JP2003062910A - 無溶剤ラミネート方法 - Google Patents

無溶剤ラミネート方法

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JP2003062910A
JP2003062910A JP2001253000A JP2001253000A JP2003062910A JP 2003062910 A JP2003062910 A JP 2003062910A JP 2001253000 A JP2001253000 A JP 2001253000A JP 2001253000 A JP2001253000 A JP 2001253000A JP 2003062910 A JP2003062910 A JP 2003062910A
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JP2001253000A
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English (en)
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Yoshinori Konno
義紀 今野
Tadashi Saito
匡史 斉藤
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Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Ukima Chemicals and Color Mfg Co Ltd
Original Assignee
Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Ukima Chemicals and Color Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無溶剤型接着剤を用いた無溶剤ラミネート法
で、プラスチックシートおよび/またはプラスチックフ
ィルムを基材とする濡れ性に起因する外観不良及び接着
強度の低下が改善され、又、無溶剤に起因する外観不良
が改善されたラミネート品の製造方法を提供する。 【解決手段】 無溶剤型接着剤を用いてプラスチックフ
ィルムおよび/またはプラスチックシートを基材とする
ラミネート製品を製造する方法において、無溶剤型接着
剤を塗工する前に、一方の基材の無溶剤型接着剤塗工面
をインラインコロナ放電処理することを特徴とする無溶
剤ラミネート方法及びインラインコロナ放電処理された
基材に無溶剤型接着剤を塗工した後、他方の基材とラミ
ネートするまでの間に、無溶剤型接着剤塗工基材を加熱
処理する無溶剤ラミネート方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無溶剤型接着剤を用
いた無溶剤ラミネート方法に関する。さらに詳しくは、
濡れ性の悪いフィルム面やインキ面の濡れ性を改善し、
接着強度や外観に優れたラミネート品を無溶剤ラミネー
ト法で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】包装材料および工業材料として、各種の
プラスチックフィルムおよびシートなどを接着剤を用い
て複合し、それぞれの材料の特質を活かしたラミネート
品が多く使用されている。複合方法としては、無溶剤ラ
ミネート法またはドライラミネート法が一般的に用いら
れており、その複合用接着剤として、プラスチックフィ
ルム同士の場合には、ポリウレタンプレポリマー系の無
溶剤接着剤を使用することができる。
【0003】しかし、従来の無溶剤ラミネート法では、
濡れ姓の悪いフィルム面やインキ面のあるプラスチック
基材を用いることから、ラミネート品には濡れに起因す
る「はじき」による「浮き」と称される外観不良の発生
や接着強度が低下する問題、また無溶剤に起因する「ゆ
ず肌」様の外観不良が生じることがあり、改善が要望さ
れている。良好な外観が要求される用途には、従来から
溶剤系のドライラミネート法が用いられており、無溶剤
に起因する外観不良は生じない。しかしながら、環境に
対する配慮から、環境にやさしい無溶剤型接着剤を用い
た無溶剤ラミネート法が要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、無溶剤型
接着剤を用いた無溶剤ラミネート法で、プラスチックシ
ートおよび/またはプラスチックフィルムを基材とする
濡れ性に起因する外観不良及び接着強度の低下が改善さ
れ、又、無溶剤に起因する外観不良が改善されたラミネ
ート品の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、無溶剤ラミネー
ト法では引火点の低い溶剤を使用しないため、無溶剤型
接着剤を基材に塗工する前に、基材の接着剤塗工面のイ
ンラインコロナ放電処理が可能であることに着目し、無
溶剤型接着剤を塗工する前に基材の接着剤塗工面をイン
ラインコロナ放電処理することによって、通常では濡れ
性が悪く、実用的な接着強度や外観を有するラミネート
品が得られないフィルムやインキ面を有する基材を用い
ても、実用上十分な接着強度や良好な外観を有するラミ
ネート品が得られること、また無溶剤型接着剤が塗工さ
れた基材を、他方の基材とラミネートするまでに加熱処
理することで無溶剤に起因する外観不良も改善されるこ
とを見いだし、本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は、無溶剤型接着剤を用いて
プラスチックフィルムおよび/またはプラスチックシー
トを基材とするラミネート製品を製造する方法におい
て、一方の基材に無溶剤型接着剤を塗工する前に、基材
の接着剤塗工面をインラインコロナ放電処理することを
特徴とする無溶剤ラミネート方法及びインラインコロナ
放電処理された基材に無溶剤型接着剤を塗工した後、他
方の基材とラミネートするまでの間に、無溶剤型接着剤
塗工基材を加熱処理する無溶剤ラミネート方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の特徴は、無溶剤型接着剤を用いて無溶剤ラ
ミネート法でプラスチックフィルムおよび/またはプラ
スチックシートを基材とするラミネート品を製造する際
に、上記の基材の一方の接着剤塗工面に無溶剤型接着剤
を塗工する前にインラインコロナ放電処理することであ
る。上記の基材は、予めコロナ放電処理等の表面処理が
施されたものでも、表面処理されていないものでもよ
い。
【0008】本発明のラミネート製品の製造方法は、一
方の基材に無溶剤型接着剤を塗工する前に、基材の接着
剤塗工面をインラインコロナ放電処理すること以外は従
来の無溶剤ラミネート法と全く同じである。ラミネータ
ーは、従来公知の無溶剤型ラミネーターが使用でき、ラ
ミネーターは特に限定されない。また、インラインコロ
ナ放電処理の方法としては、従来公知のプラスチックフ
ィルムまたはシート用のコロナ放電装置がいずれも使用
でき、特に制限されない。例えば、一般的な第二給紙用
コロナ放電装置を第一給紙側にも設置する方法が好まし
い。
【0009】本発明で使用する無溶剤型接着剤は、特に
限定されず、例えば、末端がOH基のポリウレタンプレ
ポリマー、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリ
オール、ポリエステルエーテルポリオール、これらのポ
リオールの一部をポリイソシアネートでウレタン化した
もの、末端がNCO基のポリウレタンプレポリマー等が
挙げられる。これらの好ましい重量平均分子量は500
〜5000である。又、無溶剤型接着剤には、一液型
(主剤のみ)及び二液型(主剤と硬化剤)接着剤が含ま
れる。
【0010】ポリエステルポリオールとしては、例え
ば、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバチン酸等の多価カルボン酸もしくはそのジ
アルキルエステル又はこれらの混合物と、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ルや1,6−ヘキサンジオール等のグリコール類の少な
くとも1種とをエステル交換反応させて得られるもの、
ε−カプロラクトン等のラクトンの開環重合体であるポ
リカプロラクトンジオール等が挙げられる。
【0011】ポリエーテルポリオールとしては、例え
ば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレン
オキシドやテトラヒドロフラン等のオキラン化合物を、
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、
トリメチロールプロパンやグリセリン等の低分子ポリオ
ールを重合開始剤として重合して得られるポリエーテル
ポリオールが挙げられる。
【0012】ポリエステルエーテルポリオールとして
は、例えば、上記の多価カルボン酸もしくはそのジアル
キルエステル又はこれらの混合物と、上記のポリエーテ
ルポリオールを反応させて得られるもの等が挙げられ
る。
【0013】末端がOH基又はNCO基であるポリウレ
タンプレポリマーとしては、ポリエステルポリウレタン
系とポリエーテルポリウレタン系とがあるが、いずれも
原料成分のポリオールとポリイソシアネートとをOH/
NCOの当量比が1より大きく、又は1より小さくなる
ように使用して反応させることで得ることができる。ポ
リエステルポリオール及びポリエーテルポリオールとし
ては、それぞれ上記のポリオールが挙げられる。
【0014】ポリイソシアネートとしては、従来公知の
ポリウレタンの製造に使用されるポリイソシアネートが
いずれも使用できる。例えば、2,4(又は2,6)−
トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイ
ソシアネート、m(又はp)−フェニレンジイソシアネ
ート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)等の芳香族系イソシアネート化合物;テトラ
メチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジ
イソシアネート(HDI)等の脂肪族系イソシアネート
化合物;1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加キ
シリレンジイソシアネート、水素添加MDI(H−MD
I)等の脂環式系イソシアネート化合物が挙げられる。
【0015】上記の末端OH系無溶剤型接着剤の主剤と
ともに使用される硬化剤は、2官能以上のポリイソシア
ネートであり、例えば、上記のイソシアネート化合物及
びそれから誘導されるイソシアヌレート、ビューレッ
ト、アロファネート等の2官能又は3官能以上の多官能
イソシアネート化合物、上記のイソシアネート化合物と
トリメチロールプロパン、グリセリン等の3官能以上の
ポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシア
ネート基含有の多官能イソシアネート化合物等が挙げら
れる。
【0016】又、上記の末端イソシアネート系無溶剤型
接着剤の主剤とともに使用される硬化剤は、少なくとも
2個の活性水素を有する活性水素含有化合物であり、例
えば、前記のポリオール及びその一部をポリイソシアネ
ートでウレタン化したウレタンポリオール等が挙げられ
る。
【0017】本発明で上記の無溶剤型接着剤を用いてラ
ミネートするプラスチックフィルム及びシートは、従来
から種々の用途のラミネート製品の製造に使用されてい
るものがいずれも使用でき、特に限定されない。例え
ば、ポリエステル(PETが代表的)、ナイロン、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニルコポ
リマー(EVA)、エチレン−ビニルアルコール系コポ
リマー(EVAOH)等のフィルム(無延伸、一軸又は
二軸延伸)及びシートである。
【0018】本発明で使用される無溶剤接着剤が、二液
型接着剤の場合、主剤と硬化剤の使用割合は、主剤が末
端OH型の無溶剤接着剤ではNCO基とOH基のモル比
(NCO/OH)が、又末端イソシアネート型無溶剤接
着剤ではOH/NCO(モル比)が、それぞれ1.5〜
2.5となる範囲の量が好ましい。いずれの場合も、上
記の各モル比が1.5未満では硬化後の接着強度が劣
り、2.5を超えると硬化が遅くなり、エージングに時
間がかかり、又泡の発生の原因となる。
【0019】ラミネート製品を無溶剤型ラミネーターを
使用して製造する場合、一方の基材のインラインコロナ
放電処理された接着剤塗工面に、無溶剤型接着剤を、例
えば、二液供給装置とミキサーで主剤と硬化剤を60〜
90℃程度の温度で混合し、混合直後に金属ロールとゴ
ムロールを組み合わせたコーティングユニットに供給す
る。コーティングユニットの金属ロールを上記の温度に
加熱して、一方の基材の一方の面に0.5〜2g/m2
程度の厚みに塗工し、塗工後すぐに他方の基材とラミネ
ートされ、巻き取られた状態で35〜40℃程度の温度
で24〜72時間エージングして硬化させる。この方法
でラミネート製品に無溶剤型接着剤を使用することに起
因する「ゆず肌」様の外観不良が発生する場合には、接
着剤が塗工された一方の基材を他方の基材とラミネート
する前に加熱処理することでこの外観不良の発生は防止
される。
【0020】加熱処理は、接着剤が塗工された基材を接
着剤の塗工温度(上記の接着剤の温度)よりも少なくと
も5℃、好ましくは10℃以上高い温度で加熱処理し、
その後に他方の基材とラミネートする。この加熱処理に
よりラミネート製品の上記の如き外観不良の発生は防止
される。加熱処理は、例えば、接着剤塗工後の基材を上
記温度に加熱したスムージングロールと接触させる方
法、上記基材に上記温度に加熱した熱風を当てる方法、
あるいは赤外線を照射する方法などが挙げられるが、こ
れらの方法に限定されるものではない。加熱処理された
基材は、上記同様に他方の基材とラミネートされ、エー
ジングして硬化させる。この加熱処理により無溶剤型接
着剤を使用することに起因する外観不良が解消され、良
好な外観を有するラミネート製品を製造することができ
る。
【0021】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。 実施例1 ポリエーテルポリウレタンプレポリマー(末端NCO
基)を主剤とする無溶剤型接着剤(大日精化工業社製ノ
ンソルボンドXC−235(主剤A))とポリオール硬
化剤(大日精化工業社製ノンソルボンドXA−129
(硬化剤B))を、重量比10:4で、60℃に温度調
整された2液供給装置に仕込み、ミキサー、スクイズロ
ール方式のコーターを使用し、インラインコロナ放電処
理した厚さ25μmの2軸延伸ナイロンフィルムに2.
0g/m2 塗工し、厚さ0.2mmのポリエチレンシー
トを貼り合わせ、40℃で48時間放置した後、接着強
度と外観の確認試験を行った。結果を表1に示す。
【0022】実施例2 実施例1で使用した主剤Aと硬化剤Bを、重量比10:
4で、60℃に温度調整された2液供給装置に仕込み、
ミキサー、スクイズロール方式のコーターを使用し、イ
ンラインコロナ放電処理した厚さ25μmの2軸延伸ナ
イロンフィルムに2.0g/m2 塗工し、厚さ60μm
のポリエチレンフィルムを貼り合わせ、40℃で48時
間放置した後、接着強度と目視による外観の確認試験を
行った。結果を表1に示す。
【0023】実施例3 実施例1において、無溶剤型接着剤をナイロンフィルム
に塗工した後、90℃に加熱されたスムージングロール
で表面均し処理した後、厚さ0.2mmのポリエチレン
フィルムとラミネートし、40℃で48時間放置した。
得られたラミネート製品の外観を目視で評価した。評価
結果を表1に示す。
【0024】実施例4 実施例2において、無溶剤型接着剤をナイロンフィルム
に塗工した後、120℃の熱風乾燥炉で1秒加熱した
後、厚さ60μmのポリエチレンシートとラミネート
し、40℃で48時間放置し、得られたラミネート製品
の外観を目視により評価した。評価結果を表1に示す。
【0025】比較例1 実施例1で使用した主剤Aと硬化剤Bを、重量比10:
4で、60℃に温度調整された2液供給装置に仕込み、
ミキサー、スクイズロール方式のコーターを使用し、厚
さ25mの2軸延伸ナイロンフィルムに2.0g/m2
塗工し、ただちに、厚さ0.2mmのポリエチレンシー
トを貼り合わせ、40℃で48時間放置した後、接着強
度と外観の確認試験を行った。結果を表1に示す。
【0026】比較例2 実施例1で用いた主剤Aと硬化剤Bを、重量比10:4
で、60℃に温度調整された2液供給装置に仕込み、ミ
キサー、スクイズロール方式のコーターを使用し、厚さ
25μmの2軸延伸ナイロンフィルムに2.0g/m2
塗工し、ただちに厚さ60μmのポリエチレンフィルム
を貼り合わせ、40℃で48時間放置した後、外観の確
認試験を行った。結果を表1に示す。
【0027】
【0028】
【発明の効果】以上の本発明によれば、表面の濡れ性が
劣ったり、濡れ性の悪い印刷面を有するプラスチックフ
ィルムおよび/またはシートから構成される、実用上充
分な接着強度および良好な外観を有するラミネート品が
提供される。
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月24日(2001.8.2
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 無溶剤ラミネート方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無溶剤型接着剤を用
いた無溶剤ラミネート方法に関する。さらに詳しくは、
濡れ性の悪いフィルム面やインキ面の濡れ性を改善し、
接着強度や外観に優れたラミネート品を無溶剤ラミネー
ト法で製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】包装材料および工業材料として、各種の
プラスチックフィルムおよびシートなどを接着剤を用い
て複合し、それぞれの材料の特質を活かしたラミネート
品が多く使用されている。複合方法としては、無溶剤ラ
ミネート法またはドライラミネート法が一般的に用いら
れており、その複合用接着剤として、プラスチックフィ
ルム同士の場合には、ポリウレタンプレポリマー系の無
溶剤接着剤を使用することができる。
【0003】しかし、従来の無溶剤ラミネート法では、
濡れ姓の悪いフィルム面やインキ面のあるプラスチック
基材を用いることから、ラミネート品には濡れに起因す
る「はじき」による「浮き」と称される外観不良の発生
や接着強度が低下する問題、また無溶剤に起因する「ゆ
ず肌」様の外観不良が生じることがあり、改善が要望さ
れている。良好な外観が要求される用途には、従来から
溶剤系のドライラミネート法が用いられており、無溶剤
に起因する外観不良は生じない。しかしながら、環境に
対する配慮から、環境にやさしい無溶剤型接着剤を用い
た無溶剤ラミネート法が要望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、無溶剤型
接着剤を用いた無溶剤ラミネート法で、プラスチックシ
ートおよび/またはプラスチックフィルムを基材とする
濡れ性に起因する外観不良及び接着強度の低下が改善さ
れ、又、無溶剤に起因する外観不良が改善されたラミネ
ート品の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、無溶剤ラミネー
ト法では引火点の低い溶剤を使用しないため、無溶剤型
接着剤を基材に塗工する前に、基材の接着剤塗工面のイ
ンラインコロナ放電処理が可能であることに着目し、無
溶剤型接着剤を塗工する前に基材の接着剤塗工面をイン
ラインコロナ放電処理することによって、通常では濡れ
性が悪く、実用的な接着強度や外観を有するラミネート
品が得られないフィルムやインキ面を有する基材を用い
ても、実用上十分な接着強度や良好な外観を有するラミ
ネート品が得られること、また無溶剤型接着剤が塗工さ
れた基材を、他方の基材とラミネートするまでに加熱処
理することで無溶剤に起因する外観不良も改善されるこ
とを見いだし、本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は、無溶剤型接着剤を用いて
プラスチックフィルムおよび/またはプラスチックシー
トを基材とするラミネート製品を製造する方法におい
て、一方の基材に無溶剤型接着剤を塗工する前に、基材
の接着剤塗工面をインラインコロナ放電処理することを
特徴とする無溶剤ラミネート方法及びインラインコロナ
放電処理された基材に無溶剤型接着剤を塗工した後、他
方の基材とラミネートするまでの間に、無溶剤型接着剤
塗工基材を加熱処理する無溶剤ラミネート方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】次に本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の特徴は、無溶剤型接着剤を用いて無溶剤ラ
ミネート法でプラスチックフィルムおよび/またはプラ
スチックシートを基材とするラミネート品を製造する際
に、上記の基材の一方の接着剤塗工面に無溶剤型接着剤
を塗工する前にインラインコロナ放電処理することであ
る。上記の基材は、予めコロナ放電処理等の表面処理が
施されたものでも、表面処理されていないものでもよ
い。
【0008】本発明のラミネート製品の製造方法は、一
方の基材に無溶剤型接着剤を塗工する前に、基材の接着
剤塗工面をインラインコロナ放電処理すること以外は従
来の無溶剤ラミネート法と全く同じである。ラミネータ
ーは、従来公知の無溶剤型ラミネーターが使用でき、ラ
ミネーターは特に限定されない。また、インラインコロ
ナ放電処理の方法としては、従来公知のプラスチックフ
ィルムまたはシート用のコロナ放電装置がいずれも使用
でき、特に制限されない。例えば、一般的な第二給紙用
コロナ放電装置を第一給紙側にも設置する方法が好まし
い。
【0009】本発明で使用する無溶剤型接着剤は、特に
限定されず、例えば、末端がOH基のポリウレタンプレ
ポリマー、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリ
オール、ポリエステルエーテルポリオール、これらのポ
リオールの一部をポリイソシアネートでウレタン化した
もの、末端がNCO基のポリウレタンプレポリマー等が
挙げられる。これらの好ましい重量平均分子量は500
〜5000である。又、無溶剤型接着剤には、一液型
(主剤のみ)及び二液型(主剤と硬化剤)接着剤が含ま
れる。
【0010】ポリエステルポリオールとしては、例え
ば、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバチン酸等の多価カルボン酸もしくはそのジ
アルキルエステル又はこれらの混合物と、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ルや1,6−ヘキサンジオール等のグリコール類の少な
くとも1種とをエステル交換反応させて得られるもの、
ε−カプロラクトン等のラクトンの開環重合体であるポ
リカプロラクトンジオール等が挙げられる。
【0011】ポリエーテルポリオールとしては、例え
ば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレン
オキシドやテトラヒドロフラン等のオキラン化合物を、
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、
トリメチロールプロパンやグリセリン等の低分子ポリオ
ールを重合開始剤として重合して得られるポリエーテル
ポリオールが挙げられる。
【0012】ポリエステルエーテルポリオールとして
は、例えば、上記の多価カルボン酸もしくはそのジアル
キルエステル又はこれらの混合物と、上記のポリエーテ
ルポリオールを反応させて得られるもの等が挙げられ
る。
【0013】末端がOH基又はNCO基であるポリウレ
タンプレポリマーとしては、ポリエステルポリウレタン
系とポリエーテルポリウレタン系とがあるが、いずれも
原料成分のポリオールとポリイソシアネートとをOH/
NCOの当量比が1より大きく、又は1より小さくなる
ように使用して反応させることで得ることができる。ポ
リエステルポリオール及びポリエーテルポリオールとし
ては、それぞれ上記のポリオールが挙げられる。
【0014】ポリイソシアネートとしては、従来公知の
ポリウレタンの製造に使用されるポリイソシアネートが
いずれも使用できる。例えば、2,4(又は2,6)−
トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイ
ソシアネート、m(又はp)−フェニレンジイソシアネ
ート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
(MDI)等の芳香族系イソシアネート化合物;テトラ
メチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジ
イソシアネート(HDI)等の脂肪族系イソシアネート
化合物;1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加キ
シリレンジイソシアネート、水素添加MDI(H−MD
I)等の脂環式系イソシアネート化合物が挙げられる。
【0015】上記の末端OH系無溶剤型接着剤の主剤と
ともに使用される硬化剤は、2官能以上のポリイソシア
ネートであり、例えば、上記のイソシアネート化合物及
びそれから誘導されるイソシアヌレート、ビューレッ
ト、アロファネート等の2官能又は3官能以上の多官能
イソシアネート化合物、上記のイソシアネート化合物と
トリメチロールプロパン、グリセリン等の3官能以上の
ポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシア
ネート基含有の多官能イソシアネート化合物等が挙げら
れる。
【0016】又、上記の末端イソシアネート系無溶剤型
接着剤の主剤とともに使用される硬化剤は、少なくとも
2個の活性水素を有する活性水素含有化合物であり、例
えば、前記のポリオール及びその一部をポリイソシアネ
ートでウレタン化したウレタンポリオール等が挙げられ
る。
【0017】本発明で上記の無溶剤型接着剤を用いてラ
ミネートするプラスチックフィルム及びシートは、従来
から種々の用途のラミネート製品の製造に使用されてい
るものがいずれも使用でき、特に限定されない。例え
ば、ポリエステル(PETが代表的)、ナイロン、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニルコポ
リマー(EVA)、エチレン−ビニルアルコール系コポ
リマー(EVAOH)等のフィルム(無延伸、一軸又は
二軸延伸)及びシートである。
【0018】本発明で使用される無溶剤接着剤が、二液
型接着剤の場合、主剤と硬化剤の使用割合は、NCO基
とOH基のモル比(NCO/OH)が、1.5〜2.5
となる範囲の量が好ましい。上のモル比が1.5未満
では硬化後の接着強度が劣り、2.5を超えると硬化が
遅くなり、エージングに時間がかかり、又泡の発生の原
因となる。
【0019】ラミネート製品を無溶剤型ラミネーターを
使用して製造する場合、一方の基材のインラインコロナ
放電処理された接着剤塗工面に、無溶剤型接着剤を、例
えば、二液供給装置とミキサーで主剤と硬化剤を60〜
90℃程度の温度で混合し、混合直後に金属ロールとゴ
ムロールを組み合わせたコーティングユニットに供給す
る。コーティングユニットの金属ロールを上記の温度に
加熱して、一方の基材の一方の面に0.5〜2g/m2
程度の厚みに塗工し、塗工後すぐに他方の基材とラミネ
ートされ、巻き取られた状態で35〜40℃程度の温度
で24〜72時間エージングして硬化させる。この方法
でラミネート製品に無溶剤型接着剤を使用することに起
因する「ゆず肌」様の外観不良が発生する場合には、接
着剤が塗工された一方の基材を他方の基材とラミネート
する前に加熱処理することでこの外観不良の発生は防止
される。
【0020】加熱処理は、接着剤が塗工された基材を接
着剤の塗工温度(上記の接着剤の温度)よりも少なくと
も5℃、好ましくは10℃以上高い温度で加熱処理し、
その後に他方の基材とラミネートする。この加熱処理に
よりラミネート製品の上記の如き外観不良の発生は防止
される。加熱処理は、例えば、接着剤塗工後の基材を上
記温度に加熱したスムージングロールと接触させる方
法、上記基材に上記温度に加熱した熱風を当てる方法、
あるいは赤外線を照射する方法などが挙げられるが、こ
れらの方法に限定されるものではない。加熱処理された
基材は、上記同様に他方の基材とラミネートされ、エー
ジングして硬化させる。この加熱処理により無溶剤型接
着剤を使用することに起因する外観不良が解消され、良
好な外観を有するラミネート製品を製造することができ
る。
【0021】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。 実施例1 ポリエーテルポリウレタンプレポリマー(末端NCO
基)を主剤とする無溶剤型接着剤(大日精化工業社製ノ
ンソルボンドXC−235(主剤A))とポリオール硬
化剤(大日精化工業社製ノンソルボンドXA−129
(硬化剤B))を、重量比10:4で、60℃に温度調
整された2液供給装置に仕込み、ミキサー、スクイズロ
ール方式のコーターを使用し、インラインコロナ放電処
理した厚さ25μmの2軸延伸ナイロンフィルムに2.
0g/m2 塗工し、厚さ0.2mmのポリエチレンシー
トを貼り合わせ、40℃で48時間放置した後、接着強
度と外観の確認試験を行った。結果を表1に示す。
【0022】実施例2 実施例1で使用した主剤Aと硬化剤Bを、重量比10:
4で、60℃に温度調整された2液供給装置に仕込み、
ミキサー、スクイズロール方式のコーターを使用し、イ
ンラインコロナ放電処理した厚さ25μmの2軸延伸ナ
イロンフィルムに2.0g/m2 塗工し、厚さ60μm
のポリエチレンフィルムを貼り合わせ、40℃で48時
間放置した後、接着強度と目視による外観の確認試験を
行った。結果を表1に示す。
【0023】実施例3 実施例1において、無溶剤型接着剤をナイロンフィルム
に塗工した後、90℃に加熱されたスムージングロール
で表面均し処理した後、厚さ0.2mmのポリエチレン
フィルムとラミネートし、40℃で48時間放置した。
得られたラミネート製品の外観を目視で評価した。評価
結果を表1に示す。
【0024】実施例4 実施例2において、無溶剤型接着剤をナイロンフィルム
に塗工した後、120℃の熱風乾燥炉で1秒加熱した
後、厚さ60μmのポリエチレンシートとラミネート
し、40℃で48時間放置し、得られたラミネート製品
の外観を目視により評価した。評価結果を表1に示す。
【0025】比較例1 実施例1で使用した主剤Aと硬化剤Bを、重量比10:
4で、60℃に温度調整された2液供給装置に仕込み、
ミキサー、スクイズロール方式のコーターを使用し、厚
さ25mの2軸延伸ナイロンフィルムに2.0g/m2
塗工し、ただちに、厚さ0.2mmのポリエチレンシー
トを貼り合わせ、40℃で48時間放置した後、接着強
度と外観の確認試験を行った。結果を表1に示す。
【0026】比較例2 実施例1で用いた主剤Aと硬化剤Bを、重量比10:4
で、60℃に温度調整された2液供給装置に仕込み、ミ
キサー、スクイズロール方式のコーターを使用し、厚さ
25μmの2軸延伸ナイロンフィルムに2.0g/m2
塗工し、ただちに厚さ60μmのポリエチレンフィルム
を貼り合わせ、40℃で48時間放置した後、外観の確
認試験を行った。結果を表1に示す。
【0027】
【0028】
【発明の効果】以上の本発明によれば、表面の濡れ性が
劣ったり、濡れ性の悪い印刷面を有するプラスチックフ
ィルムおよび/またはシートから構成される、実用上充
分な接着強度および良好な外観を有するラミネート品が
提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 匡史 東京都中央区日本橋馬喰町1−7−6 大 日精化工業株式会社内 Fターム(参考) 4F211 AA42 AC03 AD05 TA03 TC04 TD11 TH06 TH24 TN52 TN58

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無溶剤型接着剤を用いてプラスチックフ
    ィルムおよび/またはプラスチックシートを基材とする
    ラミネート製品を製造する方法において、一方の基材に
    無溶剤型接着剤を塗工する前に、基材の接着剤塗工面を
    インラインコロナ放電処理することを特徴とする無溶剤
    ラミネート方法。
  2. 【請求項2】 インラインコロナ放電処理された基材に
    無溶剤型接着剤を塗工した後、他方の基材とラミネート
    するまでの間に、無溶剤型接着剤塗工基材を加熱処理す
    る請求項1に記載の無溶剤ラミネート方法。
JP2001253000A 2001-08-23 2001-08-23 無溶剤ラミネート方法 Pending JP2003062910A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019051454A (ja) * 2017-09-13 2019-04-04 凸版印刷株式会社 接着剤塗工方法および塗工装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019051454A (ja) * 2017-09-13 2019-04-04 凸版印刷株式会社 接着剤塗工方法および塗工装置

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