JP2003060264A - 磁気検出素子及びその製造方法 - Google Patents

磁気検出素子及びその製造方法

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JP2003060264A
JP2003060264A JP2001248690A JP2001248690A JP2003060264A JP 2003060264 A JP2003060264 A JP 2003060264A JP 2001248690 A JP2001248690 A JP 2001248690A JP 2001248690 A JP2001248690 A JP 2001248690A JP 2003060264 A JP2003060264 A JP 2003060264A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フリー磁性層の磁化を整えるためのバイアス
方式及び構造を適切に改良することで、今後の高記録密
度化においても、再生出力や抵抗変化率の上昇など再生
特性の向上を適切に図ることが可能なCPP型の磁気検
出素子及びその製造方法を提供。 【解決手段】 積層体30の両側に絶縁層31を設ける
こと、前記積層体30上から前記絶縁層31上にかけて
フリー磁性層32を形成すること、前記フリー磁性層3
2をエクスチェンジバイアス方式によって単磁区化する
ことで、今後の高記録密度化においても、CPP型磁気
検出素子の再生出力及び抵抗変化率を向上させることが
可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばハードディ
スク装置などの磁気再生装置やその他の磁気検出装置に
搭載されるCPP(current perpendicular plane)
型の磁気検出素子に係り、特に再生出力や抵抗変化率の
向上を適切に図ることが可能な磁気検出素子及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図11は、従来におけるCPP(curren
t perpendicular plane)型の磁気検出素子(スピン
バルブ型薄膜素子)を記録媒体との対向面側から見た部
分断面図である。
【0003】符号1は第1電極層であり、前記第1電極
層1の上にPtMn合金などで形成された反強磁性層
2、NiFe合金などで形成された固定磁性層3、Cu
などで形成された非磁性材料層4、NiFe合金などで
形成されたフリー磁性層5からなる積層体9が形成され
ている。
【0004】図11に示すように、前記積層体9のトラ
ック幅方向(図示X方向)の両側であって、前記第1電
極層1の上には、Al23などで形成された絶縁層6が
形成され、前記絶縁層6の上にCoPtなどで形成され
たハードバイアス層7が形成されている。
【0005】そして前記ハードバイアス層7上からフリ
ー磁性層5上にかけて第2電極層8が形成されている。
【0006】前記固定磁性層3の磁化は前記反強磁性層
2との間で発生する交換結合磁界によってハイト方向
(図示Y方向)に固定され、一方、フリー磁性層5の磁
化は、前記ハードバイアス層7からの縦バイアス磁界に
よってトラック幅方向(図示X方向)に揃えられる。
【0007】図11に示すCPP型の磁気検出素子で
は、積層体9の各膜面に対し垂直方向(図示Z方向)か
らセンス電流を流す。
【0008】今後の高記録密度化によって素子サイズの
狭小化が進むにつれて、センス電流を各層の膜面に対し
垂直方向から流すCPP型の磁気検出素子の方が、前記
センス電流を膜面と平行な方向から流すCIP型(curr
ent in the plane)型の磁気検出素子よりも、再生
出力の向上を期待することができた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図11に
示す構造のCPP型磁気検出素子では以下のような問題
点が生じた。
【0010】今後の高記録密度化に伴い、前記フリー磁
性層5の上面のトラック幅方向の幅寸法で規制されるト
ラック幅Twが小さくなっていくと、前記フリー磁性層
5自体の大きさが小さくなっていくことで、前記フリー
磁性層5にハードバイアス層7から縦バイアス磁界が供
給されても、前記フリー磁性層5はトラック幅方向(図
示X方向)に適切に単磁区化しにくく、また前記フリー
磁性層5の反磁界の影響も強くなり、再生特性の安定性
が低下した。
【0011】これを解決するために、前記ハードバイア
ス層7の膜厚を厚くして強い縦バイアス磁界が前記フリ
ー磁性層5に供給できるようにすることも考えられる
が、これでは非常に小さい領域の前記フリー磁性層5の
磁化が固着されやすく、外部磁界に対して感度良く磁化
変動できなくなり再生出力が低下するといった問題が発
生する。
【0012】次に、図11に示すように前記積層体9の
トラック幅方向の両側には絶縁層6が設けられている。
前記絶縁層6は、前記電極層1、8から前記積層体9に
流れる電流が、効果的に前記積層体9内を流れるように
するために設けられたものである。
【0013】ところが、前記絶縁層6の上にはハードバ
イアス層7が形成されているため、前記電極層1、8か
ら前記積層体9内に流れるべき電流の一部は、ハードバ
イアス層7に分流してしまう。そしてこの分流した電流
はフリー磁性層5を介さずに非磁性材料層4や固定磁性
層3などに流れ込む。
【0014】すなわち電流経路は電極層1、8から前記
積層体9内に流れる正規ルートだけでなく、フリー磁性
層5を介さずにハードバイアス層7に分流する電流ルー
トも生じ、これがシャントロスとなり、抵抗変化率(Δ
R/R)の低下を招いた。
【0015】例えば上記課題を解決するために、図12
(図11の一部を拡大した部分断面図)に示すように、
前記絶縁層6を前記フリー磁性層5の両側端面5a上に
も厚い膜厚で形成することで、前記積層体9の両側端面
は適切に前記絶縁層6によって覆われた状態になり、前
記電極層1、8から前記ハードバイアス層7に分流する
電流量を低減させることができるが、前記フリー磁性層
5とハードバイアス層7間に厚い膜厚の絶縁層6が介在
すると、前記ハードバイアス層7から前記フリー磁性層
5に供給されるべき縦バイアス磁界が小さくなり、その
結果、前記フリー磁性層5を単磁区化できなくなり再生
特性の低下を招いてしまう。
【0016】そこで本発明は上記従来の課題を解決する
ためのものであり、フリー磁性層の磁化を整えるための
バイアス方式及び前記フリー磁性層の構造を適切に改良
することで、今後の高記録密度化においても、再生出力
や抵抗変化率の上昇など再生特性の向上を適切に図るこ
とが可能な磁気検出素子及びその製造方法を提供するこ
とを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明における磁気検出
素子は、第1反強磁性層と、この第1反強磁性層の上面
に形成され、前記第1反強磁性層との間で発生する交換
結合磁界によって磁化が所定方向にされる固定磁性層
と、前記固定磁性層の上面に形成された非磁性材料層と
を有する積層体と、この積層体のトラック幅方向の両側
に形成された絶縁層と、前記非磁性材料層の上面から前
記絶縁層の上面にかけて形成され、磁化が前記固定磁性
層と交叉する方向に揃えられたフリー磁性層と、前記フ
リー磁性層の上側に形成された第2反強磁性層とを有し
て成り、前記積層体と膜厚方向に対向する位置での前記
第2反強磁性層には、前記第2反強磁性層の上面から前
記積層体方向に向けて凹部が形成され、前記積層体の下
側及び前記第2反強磁性層の上側に電極層が形成されて
いることを特徴とするものである。
【0018】本発明はCPP(current perpendicular
plane)型の磁気検出素子に関するものであり、セン
ス電流は、前記磁気検出素子を構成する各層の膜面に対
し垂直方向から流れる。
【0019】本発明は、従来のようにフリー磁性層のト
ラック幅方向における両側にハードバイアス層が設けら
れたハードバイアス方式を採用せず、前記フリー磁性層
の上側に第2反強磁性層を設けたエクスチェンジバイア
ス方式を採用するものである。
【0020】前記エクスチェンジバイアス方式である
と、前記フリー磁性層のトラック幅方向における幅寸法
をトラック幅Twよりも長く形成することができる。
【0021】特に本発明では積層体上のみでなくその両
側に形成された絶縁層上にもフリー磁性層を形成でき
る。
【0022】このため前記トラック幅Twが今後の高記
録密度化に伴って小さくされても、前記トラック幅Tw
の寸法及び積層体の幅寸法に左右されることなく前記フ
リー磁性層の幅寸法を長く形成することができ、したが
って前記フリー磁性層を適切に単磁区化することが可能
になり、またフリー磁性層の反磁界の影響も弱くするこ
とができ、今後のトラック幅Twの狭小化においても、
感度に優れ、再生出力の向上を適切に図ることが可能な
磁気検出素子を製造することが可能である。
【0023】次に本発明では、反強磁性層、固定磁性層
及び非磁性材料層とを有してなる積層体のトラック幅方
向の両側は絶縁層によって埋められている。
【0024】従来では、前記フリー磁性層の両側にハー
ドバイアス層があり、このハードバイアス層に分流した
電流が、前記フリー磁性層を介さずに、非磁性材料層や
固定磁性層に流れたため、これがシャントロスとなり抵
抗変化率の低下を招いたが、本発明では、ハードバイア
ス層自体がなく、また前記積層体の両側には絶縁層が埋
められていることで、電極層から流れる電流は適切にフ
リー磁性層から前記積層体内を通り、したがって従来に
比べて分流ロスが少なく抵抗変化率の向上を適切に図る
ことが可能である。
【0025】また本発明では、前記積層体の上面のトラ
ック幅方向における幅寸法は、前記凹部の下面のトラッ
ク幅方向における幅寸法と同じか、あるいはそれよりも
小さいことが好ましい。
【0026】前記積層体の上面のトラック幅方向におけ
る幅寸法は、電気的なトラック幅として規制される。し
たがって前記積層体の幅寸法は、できる限り小さいこと
が、直流抵抗値(DCR)を大きくする上で好ましい。
【0027】一方、前記凹部の下面のトラック幅方向に
おける幅寸法は、磁気的なトラック幅Twとして規制さ
れる。すなわち前記凹部と対向する位置にあるフリー磁
性層は実質的に磁気抵抗効果に関与する感度領域として
機能する。
【0028】よって前記凹部の下面のトラック幅方向の
寸法が狭くなることは、前記フリー磁性層の感度領域が
小さくなることを意味するが、前記感度領域があまり狭
くなりすぎると、再生出力が低下して好ましくない。
【0029】すなわち高記録密度化に適切に対応するた
めには、前記感度領域(=磁気的なトラック幅Tw)を
小さくする必要があるが、あまり小さくしすぎると再生
出力が低下してしまい、これに対して積層体の上面の幅
寸法で決まる電気的なトラック幅は、前記磁気的なトラ
ック幅Twの寸法に左右されることなく、さらに狭小化
することが直流抵抗値を高める上で好ましい。
【0030】そこで本発明では、前記積層体の上面のト
ラック幅方向における幅寸法を前記凹部の下面のトラッ
ク幅方向における幅寸法と同じか、あるいはそれよりも
小さく形成することとした。これによってCPP型磁気
検出素子の直流抵抗値(DCR)と再生出力の向上を適
切に図ることが可能になる。
【0031】また本発明では、前記非磁性材料層には、
下面側よりも表面側にRu層、Rh層、Re層、Os
層、Ir層、Pt層、Pd層、あるいはこれら材質を組
み合せた混合層が多く存在することが好ましい。
【0032】また本発明では、前記非磁性材料層は、C
u層、Rh層、Ru層、Re層、Os層、Cr層、Ir
層、Pt層、Pd層、あるいはこれら材質を組み合せた
混合層からなる下層の上に、Ru層、Rh層、Re層、
Os層、Ir層、Pt層、Pd層、あるいはこれら材質
を組み合わせた混合層からなる上層が積層されて形成さ
れていることが好ましい。
【0033】あるいは本発明では、前記非磁性材料層は
全体が、Ru層、Rh層、Re層、Os層、Ir層、P
t層、Pd層、あるいはこれら材質を組み合わせた混合
層で形成されていてもよい。
【0034】また本発明では、前記フリー磁性層上に、
非磁性中間層及び強磁性層がこの順に形成され、さらに
前記強磁性層上に前記第2反強磁性層が形成されている
ことが好ましい。
【0035】この発明では、前記フリー磁性層、非磁性
中間層及び強磁性層の3層で積層フェリ構造となってい
る。前記強磁性層は、凹部が形成されたそのトラック幅
方向の両側における第2反強磁性層との間で発生する交
換結合磁界によってトラック幅方向に磁化される。
【0036】一方、前記フリー磁性層は、前記強磁性層
との間で発生するRKKY相互作用による結合磁界によ
って、前記強磁性層の磁化方向とは反平行に磁化され
る。
【0037】この実施形態では、前記凹部が形成された
そのトラック幅方向の両側の第2の反強磁性層下に形成
された強磁性層、およびフリー磁性層の磁化は固定さ
れ、実質的に磁気抵抗効果に関与しない領域である。
【0038】一方、前記凹部の下に形成されている強磁
性層及びフリー磁性層の磁化は外部磁界によって反転す
ることができる程度に弱く単磁区化された状態で、この
領域が実質的に磁気抵抗効果に関与する感度領域となっ
ている。
【0039】上記のように、前記フリー磁性層の上に非
磁性中間層、および強磁性層を積層した積層フェリ構造
であると、前記フリー磁性層の磁化を安定した単磁区化
構造にでき、再生出力の向上を適切に図ることが可能に
なる。
【0040】なお本発明では、前記凹部は、前記強磁性
層表面にまで達して形成され、前記凹部から前記強磁性
層表面が露出していてもよいし、あるいは前記凹部は、
前記非磁性中間層の表面にまで達して形成され、前記凹
部から前記非磁性中間層表面が露出していてもよい。
【0041】また本発明における磁気検出素子の製造方
法は、以下の工程を有することを特徴とするものであ
る。 (a)第1電極層の上に、第1反強磁性層、固定磁性層
及び非磁性材料層の順に積層された積層体を形成する工
程と、(b)前記積層体の上面にリフトオフ用のレジス
ト層を形成し、前記レジスト層に覆われていない前記積
層体のトラック幅方向の両側端面を除去する工程と、
(c)前記積層体のトラック幅方向の両側に絶縁層を形
成し、前記レジスト層を除去する工程と、(d)前記絶
縁層上から前記非磁性材料層上にかけてフリー磁性層を
形成し、さらに前記フリー磁性層上に第2反強磁性層を
積層する工程と、(f)前記第2反強磁性層上に、前記
積層体と膜厚方向に対向する位置に穴部を有するマスク
層を形成した後、この穴部から露出する前記第2反強磁
性層を堀り込み、前記第2反強磁性層に凹部を形成する
工程と、(g)前記第2反強磁性層上に第2電極層を形
成する工程。
【0042】上記の製造方法によれば、前記フリー磁性
層の上側に第2反強磁性層を形成し、エクスチェンジバ
イアス方式によって前記フリー磁性層をトラック幅方向
に単磁区化させることができる。
【0043】この方式によれば前記フリー磁性層を、ハ
ードバイアス方式によって磁化させる場合に比べてトラ
ック幅方向に長く延ばして形成することができ、特に本
発明では積層体の両側に形成された絶縁層上にも前記フ
リー磁性層を形成できるから、前記フリー磁性層をトラ
ック幅Tw及び前記積層体の寸法に左右されることなく
長く延ばして形成でき、よって今後の高記録密度化に伴
って素子サイズの狭小化においても前記フリー磁性層を
前記第2反強磁性層との間で発生する交換結合磁界によ
って適切に単磁区化することができる。
【0044】また前記フリー磁性層の下に形成される、
第1反強磁性層、固定磁性層及び非磁性材料層からなる
積層体のトラック幅方向における両側を適切に絶縁層で
埋めることができ、シャントロスが生じ難く抵抗変化率
を適切に向上させることが可能な磁気検出素子を製造す
ることができる。
【0045】従って本発明における磁気検出素子の製造
方法によれば、高記録密度化においても再生出力や抵抗
変化率など再生特性を適切に向上させることが可能な磁
気検出素子を容易に製造することができる。
【0046】また本発明では、前記(f)工程で、前記
凹部の下面のトラック幅方向における幅寸法を前記積層
体の上面のトラック幅方向における幅寸法よりも大きく
形成することが好ましい。
【0047】また本発明では、前記(a)工程で、前記
非磁性材料層を、Cu層、Rh層、Ru層、Re層、O
s層、Cr層、Ir層、Pt層、Pd層、あるいはこれ
ら材質を組み合せた混合層からなる下層の上に、Ru
層、Rh層、Re層、Os層、Ir層、Pt層、Pd
層、あるいはこれら材質を組み合わせた混合層からなる
上層を積層して形成することが好ましい。
【0048】Cuなどで形成された非磁性材料層が大気
に曝されると、コンタミネーション(Contamin
ation)などによるダメージや酸化によってバルク
散乱効果が有効に発揮されないなどの問題が生じ、抵抗
変化率などの再生特性の低下を招きやすくなる。
【0049】そこで本発明では、前記Cuなどで形成さ
れた下層を形成した後、前記下層の上に連続してRu層
などの上層を形成し、前記下層が大気に曝されるのを適
切に防いでいる。前記Ru層などで形成された上層は大
気に曝されてもコンタミネーションなどのダメージが少
なく、また酸化されにくいため、前記Cuなどで形成さ
れた下層を大気暴露から適切に保護できると共に、下層
及び上層は双方とも非磁性材料で形成されるので、前記
下層と上層で非磁性材料層を構成することができる。
【0050】また本発明では、前記(a)工程で、前記
非磁性材料層を、Ru層、Rh層、Re層、Os層、I
r層、Pt層、Pd層、あるいはこれら材質を組み合わ
せた混合層で形成してもよい。
【0051】また本発明では、前記(d)工程で、前記
フリー磁性層上に、非磁性中間層、強磁性層をこの順に
積層した後、前記強磁性層上に前記第2反強磁性層を形
成することが好ましい。
【0052】また本発明では、前記(f)工程で、前記
強磁性層表面が露出するまで前記第2反強磁性層を掘り
込んでもよいし、あるいは前記第2反強磁性層の途中ま
で前記第2反強磁性層を掘り込んでもよい。ここで前記
凹部下に一部残された前記第2反強磁性層の部分は、反
強磁性としての機能が損なわれる程度に薄い膜厚であ
り、前記凹部下領域と前記フリー磁性層間(あるいは前
記強磁性層間)で交換結合磁界が発生しないか、あるい
は発生しても非常に弱い交換結合磁界であり、前記フリ
ー磁性層(あるいは強磁性層)が強固に固定されること
が無い。
【0053】従って前記第2反強磁性層に形成された前
記凹部下のフリー磁性層(及び強磁性層)を、適切に磁
気抵抗効果を発揮し得る感度領域として機能させること
ができる。
【0054】なお本発明では、前記マスク層を、無機材
料で形成することが好ましい。また本発明では、前記
(d)工程ないし(g)工程に代えて以下の工程を有す
るものであってもよい。(h)前記絶縁層上から前記非
磁性材料層上にかけてフリー磁性層を形成した後、前記
フリー磁性層上に非磁性中間層を形成する工程と、
(i)前記積層体と膜厚方向に対向する位置での前記非
磁性中間層上にリフトオフ用レジスト層を形成し、前記
レジスト層に覆われていない前記非磁性中間層のトラッ
ク幅方向の両側に強磁性層及び第2反強磁性層を積層
し、このとき、前記第2反強磁性層間から露出する前記
非磁性中間層表面のトラック幅方向における幅寸法を、
前記積層体上面のトラック幅方向における幅寸法より小
さく形成する工程と、(j)前記レジスト層を除去する
工程。
【0055】上記した(i)及び(j)工程を使用する
と、上記した(f)工程における第2反強磁性層を掘り
込む工程が必要無くなる。そして前記(i)及び(j)
工程によれば、前記第2反強磁性層間に形成された凹部
からは、前記非磁性中間層の上面が露出する形態を形成
することができる。
【0056】
【発明の実施の形態】図1は、本発明におけるCPP
(current perpendicular plane)型の磁気検出素子
(スピンバルブ型薄膜素子)を記録媒体との対向面側か
ら見た部分断面図である。
【0057】図1に示す磁気検出素子の上下には、ギャ
ップ層(図示しない)を介してシールド層(図示しな
い)が設けられており、前記磁気検出素子、ギャップ層
及びシールド層を合わせてMRヘッドと呼んでいる。
【0058】前記MRヘッドは、記録媒体に記録された
外部信号を再生するためのものである。また本発明で
は、前記MRヘッドの上に記録用のインダクティブヘッ
ドが積層されていてもよい。前記磁気検出素子の上側に
形成されたシールド層(上部シールド層)は、前記イン
ダクティブヘッドの下部コア層として兼用されていても
よい。
【0059】また前記MRヘッドは、例えばアルミナ−
チタンカーバイト(Al23−TiC)で形成されたス
ライダのトレーリング端面上に形成される。前記スライ
ダは、記録媒体との対向面と逆面側で、ステンレス材な
どによる弾性変形可能な支持部材と接合され、磁気ヘッ
ド装置が構成される。
【0060】図1に示す符号20は、第1電極層であ
る。前記第1電極層20が前記ギャップ層を兼ねていて
もよいし、あるいは前記第1電極層20が磁性材料で形
成されるときは、前記シールド層を兼ねていてもよい。
なお前記第1電極層20は例えば、α−Ta、Au、C
r、Cu(銅)、Rh、Ir、RuやW(タングステ
ン)などで形成されている。
【0061】図1に示すように、前記第1電極層20上
には、下地層21が形成され、前記下地層21の上には
シードレイヤ22が形成される。
【0062】前記下地層21は、Ta,Hf,Nb,Z
r,Ti,Mo,Wのうち少なくとも1種以上の元素で
形成されることが好ましい。また前記シードレイヤ22
は、NiFeCr合金やCrなどで形成される。前記シ
ードレイヤ22が形成されることで、その上に形成され
る各層の結晶粒径が大きくなり抵抗変化率の向上などを
図ることが可能になる。
【0063】前記シードレイヤ22の上には第1反強磁
性層23が形成されている。前記第1反強磁性層23
は、元素X(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,R
u,Osのうち1種または2種以上の元素である)とM
nとを含有する反強磁性材料で形成されることが好まし
い。例えばPtMn合金などで形成される。
【0064】あるいは本発明では、前記第1反強磁性層
23は、X−Mn−X′合金(ただし元素X′は、N
e,Ar,Kr,Xe,Be,B,C,N,Mg,A
l,Si,P,Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,C
u,Zn,Ga,Ge,Zr,Nb,Mo,Ag,C
d,Ir,Sn,Hf,Ta,W,Re,Au,Pb、
及び希土類元素のうち1種または2種以上の元素であ
る)で形成されてもよい。
【0065】なお前記元素Xあるいは元素X+X′の組
成比は、45(at%)以上60(at%)以下である
ことが好ましい。
【0066】前記第1反強磁性層23の上には固定磁性
層27が形成されている。この実施形態では前記固定磁
性層27は積層フェリ構造で形成されている。
【0067】図1に示すように、前記固定磁性層27は
下から磁性層24、非磁性中間層25及び磁性層26の
順に積層形成されている。ここで前記磁性層24、26
は、例えばCoFe合金、CoFeNi合金、Co、N
iFe合金などの磁性材料で形成される。また前記非磁
性中間層25は、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cu
などの非磁性導電材料で形成されることが好ましい。
【0068】図1に示す固定磁性層27では、前記磁性
層24は前記第1反強磁性層23との間で発生する交換
結合磁界によって例えば図示Y方向に固定される。一
方、磁性層26は前記磁性層24との間で発生するRK
KY相互作用における結合磁界によって図示Y方向とは
逆の方向に磁化される。
【0069】すなわち積層フェリ構造では、前記磁性層
24と磁性層26とが互いに反平行状態に磁化されるの
である。なお前記積層フェリ構造を構成するためには、
前記磁性層24と磁性層26の単位面積当たりの磁気モ
ーメント(飽和磁化Ms×膜厚t)が異なるようにしな
ければならない。例えば前記磁性層24と磁性層26が
同じ材質で形成されるときは、前記磁性層24と磁性層
26の膜厚を異ならせて形成する。
【0070】図1に示すように、前記固定磁性層27の
上には非磁性材料層48が形成される。この実施形態で
は前記非磁性材料層48は2層構造であり、下層28は
Cu層、Rh層、Ru層、Re層、Os層、Cr層、I
r層、Pt層、Pd層、またはこれら材質の混合層で形
成されており、上層29は、Ru層、Rh層、Re層、
Os層、Ir層、Pt層、Pd層、またはこれら材質の
混合層で形成されている。前記上層29は、特にRu層
で形成されていることが好ましい。
【0071】なお前記非磁性材料層48の膜厚は10Å
以上で70Å以下であることが好ましい。Ruなどで形
成された非磁性材料層48は、固定磁性層27及び/ま
たはフリー磁性層32を構成するFeやCo元素との界
面で、アップスピンやダウンスピンの伝導電子の透過
率、反射率があまり大きくないので、前記非磁性材料層
48の膜厚はそれほど厚くないことが好ましい。より好
ましい前記非磁性材料層48の膜厚は3Å以上で20Å
以下である。
【0072】前記Ruなどで形成された上層29は、後
で製造工程で詳しく説明するように、Cuなどで形成さ
れた下層28を大気暴露によるコンタミなどや酸化から
適切に保護するための層である。Ruなどで形成された
上層29は、大気暴露によってもコンタミの発生は少な
く、また酸化などの侵食も無いことから適切に下層28
を保護する役割を有すると共に、前記上層29も非磁性
材料で形成されるから前記上層29を下層28とともに
非磁性材料層48として機能させることができる。
【0073】なた図1においては、非磁性材料層48を
構成する前記下層28と上層29とは明確な2層構造と
して表されているが、前記下層28と上層29との界面
で元素が入り交じり、前記非磁性材料層48の下面側に
比べて表面側にRu層、Rh層、Re層、Os層、Ir
層、Pt層、Pd層、またはこれら材質の混合層が多く
存在する組成変調を起していてもよい。
【0074】図1に示すように、前記第1反強磁性層2
3から非磁性材料層48までの積層体30は、トラック
幅方向(図示X方向)の両側端面30aが連続面とな
り、前記両側端面30aは、前記第1反強磁性層23側
から前記非磁性材料層48側にかけて(図示Z方向)徐
々に幅寸法が狭くなる傾斜面あるいは湾曲面として形成
される。
【0075】なお図1に示す実施形態では前記第1反強
磁性層23の下側領域23aは、前記両側端面30aか
らさらにトラック幅方向(図示X方向)に延びて形成さ
れているが、前記延出した下側領域23aの部分は除去
されて、その除去された部分からシードレイヤ22、下
地層21あるいは第1電極層20が露出していてもかま
わない。
【0076】なお前記第1反強磁性層23の下側領域2
3a上面から前記第1反強磁性層23上面までの膜厚は
概ね100〜150Å程度である。
【0077】図1に示すように前記積層体30のトラッ
ク幅方向(図示X方向)の両側には、絶縁層31、31
が形成されている。前記絶縁層31はAl23やSiO
2などの絶縁材料で形成される。
【0078】なお前記絶縁層31の内側先端部31b、
31bは、前記積層体30上に延出して形成されること
が好ましい。これによって前記積層体30の両側領域を
適切に絶縁状態にすることができる。なお前記絶縁層3
1の膜厚は概ね150Å程度である。
【0079】本発明では図1に示すように、前記絶縁層
31上から前記積層体30上にかけてフリー磁性層32
が形成されている。前記フリー磁性層32は、例えばN
iFe合金、CoFe合金、CoFeNi合金、Coな
どで形成される。
【0080】また前記フリー磁性層32は、磁性材料の
積層構造で形成されてもよく、例えば下からCoFe合
金膜、NiFe合金膜の順に積層された構造を提示する
ことができる。前記CoFe合金を前記積層体30と接
する側に形成することにより、前記非磁性材料層48と
の界面での金属元素等の拡散を防止し、抵抗変化率(Δ
R/R)を大きくすることができる。
【0081】図1に示すように前記フリー磁性層32の
上には、非磁性中間層33が形成され、その上には強磁
性層34が積層される。前記非磁性中間層33は、R
u、Rh、Ir、Cr、Re、Cuなどの非磁性導電材
料で形成されることが好ましい。また前記強磁性層34
は、NiFe合金、CoFe合金、CoFeNi合金、
Coなどの磁性材料で形成される。
【0082】さらに本発明では、図1に示すように前記
強磁性層34の上には第2反強磁性層35が形成され
る。前記第2反強磁性層35は第1反強磁性層23と同
様の反強磁性材料で形成されることが好ましい。具体的
には前記第2反強磁性層35は、元素X(ただしXは、
Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osのうち1種または
2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材
料で形成されることが好ましい。例えばPtMn合金な
どで形成される。
【0083】あるいは本発明では、前記第2反強磁性層
35は、X−Mn−X′合金(ただし元素X′は、N
e,Ar,Kr,Xe,Be,B,C,N,Mg,A
l,Si,P,Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,C
u,Zn,Ga,Ge,Zr,Nb,Mo,Ag,C
d,Ir,Sn,Hf,Ta,W,Re,Au,Pb、
及び希土類元素のうち1種または2種以上の元素であ
る)で形成されてもよい。
【0084】なお前記元素Xあるいは元素X+X′の組
成比は、45(at%)以上60(at%)以下である
ことが好ましい。
【0085】図1に示すように前記第2反強磁性層35
には、前記積層体30と膜厚方向(図示Z方向)にて対
向する位置の上面から前記積層体方向に向けて凹部35
aが形成されている。
【0086】図1に示す実施形態では、前記第2反強磁
性層35と前記強磁性層34との間で発生する交換結合
磁界によって前記強磁性層34の磁化はトラック幅方向
(図示X方向)に固定されるが、前記第2反強磁性層3
5に形成された凹部35a下における強磁性層34の中
央部(感度領域)Aは磁化が固定されておらず磁化変動
できる程度に弱く磁化された状態になっている。
【0087】上記したように前記第2反強磁性層35に
はその中央部分に凹部35aが形成されており、この凹
部35aが形成された部分での前記第2反強磁性層35
の膜厚は非常に薄くなっている。例えば前記凹部35a
下の前記第2反強磁性層35の膜厚H1は10〜70Å
である。このように前記凹部35aが形成された部分で
は前記第2反強磁性層35の膜厚H1が非常に薄く形成
されているから、膜厚H1で形成された第2反強磁性層
35と強磁性層34間にはほとんど交換結合磁界が発生
しない状態になっており、したがって前記第2反強磁性
層35に形成された凹部35a下における強磁性層34
の中央部Aの磁化は強固に固定された状態には無い。一
方、前記中央部Aの両側領域(不感領域)Bの強磁性層
34は、その上に形成された厚い膜厚の第2反強磁性層
35との間で十分な交換結合磁界が発生し、前記強磁性
層34の両側領域Bの磁化は図示X方向に強固に固定さ
れた状態になる。
【0088】一方、前記フリー磁性層32の磁化は、前
記強磁性層34との間で発生するRKKY相互作用にお
ける結合磁界によって前記強磁性層34の磁化方向とは
反平行に磁化される。
【0089】前記フリー磁性層32の両側領域(不感領
域)Cの磁化は、上記したRKKY相互作用による結合
磁界によって強固に固定されるが、前記フリー磁性層3
2の中央部(感度領域)Dの磁化は外部磁界に対し変動
できる程度に弱く磁化された状態になっており、外部磁
界がこの磁気検出素子に流入してくると、前記フリー磁
性層の中央部Dと強磁性層34の中央部Aの磁化が反平
行状態を保ちながら変動し、固定磁性層27の固定磁化
との関係で電気抵抗が変化することで、外部信号が再生
されるようになっている。
【0090】また図1に示すように、前記第2反強磁性
層35の上にはTaなどで形成された保護層36が形成
されている。なお前記保護層36は、前記第2反強磁性
層35に形成された凹部35a内には形成されていな
い。
【0091】そして前記保護層36上から前記第2反強
磁性層35に形成された凹部35a内にかけて電極層
(第2電極層)37が形成されている。前記第2電極層
37は例えば、α−Ta、Au、Cr、Cu(銅)、R
h、Ir、RuやW(タングステン)などで形成されて
いる。なお前記第2電極層37が前記ギャップ層を兼ね
ていてもよいし、あるいは前記第2電極層37が磁性材
料で形成されるときは、前記シールド層を兼ねていても
よい。
【0092】本発明の磁気検出素子はCPP型であるか
ら、図1のように電極層20、37は素子の膜厚方向の
上下に形成され、前記電極層20、37からのセンス電
流は、前記素子を構成する各層の膜面に対し垂直方向に
流れる。
【0093】以上、図1の磁気検出素子を構成する各層
について説明したが、以下では本発明における磁気検出
素子の特徴的構造について説明する。(1)フリー磁性
層32が絶縁層31上から積層体30上にかけて形成さ
れており、前記フリー磁性層32のトラック幅方向(図
示X方向)への幅寸法は、トラック幅Tw(ここでのト
ラック幅Twは磁気的なトラック幅をいう。なお以下、
単にトラック幅Twというときは、前記磁気的なトラッ
ク幅のことを指す)よりも長く延ばされて形成されてい
る。
【0094】図1の実施形態において前記トラック幅T
wは、前記第2反強磁性層35に形成された凹部35a
の下面35cのトラック幅方向(図示X方向)における
幅寸法で決定される。
【0095】上記したように、前記凹部35aと膜厚方
向で対向する位置にある前記フリー磁性層32の中央部
Dが、外部磁界に対し磁化変動できる感度領域であり、
この中央部Dのトラック幅方向における幅寸法は前記ト
ラック幅Twとほぼ一致する。
【0096】前記トラック幅Twは今後の高記録密度化
に伴って益々小さくなる傾向にある。例えば前記トラッ
ク幅Twは0.1μm程度にまで狭小化される。
【0097】このため従来のように前記フリー磁性層3
2のトラック幅方向における幅寸法がトラック幅Twで
形成されると、前記フリー磁性層32が非常に小さくな
ってしまい、反磁界の影響も強まり、前記フリー磁性層
32を適切に単磁区化することは非常に難しい。
【0098】一方、本発明では前記トラック幅Twの寸
法に左右されることなく前記フリー磁性層32のトラッ
ク幅方向における幅寸法を長く延ばして形成できる。そ
して前記フリー磁性層32のトラック幅Tw領域(=感
度領域)となる中央部D以外の両側領域(不感領域;実
質的に磁気抵抗効果に寄与しない領域)Cの上側に厚い
膜厚の第2反強磁性層35を形成した、いわゆるエクス
チェンジバイアス方式を採用することで、反磁界も弱
く、前記両側領域Cの磁化を適切にトラック幅方向に固
定できると共に、前記中央部Dを外部磁界に対し磁化変
動できる程度に弱く単磁区化でき、トラック幅Twの狭
小化においても感度に優れた磁気検出素子を製造するこ
とができる。
【0099】特に本発明においては、前記フリー磁性層
32を、積層体30の両側に形成された絶縁層31上に
まで延ばして形成することが可能であるため、トラック
幅Twの寸法のみならず前記積層体30の幅寸法にも左
右されることなく前記フリー磁性層32の幅寸法を決定
できる。
【0100】例えば従来の図11のように積層体9の一
部としてフリー磁性層5を含む場合は、前記積層体9の
幅寸法を延ばせば、前記フリー磁性層5の幅寸法を長く
延ばすことができるが、当然、前記フリー磁性層5の幅
寸法が、前記積層体9の幅寸法より大きくなることはな
い。
【0101】そして図9に示す積層体9の構造におい
て、エクスチェンジバイアス方式を採用しても、後述す
るように、前記積層体9の幅自体も直流抵抗値などの関
係から狭くする必要があり、したがって、積層体9の幅
=フリー磁性層5の幅という関係にあっては、十分に前
記フリー磁性層5の幅寸法を長くできず、かかる場合、
エクスチェンジバイアス方式を使用しても、今後の高記
録密度化に適切に対応できるほどの出力を得ることはで
きない。
【0102】一方、本発明では、前記フリー磁性層32
の幅寸法は、トラック幅Twの寸法のみならず、積層体
30の幅寸法にも左右されることがなく、したがって前
記トラック幅Tw及び積層体30の幅の狭小化に関わら
ず、前記フリー磁性層32を長く延ばすことができる。
【0103】よって本発明では、従来に比べて前記フリ
ー磁性層32の磁化制御をより適切に及び容易に行うこ
とが可能なのである。(2)第1反強磁性層23から非
磁性材料層48まで形成された積層体30のトラック幅
方向の両側には絶縁層31が形成されており、前記絶縁
層から非磁性材料層48上にかけてフリー磁性層32が
形成されている。
【0104】このように前記積層体30のトラック幅方
向の両側に絶縁層31が形成されていることで、電極層
20、37から流れる電流は、フリー磁性層32を介し
て前記積層体30内部を適切に通過する。
【0105】すなわち必ずフリー磁性層32から積層体
30内部へ、あるいは前記積層体30内部からフリー磁
性層32に電流が流れ、電流の分流が起こり難い構造と
なっている。
【0106】これは前記フリー磁性層32の磁化制御を
第2反強磁性層35を用いたエクスチェンジバイアス方
式としたからである。従来では前記フリー磁性層32の
磁化制御を、前記フリー磁性層32の両側にハードバイ
アス層を用いて行うハードバイアス方式を採用していた
が、これでは前記電流がハードバイアス層に分流しやす
く、いわゆるシャントロスの増大を招いていた。
【0107】一方、本発明では、前記積層体30の両側
を絶縁層31で埋めてしまうと共に、フリー磁性層32
の磁化制御をエクスチェンジバイアス方式とすること
で、電流は必ずから積層体30に、あるいは積層体30
からフリー磁性層32に流れる経路を通るため、電流の
分流はハードバイアス方式に比べて減り、シャントロス
の低減によって抵抗変化率の向上を図ることが可能にな
る。
【0108】以上のように本発明では、トラック幅Tw
の狭小化においても、感度に優れ、再生出力が高く、し
かも抵抗変化率が大きいCPP型(current perpendic
ularplane)の磁気検出素子を適切且つ容易に製造する
ことが可能である。
【0109】次に本発明では、前記積層体30の上面3
0bのトラック幅方向(図示X方向)における幅寸法T
1が、前記トラック幅Twと同じか、あるいはそれより
も小さいことが好ましい。
【0110】前記積層体30の上面30bのトラック幅
方向における幅寸法T1は、電気的なトラック幅として
規制される。CPP型磁気検出素子においては、前記積
層体の幅寸法T1をできる限り小さくし、これによって
直流抵抗値(DCR)を大きくすることが好ましい。
【0111】一方、前記凹部35aの下面35cのトラ
ック幅方向における幅寸法は、磁気的なトラック幅Tw
として規制される。すなわち前記凹部35aと対向する
位置にある強磁性層34とフリー磁性層32の中央部
A、Dは実質的に磁気抵抗効果に関与する感度領域とし
て機能する。
【0112】高記録密度化においては、磁気的なトラッ
ク幅Twを小さくし、記録密度を向上させることが必要
となるが、あまり磁気的なトラック幅Twを小さくしす
ぎると、感度領域が非常に小さくなりすぎて再生出力の
低下が顕著となる。
【0113】このため磁気的なトラック幅Twは、高記
録密度化に適切に対応でき、再生出力の低下が増大しな
い程度に狭小化するとともに、積層体30の上面30b
の幅寸法(電気的なトラック幅)は、前記磁気的なトラ
ック幅Twと同程度か、あるいはそれよりもさらに小さ
くして素子の直流抵抗値(DCR)をより的確に高める
ことができるようにすることが好ましい。
【0114】そこで本発明では、前記積層体30の上面
30bのトラック幅方向における幅寸法T1を、前記凹
部35aの下面35cのトラック幅方向における幅寸法
(=磁気的なトラック幅Tw)と同じか、あるいはそれ
よりも小さく形成すると規定した。
【0115】なお前記凹部35aのトラック幅Twは
0.1μm程度であることが好ましく、前記積層体30
の幅寸法T1は、0.1μm以下であることが好まし
い。
【0116】これによって再生出力と直流抵抗値(DC
R)の双方を適切に高めることが可能である。
【0117】なお本発明において、前記積層体30の上
面30bのトラック幅方向における幅寸法T1と、前記
凹部35aの下面35cのトラック幅方向における幅寸
法(=磁気的なトラック幅Tw)との寸法関係を、T1
≦Twと規制できる理由は、本発明では前記積層体30
上から前記積層体30の両側に形成された絶縁層31上
にかけてフリー磁性層32を形成しているため、前記フ
リー磁性層32の上側に形成される第2反強磁性層35
のトラック幅方向における幅寸法を、前記積層体30の
上面30bの幅寸法T1より長く形成できるからであ
る。従って本発明では、前記積層体30の上面30bの
幅寸法T1の寸法に左右されることなく、前記第2反強
磁性層35に、前記幅寸法T1と同じか、あるいはそれ
よりも大きい幅の凹部35aを形成することが可能にな
っている。
【0118】次に前記第2反強磁性層35に形成された
凹部35aの形状などについて以下に説明する。
【0119】図1に示す実施形態では前記凹部35aの
内側側面35b、35bは、下面35cから垂直方向
(図示Z方向)に立ち上がって形成されているが、前記
内側側面35bは、前記凹部35aの下面35cから上
面に向うにしたがって徐々に前記内側側面35b間の間
隔が広くなるような傾斜面あるいは湾曲面として形成さ
れていてもかまわない。
【0120】次に図1に示す実施形態では、前記凹部3
5aの下には第2反強磁性層35が一部残された状態に
なっており、前述したように、この凹部35a下での前
記第2反強磁性層35の膜厚H1は非常に薄いために交
換結合磁界が強磁性層34との間でほとんど発生しない
状態になっている。
【0121】ここで本発明のCPP型の磁気検出素子の
場合、前記凹部35aの下に一部、第2反強磁性層35
を残しておいても、CIP型(すなわち電流を各層の膜
面と平行に流すタイプ)の磁気検出素子に比べてシャン
トロスの発生を適切に低減させることができる。
【0122】本発明のようにCPP型磁気検出素子の場
合には、センス電流は各層の膜面と垂直方向に流れるか
ら、実質的に磁気抵抗効果に寄与するフリー磁性層32
の中央部(感度領域)D上に第2反強磁性層35が一部
残されていても、この第2反強磁性層35を介して前記
フリー磁性層32の中央部Dにセンス電流は流れる。従
ってシャントロスは発生し難い。
【0123】しかしCIP型の場合、前記フリー磁性層
32の中央部D上に第2反強磁性層35が一部残されて
いると、前記前記第2反強磁性層35の部分に流れたセ
ンス電流は、前記フリー磁性層32に流入せずに(ある
いは一部流入したとしても)、主として前記第2反強磁
性層35内を膜面と平行な方向(図示X方向)に横切っ
て流れてしまう。すなわちこれがシャントロスとなり抵
抗変化率の低下を招く。
【0124】以上のように、本発明のCPP型磁気検出
素子の場合、前記フリー磁性層32の中央部(感度領
域)D上に一部、第2反強磁性層35が残されていても
抵抗変化率は低下しにくく、CIP型磁気検出素子に比
べて、前記凹部35aの形成が楽であり、効果的に抵抗
変化率の高い磁気検出素子を形成することが可能であ
る。
【0125】ところで前記凹部35aは、前記第2反強
磁性層35を例えばイオンミリングなどによって削るこ
とで形成される。従ってイオンミリングでの削り量によ
って前記膜厚H1の寸法を適切に制御することができ、
また前記削り量が多くなれば、前記凹部35aと膜厚方
向で対向する前記第2反強磁性層35の部分は全て除去
され強磁性層34表面が露出することもある。
【0126】かかる場合、本発明では例えば点線で示す
ように前記強磁性層34表面も若干削られて、前記凹部
35aの下面35cが、前記強磁性層34の上面34a
より低い位置となる(符号35cの点線による引出し線
を参照されたい)。
【0127】さらに前記凹部35aが形成される位置と
膜厚方向で対向する前記強磁性層34の部分がすべて除
去されて前記非磁性中間層33の表面が前記凹部35a
から露出した状態であってもかまわない。
【0128】ただし前記凹部35aが形成される位置と
膜厚方向で対向する前記非磁性中間層33の部分をも全
て除去し、フリー磁性層32表面を前記凹部35aから
露出させる形態でないことが好ましい。前記非磁性中間
層33をすべて除去すると、このときフリー磁性層32
までも一部削られてしまう。前記フリー磁性層32の中
央部Dは実質的に磁気抵抗効果に関与する感度領域であ
るから、この部分での膜厚変動は、再生特性に大きな影
響を及ぼすことになり、再生特性の劣化を招きやすくな
る。また前記フリー磁性層32が露出し、その部分が外
気などによって汚染されると再生特性の低下を招く。
【0129】従って前記フリー磁性層32表面は露出し
ないように、少なくとも前記フリー磁性層32上に非磁
性中間層33が残るようにイオンミリング時間などを調
整して、前記凹部35aを形成する必要がある。
【0130】図2は本発明における第2実施形態のCP
P型の磁気検出素子(スピンバルブ型薄膜素子)の構造
を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。な
お図1と同じ符号が付けられている層は図1と同じ層を
示している。
【0131】図2に示す実施形態では、積層体30構
造、前記積層体30のトラック幅方向(図示X方向)の
両側に絶縁層31が形成されている点、さらに前記絶縁
層31から積層体30上にかけてフリー磁性層32が形
成され、前記フリー磁性層32の上に非磁性中間層33
が形成されている点は、図1とほぼ同じである。
【0132】図2において図1と異なるのは、図2で
は、第2反強磁性層41及び強磁性層40間に形成され
た凹部41aが、非磁性中間層33上まで形成され、前
記凹部41aから前記非磁性中間層33表面が露出して
いる点である。
【0133】上記のように図1の場合でも前記凹部35
aから前記非磁性中間層33表面を露出させることは可
能であるが、図1に示す凹部35aの形成は、イオンミ
リングなどによって削り込むことで行なわれるため、前
記凹部35aから露出した前記非磁性中間層33表面も
一部削られてその部分での膜厚は薄くなりやすい。
【0134】図2の場合においては、非磁性中間層33
上に図2の形状の強磁性層40及び第2反強磁性層41
をレジストを用いて形成することで前記第2反強磁性層
41間に前記凹部41aを形成しており、イオンミリン
グでの削り込みで前記凹部41aの形成が行なわれてい
るわけではない。図2の製造方法については後で詳しく
説明する。
【0135】従って図2では、前記凹部41aから露出
した非磁性中間層33表面に削られた跡はなく平らであ
り、前記凹部41a下での前記非磁性中間層33の膜厚
は、他の位置での前記非磁性中間層33の膜厚とほぼ同
じである。また前記非磁性中間層33表面は、前記凹部
41aから露出する部分も含めてほぼ平坦化面として形
成されている。
【0136】図2に示す実施形態では、前記非磁性中間
層33上に形成された強磁性層40及び第2反強磁性層
41の内側端面42は、下面から上面(図示Z方向)に
向うにしたがって、徐々に前記内側端面42、42間の
間隔が広がる傾斜面あるいは湾曲面として形成されてい
る。
【0137】図2に示す実施形態でも図1と同様に、フ
リー磁性層32が絶縁層31上から積層体30上にかけ
て形成されており、前記フリー磁性層32のトラック幅
方向(図示X方向)への幅寸法は、トラック幅Tw及び
積層体30の幅寸法よりも長く延ばされて形成されてい
る。
【0138】そして前記フリー磁性層32のトラック幅
Tw領域(=感度領域)となる中央部D以外の両側領域
(不感領域)Cの上側に厚い膜厚の第2反強磁性層41
を形成した、いわゆるエクスチェンジバイアス方式を採
用することで、前記両側領域Cの磁化を適切にトラック
幅方向に固定できると共に、前記中央部Dを外部磁界に
対し変動できる程度に弱く単磁区化でき、トラック幅T
wや積層体30の狭小化においても感度に優れた磁気検
出素子を製造することができる。
【0139】また第1反強磁性層23から非磁性材料層
50まで形成された積層体30のトラック幅方向(図示
X方向)の両側には絶縁層31が形成されており、前記
絶縁層31から非磁性材料層50上にかけてフリー磁性
層32が形成されている。
【0140】このように前記積層体30のトラック幅方
向の両側に絶縁層31が形成されていることで、電極層
20、37から流れる電流は、前記積層体30内部を適
切に通過する。
【0141】すなわち本発明では、前記積層体30の両
側を絶縁層31で埋めてしまうと共に、フリー磁性層3
2の磁化制御を第2反強磁性層41を用いたエクスチェ
ンジバイアス方式とすることで、電流がフリー磁性層3
2から積層体30に流れる経路以外に分流することが抑
制され、いわゆるシャントロスの低減によって抵抗変化
率の向上を図ることが可能になる。
【0142】以上のように本発明では、トラック幅Tw
の狭小化においても、感度に優れ、再生出力が高く、し
かも抵抗変化率が大きいCPP型磁気検出素子(スピン
バルブ型薄膜素子)を適切且つ容易に製造することが可
能である。
【0143】なお図2に示す実施形態においては、前記
非磁性材料層50は1層のみで構成されている。この非
磁性材料層50は、図1に示す非磁性材料層48の上層
29を構成するRuなどで形成されている。Ruなど前
記上層29の材質はすべて非磁性材料であるから、これ
らの材質で形成された層を非磁性材料層50として機能
させることができる。また前記非磁性材料層50がRu
など前記上層29を構成する材質の単層で形成されれ
ば、そもそも大気暴露によるコンタミや酸化などの汚染
から前記非磁性材料層50を適切に保護できる。
【0144】また後述する製造方法で説明するように、
前記非磁性材料層50を形成した後、その上にフリー磁
性層32を構成する工程において、素子が大気に曝され
ない状況であれば、前記非磁性材料層50を従来と同様
に図1の下層28を構成するCuなどの材質のみで形成
してもかまわない。
【0145】なお上記非磁性材料層50の構成は図1及
び、次に説明する図3の実施形態においても適用可能で
ある。
【0146】図3は本発明における第3実施形態のCP
P型の磁気検出素子(スピンバルブ型薄膜素子)の構造
を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。な
お図1と同じ符号が付けられている層は図1と同じ層を
示している。
【0147】図3に示す実施形態では図1及び図2と異
なり、フリー磁性層32上と第2反強磁性層35間に非
磁性中間層33及び強磁性層34が形成されていない。
【0148】図1及び図2に示す実施形態では、いずれ
もフリー磁性層32の両側領域Cの部分が非磁性中間層
33と強磁性層34との積層フェリ構造とされており、
前記フリー磁性層32の磁化制御は、前記積層フェリ構
造と第2反強磁性層とを組み合わせた、シンセティフィ
ック・バイアス・カップリングのエクスチェンジバイア
ス方式を用いて行なわれている。
【0149】一方、図3では、前記フリー磁性層32上
に直接、第2反強磁性層35が形成されている。そして
前記第2反強磁性層35とフリー磁性層32間に発生す
る交換結合磁界によって前記フリー磁性層32はトラッ
ク幅方向(図示X方向)に磁化される。
【0150】ここで前記第2反強磁性層35に形成され
た凹部35aの下面のトラック幅方向における幅寸法
は、トラック幅Tw(磁気的なトラック幅)として規制
され、前記凹部35a下に残された第2反強磁性層35
の膜厚H1は非常に薄くなっている。そしてこの部分で
は前記第2反強磁性層35とフリー磁性層32間でほと
んど交換結合磁界が発生せず、前記凹部35a下に位置
するフリー磁性層32の中央部(感度領域)Dの磁化が
トラック幅方向に強固に固定されることはない。
【0151】一方、前記フリー磁性層32の中央部Dの
トラック幅方向の両側に位置する両側領域(不感領域)
C、Cでは、その上に形成された厚い膜厚の第2反強磁
性層35との間で大きな交換結合磁界が発生するため前
記両側領域C、Cの磁化はトラック幅方向に適切に固定
された状態にある。
【0152】前記フリー磁性層32の中央部Dのトラッ
ク幅方向における幅寸法は、前記凹部35aの下面の幅
寸法で決定されるトラック幅Twとほぼ同じ幅寸法を有
し、前記フリー磁性層32の両側領域Cの磁化が図示X
方向に固定されたことで、前記フリー磁性層32の中央
部Dの磁化が外部磁界に対し反転できる程度に図示X方
向に揃えられる。
【0153】図3に示す実施形態でも図1と同様に、フ
リー磁性層32が絶縁層31上から積層体30上にかけ
て形成されており、前記フリー磁性層32のトラック幅
方向(図示X方向)への幅寸法は、トラック幅Tw及び
積層体30の幅寸法よりも長く延ばされて形成されてい
る。
【0154】そして前記フリー磁性層32のトラック幅
Tw領域(=感度領域)となる中央部D以外の両側領域
(不感領域)C上に厚い膜厚の第2反強磁性層35を形
成した、いわゆるエクスチェンジバイアス方式を採用す
ることで、前記両側領域Cの磁化を適切にトラック幅方
向に固定できると共に、前記中央部Dを外部磁界に対し
変動できる程度に弱く単磁区化でき、トラック幅Twや
積層体30の狭小化においても感度に優れた磁気検出素
子を製造することができる。
【0155】また第1反強磁性層23から非磁性材料層
48まで形成された積層体30のトラック幅方向の両側
には絶縁層31が形成されており、前記絶縁層31から
非磁性中間層48上にかけてフリー磁性層32が形成さ
れている。
【0156】このように前記積層体30のトラック幅方
向の両側に絶縁層31が形成されていることで、電極層
20、37から流れる電流は、フリー磁性層32から前
記積層体30内部に、あるいは積層体30からフリー磁
性層32に適切に流れる。
【0157】すなわち本発明では、前記積層体30の両
側を絶縁層31で埋めてしまうと共に、フリー磁性層3
2の磁化制御を第2反強磁性層35を用いたエクスチェ
ンジバイアス方式とすることで、電流がフリー磁性層3
2から積層体30に流れる経路以外に分流し難くなり、
いわゆるシャントロスの低減によって抵抗変化率の向上
を図ることが可能になる。
【0158】以上のように本発明では、トラック幅Tw
の狭小化においても、感度に優れ、再生出力が高く、し
かも抵抗変化率が大きいCPP型の磁気検出素子(スピ
ンバルブ型薄膜素子)を適切且つ容易に製造することが
可能である。
【0159】図4ないし図8は、本発明におけるCPP
型の磁気検出素子(スピンバルブ型薄膜素子)の製造工
程図である。各図は、磁気検出素子を記録媒体との対向
面側から見た部分断面図である。
【0160】図4に示す工程では、下から第1電極層2
0、下地層21、シードレイヤ22、第1反強磁性層2
3、固定磁性層27、下層28と上層29からなる非磁
性材料層48を連続成膜する。成膜工程にはスパッタや
蒸着が使用される。
【0161】本発明では前記第1電極層20には、α−
Ta、Au、Cr、Cu(銅)、Rh、Ir、RuやW
(タングステン)、下地層21には、Ta,Hf,N
b,Zr,Ti,Mo,Wのうち少なくとも1種以上の
元素、シードレイヤ22にはNiFeCr合金やCrな
ど、第1反強磁性層23には、元素X(ただしXは、P
t,Pd,Ir,Rh,Ru,Osのうち1種または2
種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材
料、あるいはX−Mn−X′合金(ただし元素X′は、
Ne,Ar,Kr,Xe,Be,B,C,N,Mg,A
l,Si,P,Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,C
u,Zn,Ga,Ge,Zr,Nb,Mo,Ag,C
d,Ir,Sn,Hf,Ta,W,Re,Au,Pb、
及び希土類元素のうち1種または2種以上の元素であ
る)を用いて形成することが好ましい。
【0162】なお図4に示す製造工程で用いている下地
層21及びシードレイヤ22は設けてもよいし設けなく
てもどちらでもよい。
【0163】次に固定磁性層27は積層フェリ構造と呼
ばれる構造で、磁性層24、26間に非磁性中間層25
が介在した3層構造となっている。本発明では前記磁性
層24、26をCoFe合金、CoFeNi合金、C
o、NiFe合金などの磁性材料で形成することが好ま
しい。また前記非磁性中間層25をRu、Rh、Ir、
Cr、Re、Cuなどの非磁性導電材料で形成すること
が好ましい。
【0164】また適切な積層フェリ構造を得るには、前
記磁性層24と磁性層26との単位面積当たりの磁気モ
ーメント(飽和磁化Ms×膜厚t)を異ならせる必要が
ある。例えば前記磁性層24及び磁性層26に同じ材質
を使用した場合には、前記磁性層24及び磁性層26を
異なる膜厚で形成する。
【0165】なお前記第1反強磁性層23及び固定磁性
層27を成膜した後、熱処理を施して前記第1反強磁性
層23と固定磁性層27間に交換結合磁界を発生させ、
前記固定磁性層27をハイト方向(図示Y方向)に磁化
する。前記固定磁性層27を構成する磁性層24、26
の磁化は互いに反平行状態にされる。またこの熱処理を
いつ行うかは任意であり、例えば非磁性材料層48まで
形成した後に行ってもよいし、固定磁性層までを成膜し
た段階で行ってもよい。
【0166】また本発明では前記非磁性材料層48を構
成する下層28をCu層、Rh層、Ru層、Re層、O
s層、Cr層、Ir層、Pt層、Pd層、またはこれら
材質の混合層で形成することが好ましい。
【0167】ところで本発明における非磁性材料層48
は、下層28の上に上層29が設けられた積層構造とな
っている。前記上層29は、Ru層、Rh層、Re層、
Os層、Ir層、Pt層、Pd層、またはこれら材質の
混合層で形成されることが好ましい。特にRu層で形成
されることが好ましい。前記上層29を設けることで、
図4からなる膜構成の磁気検出素子を別の装置内に移動
させるときに前記磁気検出素子が大気に曝されても前記
下層28の大気暴露によるダメージを抑制することがで
きる。
【0168】仮にRuなどで形成された上層29が無い
ときは、Cuなどで形成された下層28には、大気暴露
によってコンタミネーションなどが発生し、また前記下
層28が酸化されやすく、バルク散乱効果の低下などに
よって抵抗変化率の低下を招きやすい。
【0169】従ってRuなどからなる上層29をCuな
どからなる下層28上に設けることで、前記非磁性材料
層48としての機能を適切に維持することができる。
【0170】あるいは前記非磁性材料層48を2層構造
で形成しなくても、例えば図2の磁気検出素子のように
非磁性材料層50を一層構造で形成してもよい。かかる
場合、前記非磁性材料層50を上層29と同じ材質で形
成することが好ましい。これによって前記非磁性材料層
50が大気に曝されても適切にコンタミネーションや酸
化などの汚染から前記非磁性材料層50を防止すること
ができる。
【0171】なお図4に示す磁気検出素子が大気暴露さ
れないときなどは、前記非磁性材料層50を図4に示す
Cuなどで形成された下層28と同じ材質の単層膜で形
成してもよい。
【0172】また図4においては、非磁性材料層48を
構成する前記下層28と上層29とは明確な2層構造と
して表されているが、後工程での熱処理などによって前
記下層28と上層29とが熱拡散を起す可能性があり、
かかる場合、前記下層28と上層29との界面は不明確
になるものと考えられる。ただし組成分析によって非磁
性材料層48中に、Cuなどの下層28を構成する材質
と、Ruなどの上層29を構成する材質とが入り交じっ
ていれば、成膜当初は、図4のように2層構造として成
膜されたものと推定することができる。なお上記組成分
析によれば、前記非磁性材料層48の下面側に比べて表
面側にRu層、Rh層、Re層、Os層、Ir層、Pt
層、Pd層、またはこれら材質の混合層が多く存在する
組成変調を確認することができる。
【0173】次に図5に示す工程では図4に示す非磁性
材料層48上にリフトオフ用のレジスト層45(図5を
参照)を形成する。
【0174】そして前記レジスト層45に覆われていな
い、第1反強磁性層23から非磁性材料層48までの積
層体30のトラック幅方向(図示X方向)の両側領域を
イオンミリングなどで除去する。図5では、除去された
部分が点線で示されている。
【0175】また図5に示す工程で、前記レジスト層4
5下に残された積層体30のトラック幅方向(図示X方
向)における両側端面30aは、下方から上方(第1反
強磁性層23側から非磁性材料層48側;図示Z方向)
に向うにしたがって前記積層体30のトラック幅方向へ
の幅寸法が徐々に小さくなる傾斜面あるいは湾曲面とし
て形成される。
【0176】なお前記レジスト層45の大きさである
が、前記レジスト層45の下に残される積層体30の上
面30bのトラック幅方向における幅寸法T1が約0.
1μm以下になるように前記レジスト層45の大きさを
調整する。
【0177】また図5では、前記積層体30の第1反強
磁性層23の下側領域23a、23aは前記両側端面3
0aよりもさらに図示X方向に延びて形成されている
が、この延出した下側領域23aも全て除去され、前記
第1反強磁性層23が略台形状で形成されていてもよ
い。かかる場合は、除去された前記積層体30のトラッ
ク幅方向の両側からシードレイヤ22、下地層21ある
いは第1電極層20のいずれかの層表面が露出する。
【0178】次に図6に示す工程では、図5に示す積層
体30のトラック幅方向における両側領域に絶縁層31
を成膜する(図6を参照のこと)。前記成膜にはスパッ
タ法や蒸着法などが使用される。
【0179】本発明では前記絶縁層31をAl23やS
iO2などの絶縁材料で形成することが好ましい。
【0180】また図6に示す絶縁層31の上面が前記積
層体30の上面と同程度の位置となるように前記絶縁層
31を成膜し、このとき前記積層体30の両側端面30
aの一部が露出しないようにする。前記積層体30の両
側端面30aの一部が露出すると分流ロスの原因となり
やすいからである。
【0181】前記積層体30の両側端面30aを完全に
前記絶縁層31によって埋めるには、図6に示すように
前記絶縁層31の内側先端部31bを、リフトオフ用の
レジスト層45の下面に形成された切欠部45a下に入
り込ませ、前記内側先端部31aが前記積層体30の上
面に乗るように形成する。
【0182】このように前記レジスト層45に形成され
た切欠部45a下に絶縁層31の内側先端部31bを入
り込ませるには、前記絶縁層31のスパッタ成膜時に、
スパッタ角度を第1電極層20下の基板(図示しない)
に対し垂直方向(図示Z方向)からやや斜めに傾けてス
パッタ成膜を行う。
【0183】また前記絶縁層31の成膜時に、前記絶縁
層31を構成する絶縁材料31aが前記レジスト層45
の周囲にも付着する。そして前記リフトオフ用レジスト
層45を除去する。
【0184】次に図7に示す工程では、前記絶縁層31
上から前記積層体30上にかけてフリー磁性層32、非
磁性中間層33、強磁性層34、第2反強磁性層35及
び保護層36を連続成膜する。
【0185】本発明では前記フリー磁性層32をCoF
eNi合金、CoFe合金、Co、NiFe合金などの
磁性材料で、前記非磁性中間層33を、Ru、Rh、I
r、Cr、Re、Cuなどの非磁性導電材料で、前記強
磁性層34を、NiFe合金、CoFe合金、CoFe
Ni合金、Coなどの磁性材料で、前記第2反強磁性層
35を、元素X(ただしXは、Pt,Pd,Ir,R
h,Ru,Osのうち1種または2種以上の元素であ
る)とMnとを含有する反強磁性材料あるいはX−Mn
−X′合金(ただし元素X′は、Ne,Ar,Kr,X
e,Be,B,C,N,Mg,Al,Si,P,Ti,
V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,G
e,Zr,Nb,Mo,Ag,Cd,Ir,Sn,H
f,Ta,W,Re,Au,Pb、及び希土類元素のう
ち1種または2種以上の元素である)などで、前記保護
層36をTaなどで形成することが好ましい。
【0186】次に熱処理を施して前記第2反強磁性層3
5と強磁性層34間に交換結合磁界を発生させ、前記強
磁性層34をトラック幅方向(図示X方向)に磁化させ
る。なおこの熱処理をいつ行うかは任意であり、例えば
後で説明する図8工程での凹部形成後に行ってもかまわ
ない。
【0187】なお図7に示す実施形態では、前記強磁性
層34、非磁性中間層33及びフリー磁性層32の3層
構造で積層フェリ構造を構成しているため、前記強磁性
層34とフリー磁性層32間で発生するRKKY相互作
用における結合磁界によって前記強磁性層34とフリー
磁性層32の磁化を互いに反平行状態にすることができ
る。
【0188】なお図3の実施形態に示すように、フリー
磁性層32上に直接、第2反強磁性層35を設ける場合
には、図7に示すフリー磁性層32を成膜後、前記フリ
ー磁性層32上に第2反強磁性層35を成膜する。
【0189】次に図7に示すように、前記保護層36上
に穴部46aが形成されたマスク層46を形成する。本
発明では前記マスク層46を無機材料で形成することが
好ましい。
【0190】マスク層46に無機材料を使用する理由は
前記マスク層46の膜厚を薄く形成できるからである。
またエッチングレートが遅い。特に無機材料の中でもA
23やSiO2、Al−Si−Oなどの無機絶縁材料
がこのような作用効果を得られやすく好ましい。前記マ
スク層46としてレジストなどを使用してもよいが、レ
ジストの場合、前記マスク層46の膜厚は非常に厚くな
るため、露光現像によって前記マスク層46に微小な間
隔の穴部46aを形成しづらくなる。またこのマスク層
46の穴部46a内の両側端面にだれなどが発生し、前
記穴部46aを所定形状で形成しにくい。
【0191】前記マスク層46に形成された穴部46a
の間隔は、次の工程でトラック幅Tw(磁気的なトラッ
ク幅)を規制するための間隔となるため、前記穴部46
aは所定の寸法で、および所定の形状で適切に形成され
ていなければならない。このような理由から膜厚を薄く
形成できる無機材料で前記マスク層46を形成すること
としている。
【0192】ただし前記マスク層46として使用される
無機材料は、保護層36や第2反強磁性層35よりもエ
ッチングレートの遅い硬質な材料でなければならない。
そうでなければ次の工程で前記第2反強磁性層35に適
切な深さの凹部を形成できなくなるからである。前記無
機材料には、Ta、Ti、Si、Zr、Nb、Mo、H
f、W、Al−O、Al−Si−O、Si−Oなどを選
択することが好ましい。
【0193】このように、前記マスク層46にはその中
央部に穴部46aが形成されているが、この穴部46a
は、例えば、前記保護層36の中央部上にレジスト層
(図示しない)を立てておきその両側を前記マスク層4
6で埋めた後、前記レジスト層を除去して前記マスク層
46に前記穴部46aを形成する。あるいは前記保護層
36上の全体にマスク層46を成膜した後、レジスト層
(図示しない)を前記マスク層46上に重ねて形成し、
前記レジスト層の中央部に露光現像によって穴部を形成
した後、この穴部から露出する前記マスク層46をRI
Eなどで削って前記マスク層46に穴部46aを形成す
る方法などが考えられる。
【0194】なお本発明では、前記マスク層46に形成
された穴部46aのトラック幅方向における幅寸法T2
を、前記積層体30上面の幅寸法T1と同じかあるいは
それよりも大きく形成することが好ましい。例えば前記
マスク層46に形成された穴部46aの幅寸法T2を
0.1μm程度で形成することが好ましい。
【0195】次に図8に示す工程では、図7工程でマス
ク層46に形成された穴部46a間から露出する保護層
36及び第2反強磁性層35をイオンミリングなどで堀
り込む(図8を参照のこと)。
【0196】図8に示すように、前記イオンミリングで
前記第2反強磁性層35を途中まで掘り込む。これによ
って形成された凹部35aの下には、一部、前記第2反
強磁性層35が残されるが、残された第2反強磁性層3
5の膜厚は非常に薄くなっており、このため、前記凹部
35a下の反強磁性層35と強磁性層34との間で発生
する交換結合磁界が非常に小さくなり、前記凹部35a
下に位置する強磁性層34の中央部A及びフリー磁性層
32の中央部Dの磁化は外部磁界に対し変動できる程度
に弱く単磁区化された状態になる。すなわち前記中央部
A、Dが感度領域として規制される。
【0197】また前記凹部35aをどの層まで掘り込ん
で形成するかであるが、図8のように、前記凹部35a
下に一部、第2反強磁性層35が残されるように、ある
いは前記凹部35aから強磁性層34の表面(点線部分
を参照されたい)または非磁性中間層33の表面が露出
するように、前記第2反強磁性層35や強磁性層34ま
で掘り込んで前記凹部35aを形成する。
【0198】また上記のように前記マスク層46に形成
された穴部46aのトラック幅方向における幅寸法T2
を、前記積層体30上面の幅寸法T1と同じか、あるい
はそれよりも大きく形成しているため、前記第2反強磁
性層35に形成される凹部35aの下面35cのトラッ
ク幅方向(図示X方向)における幅寸法(=トラック幅
Tw)を、積層体30の上面30bのトラック幅方向に
おける幅寸法T1と同じかあるいはそれよりも大きく形
成することができる。
【0199】図8に示す前記凹部35a形成のためのイ
オンミリング後、前記マスク層46を除去し、さらに前
記保護層36上から前記第2反強磁性層35に形成され
た凹部35a内に第2電極層37(図1を参照のこと)
を成膜すると図1に示す磁気検出素子の構造が完成す
る。なお前記マスク層46は、非常に薄い膜厚であるた
め除去しなくても前記第2電極層37を成膜する上で邪
魔になることはなく、例えば前記マスク層46が金属材
料で形成される場合には前記マスク層46を電極層の一
部として使用できるので、前記第2反強磁性層35に凹
部35aを形成した後、前記マスク層46表面をクリー
ニングなどして前記マスク層46を除去せずに、第2電
極層37を形成してもかまわない。なおマスク層40を
除去してもよい。
【0200】図9及び図10は図2に示す磁気検出素子
の製造方法を示す一工程図である。なお各図は記録媒体
との対向面側から見た部分断面図である。
【0201】まず図9の工程の前に図4ないし図6と同
じ工程を施す。図9に示す工程では、積層体30のトラ
ック幅方向(図示X方向)の両側に形成された絶縁層3
1上から積層体30上にかけてフリー磁性層32及び非
磁性中間層33を積層する。
【0202】その後、前記非磁性中間層33上にリフト
オフ用のレジスト層47を形成する。このリフトオフ用
のレジスト層47の下面のトラック幅方向における幅寸
法T3はトラック幅Twを規制するための幅寸法であ
り、前記幅寸法T3を前記積層体30の上面のトラック
幅方向における幅寸法T1と同じかそれよりも大きい寸
法で形成することが好ましい。
【0203】次に図10に示す工程では、前記レジスト
層47のトラック幅方向(図示X方向)の両側に露出し
た非磁性中間層33上に強磁性層40及び第2反強磁性
層41を連続成膜する。前記成膜にはスパッタ法や蒸着
法が使用される。
【0204】前記強磁性層40及び第2反強磁性層41
を成膜するときは、できるだけ前記レジスト層47の下
面に形成された切欠部47a内に前記強磁性層40及び
第2反強磁性層41の内側先端部を入り込ませるため
に、スパッタ角度を基板(図示しない)に対する垂直方
向(図示Z方向)から斜めに傾いた角度として、スパッ
タを行う。これにより前記強磁性層40及び第2反強磁
性層41の内側先端部が、前記レジスト層47の切欠部
47a内に入り込み、前記強磁性層40間のトラック幅
方向(図示X方向)における間隔(凹部の幅)を、図9
に示すレジスト層47の下面の幅寸法T3とほぼ一致さ
せることができる。図10では、前記強磁性層40の間
に露出する非磁性中間層の幅寸法でトラック幅Twが規
制される。
【0205】また上記のように前記レジスト層47のト
ラック幅方向における幅寸法T3を、前記積層体30上
面の幅寸法T1と同じか、あるいはそれよりも大きく形
成しているため、前記第2反強磁性層41及び強磁性層
40間に形成されたトラック幅方向(図示X方向)の凹
部41a(図2を参照されたい)の幅寸法(=トラック
幅Tw)を、積層体30の上面30bのトラック幅方向
における幅寸法T1と同じかあるいはそれよりも大きく
形成することができる。
【0206】前記強磁性層40及び第2反強磁性層41
を成膜した後、前記レジスト層47を除去すると図2に
示す磁気検出素子が完成する。
【0207】以上説明した本発明における磁気検出素子
の製造方法では、積層体30上から前記積層体30のト
ラック幅方向の両側に形成された絶縁層31上にかけ
て、フリー磁性層32を形成し、フリー磁性層32の上
に第2反強磁性層35、41を形成し、この間で発生す
る交換結合磁界によって、あるいは強磁性層34、40
とのRKKY相互作用における結合磁界によって前記フ
リー磁性層32をトラック幅方向に磁化させることがで
きる。
【0208】上記のように本発明では、前記フリー磁性
層32を積層体30上のみでなく絶縁層31上にまで長
く延ばして形成でき、トラック幅Tw及び積層体30の
狭小化においても前記フリー磁性層32を適切に単磁区
化することができる。
【0209】また前記フリー磁性層32の下に形成され
る、第1反強磁性層23、固定磁性層27、非磁性材料
層48からなる積層体30のトラック幅方向における両
側を適切に絶縁層31で埋めることができ、シャントロ
スが生じ難く抵抗変化率を適切に向上させることが可能
な磁気検出素子を製造することができる。
【0210】従って本発明における磁気検出素子の製造
方法によれば、高記録密度化においても再生出力や抵抗
変化率など再生特性を適切に向上させることが可能な磁
気検出素子を容易に製造することができる。
【0211】また本発明では、前記Cuなどで形成され
た下層28上にRuなどで形成された上層29を形成し
て非磁性材料層48を構成し、あるいは非磁性材料層5
0を前記上層29と同じ材質の単層膜として形成するこ
とで、前記非磁性材料層のコンタミネーションの発生や
酸化を抑制でき、前記非磁性材料層としての機能を適切
に維持することが可能である。
【0212】また本発明では、前記第2反強磁性層3
5、41に形成された凹部35a、41aの下面の幅寸
法(=トラック幅Tw)を、積層体30の上面30bの
幅寸法T1より大きく形成することが可能である。これ
は、フリー磁性層32を積層体30上のみでなく絶縁層
31上にまで延ばして形成し、前記フリー磁性層32の
上側に形成される第2反強磁性層35のトラック幅方向
における幅寸法を、前記積層体30の上面30bの幅寸
法T1より大きく形成できるからである。
【0213】従って前記第2反強磁性層35に凹部35
aを形成する場、あるいはレジスト層47を用いて強磁
性層40及び反強磁性層41を積層して、前記凹部41
aを形成する場において、前記凹部35aの幅寸法を、
前記積層体30の上面の幅寸法T1より容易に大きく形
成できる。
【0214】本発明のようにCPP型磁気検出素子の場
合、できる限り前記積層体30の幅を小さくしてある所
定の直流抵抗値(DCR)を確保する必要があり、一
方、凹部35aの下面の幅寸法で決定されるトラック幅
Tw(磁気的なトラック幅)も、今後の高記録密度化に
おいて狭小化する必要があるが、前記積層体30の幅寸
法に比べ、前記トラック幅Twをあまり狭くしすぎると
出力低下が懸念される。
【0215】従って上記のように、本発明では、凹部の
幅寸法が、積層体30の幅寸法より大きくなるように互
いの幅寸法を規制し、これによって直流抵抗値(DC
R)及び再生出力の双方の向上を適切に図ることが可能
な磁気検出素子を製造することができる。
【0216】また図9及び図10に示した製造工程で
は、図4ないし図8に示す製造工程の場合のように、凹
部35a形成のためのイオンミリングなどによる掘り込
み工程が必要ないため、より所定形状の磁気検出素子を
製造しやすい。
【0217】以上詳述した本発明におけるCPP型のス
ピンバルブ型薄膜素子は、ハードディスク装置内に搭載
される再生用ヘッドとして使用できる他、MRAM等の
メモリとして使用することができる。
【0218】また前記スピンバルブ型薄膜素子を使用し
た再生用ヘッドは、摺動型であってもよいし浮上型であ
ってもどちらでもよい。
【0219】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、フリー磁
性層が反強磁性層、固定磁性層、非磁性材料層からなる
積層体の両側に形成された絶縁層上から前記積層体上に
かけて形成されており、前記フリー磁性層のトラック幅
方向への幅寸法は、トラック幅Twよりも長く延ばされ
て形成されている。さらに前記フリー磁性層上には、第
2反強磁性層が形成され、前記フリー磁性層はエクスチ
ェンジバイアス方式によって磁化される。
【0220】これによって前記フリー磁性層を適切に単
磁区化構造にでき、トラック幅Tw及び積層体の狭小化
においても感度に優れた磁気検出素子を製造することが
できる。
【0221】また前記積層体の両側を絶縁層で埋めてし
まうと共に、フリー磁性層の磁化制御を第2反強磁性層
を用いたエクスチェンジバイアス方式とすることで、電
流がフリー磁性層から積層体に流れる経路以外に分流す
ることが減り、いわゆるシャントロスの低減によって抵
抗変化率の向上を図ることが可能になる。
【0222】また本発明では、前記積層体のトラック幅
方向における幅寸法をトラック幅Twより小さく形成す
ることが好ましい。これによって素子の直流抵抗値と再
生出力の双方を適切に高めることができる。
【0223】以上のように本発明では、トラック幅Tw
の狭小化においても、感度に優れ、再生出力が高く、し
かも抵抗変化率が大きいCPP型の磁気検出素子(スピ
ンバルブ型薄膜素子)を適切且つ容易に製造することが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1実施形態のCPP型磁気検
出素子(スピンバルブ型薄膜素子)を記録媒体との対向
面側から見た部分断面図、
【図2】本発明における第2実施形態のCPP型磁気検
出素子(スピンバルブ型薄膜素子)を記録媒体との対向
面側から見た部分断面図、
【図3】本発明における第3実施形態のCPP型磁気検
出素子(スピンバルブ型薄膜素子)を記録媒体との対向
面側から見た部分断面図、
【図4】本発明の図1に示す構造のCPP型磁気検出素
子の製造工程を示す一工程図、
【図5】図4の次に行なわれる一工程図、
【図6】図5の次に行なわれる一工程図、
【図7】図6の次に行なわれる一工程図、
【図8】図7の次に行なわれる一工程図、
【図9】本発明の図2に示す構造のCPP型磁気検出素
子の製造工程を示す一工程図、
【図10】図9の次に行なわれる一工程図、
【図11】従来のCPP型磁気検出素子(スピンバルブ
型薄膜素子)の構造を記録媒体との対向面側から見た部
分断面図、
【図12】図11の一部の部分拡大図、
【符号の説明】
20 第1電極層 23 第1反強磁性層 27 固定磁性層 30 積層体 31 絶縁層 32 フリー磁性層 33 非磁性中間層 34、40 強磁性層 35、41 第2反強磁性層 37 第2電極層 45、47 レジスト層 46 マスク層 48、50 非磁性材料層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 43/12 G01R 33/06 R

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1反強磁性層と、この第1反強磁性層
    の上面に形成され、前記第1反強磁性層との間で発生す
    る交換結合磁界によって磁化が所定方向にされる固定磁
    性層と、前記固定磁性層の上面に形成された非磁性材料
    層とを有する積層体と、 この積層体のトラック幅方向の両側に形成された絶縁層
    と、 前記非磁性材料層の上面から前記絶縁層の上面にかけて
    形成され、磁化が前記固定磁性層と交叉する方向に揃え
    られたフリー磁性層と、前記フリー磁性層の上側に形成
    された第2反強磁性層とを有して成り、 前記積層体と膜厚方向に対向する位置での前記第2反強
    磁性層には、前記第2反強磁性層の上面から前記積層体
    方向に向けて凹部が形成され、 前記積層体の下側及び前記第2反強磁性層の上側に電極
    層が形成されていることを特徴とする磁気検出素子。
  2. 【請求項2】 前記積層体の上面のトラック幅方向にお
    ける幅寸法は、前記凹部の下面のトラック幅方向におけ
    る幅寸法と同じか、あるいはそれよりも小さい請求項1
    記載の磁気検出素子。
  3. 【請求項3】 前記非磁性材料層には、下面側よりも表
    面側にRu層、Rh層、Re層、Os層、Ir層、Pt
    層、Pd層あるいはこれら材質を組み合せた混合層が多
    く存在する請求項1または2に記載の磁気検出素子。
  4. 【請求項4】 前記非磁性材料層は、Cu層、Rh層、
    Ru層、Re層、Os層、Cr層、Ir層、Pt層、P
    d層あるいはこれら材質を組み合せた混合層からなる下
    層の上に、Ru層、Rh層、Re層、Os層、Ir層、
    Pt層、Pd層あるいはこれら材質を組み合わせた混合
    層からなる上層が積層されて形成されている請求項3記
    載の磁気検出素子。
  5. 【請求項5】 前記非磁性材料層は全体が、Ru層、R
    h層、Re層、Os層、Ir層、Pt層、Pd層あるい
    はこれら材質を組み合わせた混合層で形成されている請
    求項3記載の磁気検出素子。
  6. 【請求項6】 前記フリー磁性層上に、非磁性中間層及
    び強磁性層がこの順に形成され、さらに前記強磁性層上
    に前記第2反強磁性層が形成されている請求項1ないし
    5のいずれかに記載の磁気検出素子。
  7. 【請求項7】 前記凹部は、前記強磁性層表面にまで達
    して形成され、前記凹部から前記強磁性層表面が露出し
    ている請求項6記載の磁気検出素子。
  8. 【請求項8】 前記凹部は、前記非磁性中間層の表面に
    まで達して形成され、前記凹部から前記非磁性中間層表
    面が露出している請求項6記載の磁気検出素子。
  9. 【請求項9】 以下の工程を有することを特徴とする磁
    気検出素子の製造方法。 (a)第1電極層の上に、第1反強磁性層、固定磁性層
    及び非磁性材料層の順に積層された積層体を形成する工
    程と、(b)前記積層体の上面にリフトオフ用のレジス
    ト層を形成し、前記レジスト層に覆われていない前記積
    層体のトラック幅方向の両側端面を除去する工程と、
    (c)前記積層体のトラック幅方向の両側に絶縁層を形
    成し、前記レジスト層を除去する工程と、(d)前記絶
    縁層上から前記非磁性材料層上にかけてフリー磁性層を
    形成し、さらに前記フリー磁性層上に第2反強磁性層を
    積層する工程と、(f)前記第2反強磁性層上に、前記
    積層体と膜厚方向に対向する位置に穴部を有するマスク
    層を形成した後、この穴部から露出する前記第2反強磁
    性層を堀り込み、前記第2反強磁性層に凹部を形成する
    工程と、(g)前記第2反強磁性層上に第2電極層を形
    成する工程。
  10. 【請求項10】 前記(f)工程で、前記凹部の下面の
    トラック幅方向における幅寸法を前記積層体の上面のト
    ラック幅方向における幅寸法よりも大きく形成する請求
    項9記載の磁気検出素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記(a)工程で、前記非磁性材料層
    を、Cu層、Rh層、Ru層、Re層、Os層、Cr
    層、Ir層、Pt層、Pd層あるいはこれら材質を組み
    合せた混合層からなる下層の上に、Ru層、Rh層、R
    e層、Os層、Ir層、Pt層、Pd層、あるいはこれ
    ら材質を組み合わせた混合層からなる上層を積層して形
    成する請求項9または10に記載の磁気検出素子の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 前記(a)工程で、前記非磁性材料層
    を、Ru層、Rh層、Re層、Os層、Ir層、Pt
    層、Pd層あるいはこれら材質を組み合わせた混合層で
    形成する請求項9または10に記載の磁気検出素子の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 前記(d)工程で、前記フリー磁性層
    上に、非磁性中間層、強磁性層をこの順に積層した後、
    前記強磁性層上に前記第2反強磁性層を形成する請求項
    9ないし12のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方
    法。
  14. 【請求項14】前記(f)工程で、前記強磁性層表面が
    露出するまで前記第2反強磁性層を掘り込む請求項13
    記載の磁気検出素子の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記(f)工程で、前記第2反強磁性
    層の途中まで前記第2反強磁性層を掘り込む請求項9な
    いし13のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記(f)工程におけるマスク層を、
    無機材料で形成する請求項9ないし15に記載の磁気検
    出素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記(d)工程ないし(g)工程に代
    えて以下の工程を有する請求項9ないし16のいずれか
    に記載の磁気検出素子の製造方法。(h)前記絶縁層上
    から前記非磁性材料層上にかけてフリー磁性層を形成し
    た後、前記フリー磁性層上に非磁性中間層を形成する工
    程と、(i)前記積層体と膜厚方向に対向する位置での
    前記非磁性中間層上にリフトオフ用レジスト層を形成
    し、前記レジスト層に覆われていない前記非磁性中間層
    のトラック幅方向の両側に強磁性層及び第2反強磁性層
    を積層して、前記強磁性層及び第2の反強磁性層間に凹
    部を形成する工程と、(j)前記レジスト層を除去する
    工程。
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