JP2003062740A - 鏡面ウェーハの製造方法 - Google Patents

鏡面ウェーハの製造方法

Info

Publication number
JP2003062740A
JP2003062740A JP2001251433A JP2001251433A JP2003062740A JP 2003062740 A JP2003062740 A JP 2003062740A JP 2001251433 A JP2001251433 A JP 2001251433A JP 2001251433 A JP2001251433 A JP 2001251433A JP 2003062740 A JP2003062740 A JP 2003062740A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wafer
lapping
polishing
grinding
mirror
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001251433A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadahiro Kato
忠弘 加藤
Shigeyoshi Nezu
茂義 祢津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Handotai Co Ltd filed Critical Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority to JP2001251433A priority Critical patent/JP2003062740A/ja
Publication of JP2003062740A publication Critical patent/JP2003062740A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】高平坦度な鏡面ウェーハ、特にパターン寸法が
0.13μm以下の成膜工程が可能な鏡面ウェーハを製
造するための製造方法を提供する。 【解決手段】鏡面ウェーハを製造する方法において、少
なくともウェーハの一方の面を低ダメージラッピング加
工し、該ラッピング加工された加工面を鏡面研磨加工す
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鏡面ウェーハの製造
方法に関し、特にパターン寸法が0.13μm以下の成
膜工程が可能な高平坦度な鏡面ウェーハの製造方法に関
する。
【0002】
【関連技術】メモリーデバイスの高集積化と微細化のた
め、ウェーハ(基板)の大口径化とパターン寸法の縮小
化が行われている。従来、研磨加工された基板の平坦度
(SFQR)については、リソグラフィー等の成膜工程
の管理面から配線(パターン化)幅以下の平坦度がウェ
ーハに要求され、従来では平坦度(SFQR)が0.2
5μm以下であったが、近時では平坦度(SFQR)が
0.18μm以下または0.13μm以下のウェーハが
要求されるようになっている。
【0003】SFQR(Site Front Least Squares Ran
ge)とは、平坦度に関して表面基準の平均平面をサイト
毎に算出し、その面に対する凹凸の最大値を表した値で
ある。なお、サイトの大きさは、特別な記載がない限り
25mm×25mmで評価した。
【0004】例えば、200mm直径のウェーハで、記
憶容量1メガビット(1M)のDRAMでは、パターン
寸法が1.0〜0.8μmであったものが、4Mで0.
5μm、16Mで0.35μm、64Mで0.25μ
m、256Mで0.18μmのパターン寸法が要求さ
れ、一方300mm直径のウェーハで、記憶容量16M
のDRAMでは、パターン寸法が0.25μmであった
ものが、64Mで0.18μm、256Mで0.13μ
mのパターン寸法が要求されている。
【0005】また、ナノトポグラフィー(Nanotopograp
hy)〔ナノトポロジー(Nanotopology)とも言われる〕
と言われる大変微小な凹凸も問題になりつつある。ナノ
トポグラフィーは波長が0.1mmから20mm程度で
振幅が数nmから100nm程度の凹凸である。例え
ば、平面研削の条痕が研磨で残留するとこのナノトポグ
ラフィーの値が悪化する。
【0006】従来、メモリーデバイスなどに用いられる
半導体基板材料として用いられるシリコンウェーハの製
造方法は、図7の従来工程のフローチャートに示される
ごとく、一般にチョクラルスキー(Czochralski;C
Z)法や浮遊帯域溶融(Floating Zone;FZ)法等を
使用して単結晶インゴットを製造する単結晶成長工程
(300)と、この単結晶インゴットをスライスし、少
なくとも一主面が鏡面状に加工されるウェーハ加工工程
(302)を経た鏡面研磨ウェーハ上にデバイスを形成
するデバイス製造工程(304)からなる。
【0007】更に詳しくウェーハ加工工程(302)に
ついて示すと、単結晶インゴットをスライスして薄円板
状のウェーハを得るスライス工程(302a)と、該ス
ライス工程(302a)によって得られたウェーハの割
れ、欠けを防止するためにその外周部を面取りする面取
り工程(302b)と、このウェーハを平坦化するラッ
ピング工程(302c)と、面取り及びラッピングされ
たウェーハに残留する加工歪みを除去するエッチング工
程(302d)と、そのウェーハ表面を鏡面化するポリ
シング(研磨)工程(302e)と、研磨されたウェー
ハを洗浄して、これに付着した研磨剤や異物を除去する
洗浄工程(302f)を有している。上記ウェーハ加工
工程(302)は、主な工程を示したもので、他に熱処
理工程等の工程が加わったり、同じ工程を多段で行った
り、工程順が入れ換えられたりする。
【0008】平坦度の優れたウェーハを製造する方法と
して、エッチング工程を省略した工程が提案されてい
る。例えば、特開平8−236489号公報では、エッ
チング工程を省略し、ラッピング工程後に両面研磨を入
れた製造方法が提案されている。更に特開平9−977
75号公報は、ラッピング及びエッチングを省略した工
程、つまりシリコンインゴットを切断して得られた円板
状ウェーハを面取りした後に、そのウェーハの両面を一
次鏡面研磨し、ついで片面仕上研磨するウェーハの製造
方法が提案されている。
【0009】これらの製造方法は、エッチング工程がな
いものの両面研磨工程での削り代が大きく、研磨時間を
長時間要すると共に、研磨量が多いことから研磨により
周辺部がダレてしまうなどの問題が生じ、研磨により得
られるウェーハは平坦度(SFQR)0.13μm以下
の条件を満たすことが困難である。
【0010】また、上記研磨時間が長く要する欠点を解
決する基板の製造方法として、特開平9−270397
号公報は、インゴットを切断(スライス)してウェーハ
を得るインゴット切断工程と、切断されたウェーハの表
面または表裏面を平面研削する平面研削工程と、平面研
削されたウェーハをアルカリ溶液によりエッチングする
アルカリエッチング工程(研削により生じた2〜10μ
m深さの加工歪を解消するため)と、アルカリエッチン
グされたウェーハの周縁部を面取りする面取り工程と、
面取りされたウェーハの表面または表裏面を研磨する研
磨工程からなる製造方法を提案している。この方法では
平面研削及びアルカリエッチングなど平坦度を維持しや
すい工程を有し、さらに研磨工程での取り代が少なくな
り平坦度、特にウェーハ周辺部のダレが小さいウェーハ
が製造できる。
【0011】また、特開2000−243731号公報
にあるように、研磨前に平面研削をいれる場合もある。
これはアルカリエッチングされた表面を研削し、その後
鏡面研磨するものである。但し、研削工程を入れた場
合、研削条痕が残りやすいと言う問題もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ウェーハの研磨代が多
くなる(研磨時間が長くなる)と鏡面研磨ウェーハの平
坦度(SFQR)が悪くなる。一般に研磨工程ではウェ
ーハに対して複数段の研磨を行い研磨代が10μm程度
の研磨を行う。
【0013】このような研磨工程でのウェーハの研磨代
が多い製造方法では、平坦度(SFQR)0.13μm
以下の鏡面研磨ウェーハを製造することが困難である。
【0014】また、研削工程を含む工程では研削したウ
ェーハに研削条痕が存在してしまい、特にナノトポグラ
フィーの悪化、及び研磨代が増大し0.13μm以下の
平坦度が得られない。
【0015】本発明は、上記した問題点に鑑みなされた
もので、高平坦度な鏡面ウェーハ、特にパターン寸法が
0.13μm以下の成膜工程が可能な鏡面ウェーハを製
造するための製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の鏡面ウェーハの製造方法の第1の態様は、
少なくともウェーハの一方の面を低ダメージラッピング
加工し、該ラッピング加工された加工面を鏡面研磨加工
することを特徴とする。特に、上記ウェーハの少なくと
も一方の面が平面研削された面であり、上記低ダメージ
ラッピング加工により平面研削で生じた研削条痕を消去
した後、鏡面研磨加工するのが好適である。
【0017】このように、鏡面研磨前にラッピング加
工、特にウェーハ表面に加工歪みが少ないラッピング加
工を行うと、それ以前に加工されたうねり等をなくし、
高平坦度のウェーハを加工することができる。ラッピン
グ加工も平面研削加工と同様に高平坦度を維持できる加
工技術である。ラッピング加工は平面研削加工に比べダ
メージ(加工歪)が入りやすいが、遊離砥粒を用いて加
工するので平面研削加工で生じる研削条痕のようなもの
は発生しない。
【0018】従来、スライス工程後に行われていたラッ
ピング工程では、平坦度を出すために加工代が多く必要
で、その為に加工ダメージなども深くなっており、その
後エッチングなどで除去する必要があった。例えば、#
1200程度のラッピング砥粒を含むスラリーを用い鋳
鉄製のラッピング定盤でラッピングした場合7〜10μ
m程度の深さの加工ダメージが生じる。本発明方法にお
いては、研磨加工前にラッピング加工を行うため、ウェ
ーハの平坦度はその前段の加工段階で改善されており、
研削条痕やうねりと言った比較的微小な凹凸を無くすだ
けの加工であるため、ラッピングによるラッピング量も
少なくてすむ。
【0019】平面研削加工ではウェーハの形状を制御し
やすくまた加工歪みも小さいという利点があるが、ラッ
ピング加工でもラッピング代を小さくしダメージが入ら
ない様に加工することも可能である。つまり、ダメージ
がそれほど発生しない程度又はダメージが発生しないよ
うにラッピング工程を行えば良い。このように低ダメー
ジ(低加工歪)でラッピングすることにより、研削条痕
の影響やエッチングによるうねりの影響もなく研磨工程
での研磨代が少なくでき、高平坦度な鏡面ウェーハが製
造できる。
【0020】本発明方法における低ダメージ(低加工
歪)ラッピング加工とは、ラッピング加工における加工
ダメージ(加工歪)が深さ方向に5μm以下であるラッ
ピング加工を指称するものである。なお、この加工ダメ
ージはラッピングしたウェーハから長方形のチップを切
り出し、ラッピング面を深さ方向にtanθ=0.1の
傾斜をもって研磨(アングルポリッシュ)し、更に選択
エッチング液(JIS H0609で規定されているエッチ
ング液で50%フッ酸:61%硝酸:99%酢酸:水=
1:15:3:3(容積比)の液)で1分間エッチング
し、検出されるマイクロクラックを光学顕微鏡で観察
し、これを加工ダメージとして検出している。このマイ
クロクラックが検出される範囲と研磨した傾斜角等を考
慮に入れ深さに換算し加工ダメージ深さとした。この方
法は一般的にアングルポリッシュ法(或いは角度研磨
法)と言われる。
【0021】本発明の鏡面ウェーハの製造方法の第2の
態様は、シリコンインゴットを切断して円板状のスライ
スウェーハを得るスライス工程と、該スライスウェーハ
の表裏切断面を平面研削する研削工程と、該平面研削さ
れたウェーハの研削面をエッチング処理するエッチング
工程と、該エッチングされたウェーハの少なくとも一方
のエッチング処理面を低ダメージラッピング加工するラ
ッピング工程と、該ラッピング加工されたウェーハのラ
ッピング加工面を鏡面研磨加工するポリシング工程とか
ら成ることを特徴とする。
【0022】平面研削により高平坦度なウェーハを作製
し、エッチング処理により研削条痕および研削歪を低減
し、ラッピング加工によりエッチングにより生じた小さ
なうねり及び残留した研削条痕を取っているので、研磨
加工での取り代量が小さく済み、研磨加工時間の短縮化
が図れ、研磨加工時の平坦度のくずれが小さく、SFQ
Rが0.13μm以下のウェーハを得ることができる。
【0023】更に本発明の鏡面ウェーハの製造方法の第
3の態様は、シリコンインゴットを切断して円板状のス
ライスウェーハを得るスライス工程と、該スライスウェ
ーハの表裏切断面を平面研削する第1の研削工程と、該
平面研削されたウェーハの研削面をエッチング処理する
エッチング工程と、該エッチングされた少なくとも一方
の面を平面研削する第2の研削工程と、該平面研削され
たウェーハの少なくとも一方の研削面を低ダメージラッ
ピング加工するラッピング工程と、該ラッピング加工さ
れたウェーハのラッピング加工面を鏡面研磨加工するポ
リシング工程とから成ることを特徴とする。
【0024】エッチング処理により生じたうねりを第2
の研削工程で除去する。これは平面研削加工によれば、
ラッピング加工よりも形状制御が容易であるからであ
る。しかし、研削条痕が残存するため、このまま研磨し
たのでは研磨代を多くする必要が有り、平坦度が悪化し
てしまう。本発明方法のように低ダメージラッピング工
程を導入することにより、研削条痕を軽くラッピング
し、研削条痕をなくした状態で研磨することで、研磨加
工での取り代量が小さくてすみウェーハの平坦度(SF
QR)がさらに向上する。更に研磨条痕をなくした状態
で研磨しているためナノトポグラフィーの悪化もなく好
ましい。この第2の研削工程を入れることによりラッピ
ングによる取り代も低減できる。
【0025】本発明方法において用いられる低ダメージ
ラッピング加工における加工ダメージ深さ、換言すれば
ラッピング工程後の加工ダメージ深さを5μm以下にす
るのが好ましい。これは研磨工程での取り代量が増加す
ると、平坦度の悪化、特に外周ダレが生じるためであ
る。また研磨工程の取り代量が少ないと加工時間が少な
くて済み生産性も向上する。研磨条件などによっても若
干異なるが、研磨工程での取り代量は3〜6μm程度が
好ましい。これ以上の取り代になると平坦度が悪化す
る。研磨工程ではラッピング工程の加工ダメージ深さ以
上の取り代量が必要となるため、ラッピング工程でも加
工ダメージ深さを抑える必要がある。そこで加工ダメー
ジ深さを5μm以下とする事が好ましい。ラッピング工
程で加工ダメージが発生しない程度の加工条件、例え
ば、ラッピングスラリーの砥粒を小さくするとか荷重を
低くするなどにより行うことができる。
【0026】また、本発明方法において用いられる低ダ
メージラッピング加工におけるラッピング取り代は6μ
m以下とするのが望ましい。ラッピングによる取り代が
多いと形状を悪化させることもあるため、前工程で生じ
た研削条痕やうねりを消去する最低限のラッピング加工
を行うのが好適である。
【0027】さらに、ラッピング工程で用いる装置の定
盤として、従来は硬い鋳鉄製のラッピング定盤が用いら
れていたが、この定盤を比較的軟質な定盤にしてラッピ
ングしても良い。定盤として錫定盤を用いると容易にこ
のような低ダメージラッピング加工を行うことができ
る。錫定盤はシリコンウェーハ等のウェーハに傷をつけ
ることがない適度の硬さのラッピング定盤である。
【0028】本発明の製造方法が適用されるウェーハと
しては、シリコンウェーハの他に、化合物半導体ウェー
ハ等の半導体ウェーハを挙げることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明するが、図示例は例示的に示される
もので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変
形が可能なことはいうまでもない。
【0030】図1は、本発明の鏡面ウェーハの製造方法
の工程順の一例を示すフローチャートである。図1に示
すように、本発明方法は、シリコンインゴットを切断し
て円板状のウェーハを得るスライス工程(100)、切
断されたウェーハの表裏切断面を平面研削する研削工程
(102)、ウェーハの研削面を酸またはアルカリでエ
ッチング処理するエッチング工程(104)、デバイス
が形成される少なくとも一方のエッチング処理面を低ダ
メージでラッピング加工するラッピング工程(10
6)、ラッピング加工面を研磨加工するポリシング工程
(108)及び研磨加工されたウェーハを洗浄する洗浄
工程(110)を含む。
【0031】各工程の後には、それぞれウェーハの洗浄
が行われる。また、必要によりスライス工程(100)
と研削工程(102)の間などでウェーハの外周のエッ
ジ部を面取り加工する工程が付加されたり、更にエッジ
部の鏡面加工が行われる。
【0032】主要な工程について各工程毎に、更に詳し
く説明すると、スライス工程(100)は、シリコン単
結晶のインゴットを内周刃スライサーやワイヤーソーで
切断して円板状のウェーハを得る工程である。この工程
に用いられる装置は特に限定するものではないが、一般
的に市販されているスライス装置で加工すれば良い。現
状では、インゴットを切断して得られたスライスウェー
ハの平坦度は、TTV(Total Thickness Variation:
1枚のウェーハ中で最も厚い箇所と最も薄い箇所の厚さ
の差)で10〜20μmであり、しかも片面最大で30
μm位の深さまで加工歪を有し、かつ、数mmから数十
mmの周期でうねりを有する状態のウェーハ(スライス
ウェーハ)が得られる。
【0033】次の研削工程(102)で、スライスによ
る加工歪、そり、うねりを取り去りウェーハを平坦化す
る。研削工程(102)で用いられる平面研削装置や方
法についても特別な限定が存在するものではなく、公知
の両面平面研削装置や片面平面研削装置等及びそれらを
用いた公知の研削方法を用いることができる。両面平面
研削装置の一例を図2に示す。この両面平面研削装置1
0は横型両頭研削盤と呼ばれるもので、左右の駆動モー
タ12,14によって高速駆動される左側カップホイー
ル型砥石16と右側カップホイール型砥石18との間に
ウェーハWを不図示の回転装置により回転させながら挟
み込んでウェーハWの両面を左右のカップホイール型砥
石16,18で同時に研削できるようになっている。
【0034】片面平面研削装置の一例を図3に示す。こ
の片面平面研削装置20は、縦型インフィード型平面研
削盤と呼ばれるもので、砥石駆動モータ22によって回
転せしめられるカップホイール型砥石24と、ウェーハ
Wを上面に吸着固定しかつ回転テーブル駆動モータ28
によって回転せしめられる回転テーブル26とを有して
いる。上記カップホイール型砥石24をウェーハWに押
圧し、該カップホイール型砥石24及び該回転テーブル
26を互いに回転させることによってウェーハWの片面
を研削する。この片面を研削されたウェーハWに対して
は、ついで洗浄を行った後、反対面を研削する片面づつ
の表裏研削を行ってもよい。また、両面同時研削後、片
面を研削し、基板の表裏の区別ができるようにしてもよ
い。
【0035】研削時には、ウェーハWの表面に研削液が
供給される。研削液は水、または界面活性剤を少量含む
水が用いられる。カップホイール型砥石は、環状の台座
上に砥石片をスリットを設けて並べたもので、台座内側
に設けた溝に研削液が供給され、溝底に斜めに設けた孔
よりウェーハ表面上に供給され、ウェーハの回転により
遠心力を受けてウェーハ表面上を流れ、スリットよりウ
ェーハ外周方向へと研削液は流れる。研削取り代量は、
スライス時の加工歪、うねりを取り去る意味でウェーハ
表裏合計で50〜100μmで充分である。研削速度
は、10〜25μm/分が一般である。研削時の砥石の
回転数は、2,000〜6,000rpm、ウェーハの
回転数は1,500〜4,000rpm程度である。こ
のようにしてウェーハの表裏を研削し平坦度TTV(To
tal Thickness Variation)が0.5〜1μm程度の高
平坦度なウェーハを得る。
【0036】次にエッチング工程(104)について説
明する。研削によりウェーハ表面には2〜10μmの深
さの加工歪と、螺旋状の条痕(研削条痕)が残るので、
これを酸エッチングおよび/またはアルカリエッチング
で取り去る。
【0037】エッチング液としては、アルカリエッチン
グの場合、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)又は水酸化
カリウムを用いたエッチング液が用いられる。アルカリ
エッチング後のウェーハは前工程における平坦度を維持
しやすいが、その表面には、局所的に深さが数μmで大
きさが数〜十数μm程度のピットが存在しやすくなるた
め、ピットに異物が侵入すると、後工程でパーティクル
の発生や汚染の原因となる。また深いピットが存在した
り、表面粗さ(Ra)が大きくなるため、後工程の鏡面
研磨での研磨代を大きくする必要がある。またエッチン
グ後の表面の凹凸は、酸エッチングに較べ、鋭利な形状
をしているため、凹凸自体がパーティクルの発生源とな
る場合がある。
【0038】また酸エッチングの場合、フッ酸、硝酸、
酢酸及び水の混合液等の酸エッチング液が利用される。
酸エッチングでは平面研削やラッピング後のウェーハの
平坦度はエッチング量が多い程損なわれる。またうねり
などが発生しやすい。
【0039】これらを改善するためにエッチング工程を
アルカリエッチングの後、酸エッチングを行うものと
し、その際、アルカリエッチングのエッチング代を、酸
エッチングのエッチング代よりも大きくする2段のエッ
チング処理を行うことがある。
【0040】本発明では、これらのエッチング工程につ
いても特別な限定が存在するものではなく、従来の方法
が使用できる。特にアルカリエッチングで発生する鋭利
な形状をした凹凸や酸エッチングで生じやすいうねりな
どが存在しても、その後のラッピング工程で除去できる
ため、上記のような従来の方法を利用すれば良い。
【0041】具体的にエッチング工程は、上記のような
エッチング液が貯蔵されたエッチング槽内にカセット内
に収納された複数枚のウェーハを浸漬して行う。この場
合のエッチングによる取り代量は、ウェーハの両面合計
で5〜40μm程度である。
【0042】エッチング処理されたウェーハ表面にはエ
ッチングにより生じた凹凸や小さなうねりまた研削によ
る研削条痕が若干残ってしまう。このうねりなどを取り
除くためにウェーハのエッチング面をラッピング加工す
る。
【0043】本発明のラッピング工程(低ダメージラッ
ピング加工)では、ラッピングによる取り代量は片面1
〜6μmと少なめに設定する。ラッピングによる取り代
が多いと形状を悪化させることもある為、上限は6μm
程度、下限は研削条痕やうねりを消去する最低ラッピン
グ量、通常1μm以上でよい。ラッピングに用いる装置
も特に限定するものではないが通常片面ラッピング装置
を用いればよい。
【0044】片面ラッピング装置の一例を図4に示す。
この片面ラッピング装置30は、回転するラッピング定
盤32と、ラッピングヘッド34の下面に装着されたウ
ェーハ保持盤36と、ラッピングスラリー供給管38を
有している。該ラッピング定盤32は回転軸33により
所定の回転速度で回転される。該ラッピングヘッド34
は回転軸35により所定の回転速度で回転される。
【0045】そして、ウェーハ保持盤36は、真空吸着
等によりそのウェーハ保持面36aにウェーハWを保持
する。該ウェーハ保持盤36は、ラッピングヘッド34
の下面に設けられ、ラッピングヘッド34により回転さ
れると同時に所定の荷重でラッピング定盤32にウェー
ハWを押し付ける。ラッピングスラリー39はラッピン
グスラリー供給管38から所定の流量でラッピング定盤
32上に供給され、このラッピングスラリー39がウェ
ーハWとラッピング定盤32の間に供給されることによ
りウェーハWがラッピングされる。
【0046】さらに具体的にラッピング作用についてい
えば、ウェーハWのデバイスが形成されるエッチング処
理面を下方に向けてウェーハWをウェーハ保持盤36に
チャックし、ウェーハWをラッピング定盤32に押圧
し、ラッピング定盤32に遊離砥粒を0.5〜5重量%
程度含有するラッピングスラリー39を50〜400c
c/時の供給速度で供給しつつ、ウェーハWとラッピン
グ定盤32を回転させることによりウェーハWをラッピ
ング定盤32上で摺動させることによりラッピングを行
う。
【0047】ラッピングスラリー39の砥粒としては、
多結晶ダイヤモンド粒子、アルミナ、シリカ等が用いら
れる。特にダメージを低くするには#1500以上に細
かいラッピング砥粒、特に平均粒径0.3〜1.5μm
程度の遊離砥粒が好ましい。ウェーハWのラッピング定
盤32への押圧力は、10〜100g/cm2、ウェー
ハWの回転数は10〜100rpm、ラッピング定盤3
2の回転数は10〜100rpm程度である。ラッピン
グ定盤32の素材としては、錫、アルミニウム、銅、ス
テンレス等の金属、セラミック、ABS樹脂(アクリル
ニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)等が挙げられ
る。ラッピング速度は、ラッピング定盤の種類、ラッピ
ングスラリーの種類により異なるが一般に0.02〜
0.10μm/分である。このようにすれば、加工ダメ
ージの少ないラッピング加工が行える。
【0048】ラッピング工程の加工条件は加工ダメージ
が低くなるように設定するが、特に錫定盤を用いること
が好ましい。錫定盤の適度な硬さがダメージの発生を抑
えるものと考えられる。錫定盤を用いればウェーハにス
クラッチを発生させることもなく、加工ダメージ(加工
歪)深さが1〜5μmと小さく加工できるので好まし
い。低ダメージラッピングを達成するにはひとつひとつ
の砥粒による切り込み深さを小さく抑える事が重要であ
り、ラッピングスラリーの砥粒を小さくしたり、荷重を
低くするなどにより対応できる。また錫定盤を使った場
合、#1500(粒径8〜9μm程度)の砥粒であって
も砥粒が定盤に沈み込み0.2〜0.5μm程度の大変
小さい切り込み深さになっていると考えられる。従って
低ダメージラッピングが可能である。従来の鋳鉄製の定
盤では#1500の砥粒を用いた場合、この切り込み深
さは2〜3μm程度と考えられ、加工ダメージも深くな
ると考えられる。
【0049】次に研磨工程(ポリシング工程)(10
8)について説明する。研磨工程(108)において用
いられる研磨装置及び研磨条件についても特別の限定が
存在するものではない。片面研磨装置の一例を図5に示
す。この研磨装置40は、回転する研磨定盤42と、研
磨ヘッド44の下面に装着された研磨用ウェーハ保持盤
46と、研磨剤供給管48を有している。該研磨定盤4
2の上面には研磨布41が貼付してある。該研磨定盤4
2は回転軸43により所定の回転速度で回転される。該
研磨ヘッド44は回転軸45により所定の回転速度で回
転される。
【0050】そして、研磨用ウェーハ保持盤46は、真
空吸着等によりそのウェーハ保持面46aにウェーハW
を保持している。該研磨用ウェーハ保持盤46は、研磨
ヘッド44の下面に設けられ、研磨ヘッド44により回
転されると同時に所定の荷重で研磨布41にウェーハW
を押し付ける。研磨剤49は研磨剤供給管48から所定
の流量で研磨布41上に供給され、この研磨剤49がウ
ェーハWと研磨布41の間に供給されることによりウェ
ーハWが研磨される。
【0051】さらに具体的に研磨作用について言えば、
ラッピング加工されたウェーハWは、ラッピング加工面
を下方に向けて研磨ヘッド44にチャックされ、研磨布
41を貼着した研磨定盤42に押圧される。研磨定盤4
2には平均粒径0.3〜1.5μmの砥粒を含有する研
磨剤49を50〜150cc/分の供給速度で供給す
る。この状態でウェーハWと研磨定盤42を回転させる
ことによりウェーハWを研磨定盤42上で摺動させる。
このようにしてウェーハWは研磨され研磨面は鏡面仕上
面となる。
【0052】研磨工程は通常複数段で実施されるが研磨
代及び平坦度は、初めの研磨(1次研磨)でほぼ決ま
る。その後、極微小な凹凸(面粗さやヘイズ)の改善の
ため、研磨布の硬さや供給する研磨剤49を代え研磨が
繰り返される。2次研磨や仕上げ研磨における研磨代は
ほとんどなく、例えば1μm以下である。
【0053】1次研磨に用いる砥粒としては、アルミ
ナ、シリカ、ベーマイト等が考えられる。シリコンウェ
ーハの鏡面研磨の場合、コロイダルシリカを含有したア
ルカリ溶液を研磨剤として使用することが好ましい。ウ
ェーハの研磨定盤への押圧力は、10〜300g/cm
2、ウェーハの回転数は10〜100rpm、研磨定盤
の回転数は10〜100rpm程度である。1次研磨の
取り代量は、ラッピングで生じた加工ダメージ深さと同
等かやや多い取り代で2〜5μmである。2次、仕上げ
研磨まで実施し、全体で3〜6μm程度の研磨を行えば
よい。研磨工程での取り代量が増加すると、平坦度の悪
化、特に外周ダレが生じるため、研磨工程全体での取り
代量はできるだけ少ない方が好ましく、3〜6μm程度
が好ましい。これ以上の取り代になると平坦度が悪化し
易くなる。また研磨工程の取り代量が少ないと加工時間
も少なくてすみ生産性も向上し好ましい。
【0054】このような工程を経た後に、ウェーハの洗
浄がなされる。洗浄は水洗浄またはアルカリ洗浄および
/または酸洗浄後、水によるリンス洗浄が一般に行われ
る。洗浄の補助手段としてブラシや超音波振動が用いら
れる。洗浄終了後、ウェーハはスピン乾燥される。
【0055】本発明方法の別の態様として、図6のフロ
ーチャートに示すようにエッチング工程とラッピング工
程の間に第2の研削工程を設けた鏡面ウェーハの製造方
法をあげることができる。この製造方法は、シリコンイ
ンゴットを切断して円板状のウェーハを得るスライス工
程(200)、切断されたウェーハの表裏切断面を平面
研削する第1の研削工程(202)、ウェーハの研削面
をエッチング処理するエッチング工程(204)、ウェ
ーハのエッチング面を平面研削する第2の研削工程(2
06)、デバイスを形成する面に対し(第2の研削工程
で研削された面)をラッピング加工するラッピング工程
(208)、ウェーハのラッピング加工面を研磨加工す
るポリシング工程(210)及び研磨加工されたウェー
ハを洗浄する洗浄工程(212)を含む。
【0056】このウェーハのエッチング面を平面研削す
る第2の研削工程は、エッチングにより生じた小さなう
ねりを取り去るものである。この第2の研削工程におけ
る研削代はうねりが改善される程度の少量で良い。この
第2の研削工程で生じた螺旋状の研削条痕を次ぎのラッ
ピング工程で消滅させるもので、より平坦度が優れるウ
ェーハが得られる。各工程の詳細は図1のフローチャー
トと関連して説明した内容と同様であるので省略する。
また第2の研削工程でも第1の研削工程と同様な条件で
加工すれば良い。
【0057】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもの
で限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもな
い。
【0058】(実施例1)ワイヤーソーを用いて切断さ
れた厚みが約825μm前後、直径200mmのシリコ
ンウェーハ25枚について図1に示した工程に従ってウ
ェーハ加工を行った。
【0059】研削工程では、このスライスされたシリコ
ンウェーハの各々を図3に示すような平面研削装置を用
いて片面研削し、ウェーハを洗浄後、表裏を逆にしてウ
ェーハの裏面側を研削し、研削代として表裏それぞれ約
25μmづつ取り去り、水で洗浄し、高平坦度なウェー
ハを得た。
【0060】次にエッチング工程として、アルカリエッ
チングを行った。アルカリエッチング液(45%苛性ソ
ーダ水溶液)を内蔵したエッチング槽内に25枚の研削
加工されたウェーハを収納するカセットを浸漬させ、8
0℃で15分間エッチングを行った。エッチング後、水
でウェーハを洗浄し、スピン乾燥し、厚み約735μm
のエッチングウェーハを得た。
【0061】ラッピング工程として、図4に示すような
片面ラッピング装置を用い、ウェーハをスピンドルに軸
承されたヘッドにチャックし、ウェーハを錫定盤に押圧
(48g/cm2)し、平均粒径1.0μmのアルミナ
砥粒を含有するスラリーを錫定盤表面に200cc/時
の供給速度で供給しつつ、ウェーハと錫定盤をそれぞれ
30rpmで回転させることによりウェーハをラッピン
グ定盤上に摺動させて60分間ラッピング加工を行っ
た。ついで、このようにラッピング加工されたラッピン
グウェーハを水で洗浄し、スピン乾燥させて厚みが約7
30μmのウェーハを得た。このラッピング後のウェー
ハを1枚抜き取り、加工ダメージ深さを確認した。加工
ダメージ深さは先に示したアングルポリッシュ法により
ウェーハ面内10点で評価した。評価した結果、平均
3.8μm程度であり最大でも4.2μmであった。
【0062】ポリシング工程では、図5に示すようなポ
リシング装置を用い、ラッピング加工されたラッピング
ウェーハをヘッドに吸着させ、コロイダルシリカ系研磨
剤スラリーを50rpmで回転している研磨定盤上の研
磨布(不織布タイプ)に滴下しつつ100rpmで回転
しているスピンドルを下降させてウェーハを研磨布に2
00g/cm2の圧力で押し当て、かつ、スピンドルを
25mm幅左右方向に1cm/分の速度で往復揺動させ
ながら12分間研磨を行った。研磨後、スピンドルを上
昇させ、ヘッドの吸着を開放し、研磨されたウェーハを
ブラシ洗浄し、リンス洗浄、乾燥させ、表面が鏡面仕
上、裏面が梨地仕上の鏡面研磨加工ウェーハを得た。ウ
ェーハの研磨量は約5.0μmであった。このようにし
て鏡面研磨されたウェーハの厚みは725.02μmか
ら725.80μmの鏡面研磨加工された鏡面ウェーハ
を得た。得られた鏡面ウェーハの平坦度(SFQRma
x)は全て0.13μmを満足するものであった。
【0063】なお、平坦度(SFQR)は、設定された
サイト内でデータを最小二乗法にて算出したサイト内平
面を基準平面とし、この平面からの+側、−側各々最大
変位量の絶対値の和であり各サイト毎に評価される。A
DE社製の静電容量型フラットネス測定器ウルトラゲー
ジ9500を用い、サイトのサイズ25mm×25mm
で評価した値である。SFQRmaxはウェーハ面内で
評価したSFQRの最大値である。
【0064】(実施例2)ワイヤーソーを用いて切断さ
れた厚みが約825μm前後、直径200mmのシリコ
ンウェーハ25枚を準備し、図6に示した工程に従って
ウェーハ加工を行った。
【0065】第1研削工程として、このスライスされた
シリコンウェーハを図3に示すような平面研削装置を用
いて片面研削し、ウェーハを洗浄後、表裏を逆にしてウ
ェーハの裏面側を研削し、表裏それぞれ約25μmづつ
取り去り、水で洗浄し、平坦度の高いウェーハを得た。
【0066】エッチング工程として、酸エッチングを行
った。酸エッチング液(フッ酸、硝酸、酢酸及び水の混
合液)を内蔵したエッチング槽内に25枚の研削加工さ
れたウェーハを収納するカセットを浸漬させ、25℃で
10分間エッチングを行った。エッチング後、水でウェ
ーハを洗浄し、スピン乾燥し、厚み約750μmのエッ
チングウェーハを得た。
【0067】第2研削工程として、このエッチング処理
されたシリコンウェーハのエッチング面を図3に示すよ
うな平面研削装置を用いて研削した後、ウェーハを水で
洗浄し、うねりのない厚み約733μmのウェーハを得
た。
【0068】次にラッピング工程として図4に示すよう
な片面ラッピング装置を用い、ウェーハの研削処理面を
下方に向けてウェーハをスピンドルに軸承されたヘッド
にチャックし、ウェーハを錫定盤に押圧(48g/cm
2)し、平均粒径1.0μmのアルミナ砥粒を含有する
スラリーを錫定盤表面に200cc/時の供給速度で供
給しつつ、ウェーハと錫定盤をそれぞれ30rpmで回
転させることによりウェーハをラッピング定盤上で摺動
させて30分間ラッピング加工を行った。ついでラッピ
ング加工されたウェーハを水で洗浄し、スピン乾燥させ
て厚みが約730μmのウェーハを得た。このラッピン
グ後のウェーハを1枚抜き取り、加工ダメージ深さを確
認した。加工ダメージ深さは先に示したアングルポリッ
シュ法によりウェーハ面内10点で評価した。評価した
結果、平均3.0μm程度であり最大でも3.5μmで
あった。
【0069】ポリシング工程では、図5に示すようなポ
リシング装置を用い、ラッピング加工されたウェーハを
ヘッドに吸着させ、コロイダルシリカ系研磨剤スラリー
を50rpmで回転している研磨定盤上の研磨布(不織
布タイプ)に滴下しつつ100rpmで回転しているス
ピンドルを下降させてウェーハを研磨布に200g/c
2の圧力で押し当て、かつ、スピンドルを25mm幅
左右方向に1cm/分の速度で往復揺動させながら10
分間研磨を行った。研磨後、スピンドルを上昇させ、ヘ
ッドの吸着を開放し、研磨されたウェーハをブラシ洗浄
し、リンス洗浄、乾燥させ、表面が鏡面仕上、裏面が梨
地仕上の鏡面研磨ウェーハを得た。ウェーハの研磨量は
約4.0μmであった。その後、2次、仕上げ研磨を行
い厚み724.80μmから725.02μmの鏡面ウ
ェーハを得た。得られた鏡面ウェーハの平坦度(SFQ
Rmax)は全て0.12μmを満足するものであった。
【0070】また、ナノトポグラフィーについても評価
した。ナノトポグラフィーの評価法としては1辺が0.
1mmから10mm程度の正方形、または直径が0.1
mmから10mm程度の円形のブロック範囲(この範囲
はWINDOW SIZE等と呼ばれる)の領域で、ウェーハ表面
の凹凸の高低差(PV値;peak to valley)を評価す
る。このPV値はナノトポグラフィー・ハイト(Nanoto
pography Height)等とも呼ばれる。ナノトポグラフィ
ーとしては、特に評価したウェーハ面内に存在する凹凸
の最大値が小さいことが望まれている。本実施例ではA
DE社製WIS−CR83−SQM(商品名)を用い1
0mmの正方形で複数のブロック範囲を評価しそのPV
値の最大値で評価した。この値は60nm以下であれば
好ましいレベルである。本実施例(実施例1及び実施例
2)で製造したウェーハのナノトポグラフィーはいずれ
も20〜30nm程度で大きくても50nm以下であっ
た。
【0071】(比較例1)実施例1と同じ工程で、ラッ
ピング工程(低ダメージラッピング加工)を行う事なく
ウェーハを研磨した。すなわち、スライス工程、研削工
程、エッチング工程、ポリシング工程の順でウェーハ加
工を行った。スライス工程、研削工程、エッチング工
程、研磨工程で使用する装置や加工方法(条件)は実施
例1と同じである。
【0072】このように鏡面研磨した結果、ウェーハの
厚みが729.21〜730.12μmの鏡面ウェーハ
を得た。得られた鏡面ウェーハの平坦度(SFQRma
x)は、0.15μm以下であった。なお、ナノトポグ
ラフィー(10mmの正方形で評価)は196.9nm
と大変大きな値であった。
【0073】本比較例のように、特に研磨量を5μmと
少なく設定した研磨工程では、アルカリエッチング後に
残存していた研削条痕等の影響を大きく受け、ナノトポ
グラフィーの悪化が見られる。このナノトポグラフィー
の悪化については研磨量を増やすことで、ある程度の改
善も可能であるが、研磨量が増える事により平坦度(S
FQRmax)が悪化してしまう。研磨量を少なくし、
平坦度を維持しつつ、かつナノトポグラフィーの良好な
ウェーハを得るには本発明のような研磨前に低ダメージ
ラッピング加工を導入した工程とすると良い。
【0074】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明の基板の製造
方法によれば、研磨前に低ダメージラッピング工程を入
れることで、SFQRmax0.13μm以下の高平坦
度なウェーハが製造でき、その上、研削によるナノトポ
グラフィーの悪化も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法の工程順の一例を示すフローチャ
ートである。
【図2】 両面平面研削装置の一例を示す概略説明図で
ある。
【図3】 片面平面研削装置の一例を示す概略説明図で
ある。
【図4】 ラッピング装置の一例を示す概略説明図であ
る。
【図5】 研磨装置の一例を示す概略説明図である。
【図6】 本発明方法の工程順の他の例を示すフローチ
ャートである。
【図7】 従来のシリコンウェーハの製造方法の工程順
の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10:両面平面研削装置、12,14:駆動モータ、1
6,18:カップホイール型砥石、20:片面平面研削
装置、22:砥石駆動モータ、24:カップホイール型
砥石、26:回転テーブル、28:回転テーブル駆動モ
ータ、30:片面ラッピング装置、32:ラッピング定
盤、33:回転軸、34:ラッピングヘッド、35:回
転軸、36:ウェーハ保持盤、36a:ウェーハ保持
面、38:ラッピングスラリー供給管、39:ラッピン
グスラリー、40:研磨装置、41:研磨布、42:研
磨定盤、43:回転軸、44:研磨ヘッド、45:回転
軸、46:研磨用ウェーハ保持盤、46a:ウェーハ保
持面、48:研磨剤供給管、49:研磨剤、W:ウェー
ハ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 祢津 茂義 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字大平 150 信越半導体株式会社半導体白河研究 所内 Fターム(参考) 3C049 AA07 BA02 CA01 CB01 3C058 AA07 BA02 CB01 DA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鏡面ウェーハを製造する方法において、
    少なくともウェーハの一方の面を低ダメージラッピング
    加工し、該ラッピング加工された加工面を鏡面研磨加工
    することを特徴とする鏡面ウェーハの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ウェーハの少なくとも一方の面が平
    面研削された面であり、前記低ダメージラッピング加工
    により該平面研削で生じた研削条痕を消去した後、鏡面
    研磨加工することを特徴とする請求項1記載の鏡面ウェ
    ーハの製造方法。
  3. 【請求項3】 鏡面ウェーハを製造する方法において、
    インゴットを切断して円板状のスライスウェーハを得る
    スライス工程と、該スライスウェーハの表裏切断面を平
    面研削する研削工程と、該平面研削されたウェーハの研
    削面をエッチング処理するエッチング工程と、該エッチ
    ングされたウェーハの少なくとも一方のエッチング処理
    面を低ダメージラッピング加工するラッピング工程と、
    該ラッピング加工されたウェーハのラッピング加工面を
    鏡面研磨加工するポリシング工程とから成ることを特徴
    とする鏡面ウェーハの製造方法。
  4. 【請求項4】 鏡面ウェーハを製造する方法において、
    インゴットを切断して円板状のスライスウェーハを得る
    スライス工程と、該スライスウェーハの表裏切断面を平
    面研削する第1の研削工程と、該平面研削されたウェー
    ハの研削面をエッチング処理するエッチング工程と、該
    エッチングされた少なくとも一方の面を平面研削する第
    2の研削工程と、該平面研削されたウェーハの少なくと
    も一方の研削面を低ダメージラッピング加工するラッピ
    ング工程と、該ラッピング加工されたウェーハのラッピ
    ング加工面を鏡面研磨加工するポリシング工程とから成
    ることを特徴とする鏡面ウェーハの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記低ダメージラッピング加工における
    加工ダメージ深さが5μm以下であり、ラッピング取り
    代が6μm以下であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1項記載の鏡面ウェーハの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記低ダメージラッピング加工において
    用いられる定盤が錫定盤であることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか1項記載の鏡面ウェーハの製造方法。
JP2001251433A 2001-08-22 2001-08-22 鏡面ウェーハの製造方法 Pending JP2003062740A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001251433A JP2003062740A (ja) 2001-08-22 2001-08-22 鏡面ウェーハの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001251433A JP2003062740A (ja) 2001-08-22 2001-08-22 鏡面ウェーハの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003062740A true JP2003062740A (ja) 2003-03-05

Family

ID=19080080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001251433A Pending JP2003062740A (ja) 2001-08-22 2001-08-22 鏡面ウェーハの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003062740A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008103650A (ja) * 2006-09-21 2008-05-01 Nippon Steel Corp SiC単結晶基板の製造方法、及びSiC単結晶基板
WO2016181594A1 (ja) * 2015-05-11 2016-11-17 信越半導体株式会社 研削用砥石
WO2021241505A1 (ja) * 2020-05-27 2021-12-02 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨方法およびポリシング用組成物セット

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08236489A (ja) * 1995-02-28 1996-09-13 Komatsu Electron Metals Co Ltd 半導体ウェハの製造方法
JPH10244449A (ja) * 1997-02-28 1998-09-14 Hitachi Cable Ltd GaAsウェハの加工方法
JPH10256203A (ja) * 1997-03-11 1998-09-25 Super Silicon Kenkyusho:Kk 鏡面仕上げされた薄板状ウェーハの製造方法
JPH11320349A (ja) * 1998-05-11 1999-11-24 Tdk Corp 研磨方法
JP2000091282A (ja) * 1998-09-10 2000-03-31 Mitsubishi Materials Silicon Corp 高平坦度ウェーハの製造方法
JP2001102331A (ja) * 1999-09-30 2001-04-13 Mitsubishi Materials Silicon Corp 高平坦度裏面梨地ウェーハおよびその製造方法ならびに該製造方法に用いられる表面研削裏面ラップ装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08236489A (ja) * 1995-02-28 1996-09-13 Komatsu Electron Metals Co Ltd 半導体ウェハの製造方法
JPH10244449A (ja) * 1997-02-28 1998-09-14 Hitachi Cable Ltd GaAsウェハの加工方法
JPH10256203A (ja) * 1997-03-11 1998-09-25 Super Silicon Kenkyusho:Kk 鏡面仕上げされた薄板状ウェーハの製造方法
JPH11320349A (ja) * 1998-05-11 1999-11-24 Tdk Corp 研磨方法
JP2000091282A (ja) * 1998-09-10 2000-03-31 Mitsubishi Materials Silicon Corp 高平坦度ウェーハの製造方法
JP2001102331A (ja) * 1999-09-30 2001-04-13 Mitsubishi Materials Silicon Corp 高平坦度裏面梨地ウェーハおよびその製造方法ならびに該製造方法に用いられる表面研削裏面ラップ装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008103650A (ja) * 2006-09-21 2008-05-01 Nippon Steel Corp SiC単結晶基板の製造方法、及びSiC単結晶基板
WO2016181594A1 (ja) * 2015-05-11 2016-11-17 信越半導体株式会社 研削用砥石
JP2016209963A (ja) * 2015-05-11 2016-12-15 信越半導体株式会社 研削用砥石
CN107530867A (zh) * 2015-05-11 2018-01-02 信越半导体株式会社 研磨用磨石
KR20180006907A (ko) * 2015-05-11 2018-01-19 신에쯔 한도타이 가부시키가이샤 연삭용 지석
US10456891B2 (en) 2015-05-11 2019-10-29 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. Grinding wheel
KR102285111B1 (ko) 2015-05-11 2021-08-04 신에쯔 한도타이 가부시키가이샤 연삭용 지석
WO2021241505A1 (ja) * 2020-05-27 2021-12-02 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨方法およびポリシング用組成物セット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6312976B2 (ja) 半導体ウェーハの製造方法
JP3664593B2 (ja) 半導体ウエーハおよびその製造方法
JP3620554B2 (ja) 半導体ウェーハ製造方法
JP4093793B2 (ja) 半導体ウエーハの製造方法及びウエーハ
JP4835069B2 (ja) シリコンウェーハの製造方法
JP4192482B2 (ja) シリコンウェーハの製造方法
US6352927B2 (en) Semiconductor wafer and method for fabrication thereof
JP6244962B2 (ja) 半導体ウェーハの製造方法
EP1852899A1 (en) Method for manufacturing semiconductor wafer and method for mirror chamfering semiconductor wafer
US6214704B1 (en) Method of processing semiconductor wafers to build in back surface damage
WO2006046403A1 (ja) 半導体ウエーハの製造方法及び半導体ウエーハ
JP6027346B2 (ja) 半導体ウェーハの製造方法
JP3328193B2 (ja) 半導体ウエーハの製造方法
EP1145296B1 (en) Semiconductor wafer manufacturing method
JP4103808B2 (ja) ウエーハの研削方法及びウエーハ
JP2003142434A (ja) 鏡面ウエーハの製造方法
JP2003062740A (ja) 鏡面ウェーハの製造方法
JP2000077372A (ja) 気相成長用半導体ウェーハの製造方法
JPH08274050A (ja) 半導体ウェハの製造方法
JP2003133264A (ja) 鏡面ウエーハの製造方法
JP2004319717A (ja) 半導体ウェーハの製造方法
JP2003133273A (ja) 研磨用原材料ウエーハ及びその製造方法
JP2003039310A (ja) ウェーハの研磨方法及びウェーハ
JP2009135180A (ja) 半導体ウェーハの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100608

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100609

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101013