JP2003060377A - 磁気シールドルームの扉部遮蔽構造 - Google Patents

磁気シールドルームの扉部遮蔽構造

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JP2003060377A
JP2003060377A JP2001248304A JP2001248304A JP2003060377A JP 2003060377 A JP2003060377 A JP 2003060377A JP 2001248304 A JP2001248304 A JP 2001248304A JP 2001248304 A JP2001248304 A JP 2001248304A JP 2003060377 A JP2003060377 A JP 2003060377A
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shield
door
radio wave
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chamber wall
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Takao Yamaguchi
孝夫 山口
Shigezo Yamane
茂三 山根
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気シールド性能および電波シールド性能が
向上されてなる磁気シールドルームの扉部遮蔽構造を提
供する。 【解決手段】 磁気シールドルームの扉部遮蔽構造Kで
あって、先端部シールド機構Tが、先端部磁気シールド
部30と先端部電波シールド部40とを有し、前記先端
部磁気シールド部30が、扉本体51の先端と室壁52
との隙間54を磁気シールドルーム外側から塞ぐ、先端
部外側シールド部材を備え、前記先端部電波シールド部
40が、前記先端部外側シールド部材の室壁52との当
接面側に配設された先端部扉側電波シールド部材41
と、前記先端部扉側電波シールド部材41に対応させて
室壁52に配設された先端部室壁側電波シールド部材4
2とを備えてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気シールドルー
ムの扉部遮蔽構造に関する。さらに詳しくは、磁気シー
ルド性能および電波シールド性能が向上されてなる磁気
シールドルームの扉部遮蔽構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、脳磁計測や心磁計測のように
微弱な磁気を測定・検出する場合や、半導体製造におい
て微細な回路パターンを電子線で描画する場合には、測
定磁気や電子線が外部から磁気的な影響を受けるのを防
止する必要があり、その手段として磁気シールドルーム
が用いられている。
【0003】磁気シールドルームは、角形アルミ管など
の非磁性枠部材を箱型体に骨組みするとともに、この箱
型体の全外周面にパーマロイなどの高透磁率合金からな
る所要数の板材を隙間なく取り付けて壁面としてなるも
のとされ、地磁気や外部変動磁界の磁束を高透磁率板材
の壁に集中して流すことにより、磁束(磁気)が室内へ
漏洩するのを防止している。
【0004】かかる磁気シールドルームにおいては、壁
面に隙間が存在するとシールド性能が低下するため、各
壁面に前記板材を隙間なく配設することが重要である
が、実際には複数の板材をその端縁部が密接するように
相互に突合わせて取り付けることは、板材の加工精度や
組立て精度から困難である。そこで、図7および図8に
示すように、板材101、101の突合わせ部101a
を高透磁率合金からなる遮蔽板102で覆うことによ
り、突合わせ部101aに生じる隙間から磁束が室内へ
漏洩するのを防止している。
【0005】ここで、遮蔽板102は、突合わせ部10
1aに対応した位置に配設された枠部材103に、板材
101、101とともにねじ留めすることにより取り付
けられている。
【0006】具体的には、板材101、101の突合わ
せ端縁部近傍に所定間隔で穿設されたねじ挿通用透孔1
01b、101b、…と、このねじ挿通用透孔101
b、101b、…に対応させて遮蔽板102に穿設され
たねじ挿通用透孔102a、102a、…と、ねじ挿通
用透孔101b、101b、…に対応させて枠部材10
3に螺設されたねじ孔103a、103a、…とを利用
してねじ留めすることにより、板材101、101およ
び遮蔽板102が枠部材103に取り付けられている
(例えば、特開2000−183580号公報、特開2
000−183581号公報参照)。
【0007】しかしながら、かかる従来の磁気シールド
ルーム用遮蔽構造は、次のような問題を有している。
【0008】(1)ねじ留め個所が多く磁気シールドル
ームの組立作業に時間がかかる。
【0009】(2)板材101および遮蔽板102には
それぞれねじ挿通用透孔101bおよび102aを穿設
する必要があり、また枠部材103にはねじ孔103a
を螺設する必要があるため、それぞれの加工コストが高
くなる。
【0010】(3)遮蔽板102に設けられた多数のね
じ挿通用透孔102a、102a、…により磁束の通路
が途切れて磁束が磁気シールドルーム内に漏洩するた
め、シールド性能が低下する。
【0011】このような問題点に対処するために、出願
人は、板材および枠部材にねじ孔等を穿設することな
く、板材および遮蔽板を枠部材に取り付けられるように
した磁気シールドルーム用遮蔽構造を既に提案している
(特願2001−105085号参照)。
【0012】ところが、この改良された磁気シールドル
ーム用遮蔽構造においても、扉部では、可動部分がある
ために各板材の隙間を完全に塞ぐことが容易ではないと
いう問題がある。
【0013】図9に従来の磁気シールドルームの扉部を
示す。この扉部200においては、扉本体201と各室
壁202との隙間203を塞ぐように、電波シールド片
204が扉本体201の各室壁対向端面205に取り付
けられる一方で、扉201が閉められたときに各隙間2
03を室内側および室外側の両側から塞ぐように長板状
の磁気遮蔽部材206が配設されるものとされ、磁気遮
蔽部材206は各室壁202の表面を被うように配設さ
れるものとされる。
【0014】このように、従来の磁気シールドルームに
おいては、磁気シールドルーム内に設置して使用する微
小磁界測定器(例えば心磁計や脳磁計など)は超伝導量
子干渉素子センサなどを用いており、センサおよび回路
部分が外部からの電波の影響を受けると正確な測定が行
なえない場合があるなどの理由で、磁気シールドルーム
内への電波の侵入を排除する必要性が高く、扉本体20
1と室壁202との隙間等に電波シールド用部材が設け
られるのが通常である。したがって、扉本体201と室
壁202との隙間を塞ぐための磁気遮蔽用部材・構造を
設置する設置スペースおよび設置態様に制約を受けるこ
とがあるという問題がある。
【0015】その上、各室壁対向端面205に取り付け
られる電波シールド片204は、扉201が開けられた
ときに露出するので、外観を損なうばかりでなく、電波
シールド片204に誤って触れた場合に切創するおそれ
もある。さらに、磁気シールドルームが心磁計測に用い
られている場合、その部屋で計測をなす患者に非常な圧
迫感を与えるという問題もある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の課題に鑑みなされたものであって、磁気シールド性
能および電波シールド性能が向上されてなる磁気シール
ドルームの扉部遮蔽構造を提供することを目的としてい
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気シールドル
ームの扉部遮蔽構造の第1形態は、基端部シールド機構
と先端部シールド機構とを備えてなる磁気シールドルー
ムの扉部遮蔽構造であって、前記基端部シールド機構
が、基端部磁気シールド部と基端部電波シールド部とを
有し、前記基端部磁気シールド部が、扉本体の基端と室
壁との隙間を磁気シールドルーム外側から塞ぐ、基端部
外側シールド部材を備え、前記基端部電波シールド部
が、前記基端部外側シールド部材の室壁との当接面側に
配設された基端部扉側電波シールド部材と、前記基端部
扉側電波シールド部材に対応させて室壁に配設された基
端部室壁側電波シールド部材とを備え、前記先端部シー
ルド機構が、先端部磁気シールド部と先端部電波シール
ド部とを有し、前記先端部磁気シールド部が、扉本体の
先端と室壁との隙間を磁気シールドルーム外側から塞
ぐ、先端部外側シールド部材を備え、前記先端部電波シ
ールド部が、前記先端部外側シールド部材の室壁との当
接面側に配設された先端部扉側電波シールド部材と、前
記先端部扉側電波シールド部材に対応させて室壁に配設
された先端部室壁側電波シールド部材とを備えてなるこ
とを特徴とする。
【0018】本発明の磁気シールドルームの扉部遮蔽構
造の第2形態は、基端部シールド機構と先端部シールド
機構とを備えてなる磁気シールドルームの扉部遮蔽構造
であって、前記基端部シールド機構が、基端部磁気シー
ルド部と基端部電波シールド部とを有し、前記基端部磁
気シールド部が、扉本体の基端と室壁との隙間を磁気シ
ールドルーム外側および内側から塞ぐ、基端部外側シー
ルド部材および基端部内側シールド部材を備え、前記基
端部電波シールド部が、前記基端部外側シールド部材の
室壁との当接面側に配設された基端部扉側電波シールド
部材と、前記基端部扉側電波シールド部材に対応させて
室壁に配設された基端部室壁側電波シールド部材とを備
え、前記先端部シールド機構が、先端部磁気シールド部
と先端部電波シールド部とを有し、前記先端部磁気シー
ルド部が、扉本体の先端と室壁との隙間を磁気シールド
ルーム外側および内側から塞ぐ、先端部外側シールド部
材および先端部内側シールド部材を備え、前記先端部電
波シールド部が、前記先端部外側シールド部材の室壁と
の当接面側に配設された先端部扉側電波シールド部材
と、前記先端部扉側電波シールド部材に対応させて室壁
に配設された先端部室壁側電波シールド部材とを備えて
なることを特徴とする。
【0019】本発明の磁気シールドルームの扉部遮蔽構
造の第1および2形態においては、外側シールド漏れ防
止手段を備えてなるのが好ましい。なお、本発明の磁気
シールドルームの扉部遮蔽構造の第2形態においては、
内側シールド漏れ防止手段を備えてなるのが好ましい。
【0020】また、本発明の磁気シールドルームの扉部
遮蔽構造の第1および2形態においては、先端部室壁側
電波シールド部材が室壁に配設されたポケットに収納さ
れてなるのが好ましく、また基端部電波シールド部が扉
本体基端とそれに対向する室壁端面との隙間に配設され
てなるのが好ましい。
【0021】しかして、本発明の磁気シールドルームの
扉部遮蔽構造は、磁気シールドルームに備えられる。
【0022】
【作用】本発明は前記のごとく構成されているので、扉
部における磁気シールド性能および電波シールドが向上
される。
【0023】また、本発明の好ましい形態においては、
先端部室壁側電波シールド部材が室壁に配設されたポケ
ットに収納されているので、扉先端部の外観が改善され
るとともに、電波シールド部材に誤って触れて切創する
おそれもなくなる。その上、磁気シールドルームが心磁
計測に用いられている場合、その部屋で計測をなす患者
に非常な圧迫感を与えるおそれもない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明を実施形態に基づいて説明するが、本発明はかかる
実施形態のみに限定されるものではない。
【0025】本発明の一実施形態にかかる磁気シールド
ルームの扉部遮蔽構造(以下、単に遮蔽構造という)が
適用された磁気シールドルームの横断面図を図1に、そ
の要部拡大断面図を図2、図3、図4および図5に示
す。
【0026】遮蔽構造Kは、図1に示すように、基端部
シールド機構Bと先端部シールド機構Tとを主要構成要
素として備えてなるものとされる。
【0027】また、基端部シールド機構Bは、基端部磁
気シールド部10と基端部電波シールド部20とを有
し、先端部シールド機構Tは、先端部磁気シールド部3
0と先端部電波シールド部40とを有してなるものとさ
れる。
【0028】この遮蔽構造Kおける扉50は、図1に示
すように、扉本体51を室壁52にヒンジ53によって
開閉・支持するものとされる。この扉50においては、
扉本体51と室壁52とのヒンジ53側、つまり基端部
側の隙間54Aおよび反ヒンジ53側、つまり先端部側
の隙間54Bに、高透磁率合金、例えばFe−45Ni
合金、80Ni−Mo−Fe合金、78Ni−Mo−C
u−Fe合金、70Ni−10Cu−12Mn−Fe合
金などからなる長板状の隙間遮蔽部材55A、55B、
55C、55Dを室内側および室外側の両側からあてが
うものとし、これによって、扉本体51と室壁52との
各隙間54を磁気的にシールドする基端部磁気シールド
部10と先端部磁気シールド部30とが形成される。な
お、図1において、符号80が付された部材は扉本体5
1のノブとされる。
【0029】以下、基端部シールド機構Bの基端部磁気
シールド部10および基端部電波シールド部20、なら
びに先端部シールド機構Tの先端部磁気シールド部30
および先端部電波シールド部40について詳細に説明す
る。
【0030】図2に、基端部シールド機構Bの磁気シー
ルド部10および電波シールド部20を示す。磁気シー
ルド部10および電波シールド部20は、ヒンジ53
側、つまり基端部側の隙間54Aから室外の磁気および
電波が室内に侵入するのを防止するものとされる。
【0031】図2に示すように、扉本体51の室外側表
面51aに、隙間遮蔽部材55Aが扉本体51のヒンジ
53側端部から所定幅L1突き出されるようにして取り
付けられて、扉本体51が閉められたときにこの所定幅
1の隙間遮蔽部材55Aの突き出し部分によって隙間
54Aを室外側から塞ぐものとされ、これによって、基
端部外側磁気シールド部10Aが形成される。また、基
端部側の室壁52の室内側には、隙間54Aを室内側か
ら塞ぐ隙間遮蔽部材55Cが配設されて基端部内側磁気
シールド部10Bが形成される。
【0032】電波シールド部20は、扉本体51が閉め
られたときに隙間54A内に挿入されるように、隙間遮
蔽部材55Aに配設される扉側電波シールド部材21
と、室壁側電波シールド部材22とから構成される。
【0033】扉側電波シールド部材21は、具体的に
は、隙間遮蔽部材55Aと同様の高透磁率合金あるいは
銅、しんちゅう、ベリリウムカッパーなどからなる長板
状部材とされ、扉本体51が閉められたときに室壁52
の扉本体51側の端面61と所定間隔をあけて隙間54
A内に挿入されるように、隙間遮蔽部材55Aに垂直に
取り付けられている。
【0034】室壁側電波シールド部材22は、図6に示
すように、ベリリウムカッパーからなる湾曲された短冊
形状の板バネ片63を、幅方向に多数個並べて所望の長
さMに形成したものとされる。また、室壁側電波シール
ド部材22は、室壁52の扉本体51側の端面61に形
成される段部61aに、扉本体51が閉められたときに
扉側電波シールド部材21の一側と全長に亘って圧接す
るよう取り付けられるものとされる。
【0035】なお、図2において、符号53aが付され
た部材はヒンジ53のアームとされる。
【0036】図3に、先端部シールド機構Tの磁気シー
ルド部30および電波シールド部40を示す。磁気シー
ルド部30および電波シールド部40は、反ヒンジ53
側、つまり先端部側の隙間54Bから室外の磁気および
電波が室内に侵入するのを防止するものとされる。
【0037】図3に示すように、扉本体51の室外側表
面51aに、隙間遮蔽部材55Bが扉本体51の反ヒン
ジ53側の端部から所定幅L2突き出されるようにして
取り付けられて、扉本体51が閉められたときにこの所
定幅L2の隙間遮蔽部材55Bの突き出し部分が隙間5
4Bを室外側から塞ぐものとされ、これによって、先端
部外側磁気シールド部30Aが形成される。また、先端
部側の室壁52の室内側には、隙間54Bを室内側から
塞ぐ隙間遮蔽部材55Dが配設されて先端部内側磁気シ
ールド部30Bが形成される。
【0038】電波シールド部40は、電波シールド部2
0と同様、隙間遮蔽部材55Bに配設される扉側電波シ
ールド部材41と、室壁側電波シールド部材42とから
構成される。
【0039】扉側電波シールド部材41は、具体的に
は、隙間遮蔽部材55Bと同様の高透磁率合金あるいは
銅、しんちゅう、ベリリウムカッパーからなる長板状部
材とされ、扉本体51が閉められたときに室壁52の扉
本体51側の端部62に設けられる断面コの字形のポケ
ット62bに挿入されるように、隙間遮蔽部材55Bに
垂直に取り付けられるものとされる。
【0040】室壁側電波シールド部材42は、室壁側電
波シールド部材22と同様、図6に示すように、ベリリ
ウムカッパーからなる湾曲された短冊形状の板バネ片6
3を、幅方向に多数個並べて所望の長さMに形成したも
のとされて、ポケット62b内で扉側電波シールド部材
41に両側から全長に亘って圧接するよう取り付けられ
る。
【0041】図4に、外側シールド漏れ防止構造56A
を示し、この外側シールド漏れ防止構造56Aは、基端
部および先端部外側磁気シールド部10A,30Aのシ
ールド漏れを防止するものとされる。以下に、先端部外
側磁気シールド部30Aにおける場合を説明すると同時
に、基端部外側磁気シールド部10Aにおける場合を対
応部材の符号を()付きで示して説明する。
【0042】隙間遮蔽部材55B(55A)と室壁52
との間には、各部材の反りなどに起因して、隙間遮蔽部
材55B(55A)が室壁52表面から浮き上がって部
分的に接触しない非接触部分54Cが存在する。つま
り、隙間遮蔽部材55B(55A)によりシールドされ
ないで漏れの生ずる個所が存在する。
【0043】外側シールド漏れ防止構造(外側シールド
漏れ防止手段)56Aは、この非接触部分54Cを解消
して、外側磁気シールド部10A,30Aのシールド漏
れを防止するものとされる。具体的には、隙間遮蔽部材
55B(55A)の室壁52側表面63に端部64を浮
き上がり可能に貼設される外側シールド漏れ防止部材5
7Aと、外側シールド漏れ防止部材57A端部64の表
面63からの浮き上がり量L3を調節する調節機構59
とから構成される。
【0044】外側シールド漏れ防止部材57Aは、隙間
遮蔽部材55B(55A)と同様の高透磁率合金から形
成される薄板状の部材とされる。
【0045】調節機構59は、隙間遮蔽部材55B(5
5A)の室壁52対向部分65に、扉51の上下方向の
所定間隔で設けられるねじ透孔59aと、外側シールド
漏れ防止部材57Aに一端面を当接させてねじ透孔59
aに螺着されるイモねじ59bとから構成される。
【0046】次に、内側シールド漏れ防止構造(内側シ
ールド漏れ防止手段)56Bを説明する(図1参照)。
内側シールド漏れ防止構造56Bは、ヒンジ53側の隙
間54Aを室壁52に取り付けられる隙間遮蔽部材55
Cによって室内側から塞ぐ基端部内側磁気シールド部1
0Bおよび反ヒンジ53側の隙間54Bを室壁52に取
り付けられる隙間遮蔽部材55Dによって室内側から塞
ぐ先端部内側磁気シールド部30Bのシールド漏れを防
止するものとされる。以下に、先端部内側磁気シールド
部30Bにおける場合を説明すると同時に、基端部内側
磁気シールド部10Bにおける場合を対応部材の符号を
()付きで示して説明する。
【0047】図7に示すように、隙間遮蔽部材55D
(55C)と扉本体51との間には、各部材の反りなど
に起因して、隙間遮蔽部材55D(55C)が扉本体5
1表面から浮き上がって部分的に接触しない非接触部分
54Dが存在する。つまり、隙間遮蔽部材55D(55
C)によりシールドされないで漏れの生ずる個所が存在
する。
【0048】内側シールド漏れ防止構造56Bは、この
非接触部分54Dを解消して、先端部および基端部内側
磁気シールド部30B、10Bのシールド漏れを防止す
るものとされる。内側シールド漏れ防止構造56Bは、
具体的には、隙間遮蔽部材55D(55C)に設けら
れ、扉本体51側に撓むようにして非接触部分54Dを
塞ぐシールド漏れ防止部材57Bと、内側シールド漏れ
防止部材57Bの扉本体51側への撓み量を調節する調
節機構71とから構成される。
【0049】内側シールド漏れ防止部材57Bは、図5
に示すように、室壁52に固定される隙間遮蔽部材55
D(55C)の自由端側端面70を切断分離しその分離
された部分を扉本体51の上下方向に全長に亘って摺動
自在にオーバーラップさせて形成される。
【0050】調節機構71は、隙間遮蔽部材55D(5
5C)の扉本体51対向部分72に、扉本体51の上下
方向の所定間隔で設けられるねじ透孔71aと、内側シ
ールド漏れ防止部材57Bに一端面を当接させてねじ透
孔71aに螺着されるイモねじ71bとから構成され
る。
【0051】このように、この実施形態によれば、扉本
体51と室壁52との隙間54を塞ぐ磁気シールド部1
0,30におけるシールド漏れをシールド漏れ防止構造
56によって防止するものとしているので、磁気シール
ドルームの扉部における磁気シールド性能を向上させる
ことができる。また、磁気シールド部10,30および
シールド漏れ防止構造56が電波シールド部20,40
構造と共存可能な態様で設けられているので、電波シー
ルド性能を犠牲にすることなく磁気シールド性能を向上
させることが可能である。
【0052】その上、先端部電波シールド部40の電波
シールド部材42は、室壁52のポケット62b内に収
納されているので、外観を損なうことがないばかりで
く、電波シールド部材42に誤って触れて切創するおそ
れもない。さらに、かかる構成とされていることによ
り、磁気シールドルームが心磁計測に用いられている場
合であっても、その部屋で計測をなす患者に非常な圧迫
感を与えるということもない。
【0053】以上、本発明を実施形態に基づいて説明し
てきたが、本発明はかかる実施形態のみに限定されるも
のではなく種々改変が可能である。例えば、実施形態に
おいては、内側および外側の両方に磁気シールド部を形
成したが、要求されるシールド性能によっては、外側の
みとされてもよい。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
扉部における磁気シールド性能および電波シールドが向
上されるという優れた効果が得られる。
【0055】また、本発明の好ましい形態においては、
先端部室壁側電波シールド部材が室壁に配設されたポケ
ットに収納されているので、扉先端部の外観が改善され
るとともに、電波シールド部材に誤って触れて切創する
おそれもなくなるという優れた効果が得られる。その
上、磁気シールドルームが心磁計測に用いられている場
合、その部屋で計測をなす患者に非常な圧迫感を与える
おそれもないという優れた効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる磁気シールドルー
ムの扉部遮蔽構造が適用された扉部の横断面図である。
【図2】同要部拡大断面図であって、基端部シールド機
構を示す。
【図3】同要部拡大断面図であって、先端部シールド機
構を示す。
【図4】同要部拡大断面図であって、外側シールド漏れ
防止構造を示す。
【図5】同要部拡大断面図であって、内側シールド漏れ
防止構造を示す。
【図6】電波シールド部材を示す模式図であって、同
(a)は平面図、同(b)は横断面図をそれぞれ示す。
【図7】従来の磁気シールドルーム用遮蔽構造の分解斜
視図である。
【図8】同要部断面図である。
【図9】従来の磁気シールドルーム用遮蔽構造の扉部を
示す断面図である。
【符号の説明】
10 基端部磁気シールド部 20 基端部電波シールド部 21 扉側電波シールド部材 22 室壁側電波シールド部材 30 先端部磁気シールド部 40 先端部電波シールド部 41 扉側電波シールド部材 42 室壁側電波シールド部材 50 扉部 51 扉本体 52 室壁 54 隙間 55 隙間遮蔽部材 56 シールド漏れ防止構造(手段) 57 シールド漏れ防止部材 K 遮蔽構造 B 基端部シールド機構 T 先端部シールド機構

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基端部シールド機構と先端部シールド機
    構とを備えてなる磁気シールドルームの扉部遮蔽構造で
    あって、 前記基端部シールド機構が、基端部磁気シールド部と基
    端部電波シールド部とを有し、 前記基端部磁気シールド部が、扉本体の基端と室壁との
    隙間を磁気シールドルーム外側から塞ぐ、基端部外側シ
    ールド部材を備え、 前記基端部電波シールド部が、前記基端部外側シールド
    部材の室壁との当接面側に配設された基端部扉側電波シ
    ールド部材と、前記基端部扉側電波シールド部材に対応
    させて室壁に配設された基端部室壁側電波シールド部材
    とを備え、 前記先端部シールド機構が、先端部磁気シールド部と先
    端部電波シールド部とを有し、 前記先端部磁気シールド部が、扉本体の先端と室壁との
    隙間を磁気シールドルーム外側から塞ぐ、先端部外側シ
    ールド部材を備え、 前記先端部電波シールド部が、前記先端部外側シールド
    部材の室壁との当接面側に配設された先端部扉側電波シ
    ールド部材と、前記先端部扉側電波シールド部材に対応
    させて室壁に配設された先端部室壁側電波シールド部材
    とを備えてなることを特徴とする磁気シールドルームの
    扉部遮蔽構造。
  2. 【請求項2】 基端部シールド機構と先端部シールド機
    構とを備えてなる磁気シールドルームの扉部遮蔽構造で
    あって、 前記基端部シールド機構が、基端部磁気シールド部と基
    端部電波シールド部とを有し、 前記基端部磁気シールド部が、扉本体の基端と室壁との
    隙間を磁気シールドルーム外側および内側から塞ぐ、基
    端部外側シールド部材および基端部内側シールド部材を
    備え、 前記基端部電波シールド部が、前記基端部外側シールド
    部材の室壁との当接面側に配設された基端部扉側電波シ
    ールド部材と、前記基端部扉側電波シールド部材に対応
    させて室壁に配設された基端部室壁側電波シールド部材
    とを備え、 前記先端部シールド機構が、先端部磁気シールド部と先
    端部電波シールド部とを有し、 前記先端部磁気シールド部が、扉本体の先端と室壁との
    隙間を磁気シールドルーム外側および内側から塞ぐ、先
    端部外側シールド部材および先端部内側シールド部材を
    備え、 前記先端部電波シールド部が、前記先端部外側シールド
    部材の室壁との当接面側に配設された先端部扉側電波シ
    ールド部材と、前記先端部扉側電波シールド部材に対応
    させて室壁に配設された先端部室壁側電波シールド部材
    とを備えてなることを特徴とする磁気シールドルームの
    扉部遮蔽構造。
  3. 【請求項3】 外側シールド漏れ防止手段を備えてなる
    ことを特徴とする請求項1または2記載の磁気シールド
    ルームの扉部遮蔽構造。
  4. 【請求項4】 内側シールド漏れ防止手段を備えてなる
    ことを特徴とする請求項2記載の磁気シールドルームの
    扉部遮蔽構造。
  5. 【請求項5】 先端部室壁側電波シールド部材が室壁に
    配設されたポケットに収納されてなることを特徴とする
    請求項1または2記載の磁気シールドルームの扉部遮蔽
    構造。
  6. 【請求項6】 基端部電波シールド部が扉本体基端とそ
    れに対向する室壁端面との隙間に配設されてなることを
    特徴とする請求項1または2記載の磁気シールドルーム
    の扉部遮蔽構造。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6記載の磁気シー
    ルドルームの扉部遮蔽構造を備えてなることを特徴とす
    る磁気シールドルーム。
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