JP2003063002A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2003063002A
JP2003063002A JP2001258104A JP2001258104A JP2003063002A JP 2003063002 A JP2003063002 A JP 2003063002A JP 2001258104 A JP2001258104 A JP 2001258104A JP 2001258104 A JP2001258104 A JP 2001258104A JP 2003063002 A JP2003063002 A JP 2003063002A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク流路内に発生した気泡を貯留して良好
な記録品質を維持することができると共に、その貯留し
た気泡を効率よく排出することができるインクジェット
記録装置を提供すること。 【解決手段】 チューブを介してインクタンクから供給
されるインクとそのインク中に含まれる気泡は第1室1
1a内に貯留される。そして、記録動作時にはフィルタ
14によって第1室11aから第3室11cへのインク
の流れが許容され、第1室11aに貯留されているイン
クは第3室11cを通過して記録ヘッド15に供給され
る。回復処理においては、フィルタ14によって第1室
11aから第3室11cへのインクの速い流れは規制さ
れる。従って、インクの流れは、第1室11aから連通
部11dを通過して第2室11b、更に、第2室11b
の下端を記録ヘッド15に連通させる第3室11cに順
次生起される。そして、第1室11aに貯留されている
気泡は、このインクの流れに沿って記録ヘッド15から
排出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に関し、特に、インク流路内に発生した気泡を貯
留して良好な記録品質を維持することができる共に、そ
の貯留した気泡を効率よく排出することができるインク
ジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクタンクからチューブを
介して記録ヘッドにインクを供給するチューブ供給形式
のインクジェット記録装置が知られている。このチュー
ブ供給形式のインクジェット記録装置は、被記録媒体に
インクを吐出して記録を行うための記録ヘッドと、その
記録ヘッドを搭載するキャリッジと、そのキャリッジ外
に設けられ、記録ヘッドに供給するインクを貯えるイン
クタンクと、そのインクタンクから記録ヘッドにインク
を供給するチューブとを備えている。
【0003】このチューブ供給形式のインクジェット記
録装置によれば、インクタンクをキャリッジに搭載する
必要がないので、記録ヘッドを小型、軽量にでき、記録
ヘッドを高速で動作させて高速に記録を行うことができ
る。また、記録ヘッドと別体で配設されるインクタンク
を大容量化することができ、インクタンクの交換時期
(インクの供給期間)を長くすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このチ
ューブ供給形式のインクジェット記録装置は、記録ヘッ
ドにチューブを介してインクを供給するため、チューブ
の壁面からエアが侵入し、チューブ内のインク中に気泡
が発生することがある。この気泡はインクと共に記録ヘ
ッドに搬送されインクの吐出状態を不安定にしたり、イ
ンク流路やインク吐出口を閉塞して吐出不能にしたり記
録品質を低下させてしまうという問題点があった。
【0005】また、出願人は特願2000−34798
1号(未公知)において、チューブ内で発生する気泡を
貯留するエアトラップを備えたチューブ供給形式のイン
クジェット記録装置を提案している。このエアトラップ
は、略箱状に構成され、インクタンクと記録ヘッドとの
間のインク流路の途中に設けられている。このエアトラ
ップによれば、チューブ内で発生した気泡はエアトラッ
プ内に貯留されてゆき、所定量まで貯留された場合に、
回復処理によってエアトラップ内から排出される。しか
し、かかる回復処理によってエアトラップ内に貯留した
気泡は排出されるが、所定量の気泡が貯留される前であ
っても、紙粉や記録ヘッド側から侵入するエア等によっ
てインク吐出口が閉塞され、インクの吐出不良を引き起
こし、記録品質を低下させてしまうという問題点があっ
た。
【0006】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、インク流路内に発生した気泡を
貯留して良好な記録品質を維持することができると共
に、その貯留した気泡を効率よく排出することができる
インクジェット記録装置を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1記載のインクジェット記録装置は、インク吐
出口からインクを吐出して被記録媒体に記録を行う記録
ヘッドと、その記録ヘッドに供給されるインクを貯える
インク供給源と、そのインク供給源から前記記録ヘッド
にインクを供給するインク流路とを備えている。
【0008】また、前記インク流路の途中に設けられ、
インク流路内で発生する気泡を貯留するため前記インク
供給源と連通した第1室、その第1室と連通した第2
室、その第1室の下方に位置し第1室および第2室の下
端を前記記録ヘッドに連通させる第3室を有する気泡貯
留部と、その気泡貯留部から前記記録ヘッドへ向け、記
録動作時のインクの流れよりも速いインクの流れを生起
する回復手段と、前記気泡貯留部内に立設され、前記第
1室と第2室とをその上部で連通する連通口を残して両
室を隔てる隔壁と、前記気泡貯留部内に設けられ、記録
動作時における前記第1室から第3室へのインクの流れ
を許容し、前記回復手段によるインクの速い流れに対し
ては抵抗となる流路抵抗手段とを備えている。
【0009】そして、前記記録動作時には、前記気泡貯
留部に流入したインクから気泡を分離して前記第1室の
上方に貯留し、前記回復手段は、前記第1室から第2
室、第3室を順次通るインクの速い流れを生起して、前
記第1室に貯留した気泡を排出する。
【0010】この請求項1記載のインクジェット記録装
置によれば、インク供給源に貯えられたインクは、イン
ク流路の途中に設けられた気泡貯留部を経て記録ヘッド
に供給される。この気泡貯留部においては、インク供給
源と連通した第1室にインク供給源から供給されるイン
クとインク流路内で発生した気泡とが貯留される。この
第1室の下方には、第1室の下端を記録ヘッドに連通さ
せる第3室が位置されている。そして、記録動作時には
流路抵抗手段によって第1室から第3室へのインクの流
れが許容され、第1室に貯留されているインクが第3室
を通過して記録ヘッドに供給される。
【0011】一方、第1室に貯留されている気泡は、記
録動作時のインクの流れよりも速いインクの流れを生起
する回復手段によって排出される。回復手段動作時にお
いては、流路抵抗手段によって第1室から第3室へのイ
ンクの流れは規制される。従って、インクの流れは、第
1室から隔壁によって残された連通口を通過して第2
室、更に、第2室の下端を記録ヘッドに連通させる第3
室に順次生起される。そして、第1室に貯留されている
気泡は、このインクの流れに沿って記録ヘッドから排出
される。
【0012】請求項2記載のインクジェット記録装置
は、請求項1記載のインクジェット記録装置において、
前記流路抵抗手段はフィルタで構成されている。
【0013】請求項3記載のインクジェット記録装置
は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置に
おいて、前記第1室に貯留した気泡を残留させるだけの
インク量を排出する第2の回復手段をさらに備えてい
る。
【0014】請求項4記載のインクジェット記録装置
は、請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット
記録装置において、前記第2室の内部には、該第2室内
部に貯留されるインクを前記連通口まで上昇させるため
の毛細管現象発生手段が設けられている。
【0015】請求項5記載のインクジェット記録装置
は、請求項4に記載のインクジェット記録装置におい
て、前記毛細管現象発生手段は、前記第2室の内面に上
下方向に沿って突出形成されたリブで構成されている。
【0016】請求項6記載のインクジェット記録装置
は、請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット
記録装置において、前記気泡貯留部は、前記第1室の側
方に第2室を備え、前記第2室の上端を前記連通口を介
して第1室に連通し、第2室の下端を第2の連通口を介
して第3室に連通している。
【0017】請求項7記載のインクジェット記録装置
は、請求項6に記載のインクジェット記録装置におい
て、前記第2室と第3室の間の第2の連通口の面積は、
第2室のインク流動方向と直交する断面積よりも小さく
構成されている。
【0018】請求項8記載のインクジェット記録装置
は、請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット
記録装置において、前記第2室は、前記回復手段による
インクの流れによっても排出できない気泡を残留させる
部分を有している。
【0019】請求項9記載のインクジェット記録装置
は、請求項2に記載のインクジェット記録装置におい
て、前記フィルタは、前記隔壁と平行な辺の長さよりも
それと直角な辺の長さの方が大きく構成されている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例に
ついて、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明
の一実施例であるインクジェット記録装置1の内部構成
を示した平面図である。このインクジェット記録装置1
は、本体フレーム2と、その本体フレーム2に内包さ
れ、記録用紙PPにインクを吐出する記録ヘッドユニッ
ト3と、その記録ヘッドユニット3に供給するインクを
貯留するインクタンク4と、そのインクタンク4から記
録ヘッドユニット3にインクを供給するチューブ5と、
回復装置6と、記録用紙PPを搬送するための搬送装置
とを備えている。
【0021】本体フレーム2は、記録ヘッドユニット3
等を内包するためのものであり、略箱状体に形成され、
難燃性のプラスチックで構成されている。本体フレーム
2の長手方向には、棒状のガイドロッド7が横架されて
おり、記録ヘッドユニット3を記録用紙PPの搬送方向
Bと直交する方向A(図1の左右方向)に往復移動可能
に支持している。
【0022】記録ヘッドユニット3は、キャリッジ3a
と、そのキャリッジ3aに連設された筐体3bとによっ
て略箱状に形成されており、その内部には記録ヘッド1
5(図3参照)、エアトラップユニット11等(図3参
照)が収納されている。尚、記録ヘッドユニット3の内
部構成については、図2および図3において説明する。
【0023】キャリッジ3aは、ガイドロッド7上に往
復移動可能に挿嵌されている。キャリッジ3aには、ベ
ルトが装着されており、そのベルトはキャリッジモータ
101(図4参照)に取着されたローラに巻回されてい
る。キャリッジモータ101が回転するとローラに巻回
されたベルトが駆動され記録ヘッドユニット3を移動さ
せる。
【0024】記録ヘッドユニット3の下方には、図3に
示すように、記録用紙PPを搬送するための搬送装置と
しての搬送ローラ16a〜16dが配置されている。搬
送ローラ16a〜16dは、記録ヘッドユニット3の下
方においてその前後に位置して、搬送モータ103(図
4参照)の回転によって記録用紙PPをほぼ水平方向
(矢印B)に搬送する。
【0025】記録ヘッドユニット3内の記録ヘッド15
は、フルカラー記録のために複数個例えば4組並べて設
けられ、それぞれ記録用紙PPに対向する側にインク吐
出口を下向きに開口させている。記録ヘッド15の各組
は、後述するエアトラップの連通路19から供給される
インクを、公知のものと同様に、インク吐出口ごとのイ
ンク室に分配し圧電素子等のアクチュエータ15aによ
ってインク吐出口から吐出するものである。また、記録
ヘッド15の各組は、記録ヘッドユニット3の筺体3b
の下面に支持され、インク吐出口を除いて記録用紙PP
側の面をカバープレート15bで覆われている。
【0026】インクタンク4は、記録ヘッドユニット3
に供給するインクを貯留しておくためのものであり、記
録用紙PPの搬送経路の下方に配設されている。インク
タンク4は、各記録ヘッド15に対応したブラック、イ
エロー、シアン、マゼンタの各インクが密封されている
4つのインクタンク4a〜4dで構成されている。各イ
ンクタンク4a〜4dは、4本のチューブ5a〜5dを
介して各記録ヘッド15に連結されている。
【0027】回復装置6は、回復処理を実行するための
装置であり、本体フレーム2の左側部分に配設されてい
る。回復処理は、記録ヘッド15からのインクの吐出状
態を回復させるための処理である。回復装置6は、吸引
キャップ6aと、その吸引キャップ6aを通して記録ヘ
ッドユニット3からインク等を吸引する吸引ポンプ(図
示せず)と、記録ヘッドユニット3のインク吐出口形成
面を拭うワイパ6bとから構成されている。
【0028】吸引キャップ6aは略箱状に形成されてお
り、記録ヘッド15のインク吐出口形成面に当接され、
インク吐出口形成面を密閉する。吸引キャップ6aの底
部には、排出チューブ6cが連通されている。吸引ポン
プの作用によって吸引されるインクは、吸引キャップ6
aから排出チューブ6cを通過して排出される。吸引処
理が終了すると、吸引キャップ6aがインク吐出口形成
面から離れる。排出されたインクによって汚れたインク
吐出口形成面が板状のゴムで構成されたワイパ6bによ
って拭われ、回復処理が終了する。尚、回復処理の詳細
については、図6及び図7において説明する。また、回
復装置6は、インクタンク4側からインクに高い圧力を
かけて記録ヘッドに対しインクに速い流れを生起させる
ものであっても良い。
【0029】また、本体フレーム2の内部には、インク
ジェット記録装置1の動作内容に関する制御プログラム
に従って、インクジェット記録装置1を制御するCP
U、ROM、RAM等が搭載された本体側制御基板10
0(図4参照)が配設されている。上述した回復装置6
における回復処理も、この本体側制御基板100によっ
て制御されている。尚、本体側制御基板100等のイン
クジェット記録装置1の電気回路構成については図4に
おいて説明する。
【0030】エアトラップユニット11は、チューブ5
内で発生した気泡を貯留するためのものである。エアト
ラップユニット11は略直方体状に形成され、記録ヘッ
ドユニット3の筺体3bの内部中央に配設されている。
このエアトラップユニット11内は、各記録ヘッド15
に対応して独立した4つの気泡貯留部、即ちエアトラッ
プ30〜33に区分けされて構成されている。また、各
エアトラップ30〜33の後側面(図2の上方)には、
ジョイント部材12と連結するための4つの連結具34
が略直線状に突設されている。
【0031】連結具34の外周面は、ジョイント部材1
2に向かって縮径するテーパ状に構成され、内部にはイ
ンク流路すなわち各エアトラップに対するインク流入口
11fが形成されている。ジョイント部材12は、各チ
ューブ5a〜5dと各エアトラップ30〜33とを連結
するためのものである。ジョイント部材12は略直方体
に形成され、エアトラップユニット11の後方(図2の
上方)に配設されている。ジョイント部材12は、4つ
の独立したインク流路12a〜12dを有し、各インク
流路の両端には、各エアトラップ30〜33の連結具3
4に連結するための第1連結具35と、チューブ5a〜
5dに連結するための第2連結具36とがそれぞれ突設
されている。
【0032】第1連結具35は、各エアトラップ30〜
33の連結具34と対向する面に略直線状に突設されて
いる。第1連結具35の外周面は、ジョイント部材12
の本体から突設された枝管から拡張し、連結具34に向
かって縮径するテーパ状に構成されている。そして、各
第1連結具35と、対応する各連結具34とは、略中空
円筒状に構成された連結部材37の両端からそれぞれ挿
入されて連結される。第2連結具36は、ジョイント部
材12の左右側面から2本づつ突設されている。第2連
結具36の外周面は、ジョイント部材12の本体から突
設された枝管から拡張し、チューブ5a〜5dに向かっ
て縮径するテーパ状に構成され、内部にはインク流路が
形成されている。各第2連結具36は、各チューブ5a
〜5dの一端の内部に被包されて連結される。
【0033】エアトラップユニット11の各エアトラッ
プ30〜33の内部は、隔壁13とフィルタ14とによ
って第1室11aと第2室11bと第3室11cとの3
室に区分けされている。
【0034】隔壁13は、インククタンク4側の第1室
11aとその第1室11aの上方の連通部11dで連通
された第2室11bとに区分けするためのものである。
幅方向(図3の紙面奥側と手前側)の両側壁に横架さ
れ、重力方向Cの方向を上下として立設されている。
尚、隔壁13は、インクに対し濡れ性のよい材料で構成
されており、気泡が隔壁13に付着しにくく、第1室1
1aに貯留される気泡を第1室11aの上方へ導きやす
いようになっている。
【0035】フィルタ14は、第1室11aと第3室1
1cとを区分けして、記録動作時の遅いインクの流れに
対しては、第1室11aから第3室11cへの流れを許
容すると共に、回復処理動作時の速い流れに対しては第
1室11aから第3室11cへの流れを規制する抵抗を
有するものである。フィルタ14はステンレス製の金属
を網目状に編んだメッシュで構成されており、第1室1
1aの底面の全体を覆って、ほぼ水平に配置されてい
る。フィルタ14は、幅方向(隔壁13と平行な方向)
の長さよりもそれと直角な方向(前後方向)の長さの方
が大きい長方形に形成されている。尚、フィルタ14に
代えて、第1室の底壁に、開放する方向に付勢された弁
によって開閉可能な開口を設け、遅いインクの流れに対
しては弁を開放状態に維持し開口を通してインクの流通
を可能にし、速いインクの流れによって弁を押して開口
を閉じ、あるいは制限してインクの流れを規制するよう
に構成することもできる。
【0036】第1室11aは、インクタンク4側に位置
する室である。一の側壁を隔壁13で構成し、底面をフ
ィルタ14で構成しており、第1室11aの上方(隔壁
13の上方)の連通部11dにおいて第2室11bと連
通している。また、インクタンク4側の上方の側壁に
は、インク流入口11fが形成されており、インクタン
ク4からチューブ5を介して供給されるインクは、ジョ
イント部材12を経た後、インク流入口11fを通過し
て、第1室11aに供給される。この際、第1室11a
に供給されるインクに含まれる気泡は、浮力によって第
1室11aの上方に貯留される。
【0037】第2室11bは、一の側壁を隔壁13で構
成し、隔壁13を挟んで第1室11aの側方に位置する
室である。隔壁13の上方の連通部11dにおいて第1
室11aと連通されており、隔壁13の下方の第2連通
部11eにおいて第3室11cと連通されている。第2
連通部11eの断面積は、隔壁13下端の壁21により
制限さえ、第2室11bのインク流動方向と直交する断
面積よりも小さく形成されている。また、第2室11b
の側壁から上下方向に沿ってリブ18が突設されてい
る。このリブ18は、第2室11bの内部を毛細管作用
を生じる複数の細かい部分に区分けして、毛細管作用に
よって、第2室内のインクを連通部11dまで上昇させ
るためのものである。リブ18は必要に応じて1つのみ
でなく複数設けることができる。
【0038】第2室11bに貯留されているインクは、
記録動作時においては、リブ18の作用によって連通部
11dまで液面が上昇されている。一方、回復処理動作
時においては、フィルタ14の抵抗によって第1室11
aから第3室11bへのインクの流れが規制され、第1
室11aから連通部11dを通過して第2室、更には、
第2連通部を通過して第3室へのインクの流れが生起さ
れる。そして、第1室11aに貯留されているエアもイ
ンクの流れに沿って、第1室11a、第2室11b、第
3室11c、へと順次排出されてゆく。尚、第2室11
bの内壁はインクに対して濡れ性の良い材料で構成さ
れ、あるいは濡れ性を良くする表面処理がされている。
このため、回復処理動作時に第2室11bを通過して排
出される気泡が壁面に留まりにくく、迅速に気泡を排出
することができる。
【0039】第3室11cは、天井面をフィルタ14で
構成し、フィルタ14を挟んで第1室11aの下方に位
置する室である。第3室11cの一端側(図3の右側)
は記録ヘッド15と連通した連通路19と連通され、他
端側(図3の左側)は第2室11bと第2連通部11e
において連通されている。記録動作時において、フィル
タ14を介して第1室11aから第3室11cに供給さ
れるインクは、第3室を通過して記録ヘッド15へ供給
される。また、回復処理動作時において、第2連通部1
1eを通過して、第2室11bから流入されるエアは、
第3室11cを通過して記録ヘッド15から排出され
る。
【0040】連通路19には連通路フィルタ20が配設
されている。連通路フィルタ20は、記録ヘッド15に
供給されるインク内に混入しているゴミを捕捉するため
のものである。ステンレス製の金属を網目状に編んだメ
ッシュであって、連通路19の断面方向を全て覆うよう
な形状に構成されている。
【0041】エアトラップユニット11は、第1室11
aと第2室11bの上方部分と隔壁13とを構成する箱
状部材111と、第2室11bの下方部分および第3室
11cの外周部分と壁21を構成する枠状部材112
と、第2室11bおよび第3室11cの底壁部分と連通
路19とを構成する枠状部材113とを重ねて構成され
る。
【0042】記録ヘッド15のための駆動信号を供給す
るキャリッジ側制御基板17は、ドライバ基板17aと
インターフェース基板17cとから構成されている。ド
ライバ基板17aは、エアトラップユニット11の左側
の筺体3bに配設されている。インクジェット記録装置
1に搭載されている本体側制御基板100によって制御
され、本体側制御基板100から送信されるシリアル信
号をアクチュエータ15aに対応したパラレル信号に変
換してアクチュエータ15aを駆動するものである。
【0043】インターフェース基板17bは、エアトラ
ップユニット11の上方に配設されている。本体側制御
基板100からの信号線と接続するコネクタ及びノイズ
除去回路が搭載されている。また、アクチュエータ15
aに接続されたフレキシブルな印刷配線基板17cと連
結されており、印刷配線基板17c上に載っているドラ
イバ基板17aと接続されている。
【0044】次に、図4を参照して上述のように構成し
たインクジェット記録装置1の電気回路構成について説
明する。図4は、インクジェット記録装置1の電気回路
構成の概略を示すブロック図である。インクジェット記
録装置1を制御するための本体側制御基板100には、
1チップ構成のマイクロコンピュータ(CPU)91
と、そのCPU91により実行される各種の制御プログ
ラムや固定値データを記憶したROM92と、各種のデ
ータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM9
3と、EEPROM94と、イメージメモリ95、ゲー
トアレイ96、RTC98等が搭載されている。
【0045】演算装置であるCPU91は、ROM92
に予め記憶された制御プログラムに従い、回復処理動作
を実行したり、記録タイミング信号およびリセット信号
を生成し、各信号を後述のゲートアレイ96へ転送する
ものである。このCPU91には、ユーザが記録の指示
などを行うための操作パネル107、キャリッジ3aを
動作させるキャリッジモータ(CRモータ)101を駆
動するためのCRモータ駆動回路102、記録用紙PP
を搬送する搬送モータ(LFモータ)103を動作させ
るためのLFモータ駆動回路104、回復用吸引ポンプ
を動作させる回復モータ106を駆動するための回復モ
ータ駆動回路105等が接続されている。ここで、回復
用吸引ポンプを動作させる回復モータ106は、ステッ
ピングモータで構成されており、入力されるパルス信号
の入力数によってモータの回転数を制御することができ
る。
【0046】ROM92には、制御プログラムの一部と
して、リセットパージプログラム92aと、回復パージ
プログラム92bとを備えている。リセットパージプロ
グラム92aは、リセットパージ処理(図6参照)を実
行するためのプログラムである。リセットパージ処理
は、エアトラップユニット11内に貯留される気泡の大
部分をインク吐出口から排出する処理である。後述する
EEPROM94の日付データメモリ94aに記憶され
ている日付データに基づき作動するものである。
【0047】回復パージプログラム92bは、回復パー
ジ処理(図7参照)を実行するためのプログラムであ
る。回復パージ処理は、リセットパージ処理より弱い吸
引力で、エアトラップユニット11内に貯留される気泡
は排出せず、インク吐出口を塞ぐ気泡、紙粉、乾燥して
固形化したインク等を吸引する処理である。操作者によ
って、操作パネル107に設けられた回復キー107a
が押下された場合に作動するものである。
【0048】EEPROM94は、電源切断後もその内
容を保持する不揮発性のメモリであり、日付データメモ
リ94aを備えている。この日付データメモリ94a
は、上述したリセットパージを実行した日付を記憶する
ものであり、リセットパージ処理が実行される度にその
日付データが更新される。
【0049】RTC98は、年月日等の時の計測を行う
ICであり、このRTC33の計測値に基づいて、リセ
ットパージ実行日時が日付データメモリ94aに記憶さ
れる。また、RTC98は、インクジェット記録装置1
の電源OFFにした場合のバックアップ用の電圧を供給
するバッテリー回路98aが接続されている。このバッ
テリー回路98aにより、インクジェット記録装置1の
電源をOFFにした後でも時の計測を継続することがで
きる。
【0050】ゲートアレイ96は、CPU91から転送
される記録タイミング信号と、イメージメモリ95に記
憶されている画像データとに基づいて、その画像データ
を記録用紙PPに記録するための記録データ(駆動信
号)と、その記録データと同期する転送クロックと、ラ
ッチ信号と、基本記録波形信号を生成するためのパラメ
ータ信号と、一定周期で出力される噴射タイミング信号
とを出力し、それら各信号を、キャリッジ側制御基板1
7側へ転送する。また、ゲートアレイ96は、コンピュ
ータなどの外部機器からセントロ・インターフェース
(I/F)97を介して転送されてくる画像データを、
イメージメモリ95に記憶させる。そして、ゲートアレ
イ96は、ホストコンピュータなどからセントロ・イン
ターフェース(I/F)97を介して転送されてくるセ
ントロ・データに基づいてセントロ・データ受信割込信
号を生成し、その信号をCPU91へ転送する。なお、
ゲートアレイ96とキャリッジ側制御基板17との間で
通信される各信号は、両者を接続するハーネスケーブル
を介して転送される。また、上記したCPU91と、R
OM92、RAM93及びゲートアレイ96とは、バス
ライン99を介して接続されている。
【0051】次に、図5ないし図7のフローチャートを
参照して、図4において説明したリセットパージ処理と
回復パージ処理とについて説明する。まず、図5を参照
して、インクジェット記録装置1で実行される一連の処
理に沿って各回復処理を説明していく。図5はインクジ
ェット記録装置1で実行される一連の処理のフローチャ
ートである。図5に示すように、インクジェット記録装
置1に電源が投入されると、初期処理(S1)が開始さ
れる。この初期処理では記録ヘッドユニット3の位置を
特定する位置決め処理や、RAM93に記憶されている
データを消去するクリア処理等を行う。初期処理が終了
すると、RTC33からリセットパージ実行データとし
て日付データが読み込まれる(S2)。読み込まれた日
付データと、日付データメモリ94aに記憶されている
先回のリセットパージ日付データとが比較される。比較
された結果、先回のリセットパージ実行時から1ヶ月間
経過している場合には(S3:Yes)、リセットパー
ジ処理(S4)が開始される。尚、この際、新たにRT
C33から読み込まれた日付けデータが、予め日付けデ
ータメモリ94aに記憶されている日付けデータと書き
換えられる。
【0052】ここで、図6を参照してリセットパージ処
理について説明する。図6はリセットパージ処理のフロ
ーチャートである。リセットパージ処理は、ROM92
に記憶されているリセットパージプログラム92aに基
づき行われる処理である。まず、キャリッジモータ10
1を駆動して、記録ヘッドユニット3を回復装置6の設
置位置に移動させる。設置位置に移動した記録ヘッドユ
ニット3のインク吐出口形成面に吸引キャップ6aを当
接して(S8)、インク吐出口形成面を密閉する。次
に、リセットパージパルス信号を回復モータ106に出
力する。ここで、リセットパージパルス信号のパルス数
は、後述する回復パージパルス信号のパルス数より多く
のパルスを出力するものである。従って、ステッピング
モータで構成された回復モータ106の回転数は、回復
パージ処理時に比較して多く、略80kpaの吸引圧力
で、吸引ポンプを作動させる(S9)。
【0053】そして、この吸引ポンプの作用によってエ
アトラップユニット11に貯留されているエアをインク
吐出口から吸引する。この際、エアと共に排出されるイ
ンク等は吸引キャップ6aに連結された排出チューブ6
cから排出される。吸引処理が終了すると、吸引キャッ
プ6aをインク吐出口形成面から離し、ワイパ6bによ
ってインク吐出口形成面を拭い(S10)、リセットパ
ージ処理を終了する。こうして、エアトラップユニット
11に貯留されている気泡をインク吐出口から排出し
て、インク吐出口からのインクの吐出状態を回復させ
る。
【0054】再び図5に戻り、リセットパージ終了後ま
たは1ヶ月経過前(S3:No)であった場合について
説明を続ける。かかる場合には、回復キー107aが押
下されたか否かが判断される。回復キー107aが押下
された場合には(S5:Yes)、回復パージ処理が実
行される(S6)。
【0055】ここで、図7を参照して回復パージ処理に
ついて説明する。図7は回復パージ処理のフローチャー
トである。回復パージ処理は、ROM92に記憶されて
いる回復パージプログラム92bに基づき行われる処理
である。まず、リセットパージ処理と同様に、キャリッ
ジモータ101を駆動して、記録ヘッドユニット3を回
復装置6の設置位置に移動させる。設置位置に移動した
記録ヘッドユニット3のインク吐出口形成面に吸引キャ
ップ6aを当接し(S11)、インク吐出口形成面を密
閉する。次に、回復パージパルス信号を回復モータ10
6に出力する。回復パージパルス信号は上述したリセッ
トパージパルス信号のパルス数より少ないパルス数を出
力するものである。従って、回復モータ106の回転数
はリセットパージ処理時に比較して少なく、略50kP
aの吸引圧力で、吸引ポンプを作動させる(S12)。
【0056】そして、この吸引ポンプの作用によってイ
ンク吐出口に留まった気泡や紙粉や乾燥して固形化した
インク等を吸引する。この際、インク等は吸引キャップ
6aに連結された排出チューブ6cから排出される。吸
引処理が終了すると、吸引キャップ6aをインク吐出口
形成面から離し、ワイパ6bによってインク吐出口形成
面を拭い(S13)、回復パージ処理を終了する。こう
して、回復パージ処理は、リセットパージ処理より低圧
力で吸引するので、エアトラップユニット11内のエア
は排出せず、インク吐出口に留まった気泡や紙粉や乾燥
して固形化したインク等を排出して、インク吐出口から
のインクの吐出状態を回復させる。
【0057】再び図5に戻り、回復パージ終了後または
回復キー107aが押下されない(S5:No)場合に
ついて説明する。かかる場合には、各回復処理は実行さ
れず、通常の記録処理等の各処理が実行される(S
7)。
【0058】次に、図8及び図9を参照して、エアトラ
ップユニット11内のインクの流動パターン及びエアが
貯留されていく状態について説明する。図8及び図9
は、エアトラップ30〜33の機能を模式的に表した断
面図である。尚、図中の符号は、図8(a)及び図9
(d)のみとし、図8(b)、(c)及び図9(e)、
(f)の符号は省略する。
【0059】図8(a)は、リセットパージ処理終了
後、所定期間が経過してエアトラップユニット11内
に、適当量のエアが貯留されている状態を示した図であ
る。記録動作よって第1室11aに貯留されているイン
クは、フィルタ14を通過して第3室11cに流入し、
第3室11cから記録ヘッド15へ供給される。インク
の消費に伴い、インクタンク4内のインクはチューブ5
を介して第1室11a内に供給される。その際、インク
と共に、インク内に含まれる気泡が第1室11a内に供
給される。気泡は浮力によって第1室11aの上方に貯
留されてエア塊Kをつくる。
【0060】一方、第2室11b内のインクはリブ18
の毛細管作用によって、第1室11aとの連通部11d
まで上昇している。従って、第1室11aのエア塊Kが
大きくなって、第1室11a内に貯留されているインク
の液面が降下しても、第2室11b内のインクは連通部
11dまで上昇している。ここで、連通部11dは幅略
3.5mm、高さ略1.5mmの略角穴状に構成されて
いるため、連通部11dまで上昇したのインク液面は凹
面状のメニスカス(曲面)を形成する。従って、連通部
11dまで上昇した第2室11bのインクが第1室11
a内に漏れず、連通部11dにおいて第2室11b内の
インク面を維持する。
【0061】図8(b)は、回復パージ処理時の状態を
示した図である。回復パージ処理はインク吐出口を閉塞
する気泡や紙粉等を排出するものである。回復パージ処
理では、記録動作の場合より高圧力で記録ヘッド15側
に吸引するので、それによって生じた速いインクの流れ
は、フィルタ14の抵抗によって第1室11aから第3
室11cへ規制される。従って、第1室11a内のイン
クは、第1室11aから連通部11dを通過して第2室
11b、第2室11bから第2連通部11eを通過して
第3室11cへと流れる。高圧力下ではインクの速い流
れに対してフィルタ14の流動抵抗が大きく、流動抵抗
の少ない第1室11a、第2室11b、第3室11cへ
とインクの流れが生起されるためである。
【0062】一方、第1室11aに貯留されているエア
塊Kは、一旦、第2室11b側へ引き込まれる。第2室
11bの下方は第2連通部11eにおいて第3室11c
と連通されており、フィルタ14を介して第3室11c
と連通されている第1室11aよりも流動抵抗が低いた
めである。また、第2室11b内のインク面はリブ18
の毛細管作用によって連通部11dまで上昇しており、
且つ回復パージ処理の圧力は、リセットパージ処理の圧
力に比較して低いため、第2室11b内に引き込まれた
エアは第3室11cまでは引き込まれない。従って、回
復パージ処理においては、エアトラップユニット11内
に貯留されているエアは排出されず、インク吐出口を閉
塞している気泡や紙粉等だけを排出することができる。
【0063】図8(c)は、回復パージ処理終了後の状
態を示した図である。図8(b)に示すように、回復パ
ージ処理によって、一旦、第2室11b内に引き込まれ
たエアは、第2室11bのリブ18の毛細管作用と浮力
とによって上昇し、連通部11dを通過して、再び第1
室11aに貯留されることになる。
【0064】図9(d)は、図8(c)の状態から更に
気泡が貯留された状態を示した図である。多量のエアが
第1室11aに貯留されており、インクが供給不足にな
り吐出不良を引き起こす可能性のある状態である。本実
施例のインクジェット記録装置1においては、略1ヶ月
単位でこの状態が生じることが想定されているが、この
時期は任意に設定できる。
【0065】図9(e)は、リセットパージ処理時の状
態を示した図である。図9(d)に示す状態になると、
リセットパージ処理が実行される。リセットパージ処理
は、第1室11aに貯留されているエアを排出する処理
である。リセットパージ処理では、回復パージ処理より
高圧力で記録ヘッド15側に吸引するため、フィルタ1
4の抵抗によって第1室11aから第3室11cへのイ
ンクの速い流れは規制される。この場合、回復パージ処
理と同様に、第1室11aから連通部11dを通過して
第2室11b、第2室11bから第2連通部11eを通
過して第3室11cへと流れるインクの流れが生起され
る。
【0066】一方、第1室11a内に貯留されているエ
アもインクの流れに沿って、第1室11a、第2室11
b、第3室11cへと順次排出されてゆく。回復パージ
処理では、第3室11cに流入することはないが、リセ
ットパージ処理は回復パージ処理より吸引力が大きいた
め、第2室11bを通過して第3室11cへと流入され
るのである。ここで、第2連通部11eの面積は第2室
11bのインクの流動方向と直交する断面積より小さく
構成されているので、第2室11bから第2連通部11
eを通過するインクの流速は高まり、インクと共に流さ
れるエアを勢い良く排出することができる。また、第2
室11bの下端からほぼ直角に第3室11cに連通して
いるので、その角部分でインクの流れによどみが生じ、
そのよどみ部分にエアの一部Kaが残留する。尚、リセ
ットパージ処理によって、インクタンク4から多量のイ
ンクがエアトラップユニット11内に供給され、エアト
ラップユニット11内を満たす。
【0067】図9(f)は、リセットパージ終了後の状
態を示した図である。図9(e)に示すように第2室1
1bに残留されたエアKaは、第2室11bのリブ18
の毛細管作用と浮力によって第2室11bの上方に上昇
し、連結部11dを通過して第1室11aの上方に貯留
される。連通部11dは、上述したように、第2室11
bのインク液面を連通部11dで維持できると共に、か
かる残留エアを第2室11bから第1室11aに移動可
能な大きさに構成されている。尚、第1室11aに貯留
される残留エアは、キャリッジ3aの移動に伴うチュー
ブ5内のインクの慣性による動圧を吸収する役割を果た
す。また、残留エア量は0.05cc〜0.2ccが好
ましい。
【0068】次に、図10を参照して、上述したリセッ
トパージ処理時において、動圧吸収のためのエアを第1
室11aに残留させるための第2実施例について説明す
る。図10(a)は、第1室11a内に多量のエアが貯
留され、リセットパージ処理直前の状態を示したエアト
ラップユニット11の断面図である。第1室11aの天
井壁には第2リブ22が配設されている。第2リブ22
は第1室11a内に所定量のエアを残留させるものであ
る。第2リブ22は第1室11aの側壁のインク流入口
11fと対向して、その流入口11fから所定間隔をあ
けて配設されている。第2リブ22の長さは略4.7m
mで構成されている。こうして、第2リブ22と第2リ
ブ22の下流側の天井部との空間11gにおいて、いわ
ゆるインクのよどみ部を形成するのである。
【0069】上述したように図10(a)に示す状態に
なると、リセットパージ処理が実行される。リセットパ
ージ処理においては、第1室11aから連通部11dを
通過して第2室11bへ流れるインクの流れが生起され
るため、空間11gはインクの流速が低速となり、いわ
ゆるインクのよどみ部となる。従って、図10(b)に
示すように、リセットパージ処理によって第1室11a
内のエアの大部分が排出された場合であっても空間11
gのエアは排出されず、依然として第1室11a内部に
残留している。尚、上述した第2リブ22によって残留
するエアは0.05cc〜0.2cc、好ましくは略
0.1ccである。このように、空間11gを形成する
ことによってリセットパージ処理の実行後においても第
1室11aの内部に所定量のエアを残留させることがで
き、この残留エアによってキャリッジ3aの移動に伴う
チューブ内のインクの慣性によるインクの動圧を吸収す
ることができる。
【0070】以上説明したように、本実施例のインクジ
ェット記録装置1によれば、インク流路の途中に設けら
れたエアトラップユニット11によって、インク流路内
で発生した気泡は貯留されるので、気泡が記録ヘッド1
5に搬送され記録ヘッド15のインク吐出口を閉塞し、
インク吐出不良を引き越すのを防止することができる。
また、フィルタ14によって第1室11aから第3室1
1cへのインクの流れを規制して、リセットパージ処理
(S4)よって第1室11a、第2室11b、第3室1
1cを順次通るインクの速い流れを生起して、第1室1
1aに貯留された気泡を排出することができる。
【0071】
【発明の効果】請求項1に記載のインクジェット記録装
置によれば、インク流路の途中に設けられた気泡貯留部
によって、インク流路内で発生した気泡は貯留されるの
で、気泡が記録ヘッドに搬送され記録ヘッドのインク吐
出口を閉塞し、インク吐出不良を引き起すのを防止し
て、安定した記録動作を維持することができるという効
果がある。また、流路抵抗手段によって第1室から第3
室へのインクの流れを規制して、回復手段よって第1
室、第2室、第3室を順次通るインクの速い流れを生起
して、気泡貯留部に貯留された気泡を排出するので、気
泡で満たされた気泡貯留部の機能を再度回復させ、再び
所定量の気泡を気泡貯留部に貯留することができるとい
う効果がある。
【0072】請求項2に記載のインクジェット記録装置
によれば、請求項1記載のインクジェット記録装置の奏
する効果に加え、流路抵抗手段はフィルタで構成されて
いるので、フィルタに形成された網目によってフィルタ
を通過する際の流動抵抗を高くすることができるという
効果がある。従って、吸引圧力の弱い記録動作時におて
いは第1室から第3室へのインクの流れを生起でき、一
方、吸引圧力の高い回復手段動作時においては、フィル
タが抵抗となり、各々が連通されている第1室、第2
室、第3室へ順次通るインクの流れを生起することがで
きるのである。
【0073】請求項3に記載のインクジェット記録装置
によれば、請求項1又は2に記載のインクジェット記録
装置の奏する効果に加え、第1室に貯留した気泡を残留
させるだけのインク量を排出する第2の回復手段をさら
に備えているので、第1室に貯留した気泡を残留したま
まの状態で、記録ヘッドのインク吐出口を閉塞する気泡
や紙粉等を排出することができる。従って、第1室に貯
留した気泡を排出する場合に伴って排出されるインク量
を削減することができるという効果がある。
【0074】請求項4に記載のインクジェット記録装置
によれば、請求項1から3のいずれかに記載のインクジ
ェット記録装置の奏する効果に加え、第2室の内部に
は、該第2室内部に貯留されるインクを前記連通口まで
上昇させるための毛細管現象発生手段が設けられている
ので、第2室内部のインク液面を第2室の上方まで上昇
させることができる。従って、第2室内部には上方まで
インク液面が上昇しており、記録動作時や第2の回復手
段動作時において、第1室内の気泡が第2室内を通過し
て第3室に流入するのを抑制することができるという効
果がある。
【0075】請求項5に記載のインクジェット記録装置
によれば、請求項4に記載のインクジェット記録装置の
奏する効果に加え、毛細管現象発生手段は第2室の内面
に上下方向に沿って突出形成されたリブで構成されてい
るので、第2室内を上下方向に区分けでき、毛細管現象
を効果的に発生させることができるという効果がある。
【0076】請求項6に記載のインクジェット記録装置
によれば、請求項1から5のいずれかに記載のインクジ
ェット記録装置の奏する効果に加え、気泡貯留部は、第
1室の側方に第2室を備え、前記第2室の上端を前記連
通口を介して第1室に連通し、第2室の下端を第2の連
通口を介して第3室に連通しているので、第1室と第2
室と第3室とをまとまり良く配設でき、小型の気泡貯留
部を構成することができるという効果がある。
【0077】請求項7に記載のインクジェット記録装置
によれば、請求項6に記載のインクジェット記録装置の
奏する効果に加え、前記第2室と第3室の間の第2の連
通口の面積は、第2室のインク流動方向と直交する断面
積よりも小さく構成されているので、回復手段動作時に
おける流速を第2室と第3室の間の第2の連通口を通過
する際に高速にできる。従って、第3室に気泡を残留さ
せることなく、高速流速に沿って気泡を第3室から記録
ヘッドへ排出することができるという効果がある。
【0078】請求項8に記載のインクジェット記録装置
によれば、請求項1から7のいずれかに記載のインクジ
ェット記録装置の奏する効果に加え、第2室は、回復手
段によるインクの流れによっても排出できない気泡を残
留させる部分を有しているので、第2室に残留した気泡
を動圧吸収のための気泡としして利用することができる
という効果がある。
【0079】請求項9に記載のインクジェット記録装置
によれば、請求項2に記載のインクジェット記録装置の
奏する効果に加え、フィルタは隔壁と平行な辺の長さよ
りもそれと直角な辺の長さの方が大きく構成されている
ので、隔壁の幅方向と直角な方向において、インク流路
となるフィルタの有効面積を確保することができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるインクジェット記録装
置の内部構成を示した平面図である。
【図2】記録ヘッドユニットの内部構成を示した平面図
である。
【図3】図1のIII−III断面線における断面図で
ある。
【図4】インクジェット記録装置の電気回路構成を示す
ブロック図である。
【図5】インクジェット記録装置の一連の処理のフロー
チャートである。
【図6】リセットパージ処理のフローチャートである。
【図7】回復パージ処理のフローチャートである。
【図8】エアトラップの機能を模式的に示した断面図で
ある。
【図9】エアトラップの機能を模式的に示した断面図で
ある。
【図10】第2リブを配設したエアトラップを模式的に
示した断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置 3 記録ヘッドユニット 3a キャリッジ 4 インクタンク(インク供給源) 5(5a〜5d) チューブ 6 回復装置 11 エアトラップユニット(気泡貯留
部) 11a 第1室 11b 第2室 11c 第3室 11d 連通部(連通口) 11e 第2連通部(第2の連通口) 11f インク流入口(流入口) 11g 空間(気泡残留部) 12 ジョイント部材 13 隔壁 14 フィルタ(流路抵抗手段) 15 記録ヘッド 18 リブ(毛細管現象発生手段) 22 第2リブ 30〜33 エアトラップ(気泡貯留部) S4 リセットパージ処理(回復手段) S6 回復パージ処理(第2の回復手段)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク吐出口からインクを吐出して被記
    録媒体に記録を行う記録ヘッドと、その記録ヘッドに供
    給されるインクを貯えるインク供給源と、そのインク供
    給源から前記記録ヘッドにインクを供給するインク流路
    とを備えたインクジェット記録装置において、 前記インク流路の途中に設けられ、インク流路内で発生
    する気泡を貯留するため前記インク供給源と連通した第
    1室、その第1室と連通した第2室、その第1室の下方
    に位置し第1室および第2室の下端を前記記録ヘッドに
    連通させる第3室を有する気泡貯留部と、 その気泡貯留部から前記記録ヘッドへ向け、記録動作時
    のインクの流れよりも速いインクの流れを生起する回復
    手段と、 前記気泡貯留部内に立設され、前記第1室と第2室とを
    その上部で連通する連通口を残して両室を隔てる隔壁
    と、 前記気泡貯留部内に設けられ、記録動作時における前記
    第1室から第3室へのインクの流れを許容し、前記回復
    手段によるインクの速い流れに対しては抵抗となる流路
    抵抗手段とを備え、 前記記録動作時には、前記気泡貯留部に流入したインク
    から気泡を分離して前記第1室の上方に貯留し、前記回
    復手段は、前記第1室から第2室、第3室を順次通るイ
    ンクの速い流れを生起して、前記第1室に貯留した気泡
    を排出することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記流路抵抗手段は、フィルタであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第1室に貯留した気泡を残留させる
    だけのインク量を排出する第2の回復手段をさらに備え
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェ
    ット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記第2室の内部には、該第2室内部に
    貯留されるインクを前記連通口まで上昇させるための毛
    細管現象発生手段が設けられていることを特徴とする請
    求項1から3のいずれかに記載のインクジェット記録装
    置。
  5. 【請求項5】 前記毛細管現象発生手段は、前記第2室
    の内面に上下方向に沿って突出形成されたリブであるこ
    とを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装
    置。
  6. 【請求項6】 前記気泡貯留部は、前記第1室の側方に
    第2室を備え、前記第2室の上端を前記連通口を介して
    第1室に連通し、第2室の下端を第2の連通口を介して
    第3室に連通したことを特徴とする請求項1から5のい
    ずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記第2室と第3室の間の第2の連通口
    の面積は、第2室のインク流動方向と直交する断面積よ
    りも小さく構成されていることを特徴とする請求項6に
    記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記第2室は、前記回復手段によるイン
    クの流れによっても排出できない気泡を残留させる部分
    を有していることを特徴とする請求項1から7のいずれ
    かに記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記フィルタは、前記隔壁と平行な辺の
    長さよりもそれと直角な辺の長さの方が大きいことを特
    徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
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