JP2003061149A - 車両用通信制御装置 - Google Patents

車両用通信制御装置

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JP2003061149A JP2001245671A JP2001245671A JP2003061149A JP 2003061149 A JP2003061149 A JP 2003061149A JP 2001245671 A JP2001245671 A JP 2001245671A JP 2001245671 A JP2001245671 A JP 2001245671A JP 2003061149 A JP2003061149 A JP 2003061149A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行予定経路の電波環境が悪くストリーム型
コンテンツの十分なダウンロードができない区間でも、
中断することなく再生できるようにする。 【解決手段】 地図データ記憶部1、走行経路設定部4
で設定した走行予定経路の区間における電波受信レベル
を電波環境データ記憶部2の電波環境データに基づき判
断し、走行時間予測部6で各区間での走行時間を演算す
る。バッファ量演算部10は、通信速度予測部7からの
予測通信速度と予測走行速度を用いてバッファリング可
能なデータ量を求め、この結果とバッファの上限値から
受信バッファ設定部11でバッファ量を設定する。電波
環境の悪い区間で不足するデータ量をその手前の電波環
境の良い区間で上記バッファに蓄積する。ダウンロード
可否判定部12でダウンロードに十分か否かを判断し、
ダウンロード可否提示部13でその結果をドライバへ提
示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両と他の通信相手と
の間で電波を介して通信する車両用通信制御装置に関わ
る。
【0002】
【従来の技術】車両用通信制御装置における電波環境が
良くない区間での通信対策としては、特開平5−199
167号公報に記載された自動車電話の場合のように、
走行により得られた受信のレベル状態を電波環境マップ
の区間に関連づけて記憶しておき、この電波状態マップ
情報を通話状態に表示するようにしている。これによ
り、ドライバは、良好な受信状態が得られる走行経路を
選択することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように車両と他
の通信相手との間で電波通信するものとしては、自動車
電話のほかに、最近では、たとえば音楽やニュース、天
気予報、インターネットラジオなどのようにダウンロー
ドしたデータを一度バッファに貯めてから情報を再生し
続けるようにしたストリーム型のコンテンツを送受信す
るものがある。上記従来技術では、電波環境の良好な区
間を選択して走行することになるが、場所によっては電
波環境の良くない区間を走行しなければならないことも
あり、このような場合、ストリーム型のコンテンツをダ
ウンロードしようとしても、電波環境が悪い区間でダウ
ンロードが中断してしまうことがある。
【0004】本発明の目的は、走行予定経路の電波環境
が悪くダウンロードができない区間における、再生に必
要なデー夕量を予測し、その分のデータ量を手前の電波
環境の良い区間で予めバッファに貯蔵するようにするこ
とで、電波環境の悪い区間を通過する場合でもストリー
ム型コンテンツを中断することなく再生することができ
るようにした車両用通信制御装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1の発
明は、地図データを記憶する地図データ記憶部と、電波
環境データを記憶する電波環境データ記憶部と、自車位
置を取得する自車位置取得部と、地図データを用いて走
行予定経路における走行時間を予測する走行時間予測部
と、電波環境データを用いて走行予定経路における通信
速度を予測する通信速度予測部と、要求されたコンテン
ツの再生速度を取得する再生速度取得部と、走行時間予
測部から得た走行時間と通信速度予測部から得た通信速
度とを用いて走行予定経路においてバッファリング可能
なデータ量を求めるバッファ量演算部と、該バッファ量
演算部の演算結果及びバッファの上限値よりバッファ容
量を設定する受信バッファ設定部とを備え、上記容量設
定されたバッファにコンテンツをダウンロードするもの
とした。
【0006】請求項2の発明は、さらに受信バッファ設
定部で設定したバッファ容量の設定値とバッファ量演算
部で求めたバッファリング可能なデータ量とを用いて、
要求されたコンテンツが走行予定経路において中断する
ことなく再生可能か否かを判定するダウンロード可否判
定部と、該ダウンロード可否判定部の判定結果をドライ
バに提示するダウンロード可否提示部とを有するものと
した。
【0007】請求項3の発明は、バッファ量演算部が、
走行予定経路の区間ごとにバッファリング可能なデータ
量を求め、受信バッファ設定部にて、上記区間ごとにバ
ッファ容量を設定するものとした。請求項4の発明は、
走行予定経路の区間として、走行速度が所定値以上変化
する地点、および通信速度が所定値以上変化する地点の
うちの少なくとも一方の地点で区切るようにしたもので
ある。
【0008】請求項5の発明は、走行時間予測部が、走
行速度として、地図データ記憶部の地図データと関連し
て設定された走行速度を用いるものとした。また、請求
項6の発明は、通信により交通状況を取得する交通情報
取得部を備え、走行時間予測部が、交通情報取得部で取
得した交通情報に基づく走行速度を参照するものとし
た。
【0009】請求項7の発明は、ダウンロード可否判定
部が、ダウンロード要求時の場所においてダウンロード
不可の場合に、ダウンロード可能となる位置を求めて、
ダウンロード可否提示部により提示するようにしたもの
である。請求項8の発明は、とくに、ダウンロード可否
提示部により提示するダウンロード可能となる位置を、
自車位置から所定距離以内のものに限定するようにした
ものである。
【0010】請求項9の発明は、ダウンロード可否判定
部が、ダウンロード要求時の場所から電波環境が悪化す
る場所に到達するまでに必要なデータ量のバッファリン
グが間に合わない場合は、地図データより取得した自車
位置の状況を考慮して、電波環境が悪化する区間での再
生に必要なデータ量をバッファリングするための所定の
メッセージをダウンロード可否提示部により提示するも
のとした。
【0011】請求項10の発明は、バッファ量演算部
が、実走行速度、実通信速度の少なくとも一方と予測し
た走行時間、通信速度とが所定値以上異なる場合は、必
要なバッファ量を再演算し、受信バッファ設定部にバッ
ファ容量の再設定を指令するようにしたものとした。
【0012】
【発明の効果】請求項1の発明では、電波環境データか
ら走行予定経路に対応した部分の電波環境状況を取得し
て、走行予定経路の電波環境が悪くダウンロードができ
ない区間を判別し、この電波環境の悪い区間において再
生するのに不足するデータ量をバッファ量演算手段で予
測し、その分のバッファ容量を設けてその手前の電波環
境の良い区間で予めバッファに再生用データを貯蔵する
ようにしたので、電波環境の悪い区間を通過する場合で
もストリーム型コンテンツを中断することなく再生する
ことができる。
【0013】請求項2の発明では、ダウンロード可否判
定部で、バッファ容量の設定値とバッファリング可能な
データ量とを用い、要求されたコンテンツが走行予定経
路において中断することなく再生可能か否かを判定し、
この判定結果をドライバへ提示するようにしたので、ド
ライバは電波環境の悪い区間において再生するのに不足
するデータ量をその手前の電波環境の良い区間で予めバ
ッファに再生用データをすべて貯蔵できるか否かを知る
ことができる。この結果、ドライバは再生に支障がない
のでそのまま走行しても大丈夫か否かを認識でき、再生
に支障がある場合は、手前の電波環境の良い区間で駐車
するなどして情報をダウンロードするか、あるいはその
まま支障を受け入れて走行し続けるかにつき判断できる
ようになる。
【0014】請求項3の発明では、バッファ量演算部
が、走行予定経路の区間ごとにバッファリング可能なデ
ータ量を求め、受信バッファ設定部にて、これら区間ご
とにバッファ容量を設定するようにしたので、より高い
精度で再生用データの予貯蓄が可能となり、コンテンツ
再生の中断の発生確率をより低く抑えることができる。
【0015】請求項4の発明では、走行予定経路の区間
が、走行速度が所定値以上変化する地点、また通信速度
が所定値以上変化する地点のうちの少なくとも一方の地
点で区切られるようにしたので、最適な区間設定が可能
となり、コンテンツ再生の中断の発生確率をより低く抑
えることができる。
【0016】請求項5の発明では、走行時間予測部で用
いる走行速度として、地図データ記憶部の地図データと
関連して記憶された走行速度を用いるので、簡便にバッ
ファ容量を設定できる。請求項6の発明では、走行時間
予測部で用いる走行速度として、交通情報取得部からの
交通情報に基づく走行速度を用いるので、現状に即した
高い精度でバッファ容量を設定できる。
【0017】請求項7の発明では、ダウンロード要求時
の場所においてダウンロード不可の場合に、ダウンロー
ド可能となる位置が提示されるので、自車位置周辺の電
波環境が悪くダウンロードができない場合に、電波環境
が良い地点をドライバが容易に認識でき、その場所へ行
って停車するなどして要求コンテンツをダウンロードす
ることができる。請求項8の発明では、とくにダウンロ
ード可能位置が自車位置から所定距離以内のものに限定
されるので、ドライバはダウンロード可能な最寄りの場
所を容易に認識することができる。
【0018】請求項9の発明では、ダウンロード要求時
の場所から電波環境が悪化する場所に到達するまでに必
要なデータ量のバッファリングが間に合わない場合に、
地図データより取得した自車位置の状況を考慮して、電
波環境が悪化する区間での再生に必要なデータ量をバッ
ファリングするための所定のメッセージを提示するよう
にしたので、電波環境が悪い区間の再生データ不足分の
バッファリングが間に合わない場合に、その手前の電波
環境が良い場所で停止可能な場所があれば停車して間に
合わない分をバッファリングすることができ、要求コン
テンツを中断することなく再生することができる。
【0019】請求項10の発明では、実走行速度、実通
信速度の少なくとも一方と予測した走行時間、通信速度
とが所定値以上異なる場合に、必要なバッファ量を再演
算して、バッファ量が再設定されるから、交通状況や通
信環境の変化に対応して、より高い精度のバッファ容量
となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例により説明する。図1は、第1の実施例の車両用通信
制御装置のハードウェア構成を示す。ここでは、ナビゲ
ーション装置21、通信ユニット22、及びディスプレ
イ23が一体化されて、車載情報端末20として構成さ
れている。ナビゲーション装置21には、自車の位置情
報を得るため衛星からのGPS電波を受けるGPS受信
部24と、FM多重放送や電波ビーコン、光ビーコンな
どにより交通状況の情報(交通情報)を得るVICSユ
ニット25が接続されている。また、ナビゲーション装
置21は、地図データ27と電波環境データ28の各記
憶部を備え、走行経路設定部4、及び走行時間予測部6
を有している。
【0021】通信ユニット22は、通信速度予測部7、
再生速度取得部8、バッファ量演算部10、受信バッフ
ァ設定部11、及びダウンロード可否判定部12を備え
ている。なお、ここでは、通信ユニット22の通信機能
の部分には、ドライバの携帯電話29を接続して用いる
ようにしている。ディスプレイ23は、ダウンロード可
否提示部13を備えるとともに、ナビゲーション装置2
1のナビゲーション画像も表示可能とされている。
【0022】図2は、上記の機能要素を含む装置全体の
機能ブロック図である。地図データ記憶部1は、ナビゲ
ーション用の道路データを含む上記の地図データ27を
記憶するものである。電波環境データ記憶部2は、上記
地図データ27に関連した電波環境データ28を蓄積記
憶するものである。電波環境データ28は、たとえば固
定局から発信される電波の受信レベル状態を検出し、上
記地図データ27と関連づけて生成され、以後利用可能
とされるものでも、最初から電波環境データが入力され
ているものでも、あるいは予め入力された分に実測での
データを用いて追加・修正するもののいずれであっても
良い。
【0023】自車位置取得部3は、自車の現在位置を取
得するもので、ここではGPS24とカーナビゲーショ
ン装置21を用いる。走行経路設定部4は、目的地まで
の走行予定経路を設定するものである。交通情報取得部
5は、走行予定経路周辺の渋滞などの交通状況情報を受
信するものである。ここでは、たとえばVICS(道路
交通情報通信システム)を利用する。
【0024】走行時間予測部6は、地図データ記憶部1
の道路データから得た走行予定経路の道路種別、交通情
報取得部5から取得した交通状況等から走行時間を見積
もるものである。なお、地図データ記憶部1からの道路
種別等の道路データは、走行経路設定部4および交通情
報取得部5によるデータとセットで走行時間予測部6へ
与えられる。ここでは、地図データから求めた走行予定
距離を、また地図データに対応して記憶した走行速度、
あるいは交通情報取得部5から得た走行速度で割り算す
ることで走行時間を推測する。なお、この走行時間は、
後で詳細説明するように走行予定経路の走行区間ごとに
設定する。
【0025】通信速度予測部7は、電波環境データ記憶
部2から走行経路設定部4で決定された走行予定経路上
の電波環境データを読み出し、この走行予定経路上の電
波環境データから走行予定経路における通信速度を予測
するものである。再生速度取得部8は、図示しない入力
部をドライバが走査して要求したコンテンツの再生速度
を、車外のコンテンツプロバイダ9より取得するもので
ある。
【0026】バッファ量演算部10は、走行時間予測部
6で得た走行予定経路の走行時間、通信速度予測部7で
得た通信速度の予測値、及び再生速度取得部8で得たコ
ンテンツの再生速度から必要なバッファ量を演算するも
のである。受信バッファ設定部11は、システムのメモ
リ上に最適なバッファ容量の受信バッファ領域を確保す
るものである。
【0027】ダウンロード可否判定部12は、受信バッ
ファ設定部11で確保した設定可能な受信バッファ量と
バッファ量演算部10で演算した必要なデータ量から要
求されたコンテンツのダウンロード可否を判定するもの
である。ダウンロード可否提示手段13は、ダウンロー
ド可否判定部12で判断したダウンロード可否をドライ
バに提示するものである。
【0028】次に、上記実施例の作用につき、説明す
る。例えば、図3に示すように、走行予定経路が地図デ
ータ27上に示す経路(地点A→地点B→地点C→地点
D)で、かつこの走行予定経路上の電波環境(電波の受
信レベル)が地点B→地点C間で微弱となっている場合
を考える。この場合、図4に示すように区間A〜B及び
区間C〜Dでは電波環境が良好(受信レベル強)なの
で、通信速度がコンテンツの再生速度よりも早く、同一
時間内では再生量よりも多くのデータ量をダウンロード
可能である。これに対し、区間B〜Cでは電波環境が悪
い(受信レベル微弱)ので、通信速度がコンテンツの再
生速度よりも遅く、再生に必要なデータ量をダウンロー
ドすることができず、再生が途中で途切れてしまう。
【0029】そこで、走行予定経路上の電波環境データ
28を用いて通信速度予測部7で通信速度を予測し、図
4に示す電波環境の悪い区間B〜Cにおけるデータの不
足分を、矢示Qのように手前の電波環境の良好な区間A
〜Bで予めダウンロードしてバッファに貯めておき、こ
のバッファに蓄積したデータを電波環境が悪い区間で読
み出すことにより、途中に電波環境が悪い区間B〜Cが
ある場合でもコンテンツ再生の途切れを回避することが
できるようにする。
【0030】以下、この制御の詳細について、走行予定
経路が図3に示す経路A→B→C→Dである場合を例に
とって、図5の制御フローチャートに基づき説明する。
ステップ110で、コンテンツのダウンロード要求があ
ると、ステップ111で、再生速度取得部8が、外部の
コンテンツプロバイダ9から再生速度Sv(pbs)を
受信する。
【0031】ステップ112では、走行時間予測部6
が、走行経路設定部4で設定された走行予定経路の道路
属性などの情報を地図データ27から読み出し、これを
もとに走行速度を予測する。この走行速度の予測にあっ
ては、道路属性と走行速度の関係を利用する。この関係
の情報は走行時間予測部6の内部メモリに記憶されてお
り、その一例を下記に示す。 道路属性: 走行速度 高速道路: 90(Km/h) 一般道路: 40(Km/h) 細街路 : 20(Km/h) 図3の経路A→B→C→Dの走行速度の予測値は、図6
に示すように、道路種別が区間A〜Bでは一般道路であ
るとするとV=40(Km/h)、区間B〜C〜Dで
は細街路であるとするとV=20(Km/h)とな
る。なお、交通情報取得部5で渋滞情報を受信した場合
は、走行速度が上記通常の走行時より低下するのでそち
らの低めの走行速度を用いる。
【0032】ステップ113では、通信速度予測部7
が、図3に示すように、走行予定経路A→B→C→Dに
対応する部分の電波受信レベルを電波環境データ28か
ら読み出し、この受信レベルから通信速度を予測する。
ここでは、電波環境データ28に電波の受信レベル(d
BμV)を用いる。この電波受信レベルは、例えば図8
に示すように、通信速度(byte/s)と単調増加関
数の関係にあることから、受信レベルが分かれば通信速
度を推測できる。したがって、図3の経路A→B→C→
Dを走行する場合の通信速度予測値は、図6に示すよう
に、区間A〜B及び区間C〜Dでは受信レベルがD
(dBμV)であるので、図8に示す関係からf(b
yte/s)となり、また区間B〜Cでは受信レベルが
であるので図8に示す関係からp(byte/s)
となる。
【0033】ステップ114では、バッファ量演算部1
0が、ステップ112で予測した走行速度が所定値以上
変化する地点、及びステップ113で予測した通信速度
が所定値以上変化する地点で、走行予定経路を区分して
各走行区間を得る。図3に示す経路A→B→C→Dの場
合には、走行速度と通信速度の予測値が変化する地点
B、及び通信速度の予測値が変化する地点Cをそれぞれ
区間の区切りとする。
【0034】ステップ115では、バッファ量演算部1
0が、ステップ111で取得したコンテンツの再生速度
(byte/s)と、ステップ114で区切られた
各区間における通信速度Dvi(byte/s)と、走
行速度V(m/s)と、各区間の走行距離L(m)
とを用いて、以下の式から各区間におけるバッファリン
グ可能量B(byte)を求める。 B=(Dvi−S)×L/V
【0035】図6にはこれにより求められた各区間にお
けるバッファリング可能量が示される。 ここで、区間
B〜Cでは通信速度p(byte/s)がコンテンツの
再生速度S(byte/s)より遅いので、この区間
におけるバッファリング可能量Bbcは負となり、ダウ
ンロードが再生に追い着かず再生が中断してしまうこと
になる。ステップ116では、ダウンロード可否判定部
12が、ステップ115で求めたバッファリング可能量
が負(即ち図3の区間B〜Cのように電波の受信レ
ベルが微弱で通信速度がコンテンツの再生速度よりも遅
い場合)になるか否かを判断し、負になる場合はステッ
プ118へ進み、そうでない場合はステップ117へ進
む。
【0036】ステップ117では、ダウンロード可否判
定部12が、ステップ115でバッファリング可能量を
求めた区間が最終区間であるか否かを判定する。最終区
間でない場合は次のバッファリング可能量を求めるため
にステップ115へ戻り、最終区間である場合はステッ
プ119で、先のステップ110で要求されたコンテン
ツがダウンロード可能であると判定し、ダウンロード可
否提示部13によりダウンロード可能をドライバに提示
する。
【0037】ステップ118では、通信速度p(byt
e/s)がコンテンツの再生速度S (byte/s)
よりも遅い場合に、手前の区間におけるバッファリング
可能量の合計ΣB(byte)が当該区間におけるデ
ータの不足分−B以上となるか否かを判断する。すな
わち、ダウンロード可否判定部12では、図3の経路A
→B→C→Dについては、区間B〜Cのバッファリング
不足分−(p−S)×l/Vをその前の区間A〜
Bにおけるバッファリング可能量で補えることができる
かどうか、したがって以下の式が満たされるか否かを判
定する。 (f−S)×l/V>−(p−S)×l/V
【0038】上式が満たされる場合は、図3の区間A〜
Bにおけるバッファの設定値を、区間B〜Cにおける不
足分−Bbc=(S−p)×l/Vを上乗せした
分に設定する。そして、ステップ117へ進む。上式が
満たされない場合は、ステップ120に進んで、当該区
間で「再生が中断する」と判定し、その旨提示する。
【0039】以上のように構成された本実施例では、図
7に示すように電波環境が良く高速な通信速度が確保で
きる区間A〜Bで、予め電波環境の悪い区間B〜Cの不
足分をバッファリングしておき、区間B〜Cでの走行時
にバッファに貯蔵されたデータを用いることで中断する
ことなくコンテンツを再生することができる。なお、経
路A→B→C→Dを走行する場合、区間B〜Cにおいて
不足する情報量は走行区間A〜Bにて予め蓄積する必要
があり、必要とする蓄積量に応じてバッファ容量を大き
くする必要があるが、目的地がDの地点であれば走行区
間C〜Dでは不足分が発生しないために、再生量に見合
った分だけ情報の蓄積をすればよく、走行区間C〜Dで
はバッファ容量を大きくする必要はない。
【0040】なお、先のフローチャートのステップ11
8で、手前の区間におけるバッファリング可能量の合計
ΣB(byte)がデータの不足分−B以上となら
ない場合に、ステップ120では、とくに当該区間の終
端位置が自車位置から一定距離以内(例えば1Km)で
あるときに、当該区間の終端位置を「ダウンロード可能
位置」としてダウンロード可否提示部13によりドライ
バへメッセージを提示し、そうでない場合に「ダウンロ
ード不可」または「再生中断」のメッセージを提示する
ようにしてもよい。ただし、自車両が区間の終端位置か
ら一定距離内であって再生が中断すると判断された場合
であっても、ダウンロード可否判定部12が、上記終端
位置まで渋滞して到達に時間がかりダウンロードに必要
な時間を確保できると判断したときは、「ダウンロード
可能位置」の提示を取り止めるようにしてもよい。
【0041】図9は第2の実施例を示す。これは、図2
の構成に対して、ダウンロード可否判定部12がさらに
地図データ記憶部1から地図データ27を読み込み可能
になっているものである。本実施例では、第1の実施例
に対して、以下の機能が付加される。第1に、自車位置
の電波環境が悪くコンテンツの再生が不可能な場合に、
電波環境が良くなりコンテンツの再生が可能となる位置
をドライバに提示する。第2に、図10に示すように自
車が電波環境の良い区間にあっても、これに続く区間が
電波環境の悪い区間で再生データ不足分のバッファリン
グが間に合わない場合には、この電波環境の良い区間に
停車可能な場所があれば上記バッファリングが間に合わ
ない不足分αをそこで停車してバッファリングするよう
にドライバへメッセージを提示する。
【0042】この制御の詳細を、図11の制御フローチ
ャートに基づいて説明する。なお、ステップ210から
ステップ214は、前実施例における図5のフローチャ
ートのステップ110からステップ114と同じである
ので、ここではそれらの説明を省略する。ステップ21
5では、ダウンロード可否判定部12が、自車位置にお
いて電波環境がステップ211で要求されたコンテンツ
を再生可能かどうか、すなわち自車位置での通信速度f
とコンテンツの再生速度Sとを比較してどちらが早い
かを判断する。通信速度fの方が速い場合はステップ2
16に進み、遅い場合はステップ221で、次の区間で
電波環境が良くなり通信速度の方が速くなる区間の始点
をダウンロード可能位置としてダウンロード可否提示部
13にてドライバへ提示する。
【0043】ステップ216では、ダウンロード可否判
定部12が、次の電波環境が悪い区間における再生デー
タ不足分のバッファリングが可能かどうかをチェック
し、可能な場合はそのままステップ218で、ダウンロ
ード可能と判定して、コンテンツのダウンロードを行
う。
【0044】次の電波環境が悪い区間における再生デー
タ不足分のバッファリングが可能でない場合はステップ
217に進む。すなわち、例えば図3の経路A→B→C
→Dの場合では、バッファリング可能量について自車位
置を含む区間A〜Bでのバッファリング可能量B
abと、次の電波環境の悪い区間B〜Cでのバッファリ
ング可能量Bbcの絶対値とを比較し、Bbcの絶対値
の方が大きくて、間に合わない不足分αが発生する場合
には、ステップ217へ進む。
【0045】ステップ217では、ダウンロード可否判
定部12が、自車位置周辺の道路状況を地図データ27
から読み込み、例えば「サービスエリア」や「道の駅」
のように停車可能な場所が、電波環境が悪くなる位置よ
り手前にあるかどうかを判断する。停車可能な場所があ
る場合には、ステップ219へ進み、その場所で停車す
れば電波環境の悪い区間における再生データの不足分を
上記α分を含めてバッファリングでき、要求コンテンツ
のダウンロードが可能となることをディスプレイ23に
表示して、ドライバへ知らせる。
【0046】すなわち、例えば図3の経路A→B→C→
Dにあって区間A〜Bを走行中、図6に示すバッファリ
ング可能量が│Bab│<│Bbc│である場合に、区
間A〜Bに「道の駅」があれば、「道の駅:停車→ダウ
ンロード可能です」といったメッセージを提示する。ま
た、道の駅に停車した後には、バッファリングが間に合
わない分│Bab−Bbc│(byte)のダウンロー
ドが終了するまで「お待ち下さい」といったメッセージ
を提示する。
【0047】一方、停車可能な場所がない場合には、ス
テップ217からステップ220へ進み、電波環境の悪
い区間の終端でダウンロードが可能となることをディス
プレイ23で提示する。
【0048】この第2の実施例にあっては、電波環境が
悪い区間の手前にある電波環境の良い区間に自車両があ
っても、そのまま走行を続けると上記電波環境が悪い区
間での再生データのバッファ量不足分が生じる場合に、
電波環境の良い区間にある停車位置をドライバに提示す
ることで、その駐車位置で上記不足分を含めてダウンロ
ードすることができるようになる。
【0049】なお、上記の各実施例では、バッファ量演
算部10でのバッファリング可能なデータ量の演算に予
測した走行速度および通信速度を用いたが、実走行速度
および実通信速度を測定して、これらの少なくとも一方
が予測した走行速度または通信速度から大きく外れた場
合(例えば、走行速度が予測値より10%以上速い場合
や、通信速度が予測値より10%以上遅い場合など)
は、再度バッファ容量の設定を行うこととしても良い。
これにより、より正確なバッファ容量を設定できる。
【0050】また、各実施例では、走行予定経路が設定
されている場合を例に説明してきたが、走行予定経路が
直接設定されていない場合でも、走行経路設定部4が進
行方向の最寄りの交差点までをその都度走行予定経路と
して設定していき、それらの区間についてバッファ量の
設定を予測するものとすることもできる。これにより、
走行予定経路を直接設定していない場合でも、走行経路
の電波環境が悪くダウンロードができない区間において
も、ストリーム型コンテンツの再生性をより向上させる
ことが可能となる。
【0051】さらに、各実施例では、GPS受信部24
で受けたGPS電波等に基づき、ナビゲーション装置を
含む車載情報端末で、自車位置から目的地までの経路な
どまですべて演算するものとしたが、これに限ることな
く、地図データ記憶部や走行経路設定部、電波環境デー
タ記憶部などは車載でなくても、自車の現在位置と目的
地を通信回線を介して送信し、センター局が目的地まで
の経路等を演算し、その演算結果を通信回線で返送する
タイプのナビゲーション支援装置などを用いるようにし
てもよい。また、通信ユニット22は、上記実施例にあ
ってはその通信機能部分にドライバの携帯電話29を利
用するものとしたが、これに代え、通信ユニット22内
に通信チップを予め内蔵するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例のハードウェア構成を示す図であ
る。
【図2】第1の実施例の機能ブロック図である。
【図3】地図データと電波環境データとを重ね合せ、走
行予定経路とともに示した図である。
【図4】走行予定経路の各区間におけるバッファ容量設
定の要領を示す説明図である。
【図5】第1実施例における制御の流れを示すフローチ
ャートである。
【図6】走行予定経路におけるバッファリング可能量の
演算例を示す図である。
【図7】走行中のバッファ量の変化状態を示す説明図で
ある。
【図8】受信レベルと通信速度との関係を示す図であ
る。
【図9】第2の実施例の機能ブロック図である。
【図10】走行予定経路でバッファ容量が不足する区間
があるときの対策を示す説明図である。
【図11】第2の実施例における制御の流れを示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 地図データ記憶部 2 電波環境データ記憶部 3 自車位置取得部 4 走行経路設定部 5 交通情報取得部 6 走行時間予測部 7 通信速度予測部 8 再生速度取得部 10 バッファ量演算部 11 受信バッファ設定部 12 ダウンロード可否判定部 13 ダウンロード可否提示部 20 車載情報端末 21 ナビゲーション装置 22 通信ユニット 23 ディスプレイ 27 地図データ 28 電波環境データ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 徹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 藤田 晋 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 5H180 AA01 BB02 BB04 BB05 EE18 FF05 FF12 FF13 FF27 5K034 AA10 AA17 CC02 DD02 DD04 EE03 HH02 HH42 TT02 5K067 AA01 BB21 DD44 EE02 EE10 HH21 HH23 JJ56

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地図データを記憶する地図データ記憶部
    と、 電波環境データを記憶する電波環境データ記憶部と、 自車位置を取得する自車位置取得部と、 前記地図データを用いて走行予定経路における走行時間
    を予測する走行時間予測部と、 前記電波環境データを用いて前記走行予定経路における
    通信速度を予測する通信速度予測部と、 要求されたコンテンツの再生速度を取得する再生速度取
    得部と、 前記走行時間予測部から得た走行時間と前記通信速度予
    測部から得た通信速度とを用いて前記走行予定経路にお
    いてバッファリング可能なデータ量を求めるバッファ量
    演算部と、 該バッファ量演算部の演算結果及びバッファの上限値よ
    りバッファ容量を設定する受信バッファ設定部とを備
    え、前記容量設定されたバッファに前記コンテンツをダ
    ウンロードすることを特徴とする車両用通信制御装置。
  2. 【請求項2】 前記受信バッファ設定部で設定したバッ
    ファ容量の設定値と前記バッファ量演算部で求めたバッ
    ファリング可能なデータ量とを用いて、要求されたコン
    テンツが走行予定経路において中断することなく再生可
    能か否かを判定するダウンロード可否判定部と、 該ダウンロード可否判定部の判定結果をドライバに提示
    するダウンロード可否提示部とを有することを特徴とす
    る請求項1に記載の車両用通信制御装置。
  3. 【請求項3】 前記バッファ量演算部は、前記走行予定
    経路の区間ごとにバッファリング可能なデータ量を求
    め、前記受信バッファ設定部にて、前記区間ごとにバッ
    ファ容量を設定するようにしたことを特徴とする請求項
    1または2に記載の車両用通信制御装置。
  4. 【請求項4】 前記走行予定経路の区間は、前記走行速
    度が所定値以上変化する地点、および前記通信速度が所
    定値以上変化する地点のうちの少なくとも一方の地点で
    区切るようにしたことを特徴とする請求項3に記載の車
    両用通信制御装置。
  5. 【請求項5】 前記走行時間予測部は、前記走行速度と
    して、前記地図データ記憶部の地図データと関連して設
    定された走行速度を用いることを特徴とする請求項1か
    ら4のいずれかに記載の車両用通信制御装置。
  6. 【請求項6】 通信により交通状況を取得する交通情報
    取得部を備え、前記走行時間予測部は、前記交通情報取
    得部が取得した交通情報に基づく走行速度を参照するこ
    とを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両
    用通信制御装置。
  7. 【請求項7】 前記ダウンロード可否判定部は、ダウン
    ロード要求時の場所においてダウンロード不可の場合
    に、ダウンロード可能となる位置を求めて、前記ダウン
    ロード可否提示部により提示するようにしたことを特徴
    とする請求項2から6のいずれかに記載の車両用通信制
    御装置。
  8. 【請求項8】 前記ダウンロード可否判定部は、前記ダ
    ウンロード可否提示部により提示するダウンロード可能
    となる位置を、自車位置から所定距離以内のものに限定
    するようにしたことを特徴とする請求項7に記載の車両
    用通信制御装置。
  9. 【請求項9】 前記ダウンロード可否判定部は、ダウン
    ロード要求時の場所から電波環境が悪化する場所に到達
    するまでに必要なデータ量のバッファリングが間に合わ
    ない場合は、地図データより取得した自車位置の状況を
    考慮して、電波環境が悪化する区間での再生に必要なデ
    ータ量をバッファリングするための所定のメッセージを
    前記ダウンロード可否提示部により提示するようにした
    ことを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の車
    両用通信制御装置。
  10. 【請求項10】 前記バッファ量演算部は、実走行速
    度、実通信速度の少なくとも一方と前記予測した走行時
    間、通信速度とが所定値以上異なる場合は、必要なバッ
    ファ量を再演算し、受信バッファ設定部にバッファ容量
    の再設定を指令するようにしたことを特徴とする請求項
    1から9のいずれかに記載の車両用通信制御装置。
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