JP2024040775A - エンジン制御装置 - Google Patents

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Shinichiro Shinozaki
真二郎 石田
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Abstract

【課題】空燃比センサの出力信号のオフセットずれが吸収されるまでの時間を短縮する。【解決手段】電子制御装置270は、空燃比センサ250の出力信号のオフセットずれを吸収する補正量を逐次積み上げてオフセット量を求めつつ、これを考慮して排気中の空燃比を目標空燃比に近づけるように燃料噴射弁180をフィードバック制御する。また、電子制御装置270は、オフセット量が第1の許容上限値を上回り、かつ酸素センサ260の出力信号が第2の許容上限値を上回った状態が所定時間持続したとき、又はオフセット量が第1の許容下限値を下回り、かつ酸素センサ260の出力信号が第2の許容下限値を下回った状態が所定時間持続したとき、補正量又はオフセット量の単位時間当たりの変化量からオフセットずれを推定し、このオフセットずれまでオフセット量を変化させる。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載されたエンジンを電子制御するエンジン制御装置に関する。
排気中の有害物質を浄化する触媒コンバータを備えたエンジンシステムでは、排気の空燃比を目標空燃比に近づけるべく、触媒コンバータの排気上流に配置された空燃比センサの出力信号(実空燃比)に応じて、燃料噴射弁がフィードバック制御されている。空燃比センサの出力信号には、真値からのオフセットずれが含まれているため、特開2018-159286号公報(特許文献1)に記載されるように、空燃比センサの出力信号を補正する補正量を逐次積み上げて、この補正値によってオフセットずれを吸収していた。
特開2018-159286号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、空燃比センサの出力信号のオフセットずれの大きさが分からない状態で補正量を逐次積み上げていたため、この補正量によってオフセットずれが吸収されるまでにある程度の時間がかかっていた。このため、オフセットずれが吸収されるまで触媒コンバータによる排気の浄化が不十分となり、排気性状(エミッション)が低下してしまう可能性があった。
そこで、本発明は、空燃比センサの出力信号のオフセットずれが吸収されるまでの時間を短縮することができる、エンジン制御装置を提供することを目的とする。
エンジン制御装置は、触媒コンバータの排気上流に配置された空燃比センサの出力信号、及び触媒コンバータの排気下流に配置された酸素センサの出力信号を夫々読み込み、空燃比センサの出力信号のオフセットずれを吸収する補正量を逐次積み上げてオフセット量を求めつつ、このオフセット量を考慮して排気中の空燃比を目標空燃比に近づけるように燃料噴射弁をフィードバック制御する。そして、エンジン制御装置は、オフセット量が第1の許容上限値を上回り、かつ酸素センサの出力信号が第2の許容上限値を上回った状態が所定時間持続したとき、又はオフセット量が第1の許容下限値を下回り、かつ酸素センサの出力信号が第2の許容下限値を下回った状態が所定時間持続したとき、補正量又はこれから求められるオフセット補正量の単位時間当たりの変化量から空燃比センサの出力信号のオフセットずれを推定し、このオフセットずれまでオフセット量を変化させる。
本発明によれば、排気中の有害物質を浄化する触媒コンバータを備えたエンジンシステムにおいて、空燃比センサの出力信号のオフセットずれが吸収されるまでの時間を短縮することができる。
車両に搭載されたエンジンシステムの一例を示す概要図である。 空燃比センサの出力特性の一例を示す説明図である。 酸素センサの出力特性の一例を示す説明図である。 電子制御装置の内部構造の一例を示す説明図である。 燃料噴射弁のフィードバック制御の一例を示すフローチャートである。 空燃比センサのオフセットずれ吸収処理のメインルーチンの一例を示すフローチャートである。 空燃比センサのオフセットずれ吸収処理のメインルーチンの一例を示すフローチャートである。 空燃比センサのオフセットずれ吸収処理のサブルーチンの一例を示すフローチャートである。 空燃比センサの出力信号のオフセット量と酸素センサの出力信号とが矛盾する領域の説明図面である。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
図1は、本実施形態に係るエンジン制御装置が適用され得る、車両に搭載されたエンジンシステムの一例を示している。ここで、車両としては、例えば、乗用車、バス、トラック、自動二輪車、建設機械などが含まれる。
エンジン100の各気筒に吸気(吸入空気)を導入する吸気管110には、吸気流通方向に沿って、空気中の埃などを濾過するエアクリーナ120、電子制御スロットル130、及びエンジン100の負荷の一例として挙げられる吸気流量Qを検出する吸気流量センサ140がこの順番で取り付けられている。電子制御スロットル130は、吸気管110の開度を変化させるスロットルバルブ132と、スロットルバルブ132を開閉駆動するアクチュエータ134と、スロットルバルブ132の開度(スロットル開度)θtを検出するスロットル開度センサ136と、を内蔵している。ここで、吸気流量センサ140としては、例えば、エアフローメータなどの熱線式流量計を使用することができる。なお、エンジン100の負荷としては、吸気流量Qに限らず、例えば、吸気負圧、過給圧力、アクセル開度など、エンジン100のトルクと密接に関連する状態量を併せて使用することができる。
各気筒の燃焼室150に連通する吸気ポート160には、その端部の開口を開閉する吸気弁170が取り付けられている。吸気弁170の吸気上流に位置する吸気管110には、吸気ポート160に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁180が取り付けられている。燃料噴射弁180は、電磁コイルへの通電によって磁気吸引力が発生すると、スプリングによって閉弁方向に付勢されている弁体がリフトして開弁することで、噴孔から燃料噴霧を噴射する。燃料噴射弁180には、その開弁時間に略比例した燃料が噴射されるように、所定圧力に調圧された燃料が供給されている。なお、燃料噴射弁180は、吸気ポート160に向けて燃料を噴射する構成に限らず、燃焼室150に燃料を直接噴射する構成、又はこれらの両方を備えた構成であってもよい。
燃料噴射弁180から吸気ポート160に向けて噴射された燃料は、吸気ポート160と吸気弁170との間の隙間を通って、吸気と共に燃焼室150へと導入される。そして、エンジン100の運転状態に応じた所定タイミングになると、燃焼室150の上部に配置された点火プラグ190の火花点火によって燃料と吸気との混合気が着火燃焼する。その結果、ピストン200がクランクシャフト(図示せず)に向けて押し下げられ、クランクシャフトが回転駆動される。
また、燃焼室150から排気を導出する排気ポート210には、その端部の開口を開閉する排気弁220が取り付けられている。そして、排気弁220が開弁すると、排気ポート210と排気弁220との間の隙間を通って、燃焼室150から排気管230へと排気が排出される。排気管230には、排気中の有害物質を無害成分に浄化する触媒コンバータ240が配置されている。触媒コンバータ240により排気中の有害物質が無害物質へと浄化された排気は、排気管230の終端開口から大気中に放出される。ここで、触媒コンバータ240としては、例えば、排気中のCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)及びNOx(窒素酸化物)を同時に浄化する三元触媒を使用することができる。
触媒コンバータ240の排気上流に位置する排気管230には、触媒コンバータ240による浄化前の排気中の実空燃比RABFを検出する空燃比センサ250が取り付けられている。空燃比センサ250は、図2に示すように、理論空燃比を含む所定の空燃比範囲について、空燃比と1対1に対応する電流I[μA]を出力するセンサであって、例えば、空燃比の増加に伴って線形で増加する電流を出力する。ここで、空燃比センサ250の出力信号には、図2に示すように、例えば、個体ばらつき、経時的な劣化や変化などによって発生する、真値からのオフセットずれが含まれている。ここで、オフセットずれは、許容範囲を逸脱していれば故障と判断することができる。なお、空燃比センサ250は、空燃比と1対1に対応する電流Iに限らず、空燃比と1対1に対応する電圧V[mV]などを出力するものであってもよい。
また、触媒コンバータ240の排気下流に位置する排気管230には、触媒コンバータ240による浄化後の排気中の酸素濃度の有無を検出するO2センサなどの酸素センサ260が取り付けられている。酸素センサ260は、図3に示すように、理論空燃比付近で急変する酸素濃度に応じた酸素電圧VO2[mV]を出力するセンサであって、例えば、空燃比が理論空燃比付近より小さければ約1000[mV]の電圧を出力し、空燃比が理論空燃比より大きければ約0[mV]の電圧を出力する。なお、酸素センサ260は、酸素濃度に応じた酸素電圧VO2に限らず、酸素濃度に応じた酸素電流[μI]などを出力するものであってもよい。
電子制御スロットル130、燃料噴射弁180及び点火プラグ190を電子制御する電子制御装置(ECU)270には、電子制御スロットル130のスロットル開度センサ136、吸気流量センサ140、空燃比センサ250及び酸素センサ260の各出力信号が入力されている。また、電子制御装置270には、上記の各出力信号に加えて、エンジン100の回転速度Neを検出する回転速度センサ280、エンジン100の冷却水温度(水温)Twを検出する水温センサ290、及びアクセルペダルの踏み込み角度θaを検出するアクセル開度センサ300の各出力信号が入力されている。ここで、電子制御装置270が、エンジン制御装置の一例として挙げられる。
電子制御装置270は、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ270Aと、不揮発性メモリ270Bと、揮発性メモリ270Cと、入出力回路270Dと、通信回路270Eと、これらを相互通信可能に接続する内部バス270Fと、を内蔵している。
プロセッサ270Aは、アプリケーションプログラムに記述された命令セット(データの転送、演算、加工、制御、管理など)を実行するハードウエアであって、演算装置、命令やデータを格納するレジスタ、周辺回路などから構成されている。不揮発性メモリ270Bは、例えば、電源供給を遮断してもデータを保持可能なフラッシュROM(Read Only Memory)などからなり、本実施形態を実装するためのアプリケーションプログラム(コンピュータプログラム)を保持する。揮発性メモリ270Cは、電源供給を遮断するとデータが消失するダイナミックRAM(Random Access Memory)などからなり、プロセッサ270Aの演算過程においてデータを一時的に格納する記憶領域を提供する。
入出力回路270Dは、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、D/Dコンバータなどからなり、外部機器に対するアナログ信号及びデジタル信号の入出力機能を提供する。通信回路270Eは、例えば、CANトランシーバなどからなり、図示しない車載ネットワークに接続する機能を提供する。内部バス270Fは、各デバイス間でデータを交換するための経路であって、アドレスを転送するためのアドレスバス、データを転送するためのデータバス、アドレスバスやデータバスで実際に入出力を行うタイミングや制御情報を遣り取りするコントロールバスを含んでいる。
そして、電子制御装置270は、不揮発性メモリ270Bに格納されたアプリケーションプログラムに従って、電子制御スロットル130のスロットル開度センサ136、吸気流量センサ140、空燃比センサ250、酸素センサ260、回転速度センサ280、水温センサ290及びアクセル開度センサ300などの各出力信号に応じて、電子制御スロットル130、燃料噴射弁180及び点火プラグ190を夫々電子制御する。
具体的には、電子制御装置270は、アクセル開度センサ300からアクセルペダルの踏み込み角度θaを読み込み、例えば、踏み込み角度θa及びその変化率(変化速度)に応じた電子制御スロットル130の目標角度を求める。そして、電子制御装置270は、電子制御スロットル130のアクチュエータ134に目標角度に応じた制御信号を出力し、スロットル開度センサ136によって検出されたスロットル開度θtが目標角度に近づくようにアクチュエータ134をフィードバック制御する。
また、電子制御装置270は、吸気流量センサ140及び回転速度センサ280から吸気流量Q及び回転速度Neを夫々読み込み、これらに基づいてエンジン運転状態に応じた基本燃料噴射量を求める。また、電子制御装置270は、水温センサ290から水温Twを読み込み、基本燃料噴射量を水温Twなどで補正した燃料噴射量を求める。そして、電子制御装置270は、エンジン運転状態に応じたタイミングで、燃料噴射量に応じた制御信号を燃料噴射弁180に出力して燃料を噴射させるとともに、点火プラグ190を適宜作動させて燃料と空気との混合気を着火燃焼させる。このとき、電子制御装置270は、空燃比センサ250及び酸素センサ260から実空燃比RABF及び酸素電圧VO2を夫々読み込み、排気中の空燃比が目標空燃比に近づくように、燃料噴射弁180をフィードバック制御する。なお、電子制御スロットル130、燃料噴射弁180及び点火プラグ190の制御は、少なくとも2台の電子制御装置で行うようにしてもよい。
ところで、空燃比センサ250の出力信号には、例えば、個体ばらつき、経年劣化、軽度の故障などに起因する、真値からのオフセットずれが含まれている。従来技術では、上述したように、空燃比センサ250の出力信号のオフセットずれの大きさが分からない状態で補正量を逐次積み上げて補正していたため、特に、オフセットずれが大きい場合、補正量によってはオフセットずれが吸収されるまである程度の時間がかかっていた。このため、オフセットずれが吸収されるまで触媒コンバータ240による排気の浄化が不十分となり、排気性情が低下してしまう可能性があった。
そこで、電子制御装置270に以下のような処理を組み込むことで、空燃比センサ250の出力信号のオフセットずれが吸収されるまでの時間を短縮し、これによって触媒コンバータ240による排気浄化が不十分となることを抑制する。
図5は、エンジン100が始動されたことを契機として、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、不揮発性メモリ270Bに格納されたアプリケーションプログラムに従って所定時間ごとに繰り返し実行する、燃料噴射弁180のフィードバック処理の一例を示している。ここで、燃料噴射弁180のフィードバック制御、及び空燃比センサ250の出力信号のオフセットずれ吸収処理で使用するパラメータとして、詳細については後述する、補正量を逐次積み上げたオフセット量(OS量)を使用する。
ステップ10(図5では「S10」と略記する。以下同様。)では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、空燃比センサ250から実空燃比RABFを読み込む。具体的には、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、空燃比センサ250から空燃比に応じた電流Iを読み込み、例えば、電流と空燃比との相関関係が定義されたマップ(図2参照)を利用して、電流Iに応じた実空燃比RABFを求める。
ステップ11では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、実空燃比RABFに対してオフセット量を加算することで、実空燃比RABFをオフセット量で補正した、補正空燃比RABF’を求める(RABF’=RABF+オフセット量)。即ち、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、空燃比センサ250の出力信号にオフセットずれが含まれていることに鑑み、空燃比センサ250の出力信号から求めた実空燃比RABFに対して、補正量を逐次積算したオフセット量を加算して補正する。
ステップ12では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、補正空燃比RABF’が目標空燃比CNTABFに近づくように、燃料噴射弁180をフィードバック制御する。なお、目標空燃比CNTABFについては後述する。
かかる燃料噴射弁180のフィードバック処理によれば、空燃比センサ250の出力信号から求められた実空燃比RABFは、補正量を逐次積み上げたオフセット量によって補正されて補正空燃比RABF’となる。このため、補正空燃比RABF’は、時間経過に伴って、空燃比センサ250の出力信号のオフセットずれを吸収した値に近づき、誤差が徐々に小さくなる空燃比に応じて燃料噴射弁180がフィードバック制御されるようになる。このようなことから、触媒コンバータ240に供給される排気中の空燃比が目標空燃比に近づき、触媒コンバータ240による排気浄化の実効を図ることができる。
図6~図8は、エンジン100が始動されたことを契機として、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、不揮発性メモリ270Bに格納されたアプリケーションプログラムに従って実行する、空燃比センサ250の出力信号のオフセットずれ吸収処理の一例を示している。具体的には、図6及び図7は、オフセットずれ吸収処理のメインルーチンの一例を示し、図8は、オフセットずれ吸収処理のメインルーチンからコールされる、オフセット量及びオフセット補正量(ΔOS)を算出するサブルーチンの一例を示している。なお、オフセット補正量ΔOSが、補正量の一例として挙げられる。
ステップ20では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、オフセット量及びオフセット補正量を算出するサブルーチンをコールする。なお、このサブルーチンの詳細については、図8に関連して以下で詳細に説明する。
ステップ21では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、オフセット量が許容上限値(第1の許容上限値)を上回っているか否かを判定する。ここで、許容上限値は、空燃比センサ250が正常であるときに出力するであろうと考えられる正常範囲の上限値を規定する閾値であって、オフセット量が許容上限値を超えると、例えば、空燃比センサ250が故障している可能性があると判定することができる。そして、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、オフセット量が許容上限値を上回っていると判定すれば(Yes)、処理をステップ22へと進める。一方、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、オフセット量が許容上限値以下であると判定すれば(No)、処理をステップ23へと進める。
ステップ22では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、酸素センサ260の酸素電圧VO2が許容上限値(第2の許容上限値)を上回っているか否かを判定する。ここで、許容上限値は、オフセット量が許容上限値を上回っている状態において酸素電圧VO2が通常状態であれば取り得ない値であって、例えば、図3の出力特性を有する酸素センサ260であれば0[mV]に設定される。そして、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、酸素センサ260の酸素電圧VO2が許容上限値を上回っていると判定すれば(Yes)、処理をステップ25へと進める。一方、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、酸素センサ260の酸素電圧VO2が許容上限値以下であると判定すれば(No)、処理をステップ23へと進める。
ステップ23では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、オフセット量が許容下限値(第1の許容下限値)を下回っているか否かを判定する。ここで、許容下限値は、空燃比センサ250が正常であるときに出力するであろうと考えられる正常範囲の下限値を規定する閾値であって、オフセット量が許容下限値を超えると、例えば、空燃比センサ250が故障している可能性があると判定することができる。そして、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、オフセット量が許容下限値を下回っていると判定すれば(Yes)、処理をステップ24へと進める。一方、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、オフセット量が許容下限値以上であると判定すれば(No)、処理をステップ20へと戻す。
ステップ24では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、酸素センサ260の酸素電圧VO2が許容下限値(第2の許容下限値)を下回っているか否かを判定する。ここで、許容下限値は、オフセット量が許容下限値を下回っている状態において酸素電圧VO2が通常状態であれば取り得ない値であって、例えば、図3の出力特性を有する酸素センサ260であれば1000[mV]に設定される。そして、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、酸素センサ260の酸素電圧VO2が許容下限値を下回っていると判定すれば(Yes)、処理をステップ25へと進める。一方、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、酸素センサ260の酸素電圧VO2が許容上限値以上であると判定すれば(No)、処理をステップ20へと戻す。
ステップ25では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、オフセット量が許容上限値を上回りかつ酸素電圧VO2が許容上限値を上回った状態、又はオフセット量が許容下限値を下回りかつ酸素電圧VO2が許容下限値を下回った状態が所定時間持続しているか否かを判定する。ここで、所定時間は、例えば、ノイズ重畳、測定誤差などを起因として誤判定がなされないようにするための閾値であって、例えば、空燃比センサ250及び酸素センサ260の出力特性などを考慮して適宜設定することができる。そして、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、上記の条件が所定時間持続していると判定すれば(Yes)、処理をステップ26へと進める。一方、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、上記の条件が所定時間持続していないと判定すれば(No)、処理をステップ20へと戻す。
ステップ26では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、制御サイクルの時間間隔を考慮して、時間的に連続する2つのオフセット量又はオフセット補正量から、単位時間当たりのオフセット量又はオフセット補正量の変化量(傾き)を求める。
ステップ27では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、吸気流量センサ140から吸気流量Qを読み込む。ここで、吸気流量センサ140が瞬間的な吸気量を出力する場合、吸気量に対して制御サイクルの時間間隔に応じた定数を乗算することで、吸気流量Qを求めるようにすればよい。
ステップ28では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、オフセット量又はオフセット補正量の単位時間当たりの変化量が吸気流量と相関関係があるため、吸気流量Qに応じてその変化量を補正する。具体的には、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、例えば、吸気流量と補正係数との相関関係を定義したマップ(図示せず)を使用して、吸気流量Qに応じた補正係数を求め、これをオフセット量又はオフセット補正量の変化量に乗算することで、その単位時間当たりの変化量を補正する。
ステップ29では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、補正したオフセット量又はオフセット補正量の単位時間当たりの変化量から、空燃比センサ250の出力信号のオフセットずれを推定する。即ち、オフセット量又はオフセット補正量の単位時間当たりの変化量は、制御実行時点におけるオフセット量とオフセットずれとの差分が大きいほど、オフセット量をオフセットずれまで迅速に変化させようとして大きくなる特性がある。このため、このような特性を考慮して、オフセット量又はオフセット補正量の単位時間当たりの変化量とオフセットずれとの相関関係を定義したマップ(図示せず)を事前に作成し、これを不揮発性メモリ270Bに予め格納しておく。そして、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、このようなマップを利用して、オフセット量又はオフセット補正量の単位時間当たりの変化量に応じたオフセットずれを推定する。
ステップ30では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、現在のオフセット量から、推定したオフセットずれまでの差分を算出する。この差分は、オフセット量がオフセットずれより小さい場合には正の値をとり、オフセット量がオフセットずれより大きい場合には負の値をとる。
ステップ31では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、ステップ30で算出した差分に応じて、オフセット補正量を逐次積み上げるゲインG(詳細については後述する)を大きくする。具体的には、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、ゲインGを所定値だけ大きくする、ゲインGを差分に応じた値だけ大きくする、ゲインGに所定係数を乗算する、ゲインGに差分に応じた係数を乗算するなどにより、ゲインGを大きくする。
ステップ32では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、オフセット量及びオフセット補正量を算出するサブルーチンをコールする。このサブルーチンをコールすることで、大きくなったゲインGによって、オフセット補正量が大きく変化するようになる。
ステップ33では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、オフセット量がオフセットずれに到達したか否か、要するに、空燃比センサ250の出力信号のオフセットずれがオフセット量によって吸収されたか否かを判定する。そして、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、オフセット量がオフセットずれに到達したと判定すれば(Yes)、処理をステップ34へと進める。一方、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、オフセット量がオフセットずれに到達していないと判定すれば(No)、処理をステップ30へと戻す。
ステップ34では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、オフセット補正量を逐次積み上げるゲインGを通常値に戻した後、オフセットずれ吸収処理のメインルーチンを終了させる。
オフセットずれ吸収処理のサブルーチンの一例を示す図8において、ステップ40では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、図5のステップ10と同様に、空燃比センサ250から実空燃比RABFを読み込む。
ステップ41では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、図7のステップ27と同様に、吸気流量センサ140から吸気流量Qを読み込む。
ステップ42では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、「ΔOS=(RABF-CNTABF)×Q×G」という式を利用して、前回の制御サイクルと今回の制御サイクルとの間で増減したオフセット量の増減分を表すオフセット補正量ΔOSを算出する。ここで、CNTABFは、触媒コンバータ240の入口の目標空燃比、要するに、空燃比センサ250の出力信号の期待値であって、その詳細については後述する。また、Gは、上述したように、オフセット補正量を逐次積み上げるゲインである。
ステップ43では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、前回の制御サイクルで求めたオフセット量に対して、ステップ42で求めたオフセット補正量ΔOSを加算して更新する(オフセット量=オフセット量+オフセット補正量ΔOS)。
ステップ44では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、酸素センサ260から、触媒コンバータ240の排気下流における排気中の酸素濃度を表す酸素電圧VO2を読み込む。
ステップ45では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、ステップ43で求めたオフセット量及び酸素電圧VO2に応じて、触媒コンバータ240の入口の目標空燃比CNTABFからのずれ分DCNTABFを算出する。なお、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、例えば、全開時の増量係数、高水温時の増量係数などを考慮して、目標空燃比CNTABFからのずれ分DCNTABFを適宜補正してもよい。
ステップ46では、電子制御装置270のプロセッサ270Aが、前回の制御サイクルにおける目標空燃比CNTABFに対して、ステップ45で求めたずれ分DCNTABFを加算して更新する(CNTABF=CNTABF+DCNTABF)。その後、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、オフセット量及びオフセット補正量を算出するサブルーチンを終了させて、処理をメインルーチンに戻す。
かかるオフセットずれ吸収処理によれば、吸気流量センサ140の吸気流量Q、及び空燃比センサ250の実空燃比RABFに基づいて、空燃比センサ250の出力信号のオフセット量、及び時間的に連続する制御サイクルでのオフセット量の増減分を表すオフセット補正量ΔOSが求められる。そして、図9に示すように、オフセット量が許容上限値を上回り、かつ酸素センサ260からの酸素電圧VO2が許容上限値を上回る領域(リッチ側領域)、又はオフセット量が許容下限値を下回り、かつ酸素センサ260からの酸素電圧VO2が許容下限値を下回る領域(リーン側領域)にあるか否かが判定される。このようなリッチ側領域及びリーン側領域は、空燃比センサ250の出力信号と酸素センサ260の出力信号とが矛盾している領域を示している。空燃比センサ250及び酸素センサ260の各出力信号がリッチ側領域又はリーン側領域にある状態が所定時間持続していると、空燃比センサ250の出力信号と酸素センサ260の出力信号とが矛盾していることから、空燃比センサ250の出力信号のオフセットずれが大きすぎると判定される。この場合、時間的に連続する2つの制御サイクルのオフセット量又はオフセット補正量ΔOSの変化量から、単位時間当たりのオフセット量又はオフセット補正量ΔOSの変化量が求められる。
単位時間当たりのオフセット量又はその増減分を表すオフセット補正量ΔOSの変化量は、上述したように、空燃比センサ250の出力信号のオフセットずれと密接に関連している。そこで、このようなオフセット量又はオフセット補正量ΔOSの変化量から、上記の関連性を利用して、空燃比センサ250の出力信号の真値からのオフセットずれを推測する。そして、現在のオフセット量からオフセットずれまでの差分に応じて、オフセット補正量を逐次積み上げるゲインGを一時的に大きく変化させて、オフセット量がオフセットずれに到達するまでの時間を短縮させる。オフセット量がオフセットずれに到達したら、過度な補正が行われないようにすべく、ゲインGを通常値に戻す。
従って、本実施形態では、空燃比センサ250の出力信号のオフセットずれが吸収されるまでの時間が短縮されることから、触媒コンバータ240による排気の浄化が不十分となって、排気性状が低下してしまう可能性を低減することができる。
なお、当業者であれば、様々な上記実施形態の技術的思想について、その一部を省略したり、その一部を適宜組み合わせたり、その一部を周知技術に置換したりすることで、新たな実施形態を生み出せることを容易に理解できるであろう。
その一例を挙げると、電子制御装置270のプロセッサ270Aは、図9に示すように、オフセット量及び酸素電圧VO2がリッチ領域又はリーン領域にある状態が所定時間持続したときに、例えば、車両のコンソールに取り付けられた警告灯を点灯し、空燃比センサ250が故障している可能性があることを報知するようにしてもよい。
180…燃料噴射弁、240…触媒コンバータ、250…空燃比センサ、260…酸素センサ、270…電子制御装置(エンジン制御装置)

Claims (5)

  1. 触媒コンバータの排気上流に配置された空燃比センサの出力信号、及び前記触媒コンバータの排気下流に配置された酸素センサの出力信号を夫々読み込み、前記空燃比センサの出力信号のオフセットずれを吸収する補正量を逐次積み上げてオフセット量を求めつつ、当該オフセット量を考慮して排気中の空燃比を目標空燃比に近づけるように燃料噴射弁をフィードバック制御するエンジン制御装置であって、
    前記オフセット量が第1の許容上限値を上回り、かつ前記酸素センサの出力信号が第2の許容上限値を上回った状態が所定時間持続したとき、又は前記オフセット量が第1の許容下限値を下回り、かつ前記酸素センサの出力信号が第2の許容下限値を下回った状態が所定時間持続したとき、前記補正量又はこれから求められるオフセット量の単位時間当たりの変化量から前記空燃比センサの出力信号のオフセットずれを推定し、当該オフセットずれまで前記オフセット量を変化させる、
    エンジン制御装置。
  2. 吸気流量に応じて前記単位時間当たりの変化量を補正する、
    請求項1に記載のエンジン制御装置。
  3. 前記オフセット量の変化は、前記補正量を逐次積み上げるゲインを一時的に変化させて実現する、
    請求項1に記載のエンジン制御装置。
  4. 前記ゲインは、現在の前記補正量又はこれから求められるオフセット量と前記推定されたオフセットずれとの差分に応じて決定される、
    請求項3に記載のエンジン制御装置。
  5. 前記補正量は、前記空燃比センサの出力信号から前記目標空燃比を減算した値に対して、単位時間当たりの吸気流量を乗算して求められる、
    請求項1~請求項4のいずれか1つに記載のエンジン制御装置。
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