JP2003064144A - 多官能イソシアネート組成物、マイクロカプセル、及び感熱記録材料 - Google Patents

多官能イソシアネート組成物、マイクロカプセル、及び感熱記録材料

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JP2003064144A
JP2003064144A JP2001254211A JP2001254211A JP2003064144A JP 2003064144 A JP2003064144 A JP 2003064144A JP 2001254211 A JP2001254211 A JP 2001254211A JP 2001254211 A JP2001254211 A JP 2001254211A JP 2003064144 A JP2003064144 A JP 2003064144A
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microcapsule
heat
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Yoshihiro Jinbo
良弘 神保
Yukitaka Ueki
志貴 植木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低エネルギー印加では発色せず、高エネルギ
ー印加では十分に高い発色濃度を実現させることがで
き、且つ低コストで供給が可能な多官能イソシアネー
ト、これを用いたマイクロカプセル、並びにこのマイク
ロカプセルを用いた感熱記録材料及び多色感熱記録材料
の提供。 【解決手段】 下記一般式(1)の化合物と下記一般式(2)
の化合物からなる付加体を含有する多官能イソシアネー
ト組成物、及び該多官能イソシアネート組成物を含むマ
イクロカプセルならびに感熱記録材料。 【化1】 [式中X1,X2はそれぞれ結合手、または二価の基を表
す。Rは置換基を表し、nは0から10の整数を表す。
nが2以上の整数の場合、Rは同一でも異なっていても
よい。またRどうしが結合し、環を形成していてもよ
い。] 【化2】 [R1は2価以上の連結基を表し、mは2以上の整数を
表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂、塗料、フイ
ルム、フォーム、接着剤等のポリウレタン化合物の原料
として使用でき、さらに感熱記録材料等にも使用される
ポリウレタン樹脂の形成に有用な新規な多官能イソシア
ネート組成物、感熱記録材料にも利用することができる
前記多官能イソシアネート組成物を用いたマイクロカプ
セル、および前記マイクロカプセルを用いた感熱記録材
料及び多色感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリやプリンター等の記録媒体
として普及している感熱記録材料は、主として支持体上
に電子供与性染料前駆体の固体分散物を塗布乾燥させた
材料である。電子供与性染料前駆体を使用した記録方式
は、材料も入手し易くかつ高い発色濃度や発色速度を示
す利点を有するが、溶剤等の付着により発色し易く、記
録画像の保存性や信頼性に問題があり、多くの改良が検
討されてきた。記録画像の保存性を改善するための一つ
の方法として、電子供与性染料前駆体をマイクロカプセ
ル中に内包し、色素をマイクロカプセル中に形成させる
ことにより、画像の保存性を高める方式が提案されてい
る。この方式によって高い画像安定性を得ることができ
る。
【0003】上記以外の感熱記録材料としては、ジアゾ
化合物を利用した、いわゆるジアゾ型の感熱記録材料も
研究されている。このジアゾ化合物は、フェノール誘導
体や活性メチレン基を有するカプラーと呼ばれる化合物
などと反応して染料を形成するものであるが、同時に感
光性も有し、光照射によりその活性を失うものである。
これらの性質を応用し、ジアゾ化合物とカプラーを熱で
反応させて画像を形成し、その後、光照射して画像を定
着させることができる光定着型感熱記録材料が提案され
ている(佐藤弘次ら「画像電子学会誌」、第11巻、第
4号(1982)、290−296頁、など)。
【0004】しかし、ジアゾ化合物を用いた記録材料
は、化学的活性が高いため、低温であってもジアゾ化合
物とカプラーが徐々に反応し、使用前の貯蔵寿命が短い
という欠点があった。これに対する一つの解決手段とし
て、ジアゾ化合物をマイクロカプセルで包含し、カプラ
ーや水、塩基性化合物から隔離する方法が提案されてい
る(宇佐美智正ら「電子写真学会誌」、第26巻、第2
(1987)、115〜125頁)。
【0005】また、感熱記録材料の応用分野の一つとし
て、多色感熱記録材料が注目されてきている。感熱記録
による多色画像の再現は、電子写真記録方式やインクジ
ェット方式のそれに比べて難しいと言われてきたが、こ
の点に関してはすでに、支持体上に電子供与性染料前駆
体と顕色剤を主成分とする感熱発色層又はジアゾ化合物
と該ジアゾ化合物と加熱時に反応して発色するカプラー
を含有する感熱発色層を2層以上積層した多色感熱記録
材料が提案されている。
【0006】多色感熱記録材料においては、優れた色再
現性を得るためにはマイクロカプセルの加熱時の物質透
過特性を高度に制御することが必須である。
【0007】従来、電子供与性染料前駆体やジアゾ化合
物をマイクロカプセル中に包含させるには、一般に有機
溶媒中にこれらの化合物を溶解させた油相を水溶性高分
子の水溶液(水相)中に加えて乳化分散させる。このと
き、壁材となるモノマーあるいはプレポリマーを有機溶
媒相側か水相側の何れかあるいは両方に添加しておくこ
とにより有機溶媒相と水相の界面に高分子壁を形成させ
マイクロカプセルを形成することができる。これらの方
法については、「マイクロカプセル」(近藤朝士、日刊
工業新聞社(1970))及び「マイクロカプセル」
(近藤保ら、三共出版(1977))に詳しく記載され
ている。形成されるマイクロカプセル壁としては、ゼラ
チン、アルギン酸塩、セルロース類、ポリウレア、ポリ
ウレタン、メラミン樹脂、ナイロンなど様々なものがあ
る。特に、ポリウレアやウレタン樹脂は、そのガラス転
移温度前後でカプセル壁の物質透過性が大きく変化し、
即ちカプセル壁が熱応答性を示し、感熱記録材料を設計
するのに好適である。
【0008】ポリウレタンおよびポリウレア壁を有する
マイクロカプセルの製法としては、まず有機溶媒中にジ
アゾ化合物や電子供与性染料前駆体を溶解し、これに多
官能イソシアネート化合物を添加し、この有機相溶液を
水溶性高分子水溶液中で乳化させる。その後、水相に重
合反応促進の触媒を添加するか又は乳化液の温度を上げ
て多価多官能イソシアネート化合物を水等の活性水素を
有する化合物と重合させてカプセル壁を形成させる方法
が従来から知られている。
【0009】上記ポリウレアあるいはポリウレタン壁の
形成材料である多価イソシアネート化合物としては、例
えば、2,4−トリレンジイソシナネートとトリメチロ
ールプロパンの付加体、キシリレンジイソシアネートと
トリメチロールプロパンの付加体が主として使用されて
いる(特開昭62−212190号公報及び特開平4−
26189号公報)。この様に、多価アルコール化合物
と多価イソシアネート化合物を付加させて得られる多価
イソシアネート化合物は良く知られている。
【0010】また、この他にも多価イソシアネート化合
物を用いた例が、特開昭61−169281号公報、特
開平5−168911号公報、同8−230328号公
報、同8−259486号公報に、3価以上の多価イソ
シアネート化合物と2官能イソシアネート化合物の併用
例が特開平7−88356号公報、同7−185307
号公報、同7−204496号公報等に記載されてい
る。
【0011】これらの化合物を利用して各種の色素前駆
体を内包するマイクロカプセルが開発され、各種の感熱
記録材料に利用されてきた。
【0012】ところで、感熱記録材料に求められる発色
開始温度、発色を開始する熱エネルギーの量は、それぞ
れの記録システムによって異なり、そのために前述の各
種のイソシアネート化合物を組み合わせてカプセル壁の
架橋度、ガラス転移温度を変更することで熱応答性の異
なるマイクロカプセルが開発されている。例えば、多色
感熱記録材料においては、下層に用いられるマイクロカ
プセルは上層を発色させる為の記録エネルギーが印加さ
れた場合には、全く物質を透過させないこと、更に上層
を発色させる為の記録エネルギーよりも高い、下層を発
色させる為の記録エネルギーが印加された場合には速や
かに物質を透過させるという熱応答性が求められる。
【0013】この様な要求を解決するために例えばマイ
クロカプセルの壁厚を厚くする、マイクロカプセルの平
均粒径を大きくする等の方法がある。しかしながら、こ
れらの方法では物質透過に必要なエネルギー量は上昇傾
向にはあるものの、高エネルギーを印加した場合でも物
質を十分に通さず、色素前駆体から色素の形成が十分有
効に進行しない為に十分に高い発色濃度が得られないと
いう問題が生ずる。
【0014】また、従来から知られている多価イソシア
ネート化合物では低い印加エネルギーですら物質を透過
させ、ひいては発色が起こる。この発色は低濃度ではあ
るが、これによって画質は大幅に低下する。
【0015】そこで、カプセル壁を形成するイソシアネ
ート化合物の改良が提案されており、例えばジフェニル
メタンジイソシアネートの多量体、フェニルイソシアネ
ートのホルマリン縮合物等の多価芳香族イソシアネート
(日本ポリウレタン工業社製の「MR200」等)が汎
用されている。しかしながら、このイソシアネートは重
縮合反応を用いて合成されるためにイソシアネート化合
物自体が着色しており、多量に用いるとマイクロカプセ
ル自体の着色が目立つという問題や、またこのイソシア
ネートから得られたマイクロカプセルでは光照射によっ
て経時で黄着色が発生するという問題がある。
【0016】そこで、これらの問題を解決するために特
願平9−251070号公報において新規な多価イソシ
アネート化合物が提案されている。しかしながらこのイ
ソシアネート化合物は合成工程が複雑であり、化合物の
コストが高いという問題がある。
【0017】また、マイクロカプセルを高温高湿条件
下、光照射条件下等の各種条件で保存した際に、カブリ
と呼ばれる地肌部分の発色が発生すると画像品質、画像
の視認性を著しく低下させる。このカブリには例えば製
造後から使用前の保存時に発生するもの、色素形成反応
に定着の機構が含まれていない、即ち電子供与性染料前
駆体と顕色剤の組み合わせを含有する感熱記録材料では
印画後の画像保存時に発生するもの等がある。感熱記録
材料に一般に用いられるマイクロカプセルは熱応答性を
有している為に、これらの要求に十分応えているとは言
えない。
【0018】また、特に前記の多色感熱記録材料におい
ては、シアン、マゼンタ、及びイエローのいずれかに発
色し得る感熱記録層が設けられており、これらは異なる
加熱温度の付与により印字されることより、通常の感熱
記録材料の感熱記録層に比べて更に優れた熱応答性の制
御が求められる。従来のイソシアネート化合物から得ら
れるカプセル壁はこの要求を十分に満たすとは言えな
い。
【0019】このように、感熱記録材料において低エネ
ルギー印加では物質を透過させず、かつ必要なエネルギ
ーが印加された場合には十分に物質を透過させること、
高度な保存性を有すること、更に低コストで材料を供給
できることを同時に達成することは非常に困難であっ
た。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明はポリウレタン
樹脂の形成に有利に使用される新規な多官能イソシアネ
ート組成物を提供することを目的とする。また本発明
は、感熱記録材料及び多色感熱記録材料に好適に使用す
ることができる低エネルギー印加では発色せず、高エネ
ルギー印加では十分に高い発色濃度を実現可能であり、
更に低コストで供給可能なマイクロカプセル、並びに、
それを用いた感熱記録材料及び多色感熱記録材料を提供
することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
における課題を解決するため、電子供与性染料前駆体や
ジアゾ化合物などのマイクロカプセル壁形成材料につい
て鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。すなわ
ち、本発明は以下のとおりである。
【0022】<1> 下記一般式(1)の化合物と下記一
般式(2)の化合物からなる付加体を含有する多官能イソ
シアネート組成物である。
【化5】 [式中X1,X2はそれぞれ結合手、または二価の基を表
す。Rは置換基を表し、nは0から10の整数を表す。
nが2以上の整数の場合、Rは同一でも異なっていても
よい。またRどうしが結合し、環を形成していてもよ
い。]
【化6】 [R1は2価以上の連結基を表し、mは2以上の整数を
表す。]
【0023】<2> 下記一般式(3)の化合物と下記一
般式(2)の化合物からなる付加体を含有する<1>に記
載の多官能イソシアネート組成物である。
【化7】 [式中X1,X2はそれぞれアルキレン基、オキサアルキ
レン基を表す。Rはそれぞれアルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基を表し、nは0から4
の整数を表す。nが2以上の整数の場合、Rは同一でも
異なっていてもよい。またRどうしが結合し、環を形成
していてもよい。]
【化8】 [R1は2価以上の連結基を表し、mは2以上の整数を
表す。]
【0024】<3> 一般式(2)の化合物が2,4−ト
リレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシア
ネート、m−キシリレンジイソシアネート、1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシ
アネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、水添m−キシリレンジイソシアネート、水添4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネートから選ばれる
少なくとも1種の化合物、あるいはこれらの混合物であ
ることを特徴とする<1>または<2>に記載の多官能
イソシアネート組成物である。
【0025】<4> ジアゾ化合物または電子供与性染
料前駆体を内包するマイクロカプセルであって、該マイ
クロカプセルのカプセル壁が、<1>ないし<3>のい
ずれかに記載の、多官能イソシアネート組成物の重合に
より得られるポリマーからなることを特徴とするマイク
ロカプセルである。
【0026】<5> 支持体、及びその上に設けられた
ジアゾ化合物を内包するマイクロカプセルとカプラーを
含む感熱記録層、あるいは電子供与性染料前駆体を内包
するマイクロカプセルと顕色剤を含む感熱記録層からな
る感熱記録材料であって、該マイクロカプセルが、<4
>に記載のマイクロカプセルであることを特徴とする感
熱記録材料である。
【0027】<6> 透明支持体、及びその上に設けら
れた少なくとも2層以上の感熱記録層を有し、各記録層
がジアゾ化合物を内包するマイクロカプセルとカプラー
を含む感熱記録層、及び/又は電子供与性染料前駆体を
内包するマイクロカプセルと顕色剤を含む感熱記録層か
らなる多色感熱記録材料であって、該マイクロカプセル
のうち少なくとも1つが、<4>に記載のマイクロカプ
セルであることを特徴とする多色感熱記録材料である。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の多官能イソシアネート組
成物は、前記一般式(1)と前記一般式(2)の化合物からな
る付加体、好ましくは前記一般式(3)と前記一般式(2)
の化合物からなる付加体を含有する多官能イソシアネー
ト組成物である。また本発明のマイクロカプセルは、上
記多官能イソシアネート組成物と、水などの活性水素を
有する化合物との重合により得られるポリマー(ポリウ
レタン又はポリウレタン/ポリウレア)をカプセル壁と
し、ジアゾ化合物を内包するマイクロカプセル、あるい
は電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプセルで
ある。なお本明細書において「ジアゾ化合物」とは「ジ
アゾニウム塩」を含む概念であり、Heinrich Zollinger
著 Diazo Chemistry 1:Aromatic and Heteroaromatic
Compounds (VCH Verlagsgesellschaft)の定義によ
る。
【0029】さらに、本発明の感熱記録材料は、支持体
上に上記マイクロカプセルを含む感熱記録層が設けられ
た基本構成を有する。また本発明の多色感熱記録材料
は、透明支持体上にシアン、マゼンタ、及びイエローの
上記マイクロカプセルを含む感熱記録層が設けられた基
本構成を有する。以下、その内容について説明する。
【0030】(多官能イソシアネート組成物)本発明の
多官能イソシアネート組成物は、下記一般式(1)と下記
一般式(2)の化合物からなる付加体、好ましくは下記一
般式(3)と下記一般式(2)の化合物からなる付加体を含
有する多官能イソシアネート組成物である。
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】一般式(1)において、式中X1,X2はそ
れぞれ結合手、または二価の基を表す。好ましい二価の
基としては、二価の有機基である。二価の有機基として
は、アルキレン基、オキサアルキレン基、アリーレン
基、アルキレンカルボニルオキシ基が好ましい。
【0034】特には、下記一般式(3)の化合物が好ま
しい。X1,X2はそれぞれ結合手、またはアルキレン
基、オキサアルキレン基を表わす。
【0035】
【化11】
【0036】前記X1,X2で表わされるアルキレン基
は、総炭素数1から20のアルキレン基が好ましく、メ
チレン基、エチレン基、トリメチレン基、2−メチル−
1,2−エチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレ
ン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチ
レン基、ドデカメチレン基が好ましい。総炭素数1から
10のアルキレン基が特に好ましく、メチレン基、ヘキ
サメチレン基、オクタメチレン基が特に好ましい。
【0037】前記X1,X2で表わされるオキサアルキレ
ン基は総炭素数2から20のオキサアルキレン基が好ま
しく、下記一般式(4)で表わされる2価の基が好まし
い。
【0038】
【化12】
【0039】式中、Y1,Y2,Y3,Y4はそれぞれ、水
素原子、アルキル基を表わし、pは1から10の整数を
表わす。Y1,Y2,Y3,Y4で表わされるアルキル基は
メチル基、エチル基、ブチル基が好ましく、メチル基が
特に好ましい。
【0040】さらに好ましくは下記一般式(5)のオキ
サアルキレン基が好ましい。
【0041】
【化13】
【0042】式中、Y1は水素原子またはアルキル基を
表わし、pは1から10を表わす。Y1で表わされるア
ルキル基はメチル基、エチル基、ブチル基が好ましく、
メチル基が特に好ましい。
【0043】前記一般式(1)において、Rは置換基を
表し、好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基を表す。nは0から10の整数を
表す。nが2以上の整数の場合、Rは同一でも異なって
いてもよく、Rどうしが結合し、環を形成していてもよ
い。
【0044】前記Rで表わされるアルキル基としては炭
素原子数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、
n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシ
ル基等が好ましい。特にメチル基、エチル基、t−ブチ
ル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基が好ましい。
【0045】前記Rで表わされるアリール基は炭素原子
数6〜20のアリール基が好ましく、フェニル基、4−
メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、4−クロロ
フェニル基、p−キシリル基、クミル基、ビフェニル基
およびナフチル基が好ましい。特にフェニル基、4−メ
チルフェニル基、p−キシリル基が好ましい。
【0046】前記Rで表わされるアルコキシ基としては
炭素原子数1〜10のアルコキシ基が好ましく、メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基及
びブトキシ基等が好ましい。特にメトキシ基、エトキシ
基が好ましい。
【0047】前記Rで表わされるアリールオキシ基とし
ては炭素原子数6〜14のアリールオキシ基が好まし
く、フェニルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、p−
キシリルオキシ基、クミルオキシ基、ビフェニルオキシ
基、ナフチルオキシ基が好ましい。特にフェニルオキシ
基、4−メチルフェノキシ基が好ましい。
【0048】以下に、一般式(1)あるいは(3)で表
わされる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0049】
【化14】
【0050】
【化15】
【0051】次に下記一般式(2)について説明する。
【0052】
【化16】
【0053】一般式(2)において、R1は少なくとも
2以上のイソシアネート基を有する基を表し、mは2以
上の整数を表す。前記一般式(2)で表わされる化合物
としては、公知の化合物を使用することができる。これ
らは、2官能、3官能あるいはそれ以上の多官能イソシ
アネート化合物である。これらは芳香族イソシアネート
化合物、脂肪族イソシアネート化合物などが挙げられ
る。
【0054】前記一般式(2)で表される2官能イソシ
アネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレ
ンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、4,
4’−ジフェニルヘキサフルオロプロパンジイソシアネ
ート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、3,3’
−ジメトキシビフェニルジイソシアネート、3,3’−
ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネー
ト等の芳香族2官能イソシアネート、
【0055】1,3−トリメチレンジイソシアネート、
プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−
1,2−ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジ
イソシアネート、シクロヘキシレン1,2−ジイソシア
ネート、シクロヘキシレン1,3−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン1,4−ジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネー
ト、水添m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリ
レンジイソシアネート、水添p−キシリレンジイソシア
ネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、4−クロロキシリレン−1,3−ジイソシアネー
ト、2−メチルキシリレンジイソシアネート、ノルボル
ナンジイソシアネート等の脂肪族2官能イソシアネー
ト、あるいは、上記2官能イソシアネートとエチレング
リコール、ビスフェノール類等の2官能アルコール、フ
ェノールとの付加反応物があげられる。
【0056】前記一般式(2)で表される3官能以上の
イソシアネートとしては、例えば前述の2官能イソシア
ネートを主原料とし、これらの3量体(ビウレットある
いはイソシアヌレート)、トリメチロールプロパン等の
3官能アルコールとの付加物、フロログリシン等の3官
能フェノールとの付加物あるいは、ベンゼンイソシアネ
ートのホルマリン縮合物(ポリメチレンポリフェニレン
ポリイソシアネート)、メタクリロイルオキシエチルイ
ソシアネート等の重合性基を有するイソシアネート化合
物の重合体、リジントリイソシアネート等があげられ
る。
【0057】前記一般式(2)で表わされる化合物とし
て、特に好ましくは、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、m−キシリレ
ンジイソシアネート、および、これらの混合物があげら
れる。
【0058】本発明における多官能イソシアネート組成
物は前記一般式(1)又は一般式(3)の化合物と、前
記一般式(2)の化合物とを、イソシアネート基/OH
基の比が1.5以上の比で付加反応させることにより得
ることが好ましい。このイソシアネート基/OH基の比
は、1.5〜6がより好ましく、1.5〜4が特に好ま
しい。イソシアネート基/OH基の比が、1.5未満で
は付加物中のイソシアネート基が少ないためにマイクロ
カプセル形成が困難となる場合がある。またイソシアネ
ート基/OH基の比が大きすぎると得られるカプセル壁
の架橋度が低くなる為に保存時のカブリが大きくなりや
すい傾向がある。
【0059】本発明における多官能イソシアネート組成
物は、例えば、前記一般式(1)又は一般式(3)の化
合物と一般式(2)の化合物を、活性水素を有していない
有機溶剤中で、攪拌しながら加熱(約50〜100℃)
することにより、或いはオクチル酸第1錫、ジブチル錫
ジアセテート等の触媒を添加しながら比較的低温(約4
0〜70℃)で加熱することにより、或いは室温での付
加反応させることにより、得ることができる。
【0060】有機溶媒の例としては例えば酢酸エチル、
クロロホルム、テトラヒドロフラン、メチルエチルケト
ン、アセトン、アセトニトリル、トルエン等が挙げられ
る。
【0061】(マイクロカプセル)本発明のマイクロカ
プセルは、ジアゾ化合物又は電子供与性染料前駆体を内
包し、そのカプセル壁が、イソシアネート化合物の重合
により得られるポリマーからなる。
【0062】本発明のマイクロカプセルにおいて、カプ
セル壁はイソシアネート化合物の重合により得られるポ
リマーからなるが、本発明の多官能イソシアネート組成
物は少なくとも該イソシアネート化合物を含む。これに
より、本発明のマイクロカプセルは、低エネルギー印加
では物質を透過せず、高エネルギー印加では十分に物質
を透過させることが可能であり、且つ保存時のカブリ、
光照射による経時での黄着色が少なく、更に低コストで
供給が可能となる。
【0063】本発明のマイクロカプセルは、感度調整等
の目的で、本発明の多官能イソシアネート組成物ととも
に、2ヶ以上のイソシアネート基を有する公知の多官能
イソシアネートを併用することもできる。ここでいう公
知の多官能イソシアネートとしては、例えば前記一般式
(2)の化合物として例示した化合物等が挙げられる。
また、その他の多官能イソシアネートとしては、特願平
8−268721号公報、特願平9−154695号公
報に記載の分子中に1ヶ、又は2ヶの活性水素を有し、
かつ平均分子量が500から20000のポリエーテル
鎖等を有する化合物と多官能イソシアネート基との反応
物等も挙げられる。
【0064】その他の多官能イソシアネートは、1種で
も2種以上混合して用いてもよい。但し、この場合、本
発明の多官能イソシアネート組成物と併用するその他の
多官能イソシアネートとの質量比は100/0〜10/
90が好ましく、80/20〜10/90が特に好まし
い。
【0065】本発明のマイクロカプセルにおいて、カプ
セル壁は、前記イソシアネート化合物の重合により得ら
れるポリマーからなるが、イソシアネート化合物の重合
は、例えば、分子中に2ケ以上の活性水素原子を有する
化合物との反応で行なわれることが好ましい。この様な
活性水素原子を有する化合物の例としては、例えば水の
他、エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコー
ル系化合物、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン
等の多価アミン系化合物等、又はこれらの混合物等が挙
げられる。これらの内で特に水を用いて重合させる事が
好ましいが、必要に応じて、水と前述のアルコール、ア
ミン類とを併用してもよい。この結果として、カプセル
壁(ポリウレタン/ポリウレア壁)が形成される。
【0066】本発明のマイクロカプセルは、さらに具体
的には、例えば下記のようにして作製することができ
る。
【0067】マイクロカプセルの芯を形成するための疎
水性溶媒としては、沸点100〜300℃の高沸点有機
溶媒が好ましい。具体的には、アルキルナフタレン、ア
ルキルジフェニルエタン、アルキルジフェニルメタン、
ジフェニルエタンアルキル付加物、アルキルビフェニ
ル、塩素化パラフィン、トリクレジルフォスフェート等
の燐酸系誘導体、マレイン酸−ジ−2−エチルヘキシル
等のマレイン酸エステル類、及びアジピン酸エステル類
等を挙げることができる。これらは2種以上混合して用
いてもよい。ジアゾ化合物や電子供与性染料前駆体のこ
れらの疎水性溶媒に対する溶解度が充分でない場合は、
更に低沸点溶剤を併用することができる。併用する低沸
点有機溶媒としては、沸点40〜100℃の有機溶媒が
好ましく、具体的には酢酸エチル、酢酸ブチル、メチレ
ンクロライド、テトラヒドロフラン及びアセトン等を挙
げることができる。また、これらを2種以上混合して用
いてもよい。低沸点(沸点約100℃以下のもの)の溶
媒のみをカプセル芯に用いた場合には、溶媒は蒸散し、
カプセル壁とジアゾ化合物や電子供与性染料前駆体のみ
が存在するいわゆるコアレスカプセルが形成され易い。
【0068】ジアゾ化合物の種類によってはマイクロカ
プセル化反応中の水相側へ移動する場合があり、これを
抑制するために、あらかじめ酸アニオンを水溶性高分子
溶液中に適宜添加しても良い。この酸アニオンとして
は、PF6 -、B(−Ph)4 -[Phはフェニル基]、Z
nCl2 -、Cn2n +1COO-[nは1〜9の整数]及び
p2p +1SO3 -[pは1〜9の整数]を挙げることが
できる。
【0069】マイクロカプセル化の際、マイクロカプセ
ル壁を形成するためのイソシアネート化合物の重合に用
いる活性水素を有する化合物としては、一般に水が使用
されるが、ポリオールを芯となる有機溶媒中あるいは分
散媒となる水溶性高分子溶液中に添加しておき、上記活
性水素を有する化合物(マイクロカプセル壁の原料の一
つ)として用いることができる。具体的にはプロピレン
グリコール、グリセリン及びトリメチロールプロパン等
が挙げられる。またポリオールの代わりに、あるいは併
用してジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミ
ン等のアミン化合物を使用しても良い。これらの化合物
も先の「ポリウレタン樹脂ハンドブック」に記載されて
いる。
【0070】マイクロカプセルの油相を水相中に分散す
るための水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール
及びその変成物、ポリアクリル酸アミド及びその誘導
体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/無水マ
レイン酸共重合体、エチレン/無水マレイン酸共重合
体、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリビニ
ルピロリドン、エチレン/アクリル酸共重合体、酢酸ビ
ニル/アクリル酸共重合体、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、澱粉誘導
体、アラビヤゴム及びアルギン酸ナトリウムを挙げるこ
とができる。これらの水溶性高分子は、イソシアネート
化合物と反応しないか、極めて反応し難いものが好まし
く、たとえばゼラチンのように分子鎖中に反応性のアミ
ノ基を有するものは予め反応性をなくしておくことが好
ましい。
【0071】界面活性剤を油相あるいは水相の何れに添
加して使用しても良いが、有機溶媒に対する溶解度が低
いために水相に添加する方が容易である。添加量は油相
の質量に対し0.1〜5質量%、特に0.5〜2質量%
が好ましい。一般に乳化分散に用いる界面活性剤は、比
較的長鎖の疎水基を有する界面活性剤が優れているとさ
れており(「界面活性剤便覧」、西一郎ら、産業図書発
行(1980))、アルキルスルホン酸、アルキルベン
ゼンスルホン酸等のアルカリ金属塩を用いることができ
る。
【0072】界面活性剤(乳化助剤)として芳香族スル
ホン酸塩のホルマリン縮合物や芳香族カルボン酸塩のホ
ルマリン縮合物等の化合物を使用することもできる。具
体的には、下記一般式(A)で表わされる化合物が好適
に挙げられる。この化合物については特願平5−837
21号に記載されている。また、アルキルグルコシド系
化合物の化合物も同様に使用することができる。具体的
には、下記の一般式(B)で表される化合物が好適に挙
げられる。
【0073】
【化17】
【0074】一般式(A)において、Rは炭素原子数1
〜4のアルキル基を、XはSO3 -又はCOO-を、Mは
ナトリウム原子又はカリウム原子を、そしてqは1〜2
0の整数を表す。
【0075】
【化18】
【0076】一般式(B)において、Rは炭素原子数4
〜18のアルキル基を、qは0〜2の整数を表す。
【0077】本発明のマイクロカプセルにおいては、い
ずれの界面活性剤も単独で使用しても二種以上適宜併用
してもよい。
【0078】ジアゾ化合物(あるいは電子供与性染料前
駆体)、高沸点溶媒等からなる溶液とイソシアネート化
合物(本発明の多官能イソシアネート化合物を含む)と
の混合液(油相)を、界面活性剤及び水溶性高分子から
なる水溶液(水相)に添加する。その際、水溶液をホモ
ジナイサー等の高シェア攪拌装置で攪拌させながら、添
加することにより乳化分散させる。乳化後、イソシアネ
ート化合物の重合反応触媒を添加するか、乳化物の温度
を上昇させてカプセル壁形成反応を行う。
【0079】調製されたジアゾ化合物を内包したマイク
ロカプセル液には、更にカップリング反応失活剤を適宜
添加することができる。この反応失活剤としての例とし
ては、ハイドロキノン、重亜硫酸ナトリウム、亜硝酸カ
リウム、次亜リン酸、塩化第1スズ及びホルマリンを挙
げることができる。これらの化合物については、特開昭
60−214992号公報に記載されている。また通
常、カプセル化の過程で、水相中にジアゾ化合物が溶出
することが多いが、これを除去する方法として、濾過処
理、イオン交換処理、電気泳動処理、クロマト処理、ゲ
ル濾過処理、逆浸透処理、限外濾過処理、透析処理、活
性炭処理等の方法を利用することができる。この中でも
イオン交換処理、逆浸透処理、限外濾過処理及び透析処
理が好ましく、特に、陽イオン交換体による処理、陽イ
オン交換体と陰イオン交換体の併用による処理が好まし
い。これらの方法については、特開昭61−21968
8号公報に記載されている。
【0080】本発明のマイクロカプセルにおいて、ジア
ゾ化合物又は電子供与性染料前駆体は、前述のように高
沸点溶媒に溶解されてマイクロカプセルに内包されてい
る。ジアゾ化合物及び電子供与性染料前駆体について
は、本発明の感熱記録材料と共に詳しく説明する。 (感熱記録材料)本発明の感熱記録材料は、支持体と、
ジアゾ化合物を内包するマイクロカプセル及びカプラ
ー、又は、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカ
プセル及び顕色剤を含む感熱記録層とを有し、該マイク
ロカプセルが、前記本発明のマイクロカプセルである。
このマイクロカプセルとして前記本発明のマイクロカプ
セルを用いることで、本発明の感熱記録材料は、低エネ
ルギー印加では発色せず、高エネルギー印加では十分に
高い発色濃度を実現可能であり、且つ保存時のカブリ、
光照射による経時での黄着色が少なくなる。
【0081】感熱記録層は、ジアゾ化合物を内包したマ
イクロカプセルと、カプラー、必要に応じて、その他の
添加剤等の調製液とを適当な割合で混合された塗布液、
或いは、電子供与性染料前駆体を内包するマイクロカプ
セルと、顕色剤(電子受容性化合物)、必要に応じてそ
の他の添加剤等の調製液とを適当な割合で混合された塗
布液を支持体上に塗布することで形成することができ
る。以下に、各材料について説明する。
【0082】ジアゾ化合物としては、下記一般式(6)
〜(10)で表される化合物が好適に挙げられる。
【0083】
【化19】
【0084】
【化20】
【0085】
【化21】
【0086】
【化22】
【0087】
【化23】
【0088】一般式(6)において、Arは、アリール
基を表し、R11、R12は、それぞれ炭素数1〜18の置
換又は無置換のアルキル基、又は炭素数6〜20の置換
又は無置換のアリール基を表す。R11とR12とは、同一
でもよく、また異なっていてもよい。X-は、酸アニオ
ンを表す。
【0089】一般式(7)において、R14、R15、R16
は、それぞれ炭素数1〜18の置換又は無置換のアルキ
ル基、又は炭素数6〜20の置換又は無置換のアリール
基を表す。R14とR15とR16とは、同一でもよく、また
異なっていてもよい。Yは、水素原子、又はOR17を表
す。R17は、炭素数1〜18の置換又は無置換のアルキ
ル基、又は炭素数6〜20の置換又は無置換のアリール
基を表す。X-は、酸アニオンを表す。
【0090】一般式(8)において、Zは水素原子、炭
素数1〜18の置換又は無置換のアルキル基、又はOR
19を表す。R18、R19は、それぞれ炭素数1〜18の置
換又は無置換のアルキル基、又は炭素数6〜20の置換
又は無置換のアリール基を表す。R18とR19とは、同一
でもよく、また異なっていてもよい。X-は、酸アニオ
ンを表す。一般式(8)で表されるジアゾ化合物は、特
開平10−337691号公報に詳細に記載されてい
る。
【0091】一般式(6)〜(8)において、X-で表
わされる酸アニオンとしては、炭素数1〜9のポリフル
オロアルキルカルボン酸イオン、炭素数1〜9のアルキ
ルスルホン酸イオン、四フッ化ホウ素、テトラフェニル
ホウ素、ヘキサフルオロリン酸イオン、芳香族カルボン
酸イオン、芳香族スルホン酸イオンが挙げられる。
【0092】一般式(9)において、R19、R20
21、R22は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、
アリール基、−OR23、−SR24、−NR2526、−C
OR28、ハロゲン原子、−SONR2526を表す。ここ
で、R23及びR24はそれぞれ水素原子、アルキル基、ア
リール基、アシル基を表し、R25及びR26はそれぞれ独
立に水素原子、アルキル基、アリール基、アシル基、ア
ルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を表し、さ
らに、R25及びR26は互いに連結して、−O−、−S
−、−SO2−、−NR27−を含んでいてもよいアルキ
レン基を表し、R27は水素原子、アルキル基、アリール
基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホ
ニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカル
ボニル基を表し、R28は水素原子、水酸基、アルキル
基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、−
NR2526を表す。ここで、R25及びR26は前記したの
と同義である。また、Aは−CO−、−SO2−を表
し、Bは−SO229、−POR3031を表す。ここ
で、R29は、アルキル基、アリール基、複素環基、−N
2526を表す。R30及びR31は、それぞれ独立にアル
キル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基
を表す。R25及びR26は、前記したのと同義である。
【0093】一般式(10)において、R32及びR33
それぞれ独立に炭素数1〜18の置換若しくは無置換の
アルキル基、又は炭素数6〜20の置換若しくは無置換
のアリール基を表す。R34はアルキルスルフェニル基、
アリールスルフェニル基、アルキルスルフィニル基、ア
リールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリー
ルスルホニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイ
ル基、カルボキシル基、アシル基、又はシアノ基を表
す。
【0094】以下に、一般式(6)〜(10)で示され
るジアゾ化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限
定されるものではない。
【0095】
【化24】
【0096】
【化25】
【0097】
【化26】
【0098】
【化27】
【0099】
【化28】
【0100】
【化29】
【0101】
【化30】
【0102】
【化31】
【0103】一般式(6)〜(8)、(10)で示され
るジアゾ化合物は、既知の方法で製造することが可能で
ある。すなわち、対応するアニリンを酸性溶媒中、亜硝
酸ナトリウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等を
用いてジアゾ化することにより得られる。また、一般式
(9)で示されるジアゾ化合物は、特願平11−335
801号、特願平11−324248号に記載の方法で
合成することができる。
【0104】一般式(6)〜(10)で表されるジアゾ
化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用する
こともできる。さらに、色相調製等の諸目的に応じて、
一般式(6)〜(10)で表されるジアゾ化合物と既存
のジアゾ化合物とを併用してもよい。既存のジアゾ化合
物については、成書(The Focal Press
London and New York 「Pho
tosensitive Diazo Compoun
ds and their uses」57頁〜86頁
(1964)等)に詳しい。
【0105】ジアゾ化合物の安定化のために塩化亜鉛、
塩化カドミウム、塩化スズ等を用いて錯化合物を形成さ
せジアゾ化合物の安定化を行うこともできる。
【0106】カプラー(マイクロカプセルには内包され
ない)としては、塩基性雰囲気及び/又は中性雰囲気で
ジアゾ化合物とカップリングして色素を形成するもので
あればいずれの化合物も可能である。ハロゲン化銀写真
感光材料用のいわゆる4当量カプラーはすべてカプラー
として使用可能である。これらは目的とする色相に応じ
て選択することが可能である。
【0107】例えば、カルボニル基の隣にメチレン基を
有するいわゆる活性メチレン化合物、フェノール誘導
体、ナフトール誘導体等があり、具体例として下記のも
のが挙げられ本発明の目的に合致する範囲で使用され
る。
【0108】カプラーとしては、下記一般式(11)で
示される化合物が、特に好ましい。
【0109】
【化32】
【0110】一般式(11)において、E1、E2で表さ
れる電子吸引性基は、Hammettのσ値が正である
置換基をさし、これらは同一であっても異なっていても
良く、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイ
ル基、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基、ア
リールスルホニル基、ヘテロ環基、ホスホノ基等が好ま
しい。アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、ク
ロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロ
アセチル基、1−メチルシクロプロピルカルボニル基、
1−エチルシクロプロピルカルボニル基、1−ベンジル
シクロプロピルカルボニル基、ベンゾイル基、4−メト
キシベンゾイル基、テノイル基等のアシル基、メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基、2−メトキシエ
トキシカルボニル基、4−メトキシフェノキシカルボニ
ル基等のオキシカルボニル基、カルバモイル基、N,N
−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモ
イル基、N−フェニルカルバモイル基、N−〔2,4−
ビス(ペンチルオキシ)フェニル〕カルバモイル基、N
−〔2,4−ビス(オクチルオキシ)フェニル〕カルバ
モイル基、モルホリノカルボニル基等のカルバモイル
基、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トル
エンスルホニル基等のアルキルスルホニル基又はアリー
ルスルホニル基、ジエチルホスホノ基等のホスホノ基、
ベンゾオキサゾール−2−イル基、ベンゾチアゾール−
2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン−
2−イル基、3,4−ジヒドロキナゾリン−4−スルホ
ン−2−イル基等の複素環基、ニトロ基、イミノ基、シ
アノ基が好ましい。
【0111】また、E1、E2で表される電子吸引性基
は、両者が結合し環を形成してもよい。E1、E2で形成
される環としては5ないし6員の炭素環あるいは複素環
が好ましい。
【0112】一般式(11)で示される化合物として具
体例には、レゾルシン、フロログルシン、2,3−ジヒ
ドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン
−6−スルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−ナ
フトエ酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−
3−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ
−3−ナフタレンスルホン酸アニリド、2−ヒドロキシ
−3−ナフタレンスルホン酸モルホリノプロピルアミ
ド、2−ヒドロキシ−3−ナフタレンスルホン酸−2−
エチルヘキシルオキシプロピルアミド、2−ヒドロキシ
−3−ナフタレンスルホン酸−2−エチルヘキシルアミ
ド、5−アセトアミド−1−ナフトール、1−ヒドロキ
シ−8−アセトアミドナフタレン−3,6−ジスルホン
酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−8−アセトアミドナフ
タレン−3,6−ジスルホン酸ジアニリド、1,5−ジ
ヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ
酸モルホリノプロピルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナ
フトエ酸オクチルアミド、2−ヒドロキシ−3−ナフト
エ酸アニリド、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキ
サンジオン、1,3−シクロペンタンジオン、5−(2
−n−テトラデシルオキシフェニル)−1,3−シクロ
ヘキサンジオン、5−フェニル−4−メトキシカルボニ
ル−1,3−シクロヘキサンジオン、5−(2,5−ジ
−n−オクチルオキシフェニル)−1,3−シクロヘキ
サンジオン、
【0113】N,N’−ジシクロヘキシルバルビツール
酸、N,N’−ジ−n−ドデシルバルビツール酸、N−
n−オクチル−N’−n−オクタデシルバルビツール
酸、N−フェニル−N’−(2,5−ジ−n−オクチル
オキシフェニル)バルビツール酸、N,N’−ビス(オ
クタデシルオキシカルボニルメチル)バルビツール酸、
1−フェニル−3−メチル−5−ピラゾロン、1−
(2,4,6−トリクロロフェニル)−3−アニリノ−
5−ピラゾロン、1−(2,4,6−トリクロロフェニ
ル)−3−ベンズアミド−5−ピラゾロン、6−ヒドロ
キシ−4−メチル−3−シアノ−1−(2−エチルヘキ
シル)−2−ピリドン、2,4−ビス−(ベンゾイルア
セトアミド)トルエン、1,3−ビス−(ピバロイルア
セトアミドメチル)ベンゼン、ベンゾイルアセトニトリ
ル、テノイルアセトニトリル、アセトアセトアニリド、
ベンゾイルアセトアニリド、ピバロイルアセトアニリ
ド、2−クロロ−5−(N−n−ブチルスルファモイ
ル)−1−ピバロイルアセトアミドベンゼン、1−(2
−エチルヘキシルオキシプロピル)−3−シアノ−4−
メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロピリジン−
2−オン、1−(ドデシルオキシプロピル)−3−アセ
チル−4−メチル−6−ヒドロキシ−1,2−ジヒドロ
ピリジン−2−オン、1−(4−n−オクチルオキシフ
ェニル)−3−tert−ブチル−5−アミノピラゾー
ル等が挙げられる。
【0114】カプラーの詳細については、特開平4−2
01483号、特開平7−223367号、特開平7−
223368号、特開平7−323660号、特願平5
−278608号、特願平5−297024号、特願平
6−18669号、特願平6−18670号、特願平7
−316280号、特願平8−027095号、特願平
8−027096号、特願平8−030799号、特願
平8−12610号、特願平8−132394号、特願
平8−358755号、特願平8−358756号、特
願平9−069990号等の公報に記載されている。
【0115】一般式(11)で表されるカプラーの具体
例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0116】
【化33】
【0117】
【化34】
【0118】
【化35】
【0119】
【化36】
【0120】電子供与性染料前駆体としてはトリアリー
ルメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、チアジ
ン系化合物、キサンテン系化合物、スピロピラン系化合
物等が挙げられるが、特にトリアリールメタン系化合物
及びキサンテン系化合物が、発色濃度が高く有用であ
る。
【0121】電子供与性染料前駆体として具体例には、
3−(o−アセトアミド−p−ジプロピルアミノフェニ
ル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3
−イル)−4−アザフタリド、3,3−ビス(p−ジメ
チルアミノフェニル)−6ジメチルアミノフタリド(即
ちクリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス
(p−ジメチルアミノ)フタリド、3−(p−ジメチル
アミノフェニル)−3−(1,3−ジメチルインドール
−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタ
リド、3−(o−メチル−p−ジメチルアミノフェニ
ル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリ
ド、3−(o−メチル−p−ジエチルアミノフェニル)
−3−(1′−エチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)フタリド、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベン
ズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコ
オーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイ
コオーラミン、ローダミン−B−アニリノラクタム、ロ
ーダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン
−B−(p−クロロアニリノ)ラクタム、2−ベンジル
アミノ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ
−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−シクロヘキシルメチルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−イソアミルエチ
ルアミノフルオラン、2−(o−クロロアニリノ)−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−オクチルアミノ−6
−ジエチルアミノフルオラン、2−エトキシエチルアミ
ノ−3−クロロ−2−ジエチルアミノフルオラン、2−
アニリノ−3−クロロ−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベン
ジルロイコメチレンブルー、3−メチル−スピロ−ジナ
フトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、
3,3′−ジクロロ−スピロ−ジナフトピラン、3−ベ
ンジルピロジナフトピラン、3−プロピル−スピロ−ジ
ベンゾピラン等が挙げられる。
【0122】顕色剤(電子受容性化合物(マイクロカプ
セルには内包されない))としてはフェノール誘導体、
サリチル酸誘導体、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙
げられる。これらの中でも特に、ビスフェノール類、ヒ
ドロキシ安息香酸エステル類が好ましい。例えば、1,
4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロ
ピル}ベンゼン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(p
−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(p−
ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒド
ロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4′−ヒドロ
キシ−3′,5′−ジクロロフェニル)プロパン、1,
1−(p−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,
1−(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−
(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−(p−
ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、3,5−
ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸及びその多価金属
塩、3,5−ジ(tert−ブチル)サリチル酸及びそ
の多価金属塩、3−α,α−ジメチルベンジルサリチル
酸及びその多価金属塩、p−ヒドロキシ安息香酸ブチ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ
安息香酸−2−エチルヘキシル、p−フェニルフェノー
ル及びp−クミルフェノールを挙げることができる。本
発明においては、これらの電子受容性化合物を2種以上
任意の比率で併用することができる。
【0123】感熱記録層には、カプラー又は顕色剤(電
子受容性化合物)と共に、ジアゾ化合物とカプラーとの
反応、或いは、電子供与性染料前駆体と顕色剤との反応
を促進させる目的で、増感剤を添加することが好まし
い。増感剤としては、分子内に芳香族性の基と極性基を
適度に有している低融点有機化合物が好ましい。その具
体例としては、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、
α−ナフチルベンジルエーテル、β−ナフチルベンジル
エーテル、β−ナフトエ酸フェニルエステル、α−ヒド
ロキシ−β−ナフトエ酸フェニルエステル、β−ナフト
ール−(p−クロロベンジル)エーテル、1,4−ブタ
ンジオールフェニルエーテル、1,4−ブタンジオール
−p−メチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオー
ル−p−エチルフェニルエーテル、1,4−ブタンジオ
ール−m−メチルフェニルエーテル、1−フェノキシ−
2−(p−トリルオキシ)エタン、1−フェノキシ−2
−(p−エチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−
2−(p−クロロフェノキシ)エタン、p−ベンジルビ
フェニル、p−トルエンスルホンアミド、4−(2−エ
チルヘキシルオキシ)フェニルスルホンアミド、4−n
−ペンチルオキシフェニルスルホンアミド等が挙げられ
る。本発明においては、これらの増感剤を2種以上任意
の比率で併用することもできる。
【0124】感熱記録層には、ジアゾ化合物を内包する
マイクロカプセルとカプラーとの組み合わせを用いる場
合、カプラーと共に、色素形成反応を促進させる目的
で、乳化分散及び/又は固体分散して微粒子化した塩基
性物質を添加するのが一般的である。塩基性物質として
は、無機あるいは有機の塩基化合物のほか、加熱時に分
解等によりアルカリ物質を放出するような化合物も含ま
れる。代表的なものとしては、有機アンモニウム塩、有
機アミン、アミド、尿素及びチオ尿素さらにそれらの誘
導体、チアゾール類、ピロール類、ピリミジン類、ピペ
ラジン類、グアニジン類、インドール類、イミダゾール
類、イミダゾリン類、トリアゾール類、モルホリン類、
ピペリジン類、アミジン類、フォルムアジン類、ピリジ
ン類等の含窒素化合物があげられる。これらの具体例と
してはトリシクロヘキシルアミン、トリベンジルアミ
ン、オクタデシルベンジルアミン、ステアリルアミン、
アリル尿素、チオ尿素、メチルチオ尿素、アリルチオ尿
素、エチレンチオ尿素、2−ベンジルイミダゾール、4
−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイ
ミダゾール、2−ウンデシルイミダゾリン、2,4,5
−トリフリル−2−イミダゾリン、1,2−ジフェニル
−4,4−ジメチル−2−イミダゾリン、2−フェニル
−2−イミダゾリン、1,2,3−トリフェニルグアニ
ジン、1,2−ジシクロヘキシルグアニジン、1,2,
3−トリシクロヘキシルグアニジン、グアニジントリク
ロロ酢酸塩、N,N’−ジベンジルピペラジン、4,
4’−ジチオモルホリン、モルホリニウムトリクロロ酢
酸塩、2−アミノベンゾチアゾール、及び2−ベンゾイ
ルヒドラジノベンゾチアゾールが挙げられる。これら
は、2種以上併用することもできる。
【0125】感熱記録層には、ジアゾ化合物を内包する
マイクロカプセルとカプラーとの組み合わせを用いる場
合、カプラーと共に、発色反応を促進させる目的で、前
記塩基性物質の他に、発色助剤を添加することができ
る。発色助剤とは、加熱記録時の発色濃度を高くする、
もしくは最低発色温度を低くする物質であり、カプラ
ー、塩基性物質、もしくはジアゾ化合物等の融解点を下
げたり、カプセル壁の軟化点を低下せしめる作用によ
り、ジアゾ化合物、塩基性物質、カプラー等が反応しや
すい状況を作るためのものである。発色助剤として、例
えば低エネルギーで迅速かつ完全に熱印画が行われるよ
うに、発色層中にフェノール誘導体、ナフトール誘導
体、アルコキシ置換ベンゼン類、アルコキシ置換ナフタ
レン類、芳香族エーテル、チオエーテル、エステル、ア
ミド、ウレイド、ウレタン、スルホンアミド化合物ヒド
ロキシ化合物、等を加えることができる。
【0126】感熱記録層には、カプラー又は顕色剤(電
子受容性化合物)と共に、熱発色画像の光及び熱に対す
る堅牢性を向上させ、又は、定着後の未印字部分の光に
よる黄変を軽減する目的で、以下に示す公知の酸化防止
剤等を用いることが好ましい。
【0127】上記の酸化防止剤については、例えばヨー
ロッパ公開特許、同第223739号公報、同3094
01号公報、同第309402号公報、同第31055
1号公報、同第310552号公報、同第459416
号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開
昭54−48535号公報、同62−262047号公
報、同63−113536号公報、同63−16335
1号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−
71262号公報、特開平3−121449号公報、特
開平5−61166号公報、特開平5−119449号
公報、アメリカ特許第4814262号、アメリカ特許
第4980275号等に記載されている。
【0128】感熱記録層には、カプラー又は顕色剤(電
子受容性化合物)と共に、感熱記録材料や感圧記録材料
において既に用いられている公知の各種添加剤を添加す
ることも有効である。これらの各種添加剤の具体例とし
ては、特開昭60−107384号公報、同60−10
7383号公報、同60−125470号公報、同60
−125471号公報、同60−125472号公報、
同60−287485号公報、同60−287486号
公報、同60−287487号公報、同60−2874
88号公報、同61−160287号公報、同61−1
85483号公報、同61−211079号公報、同6
2−146678号公報、同62−146680号公
報、同62−146679号公報、同62−28288
5号公報、同63−051174号公報、同63−89
877号公報、同63−88380号公報、同63−0
88381号公報、同63−203372号公報、同6
3−224989号公報、同63−251282号公
報、同63−267594号公報、同63−18248
4号公報、特開平1−239282号公報、同4−29
1685号公報、同4−291684号公報、同5−1
88687号公報、同5−188686号公報、同5−
110490号公報、同5−1108437号公報、同
5−170361号公報、特公昭48−043294号
公報、同48−033212号公報等に記載されてる化
合物を挙げることができる。
【0129】具体的には、6−エトキシ−1−フェニル
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒド
ロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2
−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチ
ル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0130】これらの酸化防止剤及び各種添加剤の添加
量は、ジアゾ化合物1質量部に対して0.05〜100
質量部の割合であることが好ましく、特に0.2〜30
質量部であることが好ましい。
【0131】このような公知の酸化防止剤及び各種添加
剤はジアゾ化合物と共にマイクロカプセル中に含有させ
て用いることも、あるいはカプラーや塩基性物質、その
他の発色助剤と共に、固体分散物として、もしくは適当
な乳化助剤と共に乳化物にして用いることも、あるいは
その両方の形態で用いることもできる。また酸化防止剤
及び各種添加剤を単独又は複数併用することができるの
は勿論である。また、保護層に添加又は存在させること
もできる。
【0132】これらの酸化防止剤及び各種添加剤は同一
層に添加しなくてもよい。更にこれらの酸化防止剤及び
各種添加剤を組み合わせて複数用いる場合には、アニリ
ン類、アルコキシベンゼン類、ヒンダードフェノール
類、ヒンダードアミン類、ハイドロキノン誘導体、りん
化合物、硫黄化合物の様に構造的に分類し、互いに異な
る構造のものを組み合わせてもよいし、同一のものを複
数組み合わせることもできる。
【0133】感熱記録層には、カプラー又は顕色剤(電
子受容性化合物)と共に、記録後の地肌部の黄着色を軽
減する目的で、光重合性組成物等に用いられる遊離基発
生剤(光照射により遊離基を発生する化合物)を添加す
ることができる。遊離基発生剤としては、芳香族ケトン
類、キノン類、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、ア
ゾ化合物、有機ジスルフィド類、アシルオキシムエステ
ル類等が挙げられる。添加する量は、ジアゾ化合物1質
量部に対して、遊離基発生剤0.01〜5質量部が好ま
しい。
【0134】感熱記録層には、カプラー又は顕色剤(電
子受容性化合物)と共に、黄着色を軽減する目的で、エ
チレン性不飽和結合を有する重合可能な化合物(以下、
ビニルモノマーと呼ぶ)を添加することができる。ビニ
ルモノマーとは、その化学構造中に少なくとも1個のエ
チレン性不飽和結合(ビニル基、ビニリデン基等)を有
する化合物であって、モノマーやプレポリマーの化学形
態を持つものである。これらの例として、不飽和カルボ
ン酸及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコ
ールとのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミ
ン化合物とのアミド等が挙げられる。ビニルモノマーは
ジアゾ化合物1質量部に対して0.2〜20質量部の割
合で用いる。
【0135】前記遊離基発生剤やビニルモノマーは、ジ
アゾ化合物又は電子共与性染料前駆体と共にマイクロカ
プセル中に含有して用いることもできる。
【0136】感熱記録層には、カプラー又は顕色剤(電
子受容性化合物)と共に、酸安定剤としてクエン酸、酒
石酸、シュウ酸、ホウ酸、リン酸、ピロリン酸等を添加
することができる。
【0137】感熱記録層おいて、カプラー又は顕色剤
(電子受容性化合物)と共に用いられるバインダーとし
ては、公知の水溶性高分子化合物やラテックス類等を使
用することができる。水溶性高分子化合物としては、メ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、デンプン誘導体、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチ
ン、エチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、エピク
ロルヒドリン変成ポリアミド、イソブチレン−無水マレ
インサリチル酸共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリ
ル酸アミド等及びこれらの変成物等が挙げられ、ラテッ
クス類としては、スチレン−ブタジエンゴムラテック
ス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢
酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。
【0138】感熱記録層には、カプラー又は顕色剤(電
子受容性化合物)と共に用いられる顔料としては、有
機、無機を問わず公知のものを使用することができる。
具体的には、カオリン、焼成カオリン、タルク、ロウ
石、ケイソウ土、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、リトポン、非晶質
シリカ、コロイダルシリカ、焼成石コウ、シリカ、炭酸
マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、炭酸バリウム、
硫酸バリウム、マイカ、マイクロバルーン、尿素−ホル
マリンフィラー、ポリエステルパーティクル、セルロー
スフィラー等が挙げられる。
【0139】感熱記録層には、カプラー又は顕色剤(電
子受容性化合物)と共に、必要に応じて、公知のワック
ス、帯電防止剤、消泡剤、導電剤、蛍光染料、界面活性
剤、紫外線吸収剤及びその前駆体等各種添加剤を添加す
ることもできる。
【0140】感熱記録層において、カプラー又は顕色剤
(電子受容性化合物)、及び必要に応じて、前述の各種
添加剤(増感剤、塩基性物質等)等の調製液は、これら
材料を、適宜混合して、別々に乳化分散或いは固体分散
して微粒化し添加、又は適宜混合してから、乳化分散或
いは固体分散して微粒化し添加することができる。乳化
分散する方法は、有機溶媒中にこれらの化合物を溶解
し、水溶性高分子水溶液をホモジナイザー等で攪拌中に
添加することが好ましい。固体分散する方法は、これら
の材料を水溶性高分子水溶液中に投入しボールミル等の
公知の分散手段を用いて微粒子化することが好ましい。
乳化分散或いは固体分散して微粒子化を促進するにあた
り、前述の疎水性有機溶媒、界面活性剤、水溶性高分子
を使用することが好ましい。また、微粒子化に際して
は、熱感度、保存性、記録層の透明性、製造適性等の多
色感熱記録材料及びその製造方法に必要な特性を満足し
うる粒子直径を得るように行うことが好ましい。
【0141】感熱記録層において、カプラーの添加量
は、ジアゾ化合物1モルに対して1〜10モル、好まし
くは2〜6モルが適当である。塩基性物質の添加量は、
塩基性の強度により異なるがジアゾ化合物1モルに対し
て0.5〜5モルが適当である。顕色剤の添加量は、電
子供与性染料前駆体1モルに対して0.5〜30モル、
好ましくは1〜20モル、さらに好ましく3〜15モル
が適当である。熱増感剤の添加量は、ジアゾ化合物或い
は電子供与性染料前駆体1モルに対して一般に0.1〜
20モル、好ましくは0.5〜10モルが適当である。
【0142】感熱記録層は、ジアゾ化合物又は電子供与
性染料前駆体を含有したマイクロカプセルと、カプラー
又は顕色剤、及び必要に応じて上述した各種添加剤を含
有した調製液とを混合して塗布液を調製し、紙や合成樹
脂フィルム等の支持体の上にバー塗布、ブレード塗布、
エアナイフ塗布、グラビア塗布、ロールコーティング塗
布、スプレー塗布、ディップ塗布、カーテン塗布等の塗
布方法により塗布乾燥して設けることが好ましい。ま
た、感熱記録層は、固型分2.5〜30g/m2になる
ように設けることが好ましい。
【0143】本発明の感熱記録材料において、ジアゾ化
合物又は電子供与性染料前駆体を含有したマイクロカプ
セル、カプラー、顕色剤、その他塩基性物質等が同一層
に含まれていてもよいが、別層に含まれるような積層型
の構成をとることもできる。また、支持体の上に特願昭
59−177669号明細書等に記載されているような
中間層を設けた後、感熱記録層を塗布することもでき
る。
【0144】本発明の感熱記録材料において、単層構造
(単色)の場合、感度調整等の目的で、同一感熱記録層
に、前記本発明のマイクロカプセルと共に、その他、従
来公知のマイクロカプセルを併用することもできる。こ
の場合における前記本発明のマイクロカプセルは、20
質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましく
は40質量%以上で併用することが好適である。
【0145】本発明の感熱記録材料には、必要に応じて
感熱記録層の表面に保護層を設けてもよい。保護層は必
要に応じて二層以上積層してもよい。保護層に用いる材
料としては、ポリビニルアルコール、カルボキシ変成ポ
リビニルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重
合体、珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱
粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン類、アラビアゴ
ム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解
物、スチレン−マレイン酸共重合物ハーフエステル加水
分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分
解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリド
ン、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダ
等の水溶性高分子化合物、及びスチレン−ブタジエンゴ
ムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテ
ックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテック
ス、酢酸ビニルエマルジョン等のラテックス類が用いら
れる。保護層の水溶性高分子化合物を架橋して、より一
層保存安定性を向上させることもでき、その架橋剤とし
ては公知の架橋剤を使用することができる。具体的には
N−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、尿素−
ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グリオキザール、グ
ルタルアルデヒド等のジアルデヒド化合物類、硼酸、硼
砂等の無機系架橋剤、ポリアミドエピクロルヒドリン等
が挙げられる。保護層には、さらに公知の顔料、金属石
鹸、ワックス、界面活性剤等を使用することもできる。
保護層の塗布量は0.2〜5g/m2が好ましく、さら
には0.5〜2g/m2が好ましい。またその膜厚は
0.2〜5μmが好ましく、特に0.5〜2μmが好ま
しい。
【0146】本発明の感熱記録材料に、保護層を使用す
る場合、保護層中に公知の紫外線吸収剤やその前駆体を
含有してもよい。
【0147】本発明の感熱記録材料において、ジアゾ化
合物を用いた感熱記録層を設ける場合、支持体上に感熱
記録層と光定着する波長領域における光透過率が定着後
に減少する光透過率調整層を設け、さらにその上に保護
層を設けることが好ましい。
【0148】本発明の感熱記録材料において、光透過率
調整層は、紫外線吸収剤の前駆体として機能する成分を
含有しており、定着に必要な領域の波長の光照射前は紫
外線吸収剤として機能しないので、光透過率が高く、感
熱記録層を定着する際、定着に必要な領域の波長を十分
に透過させ、また、可視光線の透過率も高く、感熱記録
層の定着に支障は生じない。
【0149】この紫外線吸収剤の前駆体は、感熱記録層
の光照射による定着に必要な領域の波長の光照射が終了
した後、光又は熱等で反応することにより紫外線吸収剤
として機能するようになり、紫外線領域の波長の光は紫
外線吸収剤によりその大部分が吸収され、透過率が低く
なり、感熱記録材料の耐光性が向上するが、可視光線の
吸収効果がないから、可視光線の透過率は実質的に変わ
らない。
【0150】本発明の感熱記録材料において、光透過率
調整層は、感熱記録材料中に少なくとも1層設けること
ができ、最も好ましくは感熱記録層と保護層との間に形
成するのがよいが、光透過率調整層を保護層と兼用する
ようにしてもよい。光透過率調整層の特性は、感熱記録
層の特性に応じて任意に選定することができる。
【0151】本発明の感熱記録材料において、支持体と
しては、通常の感圧紙や感熱紙、乾式や湿式のジアゾ複
写紙等に用いられる紙支持体はいずれも使用することが
できる他、酸性紙、中性紙、コート紙、プラスチックフ
ィルムラミネート紙、合成紙、プラスチックフィルム等
を使用することができる。
【0152】支持体のカールバランスを補正するため或
いは、裏面からの耐薬品性を向上させる目的で、バック
コート層を設けてもよく、また裏面に接着剤層を介して
剥離紙を組み合わせてラベルの形態にしてもよい。この
バックコート層についても上記保護層と同様にして設け
ることができる。
【0153】本発明の感熱記録材料において、記録面に
サーマルヘッド等で加熱すると、マイクロカプセルのカ
プセル壁が軟化し、カプセル外のカプラーと塩基化合物
がカプセル内に進入して発色する。発色後はジアゾ化合
物の吸収波長の光を照射する事により、ジアゾ化合物が
分解しカプラーとの反応性を失うため画像の定着が行な
われる。
【0154】また、定着光源としては、種々の蛍光灯、
キセノンランプ、水銀灯等が用いられ、この発光スペク
トルが感熱記録材料で用いたジアゾ化合物の吸収スペク
トルにほぼ一致していることが効率よく定着でき好まし
い。本発明においては、発光中心波長が360〜440
nmの定着光源が特に好ましい。
【0155】(多色感熱記録材料)本発明の多色感熱記
録材料は、支持体と、シアン、マゼンタ及びイエローの
いずれかに発色し得る2層以上の感熱記録層とを有し、
各感熱記録層がジアゾ化合物を内包するマイクロカプセ
ル及びカプラー、又は、電子供与性染料前駆体を内包す
るマイクロカプセル及び顕色剤を含み、該感熱記録層の
少なくとも1層におけるマイクロカプセルが、前記本発
明のマイクロカプセルである。このマイクロカプセルと
して前記本発明のマイクロカプセルを用いることで、本
発明の多色感熱記録材料は、低エネルギー印加では発色
せず、高エネルギー印加では十分に高い発色濃度を実現
可能であり、且つ保存時のカブリ、光照射による経時で
の黄着色が少なくなる。また、各感熱記録層、支持体、
及び保護層、光透過率調整層等のその他の層は、前記本
発明の感熱記録材料と同様に作製することができる。
【0156】本発明の多色感熱記録材料において、本発
明のマイクロカプセルは、低エネルギー印加では発色せ
ず、高エネルギー印加では十分に高い発色濃度を実現可
能である観点から、最も高温(高エネルギー印加)で発
色させる感熱記録層(一般的には、最下層)に含有する
ことが好ましい。これにより、低温発色(低エネルギー
印加)する感熱記録層発色時に、本発明のマイクロカプ
セル含有する感熱記録層が発色することなく、低温発色
する感熱記録層の純粋な発色画像を得ることができ、画
像品質が向上する。
【0157】本発明の多色感熱記録材料は、2層以上の
感熱記録層に、それぞれ光分解波長が異なる光分解性ジ
アゾ化合物を用いることにより作製することができる。
また、2層以上の感熱記録層の色相を変えることによ
り、フルカラーの多色感熱記録材料となる。例えば、各
感熱記録層の発色色相を減色混合における3原色、イエ
ロー、マゼンタ、シアンとなるように選べばフルカラー
の画像記録が可能となる。この場合、支持体面に直接、
積層(感熱記録層の最下層)される感熱記録層の発色機
構は、ジアゾ化合物と該ジアゾ化合物と反応し呈色する
カプラーとからなるジアゾ発色系、電子供与性染料と顕
色剤とからなるロイコ発色系、塩基性化合物と接触して
塩基発色する塩基発色系、キレート発色系、求核剤と反
応して脱離反応を起こし発色する発色系等のいずれでも
よく、この感熱記録層上に最大吸収波長が異なるジアゾ
化合物と該ジアゾ化合物と反応し呈色するカプラーとを
各々含有する感熱記録層を2層設け、この層上に光透過
率調整層、保護層を順次設けるのが望ましい。
【0158】本発明の多色感熱記録材料において、感熱
記録層として、最大吸収波長360±20nmであるジ
アゾ化合物と該ジアゾ化合物と反応し呈色するカプラー
とを含有する感熱記録層と、最大吸収波長400±20
nmであるジアゾ化合物と該ジアゾ化合物と反応し呈色
するカプラーとを含有する感熱記録層とを含有すること
が好ましい。
【0159】本発明の多色感熱記録材料としては、支持
体上に、電子供与性染料と電子受容性化合物を含有する
感熱記録層と、最大吸収波長360±20nmであるジ
アゾ化合物と該ジアゾ化合物と反応し呈色するカプラー
とを含有する感熱記録層と、最大吸収波長400±20
nmであるジアゾ化合物と該ジアゾ化合物と反応し呈色
するカプラーとを含有する感熱記録層と、を順次設け、
この層上に光透過率調整層を設けたものが好ましい。
【0160】本発明の多色感熱記録材料としては、支持
体上に、最大吸収波長310±20nm以下のジアゾ化
合物と、該ジアゾ化合物と呈色反応をするカプラーとを
含有する感熱記録層と、最大吸収波長360±20nm
であるジアゾ化合物と該ジアゾ化合物と反応し呈色する
カプラーとを含有する感熱記録層と、最大吸収波長40
0±20nmであるジアゾ化合物と該ジアゾ化合物と反
応し呈色するカプラーとを含有する感熱記録層と、を順
次設け、この層上に光透過率調整層を設けたものが好ま
しい。
【0161】本発明の多色感熱記録材料においては、感
熱記録層を複数積層するため、感熱記録層相互の混色を
防ぐ目的で、各感熱記録層間に中間層を設けることもで
きる。この中間層はゼラチン、フタル化ゼラチン、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高
分子化合物からなり、適宜各種添加剤を含んでいてもよ
い。
【0162】本発明の多色感熱記録材料及びその記録方
法についてさらに詳しく説明する。まず初めに低エネル
ギーの熱記録でジアゾ化合物を含有する最外層の感熱層
(第1感熱記録層、通常イエロー発色層)を発色させた
後、該感熱層に含有されるジアゾ化合物の吸収波長域の
光を放出する光源を用いて全面光照射して、最上層の感
熱層中に残存するジアゾ化合物を光分解させる。
【0163】次いで、前回より高エネルギーで、第1層
に含有されるジアゾ化合物の吸収波長域の光とは異なっ
た光吸収波長域を有するジアゾ化合物を含有する第2層
目の感熱層(第2感熱記録層、通常マゼンタ発色層)を
発色させた後、該ジアゾ化合物の吸収波長域の光を放出
する光源を用いて再度全面光照射し、これによって第2
層目の加熱層中に残存するジアゾ化合物を光分解させ
る。最後に、更に高エネルギーで、最内層(第3感熱記
録層、通常シアン発色層)の電子供与性染料前駆体を含
有する層(第3層)を発色させて画像記録を完了する。
【0164】上記の場合には、最外層及び第2層を透明
な感熱層とすることが、各発色が鮮やかになるので好ま
しい。
【0165】また、本発明においては、支持体として透
明な支持体を用い、上記3層のうち何れか一層を透明な
支持体の裏面に塗布することにより、多色画像を得るこ
ともできる。この場合には、画像を見る側と反対側の最
上層の感熱記録層は透明である必要はない。
【0166】上記ジアゾ化合物の光分解に使用する光源
としては、通常紫外線ランプを使用する。紫外線ランプ
は管内に水銀蒸気を充填した蛍光管であり、管の内壁に
塗布する蛍光体の種類により種々の発光波長を有する蛍
光管を得ることができる。
【0167】多色感熱記録材料においては、上記第3感
熱記録層を適当なジアゾ化合物とカプラーとの組合せで
作成することも可能である。以下に、本発明の感熱記録
材料及び多色感熱記録材料の図面を参照してさらに詳し
く説明する。
【0168】図1は、本発明の感熱記録材料の一例を示
す断面図である。図1に示す感熱記録材料は、支持体1
1と、感熱記録層12と、保護層13とを有する。感熱
記録層12には、カプラーと、このカプラーと反応して
アゾ色素を形成するジアゾ化合物Aを内包するマイクロ
カプセルとが含有されている。保護層13上から、サー
マルヘッド等により感熱記録層に熱が供与されると、カ
プセル外のカプラーがカプセル内に浸透し(及び/又は
カプセル内のジアゾ化合物がカプセル外に放出され)、
カプラーとジアゾ化合物とがカップリング反応する。そ
の結果生じるアゾ色素が有する色に、熱供与部分が発色
し、単色の画像が形成される。
【0169】画像形成後、未印画部のジアゾ化合物を光
照射して分解し、画像を定着するのが画像の保存安定性
の点で好ましい。画像の定着には、ジアゾ化合物の分解
波長に応じた光源を使用して定着処理を行ってもよい。
【0170】図2は、本発明の多色感熱記録材料の一例
を示す断面図である。図2に示す多色感熱記録材料は、
支持体21と、イエロー層22、シアン層23、マゼン
タ層24の3層の感熱記録層を有する減法混色系であ
る。イエロー層22とシアン層23との間には中間層2
5が、シアン層23とマゼンタ層24との間には中間層
26が設けられていて、カプラー等が層間を拡散移動す
るのが抑制されている。マゼンタ層24の上には、紫外
線透過率調整層27、さらにその上に保護層28が設け
られていて、マゼンタ層24等の感熱記録層が物理的及
び/又は化学的に劣化するのを防止している。マゼンタ
層24には、カプラーMとジアゾ化合物Mとが含有さ
れ、イエロー層22にはカプラーYとジアゾ化合物Yと
が含有されている。シアン層23にはカプラーCとジア
ゾ化合物Cとが含有されている。ジアゾ化合物M、ジア
ゾ化合物C、及びジアゾ化合物Yの各々の分解波長
λ1、λ2、λ3との関係は、λ3<λ2<λ1となってい
る。各々の感熱記録層のジアゾ化合物は熱応答性マイク
ロカプセルに内包されていて、常温ではカプラーと非接
触状態にある。
【0171】サーマルヘッド等によりマゼンタ層24に
熱が供与されると、単層構造の感熱記録材料と同様に、
カプラーMとジアゾ化合物Mとの反応が進行し画像が形
成される。その後、ジアゾ化合物Mの分解波長λ1(3
90nm〜440nm)の光を照射し、画像の定着を行
う。次に、サーマルヘッドにより、前述よりも高いエネ
ルギー量の熱を供与されると、シアン層23におけるジ
アゾ化合物CがカプラーCと反応し、印字部分がシアン
に発色する。前記と同様にジアゾ化合物Cの分解波長λ
2(330nm〜380nm)の光を照射し、画像の定
着を行う。次に、同様にイエロー層22にさらに高いエ
ネルギー量の熱を供与すると、熱供与部分にイエローの
画像が形成され、全体としてフルカラーの画像が得られ
る。その後、ジアゾ化合物Yの分解波長λ3の光により
画像定着を行ってもよいが、ジアゾ化合物Yの分解波長
λ3は、非常に短波長であり、分解しなくても画像に影
響を及ぼさないので、画像定着は行わなくてもよい。
【0172】図2において、イエロー層22は、イエロ
ーに発色する電子供与性染料前駆体と、電子受容性化合
物とを含有する感熱記録層であってもよい。この場合
は、イエロー層の光定着は不要となる。用いるカプラー
の種類、及び電子供与性染料前駆体の種類をかえて、層
22をシアン層、層23をマゼンタ層、層24をイエロ
ー層とする3層の感熱記録層を有する多色感熱記録材料
としてもよい。また、各感熱記録層におけるジアゾ化合
物は、2種以上併用してもよい。
【0173】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。 [合成例1] <1−n−ヘキシル−2−オクチル−3,4−ジ(8−
ヒドロキシオクチル)シクロヘキサンとm−キシリレン
ジイソシアネートの付加物を主成分とする多官能イソシ
アネート組成物の合成>1−n−ヘキシル−2−オクチ
ル−3,4−ジ(8−ヒドロキシオクチル)シクロヘキ
サン(ペスポールHP−1000;東亞合成(株))2
6.8グラム(50ミリモル)を200ミリリットルの
フラスコに仕込み、外温110℃に加熱し、窒素気流下
に乾燥した。室温まで冷却後、m−キシリレンジイソシ
アネート(東京化成工業(株))28.2グラム(15
0ミリモル)、乾燥酢酸エチル55.0グラムを加え溶
解した後、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫(スタノク
ト;吉富製薬(株)製)0.11グラムを加えた。内温
50℃にて撹拌を3時間行ない、1−n−ヘキシル−2
−オクチル−3,4−ジ(8−ヒドロキシオクチル)シ
クロヘキサンとm−キシリレンジイソシアネートの付加
物を主成分とする多官能イソシアネート組成物(50重
量%;酢酸エチル溶液)を得た。上記組成物を減圧濃縮
し、1 H−NMR(DMSO−d6 )測定の結果、4.
32ppmに帰属される1−n−ヘキシル−2−オクチ
ル−3,4−ジ(8−ヒドロキシオクチル)シクロヘキ
サンの水酸基のα位のメチレンプロトンのシグナルは観
測されなかった。1−n−ヘキシル−2−オクチル−
3,4−ジ(8−ヒドロキシオクチル)シクロヘキサン
はすべて消費されていることを確認した。
【0174】[合成例2] <1−n−ヘキシル−2−オクチル−3,4−ジ(8−
ヒドロキシオクチル)シクロヘキサンとトリレンジイソ
シアネートの付加物を主成分とする多官能イソシアネー
ト組成物の合成>1−n−ヘキシル−2−オクチル−
3,4−ジ(8−ヒドロキシオクチル)シクロヘキサン
(ペスポールHP−1000;東亞合成(株))26.
8グラム(50ミリモル)を200ミリリットルのフラ
スコに仕込み、外温110℃に加熱し、窒素気流下に乾
燥した。室温まで冷却後、トリレンジイソシアネート
(東京化成工業(株);2,4−トリレンジイソシアネ
ート:2,6−トリレンジイソシアネート=80:20
の混合物)26.1グラム(150ミリモル)、乾燥酢
酸エチル52.9グラムを加え溶解した後、ジ(2−エ
チルヘキサン酸)錫(スタノクト;吉富製薬(株)製)
0.11グラムを加えた。内温50℃にて撹拌を3時間
行ない、1−n−ヘキシル−2−オクチル−3,4−ジ
(8−ヒドロキシオクチル)シクロヘキサンとトリレン
ジイソシアネートの付加物を主成分とする多官能イソシ
アネート組成物(50重量%;酢酸エチル溶液)を得
た。上記組成物を減圧濃縮し、1 H−NMR(DMSO
−d6 )測定の結果、4.32ppmに帰属される1−
n−ヘキシル−2−オクチル−3,4−ジ(8−ヒドロ
キシオクチル)シクロヘキサンの水酸基のα位のメチレ
ンプロトンのシグナルは観測されなかった。1−n−ヘ
キシル−2−オクチル−3,4−ジ(8−ヒドロキシオ
クチル)シクロヘキサンはすべて消費されていることを
確認した。
【0175】[合成例3] 1−n−ヘキシル−2−オクチル−3,4−ジ(8−ヒ
ドロキシオクチル)シクロヘキサンと水添4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネートの付加物を主成分とす
る多官能イソシアネート組成物の合成 1−n−ヘキシル−2−オクチル−3,4−ジ(8−ヒ
ドロキシオクチル)シクロヘキサン(ペスポールHP−
1000;東亞合成(株))26.8グラム(50ミリ
モル)を200ミリリットルのフラスコに仕込み、外温
110℃に加熱し、窒素気流下に乾燥した。室温まで冷
却後、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト(アルドリッチ)39.3グラム(150ミリモ
ル)、乾燥酢酸エチル66.1グラムを加え溶解した
後、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫(スタノクト;吉富
製薬(株)製)0.11グラムを加えた。内温50℃に
て撹拌を3時間行ない、1−n−ヘキシル−2−オクチ
ル−3,4−ジ(8−ヒドロキシオクチル)シクロヘキ
サンと水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
トの付加物を主成分とする多官能イソシアネート組成物
(50重量%;酢酸エチル溶液)を得た。上記組成物を
減圧濃縮し、1 H−NMR(DMSO−d6 )測定の結
果、4.32ppmに帰属される1−n−ヘキシル−2
−オクチル−3,4−ジ(8−ヒドロキシオクチル)シ
クロヘキサンの水酸基のα位のメチレンプロトンのシグ
ナルは観測されなかった。1−n−ヘキシル−2−オク
チル−3,4−ジ(8−ヒドロキシオクチル)シクロヘ
キサンはすべて消費されていることを確認した。
【0176】[合成例4] 1−n−ヘキシル−2−オクチル−3,4−ジ(8−ヒ
ドロキシオクチル)シクロヘキサンとノルボルナンジイ
ソシアネートの付加物を主成分とする多官能イソシアネ
ート組成物の合成 1−n−ヘキシル−2−オクチル−3,4−ジ(8−ヒ
ドロキシオクチル)シクロヘキサン(ペスポールHP−
1000;東亞合成(株))17.4グラム(32ミリ
モル)を200ミリリットルのフラスコに仕込み、外温
110℃に加熱し、窒素気流下に乾燥した。室温まで冷
却後、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI;三井
化学(株))19.8グラム(96ミリモル)、乾燥酢
酸エチル37.2グラムを加え溶解した後、ジ(2−エ
チルヘキサン酸)錫(スタノクト;吉富製薬(株)製)
0.11グラムを加えた。内温50℃にて撹拌を3時間
行ない、1−n−ヘキシル−2−オクチル−3,4−ジ
(8−ヒドロキシオクチル)シクロヘキサンとノルボル
ナンジイソシアネートの付加物を主成分とする多官能イ
ソシアネート組成物(50重量%;酢酸エチル溶液)を
得た。上記組成物を減圧濃縮し、1 H−NMR(DMS
O−d6 )測定の結果、4.32ppmに帰属される1
−n−ヘキシル−2−オクチル−3,4−ジ(8−ヒド
ロキシオクチル)シクロヘキサンの水酸基のα位のメチ
レンプロトンのシグナルは観測されなかった。1−n−
ヘキシル−2−オクチル−3,4−ジ(8−ヒドロキシ
オクチル)シクロヘキサンはすべて消費されていること
を確認した。
【0177】[実施例1] (1)イエロー感熱記録層液の調製 <ジアゾ化合物内包マイクロカプセル液(a)の調製>
酢酸エチル16.1部に、下記ジアゾニウム化合物A
(最大吸収波長420nm)2.2部、下記ジアゾニウ
ム化合物B(最大吸収波長420nm)2.2部、モノ
イソプロピルビフェニル4.8部、フタル酸ジフェニル
4.8部、及びジフェニル(2,4,6−トリメチルベ
ンゾイル)フォスフォンオキサイド(商品名:ルシリン
TPO,BASFジャパン(株)製)0.4部を添加
し、40℃に加熱して均一に溶解した。前記溶解液にカ
プセル壁材としてキシリレンジイソシアネート/トリメ
チロールプロパン付加物とキシリレンジイソシアネート
/ビスフェノールA付加物の混合物(商品名:タケネー
トD119N(50質量%酢酸エチル溶液)、武田薬品
工業(株)製)11.0部を添加し、均一に攪拌し混合
液(I)をえた。
【0178】
【化37】
【0179】別途、前記フタル化ゼラチン水溶液58.
6部にイオン交換水16.3部、Scraph AG・
8(50質量%)日本精化(株)製)0.34部を添加
し混合液(II)を得た。混合液(II)に混合液
(I)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所
(株)製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られ
た乳化液に水20部を加えて均一化した後、40℃下で
攪拌し酢酸エチルを除去しながら、3時間カプセル化反
応をおこなった。この後、イオン交換樹脂アンバーライ
トIRA68(オルガノ(株)製)6.2部、アンバー
ライトIRC50(オルガノ(株)製)12.4部を加
え、更に1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾
過して取り除き、カプセル液の固形分濃度が20%にな
るように濃度調節しジアゾニウム塩化合物内包マイクロ
カプセル液(a)を得た。得られたマイクロカプセルの
粒径は粒径測定(LA・700、堀場製作所(株)製で
実施)の結果、メジアン径で0.36μmであった。
【0180】<カプラー化合物乳化液(a)の調製>酢
酸エチル33.0部に下記カプラー化合物C9.9部
と、トリフェニルグアニジン(保土ヶ谷化学(株)製)9.
9部、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデ
ン)ジフェノール(商品名:ビスフェノールM(三井石
油化学(株)製)20.8部、3,3,3’,3’−テ
トラメチル−5,5’,6,6’−テトラ(1−プロピ
ロキシ)−1,1’−スピロビスインダン3.3部、4
−(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゼンスルホン酸ア
ミド(マナック(株)製)13.6部、4−n−ペンチ
ルオキシベンゼンスルホン酸アミド(マナック(株)
製)6.8部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム
(商品名:パイオニンA・41・C70%メタノール溶
液、竹本油脂(株)製)4.2部を溶解し、混合液(I
II)を得た。
【0181】
【化38】
【0182】別途前記アルカリ処理ゼラチン水溶液20
6.3部にイオン交換水107.3部を混合し、混合液
(IV)を得た。混合液(IV)に混合液(III)を
添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)を
用いて40℃の下で乳化分散した。得られたカプラー化
合物乳化物を減圧、加熱し、酢酸エチルを除去した後、
固形分濃度が26.5重量%になるように濃度調節を行
った。得られたカプラー化合物乳化物の粒径は粒径測定
(LA・700、堀場製作所(株)製で実施)の結果、
メジアン径で0.21μmであった。
【0183】更に上記カプラー化合物乳化物100部に
対して、SBRラッテクス(商品名SN−307、48
%液、住化エイビーエスラテックス(株)製)を26.
5%に濃度調製したものを9部添加して均一に攪拌して
カプラー化合物乳化液(a)を得た。
【0184】<塗布液(a)の調製>前記ジアゾニウム
塩化合物内包マイクロカプセル液(a)および前記カプ
ラー化合物分乳化液(a)を、内包しているカプラー化
合物/ジアゾ化合物の重量比が2.2/1になるように
混合し、感熱記録層用塗布液(a)を得た.
【0185】(2)マゼンタ感熱記録層液の調製 <ジアゾニウム塩化合物内包マイクロカプセル液(b)
の調製>酢酸エチル15.1部に、下記ジアゾニウム化
合物D(最大吸収波長365nm)2.8部、フタル酸ジ
フェニル2.1部、フェニル2−ベンゾイロキシ安息香
酸エステル(TO583)6.1部、TMPT3.7部、
およびドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品
名:パイオニンA・41・C70%メタノール溶液、竹
本油脂(株)製)0.1部を添加し加熱して均一に溶解
した.上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジイ
ソシアネート/トリメチロールプロパン付加物とキシリ
レンジイソシアネート/ビスフェノールA付加物の混合
物(商品名;タケネートD119N(50重量%酢酸エ
チル溶液)、武田薬品工業(株)製)2.5部とキシリレ
ンジイソシアネート/トリメチロールプロパン付加物
(商品名;タケネートD110N(75重量%酢酸エチ
ル溶液)、武田薬品工業(株)製)6.8部を添加し、均
一に攪拌し混合物(V)を得た。
【0186】
【化39】 別途、前記フタル化ゼラチン溶液55.3部にイオン交
換水21.0部を添加混合し、混合液(VI)を得た.
混合液(VI)に混合液(V)を添加し、ホモジナイザ
ー(日本製機製作所(株)製)を用いて40℃の下で乳化
分散した。得られた乳化液に水30部を加え均一化した
後、40℃下で攪拌し酢酸エチルを除去しながら3時間
カプセル化反応を行った。この後、イオン交換樹脂アン
バーライトIRA68(オルガノ(株)製)4.1部、ア
ンバーライトIRC50(オルガノ(株)製)8.2部を加
え、更に1時間攪拌した。その後イオン交換樹脂を濾過
して取り除き、カプセル液の固形分濃度が20.0%に
なるように濃度調製しジアゾニウム塩化合物内包マイク
ロカプセル液(b)を得た。得られたマイクロカプセル
の粒径は粒径測定(LA・700、堀場製作所(株)製
で実施)の結果、メジアン径で0.43μmであった。
【0187】<カプラー化合物乳化液(b)の調製>酢酸
エチル36.9部に下記カプラー化合物E11.9部
と、トリフェニルグアニジン(保土ヶ谷化学(株)製)1
4.0部、4,4‘−(m−フェニレンジイソプロピリ
デン)ジフェノール(商品名:ビスフェノールM(三井
石油化学(株)製)14.0部、下記フェノール化合物
F14.0部、3,3,3’,3’−テトラメチル−
5,5’,6,6’−テトラ(1−プロピロキシ)−
1,1’−スピロビスインダン3.5部、下記フェノー
ル化合物G3.5部、リン酸トリクレジル1.7部、マ
レイン酸ジエチル0.8部、ドデシルベンゼンスルホン
酸カルシウム(商品名:パイオニンA・41・C70%
メタノール溶液、竹本油脂(株)製)4.5部を溶解
し、混合液(VII)を得た。
【0188】
【化40】
【0189】別途アルカリ処理ゼラチン水溶液206.
3部にイオン交換水107.3部を混合し、混合液(V
III)を得た。混合液(VIII)に混合液(VI
I)を添加し、ホモジナイザー(日本精機製作所(株)
製)を用いて40℃の下で乳化分散した。得られたカプ
ラー化合物乳化物を減圧、加熱し、酢酸エチルを除去し
た後、固形分濃度が24.5重量%になるように濃度調
節を行い、カプラー化合物乳化液(b)を得た。得られ
たカプラー化合物乳化物の粒径は粒径測定(LA・70
0、堀場製作所(株)製で実施)の結果、メジアン径で
0.22μmであった。
【0190】<塗布液(b)の調製>前記ジアゾニウム
塩化合物内包マイクロカプセル液(b)および前記カプ
ラー化合物分乳化液(b)を、内包しているカプラー化
合物/ジアゾ化合物の重量比が4.5/1になるように
混合した。さらに、ポリスチレンスルホン酸(一部水酸
化カリウム中和型)水溶液(5重量%)をカプセル液量1
0部に対し、0.2部になるように混合し、感熱記録層
用塗布液(b)を得た。
【0191】(3)シアン感熱記録層液の調製 <電子供与性染料前駆体内包マイクロカプセル液(c)
の調製>電子供与性染料前駆体として3−(o−メチル
−p−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−
2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
7.6重量部を酢酸エチル17.9重量部に溶解し、さ
らに2,5−tert−オクチルハイドロキノン8.0
重量部、および高沸点溶媒である1−メチルプロピルフ
ェニル−フェニルメタンおよび1−(1−メチルプロピ
ルフェニル)−2−フェニルエタンの混合物2,5−t
ert−オクチルハイドロキノン8.0重量部を添加
し、均一に混合した。カプセル壁材として、合成例1の
多官能イソシアネート組成物およびキシレンジイソシア
ナート/トリメチロールプロパン付加化合物(75重量
%酢酸エチル溶液:タケネートD110N:武田薬品社
製)、メチレンジイソシアネート(ミリオネートMR2
00:日本ポリウレタン社製)をそれぞれ5.0重量
部、6.2重量部、5.4重量部この溶液に添加し、攪
拌した。別途、10%ドデシルスルホン酸ナトリウム水
溶液1.3重量部を添加した6.0重量%ゼラチン
(「MGP−9066」、ニッピゼラチン工業社製)水
溶液38.9重量部を用意し、先の電子供与性染料前駆
体溶液を添加し、ホモジナイザーにて乳化分散した。得
られた乳化分散液を攪拌しながら水60g、テトラエチ
レンペンタミン0.12gを加え、カプセル化反応を開
始した。反応液の温度は20〜30分で65℃に達する
ように昇温し、3時間カプセル化反応を行った。このよ
うにして目的のカプセル液を調整した。なお、カプセル
の平均粒子経は約1.7μmであった。
【0192】<電子受容性化合物分散液(c)の調製>
前記フタル化ゼラチン水溶液11.3重量部にイオン交
換水30.1重量部、4,4’−(p−フェニレンジイ
ソプロピレン)ジフェノール(商品名;ビスフェノール
P、三井石油化学(株)製)15.0部、2重量%2−
エチルヘキシルコハク酸ナトリウム水溶液3.8重量部
を加えて、ボールミルにて一晩分散した後、分散液を得
た。この分散液の固形分濃度は26.6重量%であっ
た。上記分散液100.0重量部に、前記アルカリ処理
ゼラチン水溶液45.2重量部加えて30分攪拌した
後、分散液の固形分濃度が23.5%となるようにイオ
ン交換水を加えて電子受容性化合物分散液を得た。
【0193】<塗布液(c)の調製>前記電子供与性染
料前駆体内包マイクロ液カプセル(c)および前記電子
受容性化合物分散液(c)を、電子受容性化合物/電子
供与性染料前駆体の重量比が10/1になるように混合
し、塗布液(c)を得た。
【0194】(4)中間層用塗布液の調製 アルカリ処理低イオンゼラチン(商品名;#750ゼラ
チン,新田ゼラチン(株)製)100.0部、1,2−
ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶
液,大東化学工業所(株)製)2.857部、水酸化カ
ルシウム0.5部、イオン交換水521.643部を混
合し、50℃にて溶解し、中間層作成用ゼラチン水溶液
を得た。前記中間層作成用ゼラチン水溶液10.0部、
(4−ノニルフェノキシトリオキシエチレン)ブチルス
ルホン酸ナトリウム(三協化学(株)製 2.0重量%
水溶液)0.05部、硼酸(4.0重量%水溶液)1.
5部、ポリスチレンスルホン酸(一部水酸化カリウム中
和型)水溶液(5重量%)0.19部、H−603M
(和光純薬(株)製)4.53部、イオン交換水0.6
7部を混合し、中間層用塗布液とした。
【0195】(5)光透過率調整層用塗布液の調製 <紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液の調製>酢酸
エチル71部に紫外線吸収剤前駆体として[2−アリル
−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−
t−オクチルフェニル]ベンゼンスルホナート14.5
部、2.2’−t−オクチルハイドロキノン5.0部、
燐酸トリクレジル1.9部、α−メチルスチレンダイマ
ー(商品名;MSD−100,三井化学(株)製)5.
7部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム(商品
名;パイオニンA−4l−C(70%メタノール溶
液),竹本油脂(株)製)0.45部を溶解し均一に溶
解した。上記混合液にカプセル壁材としてキシリレンジ
イソシアネート/トリメチロールプロパン付加物(商品
名;タケネートD110N(75重量%酢酸エチル溶
液),武田薬品工業(株)製)54.7部を添加し、均
一に攪拌し紫外線吸収剤前駆体混合液(VII)を得
た。
【0196】別途、イタコン酸変性ポリビニルアルコー
ル(商品名;KL−318,クラレ(株)製)52部に
30重量%燐酸水溶液8.9部、イオン交換水532.
6部を混合し、紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液
用PVA水溶液を作成した。前記紫外線吸収剤前駆体マ
イクロカプセル液用ΡVA水溶液516.06部に前記
紫外線吸収剤前駆体混合液(VII)を添加し、ホモジ
ナイザー(日本精機製作所(株)製)を用いて20℃の
下で乳化分散した。得られた乳化液にイオン交換水25
4.1部を加え均一化した後、40℃下で攪拌しながら
3時間カプセル化反応を行った。この後、イオン交換樹
脂アンバーライトMB−3(オルガノ(株)製)94.
3部を加え、更に1時間攪拌した。その後、イオン交換
樹脂を濾過して取り除きカプセル液の固形分濃度が1
3.5%になるように濃度調節した。得られたマイクロ
カプセルの粒径は粒径測定(LA−700,堀場製作所
(株)製で実施)の結果、メジアン径で0.23±0.
05μmであった。このカプセル液859.1部にカル
ボキシ変性スチレンブタジエンラテックス(商品名;S
N−307(48重量%水溶液),住友ノーガタック
(株)製)2.416部、イオン交換水39.5部を混
合し、紫外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液を得た。
【0197】<光透過率調整層用塗布液の調製>前記紫
外線吸収剤前駆体マイクロカプセル液1000部、メガ
ファックF−120、5重量%水溶液(大日本インキ化
学工業(株)製)5.2部、4重量%水酸化ナトリウム
水溶液7.75部、(4−ノニルフェノキシトリオキシ
エチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム(三協化学
(株)製 2.0重量%水溶液)73.39部を混合
し、光透過率調整層用塗布液を得た。
【0198】(6)保護層用塗布液の調製 <保護層用ポリビニルアルコール溶液の作成>ビニルア
ルコール−アルキルビニルエーテル共重合物(商品名;
EP−130,電気化学工業(株)製)160部、アル
キルスルホン酸ナトリウムとポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル燐酸エステルの混合液(商品名;ネオスコア
CM−57(54重量%水溶液),東邦化学工業(株)
製)8.74部、イオン交換水3832部を混合し、9
0℃のもとで1時間溶解し均一な保護層用ポリビニルア
ルコール溶液を得た。
【0199】<保護層用顔料分散液の作成>硫酸バリウ
ム(商品名;BF−21F,硫酸バリウム含有量93%
以上,堺化学工業(株)製)8部に陰イオン性特殊ポリ
カルボン酸型高分子活性剤(商品名;ポイズ532A
(40重量%水溶液),花王(株)製)0.2部、イオ
ン交換水11.8部を混合し、ダイノミルにて分散して
保護層用顔料分散液を作成した。この分散液は粒径測定
(LA−9l0,堀場製作所(株)製で実施)の結果、
メジアン経で0.15μm以下であった。上記硫酸バリ
ウム分散液45.6部に対し、コロイダルシリカ(商品
名;スノーテックスO(20重量%水分散液),日産化
学(株)製)8.1部を添加して目的の分散物を得た。
【0200】<保護層用マット剤分散液の作成>小麦澱
粉(商品名;小麦澱粉S,新進食料工業(株)製)22
0部に1,2ベンズイソチアゾリン−3−オンの水分散
物(商品名;PROXEL B.D.I.C.I(株)
製)3.81部、イオン交換水1976.19部を混合
し、均一に分散し、保護層用マット剤分散液を得た。
【0201】<保護層用塗布ブレンド液の調製>前記保
護層用ポリビニルアルコール溶液1000部に、メガフ
ァックF−120、5重量%水溶液(大日本インキ化学
工業(株)製)40部、(4−ノニルフェノキシトリオ
キシエチレン)ブチルスルホン酸ナトリウム(三協化学
(株)製2.0重量%水溶液)50部、前記保護層用顔
料分散液49.87部、前記保護層用マット剤分散液1
6.65部、ステアリン酸亜鉛分散液(商品名;ハイド
リンF115,20.5重量%水溶液,中京油脂(株)
製)48.7部を均一に混合し保護層用塗布ブレンド液
を得た。
【0202】(7)下塗り層つき支持体 <下塗り層液の作製>酵素分解ゼラチン(平均分子量:
10000、PAGI法粘度:15mP、PAGI法ゼ
リー強度:20g)40部をイオン交換水60部に加え
て40℃で攪拌溶解して下塗り層用ゼラチン水溶液を調
製した。別途水膨潤性の合成雲母(アスペクト比:10
00、商品名;ソマシフME100,コープケミカル社
製)8部と水92部とを混合した後、ビスコミルで湿式
分散し、平均粒径が2.0μmの雲母分散液を得た。こ
の雲母分散液に雲母濃度が5重量%となるように水を加
え、均一に混合し、所望の雲母分散液を調製した。40
℃の40重量%の前記ゼラチン水溶液100部に、水1
20部およびメタノール556部を加え、十分攪拌混合
した後、5重量%前記雲母分散液208部を加えて、十
分攪拌混合し、1.66重量%ポリエチレンオキサイド
系界面活性剤9.8部を加えた。そして液温を35℃か
ら40℃に保ち、エポキシ化合物のゼラチン硬膜剤7.
3部を加えて下塗り層用塗布液(5.7重量%)を調製
し、下塗り用塗布液を得た。
【0203】<下塗り層つき支持体の作製>LBPS
50部、LBPK 50部からなる木材パルプをデイス
クリファイナーによりカナディアンフリーネス300c
cまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、ア
ニオンポリアクリルアミド1.0部、硫酸アルミニウム
1.0部、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン
0.1部、カチオンポリアクリルアミド0.5部をいず
れもパルプに対する絶乾重量比で添加し長網抄紙機によ
り坪量114g/m2の原紙を抄造しキャレンダー処理
によって厚み100μmに調整した。次に原紙の両面に
コロナ放電処理を行った後、溶融押し出し機を用いてポ
リエチレンを樹脂厚36μmとなるようにコーティング
しマット面からなる樹脂層を形成した(この面をウラ面
と呼ぶ)。次に上記樹脂層を形成した面とは反対側に溶
融押し出し機を用いてアナターゼ型二酸化チタンを10
重量%及び微量の群青を含有したポリエチレンを樹脂厚
50μmとなるようにコーティングし光沢面からなる樹
脂層を形成した(この面をオモテ面と呼ぶ)。ウラ面の
ポリエチレン樹脂被覆面にコロナ放電処理した後、帯電
防止剤として酸化アルミニウム(商品名;アルミナゾル
100、日産化学工業(株)製)/二酸化珪素(商品
名;スノーテックスO、日産化学工業(株)製)=1/
2(重量比)を水に分散させて乾燥後の重量で0.2g
/m2塗布した。次にオモテ面のポリエチレン樹脂被覆
面にコロナ放電処理した後、上記下塗り液を雲母の塗布
量が0.26g/m2となるように塗布し、下塗り層つ
き支持体を得た。
【0204】(8)各感熱記録層用塗布液の塗布 前記下塗り層つき支持体の上に、下から、前記感熱記録
層用塗布液(c)、前記中間層用塗布液、前記感熱記録
層用塗布液(b)、前記中間層用塗布液、前記感熱記録
層用塗布液(a)、前記光透過率調整層用塗布液、前記
保護層用塗布液の順に7層同時に連続塗布し、30℃湿
度30%、および40℃湿度30%の条件でそれそれ乾
燥して多色感熱記録材料(1)を得た。この際前記感熱
記録層用塗布液(a)の塗布量は液中に含まれるジアゾ
化合物(A)の塗布量が固形分塗布量で0.078g/
2となるように、同様に前記感熱記録層用塗布液
(b)の塗布量は液中に含まれるジアゾ化合物(D)の
塗布量が固形分塗布量で0.206g/m2となるよう
に、同様に前記感熱記録層用塗布液(c)の塗布量は液
中に含まれる電子供与性染料(F)の塗布量が固形分塗
布量で0.355g/m2となるように塗布を行った。
また、前記中間層用塗布液は(a)と(b)の間は固形
分塗布量が2.39g/m2、(b)と(c)の間は固
形分塗布量が3.34g/m2、前記光透過率調整層用
塗布液は固形分塗布量が2.35g/m2、保護層は固
形分塗布量が1.39g/m2となるように塗布を行っ
た。
【0205】(9)バックコート層Aの調製(最上層) <アルカリ処理ゼラチン水溶液の調製>アルカリ処理ゼ
ラチン(商品名;PBLCゼラチン,PB Gelat
ins製(英国))25部、アルカリ処理ゼラチン(商
品名;PRゼラチン,宮城化学工業製)75部、1,2
−ベンゾチアゾリン−3−オン(3.5%メタノール溶
液,大東化学工業所(株)製)2.95部、イオン交換
水450部を混合し、50℃にて溶解し、アルカリ処理
ゼラチン水溶液を得た。
【0206】<シリカ分散液の調製>非晶質シリカ(商
品名;ミズカシルP526A,水澤化学工業製)100
部に、ヘキサメタリン酸ナトリウムの40%水溶液2.
5部、ポリカルボン酸型分散剤(商品名;ポイズ520
A,花王(株)製)10部、イオン交換水880部を混
合〜撹拌し、平均分散粒径6μ(LA700:堀場製作
所製)のシリカ分散液を得た。
【0207】上記、アルカリ処理ゼラチン水溶液100
0部、シリカ分散液4500部、スルホコハク酸型界面
活性剤(ラピゾールB90:日本油脂(株)製)70%
水溶液25部と、および、イオン交換水1000部を混
合し、バックコート層Aを得た。
【0208】<バックコート層Bの調製(下層)> ・アルカリ処理ゼラチン水溶液の調製 アルカリ処理ゼラチン(商品名;PBLCゼラチン,P
B Gelatins製(英国))25部、アルカリ処
理ゼラチン(商品名;PRゼラチン,宮城化学工業製)
75部、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン(3,5
%メタノール溶液,大東化学工業所(株)製)2.95
部、イオン交換水450部を混合し、50℃にて溶解
し、アルカリ処理ゼラチン水溶液を得た。
【0209】上記、アルカリ処理ゼラチン水溶液100
0部、スルホコハク酸型界面活性剤(ラピゾールB9
0:日本油脂(株)製)70%水溶液2部と、イオン交
換水300部、および、EM−13:200部を混合
し、バックコート層Bを得た。
【0210】<バックコート塗布品の作成>前記感熱記
録層を塗布した支持体の反対の面に、下から、バックコ
ート層B、バックコート層Aの順に同時に連続塗布し、
30℃湿度30%、および40℃湿度30%の条件でそ
れぞれ乾燥して多色感熱記録材料を得た。(乾燥条件
は、発色層の乾燥条件に準じた…) この際前記バックコート層Bの塗布量は固形分塗布量で
10g/m2となるように、バックコート層Aの塗布量
は固形分塗布量で1.0g/m2となるように塗布を行
った。
【0211】[実施例2]実施例1の<電子供与性染料
前駆体内包マイクロカプセル液(c)の調製>に記載さ
れてある「合成例1の多官能イソシアネート組成物5.
0重量部」を、「合成例2の多官能イソシアネート組成
物5.0重量部」に変更した感熱記録層用塗布液(2)
を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を
得た。
【0212】[実施例3]実施例1の<電子供与性染料
前駆体内包マイクロカプセル液(c)の調製>に記載さ
れてある「合成例1の多官能イソシアネート組成物5.
0重量部」を、「合成例3の多官能イソシアネート組成
物5.0重量部」に変更した感熱記録層用塗布液(3)
を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を
得た。
【0213】[実施例4]実施例1の<電子供与性染料
前駆体内包マイクロカプセル液(c)の調製>に記載さ
れてある「合成例1の多官能イソシアネート組成物5.
0重量部」を、「合成例4の多官能イソシアネート組成
物5.0重量部」に変更した感熱記録層用塗布液(4)
を用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録材料を
得た。
【比較例1】実施例1の<電子供与性染料前駆体内包マ
イクロカプセル液(c)の調製>に記載されてある「合
成例1の多官能イソシアネート組成物5.0重量部、キ
シレンジイソシアナート/トリメチロールプロパン付加
化合物(75重量%酢酸エチル溶液:タケネートD11
0N:武田薬品社製)6.2重量部」を、「キシレンジ
イソシアナート/トリメチロールプロパン付加化合物
(75重量%酢酸エチル溶液:タケネートD110N:
武田薬品社製)9.6重量部」に変更した感熱記録層用
塗布液(5)を用いた以外は、実施例1と同様にして感
熱記録材料を得た。
【0214】実施例1〜4及び比較例1で得られた感熱
記録材料は、シアン印画前に発光中心波長365nm、
出力40Wの紫外線ランプを15秒照射することにより
イエローおよびマゼンタの定着を行なった。印画は京セ
ラ製サーマルヘッドを用い、単位面積あたりの記録エネ
ルギーが表1の記録エネルギーになるように、サーマル
ヘッドに対する印加電圧、パルス幅を決めて行った。印
画したサンプルはX−Rite310TR(日本平板機
材社製)にて発色濃度を測定した。表2に、記録エネル
ギーに対するシアン発色濃度を示す。
【0215】
【表1】
【0216】
【表2】
【0217】その結果、実施例1〜4のシアン発色感度
は比較例1に比べて、印画ステップ8〜9(記録エネル
ギー、68.2〜75.5mJ/mm2)で低感度であ
り、かつ階調が硬調であった。
【0218】
【発明の効果】以上により、本発明によれば、低エネル
ギー印加では発色せず、高エネルギー印加では十分に高
い発色濃度を実現させることができ、且つ低コストで供
給が可能な多官能イソシアネート、これを用いたマイク
ロカプセル、並びにこのマイクロカプセルを用いた感熱
記録材料及び多色感熱記録材料を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱記録材料の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の多色感熱記録材料の一例を示す断面図
である。
【符号の説明】
11 支持体 12 感熱記録層 13 保護層 21 支持体 22 イエロー層(感熱記録層) 13 シアン層(感熱記録層) 24 マゼンタ層(感熱記録層) 25、26 中間層 27 紫外線透過率調整層(光透過率調整層) 28 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H026 AA11 BB42 BB43 FF01 FF05 4G005 AA01 AB14 AB21 BA01 BB02 BB08 BB13 DA09Y DB27X DC02Y DC18Y DC42Y DC46Y DD38Z DD57Y DE08Z EA08 4J034 BA02 CA04 CB03 CB07 CC23 CC26 CC44 CC45 CC52 CC53 CC54 CC61 CC62 CC65 CD04 CE01 HA01 HA07 HA08 HA18 HB05 HB08 HC03 HC09 HC12 HC17 HC22 HC45 HC46 HC52 HC53 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 RA16 RA19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)の化合物と下記一般式(2)の
    化合物からなる付加体を含有する多官能イソシアネート
    組成物。 【化1】 [式中X1,X2はそれぞれ結合手、または二価の基を表
    す。Rは置換基を表し、nは0から10の整数を表す。
    nが2以上の整数の場合、Rは同一でも異なっていても
    よい。またRどうしが結合し、環を形成していてもよ
    い。] 【化2】 [R1は2価以上の連結基を表し、mは2以上の整数を
    表す。]
  2. 【請求項2】下記一般式(3)の化合物と下記一般式(2)の
    化合物からなる付加体を含有する、請求項1に記載の多
    官能イソシアネート組成物。 【化3】 [式中X1,X2はそれぞれアルキレン基、オキサアルキ
    レン基を表す。Rはそれぞれアルキル基、アリール基、
    アルコキシ基、アリールオキシ基を表し、nは0から4
    の整数を表す。nが2以上の整数の場合、Rは同一でも
    異なっていてもよい。またRどうしが結合し、環を形成
    していてもよい。] 【化4】 [R1は2価以上の連結基を表し、mは2以上の整数を
    表す。]
  3. 【請求項3】前記一般式(2)の化合物が2,4−トリレ
    ンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
    ト、m−キシリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサ
    メチレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネ
    ート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
    水添m−キシリレンジイソシアネート、水添4,4’−
    ジフェニルメタンジイソシアネートから選ばれる少なく
    とも1種の化合物、あるいはこれらの混合物である請求
    項1又は請求項2に記載の多官能イソシアネート組成
    物。
  4. 【請求項4】ジアゾ化合物または電子供与性染料前駆体
    を内包するマイクロカプセルであって、該マイクロカプ
    セルのカプセル壁が、請求項1ないし請求項3のいずれ
    かに記載の多官能イソシアネート組成物の重合により得
    られるポリマーからなることを特徴とするマイクロカプ
    セル。
  5. 【請求項5】支持体、及びその上に設けられたジアゾ化
    合物を内包するマイクロカプセルとカプラーを含む感熱
    記録層、あるいは電子供与性染料前駆体を内包するマイ
    クロカプセルと顕色剤を含む感熱記録層からなる感熱記
    録材料において、該マイクロカプセルが、請求項4に記
    載のマイクロカプセルであることを特徴とする感熱記録
    材料。
  6. 【請求項6】透明支持体、及びその上に設けられた少な
    くとも2層以上の感熱記録層を有し、各記録層がジアゾ
    化合物を内包するマイクロカプセルとカプラーを含む感
    熱記録層、及び/又は電子供与性染料前駆体を内包する
    マイクロカプセルと顕色剤を含む感熱記録層からなる多
    色感熱記録材料において、該マイクロカプセルのうち少
    なくとも1つが、請求項4に記載のマイクロカプセルで
    あることを特徴とする多色感熱記録材料。
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