によれば、酸素吸蔵量はこの
C点で下限に達するはずであり、ズレが生じている。
【0052】そして、それまで使用していた酸素吸蔵能
力に基づいて予測される酸素吸蔵量の挙動によれば、C
点で下流側空燃比センサ25の出力がリッチを示して、
C点からは酸素吸蔵量の更新停止が行われて横ばいとな
るはずである。しかし、実際には、少し遅れて下流側空
燃比センサ25がリッチを示すまでは酸素吸蔵量O2SUM
は減少し、下流側空燃比センサ25がリッチを示したと
ころで更新停止される。このときの偏差が、所定の許容
範囲内であれば整合していると判断され、所定の許容範
囲外であれば不整合であると判断される。
【0053】それまで使用していた酸素吸蔵能力に基づ
いて予測する酸素吸蔵量の挙動を、このように酸素吸蔵
能力の上下限値近傍で予測することによって、下流側空
燃比センサの出力を利用することができる。この結果、
不整合が生じているのか否か、あるいは、上述した偏差
が所定の許容範囲内であるのか否かをより正確に判断す
ることができる。これによって、最終的には排気浄化性
能を向上させることができる。
【0054】本発明の空燃比制御装置は、上述した実施
形態のものに限定されない。例えば、上述した実施形態
においては、ある時点での酸素吸蔵量O2SUMを基準(O2SU
M=0)に対して酸素吸蔵量O2SUMの履歴を更新した。この
ため、酸素吸蔵量O2SUMは、正の値も負の値も取り得る
ものであった。しかし、排気浄化触媒20が酸素を放出
しきった状態を検出して、この点を基準(O2SUM=0:下限
値)にしてもよい。この場合は、酸素吸蔵量O2SUMは正の
値のみをとることになり、上限値O2SUMmaxのみが設定さ
れることになる。このように、上限値O2SUMmaxと下限値
O2SUMminとで制御せずに、上限値O2SUMmax側のみ(下限
値は0に固定)で制御することも考え得る。
【0055】また、上述した実施形態では、予測された
酸素吸蔵量と実際の酸素吸蔵量O2SUMとの間に不整合が
あるか否かを、予測される酸素吸蔵量と実際の酸素吸蔵
量O2SUMとの偏差が許容範囲内であるか否かで判断し
た。しかし、両者にズレが存在していれば直ぐに不整合
であると判断してもよい。このような場合は、まず、ズ
レがある時点で実行が許可される(第一発明)。そし
て、そのズレが許容範囲内であれば、強制振動モードに
よる酸素吸蔵量の推定(更新)は行われず、許容範囲外
であれば、強制振動モードによる酸素吸蔵量の推定(更
新)が行われる(第二発明)。このような制御とするこ
ともできる。
【0056】また、上述した実施形態においては、上流
側空燃比センサ24の出力から酸素吸蔵量O2SUMを更新
したが、これに限定されるものではない。例えば、吸入
空気量Gaと燃料噴射量TAUとから排気浄化触媒20の酸
素吸蔵量O2SUMを更新するなど、他の手法によってもよ
い。
【0057】
【発明の効果】第一発明の内燃機関の排気浄化装置は、
吸蔵能力推定手段によって過去に推定された酸素吸蔵能
力に基づいて予測される酸素吸蔵量の挙動と吸蔵量推定
手段によって推定された実際の酸素吸蔵量との間に不整
合が生じたときには、吸蔵能力推定許可手段によって吸
蔵能力推定手段による酸素吸蔵能力の実行が許可され
る。予測された酸素吸蔵量と推定された実際の酸素吸蔵
量とが整合しているのであれば酸素吸蔵量の更新は必要
ないと思われる一方、不整合であれば更新が必要である
と思われる。このような更新が必要である場合にのみ更
新が許可されるようにすることによって不要な更新に伴
う空燃比の強制振動を回避し、排気浄化率の低下や運動
性能の悪化を招くことを抑止しつつ、酸素吸蔵作用を利
用した効果的な排気浄化を行うことができる。
【0058】第二発明の内燃機関の排気浄化装置は、吸
蔵能力推定手段によって過去に推定された酸素吸蔵能力
に基づいて予測される酸素吸蔵量の挙動と吸蔵量推定手
段によって推定された実際の酸素吸蔵量との間の偏差が
所定の許容範囲内であるときは、吸蔵能力推定手段によ
って空燃比を強制的に振動させながら酸素能力の検出を
行う必要はないと判断する。予測された酸素吸蔵量と推
定された実際の酸素吸蔵量との間の偏差が所定の許容範
囲内であるのであれば酸素吸蔵量の更新は必要ないと思
われる。このような場合は、空燃比を強制的に振動させ
て酸素吸蔵能力を更新する必要はないと判断することに
よって不要な更新に伴う空燃比の強制振動を回避し、排
気浄化率の低下や運動性能の悪化を招くことを抑止しつ
つ、酸素吸蔵作用を利用した効果的な排気浄化を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空燃比制御装置の一実施形態を有する
内燃機関を示す断面図である。
【図2】三元触媒の酸素吸蔵量O2SUMと、その目標値O2S
UMref、及び、下流側空燃比センサ出力の様子を示すタ
イミングチャートである。
【図3】酸素吸蔵量O2SUMの更新制御のフローチャート
である。
【図4】酸素吸蔵能力(酸素吸蔵量O2SUMの上限値O2SUM
max及び下限値O2SUMmin)の更新制御を示すフローチャ
ートである。
【図5】強制振動モードによる酸素吸蔵能力更新制御の
フローチャートである。
【符号の説明】
1…エンジン(内燃機関)、18…ECU(吸蔵量推定
手段、吸蔵能力推定手段、吸蔵能力検出許可手段)、2
0…排気浄化触媒、25…下流側空燃比センサ(下流側
の空燃比検出手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/14 F02D 41/14 310C 45/00 322A 45/00 322 322F 368G 368 372B 372 372C B01D 53/36 103B 101B (72)発明者 永井 俊成 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 内田 孝宏 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 片山 章弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 久世 泰広 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G084 AA03 BA05 BA09 BA13 BA15 BA17 BA24 DA04 DA10 DA27 EA11 EB01 EB04 EB05 EB11 EB16 EC04 FA02 FA07 FA10 FA20 FA25 FA26 FA27 FA28 FA30 FA33 FA38 3G091 AA02 AA17 AA23 AA28 AB03 BA01 BA14 BA15 BA19 BA32 CB01 CB02 CB07 DA01 DA02 DA10 DB06 DB07 DB10 DB13 DC00 DC01 DC02 DC06 EA01 EA05 EA07 EA12 EA15 EA16 EA18 EA30 EA31 EA34 FB10 FB11 FB12 FC04 GA06 GB04W GB10W HA36 HA37 HA39 HA42 HB08 3G301 HA01 HA06 JA03 JA04 JA08 JA25 JA26 JB09 LA03 LB02 MA01 MA11 MA18 NA06 NA07 NA08 NA09 NB11 NB12 ND01 ND21 ND24 ND39 NE01 NE06 NE13 NE14 NE15 PA01B PA01Z PA10B PA10Z PA11B PA11Z PC08B PC08Z PD01B PD01Z PD09B PD09Z PD12B PD12Z PE01B PE01Z PE03B PE03Z PE08B PE08Z PF03B PF03Z 4D048 AA06 AA13 AA18 AB07 DA01 DA02 DA20 EA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に配設された排気浄
    化触媒の酸素吸蔵作用を利用して排気浄化を行う内燃機
    関の排気浄化装置であって、 前記排気浄化触媒に吸蔵されている酸素吸蔵量を推定す
    る吸蔵量推定手段、 前記排気浄化触媒の下流側の排気空燃比を検出する下流
    側空燃比検出手段、 空燃比を強制的に振動させたときに前記吸蔵量推定手段
    によって推定される酸素吸蔵量と前記下流側空燃比検出
    手段によって検出された排気空燃比とに基づいて酸素吸
    蔵能力を推定する吸蔵能力推定手段、及び、 前記吸蔵能力推定手段によって過去に推定された酸素吸
    蔵能力に基づいて予測される酸素吸蔵量の挙動と前記吸
    蔵量推定手段によって推定された実際の酸素吸蔵量との
    間に不整合が生じたときに前記吸蔵能力推定手段による
    酸素吸蔵能力の実行を許可する吸蔵能力推定許可手段を
    備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関の排気通路に配設された排気浄
    化触媒の酸素吸蔵作用を利用して排気浄化を行う内燃機
    関の排気浄化装置であって、 前記排気浄化触媒に吸蔵されている酸素吸蔵量を推定す
    る吸蔵量推定手段、 前記排気浄化触媒の下流側の排気空燃比を検出する下流
    側空燃比検出手段、及び、 空燃比を強制的に振動させたときに前記吸蔵量推定手段
    によって推定された酸素吸蔵量と前記下流側空燃比検出
    手段によって検出された排気空燃比とに基づいて酸素吸
    蔵能力を推定する吸蔵能力推定手段を備えており、 前記吸蔵能力推定手段によって過去に推定された酸素吸
    蔵能力に基づいて予測される酸素吸蔵量の挙動と前記吸
    蔵量推定手段によって推定された実際の酸素吸蔵量との
    間の偏差が所定の許容範囲内であるときには、前記吸蔵
    能力推定手段が、空燃比を強制的に振動させて酸素吸蔵
    能力を推定する必要はないと判断することを特徴とする
    内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 前記吸蔵能力推定手段によって過去に推
    定された酸素吸蔵能力に基づいて予測される酸素吸蔵量
    の挙動が、過去に推定された酸素吸蔵能力の上下限値近
    傍において予測される酸素吸蔵量の挙動であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装
    置。
JP2001251501A 2001-08-22 2001-08-22 内燃機関の排気浄化装置 Pending JP2003065038A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001251501A JP2003065038A (ja) 2001-08-22 2001-08-22 内燃機関の排気浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001251501A JP2003065038A (ja) 2001-08-22 2001-08-22 内燃機関の排気浄化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003065038A true JP2003065038A (ja) 2003-03-05

Family

ID=19080133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001251501A Pending JP2003065038A (ja) 2001-08-22 2001-08-22 内燃機関の排気浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003065038A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014002604A1 (ja) 2012-06-25 2014-01-03 日産自動車株式会社 エンジンの排気浄化装置及び排気浄化方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014002604A1 (ja) 2012-06-25 2014-01-03 日産自動車株式会社 エンジンの排気浄化装置及び排気浄化方法
US9334822B2 (en) 2012-06-25 2016-05-10 Nissan Motor Co., Ltd. Purification apparatus of engine exhaust gas and method for purification of exhaust gas
JPWO2014002604A1 (ja) * 2012-06-25 2016-05-30 日産自動車株式会社 エンジンの排気浄化装置及び排気浄化方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3680217B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP3222685B2 (ja) 内燃エンジンの空燃比制御装置
JP2002115590A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
US7036304B2 (en) Exhaust gas purifying apparatus and method for internal combustion engine
JP3807090B2 (ja) 希薄燃焼内燃機関
JP5229400B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2003148136A (ja) 排気浄化触媒の劣化判定装置
JP2001074727A (ja) 燃料中イオウ濃度推定装置
JP3627612B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置及び触媒劣化判定装置
JP3412216B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2002364428A (ja) 触媒劣化判定装置
JP4055256B2 (ja) 内燃機関の排ガス浄化装置
JP2003065038A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP5041294B2 (ja) 空燃比センサの異常診断装置
JP5035670B2 (ja) 内燃機関の触媒劣化検出装置
JP4232786B2 (ja) 希薄燃焼内燃機関
JP2004339974A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2003027932A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2003049639A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2024040775A (ja) エンジン制御装置
JP2002138887A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JP2005090388A (ja) 内燃機関の排気浄化制御装置
JP2003027933A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4172491B2 (ja) 希薄燃焼内燃機関
JP2003003881A (ja) 内燃機関の排気浄化装置