JP2003064078A - イミダゾール化合物またはその塩の製造方法、およびその中間体 - Google Patents

イミダゾール化合物またはその塩の製造方法、およびその中間体

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JP2003064078A
JP2003064078A JP2001255046A JP2001255046A JP2003064078A JP 2003064078 A JP2003064078 A JP 2003064078A JP 2001255046 A JP2001255046 A JP 2001255046A JP 2001255046 A JP2001255046 A JP 2001255046A JP 2003064078 A JP2003064078 A JP 2003064078A
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Tetsuya Shintaku
哲也 新宅
Nobushige Itaya
信重 板谷
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Sumika Fine Chemicals Co Ltd
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Sumika Fine Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬や農薬として有用な化合物の合成中間体
である、式(1)のイミダゾール化合物またはその塩を
簡便に製造できる、工業的規模にも適した方法の提供。 【解決手段】 ジメチルスルホキシド中、式(6)のハ
ロゲン化合物またはその塩を式(2)のグリオキサール
化合物またはその塩に変換する工程、及び前工程で得ら
れた式(2)のグリオキサール化合物またはその塩を、
アンモニアと式(3)のアルデヒド化合物またはその塩
と反応させる工程を含む製造方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬や農薬として
有用な化合物の合成中間体であるイミダゾール化合物ま
たはその塩の製造方法および当該イミダゾール化合物の
製造に有用な新規中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】イミダゾール化合物は、医薬や農薬とし
て有用な化合物の合成中間体である。例えば、抗生物質
として有用なテリスロマイシンの合成中間体として、3
−(4−イミダゾリル)ピリジンが有用である。このよ
うな合成中間体として有用な3−(4−イミダゾリル)
ピリジンを含むイミダゾール化合物の合成方法は、これ
まで種々開発されている。例えば、WO00/0287
5においては、3−アセチルピリジンを出発原料とし
て、オキシム化、トシル化、アジリン形成、酸性アルコ
ール中での開環およびホルムアミド中でのイミダゾール
への閉環反応を経ることにより、3−(4−イミダゾリ
ル)ピリジンを製造している。しかしながら、該製造方
法は複雑であり、工業的な製造方法としては不適切であ
る。このため、3−(4−イミダゾリル)ピリジンまた
はその塩を簡便に製造することができる、工業的規模に
も適した方法の開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、1)3−(4−イミダゾリル)ピリジンまたはその
塩を簡便に製造することができる、工業的規模にも適し
た方法、および2)イミダゾール化合物の新規中間体ま
たはその塩を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究を行った結果、下記工程2およ
び工程3を経由することにより、下記式(1)のイミダ
ゾール化合物を簡便に製造できることを見出し、さらに
この方法が工業的規模にも適していることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0005】また、本発明者らは、下記式(5)で表さ
れるカルボニル化合物(以下、カルボニル化合物(5)
ともいう)をハロゲン化して、下記式(6)で表される
ハロゲン化合物(以下、ハロゲン化合物(6)ともい
う)を得、該ハロゲン化合物(6)の−CHnXm基を
アルデヒド基に変換することによって、下記式(2)で
表されるグリオキサール化合物(以下、グリオキサール
化合物(2)ともいう)を製造するという方法を見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明とは、 (1) 工程2:ジメチルスルホキシド中、式(6)
【0007】
【化6】
【0008】(式中、R1は、置換基を有していてもよ
いアルキル基、置換基を有していてもよい不飽和アルキ
ル基、置換基を有していてもよい環状アルキル基、置換
基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有してい
てもよいアリールアルケニル基、置換基を有していても
よいアリール環状炭化水素基、置換基を有していてもよ
いアリール基または置換基を有していてもよい複素環残
基を表し、Xは塩素原子または臭素原子を表し、mおよ
びnは1または2の整数であり、m+nは3である)で
表されるハロゲン化合物またはその塩を、式(2)
【0009】
【化7】
【0010】(式中、R1は前記と同義である)で表さ
れるグリオキサール化合物またはその塩に変換する工
程、及び 工程3:工程2で得られたグリオキサール化合物(2)
またはその塩を、アンモニアと式(3)
【0011】
【化8】
【0012】(式中、R2は、水素原子、置換基を有し
ていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい不
飽和アルキル基、置換基を有していてもよい環状アルキ
ル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基
を有していてもよいアリールアルケニル基、置換基を有
していてもよいアリール環状炭化水素基、置換基を有し
ていてもよいアリール基または置換基を有していてもよ
い複素環残基を表す)で表されるアルデヒド化合物(以
下、アルデヒド化合物(3)ともいう)またはその塩と
反応させる工程を含む、式(1)
【0013】
【化9】
【0014】(式中、各記号は前記と同義である)で表
されるイミダゾール化合物(以下、イミダゾール化合物
(1)ともいう)またはその塩の製造方法。 (2) さらに、工程1:式(5)
【0015】
【化10】
【0016】(式中、R1は、置換基を有していてもよ
いアルキル基、置換基を有していてもよい不飽和アルキ
ル基、置換基を有していてもよい環状アルキル基、置換
基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有してい
てもよいアリールアルケニル基、置換基を有していても
よいアリール環状炭化水素基、置換基を有していてもよ
いアリール基または置換基を有していてもよい複素環残
基を表し、R3は、水素原子またはアルコキシカルボニ
ル基を表す)で表されるカルボニル化合物またはその塩
を塩素化または臭素化して、ハロゲン化合物(6)また
はその塩を得る工程を含む、上記(1)の製造方法。 (3) 工程2において、ハロゲン化合物(6)またはそ
の塩がグリオキサール化合物(2)またはその塩に変換
を開始したことを確認後、塩基を添加することを特徴と
する、上記(1)または(2)の製造方法。 (4) R1が3−ピリジル基であり、かつR2が水素原子
である、上記(1)〜(3)のいずれかの製造方法。 (5) (3−ピリジル)グリオキサール、その溶媒和物
またはその塩。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、各記号の定義について説明
する。本発明におけるアルキル基としては、直鎖状また
は分岐鎖状である、好ましくは炭素数1〜24のアルキ
ル基が挙げられ、例えば、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、
tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オ
クチル、ノニル、デシル、ドデシル、ウンデシルなどが
挙げられる。
【0018】本発明における不飽和アルキル基として
は、直鎖状または分岐鎖状である、好ましくは炭素数2
〜24の不飽和アルキル基が挙げられ、例えば、ビニ
ル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニ
ル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、
オクテニル、ノネニル、デセニル、ドデセニル、ウンデ
セニルなどのアルケニル;エチニル、プロピニル、イソ
プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプ
チニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ドデシニ
ル、ウンデシニルなどのアルキニルが挙げられる。
【0019】本発明における環状アルキル基としては、
飽和または不飽和の環状アルキルが挙げられ、好ましく
は炭素数が3〜6である環状アルキルが挙げられ、例え
ば、シクロプロピル、シクロヘキシルなどが挙げられ
る。
【0020】本発明におけるアリール基としては、例え
ば、フェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられ
る。
【0021】本発明におけるアラルキル基としては、好
ましくは炭素数7〜24のアラルキル基が挙げられ、ア
ルキル部は直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えば、ベン
ジル、フェネチル、ナフチルメチルなどが挙げられる。
【0022】本発明におけるアリールアルケニル基とし
ては、アリール部は上記アリールと同義であり、アルケ
ニル部は直鎖状または分岐鎖状である、好ましくは炭素
数8〜24であるアリールアルケニル基が挙げられ、例
えば、フェニルエテニル、フェニルプロペニル、フェニ
ルブテニル、ナフチルエテニル、ナフチルプロペニルな
どが挙げられる。
【0023】本発明におけるアリール環状炭化水素基と
しては、アリール部は上記アリールと同義であり、環状
炭化水素部は飽和または不飽和である、好ましくは炭素
数9〜24である、アリール環状炭化水素基が挙げら
れ、例えば、フェニルシクロプロピル、フェニルシクロ
ペンチル、フェニルシクロヘキシル、ナフチルシクロプ
ロピル、ナフチルシクロペンチル、ナフチルシクロヘキ
シルなどが挙げられる。
【0024】本発明における複素環残基としては、ヘテ
ロ原子(例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子など)
を1またはそれ以上有する、飽和または不飽和の複素環
残基が挙げられ、例えば、テトラヒドロフリル基、フリ
ル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、キノ
リル基などが挙げられる。
【0025】本発明におけるアルコキシカルボニル基と
しては、直鎖状または分岐鎖状である、好ましくは炭素
数2〜8であるアルコキシカルボニル基が挙げられ、例
えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロ
ポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシ
カルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−
ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキ
シルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニルなど
が挙げられ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル
が好ましい。
【0026】R1およびR2における、アルキル基、不飽
和アルキル基、環状アルキル基、アラルキル基、アリー
ル基、アリールアルケニル基、アリール環状炭化水素基
および複素環残基は、1または2以上の置換基で置換さ
れていてもよい。置換基としては、例えば、炭素数1〜
12の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基(例えば、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、
ドデシルなど)、不飽和アルキル基、ハロゲン原子、炭
素数1〜12の直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基
(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、
tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキ
シ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、
デシルオキシ、ドデシルオキシなど)、カルボキシル
基、複素環残基などが挙げられる。
【0027】本発明におけるイミダゾール化合物(1)
としては、例えば3−(4−イミダゾリル)ピリジンな
どが挙げられる。グリオキサール化合物(2)として
は、例えば、新規化合物である(3−ピリジル)グリオ
キサールが挙げられ、これは医薬品の有用な合成中間体
である。これは、DMSO中、3−(ジブロモアセチ
ル)ピリジンまたはその臭化水素酸塩のジブロモメチル
基をアルデヒド基に変換することにより得ることができ
る。アルデヒド化合物(3)としては、例えば、ホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、ベンズアルデヒドなどが挙げられ、ホルムアルデヒ
ドが好ましい。
【0028】カルボニル化合物(5)としては、3−
(3−ピリジル)−3−オキソプロピオン酸エチルエス
テル、3−アセチルピリジンが好ましい。ハロゲン化合
物(6)としては、例えば、新規化合物である3−(ジ
ブロモアセチル)ピリジンまたはその臭化水素酸塩が挙
げられ、これらは医薬品の有用な合成中間体である。
【0029】本発明の各化合物は、異性体はもちろんの
こと、不斉炭素原子を有する場合には光学活性体および
その混合物を包含し、さらに溶媒和物を形成できる場合
にはその溶媒和物(例えば、水和物)をも包含する。本
発明の各化合物の塩としては、酸性の基を有する場合に
は塩基との塩(例えば、トリエチルアミンなどとの
塩)、塩基性の基を有する場合には酸との塩(例えば、
臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、シュウ酸塩、メシル酸
塩、トシル酸塩など)が挙げられる。
【0030】以下、工程1〜3を順に説明する。説明中
の各化合物は特に限定がない限り、異性体であっても、
光学活性体であっても、塩であってもよく、各化合物は
フリー体のみを表しているのではなく、存在可能なすべ
ての形態を包含する。また、各工程で得られた化合物
は、単離精製することなく、次工程に用いることができ
る。
【0031】工程1 工程1は、カルボニル化合物(5)を塩素化または臭素
化することによりハロゲン化合物(6)を得る工程であ
り、具体的には、例えば、カルボニル化合物(5)およ
び反応溶媒を撹拌後、これに塩素化剤または臭素化剤を
添加、好ましくは滴下し、さらに撹拌する。塩素化剤ま
たは臭素化剤の添加は、室温〜100℃で行えばよい。
【0032】R3が炭素数2〜8のアルコキシカルボニ
ル基であるカルボニル化合物(5)を用いる場合、塩素
化剤または臭素化剤はカルボニル化合物(5)の反応溶
媒の溶液に添加するのが好ましく、例えば、反応溶媒
中、カルボニル化合物(5)を添加して撹拌後、これに
塩素化剤または臭素化剤を添加、好ましくは滴下し、撹
拌する。
【0033】工程1における反応溶媒としては、例え
ば、水、HBr水溶液などが挙げられ、好ましくはHB
r水溶液である。該反応溶媒の使用量は、反応混合物を
撹拌できる程度であれば特に限定はない。
【0034】工程1で用いる塩素化剤または臭素化剤と
しては、例えば、臭素、N−ブロモスクシンイミド(N
BS)、ジブロマチン(1,3−ジブロモ−5,5−ジ
メチルヒダントイン)などの臭素化剤;塩素、スルフリ
ルクロライドなどの塩素化剤(但し、無水条件下であ
る)が挙げられ、好ましくは臭素である。塩素化剤また
は臭素化剤の使用量は、所望のハロゲン化合物がモノハ
ロゲノ体か、ジハロゲノ体かによって異なる。モノハロ
ゲノ体の場合には、カルボニル化合物(5)1モルに対
して、通常1モル〜1.5モルであり、好ましくは1モ
ル〜1.2モルであり、ジハロゲノ体の場合には、カル
ボニル化合物(5)1モルに対して、通常2モル〜4モ
ル、好ましくは2モル〜2.5モルである。
【0035】工程1は、カルボニル化合物(5)の種類
などに依存するが、常温〜80℃で行い、モノハロゲノ
体を所望の場合には40〜60℃が好ましく、ジハロゲ
ノ体が所望の場合には50〜70℃が好ましい。
【0036】ハロゲン化合物(6)は、常法により、単
離精製することができる。例えば、ハロゲン化合物
(6)は、反応液を冷却して濾過することにより単離す
ることができ、単離物を洗浄することにより精製するこ
とができる。
【0037】工程2 工程2は、ジメチルスルホキシド(DMSO)中、ハロ
ゲン化合物(6)をグリオキサール化合物(2)に変換
する工程であり、具体的には、例えば、ハロゲン化合物
(6)およびDMSOを撹拌する。
【0038】本発明者らは、工程2において、DMSO
中でハロゲン化合物(6)がグリオキサール化合物
(2)に変換を開始したことを確認後、塩基を添加する
と驚くべきことにグリオキサール化合物(2)の収率が
向上することを見出した。グリオキサール化合物(2)
の収率は、塩基を当該反応の開始前に添加しても向上し
ない。反応の開始は高速液体クロマトグラフィ(HPL
C)などで確認することができる。
【0039】工程2におけるDMSOは、反応混合物を
撹拌できる程度の量使用すればよく、例えば、ハロゲン
化合物(6)1gに対して、通常1.5ml〜3ml、
好ましくは1.7ml〜2.2ml使用する。
【0040】工程2で用いる塩基としては、例えばアル
カリ金属化合物(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸リチウムなどの炭酸塩;水酸化ナトリウムなど
の水酸化物など)が挙げられ、好ましくは炭酸ナトリウ
ムである。当該塩基の使用量は、ハロゲン化合物(6)
1モルに対して、通常0.45モル〜0.55モルであ
り、好ましくは0.47モル〜0.52モルである。
【0041】工程2は、ハロゲン化合物(6)の種類な
どに依存するが、通常30℃〜40℃で、4〜5時間撹
拌する。塩基を添加した場合には、添加後、20〜30
℃の範囲でさらに撹拌するのが好ましい。工程2の終了
は、HPLCなどにより確認することができる。
【0042】グリオキサール化合物(2)は、常法で単
離・精製することができる。例えば、グリオキサール化
合物(2)は、分取用TLC等に付すことにより単離す
ることができ、単離物をHPLCの分取用カラムに付す
ことにより精製してもよい。グリオキサール化合物
(2)は、通常水和物として得られるが、常法により無
水和物とすることができる。
【0043】工程2の原料であるハロゲン化合物(6)
は、公知方法により製造することができ、このうち上記
工程1の方法は工業規模でも行えるため好ましい。
【0044】工程3 工程3は、工程2で得られたグリオキサール化合物
(2)を、アンモニアとアルデヒド化合物(3)と反応
させることにより、イミダゾール化合物(1)を得る工
程である。具体的に、例えば、アンモニア、アルデヒド
化合物(3)および反応溶媒を撹拌後、これにグリオキ
サール化合物(2)の反応溶媒の溶液を添加、好ましく
は滴下する。原料として用いるグリオキサール化合物
(2)は、無溶媒和物でも溶媒和物(特に水和物)でも
使用することができる。
【0045】工程3は、グリオキサール化合物(2)
を、アンモニアとアルデヒド化合物(3)と反応させる
ことにより、式(4)
【0046】
【化11】
【0047】(式中、各記号は前記と同義である)で表
される化合物(以下、化合物(4)という)の生成と当
該化合物(4)とイミダゾール化合物(1)の平衡反応
が同時に生じていると考えられる。イミダゾール化合物
(1)は化合物(4)よりも熱力学的に安定であるた
め、結果としてイミダゾール化合物(1)が得られると
考えられる。
【0048】工程3で用いる反応溶媒としては、例え
ば、メタノール、水およびこれらの混合溶媒などが挙げ
られ、好ましくは水、メタノール水溶液であり、より好
ましくは水である。該反応溶媒の使用量は、反応混合物
を撹拌できる程度であれば特に限定はない。
【0049】アンモニアとしては、アンモニア水を用い
るのが取り扱い易くて好ましく、アンモニア水に含まれ
る水は反応溶媒として使用することができる。アンモニ
アの使用量は、工程2から生成物を単離することなくそ
のまま工程3を行った場合には、工程2で用いたハロゲ
ン化合物(6)1モルに対して、通常3モル〜50モ
ル、好ましくは10モル〜40モルである。
【0050】アルデヒド化合物(3)の使用量は、工程
2から生成物を単離することなくそのまま工程3を行っ
た場合には、工程2で用いたハロゲン化合物(6)1モ
ルに対して、通常1.2モル〜20モルであり、好まし
くは1.5モル〜15モルである。
【0051】工程3は、工程2で用いたハロゲン化合物
(6)やアルデヒド化合物(3)の種類などに依存する
が、通常0℃〜40℃、好ましくは10℃〜30℃で行
い、必要があれば100℃まで加熱する。反応の終了
は、HPLCなどにより確認することができる。
【0052】イミダゾール化合物(1)は、常法によっ
て単離・精製することができる。例えば、イミダゾール
化合物(1)は、反応液を濃縮後、濃縮物を溶媒に再溶
解させ、酸の塩の形態に変換することにより単離するこ
とができる。単離物を洗浄することによって精製するこ
とができる。塩のフリー体への変換は、常法に従って行
えばよい。
【0053】R1が3−ピリジル基であり、かつR2が水
素原子である場合、本発明の方法により、イミダゾール
化合物(1)として3−(4−イミダゾリル)ピリジン
を得ることができる。得られた3−(4−イミダゾリ
ル)ピリジン(イミダゾール化合物(1))は、例えば
WO00/02875に従って、医薬として有用なテリ
スロマイシンに誘導することができる。
【0054】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 3−(ジブロモアセチル)ピリジン臭化水素酸塩の合成 氷冷下、47%HBr水溶液(3.86g)中に、3−
(3−ピリジル)−3−オキソプロピオン酸エチルエス
テル(1.95g、10.2mmol)を滴下した。臭
素(2.2g、3−(3−ピリジル)−3−オキソプロ
ピオン酸エチルエステルに対して1.2当量)を10℃
以下で滴下した。30分撹拌後、氷水バスを取り除き、
水(2ml)および47%HBr水溶液(4ml)を加
え、室温で30分間撹拌した。さらに、臭素(2.2
g、3−(3−ピリジル)−3−オキソプロピオン酸エ
チルエステルに対して1.2当量)を滴下後、65〜7
0℃で撹拌した。室温まで冷却した後、濾過することに
より、表題化合物を3.73g(収率95.2%)得
た。
【0055】実施例2 3−(ジブロモアセチル)ピリジン臭化水素酸塩の合成 反応容器に、3−アセチルピリジン(50g、0.41
mol)、47%HBr水溶液(106.6g、3−ア
セチルピリジンに対して1.5当量)および水(80m
l)を仕込み、55〜60℃で撹拌した。臭素(13
5.2g、3−アセチルピリジンに対して2.05当
量)を滴下し、さらに1時間撹拌した。氷冷下で5℃ま
で冷却し、濾過することにより、表題化合物を結晶とし
て146.7g(収率99.0%)得た。
【0056】1H−NMR(400MHz,DMSO−
6)δ9.43(s,1H),9.04(dd,J=
4.9,1.0Hz,1H),8.86−8.84
(m,1H),8.02−7.99(m,1H),7.
94(d,J=1.0Hz,1H). FT−IR(KBr)νmax1712cm-1. 元素分析:C76NOBr3 計算値 C,23.36;H,1.68;Br,66.
62;N,3.89. 理論値 C,23.3;H,1.7;Br,66.6
1;N,4.0.
【0057】実施例3 3−(4−イミダゾリル)ピリジンの合成 3−(ジブロモアセチル)ピリジン臭化水素酸塩(3.
00g、8.34mmol)及びDMSO(6ml)を
加え、33〜36℃の範囲で4時間撹拌した。HPLC
で確認した結果、(3−ピリジル)グリオキサールの液
体クロマトグラフィ(LC)面百値は33.8%であっ
た。20℃に冷却した後、Na2CO3(0.44g、
4.2mmol)を添加して、室温で2日間撹拌した
(反応液A)。LC分析の結果、(3−ピリジル)グリ
オキサールのLC面百値は71.2%であった。
【0058】これとは別に、氷冷下、28%アンモニア
水(15.21g、0.25mol)にホルムアルデヒ
ド(6.77g、0.083mol)を10℃以下で滴
下し、反応液Bを調製した。反応液AをH2O(4m
l)で希釈して、反応液Bに−3〜2℃の範囲で滴下
後、20〜30℃で終夜撹拌することにより、3−(4
−イミダゾリル)ピリジンを得た。LC分析から、その
収率は59.3%であった。
【0059】1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ8.99(d,J=2.0Hz,1H),8.43
(dd,J=4.9,1.5Hz,1H),8.05
(dt,J=8.3,2.0Hz,1H),7.77
(d,J=1.0Hz,1H),7.43(d,J=
1.0Hz,1H),7.29(dd,J=7.8,
4.9Hz,1H). 融点 117.0〜118.3℃
【0060】実施例4 3−(ジブロモアセチル)ピリジン臭化水素酸塩(1.
5g、4.17mmol)及びDMSO−d6(4m
l)を加え、35〜40℃の範囲で4時間撹拌した。こ
の一部を取り出し、13C−NMRを測定した結果、(3
−ピリジル)グリオキサール(水和物)が生成している
のが確認できた。13 C−NMR(100MHz、DMSO−d6):δ=
192.8(CO),90.3(CHO)ppm
【0061】
【発明の効果】本発明により、医薬や農薬として有用な
化合物の合成中間体であるイミダゾール化合物を簡便に
製造することができ、この方法は工業的規模にも適して
いる。さらに、本発明により、該イミダゾール化合物の
製造に有用な新規中間体を提供することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工程2:ジメチルスルホキシド中、式
    (6) 【化1】 (式中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル
    基、置換基を有していてもよい不飽和アルキル基、置換
    基を有していてもよい環状アルキル基、置換基を有して
    いてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいア
    リールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリー
    ル環状炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール
    基または置換基を有していてもよい複素環残基を表し、
    Xは塩素原子または臭素原子を表し、mおよびnは1ま
    たは2の整数であり、m+nは3である)で表されるハ
    ロゲン化合物またはその塩を、式(2) 【化2】 (式中、R1は前記と同義である)で表されるグリオキ
    サール化合物またはその塩に変換する工程、及び 工程3:工程2で得られた式(2)のグリオキサール化
    合物またはその塩を、アンモニアと式(3) 【化3】 (式中、R2は、水素原子、置換基を有していてもよい
    アルキル基、置換基を有していてもよい不飽和アルキル
    基、置換基を有していてもよい環状アルキル基、置換基
    を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していて
    もよいアリールアルケニル基、置換基を有していてもよ
    いアリール環状炭化水素基、置換基を有していてもよい
    アリール基または置換基を有していてもよい複素環残基
    を表す)で表されるアルデヒド化合物またはその塩と反
    応させる工程を含む、式(1) 【化4】 (式中、各記号は前記と同義である)で表されるイミダ
    ゾール化合物またはその塩の製造方法。
  2. 【請求項2】 さらに、工程1:式(5) 【化5】 (式中、R1は、置換基を有していてもよいアルキル
    基、置換基を有していてもよい不飽和アルキル基、置換
    基を有していてもよい環状アルキル基、置換基を有して
    いてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいア
    リールアルケニル基、置換基を有していてもよいアリー
    ル環状炭化水素基、置換基を有していてもよいアリール
    基または置換基を有していてもよい複素環残基を表し、
    3は、水素原子またはアルコキシカルボニル基を表
    す)で表されるカルボニル化合物またはその塩を塩素化
    または臭素化して、式(6)のハロゲン化合物またはそ
    の塩を得る工程を含む、請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 工程2において、式(6)のハロゲン化
    合物またはその塩が式(2)のグリオキサール化合物ま
    たはその塩に変換を開始したことを確認後、塩基を添加
    することを特徴とする、請求項1または2記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 R1が3−ピリジル基であり、かつR2
    水素原子である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 (3−ピリジル)グリオキサール、その
    溶媒和物またはその塩。
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