JP3770538B2 - 重金属の吸着剤及びこれを用いた重金属の除去方法 - Google Patents

重金属の吸着剤及びこれを用いた重金属の除去方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、レアメタルを含む重金属イオンの吸着剤に関し、より詳細には、廃液からモリブデン、クロム、アンチモン、セレン、ヒ素などの重金属を有効に吸着する吸着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、化学技術の発展に伴って、多種多様な化学物質が製造・使用されている。このような物質は人の健康や生態系に有害な影響を及ぼすものも数多く存在している。そこで、日本では平成5年3月に水質環境基準が改善され、要監視項目が付け加えられた。重金属類としてはモリブデン、アンチモン、及びニッケルが指定された。これらは環境中での検出状況や複合影響等の観点から見て、将来的に環境基準に設定され排水規制も行われると予測できる。
従来、廃水からモリブデン、クロム、アンチモン、セレン、ヒ素等の金属イオンを除去する実用的な方法はなかったが、本発明者等は最近セレンについて有効な吸着剤を開発し出願した(特願2000-93228)。しかし、この方法では吸着剤から鉛が放出されるため、セレン除去後にさらにフライアッシュを添加し鉛を除去するという処理が必要であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
排水基準値は、鉛、ヒ素及びセレンについては0.1ppmと指定されている。環境要監視項目として、モリブデン、セレン、ニッケルには基準値がある。排水基準値は環境基準値の約10倍であるので、まだ、排水基準値にははっきりと指定されていないが、要監視項目としての排水基準値でモリブデンは0.7ppm、アンチモンは0.02ppmである。本発明は、廃水中のこれらの金属イオンをこの基準以下に押さえることのできる吸着剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、PbとFeとを含む水酸化物混合物更にゼオライトを混合した新しい吸着剤を開発した。この吸着剤は、モリブデン、クロム、アンチモン、セレン、ヒ素等のイオン除去に有効であり、かつゼオライトが鉛イオンを吸着しその放出を押さえることにより、1段階の吸着剤添加で廃水からこれらイオンを除去できる吸着剤、及びこの吸着剤を用いた廃液処理方法を提供する。
【0005】
即ち、本発明は、ゼオライト及び(PbO)(FeO)(Fe1−x−y・aHO(式中、0.1≦x≦0.9、0≦y≦0.9、0≦a≦10)で表される鉛化合物から成る重金属の吸着剤である。
また、本発明は、水中で鉛イオン供給源と鉄イオン供給源とをz:1−zのモル比(式中、0.1≦z≦0.9)で混合し、これに塩基を加えることにより得られる沈殿物とゼオライトとを混合することにより得られる重金属の吸着剤である。前記鉛イオン供給源が硝酸鉛であり、前記鉄イオン供給源がと硝酸鉄であり、zが0.3〜0.4であり、前記塩基が水酸ナトリウムであることが好ましい。
また、本発明は重金属イオン、特にモリブデン、クロム、アンチモン、セレン、若しくはヒ素、又はこれらの混合物を含むpHを3〜9に調製した溶液に、上記の吸着剤を加えることから成る重金属の除去方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の吸着剤を作製するためには、水中に鉛イオン及び鉄イオンの供給源を所定の比率で投入し、よく攪拌した後に、これに塩基等を加えて塩基性とし、沈殿物を生成させ、この沈殿物にゼオライトを添加しよく混合した後に、乾燥させる。
この鉛イオン及び鉄イオンの供給源は、水中でこれらの金属イオンを生成するものであればよく、これら金属の塩が好ましい。また、これらイオンは、生成する鉛化合物が、所定の(PbO)(FeO)(Fe1−x−y・aHO(式中、0.1≦x≦0.9、0≦y≦0.9、0≦a≦10)で表される鉛化合物を与えるような比率で投入する。
加える塩基はいかなるものであってもよいが、水酸化ナトリウム等がよい。また投入後のpHは10以上であることが好ましい。
これらイオンの混合物を塩基性にすると、沈殿物(即ち、上記の鉛化合物)が生成するが、この沈殿物をこのままゼオライトとを混合してもよいが、この沈殿物を一旦濾過するなどして、精製した後に、ゼオライトと混合することが好ましい。
【0007】
本発明で用いるゼオライトはいかなるタイプのゼオライトであってもよい。即ち、チャバザイト、モンデナイト、エリオナイト、ホージャサイト、クリノプチロライトなどの天然ゼオライトでもよいし、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、L型ゼオライト、オメガ型ゼオライト、ZSM−5などの合成ゼオライトであってもよい。しかし、本発明では上記のように水酸化ニッケルを凝集させ沈殿させるために用いるため、このゼオライトのサイズは小さいほうが好ましい。このサイズが小さい場合には、弱い攪拌によっても溶液中に容易に分散し、更に表面積が増大するため水酸化ニッケルの凝集効果も増大する。一方サイズが大きい場合には、ゼオライトを溶液中に分散させるために攪拌を強く行う必要がある。このゼオライトのサイズは100メッシュ以下が好ましく、200メッシュ以下がより好ましい。
【0008】
鉛化合物とゼオライトの混合比(重量比)は1:0.1〜100、好ましくは1:2〜20、より好ましくは1:5〜15である。溶液中の鉛イオン量及び鉄イオン量はこの溶液を原子吸光分析やICP分析にかけて測定して知ることができる。
本発明の吸着剤は、このようなゼオライトと鉛化合物を混合することにより得られる。この吸着剤は、鉛化合物にモリブデンイオンなどが吸着し、代わりにイオン交換して鉛イオンが液中に溶出し、ついで、近くにあるゼオライトが鉛イオンを吸着するという2段階により機能するものと考えられる。この吸着剤は混合後焼成したりすると、吸着効果を喪失する。
【0009】
【実施例】
以下、実施例にて本発明を例証するが、本発明を限定することを意図するものではない。なお、以下、廃液中の金属の濃度(mg/l)は廃液中の金属イオンの濃度を表し、廃液中の吸着剤の濃度(mg/l)は廃液中のゼオライトを除いた鉛化合物の濃度を表す。
製造例1
ゼオライトとして、秋田県二つ井町切石地区にて産出された天然ゼオライト(サンゼオライト(株))を用いた。この天然ゼオライトを試験試料として作製する工程は次の通りである。まず、10cm角程度の塊状天然ゼオライト原石をジョークラッシャー、ロールミル、ライカイ機にて粉砕、微粉砕する。この粉砕産物を200メッシュ(74μm)の篩いを用いてふるい分けし、200メッシュ以下の微細なゼオライト粉末に調整する。なお、この天然ゼオライトは粉砕処理を施すだけで、酸等による表面の改質処理は行わず無改質のまま用いた。また、粉砕した天然ゼオライトの粒度分布をレーザー式粒度測定装置で測定した。その結果、平均粒径(D50:50%粒子径)が8.4μmであり、D20(20%粒径)とD80(80%粒径)はそれぞれ1.8μmと27.7μmであった。
常温にて水中で硝酸鉛(II)1モルと硝酸鉄(III)九水和物2モルをそれぞれ溶解したものを攪拌する。攪拌開始から30分経過後、水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを11にする。更に、30分攪拌を続ける。この操作によって得られた沈殿物をデカンテーションすると、沈殿物が得られた。この沈殿物は、(PbO)(FeO)(Fe1−x−y・aHO(式中、x=1/3、y=0、a=0)の化学組成を有するものであった。
この沈殿物をろ過後、この沈殿物(鉛化合物)と上記のゼオライトとを重量比1:10で混合し、生成したケーキを定温乾燥機中で60℃×70時間乾燥処理する。乾燥により固形化したものをメノー乳鉢で粉砕して吸着剤として用いた。
以下、製造例1で作製した吸着剤を8種の人工廃水及び実廃水に用いて、金属イオンの除去を調べた。
【0010】
実施例1
製造例1で作製した吸着剤を用いて8種の有害金属元素(砒素、ホウ素、アンチモン、水銀、セレン、モリブデン、カドミウム、クロム)の除去を試みた。
試験は、純水に、製造例1で作製した吸着剤2,000mg/l及び各種有害金属元素溶液をそれぞれ10mg/l添加して、フッ素樹脂製の攪拌羽根で上方攪拌した。回転数は105rad・s−1である。所定時間ごとにガラス製注射器を使用して溶液を0.01リットル採取した。これをガラス繊維濾紙(ADVANTEC製 GF-75)を装着した減圧濾過用フィルタフォルダー(ADVANTEC製 KG-13A)にサンプルを注いで濾過した。濾液は誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析装置(セイコー電子工業(株)製SPS3000、定量検出限界はAs、Mo、Sb、Seについてそれぞれ50μg/l、5μg/l、50μg/l、50μg/lである。)を用いて定量をし、砒素、アンチモン、セレンについては水素化物発生装置(セイコー電子工業(株)製 THG1200)を用いた。水素化物発生装置は還元気化法により各元素を水素化物として発生させ、発生したガスをICP発光分光装置に導入することにより高感度分析が可能となる。
結果を図1に示し、表1に各種有害金属元素溶液の成分と除去率を示す。表1の除去割合は、1時間経過後の除去割合を示す。
【0011】
【表1】
Figure 0003770538
【0012】
試験で用いた6元素の内、特に吸着量が高かったものとしては、モリブデン、クロム、アンチモン、セレン、砒素であり、吸着率としては97%以上であった。カドミウム、ホウ素は約1mg/lの濃度低下は見られたが吸着剤に対する吸着力は弱かった。モリブデン、クロム、アンチモン、セレン、砒素などの吸着剤に対する吸着量が高かったものはいずれも自然界の鉱物として鉛との化合物として産出されている。また、吸着剤に対して反応が弱かったものの鉱物は鉛との化合物としては産出されていないことがわかった。
【0013】
実施例2
次に、人工6価モリブデン廃水として、原子吸光分析用標準液(ナカライテスク社製)を純水で50mg/lに希釈して使用し、製造例1で作製した鉛化合物を吸着剤として添加し、人工6価モリブデン廃水のpHを変化させてモリブデンの吸着量および鉛化合物から溶出した鉛濃度を調べた。試験は製造例1で作製した吸着剤1,000mg/lの割合で人工6価モリブデン廃水に懸濁させ、攪拌羽根で2時間攪拌し、試料採取を行い、溶液中のモリブデン濃度および鉛濃度を測定した。人工6価モリブデン廃水のpHを水酸化ナトリウムおよび塩酸の添加により各pHに調整し、試験中はpHを維持した。その結果を図2に示す。
pH3から7では、モリブデンの吸着量は約0.049Kg/Kgで一定の値を示し、吸着率にすると90%以上を示した。pH7以上では吸着量が低下した。
また、試験溶液中に鉛化合物から溶出する鉛の濃度はpH3を最大とし13.576mg/l、高pHになるほど溶出量が減少し、pHが9の時には0.26mg/lの濃度であった。
【0014】
実施例3
吸着剤への人工6価モリブデン廃水の濃度変化によるモリブデンの吸着量を調べた。試験はpH9、溶液温度298Kで行った。吸着量の算出には吸着平衡に達した値の吸着試験開始から1.5時間経過後の値を用いた。結果を図3を示す。
図3の吸着等温線から吸着等温線の型を調査するためにラングミュア型とフロイントリッヒ型へ適合を試みた。ラングミュア式は式(1)に示す。ここでYm:モリブデンイオンの最大吸着量、C:平衡濃度、K:平衡定数である。
C/Y=C/Y+1/K'Y・・・・・・・・(1)
フロイトリッヒ式は式(2)に示す。ここでa,nは定数、C:平衡濃度である。
Y=a・C1/n ・・・・・・・・(2)
式(1)、式(2)に適合した計算値と実測値の差から吸着等温線の型を決定した。その結果を表2に示す。ラングミュア式のΔとフロイントリッヒ式のΔ'を比較するとラングミュア式が適合していることが確認できる。このことから鉛化合物に対するモリブデンイオンの吸着はラングミュア型の吸着と考察できた。
【0015】
【表2】
Figure 0003770538
【0016】
実施例4
人工6価モリブデン廃水中のモリブデン濃度を要監視項目の指針値である0.07mg/l以下に処理することを目的に試験を行った。試験は50mg/lの人工6価モリブデン廃水に製造例1で作製した吸着剤をそれぞれ200mg/l、400mg/l、1,000mg/l、6,000mg/l懸濁させ、2時間攪拌した。このときのpHは9、溶液温度は298Kであった。試験開始から各時間ごとに試料を採取した結果を図4に示した。
吸着剤の添加量を増加するほどモリブデンイオン吸着反応速度は増大し、人工6価モリブデン廃水濃度を低下させた。人工6価モリブデン廃水中のモリブデン濃度50mg/lを要監視項目指針値以下にするためには6,000mg/lの吸着剤が必要であり、吸着時間は7200秒必要であった。
【0017】
実施例5
次に、モリブデンを吸着した吸着剤からモリブデンの溶離回収を試みた。水酸化ナトリウムを1mg/l、0.5mg/l、0.1mg/lの濃度で用意し、吸着済みの鉛化合物を添加、ステンレス製の攪拌羽根で攪拌した。サンプル採取方法および定量方法は吸着試験と同様に行った。結果を図5に示す。
溶離時間1.08×10秒の溶離率は82%から99%であった。水酸化ナトリウム0.5mg/lを用いたときが最も溶離率がよく、0.1mg/l、1mg/lの順序で溶離率が低下した。しかし、溶離溶液中には吸着剤の鉛がモリブデンと同時に溶離した。その鉛濃度は水酸化ナトリウムの濃度に依存し、溶離時間1.08×10秒での水酸化ナトリウム1mg/l、0.5mg/l、0.1mg/lの鉛濃度はそれぞれ576.9mg/l、537.98mg/l、166.94mg/lであった。以上の結果より水酸化ナトリウム0.1mg/lを用いて溶離回収を行うことが望ましいと考える。
【0018】
実施例6
吸着剤表面を走査電子顕微鏡((株)日立製作所 S−4500)による表面観察およびエネルギー分散型X線分光法(HORIBA EMAX−5770W)による面分析、ESCA(島津製作所製 ESCA−3200)を用いたX線光電子分光法で調査した。
モリブデン吸着前と吸着後の吸着剤の表面状態を図6に示す。図6からモリブデン吸着前の吸着剤は不規則な粒子が表面に凝集していることがわかる。一方、モリブデン吸着後の吸着剤表面は規則性のある結晶が存在していた。
この結晶をエネルギー分散型X線分光法による面分析した結果を図7に示す。EDSによるとモリブデンを吸着した後の吸着剤表面はFe、Pb、Moが検出され、Feは結晶の外側で多く存在し、Pb、Moは結晶の内側で多く確認できた。このことから結晶を構成している元素はPb、Moであると推定できる。
次に、XPSによりモリブデン吸着後の吸着剤表面を分析した結果を図8に示す。XPSの測定におけるX線源にはMgKα線を用いた。X線光電子スペクトルにおける束縛エネルギー値の補正は、吸着剤表面における汚染炭素から推測されるCls電子スペクトルのピーク位置を基準の汚染炭素のCls電子束縛エネルギー値、285eVと比較して行った。図8に、Pb4f7/2のスペクトル付近にはすでに報告されているPb(NO、Pb(OH)、PbOの束縛エネルギー値を示す。Fe3/2のスペクトル付近はFeOOH、Fe、Feの束縛エネルギー値、Mo5/2のスペクトル付近はMoOからのMo6+、MoOからのMo4+、Moの束縛エネルギーも合わせて示す。図8から吸着剤の表面はPb(NO、FeOOH、Mo6+と同定できた。
【0019】
実施例7
製造例1で作製した吸着剤を、一般の産業廃水の処理に適応した。実廃水は、太陽鉱工株式会社から供与されたものである。この実廃水は石油精製用触媒のリサイクル時に発生する排ガスの洗浄液を中和および曝気後、濾過した廃水である。
廃水中のモリブデン濃度は270mg/lであった。試験は製造例1で作製した吸着剤の添加量を0.01Kg/lの場合と0.02Kg/lの場合の2種類行った。結果を図9に示す。添加量を0.01Kg/l添加するだけでは吸着時間7200秒経過してもモリブデンの残存イオン濃度は16.699mg/lあった。さらに添加量を増加させた0.02Kg/l時では吸着時間1800秒でICPの検出限界以下の値を示した。以上のことよりモリブデン濃度270mg/l中のモリブデンを除去するのに必要な吸着剤の添加量は0.02Kg/lであることが確認できた。
試験中に実廃水へ吸着剤から溶出した鉛量は、吸着時間7200秒、添加量0.01Kg/l時で0.88mg/l、吸着時間7200秒、添加量0.02Kg/l時で1.05mg/lであった。これは実廃水のpHが8であり、鉛化合物から溶出する鉛量が少量であったためと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】8種の有害金属元素(砒素、ホウ素、アンチモン、水銀、セレン、モリブデン、カドミウム、クロム)の除去と時間の経過の関係を示すグラフである。
【図2】各pHにおける本発明の吸着剤によるMo6+の吸着とPb2+の溶出とを示すグラフである。温度は298K、吸着剤は1,000mg/lである。
【図3】本発明の吸着剤によるMo6+イオンの吸着量とMo6+イオン濃度との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の吸着剤を所定の濃度にした場合の、Mo6+イオン濃度と経過時間との関係を示すグラフである。
【図5】モリブデンを吸着した吸着剤からにモリブデンの溶離率と溶離時間との関係を示すグラフである。
【図6】モリブデン吸着前後の吸着剤表面のSEM写真である。
【図7】吸着剤表面のエネルギー分散型X線分光写真である。左上図は図6(b)と同じSEM写真であるが、右上図、左下図、及び右下図はエネルギー分散型X線分光写真(それぞれ、FeKα、PbMα、及びMoLα)を表し、破線で囲まれた部分はそれぞれの金属の検出された部分を指す。
【図8】XPSによるモリブデン吸着後の吸着剤表面の分析結果を示すグラフである。
【図9】実廃水を本発明の吸着剤で処理した場合の、モリブデン濃度と経過時間との関係を示すグラフである。

Claims (6)

  1. ゼオライト及び(PbO)(FeO)(Fe1−x−y・aHO(式中、0.1≦x≦0.9、0≦y≦0.9、0≦a≦10)で表される鉛化合物から成る重金属の吸着剤。
  2. 水中で鉛イオン供給源と鉄イオン供給源とをz:1−zのモル比(式中、0.1≦z≦0.9)で混合し、これに塩基を加えることにより得られる沈殿物とゼオライトとを混合することにより得られる重金属の吸着剤。
  3. 前記鉛イオン供給源が硝酸鉛であり、前記鉄イオン供給源がと硝酸鉄であり、zが0.3〜0.4であり、前記塩基が水酸ナトリウムである請求項2に記載の重金属の吸着剤。
  4. 前記ゼオライトが200メッシュ以下の粉状である請求項1〜3のいずれか一項に記載の重金属の吸着剤。
  5. 重金属イオンを含むpHを3〜9に調製した溶液に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸着剤を加えることから成る重金属の除去方法。
  6. 前記重金属が、モリブデン、クロム、アンチモン、セレン、若しくはヒ素、又はこれらの混合物である請求項5に記載の方法。
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