JP2003060592A - 光伝送システム - Google Patents

光伝送システム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバケーブルに切断/破断障害が発生
した場合でも、高品質なモニタ制御を行う。 【解決手段】 モニタ命令送信手段11は、モニタ命令
を送信する。動作状態認識手段12は、レスポンス信号
を受信して、動作状態を認識する。フィルタリング手段
21は、モニタ命令とレスポンス信号とのフィルタリン
グを行う。モニタ制御手段22は、モニタ命令にもとづ
いて、自装置の動作状態をモニタし、レスポンス情報を
生成する。励起手段25は、励起光を発生して、光ファ
イバ伝送路内でラマン増幅を行う。再生制御手段23
は、レスポンス信号の再生制御を行って再生信号を生成
する。変調制御手段24は、励起光をレスポンス情報ま
たは再生信号で変調制御して、レスポンス信号を生成す
る。光カップリング手段26は、光ファイバ伝送路に接
続されて、光主信号の転送方向と同一方向または逆方向
へレスポンス信号を中継送信する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光伝送システムに
関し、特に光伝送制御を行う光伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】国際通信の需要は、ビジネスのグローバ
ル化、インターネットの普及などにより、急激に拡大し
ている。このような現状に対し、海底光伝送システム
は、衛星通信と並んで重要なものであり、経済的で大容
量の海底光伝送システムの早期実現が急務となってい
る。
【0003】海底光伝送システムは、海底に光ファイバ
ケーブルを敷設し、光ファイバケーブルの途中に中継器
を設けて、光増幅して光伝送を行う。また、海底光伝送
システムは、海中部分が故障した場合、その修理に多額
の費用と時間を要するため、最も厳しい信頼性が要求さ
れている。したがって、万が一、障害が発生した場合に
は、適確に障害箇所を把握できるような、障害検出機能
を具備しておく必要がある。
【0004】障害検出制御としては、陸上に設けられた
端局から、まず、中継器の動作状態をモニタするための
光のモニタ命令を各中継器に送信する。そして、モニタ
命令を受信した中継器では、自己の動作状態をモニタ
し、その結果であるレスポンスを端局に返信する。この
ように、端局と中継器とで通信を行うことで、海底の光
伝送の状態を監視している。
【0005】ここで、従来の中継器は、EDFA(エル
ビウムドープ光ファイバ・アンプ)を用いて光増幅を行
っていた。このEDFA中継器が、レスポンス信号(光
主信号にレスポンス情報を重畳した信号)を送信する場
合には、EDFAを励起する励起レーザダイオードの出
力を、レスポンス情報で変調して、光主信号に変調を施
すことで、端局側にレスポンス信号を送信していた。
【0006】また、光ファイバケーブルに切断/破断障
害が発生し、光主信号がなくなった場合でも、EDFA
中継器では、増幅媒体であるEDFA自体が発するAS
E(Amplified Spontaneous Emission:自然放射雑音)に
変調をかけることで、レスポンス信号を送信できるの
で、モニタ制御が不可能になるといったことはなかっ
た。
【0007】一方、近年の光通信システムでは、ラマン
増幅と呼ばれる光ファイバ内の非線形光学現象を利用し
た光ファイバ・アンプ(ラマン・アンプ)が注目されて
いる。これは、物質内の振動現象により入射光と異なる
波長の光が散乱される物理現象を利用して、光ファイバ
伝送路全体に強い励起光を入射させて光増幅するもので
あり、光信号を増幅できる帯域が限定されない光増幅方
式である。
【0008】このようなラマン増幅方式を中継器に適用
して、光増幅を行うことにより、従来よりも長距離の光
ファイバケーブルを敷設することができ、中継間隔の拡
大が可能になる。
【0009】そして、このラマン増幅を用いた中継器の
動作状態を示すレスポンス信号を送信する場合には、E
DFA中継器の場合と同様にして、増幅媒体である光フ
ァイバを励起する励起レーザダイオードの出力を、レス
ポンス情報で変調して、光主信号に変調を施すことで、
端局側にレスポンス信号を送信する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のよう
な、EDFAを用いないラマン増幅の中継器では、中継
器の近傍で、光ファイバケーブルに切断/破断障害が発
生すると、増幅媒体がなくなるために、ASEが発生し
なくなる。すると、ASEに変調をかけることができな
くなるので、レスポンス信号を端局に送信することがで
きず、モニタ制御が不可能になってしまうといった問題
があった。
【0011】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、ラマン増幅で光伝送を行う装置に対して、光
ファイバケーブルに切断/破断障害が発生した場合で
も、高品質なモニタ制御を行う光伝送システムを提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、図1に示すような、光伝送制御を行う光
伝送システム1において、動作状態をモニタするための
モニタ命令を送信するモニタ命令送信手段11と、レス
ポンス信号を受信して、動作状態を認識する動作状態認
識手段12と、から構成される端局装置10と、モニタ
命令とレスポンス信号とのフィルタリングを行うフィル
タリング手段21と、モニタ命令にもとづいて、自装置
の動作状態をモニタし、モニタ結果であるレスポンス情
報を生成するモニタ制御手段22と、光ファイバ伝送路
に励起光を入射して、光ファイバ伝送路を増幅媒体とし
た光増幅を行う励起手段25と、他装置から送信された
レスポンス信号の再生制御を行って再生信号を生成する
再生制御手段23と、励起光をレスポンス情報または再
生信号で変調制御して、レスポンス信号を生成する変調
制御手段24と、光ファイバ伝送路に接続されて、光主
信号の転送方向と同一方向または逆方向へレスポンス信
号を中継送信するための光カップリング手段26と、か
ら構成される中継装置20と、を有することを特徴とす
る光伝送システム1が提供される。
【0013】ここで、モニタ命令送信手段11は、動作
状態をモニタするためのモニタ命令を送信する。動作状
態認識手段12は、レスポンス信号を受信して、動作状
態を認識する。フィルタリング手段21は、モニタ命令
とレスポンス信号とのフィルタリングを行う。モニタ制
御手段22は、モニタ命令にもとづいて、自装置の動作
状態をモニタし、モニタ結果であるレスポンス情報を生
成する。励起手段25は、光ファイバ伝送路に励起光を
入射して、光ファイバ伝送路を増幅媒体とした光増幅を
行う。再生制御手段23は、他装置から送信されたレス
ポンス信号の再生制御を行って再生信号を生成する。変
調制御手段24は、励起光をレスポンス情報または再生
信号で変調制御して、レスポンス信号を生成する。光カ
ップリング手段26は、光ファイバ伝送路に接続され
て、光主信号の転送方向と同一方向または逆方向へレス
ポンス信号を中継送信する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明の光伝送システムの
原理図である。光伝送システム1は、端局装置10と中
継装置20から構成されて光ファイバ伝送路(上り回線
L1、下り回線L2)で接続し、長距離の光伝送を行
い、かつ中継装置20のモニタ制御を行う。
【0015】なお、端局装置は、図には示していないが
実際には光ファイバ伝送路の両端に設置され、中継装置
20も複数台設置される(本発明を海底光伝送システム
に適用した場合には、光ファイバ伝送路及び複数の中継
装置20は海中に設置され、端局装置10は例えば、陸
上の局舎内に設置される)。
【0016】端局装置10に対し、モニタ命令送信手段
11は、モニタ命令を上り回線L1を通じて中継装置2
0へ送信する。モニタ命令とは、中継装置20の動作状
態をモニタするための光信号である。
【0017】動作状態認識手段12は、中継装置から伝
搬してきたレスポンス信号を受信し、モニタ対象とした
中継装置20の動作状態を認識する(図では、モニタ命
令を送信した上り回線L1上を通じて、信号光とは逆方
向にレスポンス信号が送信されている)。
【0018】中継装置20(左右に設置された端局装置
に対して、双方向から動作制御可能となるような内部構
成を持つ)に対し、フィルタリング手段21は、モニタ
命令とレスポンス信号とのフィルタリングを行う。ここ
で、光主信号(モニタ命令)の波長帯を1.55μm、
励起光(レスポンス信号)の波長帯を1.45μmとし
た場合、フィルタリング手段21は、これらの波長帯の
フィルタリングをそれぞれ行うことで、モニタ命令をモ
ニタ制御手段22へ選択出力し、レスポンス信号を再生
制御手段23へ選択出力する。
【0019】モニタ制御手段22は、フィルタリング手
段21を通過したモニタ命令を受信して電気信号に変換
し、このモニタ命令にもとづいて、自装置の動作状態を
モニタし、その結果を示すレスポンス情報を生成する。
【0020】中継装置20がモニタする動作状態として
は、例えば、光主信号の入出力レベルや、励起LD(レ
ーザダイオード)の駆動電流の状態等が該当する。再生
制御手段23は、フィルタリング手段21を通過して、
後段の中継装置から中継送信されたレスポンス信号の再
生制御を行って、再生信号を生成する。すなわち、図示
しない中継装置から、上り回線L1を通じて送信された
レスポンス信号を受信し、電気信号への変換及び波形整
形を行って、再生信号を生成する。
【0021】なお、再生制御手段23では、変調制御手
段24がレスポンス情報で励起光の変調を行っている場
合には、再生制御を停止して、再生信号の送出を止める
(すなわち、自己宛てのモニタ命令を受信した中継装置
内の再生制御手段23では、再生制御を停止する)。
【0022】これにより、変調制御手段24において、
モニタ命令にもとづくレスポンス信号生成時の変調制御
と、中継されてきたレスポンス信号による変調制御との
混在化を防止できるので、上り回線L1及び下り回線L
2を通じて、レスポンス信号がループ状に発振状態にな
ってしまうなどの不都合な現象の発生をなくすことが可
能になる。
【0023】励起手段25は、光ファイバ伝送路に励起
光を入射して、光ファイバ伝送路を増幅媒体としたラマ
ン増幅を行う。変調制御手段24は、励起光をレスポン
ス情報で変調して、レスポンス信号を生成する。また
は、励起光を再生信号で変調して、再びレスポンス信号
を生成する(この場合は、レスポンス信号の再生中継を
行っていることになる)。
【0024】光カップリング手段26は、光ファイバ伝
送路に接続されて、光主信号の転送方向と同一方向また
は逆方向へレスポンス信号を、上流の中継装置20へ向
けて中継送信する。なお、本発明の詳細構成及び動作に
ついては後述する。
【0025】次に本発明が解決したい問題点について説
明する。図2は問題点を説明するための図である。左側
に設置してある端局100は、上り回線を通じてモニタ
命令を中継器200へ送信する。従来の中継器200
は、モニタ命令にもとづいて、動作状態をモニタする。
そして、下り回線を流れる光主信号にレスポンス情報を
重畳させて、レスポンス信号を端局100に送信する。
【0026】ここで、中継器200に接続している下り
の光ファイバケーブルが、図に示す中継器200の直近
の位置Pで、切断/破断障害が発生したとする。このよ
うな場合、中継器200には下りの光主信号は入ってこ
なくなる。
【0027】ところが、中継器200が増幅媒体として
EDFAを使用している場合には、中継器200は出力
が一定になるように自動制御する働きがあるので、光主
信号が入ってこない場合、中継器内部のEDFAの利得
を自ら上げて動作しようとする。このため、増幅媒体特
有のASEが発生して、この雑音光に変調をかけること
ができる。
【0028】したがって、EDFA方式の中継器では、
光ファイバケーブルに切断/破断障害が発生して、光主
信号が入ってこなくても、レスポンス信号を端局100
に送信することができ、モニタ制御は可能であった。
【0029】一方、中継器200がラマン増幅方式の場
合について考える。ラマン増幅の中継器200では、中
継器外部の光ファイバケーブル自体が増幅媒体であり、
励起LDからの励起光を光ファイバケーブルに向けて入
射することで光増幅される。したがって、正常時には、
励起パワーに変調をかけてやることで、レスポンス信号
を端局100に送信することができる。
【0030】ところが、中継器200直近の位置Pで、
光ファイバケーブルに切断/破断障害が生じると、増幅
媒体そのものがなくなってしまうので、ASEが発生し
なくなる。すなわち、光主信号もASEもないので、レ
スポンス情報を送信するためのキャリアがまったく存在
しなくなり、モニタ制御が不可能となってしまう(ただ
し、光ファイバケーブル障害が、中継器200から、例
えば、数十キロ離れた遠距離の地点で生じたときには、
その分の長さの光ファイバケーブルが、ラマン増幅器と
して動作するので、この場合にはASEが発生し、モニ
タ制御は可能である)。
【0031】本発明では、ラマン増幅を行う中継器20
0の近距離において、光ファイバケーブルの切断/破断
障害が発生してASEの存在がない場合でも、レスポン
ス信号を確実に端局100へ送信して、モニタ制御及び
光中継伝送制御の信頼性及び品質の向上を図るものであ
る。
【0032】次に中継装置20を具体化した構成につい
て、同一回線上で、光主信号の転送方向と逆方向へレス
ポンス信号を伝搬する際の第1の実施の形態について説
明する。図3は第1の実施の形態の中継装置の構成を示
す図である。
【0033】中継装置20−1は、1.45μmの励起
光を出射するLD(レーザダイオード)1、LD2、モ
ニタ制御機能及び再生制御機能を含むSV(supervisor
y circuit)、分岐比1:1の光カプラC3を有する。
【0034】そして、上り回線L1側に、WDM(Wave
length Division Multiplex)カプラCw1、アイソレ
ータISO1、分岐比1:20の光カプラC1、PD
(フォトダイオード)2m−1、2r−1を有し、下り
回線L2側に、WDMカプラCw2、アイソレータIS
O2、1:20の光カプラC2、PD2m−2、2r−
2を有する。
【0035】ここで、光カプラC3は、LD1及びLD
2からの励起光を、上り回線L1及び下り回線L2へ
1:1で分岐する。また、光カプラC1、C2の分岐比
20:1の内容は、光ファイバケーブル上を流れる信号
を20とした場合に、装置内に入力してくる信号が1で
ある。
【0036】一方、WDMカプラCw1、Cw2は、ポ
ートp1→ポートp2では、1.55μmの光信号が通
過し、ポートp3→ポートp1では、1.45μmの励
起光が通過するカプラである。
【0037】さらに、PD2m−1、2m−2は、1.
55μmの波長帯をフィルタリングするBPF(バンド
パスフィルタ)を内部に含む、モニタ命令受信用のPD
である。PD2r−1、2r−2は、1.45μmの波
長帯をフィルタリングするBPFを内部に含む、レスポ
ンス信号受信用のPDである。
【0038】次に第1の実施の形態の全体動作及び信号
の流れについて説明する。図4は動作及び信号の流れを
示す図である。ただし、図に示してない左側に設置して
ある端局装置10から、モニタ命令が送信されるものと
し、モニタ対象は中継装置20b−1とする。
【0039】〔S1〕端局装置10は、中継装置20b
−1宛てのモニタ命令を、上り回線L1を通じて送信す
る。そして、上り回線L1を流れる1.55μmの光信
号(モニタ命令)は、中継装置20b−1内部へ光カプ
ラC1bで分岐、入力される。 〔S2〕PD2mb−1は、1.55μmのモニタ命令
を通過させ、かつO/Eを行って、SV2bへ出力す
る。
【0040】〔S3〕SV2bは、自己宛てのモニタ命
令であることを認識すると、自装置の動作状態をモニタ
し、レスポンス情報を生成する。なお、SV2bは、モ
ニタ命令の処理を行っているので、このとき再生制御は
停止する。 〔S4〕SV2bは、ラマン増幅するための励起光をレ
スポンス情報で振幅変調する(LD1、LD2の駆動電
流に変調をかける)。
【0041】〔S5〕LD1、LD2から出射された
1.45μmの励起光は、光カプラC3b、WDMカプ
ラCw1bを通じて、上り回線L1aへ入射される。こ
れにより、上り回線L1aを増幅媒体としたラマン増幅
(上り回線L1を流れる光主信号とは逆向きの後方励起
ラマン増幅)が行われ、上り回線L1aを流れる光信号
にレスポンス情報が重畳されたレスポンス信号が、中継
装置20a−1へ伝搬する。
【0042】〔S6〕PD2ra−1は、中継装置20
b−1から伝搬してきた、1.45μmのレスポンス信
号を通過させ、かつO/Eを行って、SV2aへ出力す
る。 〔S7〕SV2aは、レスポンス信号を波形整形して再
生信号を生成する。 〔S8〕SV2aは、ラマン増幅するための励起光を再
生信号で振幅変調する(LD1、LD2の駆動電流に変
調をかける)。
【0043】〔S9〕LD1、LD2から出射された
1.45μmの励起光は、光カプラC3a、WDMカプ
ラCw1aを通じて、上り回線L1へ入射されてラマン
増幅が行われる。このような制御を繰り返すことで、レ
スポンス信号は、上流に位置する中継装置で再生中継さ
れながら端局装置10へ向かう。
【0044】なお、上記では左側に設置されている端局
装置からの制御について説明したが、右側に設置されて
いる端局装置からも同様な制御を行うことができる。こ
こで、従来では、上り回線L1からモニタ命令を受信し
た中継装置は、下り回線L2を通じて、後方励起のラマ
ン増幅を行って、レスポンス信号を端局装置へ送信して
いたため、中継装置の直近の下り回線L2で回線障害が
あると、レスポンス信号を返信できなかった。
【0045】一方、本発明の第1の実施の形態では、上
り回線L1からモニタ命令を受信した中継装置20は、
上り回線L1を通じて、後方励起のラマン増幅を行い、
中継装置間で再生中継しながら、レスポンス信号を端局
装置10へ送信する構成とした。これにより、中継装置
20の直近の下り回線L2で回線障害(図4に示す位置
P)があっても、下り回線L2からの光の有無に関係な
く、レスポンス信号を返信できるので、モニタ制御の信
頼性の向上を図ることが可能になる。
【0046】次に同一回線上で、光主信号の転送方向と
同一方向(順方向)へレスポンス信号を伝搬する際の第
2の実施の形態について説明する。図5は第2の実施の
形態の中継装置の構成を示す図である。
【0047】中継装置20−2は、中継装置20−1に
対してあらたに分岐比が1:100の光カプラC4−
1、C4−2が設けられており、その他の構成要素は同
じである。光カプラC4−1、C4−2の分岐比10
0:1の内容は、光ファイバケーブル上を流れる信号を
100とした場合に、装置内に入力してくる信号が1で
ある。
【0048】次に第2の実施の形態の全体動作及び信号
の流れについて説明する。図6は動作及び信号の流れを
示す図である。ただし、図に示してない左側に設置して
ある端局装置10から、モニタ命令が送信されるものと
し、モニタ対象は中継装置20b−2とする。
【0049】〔S11〕端局装置10は、中継装置20
b−2宛てのモニタ命令を、上り回線L1を通じて送信
する。上り回線L1を流れる1.55μmの光信号(モ
ニタ命令)は、中継装置20b−2内部へ光カプラC1
bで分岐、入力される。 〔S12〕PD2mb−1は、1.55μmのモニタ命
令を通過させ、かつO/Eを行って、SV2bへ出力す
る。
【0050】〔S13〕SV2bは、自己宛てのモニタ
命令であることを認識すると、自装置の動作状態をモニ
タし、PD2rb−2で信号光入力の有無をモニタして
いる結果をレスポンス情報として生成する。なお、SV
2bは、モニタ命令の処理を行っているので、このとき
再生制御は停止する。 〔S14〕SV2bは、ラマン増幅するための励起光を
レスポンス情報で振幅変調する(LD1、LD2の駆動
電流に変調をかける)。
【0051】〔S15〕LD1、LD2から出射された
1.45μmの励起光は、点線で示すdのルートを、W
DMカプラCw2b、光カプラC4b−2、WDMカプ
ラCw2b、アイソレータISO2、光カプラC2bの
順で、下り回線L2へ入射して、下り回線L2を流れる
光主信号と同じ向きに流れる。また、このときに、WD
MカプラCw2b、光カプラC4a−2を通じて流れる
励起光dに、レスポンス情報が重畳されてレスポンス信
号が生成し、中継装置20b−2へ伝搬する。
【0052】なお、ここでは、信号光とは逆方向へ十分
な励起パワーを放出するが、前方励起のラマン増幅が生
じないように、かつ中継装置20a−2が受信できる程
度の励起光dを前方(図の左側)へ転送する必要があ
る。このため、光カプラC4b−2の分岐比を上述した
100:1程度に設定してある。 〔S16〕PD2ra−2は、中継装置20b−2から
伝搬してきた、1.45μmのレスポンス信号を通過さ
せ、かつO/Eを行って、SV2aへ出力する。
【0053】〔S17〕SV2aは、レスポンス信号を
波形整形して再生信号を生成する。 〔S18〕SV2aは、ラマン増幅するための励起光を
再生信号で振幅変調する(LD1、LD2の駆動電流に
変調をかける)。
【0054】〔S19〕LD1、LD2から出射された
1.45μmの励起光は、光カプラC3a、WDMカプ
ラCw2aを通じて、下り回線L2へ入射され、信号光
に対して、後方励起ラマン増幅が行われる。そして、励
起光dは、WDMカプラCw2a、光カプラC4a−
2、WDMカプラCw2a、アイソレータISO2、光
カプラC2aの順でレスポンス信号を伝送路L2に送
る。このような制御を繰り返すことで、レスポンス信号
は、上流に位置する中継装置で再生中継されながら端局
装置10へ向かう。
【0055】このように、本発明の第2の実施の形態で
は、上り回線L1からモニタ命令を受信した中継装置2
0に対し、下り回線L2へ入射された励起光は、WDM
カプラCw、光カプラC4により、後方励起ラマン増幅
の励起方向とは逆方向に転送される。そして、ラマン増
幅によってこの励起光にモニタ結果が重畳されたレスポ
ンス信号が生成し、中継装置間で再生中継しながら、端
局装置10へ送信する構成とした。
【0056】これにより、中継装置20の直近の下り回
線L2で回線障害(図6に示す位置P)があっても、下
り回線L2からの光の有無に関係なく、レスポンス信号
を返信できるので、モニタ制御の信頼性の向上を図るこ
とが可能になる。
【0057】(付記1) 光伝送制御を行う光伝送シス
テムにおいて、動作状態をモニタするためのモニタ命令
を送信するモニタ命令送信手段と、レスポンス信号を受
信して、前記動作状態を認識する動作状態認識手段と、
から構成される端局装置と、前記モニタ命令と前記レス
ポンス信号とのフィルタリングを行うフィルタリング手
段と、前記モニタ命令にもとづいて、自装置の動作状態
をモニタし、モニタ結果であるレスポンス情報を生成す
るモニタ制御手段と、光ファイバ伝送路に励起光を入射
して、前記光ファイバ伝送路を増幅媒体とした光増幅を
行う励起手段と、他装置から送信された前記レスポンス
信号の再生制御を行って再生信号を生成する再生制御手
段と、前記励起光を前記レスポンス情報または前記再生
信号で変調制御して、前記レスポンス信号を生成する変
調制御手段と、前記光ファイバ伝送路に接続されて、光
主信号の転送方向と同一方向または逆方向へ前記レスポ
ンス信号を中継送信するための光カップリング手段と、
から構成される中継装置と、を有することを特徴とする
光伝送システム。
【0058】(付記2) 前記励起手段は、後方励起の
ラマン増幅を行うことを特徴とする付記1記載の光伝送
システム。 (付記3) 前記変調制御手段は、光主信号の転送方向
と逆方向への前記レスポンス信号の伝搬が行われる際に
は、前記光カップリング手段によって生成される、励起
方向とは逆方向の励起光に、モニタ結果を重畳させて前
記レスポンス信号を生成することを特徴とする付記1記
載の光伝送システム。
【0059】(付記4) 前記再生制御手段は、前記励
起光の変調制御が前記レスポンス情報で行われる場合に
は、前記再生制御を停止することを特徴とする付記1記
載の光伝送システム。
【0060】(付記5) 光伝送制御を行う中継装置に
おいて、動作状態をモニタするためのモニタ命令と、レ
スポンス信号とのフィルタリングを行うフィルタリング
手段と、前記モニタ命令にもとづいて、自装置の動作状
態をモニタし、モニタ結果であるレスポンス情報を生成
するモニタ制御手段と、光ファイバ伝送路に励起光を入
射して、前記光ファイバ伝送路を増幅媒体とした光増幅
を行う励起手段と、他装置から送信された前記レスポン
ス信号の再生制御を行って再生信号を生成する再生制御
手段と、前記励起光を前記レスポンス情報または前記再
生信号で変調制御して、前記レスポンス信号を生成する
変調制御手段と、前記光ファイバ伝送路に接続されて、
光主信号の転送方向と同一方向または逆方向へ前記レス
ポンス信号を中継送信するための光カップリング手段
と、を有することを特徴とする中継装置。
【0061】(付記6) 前記励起手段は、後方励起の
ラマン増幅を行うことを特徴とする付記5記載の中継装
置。 (付記7) 前記変調制御手段は、光主信号の転送方向
と逆方向への前記レスポンス信号の伝搬が行われる際に
は、前記光カップリング手段によって生成される、励起
方向とは逆方向の励起光に、モニタ結果を重畳させて前
記レスポンス信号を生成することを特徴とする付記5記
載の中継装置。
【0062】(付記8) 前記再生制御手段は、前記励
起光の変調制御が前記レスポンス情報で行われる場合に
は、前記再生制御を停止することを特徴とする付記5記
載の中継装置。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光伝送シ
ステムは、光ファイバ伝送路を増幅媒体とした光増幅を
行う中継装置に対し、端局装置から送信されたモニタ命
令にもとづいて、自装置の動作状態のモニタ結果である
レスポンス情報を生成する。また、送信されたレスポン
ス信号の再生制御を行って再生信号を生成し、励起光を
レスポンス情報または再生信号で変調制御して、レスポ
ンス信号を生成して中継送信する構成とした。これによ
り、光主信号にモニタ結果を重畳せずに、中継装置の近
傍で回線障害が発生した場合でも、モニタ制御を行うこ
とができるので、光通信制御の信頼性及び品質の向上を
図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光伝送システムの原理図である。
【図2】問題点を説明するための図である。
【図3】第1の実施の形態の中継装置の構成を示す図で
ある。
【図4】動作及び信号の流れを示す図である。
【図5】第2の実施の形態の中継装置の構成を示す図で
ある。
【図6】動作及び信号の流れを示す図である。
【符号の説明】
1 光伝送システム 10 端局装置 11 モニタ命令送信手段 12 動作状態認識手段 20 中継装置 21 フィルタリング手段 22 モニタ制御手段 23 再生制御手段 24 変調制御手段 25 励起手段 26 光カップリング手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/17 (72)発明者 横田 泉 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2K002 AA02 AB30 BA01 DA10 GA05 HA23 5F072 AK06 HH02 JJ05 KK30 QQ07 YY17 5K002 AA01 AA03 AA06 BA04 BA05 BA13 CA13 DA02 DA04 EA06 FA01 GA03 5K042 AA01 CA10 CA15 DA35 EA01 LA13 MA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光伝送制御を行う光伝送システムにおい
    て、 動作状態をモニタするためのモニタ命令を送信するモニ
    タ命令送信手段と、レスポンス信号を受信して、前記動
    作状態を認識する動作状態認識手段と、から構成される
    端局装置と、 前記モニタ命令と前記レスポンス信号とのフィルタリン
    グを行うフィルタリング手段と、前記モニタ命令にもと
    づいて、自装置の動作状態をモニタし、モニタ結果であ
    るレスポンス情報を生成するモニタ制御手段と、光ファ
    イバ伝送路に励起光を入射して、前記光ファイバ伝送路
    を増幅媒体とした光増幅を行う励起手段と、他装置から
    送信された前記レスポンス信号の再生制御を行って再生
    信号を生成する再生制御手段と、前記励起光を前記レス
    ポンス情報または前記再生信号で変調制御して、前記レ
    スポンス信号を生成する変調制御手段と、前記光ファイ
    バ伝送路に接続されて、光主信号の転送方向と同一方向
    または逆方向へ前記レスポンス信号を中継送信するため
    の光カップリング手段と、から構成される中継装置と、 を有することを特徴とする光伝送システム。
  2. 【請求項2】 前記励起手段は、後方励起のラマン増幅
    を行うことを特徴とする請求項1記載の光伝送システ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記変調制御手段は、光主信号の転送方
    向と逆方向への前記レスポンス信号の伝搬が行われる場
    合には、前記光カップリング手段によって生成される、
    励起方向とは逆方向の励起光に、モニタ結果を重畳させ
    て前記レスポンス信号を生成することを特徴とする請求
    項1記載の光伝送システム。
  4. 【請求項4】 前記再生制御手段は、前記励起光の変調
    制御が前記レスポンス情報で行われる場合には、前記再
    生制御を停止することを特徴とする請求項1記載の光伝
    送システム。
  5. 【請求項5】 光伝送制御を行う中継装置において、 動作状態をモニタするためのモニタ命令と、レスポンス
    信号とのフィルタリングを行うフィルタリング手段と、 前記モニタ命令にもとづいて、自装置の動作状態をモニ
    タし、モニタ結果であるレスポンス情報を生成するモニ
    タ制御手段と、 光ファイバ伝送路に励起光を入射して、前記光ファイバ
    伝送路を増幅媒体とした光増幅を行う励起手段と、 他装置から送信された前記レスポンス信号の再生制御を
    行って再生信号を生成する再生制御手段と、 前記励起光を前記レスポンス情報または前記再生信号で
    変調制御して、前記レスポンス信号を生成する変調制御
    手段と、 前記光ファイバ伝送路に接続されて、光主信号の転送方
    向と同一方向または逆方向へ前記レスポンス信号を中継
    送信するための光カップリング手段と、 を有することを特徴とする中継装置。
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