JP2003064600A - 成形体の乾燥型 - Google Patents

成形体の乾燥型

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JP2003064600A JP2001255293A JP2001255293A JP2003064600A JP 2003064600 A JP2003064600 A JP 2003064600A JP 2001255293 A JP2001255293 A JP 2001255293A JP 2001255293 A JP2001255293 A JP 2001255293A JP 2003064600 A JP2003064600 A JP 2003064600A
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雅之 大崎
Hiroaki Kobayashi
洋昭 小林
Tokuo Tsuura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥を繰り返しても不良品の発生を低く抑え
ることができ、効率よく成形体を生産することができる
成形体の乾燥型を提供すること。 【解決手段】 パルプモールド法により成形された湿潤
状態の成形体の収容部2と、収容部2の周縁部の外側に
延在する突き合わせ面3とを備えた成形体の乾燥型であ
る。突き合わせ面3に、集約溝4が形成されているとと
もに集約溝4と収容部2とに通じる連通溝5が形成され
ており、乾燥型の内部に、集約溝4と外部とに通じる吸
引排出用の流通路6が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプモールド法
により成形された湿潤状態の成形体を乾燥させるための
乾燥型、これを用いた成形体の乾燥方法、一組の乾燥型
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】パルプ
モールド法によって成形された湿潤状態の成形体を乾燥
させる場合には、通常、外部に通じる排気孔を有する成
形体の収容部と、該収容部の周縁部の外側に延出する突
き合わせ部と、該収容部を加熱する加熱手段とを備えた
パルプモールド成形体の乾燥型が用いられる。そして、
該成形体を収容部に押圧した状態で該加熱手段で該収容
部を加熱し、該収容部を通じた熱伝導により成形体を加
熱し、当該成形体内の水分を蒸発させて前記排気孔より
蒸気を外部に排出して乾燥させている。斯かる乾燥型に
関する従来技術としては、例えば、特開平6−1585
99号公報に記載の抄造成形品の製造装置が挙げられ
る。
【0003】ところで、上述のような乾燥型を用いて数
百〜数千個の成形体を連続的に乾燥していると、成形体
の抄造時に用いるスラリーに含まれる析出成分を含む液
滴が、内部からの加圧により、絞り出され、加熱された
金型で乾燥され固体となり、収容部の周縁や突き合わせ
面の内縁の近傍に次第に滞留し、これを放置して引き続
き繰り返し乾燥を続けると、次第にはこの析出成分が焦
げてしまい、焦げた析出成分がその後に乾燥に供される
湿潤状態の成形体の外面に付着し、乾燥後に成形体の表
面にこびりついて不良品となる割合が高くなる問題があ
った。このような不良品の割合を低くするには、乾燥型
を頻繁に掃除しなければならず、生産効率が低くならざ
るを得なかった。
【0004】従って、本発明の目的は、乾燥を繰り返し
ても不良品の発生を低く抑えることができ、効率よく成
形体を生産することができる成形体の乾燥型、これを用
いた成形体の乾燥方法、及び一組の乾燥型を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、パルプモール
ド法により成形された湿潤状態の成形体の収容部と、該
収容部の周縁部の外側に延在する突き合わせ面とを備え
た成形体の乾燥型において、前記突き合わせ面に、穴又
は集約溝が形成されているとともに該穴又は該集約溝と
前記収容部とに通じる連通溝が形成されており、前記乾
燥型の内部に、該穴又は該集約溝と外部とに通じる吸引
排出用の流通路が形成されていることを特徴とする成形
体の乾燥型を提供することにより、前記目的を達成した
ものである。
【0006】また、本発明は、前記本発明の成形体の乾
燥型を用いた成形体の乾燥方法であって、前記収容部に
湿潤状態の成形体を収容した後に、前記流通路を通じて
負圧吸引しながら該収容部を加熱して該成形体を乾燥
し、該成形体から発せられる蒸気を、該流通路を通じて
排出する成形体の乾燥方法を提供することにより、前記
目的を達成したものである。
【0007】また、本発明は、パルプモールド法により
成形された湿潤状態の成形体の収容部と、該収容部の周
縁部の外側に延在する突き合わせ面とをそれぞれ備え、
それぞれの該突き合わせ面どうしを突き合わせて用いら
れる一組の乾燥型において、一方の前記乾燥型における
前記突き合わせ面に穴又は集約溝が形成されているとと
もに該乾燥型の内部に該穴又は該集約溝と外部とに通じ
る流通路が形成されており、いずれかの前記乾燥型の前
記突き合わせ面に、前記穴又は前記集約溝と前記収容部
とに通じる連通溝が形成されており、それぞれの前記突
き合わせ面が互いに突き合わされたときに、前記連通
溝、前記穴又は前記集約溝、及び前記流通路が連通され
た、吸引排出路が形成されることを特徴とする一組の乾
燥型を提供することにより、前記目的を達成したもので
ある。
【0008】また、本発明は、前記本発明の一組の乾燥
型に用いられる成形体の乾燥型であって、パルプモール
ド法により成形された湿潤状態の成形体の収容部と、該
収容部の周縁部の外側に延在する突き合わせ面とを備え
ており、前記突き合わせ面に穴又は集約溝が形成されて
いるとともに該乾燥型の内部に該穴又は該集約溝と外部
とに通じる流通路が形成されている成形体の乾燥型を提
供することにより前記目的を達成したものである。
【0009】また、本発明は、前記本発明の一組の乾燥
型に用いられる成形体の乾燥型であって、パルプモール
ド法により成形された湿潤状態の成形体の収容部と、該
収容部の周縁部の外側に延在する突き合わせ面とを備え
ており、前記突き合わせ面に、前記収容部と、対応する
他方の乾燥型における前記穴又は前記集約溝とに通じる
連通溝が形成されている成形体の乾燥型を提供すること
により、前記目的を達成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施
形態に基づき図面を参照しながら説明する。
【0011】図1及び図2は、本発明の成形体の乾燥型
(以下、単に乾燥型ともいう)の第1実施形態を示した
ものである。同図において符号1は乾燥型を示してい
る。
【0012】本実施形態の乾燥型1は、パルプモールド
法(湿式抄造法)により成形された湿潤状態の成形体の
収容部2と、収容部2の周縁部の外側に延在する突き合
わせ面3とを備えた口頸部を有するボトル状の成形体用
の乾燥型である。
【0013】本実施形態の乾燥型1は、前記収容部2及
び前記突き合わせ面3を有する直方体状の金属製のブロ
ック10と、ブロック10の背面部に固定される金属製
の背板11とから構成されており、ブロック10の背面
部には、後述の通気路6及び排気路21を形成する縦溝
100が形成されている。
【0014】収容部2には、縦に伸びる排気用のスリッ
ト20が所定間隔をおいて形成されており、各スリット
20は、外部に通じる排気路21に通じている。スリッ
ト20の断面は、図2に示すように、スリット20を通
じたパルプ繊維の目詰まりを抑え、メンテナンスをし易
くする点から背板11側に向けて漸次拡開するように形
成されている。
【0015】スリット20の形態(幅及び長さ)及び収
容部2におけるスリット20の開孔面積率は、蒸気の逃
げ易さと熱伝導性とのバランス、メンテナンスのし易さ
及び収容部の強度確保の点から、適宜決定することがで
きる。
【0016】排気路21は、ブロック10の前記縦溝1
00及び背板11で形成されている。排気路21は、負
圧源(図示せず)に通じる管路(図示せず)に接続さ
れ、これらスリット20及び排気路21を通じて乾燥中
の成形体から発せられる蒸気を外部に吸引排気できるよ
うになっている。
【0017】突き合わせ面3には、収容部2を囲繞する
ように集約溝4が形成されているとともに集約溝4と収
容部2とに通じる連通溝5が形成されている。また、乾
燥型1の内部には、集約溝4と外部とに通じる吸引排出
用の流通路6が形成されている。流通路6は、負圧源
(図示せず)に通じる管路(図示せず)に接続される。
そして、対応する乾燥型と突き合わせたときに、乾燥中
に成形体から発せられる蒸気を連通溝5、集約溝4及び
流通路6で形成される排出路7を通じて外部に吸引排気
できるようになっている。また、このように乾燥中に突
き合わせ面にも吸引力が働くため、収納部2の周縁部や
突き合わせ面3,3’の内縁にも析出成分を含む液滴の
滞留が抑えられるようになっている。
【0018】収容部2の周縁から集約溝4の内縁までの
距離L(図3参照)は、収容部外縁の強度と焦げが付着
する面積をできるだけ少なくすることとの兼合い、及び
抄紙型からの受け渡しをより確実にする点から、1.0
〜20mmであることが好ましく、2〜10mmである
ことがより好ましい。また、集約溝4の幅W(図3
(a)参照)は、焦げの堆積量の確保と突き合わせ面の
強度との兼合いの点から5〜30mmであることが好ま
しく、10〜20mmであることがより好ましい。さら
に、集約溝4の深さD(図3(a)参照)は、焦げの堆
積量の確保と熱量を大きくすることとの兼ね合いの点か
ら1〜10mmであることが好ましく、2〜5mmであ
ることがより好ましい。
【0019】連通溝5の幅w(図3(b)参照)は、得
られる成形体に溝の跡を残さないこと及び乾燥効率を保
つことと前記液滴の排出効率との兼合いの点から0.0
5〜5mmであることが好ましく、0.1〜0.5mm
であることがより好ましい。また、連通溝5の深さd
(図3(b)参照)は、前記液滴の排出効率と熱量をさ
げないようにすることとの兼ね合いの点から0.02〜
20mmであることが好ましく、0.05〜10mmで
あることがより好ましい。連通溝5は、析出液の効率的
な排出の点からは、本実施形態の乾燥型1におけるよう
に、形成箇所に応じて適切な幅の溝50,51が形成さ
れていることが好ましいが、加工効率の点からは、同一
幅の溝を形成することもできる。
【0020】吸引排気用の流通路6は、ブロック10内
部にその厚み方向に伸びる流通路60と、ブロック10
の縦溝100及び背板11で形成される流通路61とか
ら形成されている。流通路60は、析出成分の目詰まり
を抑え、メンテナンスをし易くする点から背板11側に
向けて漸次拡径するように形成されている。
【0021】背板11には、その長手方向に沿って3本
の貫通孔110が形成されており、貫通孔110に所定
の加熱手段、例えば電熱ヒーター等の発熱体(図示せ
ず)が嵌挿できるようになしてある。
【0022】次に、本発明の一組の乾燥型を、その好ま
しい実施形態として、前記乾燥型1を用いた実施形態に
基づいて、図4を参照しながら説明する。尚、図4にお
いては、符号Sは、一組の乾燥型を示している。また、
乾燥型(一方の乾燥型)1と対をなす本実施形態に用い
られる乾燥型(他方の乾燥型)1’は、前記集約溝4、
連通溝5及び流通路路6を有していない以外は乾燥型1
と同様の構成を有する乾燥型であるので、乾燥型1と共
通する部分については、同一符号を付し、その説明は省
略する。従って、特に説明のない部分については、前記
実施形態の説明が適宜適用される。
【0023】図4に示すように、本実施形態の一組の乾
燥型Sは、乾燥型1,1’における互いに突き合わせ面
3,3’が互いに突き合わされたときに、連通溝5、集
約溝4、及び前記流通路6が連通された、吸引排出路7
が形成されるものである。
【0024】本実施形態の一組の乾燥型Sにおいては、
前記加熱手段からの熱が収容部2の内面を通じて湿潤状
態の成形体に効率よく伝えられてその乾燥が進行する。
この間に、成形体に含まれる水分が蒸気として、前記ス
リット20及び排気路21並びに吸引排出路7を形成す
る前記流通溝5、集約溝4及び流通路6を通じて外部に
排出される。また、流通溝5及び集約溝4を通じて、収
容部2の周縁部及び突き合わせ面3、3’の内縁部にも
乾燥中に吸引力が働くため、析出成分を含む液滴等が滞
留することがない。
【0025】また、本実施形態の一組の乾燥型Sにおい
て成形体を乾燥する場合には、吸引排出路7を形成する
前記流通溝5、集約溝4及び流通路6が乾燥型1にのみ
形成されているため、抄造型(図示せず)との間で乾燥
に供する成形体の受け渡しを行う際に、乾燥型1を定位
置に配置するとともに、乾燥型1’を移動自在としてお
き、乾燥型1’の前記スリット20及び排気路21を通
じて湿潤状態の成形体を負圧吸引して該抄造型から受け
取り、そのまま乾燥型1と突き合わせて乾燥を行うこと
ができる。
【0026】次に、本発明の乾燥方法を、その好ましい
実施形態として、前記乾燥型1、1’(図4参照)を用
いた実施形態に基づいて、図5を参照しながら説明す
る。尚、図5においては簡便のため、乾燥型1、1’の
構造及び形状等は簡略化してある。
【0027】先ず、図5(a)に示すように、乾燥型
1,1’の突き合わせ面3,3’同士を互いに突き合わ
せることにより、収容部2、2で形成されるキャビティ
内に、所定のパルプモールド成形法により成形された湿
潤状態の成形体8を収容する。成形体8の収容に際して
は、乾燥型1を定位置に配置するとともに、乾燥型1’
を移動自在としておき、乾燥型1’の前記スリット20
及び排気路21を通じて湿潤状態の成形体を負圧吸引し
て抄造型(図示せず)から受け取り、そのまま乾燥型1
と突き合わせて収容することが好ましい。
【0028】そして、前記流通路6の前記流通路61
(図4参照)を通じてキャビティ内を負圧吸引しなが
ら、収容部2を前記背板11に配された前記発熱体によ
って所定温度に加熱する。流通路61を通じた吸引は、
乾燥効率の点から、−5〜−95kPaであることが好
ましく、−20〜−80kPaであることがより好まし
い。このようにして、キャビティ内を負圧吸引しながら
乾燥が行われるため、成形体に含まれる水分が蒸気とし
て、前記スリット20及び排気路21並びに吸引排出路
7を形成する前記流通溝5、集約溝4及び流通路6を通
じて外部に排出される。また、流通溝5及び集約溝4を
通じて、収容部2の周縁部及び突き合わせ面3、3’の
内縁部にも乾燥中に吸引力が働くため、析出成分を含む
液滴等が滞留することがなく、集約溝4に集約されて外
部に排出されるか、集約溝4内で乾固する。
【0029】前記成形体8は、所定のパルプ繊維のスラ
リーを原料とし、一組の割型を組み付けてキャビティを
形成する抄紙型を用い、該キャビティ内面を所定の抄紙
ネットで覆った状態で該キャビティ内に該スラリーを所
定圧の加圧注入により供給しつつ、該抄紙型の外部から
負圧吸引してキャビティ内面に所定のパルプ繊維積層体
を形成し、スラリー加圧注入後に該パルプ繊維積層体の
内側に圧縮空気を加圧注入して所定の含水率に脱水した
ものが好ましい。
【0030】次に、図5(b)に示すように、中空の袋
状の中子9を成形体8内に挿入する。中子9は、弾性を
有し伸縮自在であることが好ましい。また、中子9は、
引張強度、反発弾性及び伸縮性等に優れたウレタン、フ
ッ素系ゴム、シリコーン系ゴム又はエラストマー等によ
って形成されていることが好ましい。
【0031】次に、図5(c)に示すように、中子9内
に加圧流体を供給して中子9を膨張させ、膨張した中子
9により湿潤状態の成形体8を収容部2の内面に押圧す
る。そして、成形体8が膨張した中子9によって収容部
2の内面に押し付けられ、前記加熱手段からの熱が収容
部2を通じて効率よく伝えられて成形体8の乾燥が進行
すると共に、収容部2の内面形状が成形体8に転写され
る。このようにして、成形体8の内部から外部に向けて
成形体8が収容部2に押し付けられるので、収容部2の
内面形状が複雑であっても、高い乾燥効率で成形体8が
乾燥され、しかも、収容部2の内面形状が精度良く成形
体8に転写されることになる。更に、収容部2の内面に
形成スリット20を前述した範囲とすることにより、中
子9による押圧によっても、乾燥後の成形体8にスリッ
ト20の跡がつきにくくなる。中子9を膨張させるため
に用いられる加圧流体としては、例えば圧縮空気(加熱
空気)、油(加熱油)、その他各種の液が使用される。
また、加圧流体を供給する圧力は、0.01〜5MP
a、特に0.1〜3MPaであることが好ましい。
【0032】成形体8を所定の含水率まで十分に乾燥で
きたら、流通路61を通じた吸引を停止するとともに、
図5(d)に示すように、中子9内の加圧流体を抜き、
中子9を縮小させる。次いで、縮小した中子9を成形体
8内より取り出し、更に両乾燥型1,1’を開いて成形
体を取り出す。
【0033】このようにして成形された成形体8は、ス
リットの跡がなく、平滑で寸法精度良く仕上げられたも
のとなる。
【0034】以上説明したように、本実施形態の乾燥型
1、これを用いた成形体の乾燥方法、及び一組の乾燥型
Sによれば、乾燥を繰り返しても不良品の発生を低く抑
えることができ、効率よく成形体を生産することができ
る。
【0035】図6〜図8は、本発明の一組の乾燥型及び
これに用いられる成形体の乾燥型の他の実施形態を示し
たものである。なお、これらの図において、前記実施形
態の乾燥型1と共通する部分については、同一符号を付
し、その説明は省略する。従って、特に説明のない部分
については、前記実施形態の説明が適宜適用される。
【0036】図6に示す実施形態の一組の乾燥型S’
は、前記乾燥型(一方の乾燥型)1と乾燥型(他方の乾
燥型)1’とが突き合わされて形成されたものである。
乾燥型1’の突き合わせ面3’には、収容部2’に通じ
る連通溝5’が、乾燥型1の集約溝4に通じるように形
成されている。そして、乾燥型1,1’が互いに突き合
わせ面3,3’で突き合わされたときに、連通溝5及び
/又は5’、集約溝4、及び前記流通路6が連通され
た、吸引排出路7”が形成されるようになっている。
【0037】連通溝5’は、成形体へ溝の跡ができるだ
け残らないようにする点からは乾燥型1’の連通溝と対
向しない位置に形成することが好ましいが、型の設計、
加工の効率化の点からは対向する位置に形成することが
好ましい。連通溝5,5’を対向させる場合には、両連
通溝5,5’の深さの合計を、前記連通溝5の深さd
(図3(a)参照)の範囲とすることが好ましい。
【0038】本実施形態の一組の乾燥型S’において成
形体の乾燥を行う場合には、抄造型(図示せず)との間
で乾燥に供する成形体の受け渡しを行う際に、乾燥型1
を定位置に配置するとともに、乾燥型1’を移動自在と
しておき、乾燥型1’の前記スリット20及び排気路2
1を通じて湿潤状態の成形体を負圧吸引して該抄造型か
ら受け取り、そのまま乾燥型1と突き合わせて乾燥を行
うことができる。
【0039】本実施形態の一組の乾燥型S’によれば、
前記実施形態の一組の乾燥型Sと同様の効果が得られる
ほか、型の加工時間の短縮、型熱量を大きくすることが
できる。
【0040】図7に示す実施形態の一組の乾燥型S’
は、乾燥型(一方の乾燥型)1’と乾燥型(他方の乾燥
型)1”とが突き合わされて形成されたものである。乾
燥型1’、1”の突き合わせ面3’、3”には、収容部
2を囲繞するように集約溝4’、4”が互いに対向しな
いように断続的に形成されている。乾燥型1’1”は、
集約溝4,’、4”が、互いに対向しないように断続的
に形成されている以外は、乾燥型1と同様に形成されて
いる。そして、突き合わせ面3’,3”が互いに突き合
わされたときに、連通溝5’、集約溝4’、及び前記流
通路6’が連通された吸引排出路7’並びに連通溝
5”、集約溝4”、及び前記流通路6”が連通された吸
引排出路7”が形成されるようになっている。
【0041】本実施形態の一組の乾燥型S’によれば、
前記実施形態の一組の乾燥型Sと同様の効果が得られる
ほか、排出効率を十分保ちながら型の熱量を大きくでき
るため、サイクル毎の温度低下が少なく、乾燥効率を上
げることができる。
【0042】図8に示す実施形態の一組の乾燥型S’
は、乾燥型(一方の乾燥型)1’と乾燥型(他方の乾燥
型)1”とが突き合わされて形成されたものである。乾
燥型1’は、前記乾燥型1において連通溝5が形成され
ていないものであり、乾燥型1”の突き合わせ面3”に
は、収容部2に通じ、且つ乾燥型1’と突き合わせたと
きに集約溝4に通じる連通溝5”が形成されている。連
通溝5”の形態(幅、深さ)は、前記連通溝5と同様に
形成されている。そして、突き合わせ面3’、3”が互
いに突き合わされたときに、連通溝5”、集約溝4、及
び流通路6が連通された吸引排出路7’が形成されるよ
うになっている。
【0043】本実施形態の一組の乾燥型S’において成
形体を乾燥する場合には、例えば、抄造型(図示せず)
との間で乾燥に供する成形体の受け渡しを行う際に、乾
燥型1’を定位置に配置するとともに、乾燥型1”を移
動自在としておき、乾燥型1”の前記スリット20及び
排気路21を通じて湿潤状態の成形体を負圧吸引して抄
造型から受け取り、そのまま乾燥型1’と突き合わせて
乾燥を行うことができる。
【0044】本実施形態の一組の乾燥型S’によれば、
前記実施形態の一組の乾燥型Sと同様の効果が得られる
ほか、乾燥型Sに比べて熱量が大きいため温度低下が少
なく、より高い乾燥効率を得ることができる。また、加
工時間及び加工コストの低減を図ることができる。
【0045】本発明は前記実施形態に制限されるもので
はなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変
更することができる。
【0046】例えば、前記実施形態では、乾燥型1の突
き合わせ面3に集約溝4を形成するようにしたが、集約
溝4に代えて、所定の形態の穴を所定間隔おきに形成す
るとともに該穴に通じる流通路6を形成しておき、さら
に該穴に通じるように、収容部に連通する連通溝を突き
合わせ面に形成することもできる。
【0047】例えば、乾燥型の収容部の形態は、乾燥す
る成形体の形状に合わせて適宜設定変更できる。また、
収容部には、前記実施形態におけるようなスリット20
を形成することが好ましいが、収容部から所定の深さま
でがスリット状の同一の開口形状でその後排気路に近づ
くにつれて漸次拡開する形態の排気孔や、スリット以外
の形態の排気孔を排気路に通じるように形成することも
できる。
【0048】また、本発明の乾燥型は、前記実施形態の
乾燥型1におけるように、ブロック10と背板11とか
ら構成することが好ましいが、ブロックのみで形成し、
ブロック内部に加熱手段を配するようにすることもでき
る。また、ブロック10の背面部に溝100を形成し、
該溝と背板11とで流通路61を形成するようにした
が、流通路60に通じる流通路は、ブロック10の内部
に直接穿設することもできる。
【0049】また、本発明の成形体の乾燥型は、前記実
施形態の乾燥型Sにおけるように、一対の割型を突き合
わせて構成される一組の乾燥型に用いられる成形体の乾
燥型に適用することが好ましいが、三つ以上の割型(乾
燥型)を突き合わせて構成される一組の乾燥型に用いら
れる成形体の乾燥型に適用することもできる。また、本
発明は、例えば、成形体の口頸部及び胴部の収容部が二
つ以上の割型を突き合わせて構成され、成形体の底部の
収容部が一つの割型で構成されるような、成形体を部分
的に収容する収容部を有する割型どうしを突き合わせて
構成される一組の乾燥型に用いられる成形体の乾燥型に
も適用することができる。
【0050】また、本発明の成形体の乾燥型及び一組の
乾燥型は、前記実施形態の乾燥型1,1’におけるよう
に、対応する型同士を突き合わせたときに成形体の収容
部が形成されるいわゆる割型に適用することが好ましい
が、パルプモールド成形体の製造に用いられるいわゆる
雄雌型の形態の乾燥型における雌型、一組の雄雌型にも
適用することができる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、乾燥を繰り返しても不
良品の発生を低く抑えることができ、効率よく成形体を
生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形体の乾燥型における一実施形態を
模式的に示す斜視図である。
【図2】図1のA−A切断端面図である。
【図3】同実施形態の乾燥型における要部の拡大図であ
り、(a)は連通溝及び集約溝の寸法を表す拡大断面図
であり、(b)は連通溝及び集約溝の寸法を表す拡大平
面図である。
【図4】本発明の一組の乾燥型を模式的に示す切断端面
図である。
【図5】本発明の成形体の乾燥方法を模式的に示す工程
図であり、(a)は成形体を収容した状態を示す図、
(b)は中子を挿入している状態を示す図であり、
(c)は中子による押圧状態を示す図、(d)は脱型状
態を示す図である。
【図6】本発明の一組の乾燥型における他の実施形態を
模式的に示す切断端面図である。
【図7】本発明の一組の乾燥型における他の実施形態を
模式的に示す切断端面図である。
【図8】本発明の一組の乾燥型における他の実施形態を
模式的に示す切断端面図である。
【符号の説明】
1、1’、1” 成形体の乾燥型 2 収容部 3、3’、3” 突き合わせ面 4、4’、4” 集約溝 5、5’、5” 連通溝 6、6’、6” 流通路 7、7’、7” 排出路 8 成形体 S,S’ 一組の乾燥型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 洋昭 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 津浦 徳雄 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 4L055 BF09 CJ06 FA22 GA05 GA50

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプモールド法により成形された湿潤
    状態の成形体の収容部と、該収容部の周縁部の外側に延
    在する突き合わせ面とを備えた成形体の乾燥型におい
    て、 前記突き合わせ面に、穴又は集約溝が形成されていると
    ともに該穴又は該集約溝と前記収容部とに通じる連通溝
    が形成されており、前記乾燥型の内部に、該穴又は該集
    約溝と外部とに通じる吸引排出用の流通路が形成されて
    いることを特徴とする成形体の乾燥型。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の成形体の乾燥型を用いた
    成形体の乾燥方法であって、 前記収容部に湿潤状態の成形体を収容した後に、前記流
    通路を通じて負圧吸引しながら該収容部を加熱して該成
    形体を乾燥し、該成形体から発せられる蒸気を、該流通
    路を通じて排出する成形体の乾燥方法。
  3. 【請求項3】 パルプモールド法により成形された湿潤
    状態の成形体の収容部と、該収容部の周縁部の外側に延
    在する突き合わせ面とをそれぞれ備え、それぞれの該突
    き合わせ面どうしを突き合わせて用いられる一組の乾燥
    型において、 一方の前記乾燥型における前記突き合わせ面に穴又は集
    約溝が形成されているとともに該乾燥型の内部に該穴又
    は該集約溝と外部とに通じる流通路が形成されており、 いずれかの前記乾燥型の前記突き合わせ面に、前記穴又
    は前記集約溝と前記収容部とに通じる連通溝が形成され
    ており、 それぞれの前記突き合わせ面が互いに突き合わされたと
    きに、前記連通溝、前記穴又は前記集約溝、及び前記流
    通路が連通された、吸引排出路が形成されることを特徴
    とする一組の乾燥型。
  4. 【請求項4】 他方の前記乾燥型における前記突き合わ
    せ面に、一方の前記乾燥型における前記穴又は前記集約
    溝に対向しないように、別の穴又は別の集約溝が形成さ
    れているとともに該乾燥型の内部に該別の穴又は該別の
    集約溝と外部とに通じる別の流通路が形成されており、 いずれかの前記乾燥型の前記突き合わせ面に、前記別の
    穴又は前記別の集約溝と前記収容部とに通じる別の連通
    溝が形成されており、 それぞれの前記突き合わせ面が互いに突き合わされたと
    きに、前記別の連通溝、前記別の穴又は前記別の集約
    溝、及び前記別の流通路が連通された、別の吸引排出路
    が形成される請求項3記載の一組の乾燥型。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の一組の乾燥型に用いられ
    る成形体の乾燥型であって、パルプモールド法により成
    形された湿潤状態の成形体の収容部と、該収容部の周縁
    部の外側に延在する突き合わせ面とを備えており、 前記突き合わせ面に穴又は集約溝が形成されているとと
    もに該乾燥型の内部に該穴又は該集約溝と外部とに通じ
    る流通路が形成されている成形体の乾燥型。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の一組の乾燥型に用いられ
    る成形体の乾燥型であって、パルプモールド法により成
    形された湿潤状態の成形体の収容部と、該収容部の周縁
    部の外側に延在する突き合わせ面とを備えており、 前記突き合わせ面に、前記収容部と、対応する他方の乾
    燥型における前記穴又は前記集約溝とに通じる連通溝が
    形成されている成形体の乾燥型。
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