JP2003062458A - 重金属の吸着剤及びこれを用いた重金属の除去方法 - Google Patents

重金属の吸着剤及びこれを用いた重金属の除去方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、レアメタルを含む重金属イオ
ンの吸着剤に関し、より詳細には、廃液からモリブデ
ン、クロム、アンチモン、セレン、ヒ素などの重金属を
有効に吸着する吸着剤に関する。 【解決手段】 本発明は、ゼオライト及び(PbO)
(FeO)(Fe 1−x−y・aH
(式中、0.1≦x≦0.9、0≦y≦0.9、0≦a
≦10)で表される鉛化合物から成る重金属の吸着剤で
あり、また、水中で鉛イオン供給源と鉄イオン供給源と
をz:1−zのモル比(式中、0.1≦z≦0.9)で
混合し、これに塩基を加えることにより得られる沈殿物
とゼオライトとを混合することにより得られる重金属の
吸着剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レアメタルを含
む重金属イオンの吸着剤に関し、より詳細には、廃液か
らモリブデン、クロム、アンチモン、セレン、ヒ素など
の重金属を有効に吸着する吸着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、化学技術の発展に伴って、多種多
様な化学物質が製造・使用されている。このような物質
は人の健康や生態系に有害な影響を及ぼすものも数多く
存在している。そこで、日本では平成5年3月に水質環
境基準が改善され、要監視項目が付け加えられた。重金
属類としてはモリブデン、アンチモン、及びニッケルが
指定された。これらは環境中での検出状況や複合影響等
の観点から見て、将来的に環境基準に設定され排水規制
も行われると予測できる。従来、廃水からモリブデン、
クロム、アンチモン、セレン、ヒ素等の金属イオンを除
去する実用的な方法はなかったが、本発明者等は最近セ
レンについて有効な吸着剤を開発し出願した(特願2000
-93228)。しかし、この方法では吸着剤から鉛が放出さ
れるため、セレン除去後にさらにフライアッシュを添加
し鉛を除去するという処理が必要であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】排水基準値は、鉛、ヒ
素及びセレンについては0.1ppmと指定されてい
る。環境要監視項目として、モリブデン、セレン、ニッ
ケルには基準値がある。排水基準値は環境基準値の約1
0倍であるので、まだ、排水基準値にははっきりと指定
されていないが、要監視項目としての排水基準値でモリ
ブデンは0.7ppm、アンチモンは0.02ppmで
ある。本発明は、廃水中のこれらの金属イオンをこの基
準以下に押さえることのできる吸着剤を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、PbとF
eとを含む水酸化物混合物更にゼオライトを混合した新
しい吸着剤を開発した。この吸着剤は、モリブデン、ク
ロム、アンチモン、セレン、ヒ素等のイオン除去に有効
であり、かつゼオライトが鉛イオンを吸着しその放出を
押さえることにより、1段階の吸着剤添加で廃水からこ
れらイオンを除去できる吸着剤、及びこの吸着剤を用い
た廃液処理方法を提供する。
【0005】即ち、本発明は、ゼオライト及び(Pb
O)(FeO)(Fe −x−y・aH
O(式中、0.1≦x≦0.9、0≦y≦0.9、0≦
a≦10)で表される鉛化合物から成る重金属の吸着剤
である。また、本発明は、水中で鉛イオン供給源と鉄イ
オン供給源とをz:1−zのモル比(式中、0.1≦z
≦0.9)で混合し、これに塩基を加えることにより得
られる沈殿物とゼオライトとを混合することにより得ら
れる重金属の吸着剤である。前記鉛イオン供給源が硝酸
鉛であり、前記鉄イオン供給源がと硝酸鉄であり、zが
0.3〜0.4であり、前記塩基が水酸ナトリウムであ
ることが好ましい。また、本発明は重金属イオン、特に
モリブデン、クロム、アンチモン、セレン、若しくはヒ
素、又はこれらの混合物を含むpHを3〜9に調製した
溶液に、上記の吸着剤を加えることから成る重金属の除
去方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の吸着剤を作製するために
は、水中に鉛イオン及び鉄イオンの供給源を所定の比率
で投入し、よく攪拌した後に、これに塩基等を加えて塩
基性とし、沈殿物を生成させ、この沈殿物にゼオライト
を添加しよく混合した後に、乾燥させる。この鉛イオン
及び鉄イオンの供給源は、水中でこれらの金属イオンを
生成するものであればよく、これら金属の塩が好まし
い。また、これらイオンは、生成する鉛化合物が、所定
の(PbO)(FeO)(Fe1−x−y
・aHO(式中、0.1≦x≦0.9、0≦y≦0.
9、0≦a≦10)で表される鉛化合物を与えるような
比率で投入する。加える塩基はいかなるものであっても
よいが、水酸化ナトリウム等がよい。また投入後のpH
は10以上であることが好ましい。これらイオンの混合
物を塩基性にすると、沈殿物(即ち、上記の鉛化合物)
が生成するが、この沈殿物をこのままゼオライトとを混
合してもよいが、この沈殿物を一旦濾過するなどして、
精製した後に、ゼオライトと混合することが好ましい。
【0007】本発明で用いるゼオライトはいかなるタイ
プのゼオライトであってもよい。即ち、チャバザイト、
モンデナイト、エリオナイト、ホージャサイト、クリノ
プチロライトなどの天然ゼオライトでもよいし、A型ゼ
オライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、L型ゼオ
ライト、オメガ型ゼオライト、ZSM−5などの合成ゼ
オライトであってもよい。しかし、本発明では上記のよ
うに水酸化ニッケルを凝集させ沈殿させるために用いる
ため、このゼオライトのサイズは小さいほうが好まし
い。このサイズが小さい場合には、弱い攪拌によっても
溶液中に容易に分散し、更に表面積が増大するため水酸
化ニッケルの凝集効果も増大する。一方サイズが大きい
場合には、ゼオライトを溶液中に分散させるために攪拌
を強く行う必要がある。このゼオライトのサイズは10
0メッシュ以下が好ましく、200メッシュ以下がより
好ましい。
【0008】鉛化合物とゼオライトの混合比(重量比)
は1:0.1〜100、好ましくは1:2〜20、より
好ましくは1:5〜15である。溶液中の鉛イオン量及
び鉄イオン量はこの溶液を原子吸光分析やICP分析に
かけて測定して知ることができる。本発明の吸着剤は、
このようなゼオライトと鉛化合物を混合することにより
得られる。この吸着剤は、鉛化合物にモリブデンイオン
などが吸着し、代わりにイオン交換して鉛イオンが液中
に溶出し、ついで、近くにあるゼオライトが鉛イオンを
吸着するという2段階により機能するものと考えられ
る。この吸着剤は混合後焼成したりすると、吸着効果を
喪失する。
【0009】
【実施例】以下、実施例にて本発明を例証するが、本発
明を限定することを意図するものではない。なお、以
下、廃液中の金属の濃度(mg/l)は廃液中の金属イ
オンの濃度を表し、廃液中の吸着剤の濃度(mg/l)
は廃液中のゼオライトを除いた鉛化合物の濃度を表す。製造例1 ゼオライトとして、秋田県二つ井町切石地区にて産出さ
れた天然ゼオライト(サンゼオライト(株))を用い
た。この天然ゼオライトを試験試料として作製する工程
は次の通りである。まず、10cm角程度の塊状天然ゼ
オライト原石をジョークラッシャー、ロールミル、ライ
カイ機にて粉砕、微粉砕する。この粉砕産物を200メ
ッシュ(74μm)の篩いを用いてふるい分けし、20
0メッシュ以下の微細なゼオライト粉末に調整する。な
お、この天然ゼオライトは粉砕処理を施すだけで、酸等
による表面の改質処理は行わず無改質のまま用いた。ま
た、粉砕した天然ゼオライトの粒度分布をレーザー式粒
度測定装置で測定した。その結果、平均粒径(D50
50%粒子径)が8.4μmであり、D20(20%粒
径)とD80(80%粒径)はそれぞれ1.8μmと2
7.7μmであった。常温にて水中で硝酸鉛(II)1モル
と硝酸鉄(III)九水和物2モルをそれぞれ溶解したもの
を攪拌する。攪拌開始から30分経過後、水酸化ナトリ
ウム溶液を添加してpHを11にする。更に、30分攪
拌を続ける。この操作によって得られた沈殿物をデカン
テーションすると、沈殿物が得られた。この沈殿物は、
(PbO)(FeO)(Fe1−x−y
aHO(式中、x=1/3、y=0、a=0)の化学
組成を有するものであった。この沈殿物をろ過後、この
沈殿物(鉛化合物)と上記のゼオライトとを重量比1:
10で混合し、生成したケーキを定温乾燥機中で60℃
×70時間乾燥処理する。乾燥により固形化したものを
メノー乳鉢で粉砕して吸着剤として用いた。以下、製造
例1で作製した吸着剤を8種の人工廃水及び実廃水に用
いて、金属イオンの除去を調べた。
【0010】実施例1 製造例1で作製した吸着剤を用いて8種の有害金属元素
(砒素、ホウ素、アンチモン、水銀、セレン、モリブデ
ン、カドミウム、クロム)の除去を試みた。試験は、純
水に、製造例1で作製した吸着剤2,000mg/l及
び各種有害金属元素溶液をそれぞれ10mg/l添加し
て、フッ素樹脂製の攪拌羽根で上方攪拌した。回転数は
105rad・s−1である。所定時間ごとにガラス製
注射器を使用して溶液を0.01リットル採取した。こ
れをガラス繊維濾紙(ADVANTEC製 GF-75)を装着した
減圧濾過用フィルタフォルダー(ADVANTEC製 KG-13A)
にサンプルを注いで濾過した。濾液は誘導結合プラズマ
(ICP)発光分光分析装置(セイコー電子工業(株)
製SPS3000、定量検出限界はAs、Mo、Sb、
Seについてそれぞれ50μg/l、5μg/l、50
μg/l、50μg/lである。)を用いて定量をし、
砒素、アンチモン、セレンについては水素化物発生装置
(セイコー電子工業(株)製 THG1200)を用い
た。水素化物発生装置は還元気化法により各元素を水素
化物として発生させ、発生したガスをICP発光分光装
置に導入することにより高感度分析が可能となる。結果
を図1に示し、表1に各種有害金属元素溶液の成分と除
去率を示す。表1の除去割合は、1時間経過後の除去割
合を示す。
【0011】
【表1】
【0012】試験で用いた6元素の内、特に吸着量が高
かったものとしては、モリブデン、クロム、アンチモ
ン、セレン、砒素であり、吸着率としては97%以上で
あった。カドミウム、ホウ素は約1mg/lの濃度低下
は見られたが吸着剤に対する吸着力は弱かった。モリブ
デン、クロム、アンチモン、セレン、砒素などの吸着剤
に対する吸着量が高かったものはいずれも自然界の鉱物
として鉛との化合物として産出されている。また、吸着
剤に対して反応が弱かったものの鉱物は鉛との化合物と
しては産出されていないことがわかった。
【0013】実施例2 次に、人工6価モリブデン廃水として、原子吸光分析用
標準液(ナカライテスク社製)を純水で50mg/lに
希釈して使用し、製造例1で作製した鉛化合物を吸着剤
として添加し、人工6価モリブデン廃水のpHを変化さ
せてモリブデンの吸着量および鉛化合物から溶出した鉛
濃度を調べた。試験は製造例1で作製した吸着剤1,0
00mg/lの割合で人工6価モリブデン廃水に懸濁さ
せ、攪拌羽根で2時間攪拌し、試料採取を行い、溶液中
のモリブデン濃度および鉛濃度を測定した。人工6価モ
リブデン廃水のpHを水酸化ナトリウムおよび塩酸の添
加により各pHに調整し、試験中はpHを維持した。そ
の結果を図2に示す。pH3から7では、モリブデンの
吸着量は約0.049Kg/Kgで一定の値を示し、吸
着率にすると90%以上を示した。pH7以上では吸着
量が低下した。また、試験溶液中に鉛化合物から溶出す
る鉛の濃度はpH3を最大とし13.576mg/l、
高pHになるほど溶出量が減少し、pHが9の時には
0.26mg/lの濃度であった。
【0014】実施例3 吸着剤への人工6価モリブデン廃水の濃度変化によるモ
リブデンの吸着量を調べた。試験はpH9、溶液温度2
98Kで行った。吸着量の算出には吸着平衡に達した値
の吸着試験開始から1.5時間経過後の値を用いた。結
果を図3を示す。図3の吸着等温線から吸着等温線の型
を調査するためにラングミュア型とフロイントリッヒ型
へ適合を試みた。ラングミュア式は式(1)に示す。こ
こでYm:モリブデンイオンの最大吸着量、C:平衡濃
度、K:平衡定数である。 C/Y=C/Y+1/K'Y・・・・・・・・(1) フロイトリッヒ式は式(2)に示す。ここでa,nは定
数、C:平衡濃度である。 Y=a・C1/n ・・・・・・・・(2) 式(1)、式(2)に適合した計算値と実測値の差から
吸着等温線の型を決定した。その結果を表2に示す。ラ
ングミュア式のΔとフロイントリッヒ式のΔ'を比較す
るとラングミュア式が適合していることが確認できる。
このことから鉛化合物に対するモリブデンイオンの吸着
はラングミュア型の吸着と考察できた。
【0015】
【表2】
【0016】実施例4 人工6価モリブデン廃水中のモリブデン濃度を要監視項
目の指針値である0.07mg/l以下に処理すること
を目的に試験を行った。試験は50mg/lの人工6価
モリブデン廃水に製造例1で作製した吸着剤をそれぞれ
200mg/l、400mg/l、1,000mg/
l、6,000mg/l懸濁させ、2時間攪拌した。こ
のときのpHは9、溶液温度は298Kであった。試験
開始から各時間ごとに試料を採取した結果を図4に示し
た。吸着剤の添加量を増加するほどモリブデンイオン吸
着反応速度は増大し、人工6価モリブデン廃水濃度を低
下させた。人工6価モリブデン廃水中のモリブデン濃度
50mg/lを要監視項目指針値以下にするためには
6,000mg/lの吸着剤が必要であり、吸着時間は
7200秒必要であった。
【0017】実施例5 次に、モリブデンを吸着した吸着剤からモリブデンの溶
離回収を試みた。水酸化ナトリウムを1mg/l、0.
5mg/l、0.1mg/lの濃度で用意し、吸着済み
の鉛化合物を添加、ステンレス製の攪拌羽根で攪拌し
た。サンプル採取方法および定量方法は吸着試験と同様
に行った。結果を図5に示す。溶離時間1.08×10
秒の溶離率は82%から99%であった。水酸化ナト
リウム0.5mg/lを用いたときが最も溶離率がよ
く、0.1mg/l、1mg/lの順序で溶離率が低下
した。しかし、溶離溶液中には吸着剤の鉛がモリブデン
と同時に溶離した。その鉛濃度は水酸化ナトリウムの濃
度に依存し、溶離時間1.08×10秒での水酸化ナ
トリウム1mg/l、0.5mg/l、0.1mg/l
の鉛濃度はそれぞれ576.9mg/l、537.98
mg/l、166.94mg/lであった。以上の結果
より水酸化ナトリウム0.1mg/lを用いて溶離回収
を行うことが望ましいと考える。
【0018】実施例6 吸着剤表面を走査電子顕微鏡((株)日立製作所 S−4
500)による表面観察およびエネルギー分散型X線分
光法(HORIBA EMAX−5770W)による面
分析、ESCA(島津製作所製 ESCA−3200)
を用いたX線光電子分光法で調査した。モリブデン吸着
前と吸着後の吸着剤の表面状態を図6に示す。図6から
モリブデン吸着前の吸着剤は不規則な粒子が表面に凝集
していることがわかる。一方、モリブデン吸着後の吸着
剤表面は規則性のある結晶が存在していた。この結晶を
エネルギー分散型X線分光法による面分析した結果を図
7に示す。EDSによるとモリブデンを吸着した後の吸
着剤表面はFe、Pb、Moが検出され、Feは結晶の
外側で多く存在し、Pb、Moは結晶の内側で多く確認
できた。このことから結晶を構成している元素はPb、
Moであると推定できる。次に、XPSによりモリブデ
ン吸着後の吸着剤表面を分析した結果を図8に示す。X
PSの測定におけるX線源にはMgKα線を用いた。X
線光電子スペクトルにおける束縛エネルギー値の補正
は、吸着剤表面における汚染炭素から推測されるCls
電子スペクトルのピーク位置を基準の汚染炭素のCls
電子束縛エネルギー値、285eVと比較して行った。
図8に、Pb4f7/2のスペクトル付近にはすでに報
告されているPb(NO、Pb(OH)、Pb
の束縛エネルギー値を示す。Fe3/2のスペ
クトル付近はFeOOH、Fe 、Feの束縛エネ
ルギー値、Mo5/2のスペクトル付近はMoO
からのMo6+、MoOからのMo4+、Moの束縛
エネルギーも合わせて示す。図8から吸着剤の表面はP
b(NO、FeOOH、Mo6+と同定できた。
【0019】実施例7 製造例1で作製した吸着剤を、一般の産業廃水の処理に
適応した。実廃水は、太陽鉱工株式会社から供与された
ものである。この実廃水は石油精製用触媒のリサイクル
時に発生する排ガスの洗浄液を中和および曝気後、濾過
した廃水である。廃水中のモリブデン濃度は270mg
/lであった。試験は製造例1で作製した吸着剤の添加
量を0.01Kg/lの場合と0.02Kg/lの場合
の2種類行った。結果を図9に示す。添加量を0.01
Kg/l添加するだけでは吸着時間7200秒経過して
もモリブデンの残存イオン濃度は16.699mg/l
あった。さらに添加量を増加させた0.02Kg/l時
では吸着時間1800秒でICPの検出限界以下の値を
示した。以上のことよりモリブデン濃度270mg/l
中のモリブデンを除去するのに必要な吸着剤の添加量は
0.02Kg/lであることが確認できた。試験中に実
廃水へ吸着剤から溶出した鉛量は、吸着時間7200
秒、添加量0.01Kg/l時で0.88mg/l、吸
着時間7200秒、添加量0.02Kg/l時で1.0
5mg/lであった。これは実廃水のpHが8であり、
鉛化合物から溶出する鉛量が少量であったためと考えら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】8種の有害金属元素(砒素、ホウ素、アンチモ
ン、水銀、セレン、モリブデン、カドミウム、クロム)
の除去と時間の経過の関係を示すグラフである。
【図2】各pHにおける本発明の吸着剤によるMo6+
の吸着とPb2+の溶出とを示すグラフである。温度は
298K、吸着剤は1,000mg/lである。
【図3】本発明の吸着剤によるMo6+イオンの吸着量
とMo6+イオン濃度との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の吸着剤を所定の濃度にした場合の、M
6+イオン濃度と経過時間との関係を示すグラフであ
る。
【図5】モリブデンを吸着した吸着剤からにモリブデン
の溶離率と溶離時間との関係を示すグラフである。
【図6】モリブデン吸着前後の吸着剤表面のSEM写真
である。
【図7】吸着剤表面のエネルギー分散型X線分光写真で
ある。左上図は図6(b)と同じSEM写真であるが、
右上図、左下図、及び右下図はエネルギー分散型X線分
光写真(それぞれ、FeKα、PbMα、及びMoL
α)を表し、破線で囲まれた部分はそれぞれの金属の検
出された部分を指す。
【図8】XPSによるモリブデン吸着後の吸着剤表面の
分析結果を示すグラフである。
【図9】実廃水を本発明の吸着剤で処理した場合の、モ
リブデン濃度と経過時間との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/42 C02F 1/42 G (72)発明者 内田 篤志 秋田県秋田市広面32−3 ベルウッドK 101 (72)発明者 大久保 聡 神奈川県川崎市宮前区五所塚2−2−4 Fターム(参考) 4D024 AA04 AB14 AB16 BA07 BA14 BB01 BC04 DB03 4D025 AA09 AB21 AB24 AB33 BA03 CA03 4G066 AA21B AA39B AA61B CA21 CA45 CA46 DA08 FA03 FA05 FA21 FA36 FA37

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼオライト及び(PbO)(FeO)
    (Fe −x−y・aHO(式中、0.1
    ≦x≦0.9、0≦y≦0.9、0≦a≦10)で表さ
    れる鉛化合物から成る重金属の吸着剤。
  2. 【請求項2】 水中で鉛イオン供給源と鉄イオン供給源
    とをz:1−zのモル比(式中、0.1≦z≦0.9)
    で混合し、これに塩基を加えることにより得られる沈殿
    物とゼオライトとを混合することにより得られる重金属
    の吸着剤。
  3. 【請求項3】 前記鉛イオン供給源が硝酸鉛であり、前
    記鉄イオン供給源がと硝酸鉄であり、zが0.3〜0.
    4であり、前記塩基が水酸ナトリウムである請求項2に
    記載の重金属の吸着剤。
  4. 【請求項4】 前記ゼオライトが200メッシュ以下の
    粉状である請求項1〜3のいずれか一項に記載の重金属
    の吸着剤。
  5. 【請求項5】 重金属イオンを含むpHを3〜9に調製
    した溶液に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸着
    剤を加えることから成る重金属の除去方法。
  6. 【請求項6】 前記重金属が、モリブデン、クロム、ア
    ンチモン、セレン、若しくはヒ素、又はこれらの混合物
    である請求項5に記載の方法。
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