JP2003062940A - 離型用積層体および積層体ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

離型用積層体および積層体ならびにそれらの製造方法

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JP2003062940A
JP2003062940A JP2002174052A JP2002174052A JP2003062940A JP 2003062940 A JP2003062940 A JP 2003062940A JP 2002174052 A JP2002174052 A JP 2002174052A JP 2002174052 A JP2002174052 A JP 2002174052A JP 2003062940 A JP2003062940 A JP 2003062940A
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Katsuji Nakahara
勝次 中原
Kiyohiko Ito
喜代彦 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接着剤の塗布・貼り合わせ工程やスリット工程
等で離型材の浮きやシワの発生や迷い巻き等が発生せ
ず、また他の基材と貼り合わせたときに接着剤層がにじ
み出したり、又、断裁時に刃に接着剤層が付着すること
なく、寸法精度の高い断裁品を得ることが出来る積層体
を提供する。 【解決手段】離型材(i)/接着剤層(I)/基材(a)/接着
剤層(II)/離型材(ii)からなる離型用積層体(A)におい
て、離型材(i)と接着剤層(I)および離型剤(2)と接着剤
層(II)の剥離力が10g/25mm〜300g/25m
mであること、または、破断伸度が40〜150%であ
る基材(a)を用いることを特徴とする基材(b)/接着剤層
(I)/基材(a)/接着剤層(II)/基材(c)からなる積層体
(B)であること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材の両面に接着
剤層を有する積層体に関する。特に該接着剤層がホット
メルト系接着剤である積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基材の両面に接着剤層を有する積
層体としては、接着剤層の軟化点が低い、所謂粘着剤層
を有するものが知られている。
【0003】しかしながら上述の粘着剤層を有する積層
体は、他の基材と貼り合わせたときに粘着剤層がにじみ
出したり、又、断裁時に刃に粘着剤が付着したりする等
の問題点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点を解決し、他の基材と貼り合わせたときに粘着剤層が
にじみ出したり、又、断裁時に刃に粘着剤が付着したり
する等の問題点を解決し、断裁刃の清掃・整備の頻度を
減らすことが出来、又、寸法精度の高い断裁品を得るた
めの積層体を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】これらの目的に沿う本発
明の離型用積層体(A)は、以下の構成を有する。すなわ
ち、離型材(i)/接着剤層(I)/基材(a)/接着剤層(II)
/離型材(ii)からなる離型用積層体(A)において、離型
材(i)と接着剤層(I)、および離型材(ii)と接着剤層(II)
の剥離力が10〜300g/25mmであることを特徴
とする積層体である。 また、本発明の離型用積層体
(A)において、離型材(i)および離型材(ii)の残留接着率
が70%以上であること、基材(a)がプラスチックフィ
ルムであること、プラスチックフィルムが白色ポリエス
テルフィルムであること、接着剤層(I)と接着剤層(II)
が軟化点70〜150℃および/またはショアD硬度が
5〜70である樹脂であること、接着剤層(I)と接着剤
層(II)が、軟化点70〜150℃および/またはショア
D硬度が5〜70である樹脂と無機粒子からなり、樹脂
/無機粒子の混合重量比が100/1〜100/30で
あること、接着剤層(I)及び接着剤層(II)の表面に、そ
れぞれ離型材(i)および離型材(ii)が積層されているこ
と、離型材(i)および離型材(ii)の色および/または材
質が異なることが好ましい態様として含まれる。
【0006】これらの目的に沿う本発明の離型用積層体
(A)の製造方法は、以下の構成を有する。すなわち、離
型材(i)に接着剤層(I)を塗布し基材(a)に貼り合わせ、
離型材(i)/接着剤層(I)/基材(a)とし、離型材(ii)に
接着剤層(II)を塗布し、離型材(i)/接着剤層(I)/基材
(a)の基材(a)面に接着剤層(II)を貼り合わせる離型用積
層体(A)の製造方法であって、接着剤層(I)と接着剤層(I
I)の軟化点70〜150℃および/またはショアD硬度
が5〜70である樹脂からなるものを用いることを特徴
とする製造方法である。
【0007】さらに、これらの目的に沿う本発明の積層
体(B)は、以下の構成を有する。すなわち、破断伸度が
40〜150%である基材(a)を用いることを特徴とす
る基材(b)/接着剤層(I)/基材(a)/接着剤層(II)/基
材(c)からなる積層体である。
【0008】また、本発明の積層体(B)において、基材
(a)がポリエステルフィルムであること、基材(b)および
/または基材(c)がプラスチックフィルムであること、
基材(a)が白色ポリエステルフィルムであること、接着
剤層(I)と接着剤層(II)の軟化点が70〜150℃およ
び/またはショアD硬度が5〜70であること、接着剤
層(I)と接着剤層(II)が、軟化点70〜150℃および
/またはショアD硬度が5〜70である樹脂と無機粒子
からなり、樹脂/無機粒子の混合重量比が100/1〜
100/30であることが好ましい態様として含まれ
る。
【0009】さらに、これらの目的に沿う本発明の積層
体(B)の製造方法は、以下の構成を有する。すなわち、
離型材(i)/接着剤層(I)/基材(a)/接着剤層(II)/離
型材(ii)からなる離型用積層体(A)において、離型材(i)
を剥離して基材(b)を貼り合わせ、さらに/または同時
に、離型材(ii)を剥離して基材(c)を貼り合わせること
を特徴とする積層体の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の積層体は、離型材(i)/
接着剤層(I)/基材(a)/接着剤層(II)/離型材(ii)から
なる離型用積層体(A)において、離型材(i)と接着剤層
(I)および離型材(ii)と接着剤層(II)の剥離力が10〜
300g/25mmであることを特徴とする離型用積層
体(A)である。さらに剥離力が30〜250g/25m
mであることがより好ましい。剥離力が上記範囲より弱
いと、塗布・貼り合わせ工程やスリット工程等で離型材
が浮きシワの発生や迷い巻き等が発生し好ましくない。
剥離力が上記範囲より強いと、離型材(i)と接着剤層(I)
あるいは離型剤(ii)と接着剤層(II)が接着し、剥離しづ
らくなり好ましくない。
【0011】また、離型材(i)および離型材(ii)の残留
接着率が70%以上、好ましくは85%以上であること
が望ましい。残留接着率が前記範囲内であると該離型材
を剥がした後に接着剤層が白化したり、接着力が著しく
低下することがなく、好ましい。
【0012】離型材(i)および離型材(ii)としては、プ
ラスチックフィルム、合成紙、紙または表面処理が施さ
れた複合シート等にシリコーンオイル系、シリコーン樹
脂系、ハイドロカーボン系、フルオロカーボン系等を塗
布した物が一般的に用いられる。
【0013】本発明の離型用積層体(A)は、離型材(i)/
接着剤層(I)/基材(a)/接着剤層(II)/離型材(i)から
なる積層体において、接着剤層(I)および接着剤層(II)
の軟化点が70℃〜150℃であることが好ましく、さ
らに好ましくは80〜130℃である。
【0014】離型材(i)/接着剤層(I)/基材(a)/接着
剤層(II)/離型材(ii)は主として、離型材(i)を剥離し
ながら基材(b)を貼り合わせ、さらに離型材(ii)を剥離
しながら基材(c)を貼り合わせた基材(b)/接着剤層(I)
/基材(a)/接着剤(II)/基材(c)の積層体として用いら
れる。接着剤層(I)及び接着剤層(II)の軟化点が上記好
ましい範囲内にあれば、基材(b)および基材(c)と貼り合
わせ時に接着剤がにじみ出たり、断裁加工時に刃に接着
剤がついたりせず、また、基材(b)および基材(c)と貼り
合わせ時に高温にする必要がなく、基材(a)、基材(b)お
よび基材(c)の劣化や貼り合わせ品の寸法変化が生じに
くい。
【0015】また、接着剤層(I)および接着剤層(II)の
ショアD硬度は5〜70が好ましく、10〜60がより
好ましい。接着剤層(I)および接着剤層(II)のショアD
硬度が上記範囲内にあれば、基材(b)および(c)と貼り合
わせ時に接着剤がにじみ出たり、断裁加工時に刃に接着
剤がついたりせず、また、基材(b)および(c)と貼り合わ
せ時に高温にする必要がなく、基材(a)、基材(b)および
基材(c)の劣化や貼り合わせ品の寸法変化が生じにくく
好ましい。
【0016】また、接着剤層(I)及び接着剤層(II)を用
いることで、他の基材とが強固且つ緻密に接着されるた
め、貼り合わせ品のズレや寸法精度を規制することがで
きる。
【0017】接着剤(I)及び(II)としては、例えば、ポ
リエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ア
イオノマ−樹脂、ウレタン樹脂、エチレン−アクリル酸
共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合樹脂、
エチレン−アクリル酸メチル共重合樹脂、エチレン−メ
タクリル酸共重合樹脂等が挙げられるが特に限定されな
い。
【0018】本発明において、剥離力を10〜300g
/25mmにするためには、接着剤層としてはポリエス
テル樹脂が好ましく用いられる。また、接着剤層(I)お
よび接着剤層(II)は、50μm以下とするのが好まし
い。また、離型材(i)および離型材(ii)の離型層とし
て、両末端シラノールポリジメチルシロキサンとポリメ
チルハイドロジェンシロキサンあるいはポリメチルメト
キシシロキサンとを、錫化合物などの触媒の存在下で硬
化皮膜を得る縮合反応型タイプ、ジメチルシロキサン・
メチルビニルシロキサン共重合体とポリメチルハイドロ
ジェンシロキサンとを白金触媒の存在下で硬化皮膜を得
る付加反応型タイプを用いるのが好ましい。離型剤(i)
および離型材(ii)の離型層は0.1μm以下とするのが
好ましい。
【0019】接着剤層(I)及び接着剤層(II)には、前記
樹脂に無機粒子を添加したものを用いることもできる。
無機粒子を添加することにより、断裁時のカット性や打
ち抜き性が向上し、カット部分や打ち抜き部分のバリも
少なくなり好ましい。無機粒子としては、炭酸カルシウ
ム、非晶質ゼオライト粒子、アナターゼ型の二酸化チタ
ン、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、シリカ、アル
ミナ、カオリン、タルク、クレー等を用いることが出来
る。樹脂/無機粒子の混合重量比は100/1〜100
/30が好ましく、100/2〜100/20がより好
ましい。無機粒子の添加量がかかる好ましい範囲内であ
れば、カット性や打ち抜き性の向上効果が十分となり、
カット時や打ち抜き時に刃に無機粒子粉が付着したり、
脱落したりすることがない。また、無機粒子の平均粒子
径は接着剤層の厚みより小さいことが好ましい。無機粒
子の平均粒子径が接着剤層より小さいと、カット時や打
ち抜き時に刃に無機粒子粉が付着したり、脱落したりす
る事がなく好ましい。
【0020】接着剤層(I)及び接着剤層(II)は同種の接
着剤でも良いし、異種の接着剤でも良い。同種の接着剤
の場合、接着剤層(I)と接着剤層(II)の膜厚は異なって
も良い。同種の接着剤で接着剤層(I)と接着剤層(II)の
膜厚が異なる場合や異種の接着剤の場合は、離型材(i)
と離型材(ii)は、色及び/または材質の異なるものを積
層する事により、判別が可能となり好ましい。
【0021】離型材(i)と離型材(ii)の色が異なる例と
しては、離型材(i)が透明や白色のプラスチックフィル
ムベース、離型材(ii)が有色(例えば黒色)のプラスチ
ックフィルムベースが挙げられる。
【0022】離型材(i)と離型材(ii)の材質が異なる例
としては、離型材(i)がプラスチックフィルムベース、
離型材(ii)が合成紙や紙ベースが挙げられる。
【0023】本発明の離型材(i)/接着剤層(I)/基材
(a)/接着剤層(II)/離型材(ii)からなる離型用積層体
(A)の製造方法を述べる。
【0024】まず、離型材(i)に接着剤(I)を塗布し基材
(a)に貼り合わせ、離型材(i)/接着剤層(I)/基材(a)を
製造する。次に、離型材(ii)に接着剤(II)を塗布し、離
型材(i)/接着剤層(I)/基材(a)の基材(a)面に接着剤(I
I)を貼り合わせ、離型材(i)/接着剤層(I)/基材(a)/
接着剤層(II)/離型材(ii)からなる離型用積層体(A)を
製造する。
【0025】本発明の離型材(i)/接着剤層(I)/基材
(a)/接着剤層(II)/離型材(ii)からなる離型用積層体
(A)の基材(a)としては、プラスチックフィルム、合成
紙、紙または表面処理が施された複合シートが好ましく
用いられるが、中でも寸法安定性や耐久性等の点からプ
ラスチックフィルムが好ましい。
【0026】プラスチックフィルムの材質としては、ポ
リエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステ
ルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−ρ−フェ
ニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
また、これらの共重合体やブレンド物やさらに架橋した
を用いることもできる。 さらに、上記プラスチックフ
ィルムの中でも、ポリエステル、例えば、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレート、
ポリエチレンα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エ
タン4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレ
フタレートなどが好ましく、これらの中で機械的特性、
作業性などの品質、経済性などを総合的に勘案すると、
ポリエチレンテレフタレートが特に好ましく用いられ
る。
【0027】本発明において、離型材(i)/接着剤層(I)
/基材(a)/接着剤層(II)/離型材(ii)からなる離型用
積層体(A)の基材(a)として白色のものを用いても良く、
例えば、基材(a)に用いられる上述ポリエステルフィル
ムとして、ポリエステル中に白色無機微粒子を含有させ
ること等により白色化させているものを用いることもで
きる。
【0028】白色無機微粒子とは、無着色に近い無機粒
子をいい、炭酸カルシウム、非晶質ゼオライト粒子、ア
ナターゼ型の二酸化チタン、リン酸カルシウム、硫酸カ
ルシウム、シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、クレ
ー等を用いることが出来る。この様な無機粒子以外に
も、ポリエステル重合反応系で触媒残査とリン化合物と
の反応により析出した微粒子を用いることもできる。
【0029】また、フィルムの内部に微細な気泡を含有
させ、該気泡で光を散乱させることにより白色化させて
いるものを用いることもできる。この様な微細な気泡の
形成は、フィルム母材、例えばポリエステル中に、非相
溶ポリマー、例えばポリー3−メチルブテンー1、ポリ
ー4−メチルペンテンー1、ポリプロピレン、ポリビニ
ルーt−ブタン、1,4−トランスーポリー2,3−ジ
メチルブタジエン、セルローストリアセテート、セルロ
ーストリプロピオネート等を細かく分散させる、あるい
は上述した白色化微粒子を添加して、それを1軸または
2軸に延伸することにより形成される。これは、延伸に
際して、非相溶ポリマー粒子の周りにボイド(気泡)が
形成され、これが光の散乱作用を発揮するため白色化さ
れるものである。
【0030】上述白色化ポリエステルフィルムは白色無
機粒子や非相溶ポリマーの周りにボイドが形成されるた
め、断裁時のカット性が良好で、カット部分のバリも少
なく、断裁加工がやりやすく、寸法精度も向上するため
好ましい。
【0031】基材(a)の厚みは特に限定されないが、通
常10μm〜500μm、好ましくは20μm〜400
μm、より好ましくは30μm〜300μmであること
が望ましい。
【0032】本発明の積層体(B)は、基材(b)/接着剤層
(I)/基材(a)/接着剤層(II)/基材(c)からなる積層体
(B)において、基材(a)の破断伸度が40〜150%であ
ることを特徴とする積層体である。
【0033】本発明の積層体の基材(a)の破断伸度は4
0〜150%であることが必要である。破断伸度が上記
範囲より小さいと、基材(a)が割れやすくなる。破断伸
度が上記範囲より大きいと断裁部分や打ち抜き部分にバ
リが発生する。基材(a)の破断伸度は、より好ましくは
50〜130%である。
【0034】本発明の積層体(B)の基材(a)としては、プ
ラスチックフィルム、合成紙、紙または表面処理が施さ
れた複合シートが好ましく用いられるが、中でも寸法安
定性や耐久性等の点からプラスチックフィルムが好まし
い。
【0035】プラスチックフィルムの材質としては、ポ
リエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステ
ルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−ρ−フェ
ニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
また、これらの共重合体やブレンド物やさらに架橋した
ものを用いることもできる。 さらに、上記プラスチッ
クフィルムの中でも、ポリエステル、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレー
ト、ポリエチレンα,β−ビス(2−クロルフェノキ
シ)エタン4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレ
ンテレフタレートなどが好ましく、これらの中で機械的
特性、作業性などの品質、経済性などを総合的に勘案す
ると、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましく用い
られる。
【0036】本発明の積層体(B)において、基材(a)とし
て白色のものを用いても良く、例えば、基材に用いられ
る上述ポリエステルフィルムとして、ポリエステル中に
白色無機微粒子を含有させること等により白色化させて
いるものを用いることもできる。
【0037】白色無機微粒子とは、無着色に近い無機粒
子をいい、炭酸カルシウム、非晶質ゼオライト粒子、ア
ナターゼ型の二酸化チタン、リン酸カルシウム、硫酸カ
ルシウム、シリカ、アルミナ、カオリン、タルク、クレ
ー等を用いることが出来る。この様な無機粒子以外に
も、ポリエステル重合反応系で触媒残査とリン化合物と
の反応により析出した微粒子を用いることもできる。
【0038】また、フィルムの内部に微細な気泡を含有
させ、該気泡で光を散乱させることにより白色化させて
いるものを用いることもできる。この様な微細な気泡の
形成は、フィルム母材、例えばポリエステル中に、非相
溶ポリマー、例えばポリー3−メチルブテンー1、ポリ
ー4−メチルペンテンー1、ポリプロピレン、ポリビニ
ルーt−ブタン、1,4−トランスーポリー2,3−ジ
メチルブタジエン、セルローストリアセテート、セルロ
ーストリプロピオネート等を細かく分散させる、あるい
は上述した白色化微粒子を添加して、それを1軸または
2軸に延伸することにより形成される。これは、延伸に
際して、非相溶ポリマー粒子の周りにボイド(気泡)が
形成され、これが光の散乱作用を発揮するため白色化さ
れるものである。
【0039】上述白色化ポリエステルフィルムは白色無
機粒子や非相溶ポリマーの周りにボイドが形成されるた
め、断裁時のカット性や打ち抜き性が良好で、カット部
分や打ち抜き部分のバリも少なく、断裁加工や打ち抜き
加工がやりやすく、寸法精度も向上するため好ましい。
【0040】基材(a)の厚みは特に限定されないが、通
常10μm〜500μm、好ましくは20μm〜400
μm、より好ましくは30μm〜300μmであること
が望ましい。
【0041】本発明の積層体(B)の接着剤層(I)及び接着
剤層(II)と貼り合わされる基材(b)及び基材(c)として
は、プラスチックフィルム、合成紙、紙または表面処理
が施された複合シートが好ましく用いられるが、中でも
寸法安定性や耐久性等の点からプラスチックフィルムが
好ましい。
【0042】プラスチックフィルムの材質としては、ポ
リエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステ
ルアミド、ポリエーテル、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ−ρ−フェ
ニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
また、これらの共重合体やブレンド物やさらに架橋した
ものを用いることもできる。 さらに、上記プラスチッ
クフィルムの中でも、ポリエステル、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレー
ト、ポリエチレンα,β−ビス(2−クロルフェノキ
シ)エタン4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレ
ンテレフタレートなどが好ましく、これらの中で機械的
特性、作業性などの品質、経済性などを総合的に勘案す
ると、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましく用い
られる。
【0043】本発明の積層体(B)において、基材(a)の両
面に軟化点が好ましくは70℃〜150℃、さらに好ま
しくは80〜130℃の接着剤層(I)及び接着剤層(II)
が積層される。接着剤層(I)及び接着剤層(II)の軟化点
が上記範囲内にあれば、他の基材(b)あるいは基材(c)と
貼り合わせ時に接着剤層がにじみ出たり、断裁や打ち抜
き加工時に刃に接着剤層がついたりせず、また、他の基
材(b)あるいは基材(c)と貼り合わせ時に高温にする必要
がなく、他の基材(b)や基材(c)の劣化や貼り合わせ品の
寸法変化が生じにくく好ましい。
【0044】また、接着剤層(I)および接着剤層(II)の
ショアD硬度は5〜70が好ましく、10〜60がより
好ましい。接着剤層(I)及び接着剤層(II)のショアD硬
度が上記範囲内にあれば、他の基材(b)あるいは基材(c)
と貼り合わせ時に接着剤層がにじみ出たり、断裁や打ち
抜き加工時に刃に接着剤層がついたりせず、他の基材
(b)あるいは基材(c)と貼り合わせ時に高温にする必要が
なく、他の基材(b)や基材(c)の劣化や貼り合わせ品の寸
法変化が生じにくく好ましい。
【0045】また、接着剤層(I)及び接着剤層(II)を用
いることで、他の基材(b)および基材(c)とが強固且つ緻
密に接着されるため、貼り合わせ品のズレや寸法精度を
規制することができる。
【0046】接着剤層(I)及び接着剤層(II)としては、
例えば、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂、アイオノマ−樹脂、ウレタン樹脂、エチレン−
アクリル酸共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共
重合樹脂、エチレン−アクリル酸メチル共重合樹脂、エ
チレン−メタクリル酸共重合樹脂等が挙げられるが特に
限定されない。
【0047】接着剤層(I)及び接着剤層(II)として、前
記樹脂に無機粒子を添加してもよい。無機粒子を添加す
ることにより、断裁時のカット性や打ち抜き性が向上
し、カット部分や打ち抜き部分のバリも少なくなり好ま
しい。無機粒子としては、炭酸カルシウム、非晶質ゼオ
ライト粒子、アナターゼ型の二酸化チタン、リン酸カル
シウム、硫酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カオリ
ン、タルク、クレー等を用いることが出来る。樹脂/無
機粒子の混合重量比は100/1〜100/30が好ま
しく、100/2〜100/20がより好ましい。無機
粒子の添加量が上記好ましい範囲であると、カット性や
打ち抜き性の向上効果が得られ、また、カット時や打ち
抜き時に刃に無機粒子粉が付着したり、脱落したりする
ことがない。また、無機粒子の平均粒子径は接着剤の厚
みより小さいことが好ましい。無機粒子の平均粒子径が
接着剤層より小さければ、カット時や打ち抜き時に刃に
無機粒子粉が付着したり、脱落したりすることはなく、
好ましい。
【0048】接着剤層(I)及び接着剤層(II)は同種の接
着剤でも良いし、異種の接着剤でも良い。同種の接着剤
の場合、接着剤層(I)と接着剤層(II)の膜厚は異なって
も良い。同種の接着剤で接着剤層(I)と接着剤層(II)の
膜厚が異なる場合や異種の接着剤の場合は、接着剤層
(I)の離型材(i)と接着剤層(II)の離型材(ii)は、色及び
/または材質の異なるものを積層する事により、判別が
可能となり好ましい。
【0049】本発明の積層体(B)は、好ましくは、離型
材(i)/接着剤層(I)/基材(a)/接着剤層(II)/離型材
(ii)からなる離型用積層体(A)において、離型材(i)を剥
離して基材(b)を貼り合わせ、さらに(又は同時に)離
型材(ii)を剥離して基材(c)を貼り合わせることにより
製造される。さらに好ましくは、離型材(i)/接着剤層
(I)/基材(a)/接着剤層(II)/離型材(ii)からなる離型
用積層体(A)において、離型材(i)を剥離しながら基材
(b)を貼り合わせ、さらに(又は同時に)離型材(ii)を
剥離しながら基材(c)を貼り合わせることにより製造さ
れる。
【0050】
【実施例】本発明における特性の評価方法について次に
説明する。 (1)軟化点 JIS−K2531(環球法)に準ずる。 (2)ショアD硬度 日本接着剤工業会規格JAI−7に準ずる。 (3)離型材と接着剤との剥離力 離型材に接着剤を塗布後、基材と80℃,1m/min
の条件で貼り合わせ(フジプラ(株)製 LPD320
6City)、20℃/65%RHの雰囲気下で1時間
放置する。測定は貼り合わせ品を25mm幅にカットし
た後、引っ張り試験機を用い、離型材側を90°方向へ
300mm/分の速度にて剥離し、剥離抵抗を測定す
る。 (4)残留接着率(単位:%) 離型材の離型面に、日東電工製ポリエステル粘着テープ
(31Bテープ;50mm幅)を5kgのゴムローラーで
貼り合わせ、下記条件でエージング後、上記粘着テープ
を剥がし銅製テストパネル(表面をMEKで脱脂)にJ
ISZ0237に準じて貼り合わせる。さらに、20℃
/65%RHの雰囲気で1時間放置後、引張り試験器を
用い180°方向へ300mm/分の速度にて剥離し剥離
抵抗を測定する。
【0051】他方、コントロールとしてフッ素系フィル
ムを用いて上記と同様の条件で剥離力を測定する。この
ようにして得られた剥離力から下式(1)にて残留接
着率を求める。 エージング条件 ‥‥ 70℃/20時間、荷重 :20g/cm2 貼り合せ放置条件 ‥‥ 20℃/65%RH/1時間 剥離力測定条件 ‥‥ 剥離速度:300mm/分、180°剥離 残留接率(%)= (離型材に貼合せた粘着テーフ゜の剥離力)÷(フッ素系フィルム に貼合せた粘着テーフ゜の剥離力)×100‥(1) (実施例1)東レ(株)製白色ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム”ルミラー”(タイプ188E20)を基
材(a)とし、また塗布液として、軟化点100℃、ショ
アD硬度28のポリエステル樹脂(東レ(株)製ケミッ
トR99)をトルエン/MEK=4/1で溶解し、30
%溶液を用意した。30%の塗布液をコンマコータにて
シリコーン系離型フィルム(残留接着率90%、ベース
フィルムは東レ(株)製透明ポリエチレンテレフタレー
トフィルム”ルミラー”(タイプ38S10))に塗布
し、120℃で2分間乾燥して188E20と貼り合わ
せた(剥離力は100g/25mmであった)。同様に
して両面に接着剤付きの積層体Aを得た。接着剤層(I)
及び接着剤層(II)の厚さはそれぞれ25μmであった。
塗布・貼り合わせ工程での離型材の浮き等もなく問題な
く製造できた。
【0052】積層体Aを用いて、東レ(株)製透明ポリ
エチレンテレフタレートフィルム”ルミラー”(タイプ
100T60)と貼り合わせ、さらに断裁を行った。
【0053】まず、積層体Aの接着剤層(I)面の離型フ
ィルムを剥離しながら、透明ポリエチレンテレフタレー
トフィルム”ルミラー”(タイプ100T60)と貼り
合わせた。この時のラミネートロールの表面温度は90
℃であった。同様にして接着剤層(II)面と貼り合わせ
た。
【0054】積層体Aの両面に透明ポリエチレンテレフ
タレートフィルム”ルミラー”(タイプ100T60)
を貼り合わせたものを、トムソン型断裁機を用いて10
0枚断裁した結果、接着剤層のにじみだしやトムソン刃
への接着剤層の付着は見られなかった。 (実施例2)東レ(株)製白色ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム”ルミラー”(タイプ100E20)を基
材(a)とし、また塗布液として、軟化点100℃、ショ
アD硬度28のポリエステル樹脂(東レ(株)製ケミッ
トR99)をトルエン/MEK=4/1で溶解し、30
%溶液を用意した。30%の塗布液をコンマコータにて
シリコーン系離型フィルム(残留接着率90%、ベース
フィルムは東レ(株)製透明ポリエチレンテレフタレー
トフィルム”ルミラー”(タイプ38S10))に塗布
し、120℃で2分間乾燥して(接着剤層(I)、厚さ3
0μm)100E20と貼り合わせた(剥離力は120
g/25mmであった)。 同様にして、シリコーン系
離型フィルム(残留接着率92%、ベースフィルムは東
レ(株)黒色ポリエチレンテレフタレートフィルム”ル
ミラー”(タイプ50X30))に上記ポリエステル樹
脂を塗布し、120℃で2分間乾燥して(接着剤層(I
I)、厚さ20μm)100E20面と貼り合わせて(剥
離力は80g/25mmであった)、両面にホットメル
ト接着剤付きの積層体Bを得た。塗布・貼り合わせ工程
での離型材の浮き等もなく問題なく製造できた。
【0055】実施例1と同様にして、積層体Bの接着剤
層(I)面の離型フィルムを剥離しながら、透明ポリエチ
レンテレフタレートフィルム”ルミラー”(タイプ10
0T60)と貼り合わせた。この時のラミネートロール
の表面温度は90℃であった。同様にして接着剤層(II)
面と東レ(株)製白色ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム”ルミラー”(タイプ100E60)貼り合わせ
た。
【0056】積層体Bの両面に透明ポリエチレンテレフ
タレートフィルム”ルミラー”(タイプ100T60)
及び白色ポリエチレンテレフタレートフィルム”ルミラ
ー”(タイプ100E60)を貼り合わせたものを、ト
ムソン型断裁機を用いて100枚断裁した結果、接着剤
層のにじみだしやトムソン刃への接着剤層の付着は見ら
れなかった。さらに、離型フィルムのベースフィルムの
色を判別可能なものとしたため、貼り合わせる接着剤層
面を間違えることなく作業できた。 (実施例3)東レ(株)製白色ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム”ルミラー”(タイプ100E60)を基
材(a)とし、また塗布液として、軟化点105℃、ショ
アD硬度30のポリエステル樹脂(東亞合成(株)製ア
ロンメルトPES−320)のトルエン/MEK=4/
1の30%溶液を用意した。30%の塗布液をコンマコ
ータにてシリコーン系離型フィルム(残留接着率90
%、ベースフィルムは東レ(株)製透明ポリエチレンテ
レフタレートフィルム”ルミラー”(タイプ38S1
0)に塗布し、120℃で2分間乾燥して(接着剤層
(I)、厚さ25μm)100E60と貼り合わせた(剥
離力は110g/25mmであった)。 同様にして、
シリコーン系離型フィルム(残留接着率92%、ベース
フィルムは東レ(株)黒色ポリエチレンテレフタレート
フィルム”ルミラー”(タイプ50X30))に、塗布
液として30%ウレタン樹脂水溶液(大日本インキ化学
工業(株)製ハイドランAP−20 軟化点95℃、シ
ョアD硬度15)を塗布し、130℃で2分間乾燥して
(接着剤層(II)、厚さ25μm)100E60面と貼り
合わせて(剥離力は75g/25mmであった)、両面
にホットメルト接着剤付きの積層体Cを得た。塗布・貼
り合わせ工程での離型材の浮き等もなく問題なく製造で
きた。
【0057】積層体Cを用いて実施例2と同様にして貼
り合わせた。積層体Cの両面に透明ポリエチレンテレフ
タレートフィルム”ルミラー”(タイプ100T60)
及び白色ポリエチレンテレフタレートフィルム”ルミラ
ー”(タイプ100E60)を貼り合わせたものを、ト
ムソン型断裁機を用いて100枚断裁した結果、接着剤
層のにじみだしやトムソン刃への接着剤層の付着は見ら
れなかった。さらに、離型フィルムのベースフィルムの
色を判別可能なものとしたため、貼り合わせる接着剤層
面を間違えることなく作業できた。 (実施例4)東レ(株)製白色ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム”ルミラー”(タイプ188E20)を基
材(a)とし、また塗布液として、軟化点90℃、ショア
D硬度10のポリエステル樹脂(東亞合成(株)製アロ
ンメルトPES−345)をトルエン/MEK=4/1
で溶解し、30%溶液を用意した。30%の塗布液をコ
ンマコータにてシリコーン系離型フィルム(残留接着率
90%、ベースフィルムは東レ(株)製透明ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム”ルミラー”(タイプ38S
10))に塗布し、120℃で2分間乾燥して188E
20と貼り合わせた(剥離力は125g/25mmであ
った)。同様にして両面に接着剤付きの積層体Eを得
た。接着剤層(I)及び接着剤層(II)の厚さはそれぞれ2
5μmであった。塗布・貼り合わせ工程での離型材の浮
き等もなく問題なく製造できた。
【0058】積層体Eを用いて、東レ(株)製透明ポリ
エチレンテレフタレートフィルム”ルミラー”(タイプ
100T60)と貼り合わせ、さらに断裁を行った。
【0059】まず、積層体Eの接着剤層(I)面の離型フ
ィルムを剥離しながら、透明ポリエチレンテレフタレー
トフィルム”ルミラー”(タイプ100T60)と貼り
合わせた。この時のラミネートロールの表面温度は90
℃であった。同様にして接着剤層(II)面と貼り合わせ
た。
【0060】積層体Eの両面に透明ポリエチレンテレフ
タレートフィルム”ルミラー”(タイプ100T60)
を貼り合わせたものを、トムソン型断裁機を用いて10
0枚断裁した結果、接着剤層のにじみだしやトムソン刃
への接着剤層の付着が僅かに認められるものの実用上問
題のないものであった。 (実施例5)東レ(株)製白色ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム”ルミラー”(タイプ188E20)を基
材(a)とし、また塗布液として、軟化点90℃、ショア
D硬度10のポリエステル樹脂(東亞合成(株)製アロ
ンメルトPES−345)をトルエン/MEK=4/1
で溶解した30%溶液に平均粒子径1.8μmの無機粒
子(富士シリシア(株)製サイリシア350)を固形分
重量比が100/15になるように混合・分散した溶液
を用意した。該塗布液をコンマコータにてシリコーン系
離型フィルム(残留接着率90%、ベースフィルムは東
レ(株)製透明ポリエチレンテレフタレートフィルム”
ルミラー”(タイプ38S10))に塗布し、120℃
で2分間乾燥して188E20と貼り合わせた(剥離力
は120g/25mmであった)。同様にして両面に接
着剤付きの積層体Fを得た。接着剤層(I)及び(2)の厚さ
はそれぞれ25μmであった。塗布・貼り合わせ工程で
の離型材の浮き等もなく問題なく製造できた。
【0061】積層体Fを用いて、東レ(株)製透明ポリ
エチレンテレフタレートフィルム”ルミラー”(タイプ
100T60)と貼り合わせ、さらに断裁を行った。
【0062】まず、積層体Fの接着剤層(I)面の離型フ
ィルムを剥離しながら、透明ポリエチレンテレフタレー
トフィルム”ルミラー”(タイプ100T60)と貼り
合わせた。この時のラミネートロールの表面温度は90
℃であった。同様にして接着剤層(II)面と貼り合わせ
た。
【0063】積層体Fの両面に透明ポリエチレンテレフ
タレートフィルム”ルミラー”(タイプ100T60)
を貼り合わせたものを、トムソン型断裁機を用いて10
0枚断裁した結果、接着剤層のにじみだしやトムソン刃
への接着剤層の付着は見られなかった。 (比較例1)積層体Aにおいて、ポリエステル樹脂の代
わりにアクリル系粘着剤(一方社油脂工業(株)製AS
−922)を用いた以外は、同様にして両面に粘着剤付
きの比較例用積層体を得た。
【0064】積層体Dを用いて東レ(株)製透明ポリエ
チレンテレフタレートフィルム”ルミラー”(タイプ1
00T60)と貼り合わせ、さらに断裁を行った。
【0065】まず、積層体Dの接着剤層(I)面の離型フ
ィルムを剥離しながら、透明ポリエチレンテレフタレー
トフィルム”ルミラー”(タイプ100T60)と貼り
合わせた。この時のラミネートロールの表面温度は40
℃であった。同様にして接着剤層(II)面と貼り合わせ
た。
【0066】積層体Dの両面に透明ポリエチレンテレフ
タレートフィルム”ルミラー”(タイプ100T60)
を貼り合わせたものを、トムソン型断裁機を用いて10
0枚断裁した結果、断裁部に粘着剤のにじみだしがみら
れ、トムソン刃への粘着剤の付着も見られた。
【0067】さらに、実施例6〜実施例10、比較例2
については、以下の積層体A1〜積層体A6を用いて、基材
を張り合わせた。 (1)積層体A1 破断伸度:長さ方向100%/幅方向90%の東レ
(株)製白色ポリエチレンテレフタレートフィルム”ル
ミラー”(タイプ100E20)を基材(a)とし、また
塗布液として、軟化点100℃、ショアD硬度28のポ
リエステル樹脂(東レ(株)製ケミットR99)をトル
エン/MEK=4/1で溶解し、30%溶液を用意し
た。30%の塗布液をコンマコータにてシリコーン系離
型フィルム(ベースフィルムは東レ(株)製透明ポリエ
チレンテレフタレートフィルム”ルミラー”(タイプ5
0S10) 剥離力:30g/25mm)に塗布し、1
20℃で2分間乾燥して100E20と貼り合わせた。
同様にして両面にホットメルト接着剤付きの積層体を得
た。ホットメルト接着剤層(I)及び接着剤層(II)の厚さ
はそれぞれ25μmであった。 (2)積層体A2 破断伸度:長さ方向100%/幅方向90%の東レ
(株)製白色ポリエチレンテレフタレートフィルム”ル
ミラー”(タイプ100E20)を基材(a)とし、また
塗布液として、軟化点100℃、ショアD硬度28のポ
リエステル樹脂(東レ(株)製ケミットR99)をトル
エン/MEK=4/1で溶解し、30%溶液を用意し
た。30%の塗布液をコンマコータにてシリコーン系離
型フィルム(ベースフィルムは東レ(株)製透明ポリエ
チレンテレフタレートフィルム”ルミラー”(タイプ5
0S10) 剥離力:30g/25mm)に塗布し、1
20℃で2分間乾燥して(接着剤層(I)、厚さ30μ
m)100E20と貼り合わせた。
【0068】同様にして、シリコーン系離型フィルム
(ベースフィルムは東レ(株)黒色ポリエチレンテレフ
タレートフィルム”ルミラー”(タイプ50X30)
剥離力:20g/25mm)に上記ポリエステル樹脂を
塗布し、120℃で2分間乾燥して(接着剤層(II)、厚
さ20μm)100E20面と貼り合わせて、両面にホ
ットメルト接着剤付きの積層体を得た。 (3)積層体A3 破断伸度:長さ方向60%/幅方向80%の東レ(株)
製ポリフェニレンスルフィドフィルム”トレリナ”(厚
さ50μm)を基材(a)とし、また塗布液として、軟化
点105℃、ショアD硬度30のポリエステル樹脂(東
亞合成(株)製アロンメルト)のトルエン/MEK=4
/1の30%溶液を用意した。30%の塗布液をコンマ
コータにてシリコーン系離型フィルム(ベースフィルム
は東レ(株)製透明ポリエチレンテレフタレートフィル
ム”ルミラー”(タイプ50S10) 剥離力:30g
/25mm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して(接
着剤層(I)、厚さ25μm)“トレリナ”と貼り合わせ
た。 同様にして、シリコーン系離型フィルム(ベース
フィルムは東レ(株)黒色ポリエチレンテレフタレート
フィルム”ルミラー”(タイプ50X30) 剥離力:
20g/25mm)に、塗布液として30%ウレタン樹
脂水溶液(大日本インキ化学工業(株)製ハイドランA
P−20 軟化点95℃、ショア硬度15)を塗布し、
130℃で2分間乾燥して(接着剤層(II)、厚さ25μ
m)“トレリナ”面と貼り合わせて、両面にホットメル
ト接着剤付きの積層体を得た。 (4)積層体A4(比較例) 積層体Aにおいて、白色ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム”ルミラー”(タイプ100E20)の代わりに
破断伸度:長さ方向170%、幅方向160%のポリプ
ロピレンフィルム(厚さ50μm)を用いた以外は、同
様にして両面にホットメルト接着剤付きの比較例用積層
体を得た。 (5)積層体A5 破断伸度:長さ方向100%/幅方向90%の東レ
(株)製白色ポリエチレンテレフタレートフィルム”ル
ミラー”(タイプ100E20)を基材(a)とし、また
塗布液として、軟化点90℃、ショアD硬度10のポリ
エステル樹脂(東亞合成(株)製アロンメルトPES−
345S30:トルエン/MEK=4/1の30%溶
液)を用意した。該塗布液をコンマコータにてシリコー
ン系離型フィルム(ベースフィルムは東レ(株)製透明
ポリエチレンテレフタレートフィルム”ルミラー”(タ
イプ50S10) 剥離力:30g/25mm)に塗布
し、120℃で2分間乾燥して100E20と貼り合わ
せた。同様にして両面にホットメルト接着剤付きの積層
体を得た。ホットメルト接着剤層(I)及び接着剤層(II)
の厚さはそれぞれ25μmであった。 (6)積層体A6 破断伸度:長さ方向100%/幅方向90%の東レ
(株)製白色ポリエチレンテレフタレートフィルム”ル
ミラー”(タイプ100E20)を基材(a)とし、また
塗布液として、軟化点90℃、ショアD硬度10のポリ
エステル樹脂(東亞合成(株)製アロンメルトPES−
345S30:トルエン/MEK=4/1の30%溶
液)に平均粒子径1.8μmの無機粒子(富士シリシア
(株)製サイリシア350)を固形分重量比が100/
15になるように混合・分散した溶液を用意した。該塗
布液をコンマコータにてシリコーン系離型フィルム(ベ
ースフィルムは東レ(株)製透明ポリエチレンテレフタ
レートフィルム”ルミラー”(タイプ50S10) 剥
離力:30g/25mm)に塗布し、120℃で2分間
乾燥して100E20と貼り合わせた。同様にして両面
にホットメルト接着剤付きの積層体を得た。ホットメル
ト接着剤層(I)及び接着剤層(II)の厚さはそれぞれ25
μmであった。 (実施例6)積層体A1を用いて、東レ(株)製透明ポリ
エチレンテレフタレートフィルム”ルミラー”(タイプ
25S10)と貼り合わせ、さらに断裁を行った。
【0069】まず、積層体A1の接着剤層(I)面の離型フ
ィルムを剥離しながら、透明ポリエチレンテレフタレー
トフィルム”ルミラー”(タイプ25S10)と貼り合
わせた。この時のラミネートロールの表面温度は85℃
であった。同様にして接着剤層(II)面と貼り合わせた。
【0070】積層体A1の両面に透明ポリエチレンテレフ
タレートフィルム”ルミラー”(タイプ25S10)を
貼り合わせたものを、トムソン型断裁機を用いて100
枚断裁した結果、白色ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム”ルミラー”(タイプ100E20)の断裁部のバ
リ発生もなく、また、接着剤層のにじみだしやトムソン
刃への接着剤層の付着は見られなかった。 (実施例7)積層体A2の接着剤層(I)面の離型フィルム
を剥離しながら、ポリフェニレンスルフィドフィルム”
トレリナ”(厚さ25μm)と貼り合わせた。この時の
ラミネートロールの表面温度は85℃であった。同様に
して接着剤層(II)面と東レ(株)製白色ポリエチレンテ
レフタレートフィルム”ルミラー”(タイプ50E6
0)貼り合わせた。
【0071】積層体A2の両面にポリフェニレンスルフィ
ドフィルム”トレリナ”(厚さ25μm)及び白色ポリ
エチレンテレフタレートフィルム”ルミラー”(タイプ
50E60)を貼り合わせたものを、トムソン型断裁機
を用いて100枚断裁した結果、白色ポリエチレンテレ
フタレートフィルム”ルミラー”(タイプ100E2
0)の断裁部のバリ発生もなく、また、接着剤層のにじ
みだしやトムソン刃への接着剤層の付着は見られなかっ
た。さらに、離型フィルムのベースフィルムの色を判別
可能なものとしたため、貼り合わせる接着剤層面を間違
えることなく作業できた。 (実施例8)積層体A3を用いて実施例1と同様にして貼
り合わせた。積層体Cの両面に透明ポリエチレンテレフ
タレートフィルム”ルミラー”(タイプ25S10)を
貼り合わせたものを、トムソン型断裁機を用いて100
枚断裁した結果、ポリフェニレンスルフィドフィルム”
トレリナ”(厚さ50μm)の断裁部のバリ発生もな
く、また、接着剤層のにじみだしやトムソン刃への接着
剤層の付着は見られなかった。 (実施例9)積層体A5を用いて、東レ(株)製透明ポリ
エチレンテレフタレートフィルム”ルミラー”(タイプ
100T60)と貼り合わせ、さらに断裁を行った。
【0072】まず、積層体Eの接着剤層(I)面の離型フ
ィルムを剥離しながら、透明ポリエチレンテレフタレー
トフィルム”ルミラー”(タイプ100T60)と貼り
合わせた。この時のラミネートロールの表面温度は85
℃であった。同様にして接着剤層(II)面と貼り合わせ
た。
【0073】積層体A5の両面に透明ポリエチレンテレフ
タレートフィルム”ルミラー”(タイプ100T60)
を貼り合わせたものを、トムソン型断裁機を用いて10
0枚断裁した結果、白色ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム”ルミラー”(タイプ100E20)の断裁部の
バリ発生もなく、また、接着剤層のにじみだしやトムソ
ン刃への接着剤層の付着が僅かに認められるものの実用
上問題ないものであった。 (実施例10)積層体A6を用いて、東レ(株)製透明ポ
リエチレンテレフタレートフィルム”ルミラー”(タイ
プ100T60)と貼り合わせ、さらに断裁を行った。
【0074】まず、積層体Fの接着剤層(I)面の離型フ
ィルムを剥離しながら、透明ポリエチレンテレフタレー
トフィルム”ルミラー”(タイプ100T60)と貼り
合わせた。この時のラミネートロールの表面温度は85
℃であった。同様にして接着剤層(II)面と貼り合わせ
た。
【0075】積層体A6の両面に透明ポリエチレンテレフ
タレートフィルム”ルミラー”(タイプ100T60)
を貼り合わせたものを、トムソン型断裁機を用いて10
0枚断裁した結果、白色ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム”ルミラー”(タイプ100E20)の断裁部の
バリ発生もなく、また、接着剤層のにじみだしやトムソ
ン刃への接着剤層の付着は見られなかった。 (比較例2)積層体A4を用いて東レ(株)製透明ポリエ
チレンテレフタレートフィルム”ルミラー”(タイプ2
5S10)と貼り合わせ、さらに断裁を行った。
【0076】まず、積層体A4の接着剤層(I)面の離型フ
ィルムを剥離しながら、透明ポリエチレンテレフタレー
トフィルム”ルミラー”(タイプ25S10)と貼り合
わせた。この時のラミネートロールの表面温度は85℃
であった。同様にして接着剤層(II)面と貼り合わせた。
【0077】積層体A4の両面に透明ポリエチレンテレフ
タレートフィルム”ルミラー”(タイプ25S10)を
貼り合わせたものを、トムソン型断裁機を用いて100
枚断裁した結果、ポリプロピレンフィルム(厚さ50μ
m)の断裁部にバリが発生した。
【0078】
【発明の効果】本発明の積層体は、離型材(i)/接着剤
層(I)/基材(a)/接着剤層(II)/離型材(ii)からなる積
層体において、接着剤の塗布・貼り合わせ工程やスリッ
ト工程等で離型材の浮きやシワの発生や迷い巻き等が発
生せず、また他の基材と貼り合わせたときに接着剤層が
にじみ出したり、又、断裁時に刃に接着剤層が付着する
ことなく、寸法精度の高い断裁品を得ることが出来る。
そのため、プリペイドカード等の各種カード用や、血液
や尿等生体液の検査用、さらには食品の原料や製品中の
特定成分の検査用の貼り合わせ基材などの用途において
も好ましく用いることが出来る。
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Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型材(i)/接着剤層(I)/基材(a)/接
    着剤層(II)/離型材(ii)からなる積層体において、離型
    材(i)と接着剤層(I)、および離型材(ii)と接着剤層(II)
    の剥離力が10〜300g/25mmであることを特徴
    とする離型用積層体(A)。
  2. 【請求項2】 離型材(i)および離型材(ii)の残留接着
    率が70%以上であることを特徴とする請求項1記載の
    離型用積層体(A)。
  3. 【請求項3】 基材(a)がポリエステルフィルムである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の離型用積層
    体(A)。
  4. 【請求項4】 基材(a)が白色ポリエステルフィルムで
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    離型用積層体(A)。
  5. 【請求項5】 接着剤層(I)と接着剤層(II)が、軟化点
    70〜150℃および/またはショアD硬度が5〜70
    である樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の離型用積層体(A)。
  6. 【請求項6】接着剤層(I)と接着剤層(II)が、軟化点7
    0〜150℃および/またはショアD硬度が5〜70で
    ある樹脂と無機粒子からなり、樹脂/無機粒子の混合重
    量比が100/1〜100/30であることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載の離型用積層体(A)。
  7. 【請求項7】 離型材(i)および離型材(ii)の色および
    /または材質が異なることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれかに記載の離型用積層体(A)。
  8. 【請求項8】 離型材(i)に接着剤層(I)を塗布し基材
    (a)に貼り合わせ、離型材(i)/接着剤層(I)/基材(a)と
    し、離型材(ii)に接着剤層(II)を塗布し、離型材(i)/
    接着剤層(I)/基材(a)の基材(a)面に接着剤層(II)を貼
    り合わせる離型用積層体(A)の製造方法であって、接着
    剤層(I)と接着剤層(II)の軟化点70〜150℃および
    /またはショアD硬度が5〜70である樹脂からなるも
    のを用いることを特徴とする製造方法。
  9. 【請求項9】 破断伸度が40〜150%である基材
    (a)を用いることを特徴とする基材(b)/接着剤層(I)/
    基材(a)/接着剤層(II)/基材(c)からなる積層体(B)。
  10. 【請求項10】 基材(a)がポリエステルフィルムであ
    ることを特徴とする請求項9に記載の積層体(B)。
  11. 【請求項11】 基材(b)および/または基材(c)がプラ
    スチックフィルムであることを特徴とする請求項9また
    は10に記載の積層体(B)。
  12. 【請求項12】 基材(a)が白色ポリエステルフィルム
    であることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記
    載の積層体(B)。
  13. 【請求項13】 接着剤層(I)と接着剤層(II)が、軟化
    点70〜150℃および/またはショアD硬度が5〜7
    0である樹脂からなることを特徴とする請求項9〜12
    のいずれかに記載の積層体(B)。
  14. 【請求項14】接着剤層(I)と接着剤層(II)が、軟化点
    70〜150℃および/またはショアD硬度が5〜70
    である樹脂と無機粒子からなり、樹脂/無機粒子の混合
    重量比が100/1〜100/30であることを特徴と
    する請求項9〜13のいずれかに記載の積層体(B)。
  15. 【請求項15】 離型材(i)/接着剤層(I)/基材(a)/
    接着剤層(II)/離型材(ii)からなる離型用積層体(A)に
    おいて、離型材(i)を剥離して基材(b)を貼り合わせ、さ
    らに/または同時に、離型材(ii)を剥離して基材(c)を
    貼り合わせることを特徴とする請求項9〜請求項14の
    いずれかに記載の積層体(B)の製造方法。
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