JP2002151755A - 磁気抵抗効果素子及びその製造方法、ならびに前記磁気抵抗効果素子を用いた薄膜磁気ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果素子及びその製造方法、ならびに前記磁気抵抗効果素子を用いた薄膜磁気ヘッド

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JP2002151755A
JP2002151755A JP2000340300A JP2000340300A JP2002151755A JP 2002151755 A JP2002151755 A JP 2002151755A JP 2000340300 A JP2000340300 A JP 2000340300A JP 2000340300 A JP2000340300 A JP 2000340300A JP 2002151755 A JP2002151755 A JP 2002151755A
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magnetoresistive element
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Daigo Aoki
大悟 青木
Kenji Honda
賢治 本田
Naochika Ishibashi
直周 石橋
Masashi Saito
真史 斉藤
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反強磁性層の下にシードレイヤ層が形成され
た磁気抵抗効果素子において、従来では、フリー磁性層
に十分なバイアス磁界を与えることができず、また磁気
的なトラック幅が広がって狭トラック化に対応可能な磁
気抵抗効果素子を製造できなかった。 【解決手段】 シードレイヤ層25を有する多層膜31
の両側端面31aを上面から下面にかけて連続する傾斜
面として形成し、前記両側端面31aに下から底上げ層
32、バイアス下地層33、ハードバイアス層34の順
で積層する。これにより、前記磁気的なトラック幅を小
さくできるとともに、保磁力の大きいハードバイアス層
34をフリー磁性層29の両側に十分な体積を有して対
向させることができ、前記フリー磁性層29を適切に単
磁区化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定磁性層の磁化
の方向と外部磁界の影響を受けるフリー磁性層の磁化の
方向との関係で電気抵抗が変化する磁気抵抗効果素子に
係り、特に反強磁性層の下に結晶配向を整えるためのシ
ードレイヤ層が形成されているときに、前記フリー磁性
層の両側に高い保磁力を有するバイアス層を十分な体積
で対向させることが可能な磁気抵抗効果素子及びその製
造方法、ならびに前記磁気抵抗効果素子を用いた薄膜磁
気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】スピンバルブ型薄膜素子は、反強磁性層
と固定磁性層と非磁性導電層とフリー磁性層の4層を有
する多層膜の両側にバイアス層と電極層とを備えて構成
される。前記スピンバルブ型薄膜素子では、前記固定磁
性層の磁化とフリー磁性層の磁化とがほぼ交叉する方向
にされて、前記フリー磁性層の磁化は記録媒体からの漏
れ磁界により変動することにより前記固定磁性層との磁
化の関係で電気抵抗が変化し、これによって前記漏れ磁
界が再生される。
【0003】ところで前記スピンバルブ型薄膜素子の抵
抗変化率を大きくし、さらには安定した再生特性を得る
ために、従来から前記スピンバルブ型薄膜果素子の構造
は幾度となく改良が施されてきた。
【0004】図15は、前述のように抵抗変化率を大き
くするために改良が施されたスピンバルブ型薄膜素子の
構造を記録媒体との対向面側から見た部分断面図であ
る。
【0005】まず前記スピンバルブ型薄膜素子の中央部
分に形成された多層膜8の各層について説明する。まず
前記多層膜8の最下層は、シードレイヤ層1であり、前
記シードレイヤ層1は、例えばTaなどの下地層の上に
NiFe合金等が積層されて構成される。
【0006】前記シードレイヤ層1の上に積層された符
号2の層は反強磁性層であり、前記シードレイヤ層1の
存在により前記反強磁性層2は、fcc構造の(11
1)面が優先配向となる。これによって前記スピンバル
ブ型薄膜素子の抵抗変化率を大きくすることが可能であ
る。
【0007】図15に示すように、前記反強磁性層2の
中央部分には隆起部2aが形成され、前記隆起部2aの
トラック幅方向(図示X方向)における両側端面の基端
からは、前記トラック幅方向に長く延びる延出部2b,
2bが形成されている。また図15に示すように、前記
隆起部2a上には固定磁性層3、非磁性導電層4、フリ
ー磁性層5及び保護層6が積層されている。
【0008】また前記固定磁性層3の磁化は反強磁性層
2との界面で発生する交換結合磁界により、ハイト方向
(図示Y方向)に固定される。図15に示すように反強
磁性層2の隆起部2aから保護層6までの多層膜8の両
側端面8aは連続面となっている。
【0009】図15に示すように前記延出部2b上から
前記多層膜8の両側端面8a上にかけてCrなどのバイ
アス下地層9が形成されている。また前記バイアス下地
層9上にはハードバイアス層10が形成されている。な
お前記バイアス下地層9は、前記ハードバイアス層10
の特性(保磁力など)を向上させるために用いられる。
【0010】さらに前記ハードバイアス層10上にはT
aなどの中間層11を介して電極層12が形成されてい
る。また前記電極層12の上にはTaなどの保護層13
が形成されている。
【0011】ところで前記フリー磁性層5の磁化はトラ
ック幅方向(図示X方向)に揃えられるが、バルクハウ
ゼンノイズが少なく良好な再生特性を得るには、前記フ
リー磁性層5の両側端面と図示X方向にて対向する位置
に大きな体積を有するハードバイアス層10を配置し、
前記ハードバイアス層10から前記フリー磁性層5に十
分なバイアス磁界を与えて、前記フリー磁性層5の磁化
を単磁区化する必要がある。
【0012】この点、図15に示すスピンバルブ型薄膜
素子のように、反強磁性層2に図示X方向に長く延ばさ
れた延出部2bを形成し、前記延出部2bの上にバイア
ス下地層9を介してハードバイアス層10を積層する構
造では、前記ハードバイアス層10を、フリー磁性層5
の両側端面に十分な体積を有して対向させることができ
る。
【0013】そのため図15に示すスピンバルブ型薄膜
素子の構造では、前記フリー磁性層5の磁化を適切に図
示X方向に単磁区化できると考えられていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図15に
示すスピンバルブ型薄膜素子の構造では、前記ハードバ
イアス層10の保磁力が非常に小さくなり、前記フリー
磁性層5の磁化を適切に図示X方向に単磁区化できない
ことができないことがわかった。
【0015】このように前記ハードバイアス層10の保
磁力が小さくなる理由は、前記フリー磁性層5の下側の
積層構造に原因があるものと考えられる。すなわち図1
5に示すように、前記ハードバイアス層10の下側に
は、シードレイヤ層1、反強磁性層2及びバイアス下地
層9の各層が積層されているが、前記バイアス下地層9
の結晶配向は、本来の結晶配向から、前記シードレイヤ
層1および反強磁性層2との積層構造により(111)
面に優先配向された前記反強磁性層2の結晶配向に拘束
されて変化するものと考えられる。このためか前記バイ
アス下地層9上に積層された前記ハードバイアス層10
の保磁力は低下してしまう。
【0016】したがって図15のスピンバルブ型薄膜素
子では、前記フリー磁性層5の両側に十分な体積を有す
るハードバイアス層10を対向させることができるの
に、前記ハードバイアス層10からのバイアス磁界は非
常に小さくなり、前記フリー磁性層5の磁化を適切に単
磁区化することができないといった課題があった。
【0017】また図15に示すスピンバルブ型薄膜素子
の構造では、磁気的トラック幅(Mag−Tw)が大き
くなるといった課題もある。
【0018】図15に示すように、多層膜8の両側領域
Aを前記反強磁性層2の途中までエッチングで削り、反
強磁性層2の延出部2bを図示X方向に長く延ばす構造
では、前記両側領域Aに対するエッチング量は少なくな
る。
【0019】ところが前記エッチング量が少ないと、前
記多層膜8の両側端面8aはだれたようになだらかに傾
斜する傾斜面として形成され、このため前記多層膜8を
構成するフリー磁性層5のトラック幅方向(図示X方
向)における幅寸法は予め設定した長さ寸法よりも長く
なりやすい。このように前記フリー磁性層5のトラック
幅方向における幅寸法が長く形成されると、前記トラッ
ク幅方向における幅寸法から、再生感度が悪く実質的に
磁気抵抗効果を発揮し得ない不感領域Bを引いた磁気的
なトラック幅(Mag−Tw)は大きくなり、この結
果、狭トラック化に対応可能な磁気抵抗効果素子を製造
することができない。
【0020】そこで本発明は上記従来の問題点を解決す
るためのものであり、フリー磁性層の両側に保磁力の大
きいバイアス層を十分な体積を有して対向させることが
でき、前記フリー磁性層の磁化を適切に単磁区化できる
とともに、狭トラック化にも対応可能な磁気抵抗効果素
子及びその製造方法、ならびに前記磁気抵抗効果素子を
用いた薄膜磁気ヘッドを提供することを目的としてい
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明における磁気抵抗
効果素子は、磁気抵抗効果素子の形成面上に、下から順
にシードレイヤ層、反強磁性層、前記反強磁性層との交
換結合磁界により磁化方向が固定される固定磁性層、非
磁性導電層、及び磁化が外部磁界に対し変動するフリー
磁性層を有して積層され、トラック幅方向における両側
端面が前記フリー磁性層の上面から前記シードレイヤ層
の下面にかけて連続面とされた多層膜と、前記多層膜の
両側領域には、前記形成面上に形成され、前記多層膜側
の端面が前記多層膜の両側端面に接して形成された底上
げ層と、前記底上げ層上に形成され、前記多層膜側の端
面が前記多層膜の両側端面に接して形成されたバイアス
下地層と、前記バイアス下地層の上に形成されたバイア
ス層と、前記バイアス層上に形成された電極層と、を有
することを特徴とするものである。
【0022】上記のように本発明では、反強磁性層の下
側にシードレイヤ層が設けられており、これにより前記
反強磁性層の結晶配向は整えられ、磁気抵抗効果素子の
抵抗変化率を向上させることができる。
【0023】また本発明では、シードレイヤ層の下面か
らフリー磁性層の上面までの多層膜の両側端面は連続面
とされている。すなわち前記多層膜の形成時に、前記多
層膜の両側領域を全て除去できるようにエッチング量を
多くするため、前記両側端面を所定の傾きで形成しやす
く、よって前記フリー磁性層のトラック幅方向における
幅寸法を所定の長さで形成でき、従って磁気的なトラッ
ク幅(Mag−Tw)を小さくすることができ、狭トラ
ック化に対応可能な磁気抵抗効果素子を製造することが
できる。
【0024】また本発明では、前記多層膜の両側領域に
形成されるバイアス下地層の下にはシードレイヤ層及び
反強磁性層が形成されておらず、この構成であると、前
記バイアス下地層の結晶配向は、本来の結晶配向を保
ち、前記バイアス下地層上に積層されるバイアス層の保
磁力を大きくすることが可能である。
【0025】ところで本発明では前記バイアス下地層の
下側には底上げ層が形成されている。前記底上げ層を形
成する理由は、前記バイアス層をフリー磁性層の両側端
面に十分な体積を有して対向させ、前記バイアス層から
前記フリー磁性層に大きなバイアス磁界を与えることが
できるようにするためである。
【0026】ここで本発明のように底上げ層が無い構成
の場合は、例えば図16に示すような磁気抵抗効果素子
となる。なお図16では、図15に図示された層と同一
層には同じ符号が付けられている。
【0027】図16に示すように、シードレイヤ層1か
ら保護層6までの多層膜8の両側端面8aは連続面とさ
れ、前記両側端面8aの両側領域には、下からバイアス
下地層9、ハードバイアス層10、中間層11、電極層
12及び保護層13の順に積層されている。
【0028】しかしながら前記多層膜8の中で反強磁性
層2の膜厚は他の層に比して非常に厚く形成されるため
に、薄いバイアス下地層9上に積層されたハードバイア
ス層10は、フリー磁性層5の両側端面と対向する部分
4aでは先細って形成されやすく、したがって前記フリ
ー磁性層5の両側に十分な体積を有するハードバイアス
層10を対向させることができない。
【0029】このため前記ハードバイアス層10からフ
リー磁性層5に十分なバイアス磁界を供給できず、前記
フリー磁性層5の磁化を適切に単磁区化することができ
ないといった問題が発生する。
【0030】それならば単純に前記バイアス下地層9を
厚く形成すれば、前記バイアス下地層9上に積層される
ハードバイアス層10を高い位置に形成でき、前記フリ
ー磁性層5の両側に十分な体積を有して対向させること
ができると考えられる。その具体的な構成が図17に図
示されている。なお図17では、図15に図示された層
と同一層には同じ符号が付けられている。
【0031】図17に示すように、前記バイアス下地層
9を厚く形成すれば、図16に比べてハードバイアス層
10は高い位置に形成されるため、前記フリー磁性層5
の両側に十分な体積を有して対向させることが可能にな
る。
【0032】しかしながら前記バイアス下地層9を成膜
するときは、例えば図示Z方向に対して例えば50°前
後に傾いたスパッタ粒子入射角度を有して前記バイアス
下地層9を成膜するため、前記バイアス下地層9を厚く
形成しようとすれば、当然、前記両側端面8a上に形成
される前記バイアス下地層9の延出部9aの膜厚も厚く
形成される。
【0033】そのため図17に示す構成では、前記ハー
ドバイアス層10とフリー磁性層5との間に非常に厚い
膜厚のバイアス下地層9の延出部9aが介在してしま
い、これにより前記ハードバイアス層10からフリー磁
性層5に流れるバイアス磁界は急激に小さくなり、結
局、前記フリー磁性層5の磁化を適切に単磁区化するこ
とはできないといった問題が発生する。
【0034】それに対し本発明では、前記多層膜の両側
領域にまず底上げ層を形成し、その上に前記バイアス下
地層を成膜する。本発明の製造方法によれば、前記底上
げ層は、磁気抵抗効果素子の形成面に対してほぼ垂直方
向からスパッタ成膜され、一方前記バイアス下地層は、
前記底上げ層の形成時のスパッタ粒子入射角度よりも斜
め方向からのスパッタ粒子入射角度を有してスパッタ成
膜される。
【0035】このため本発明では、前記フリー磁性層の
両側端面とバイアス層との間に前記バイアス下地層が介
在する場合、薄い膜厚の前記バイアス下地層のみを介在
させることができる。
【0036】以上のように本発明では、前記多層膜の両
側領域に底上げ層を成膜し、その上に前記バイアス下地
層を成膜することでフリー磁性層の両側に十分な体積を
有する保磁力の高いバイアス層を対向させることができ
るとともに、前記フリー磁性層とバイアス層間には薄い
膜厚のバイアス下地層のみを介在させやすく、よって前
記フリー磁性層に前記バイアス層のバイアス磁界を十分
な大きさで供給でき、前記フリー磁性層の磁化を適正に
単磁区化することが可能である。
【0037】なお本発明では、前記底上げ層の上面は、
前記反強磁性層の下面よりも上側に位置していることが
好ましい。これにより前記底上げ層上のバイアス下地層
上に形成されるバイアス層を、フリー磁性層の両側端面
に十分な体積を有して対向させやすい。
【0038】また本発明では、前記形成面上での前記底
上げ層と前記バイアス下地層との膜厚を足した総合膜厚
は、反強磁性層とシードレイヤ層との膜厚を足した総合
膜厚に対し30%以上で形成されることが好ましい。こ
れにより前記底上げ層上のバイアス下地層上に形成され
るバイアス層を、フリー磁性層の両側端面に十分な体積
を有して対向させやすい。
【0039】また本発明では、前記形成面上での前記底
上げ層の膜厚は、80Å以上で形成されることが好まし
い。さらに本発明では前記形成面上に前記底上げ層を介
した位置での前記バイアス下地層の膜厚は、35Å以上
で50Å以下で形成されることが好ましい。これによっ
て前記底上げ層上のバイアス下地層上に形成されるバイ
アス層を、フリー磁性層の両側端面に十分な体積を有し
て対向させやすい。
【0040】また本発明では、前記バイアス下地層は、
前記フリー磁性層と前記バイアス層との間に介在するよ
うに、前記底上げ層上から前記多層膜の両側端面上に延
びて形成されることが好ましい。本発明では上記したよ
うに、フリー磁性層と前記バイアス層との間に介在する
バイアス下地層は、その膜厚が極端に厚くなることはな
く、適切な大きさのバイアス磁界を前記フリー磁性層の
供給することができる。また前記フリー磁性層とバイア
ス層間にバイアス下地層が介在すると前記バイアス層の
磁気特性を良好にすることができる。
【0041】また本発明では、前記形成面と平行な方向
における前記フリー磁性層の両側端面とバイアス層間の
最大距離は、0Å以上で100Å以下であることが好ま
しい。また前記最大距離は、20Å以上で50Å以下で
あることがより好ましい。
【0042】あるいは本発明では、前記形成面と平行方
向における前記フリー磁性層の両側端面とバイアス層間
の最大距離は、前記形成面上に形成された前記底上げ層
及び前記バイアス下地層の膜厚を足した総合膜厚に対し
0%以上で70%以下であることが好ましい。また前記
最大距離は、前記形成面上に形成された底上げ層及びバ
イアス下地層の膜厚を足した総合膜厚に対し5%以上で
50%以下であることがより好ましい。
【0043】前記バイアス層とフリー磁性層間が上記の
間隔で形成されることにより前記バイアス層からのバイ
アス磁界を前記フリー磁性層に十分に供給することがで
き、前記フリー磁性層の磁化を適切に単磁区化すること
ができる。
【0044】また本発明では、前記底上げ層は、結晶構
造がbcc構造の金属膜で形成されることが好ましい。
また本発明では前記底上げ層はCr,W,Mo,V,M
n,Nb,Taのうちいずれか1種または2種以上の金
属膜で形成されることが好ましい。これにより前記底上
げ層上に形成されるバイアス下地層の結晶配向を適切に
整えることができる。
【0045】また本発明では、前記底上げ層は絶縁材料
で形成されていてもよい。また本発明では、前記バイア
ス下地層は、結晶構造がbcc構造の金属膜で形成され
ることが好ましい。また本発明では、前記バイアス下地
層はCr,W,Mo,V,Mn,Nb,Taのうちいず
れか1種または2種以上の金属膜で形成されることが好
ましい。これにより前記バイアス下地層上に形成される
バイアス層の保磁力を大きくすることができる。
【0046】また本発明では、前記底上げ層及び前記バ
イアス下地層は共にCr膜で形成されることがより好ま
しい。これにより前記バイアス下地層上に形成されるバ
イアス層の保磁力を大きくできるとともに、製造工程を
容易化できる。
【0047】さらに本発明では、前記形成面上に前記底
上げ層及びバイアス下地層を介した位置での前記バイア
ス層の下面は、前記フリー磁性層の下面よりも下側に位
置し、且つ前記形成面上に前記底上げ層及びバイアス下
地層を介した位置での前記バイアス層の上面は、前記フ
リー磁性層の下面よりも上側に位置することが好まし
い。これにより前記フリー磁性層の両側に十分な体積を
有する前記バイアス層を対向させることができ、前記フ
リー磁性層に適切な大きさのバイアス磁界を供給するこ
とができる。
【0048】また本発明では、前記形成面上に前記底上
げ層及びバイアス下地層を介した位置での前記バイアス
層の上面は、前記フリー磁性層の上面と同一面上に位置
するか、あるいは前記フリー磁性層の上面よりも上側に
位置することが好ましい。
【0049】これによって前記ハードバイアス層から前
記フリー磁性層に十分なバイアス磁界を供給でき、適切
に前記フリー磁性層の磁化の単磁区化を促進させること
ができる。
【0050】また本発明では、前記シードレイヤ層は、
面心立方晶の(111)面あるいは体心立方晶の(11
0)面が優先配向する磁性材料層あるいは非磁性材料層
の単層構造であるか、または下地層の上に前記磁性材料
層あるいは前記非磁性材料層が形成された積層構造であ
ることが好ましい。これによって前記反強磁性層の結晶
配向を、(111)面を優先配向させることができ、磁
気抵抗効果素子の抵抗変化率を向上させることができ
る。
【0051】また前記シードレイヤ層は高抵抗であるこ
とが好ましく、これによって前記電極層からのセンス電
流を前記シードレイヤ層に分流するのを抑制することが
できる。例えば本発明では、前記シードレイヤ層は、N
iFeY合金(ただしYは、Cr,Rh,Ta,Hf,
Nb,Zr,Tiから選ばれる少なくとも1種以上)で
形成され、また前記下地層は、Ta,Hf,Nb,Z
r,Ti,Mo,Wのうち少なくとも1種以上で形成さ
れることが好ましい。
【0052】次に本発明における磁気抵抗効果素子の製
造方法は、以下の工程を有することを特徴とするもので
ある。 (a)磁気抵抗効果素子の形成面上に、下からシードレ
イヤ層、反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層、及び
フリー磁性層の順に積層して多層膜を成膜する工程と、
(b)リフトオフ用レジスト層を前記多層膜上の一部に
形成し、前記リフトオフ用レジスト層に覆われていない
前記多層膜を除去し、前記多層膜のトラック幅方向にお
ける両側端面に上面から下面にかけて連続面を形成する
工程と、(c)前記形成面の垂直方向に対して第1のス
パッタ粒子入射角度θ1を有するイオンビームスパッタ
法を用いて、前記多層膜の両側に位置する前記形成面上
に底上げ層を成膜する工程と、(d)前記形成面の垂直
方向に対して前記第1のスパッタ粒子入射角度θ1より
も大きい第2のスパッタ粒子入射角度θ2を有するイオ
ンビームスパッタ法を用いて、前記底上げ層上にバイア
ス下地層を成膜する工程と、(e)前記バイアス下地層
上にバイアス層を成膜し、さらに前記バイアス層上に電
極層を形成する工程と、(f)前記リフトオフ用レジス
ト層を除去する工程、上記のように本発明では、一つの
リフトオフ用レジスト層を利用するだけで、多層膜の両
側端面の連続面の形成、及び前記多層膜の両側領域に積
層される底上げ層、バイアス下地層、バイアス層、電極
層のスパッタ成膜を行うことができ、磁気抵抗効果素子
の製造工程を容易化・簡略化することができる。
【0053】また本発明では、前記形成面の垂直方向に
対して、前記第1のスパッタ粒子入射角度θ1を第2の
スパッタ粒子入射角度θ2よりも小さくすることによ
り、前記底上げ層が前記多層膜の両側端面上に延出形成
されないように、前記底上げ層を前記形成面上にスパッ
タ成膜できるとともに、前記バイアス下地層を前記底上
げ層上に容易にスパッタ成膜することができる。
【0054】また本発明では、具体的には前記第1のス
パッタ粒子入射角度θ1は、0°以上で10°以下であ
り、前記第2のスパッタ粒子入射角度θ2は、15°以
上で60°以下であることが好ましい。またより好まし
くは30°以上で60°以下である。
【0055】また本発明では、前記(c)工程及び
(d)工程において、前記形成面上での底上げ層及びバ
イアス下地層の膜厚を足した総合膜厚が、前記シードレ
イヤ層及び反強磁性層の膜厚を足した総合膜厚の30%
以上となるように、前記底上げ層及びバイアス下地層を
成膜することが好ましい。これにより前記バイアス下地
層上に成膜されるバイアス層を、フリー磁性層の両側に
十分な体積を有して対向させることができる。
【0056】また本発明では、前記(d)工程で、前記
バイアス下地層を底上げ層上から、前記フリー磁性層の
両側端面上に延出して成膜することが好ましい。
【0057】また本発明では、前記(d)工程におい
て、前記フリー磁性層の両側に成膜されるバイアス下地
層の前記形成面と平行な方向への最大膜厚が、前記形成
面上での底上げ層及びバイアス下地層の膜厚を足した総
合膜厚の0%以上で70%以下となるように、前記バイ
アス下地層を成膜することが好ましい。これによって前
記バイアス層からのバイアス磁界を前記フリー磁性層に
十分に供給でき、前記フリー磁性層の磁化を適切に単磁
区化することができる。また本発明では、前記最大膜厚
が、前記形成面上での底上げ層及びバイアス下地層の膜
厚を足した総合膜厚の5%以上で50%以下となるよう
に、前記バイアス下地層を成膜することがより好まし
い。
【0058】また本発明では、前記(d)工程におい
て、前記形成面上での前記底上げ層を介して形成される
バイアス下地層の上面が、前記フリー磁性層の下面の下
側に位置するように、前記(c)工程における底上げ
層、及び前記(d)工程における前記バイアス下地層を
成膜することが好ましい。これにより前記バイアス下地
層上に成膜されるバイアス層を、フリー磁性層の両側に
十分な体積を有して対向させることができる。
【0059】また本発明では、前記(e)工程におい
て、前記形成面上に前記底上げ層及びバイアス下地層を
介した位置での前記バイアス層の上面が前記フリー磁性
層の下面よりも上側に位置するように、前記バイアス層
を成膜することが好ましい。これにより前記バイアス下
地層上に成膜されるバイアス層を、フリー磁性層の両側
に十分な体積を有して対向させることができる。
【0060】また本発明では、前記底上げ層及びバイア
ス下地層を共に結晶構造がbcc構造の同じ金属膜で、
連続スパッタで成膜することが好ましい。具体的には前
記底上げ層及びバイアス下地層を共にCr膜で成膜する
ことが好ましい。これにより前記底上げ層及びバイアス
層の形成を容易化することができる。
【0061】また本発明では前記底上げ層を絶縁材料で
成膜してもよい。また本発明における薄膜磁気ヘッド
は、下部シールド層上に下部ギャップ層を介して、上記
したいずれかの磁気抵抗効果素子が形成され、前記磁気
抵抗効果素子上に上部ギャップ層を介して上部シールド
層が形成されることを特徴とするものである。
【0062】これにより本発明では、抵抗変化率が大き
く、またバルクハウゼンノイズなどが少なく再生特性に
優れたGMRヘッドを製造することができる。
【0063】また本発明では、前記磁気抵抗効果素子を
構成する底上げ層が絶縁材料で形成された場合、前記磁
気抵抗効果素子とシールド層間の絶縁耐圧を向上させる
ことができる。
【0064】
【発明の実施の形態】図1は、本発明における第1の実
施形態の薄膜磁気ヘッドを記録媒体との対向面側から見
た部分断面図である。
【0065】図1に示す薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に
記録された外部信号を再生するためのGMRヘッドであ
る。図1には前記GMRヘッドのみが開示されている
が、前記GMRヘッドの上に記録用のインダクティブヘ
ッドが積層されていてもよい。前記インダクティブヘッ
ドは磁性材料製のコア層とコイル層とを有して構成され
る。
【0066】また前記薄膜磁気ヘッドは、例えばアルミ
ナ−チタンカーバイト(Al23−TiC)で形成され
たスライダのトレーリング端面上に形成される。前記ス
ライダは、記録媒体との対向面と逆面側で、ステンレス
材などによる弾性変形可能な支持部材と接合され、磁気
ヘッド装置が構成される。
【0067】図1に示す符号20は、下部シールド層で
ある。前記下部シールド層20はNiFe合金やセンダ
ストなどの磁性材料によって形成される。
【0068】前記下部シールド層20上にはAl23
SiO2などの絶縁材料製の下部ギャップ層21が形成
されている。
【0069】そして前記下部ギャップ層21上に磁気抵
抗効果素子22が形成される。図1に示す磁気抵抗効果
素子22は、いわゆるシングルスピンバルブ型薄膜素子
と呼ばれる構成である。以下、前記磁気抵抗効果素子2
2を構成する各層について説明する。
【0070】まず、前記下部ギャップ層21の上面(磁
気抵抗効果素子の形成面21a)の中央には、シードレ
イヤ層25が形成されている。前記シードレイヤ層25
は、下地層23と、次に説明する反強磁性層26との界
面と平行な方向に面心立方晶の(111)面あるいは体
心立方晶の(110)面が優先配向した非磁性材料ある
いは磁性材料で形成された配向層24が積層されて構成
される。
【0071】前記シードレイヤ層25は一層の非磁性材
料あるいは磁性材料で形された配向層24のみで構成さ
れていてもよいが、前記配向層24の結晶配向を整える
ためには前記下地層23が形成されている方が好まし
い。
【0072】前記下地層23は、Ta,Hf,Nb,Z
r,Ti,Mo,Wのうち少なくとも1種以上で形成さ
れることが好ましい。また前記配向層24は、上記のよ
うに磁性材料あるいは非磁性材料で形成されるが、特に
高抵抗材料で形成されることが好ましい。前記配向層2
4は例えばNiFeY合金(ただしYは、Cr,Rh,
Ta,Hf,Nb,Zr,Tiから選ばれる少なくとも
1種以上)で形成されることが好ましい。このうち前記
配向層24はNiFeCr合金で形成されることがより
好ましい。前記配向層24の(111)面を、より適切
に反強磁性層26との界面と平行な方向に優先配向させ
ることができ、さらに高比抵抗にできるからである。
【0073】前記配向層24が高比抵抗であると、後述
する電極層36から流れるセンス電流の前記シードレイ
ヤ層25への分流を抑制することが可能である。これに
よって抵抗変化率(ΔMR)を向上させることができ、
またバルクハウゼンノイズを減少させることができる。
【0074】なお前記シードレイヤ層25のうち前記下
地層23は0Å以上で50Å以下程度の膜厚で、配向層
24は10Å以上で100Å以下程度の膜厚で形成され
る。
【0075】次に前記シードレイヤ層25の上には反強
磁性層26が形成される。前記反強磁性層26は、元素
X(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Os
のうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含
有する反強磁性材料で形成されることが好ましい。ある
いは前記反強磁性層26は、元素Xと元素X′合金(た
だし元素X′は、Ne,Ar,Kr,Xe,Be,B,
C,N,Mg,Al,Si,P,Ti,V,Cr,F
e,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Zr,N
b,Mo,Ag,Cd,Sn,Hf,Ta,W,Re,
Au,Pb、及び希土類元素のうち1種または2種以上
の元素である)とMnを含有する反強磁性材料により形
成されることが好ましい。
【0076】これらの反強磁性材料は、耐食性に優れし
かもブロッキング温度も高く次に説明する固定磁性層2
7との界面で大きな交換結合磁界を発生し得る。また前
記反強磁性層26は50Å以上で250Å以下の膜厚で
形成されることが好ましい。
【0077】本発明ではこのように前記反強磁性層26
を薄く形成することができるため、後述する底上げ層3
2の膜厚を容易に調整しやすく、フリー磁性層29の幅
方向両側に厚い膜厚のハードバイアス層34を対向させ
ることが可能である。
【0078】上記したように前記シードレイヤ層25
は、前記反強磁性層26との界面と平行な方向に面心立
方晶の(111)面あるいは体心立方晶の(110)面
が優先配向していることで、前記シードレイヤ層25上
に形成される反強磁性層26の(111)面、さらには
前記反強磁性層26上に形成される各層の(111)面
を前記界面と平行な方向に優先配向させることが可能で
あり、これによって結晶粒径が大きくなり抵抗変化率
(ΔMR)を向上させることが可能である。
【0079】次に前記反強磁性層26の上には固定磁性
層27が形成されている。前記固定磁性層27はNiF
e合金、CoFe合金、Co、CoNiFe合金などに
より形成される。前記固定磁性層27が積層された後、
ハイト方向(図示Y方向)への磁場中アニールを施すこ
とで、前記固定磁性層27と反強磁性層26との界面で
発生する交換結合磁界により、前記固定磁性層27の磁
化はハイト方向(図示Y方向)に強固に固定される。前
記固定磁性層27は20Å以上で60Å以下程度の膜厚
で形成されることが好ましい。
【0080】前記固定磁性層27の上には非磁性導電層
28が形成されている。前記非磁性導電層28は例えば
Cuなどの電気抵抗の低い導電性材料によって形成され
る。前記非磁性導電層28は例えば25Å程度の膜厚で
形成される。
【0081】次に前記非磁性導電層28の上にはフリー
磁性層29が形成される。前記フリー磁性層29は、N
iFe合金、CoFe合金、Co、CoNiFe合金な
どにより形成される。また前記フリー磁性層29は、2
0Å以上で40Å以下程度の膜厚で形成されることが好
ましい。また前記フリー磁性層29は2層構造で形成さ
れ、前記非磁性導電層28と対向する側にCo膜が形成
されていることが好ましい。これにより前記非磁性導電
層28との界面での金属元素等の拡散を防止でき、抵抗
変化率(ΔGMR)を大きくすることができる。
【0082】次に前記フリー磁性層29の上には保護層
30が形成される。前記保護層30はTaなどで形成さ
れる。前記保護層30の膜厚は30Å程度である。
【0083】本発明では、図1に示すように上記した前
記シードレイヤ層25から保護層30の各層で構成され
る多層膜31は、トラック幅方向(図示X方向)におけ
る両側端面31a,31aが、前記シードレイヤ層25
の下面から前記保護層30の上面まで連続した傾斜面と
なっている。
【0084】前記多層膜31はまず各層を磁気抵抗効果
素子の形成面21a上に成膜した後、前記多層膜31の
中央部分上にのみリフトオフ用のレジスト層を形成し、
前記レジスト層に覆われていない前記多層膜31の両側
領域をエッチングで除去する。
【0085】本発明では、前記多層膜の両側領域を全て
除去して前記形成面21aが露出するまで深くエッチン
グするため、残された前記多層膜31の両側端面31a
の前記形成面21aに対する傾きを所定の角度で形成で
き、例えば前記多層膜31を図1に示すような台形状で
形成できる。このため前記フリー磁性層29のトラック
幅方向における幅寸法を所定の長さ寸法で形成でき、前
記フリー磁性層のトラック幅方向における幅寸法から、
再生感度が悪く実質的に磁気抵抗効果を発揮し得ない不
感領域Cの長さ寸法を引いた磁気的なトラック幅(Ma
g−Tw)を小さくでき、今後の狭トラック化に対応可
能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0086】そして本発明では、前記多層膜31の両側
領域には、下から順に底上げ層32、バイアス下地層3
3、ハードバイアス層34、中間層35、電極層36、
及び保護層37がそれぞれ積層されている。各層につい
ては主に図2を参照しながら説明する。
【0087】図2は、図1に示す薄膜磁気ヘッドの右側
部分のみを拡大した部分断面図である。
【0088】図2に示すように前記底上げ層32は前記
多層膜31の両側領域の形成面21a上に形成され、前
記底上げ層32の多層膜31側の端面32aは、前記多
層膜31の両側端面31aと接して形成される。前記底
上げ層32は、前記底上げ層32上にバイアス下地層3
3を介して形成されるハードバイアス層34を前記多層
膜31の両側領域内で高い位置で形成し、前記フリー磁
性層29の両側に十分な体積を有して対向させるために
設けられたものである。
【0089】後述する製造方法で説明するように、前記
底上げ層32は、スパッタの際、前記形成面21aに対
してほぼ垂直方向からのイオン照射により成膜される。
このため前記底上げ層32には、前記多層膜31の両側
端面31a上に沿って前記保護層30方向に長く延びる
延出部は形成されない。図2に示すように、前記底上げ
層32の上面32bは、前記形成面21aとほぼ平行な
方向に形成されている。
【0090】なお本発明では前記底上げ層32の上面3
2bは、反強磁性層26の下面26aよりも上側(図示
Z方向)に位置していることが好ましい。これによって
前記ハードバイアス層34を、前記多層膜31の両側領
域内において高い位置で形成でき、前記フリー磁性層2
9の両側に十分な体積を有して対向させることが可能で
ある。
【0091】次に図2に示すように前記底上げ層32上
から前記多層膜31の両側端面31a上にかけてバイア
ス下地層33が形成されている。前記バイアス下地層3
3は、前記底上げ層32上に形成された平坦部33a
と、前記多層膜31の両側端面31a上に沿って前記保
護層30方向に延びる延出部33bとで構成される。
【0092】後述する製造方法で説明する通り、前記バ
イアス下地層33を形成するときの前記形成面21aの
垂直方向に対するスパッタ粒子入射角度θ2は、前記底
上げ層32の形成時のスパッタ粒子入射角度θ1よりも
大きい。
【0093】これによって前記バイアス下地層33は、
前記底上げ層32上のみならず多層膜31の両側端面3
1a上にも形成されやすくなる。
【0094】なお本発明では、前記多層膜31の両側端
面31aが下面から上面にかけて連続した傾斜面として
形成されることで、前記多層膜31の両側領域に形成さ
れるバイアス下地層33の下に、前記シードレイヤ層2
5及び反強磁性層26は形成されない。このため前記バ
イアス下地層33が前記シードレイヤ層25及び反強磁
性層26の結晶配向の影響を受けることはない。よって
前記バイアス下地層33上に形成されるハードバイアス
層34の保磁力を大きくすることが可能である。
【0095】また本発明では、前記形成面21a上に形
成された前記底上げ層32と、前記バイアス下地層33
との膜厚を足した総合膜厚H1は、前記反強磁性層26
とシードレイヤ層25との膜厚を足した総合膜厚H2に
対し30%以上であることが好ましい。これにより、よ
り適切に前記バイアス下地層33上に積層されるハード
バイアス層34を多層膜31の両側領域内で高い位置に
形成でき、前記フリー磁性層29の両側に十分な体積を
有して対向させることができる。
【0096】また本発明では、前記形成面21a上での
前記底上げ層32の膜厚H3は、80Å以上であること
が好ましい。また前記形成面21a上に底上げ層32を
介した位置での前記バイアス下地層33の膜厚H4は、
35Å以上で50Å以下であることが好ましい。
【0097】これによって、より適切に前記バイアス下
地層33上に積層されるハードバイアス層34を多層膜
31の両側領域内で高い位置に形成でき、前記フリー磁
性層29の両側に十分な体積を有して対向させることが
できる。
【0098】次に前記バイアス下地層33上にはハード
バイアス層34が形成される。本発明では、前記形成面
21a上に底上げ層32及びバイアス下地層33を介し
た位置、すなわち前記バイアス下地層33の平坦部33
a上における、前記ハードバイアス層34の下面34a
は、前記フリー磁性層29の下面29aよりも図示下側
(図示Z方向の逆方向)に位置し、且つ前記平坦部33
a上における前記ハードバイアス層34の上面34b
は、前記フリー磁性層29の下面29aよりも図示上側
(図示Z方向)に位置することが好ましい。これによっ
て前記ハードバイアス層34を、前記フリー磁性層29
の両側に十分な大きさの体積を有して対向させることが
可能である。
【0099】さらに本発明では、上記の構成に加えて前
記バイアス下地層33の平坦部33a上における前記ハ
ードバイアス層34の上面34bは、前記フリー磁性層
29の上面29bと同一面上に位置するか、あるいは前
記フリー磁性層29の上面29bよりも図示上側(図示
Z方向)に位置することがさらに好ましい。これによっ
て前記フリー磁性層29の下面29a及び上面29bか
ら、前記形成面21aと平行な方向に仮想線D,Eを引
いた時、前記多層膜31の両側領域における2本の前記
仮想線D,E内には、バイアス下地層33の延出部33
bとハードバイアス層34のみが存在することになるた
め、前記ハードバイアス層34からより十分なバイアス
磁界を前記フリー磁性層29に供給することが可能にな
っている。
【0100】このように本発明では、前記多層膜31の
両側領域に底上げ層32及びバイアス下地層33が積層
されているため、前記バイアス下地層33上に積層され
るハードバイアス層34を、前記フリー磁性層29の両
側に十分な体積を有して対向させることが可能である
が、さらに本発明では、図2の実施形態のように、ハー
ドバイアス層34と前記フリー磁性層29との間には、
膜厚の薄いバイアス下地層33の延出部33のみが介在
するため、前記ハードバイアス層34からのバイアス磁
界は極端に小さくならず、十分な大きさの前記バイアス
磁界を前記フリー磁性層29に供給できるようになって
いる。
【0101】本発明では、前記形成面21aと平行な方
向における、前記フリー磁性層29の両側端面31aと
ハードバイアス層34との間の最大距離L1、すなわち
図2の実施形態では、前記フリー磁性層29の両側に形
成されたバイアス下地層33の延出部33bの前記形成
面21aと平行な方向への最大膜厚は、100Å以下で
形成されることが好ましい。より好ましくは20Å以上
で50Å以下である。
【0102】また本発明では、前記形成面21aと平行
な方向における、前記フリー磁性層29の両側端面31
aとハードバイアス層34との間の最大距離L1、すな
わち図2の実施形態では前記フリー磁性層29の両側に
形成されたバイアス下地層33の延出部33bの前記形
成面21aと平行な方向への最大膜厚は、前記形成面2
1a上に形成された底上げ層32及び前記バイアス下地
層33の膜厚を足した総合膜厚H1に対し70%以下で
あることが好ましい。なおこのときの前記最大膜厚の具
体的な数値は100Å以下であることが好ましい。ま
た、前記最大膜厚は前記総合膜厚H1に対し5%以上で
50%以下であることがより好ましい。なおこのときの
前記最大膜厚の具体的な数値は20Å以上50Åである
ことが好ましい。
【0103】上記した数値範囲内であれば、前記ハード
バイアス層34から前記フリー磁性層29に適切な大き
さのバイアス磁界を供給でき、これにより前記フリー磁
性層29の磁化を図示X方向に適切に単磁区化すること
が可能である。
【0104】また本発明では、図2に示すように、前記
バイアス下地層33の延出部33bと平坦部33aとの
上面における境界Fから前記多層膜31の両側端面31
aまでの前記形成面21aと平行な方向への距離L2
が、前記形成面21a上に形成された底上げ層32及び
前記バイアス下地層33の膜厚を足した総合膜厚H1に
対し20%以上で50%以下であることが好ましい。
【0105】そして前記ハードバイアス層34上には、
Taなどで形成された非磁性の中間層35が形成され、
前記中間層35上には、電極層36が形成され、さらに
前記電極層36上にはTaなどで形成された保護層37
が形成される。
【0106】次に上記した底上げ層32、バイアス下地
層33の材質について以下で説明する。
【0107】本発明では、前記底上げ層32は、結晶構
造が体心立方構造(bcc構造)の金属膜で形成される
ことが好ましい。また同様に前記バイアス下地層33
も、結晶構造が体心立方構造(bcc構造)の金属膜で
形成されることが好ましい。なおこのとき前記バイアス
下地層の結晶配向は(110)面が優先配向する。
【0108】上記のように本発明では、前記バイアス下
地層33の下に、シードレイヤ層25及び反強磁性層2
6が形成されていないため、前記バイアス下地層の結晶
構造を体心立方構造(bcc構造)に適正に調整でき
る。
【0109】このような結晶構造及び結晶配向性を有す
る金属膜によって前記底上げ層32及びバイアス下地層
33を形成する理由は、前記バイアス下地層33上に形
成されるハードバイアス層34の保磁力を高めるためで
ある。
【0110】前記ハードバイアス層34は、CoPt合
金やCoPtCr合金などで形成される。これら合金の
結晶構造は、面心立方構造(fcc)と稠密六方構造
(hcp)の混相となっている。
【0111】ここで上記の金属膜で形成されたバイアス
下地層32とハードバイアス層34を構成するCoPt
系合金のhcp構造の格子定数は近い値となるために、
CoPt系合金はfcc構造を形成しづらくhcp構造
で形成されやすくなる。このときhcp構造のc軸はC
oPt系合金の境界面内に優先配向される。前記hcp
構造はfcc構造に比べてc軸方向に大きな磁気異方性
を生じるため、ハードバイアス層に磁界を与えたときの
保磁力は大きくなるのである。
【0112】本発明では、結晶構造が体心立方構造(b
cc構造)の金属膜は、Cr,W,Mo,V,Mn,N
b,Taのいずれか1種または2種以上の元素で形成さ
れることが好ましい。
【0113】また本発明では、前記底上げ層32とバイ
アス下地層33とが同じ金属膜で形成されると製造工程
を容易化できて好ましいが、このとき前記底上げ層32
及び前記バイアス下地層33は共にCr膜で形成される
ことが好ましい。Cr膜は、前記ハードバイアス層34
の結晶配向を整える機能に優れ、前記ハードバイアス層
34の保磁力を適切に大きくすることができるからであ
る。
【0114】なお前記のように前記底上げ層32とバイ
アス下地層33とが共に同じ金属膜で形成された場合に
は、図2に示す底上げ層32とバイアス下地層33との
境界は不明確になるが、かかる場合でも前記底上げ層3
2とバイアス下地層33との積層した構造であるか否か
はその形状を見れば容易に解明できる。
【0115】すなわち既に述べたように、前記フリー磁
性層29の両側端面31aとハードバイアス層34との
間の最大距離L1が、前記総合膜厚H1に対し70%以
下で形成されている場合や、さらには前記バイアス下地
層33の境界Fから前記多層膜31の両側端面31aま
での距離L2が、前記総合膜厚H1に対し20%以上で
50%以下である場合には、前記底上げ層32を形成面
21aに対しほぼ垂直方向のスパッタ粒子入射角度で形
成してから、前記底上げ層32の形成時よりも斜めに傾
いた方向のイオン照射でバイアス下地層33を成膜して
いるものと認めることができると考えられる。
【0116】また本発明では、前記底上げ層32は絶縁
材料によって形成されていてもよい。前記絶縁材料に
は、従来から一般的に使用されているAl23やSiO
2などを用いることができる。
【0117】本発明では前記底上げ層32を絶縁材料に
よって形成することで、前記多層膜31の両側領域で
は、磁気抵抗効果素子22と下部シールド層20間のギ
ャップを広げることができ、よって絶縁耐圧を向上させ
ることが可能である。
【0118】なお本発明では前記下部ギャップ層21と
前記底上げ層32とを別々の絶縁材料によって形成して
も良いし、同じ絶縁材料によって形成してもよい。
【0119】そして本発明では図1に示すように、前記
形成面21a上に形成された前記磁気抵抗効果素子22
の上には、絶縁材料製の上部ギャップ層38が形成さ
れ、前記上部ギャップ層38の上には磁性材料製の上部
シールド層39が形成される。
【0120】図3では、前記バイアス下地層33の延出
部33bは、前記フリー磁性層29のトラック幅方向
(図示X方向)における両側端面上にまで延びて形成さ
れていない。かかる構成の場合、前記フリー磁性層29
の両側端面に直接ハードバイアス層34が接するから、
図2に示す最大距離L1は0Åとなり、また前記最大距
離L1は前記底上げ層32とバイアス下地層33の膜厚
を足した総合膜厚に対し0%となる。
【0121】また図3では、前記バイアス下地層33の
延出部33bは、非磁性導電層28の両側端面上にまで
延びて形成されるが、前記延出部33bの形成位置は、
前記非磁性導電層28よりも下側でもよい。さらに前記
バイアス下地層33には前記延出部33bが形成されて
いなくても良く、この場合、前記バイアス下地層33は
前記底上げ層32上のみに形成されることになる。ただ
しこの場合でも前記バイアス下地層33の多層膜31側
の端面は、前記多層膜31の両側端面31aに接して形
成される。
【0122】本発明では、図1ないし図3に示す多層膜
31の両側領域の構造は、別の多層膜31構造を有する
磁気抵抗効果素子に使用することができる。
【0123】図4は、本発明における第2の実施形態の
薄膜磁気ヘッドを記録媒体との対向面側から見た部分断
面図である。なお図1と同一層には同じ符号が付されて
いる。
【0124】図4と図1との相違点は、固定磁性層27
及びフリー磁性層29の構造にある。図1では前記固定
磁性層27及びフリー磁性層29は共に単層で形成され
ていたが、図4では前記固定磁性層27及びフリー磁性
層29が共に3層で形成されている。
【0125】前記固定磁性層27を構成する符号40及
び42の層は磁性層であり、例えばCoで形成される。
前記磁性層40,42間にはRuなどで形成された中間
層41が介在し、この構成により、前記磁性層40と前
記磁性層42の磁化方向は互いに反平行状態にされる。
これはいわゆるフェリ状態と呼ばれ、この構成により前
記固定磁性層27の磁化を安定した状態にでき、また前
記固定磁性層27と反強磁性層26との界面で発生する
交換結合磁界を大きくすることができる。
【0126】同様にフリー磁性層29を構成する符号4
3及び45の層はCoなどの磁性層であり、前記磁性層
43,45間にRuなどの中間層44が介在する。これ
によって前記磁性層43,45の磁化は互いに反平行に
され、前記フリー磁性層29の磁化を安定した状態にで
き、各磁性層43,44の磁気的な膜厚を薄く形成でき
る。これによって前記フリー磁性層の磁化は、前記磁性
層43,44が外部磁界に対し反平行を保ちながら反転
しやすくなり、再生特性の向上を図ることができる。
【0127】なお前記フェリ構造は固定磁性層27及び
フリー磁性層29のどちらか一方において形成されてい
てもよい。
【0128】また前記磁性層40,42および磁性層4
3,45の膜厚はそれぞれ10〜70Å程度で形成され
る。また中間層41,44の膜厚は3Å〜10Å程度で
形成で形成される。
【0129】図4に示す実施形態においても、多層膜4
6の最下層はシードレイヤ層25であり、また前記多層
膜46のトラック幅方向(図示X方向)における両側端
面46a,46aは、前記シードレイヤ層25の下面か
ら保護層30の上面にまで連続する傾斜面となってい
る。このため前記反強磁性層26の結晶配向を整え、抵
抗変化率を大きくできると共に、磁気的なトラック幅
(Mag−Tw)を小さくでき狭トラック化に対応可能
な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。また前記バ
イアス下地層33の下側に前記シードレイヤ層25及び
反強磁性層26は形成されないから、前記バイアス下地
層33を所定の結晶配向に保ち、前記バイアス下地層3
3上に積層されるハードバイアス層34の保磁力を大き
くできる。
【0130】また前記多層膜46の両側領域には、底上
げ層32を形成することで保磁力の大きいハードバイア
ス層34をフリー磁性層29の両側に十分な膜厚を有し
て対向させることができ、また前記フリー磁性層29と
ハードバイアス層34間に介在するバイアス下地層33
の膜厚も薄く形成できることから、前記ハードバイアス
層34からのバイアス磁界を前記フリー磁性層29に十
分に供給でき、前記フリー磁性層29の単磁区化を促進
させることができる。
【0131】図5は本発明における第3の実施形態の薄
膜磁気ヘッドを記録媒体との対向面側から見た部分断面
図である。なお図1と同一層には同じ符号が付されてい
る。
【0132】図1に示す薄膜磁気ヘッドと図5に示す薄
膜磁気ヘッドとの相違点は、多層膜49の積層構成にあ
る。図5ではフリー磁性層29の上に、金属材料あるい
は非磁性金属のCu,Au,Agからなるバックド層4
7が形成されている。また前記バックド層47の上に形
成される保護層48はTaなどから成り、その表面が酸
化された酸化層であることが好ましい。
【0133】前記バックド層47が形成されることによ
って、磁気抵抗効果に寄与する+スピン(上向きスピ
ン)の電子における平均自由工程(mean free
path)を延ばし、いわゆるスピンフィルター効果
(spin filter effect)により磁気
抵抗効果素子において、大きな抵抗変化率が得られ、高
記録密度化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造すること
ができる。
【0134】なおこの実施形態においても前記固定磁性
層27及び/またはフリー磁性層29を図4と同様にフ
ェリ構造で形成してもよい。
【0135】図5に示す実施形態においても、多層膜4
9の最下層はシードレイヤ層25であり、また前記多層
膜49のトラック幅方向(図示X方向)における両側端
面49a,49aは、前記シードレイヤ層25の下面か
ら保護層48の上面にまで連続する傾斜面となってい
る。このため前記反強磁性層26の結晶配向を整え、抵
抗変化率を大きくできると共に、磁気的なトラック幅
(Mag−Tw)を小さくでき狭トラック化に対応可能
な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。また前記バ
イアス下地層33の下側に前記シードレイヤ層25及び
反強磁性層26は形成されないから、前記バイアス下地
層33を所定の結晶配向に保ち、前記バイアス下地層3
3上に積層されるハードバイアス層34の保磁力を大き
くできる。
【0136】また前記多層膜49の両側領域には、底上
げ層32を形成することで保磁力の大きいハードバイア
ス層34をフリー磁性層29の両側に十分な膜厚を有し
て対向させることができ、また前記フリー磁性層29と
ハードバイアス層34間に介在するバイアス下地層33
の膜厚も薄く形成できることから、前記ハードバイアス
層34からのバイアス磁界を前記フリー磁性層29に十
分に供給でき、前記フリー磁性層29の単磁区化を促進
させることができる。
【0137】図6は本発明における第4の実施形態の薄
膜磁気ヘッドを記録媒体との対向面側から見た部分断面
図である。なお図1と同一層には同じ符号が付けられて
いる。
【0138】図1の薄膜磁気ヘッドと図6の薄膜磁気ヘ
ッドの相違点は、図1の薄膜磁気ヘッドでは、電極層3
6が、多層膜31の両側領域内にのみ形成されていた
が、図6では、前記電極層36の先端部が、多層膜50
上にオーバーラップして形成されている点である。
【0139】図6では、多層膜50の最上層となる保護
層30が、磁気的なトラック幅(Mag−Tw)の幅寸
法で形成され、再生感度が悪く実質的に磁気抵抗効果を
発揮しない不感領域C上には形成されていない。
【0140】そして図6に示す実施形態では、前記不感
領域C上に露出した前記フリー磁性層29上にまで前記
電極層36が延出して形成されている。この構成である
と、前記電極層36からのセンス電流は、磁気的なトラ
ック幅(Mag−Tw)の多層膜50内を優先して流
れ、前記不感領域Cに分流する前記センス電流量を抑制
することができる。このためバルクハウゼンノイズが発
生しにくいなど再生特性に優れた薄膜磁気ヘッドを製造
することができる。
【0141】なお図4のように固定磁性層27及び/ま
たはフリー磁性層29をフェリ構造で形成してもよい。
【0142】図6に示す実施形態においても、多層膜5
0の最下層はシードレイヤ層25であり、また前記多層
膜50のトラック幅方向(図示X方向)における両側端
面50a,50aは、前記シードレイヤ層25の下面か
らフリー磁性層29の上面にまで連続する傾斜面となっ
ている。このため前記反強磁性層26の結晶配向を整
え、抵抗変化率を大きくできると共に、磁気的なトラッ
ク幅(Mag−Tw)を小さくでき狭トラック化に対応
可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。また前
記バイアス下地層33の下側に前記シードレイヤ層25
及び反強磁性層26は形成されないから、前記バイアス
下地層33を所定の結晶配向に保ち、前記バイアス下地
層33上に積層されるハードバイアス層34の保磁力を
大きくできる。
【0143】また前記多層膜50の両側領域には、底上
げ層32を形成することで保磁力の大きいハードバイア
ス層34をフリー磁性層29の両側に十分な膜厚を有し
て対向させることができ、また前記フリー磁性層29と
ハードバイアス層34間に介在するバイアス下地層33
の膜厚も薄く形成できることから、前記ハードバイアス
層34からのバイアス磁界を前記フリー磁性層29に十
分に供給でき、前記フリー磁性層29の単磁区化を促進
させることができる。
【0144】図7は、本発明における第5の実施形態の
薄膜磁気ヘッドを記録媒体との対向面側から見た部分断
面図である。なお図5と同一層には同じ符号が付けられ
ている。
【0145】この実施形態は図5と同様に多層膜51に
バックド層47が設けられた構造であり、さらに図6と
同様に前記バックド層47上に設けられた保護層48が
磁気的なトラック幅(Mag−Tw)内にのみ形成さ
れ、再生感度が悪く実質的に抵抗変化を発揮し得ない不
感領域C上には形成されていない。
【0146】そして前記電極層36は、前記バックド層
47の不感領域C上にまで延ばされて形成されている。
【0147】この構成であると、前記電極層36からの
センス電流は、磁気的なトラック幅(Mag−Tw)の
多層膜51内を優先して流れ、前記不感領域Cに分流す
る前記センス電流量を抑制することができる。このため
バルクハウゼンノイズが発生しにくいなど再生特性に優
れた薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0148】なお図4のように固定磁性層27及び/ま
たはフリー磁性層29をフェリ構造で形成してもよい。
【0149】図7に示す実施形態においても、多層膜5
1の最下層はシードレイヤ層25であり、また前記多層
膜51のトラック幅方向(図示X方向)における両側端
面51a,51aは、前記シードレイヤ層25の下面か
らフリー磁性層29の上面にまで連続する傾斜面となっ
ている。このため前記反強磁性層26の結晶配向を整
え、抵抗変化率を大きくできると共に、磁気的なトラッ
ク幅(Mag−Tw)を小さくでき狭トラック化に対応
可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。また前
記バイアス下地層33の下側に前記シードレイヤ層25
及び反強磁性層26は形成されないから、前記バイアス
下地層33を所定の結晶配向に保ち、前記バイアス下地
層33上に積層されるハードバイアス層34の保磁力を
大きくできる。
【0150】また前記多層膜51の両側領域には、底上
げ層32を形成することで保磁力の大きいハードバイア
ス層34をフリー磁性層29の両側に十分な膜厚を有し
て対向させることができ、また前記フリー磁性層29と
ハードバイアス層34間に介在するバイアス下地層33
の膜厚も薄く形成できることから、前記ハードバイアス
層34からのバイアス磁界を前記フリー磁性層29に十
分に供給でき、前記フリー磁性層29の単磁区化を促進
させることができる。
【0151】図8は、本発明の第6の実施形態の薄膜磁
気ヘッドを記録媒体との対向面側から見た部分断面図で
ある。なお図1と同一層には同じ符号が付けられてい
る。
【0152】この実施形態における磁気抵抗効果素子5
6は、デュアルスピンバルブ型薄膜素子であり、多層膜
55は、下からシードレイヤ層25、反強磁性層26、
固定磁性層27、非磁性導電層28、フリー磁性層2
9、非磁性導電層52、固定磁性層53、反強磁性層5
4、及び保護層30の順で積層される。
【0153】なお2つの固定磁性層27,53は共に図
示Y方向に磁化が固定され、前記フリー磁性層29は磁
化が図示X方向に揃えられ、ほぼ交叉する関係となって
いる。
【0154】デュアルスピンバルブ型薄膜素子では、図
1ないし図7に示すシングルスピンバルブ型薄膜素子と
異なり、電子散乱の起こる場所が、前記フリー磁性層2
9と下側に形成された固定磁性層27間、及び前記フリ
ー磁性層29と上側に形成された固定磁性層53間の2
ヶ所あるから、前記シングルスピンバルブ型薄膜素子に
比べて大きな抵抗変化率を得ることができる。
【0155】図8に示す実施形態においても、多層膜5
5の最下層はシードレイヤ層25であり、また前記多層
膜55のトラック幅方向(図示X方向)における両側端
面55a,55aは、前記シードレイヤ層25の下面か
ら保護層30の上面にまで連続する傾斜面となってい
る。このため前記反強磁性層26の結晶配向を整え、抵
抗変化率を大きくできると共に、磁気的なトラック幅
(Mag−Tw)を小さくでき狭トラック化に対応可能
な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。また前記バ
イアス下地層33の下側に前記シードレイヤ層25及び
反強磁性層26は形成されないから、前記バイアス下地
層33を所定の結晶配向に保ち、前記バイアス下地層3
3上に積層されるハードバイアス層34の保磁力を大き
くできる。
【0156】また前記多層膜55の両側領域には、底上
げ層32を形成することで保磁力の大きいハードバイア
ス層34をフリー磁性層29の両側に十分な膜厚を有し
て対向させることができ、また前記フリー磁性層29と
ハードバイアス層34間に介在するバイアス下地層33
の膜厚も薄く形成できることから、前記ハードバイアス
層34からのバイアス磁界を前記フリー磁性層29に十
分に供給でき、前記フリー磁性層29の単磁区化を促進
させることができる。
【0157】なお図4のように固定磁性層27、53及
び/またはフリー磁性層29をフェリ構造で形成しても
よい。また図6に示すように、多層膜55の不感領域C
上に電極層36をオーバーラップさせてもよい。
【0158】次に図9ないし図14は、図1に示す薄膜
磁気ヘッドの製造方法を示す一工程図である。各図は記
録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
【0159】図9に示す工程では、パーマロイやセンダ
ストなどの磁性材料で形成された下部シールド層20の
上に、アルミナなどの絶縁材料で形成された下部ギャッ
プ層21を形成する。
【0160】次に前記下部ギャップ層21上の全面に磁
気抵抗効果素子22を構成する多層膜31の各層を成膜
する。まず前記下部ギャップ層21上にTaなどの下地
層23及びNiFeCr合金などの非磁性材料層24で
構成されるシードレイヤ層25を形成する。次に前記シ
ードレイヤ層25の上にPtMn合金などで形成された
反強磁性層26を形成する。さらに前記反強磁性層26
の上に、NiFe合金などの磁性材料で形成された固定
磁性層27、Cuなどで形成された非磁性導電層28、
NiFe合金などで形成されたフリー磁性層29、及び
Taなどで形成された保護層30を形成する。
【0161】また図4に示す多層膜46を成膜するに
は、固定磁性層27及びフリー磁性層29をフェリ状態
にして形成すればよい。また図5に示す多層膜49を成
膜するには、前記フリー磁性層29の上にバックド層4
7及び保護層48を成膜して前記多層膜49を構成すれ
ばよい。また図8に示す多層膜55を成膜するには、前
記フリー磁性層29の上に、さらに非磁性導電層52、
固定磁性層53、反強磁性層54及び保護層30を成膜
して前記多層膜55を構成すればよい。
【0162】次に図9に示すように前記保護層30の上
の中央部部分にリフトオフ用のレジスト層57を塗布工
程・露光現像工程により形成する。図9に示すように前
記レジスト層57の下面57bには、切り込み部57
a,57aが設けられる。
【0163】次に図10に示す工程では、前記レジスト
層57によって覆われていない多層膜31のトラック幅
方向(図示X方向)における両側領域31b,31bを
エッチングにより除去する。
【0164】本発明では前記多層膜31の前記両側領域
31b,31bを、下部ギャップ層21の上面(磁気抵
抗効果素子の形成面21a)が露出するまで深くエッチ
ングにより削り込むため、残された前記多層膜31の両
側端面31a,31aは、前記シードレイヤ層25の下
面から保護層30の上面にまで連続した傾斜面となり、
前記多層膜31はほぼ台形状となる。また前記多層膜3
1の両側端面31aの前記形成面21aに対する傾きを
所定の角度を有して形成できるため、前記フリー磁性層
29のトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法を所定の
長さ寸法で形成しやすい。よって本発明によれば前記フ
リー磁性層29のトラック幅方向における幅寸法は予め
予定していた長さ寸法よりも長く形成され難く、前記幅
寸法から再生感度が悪く実質的に磁気抵抗効果を発揮し
得ない不感領域Cを除いた磁気的なトラック幅(Mag
−Tw)を所定の幅寸法で形成でき、今後の狭トラック
化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することが可能に
なっている。
【0165】次に図11では、前記多層膜31の両側領
域31bに露出した形成面21a上に底上げ層32をス
パッタ成膜する。なおこのとき、前記底上げ層32の多
層膜31側の端面32aが前記多層膜31の両側端面3
1aに接するようにする。図11に示すように、前記底
上げ層32のスパッタ成膜は、前記形成面21aの垂直
方向(図示Z方向)に対して、第1のスパッタ粒子入射
角度θ1を有して行なわれ、具体的には前記第1のスパ
ッタ粒子入射角度は、0°以上で10°以下であること
が好ましい。すなわち前記底上げ層32は、前記形成面
21aに対してほぼ垂直方向からスパッタ成膜される。
【0166】このため図11に示すように、前記底上げ
層32の上面32bは、前記形成面21aとほぼ平行に
形成され、前記上面32bよりも上側に位置する前記多
層膜31の両側端面31aに前記底上げ層32が付着し
ない。
【0167】なお前記底上げ層32の上面32bは、前
記反強磁性層26の下面26aよりも上側に位置するよ
うに前記底上げ層32を成膜することが好ましい。また
前記底上げ層32の膜厚は、80Å以上であることが好
ましい。
【0168】また本発明では、前記底上げ層32を、結
晶構造がbcc構造の金属膜で形成することが好まし
い。前記金属膜にはCr,W,Mo,V,Mn,Nb,
Taを挙げることができ、これら1種以上あるいは2種
以上の元素を選択することが可能であるが、本発明では
特にCr膜で前記底上げ層32をスパッタ成膜すること
が好ましい。
【0169】あるいは前記底上げ層32をAl23やS
iO2などの絶縁材料によって形成してもよい。この場
合、前記底上げ層32と下部ギャップ層21とで磁気抵
抗効果素子と下部シールド層20間の絶縁性を図ること
が可能になるため絶縁耐圧を向上させることが可能であ
る。
【0170】なお前記底上げ層32を、イオンビームス
パッタ法、ロングスロースパッタ法、コリメーションス
パッタ法のいずれかを用いてスパッタ成膜することが好
ましい。また以下の工程で成膜されるバイアス下地層3
3、ハードバイアス層34、中間層35、電極層36、
及び保護層37もまた上記のスパッタ技術によって成膜
することが好ましい。
【0171】次に図12に示す工程では、前記底上げ層
32の上面32bから前記多層膜31の両側端面31a
にかけてバイアス下地層33をスパッタ成膜する。図1
2に示すように、前記バイアス下地層33は、前記形成
面21aの垂直方向(図示Z方向)に対して、第2のス
パッタ粒子入射角度θ2を有してスパッタ成膜される
が、前記第2のスパッタ粒子入射角度θ2は、第1のス
パッタ粒子入射角度θ1よりも大きいことが好ましい。
前記第2のスパッタ粒子入射角度θ2は、具体的には1
5°以上で60°以下であることが好ましい。より好ま
しくは30°以上で60°以下である。
【0172】すなわち前記バイアス下地層33は、底上
げ層32の形成のときよりも、前記形成面21aの垂直
方向に対してより傾いた方向からスパッタ成膜される。
このため図12に示すように前記バイアス下地層33
は、前記底上げ層32上のみならず、前記多層膜31の
両側端面31a上にも成膜されやすい。なおこのように
前記バイアス下地層33が前記多層膜33の両側端面3
1a上に延出形成されるときは、前記バイアス下地層3
3は前記フリー磁性層29の両側端面にまで延出形成さ
れることが好ましいが、前記バイアス下地層33が前記
フリー磁性層29の両側端面の下側までしか延出してい
なくてもかまわない。また前記バイアス下地層33は前
記多層膜33の両側端面上に延出せず前記底上げ層31
上にのみ形成されていてもよい。
【0173】なお本発明では、前記形成面21a上に形
成された底上げ層32とバイアス下地層33の膜厚を足
した総合膜厚H1は、前記シードレイヤ層25及び反強
磁性層26の膜厚を足した総合膜厚H2の30%以上と
なるように、図11工程時の底上げ層32及び図12工
程時のバイアス下地層33を成膜することが好ましい。
なお前記バイアス下地層33の膜厚は35Å以上で50
Å以下の薄い膜厚で形成されることが好ましいため、前
記総合膜厚H1を前記総合膜厚H2の30%以上とする
には、前記底上げ層32の膜厚を図11工程時にある程
度厚く成膜しておく必要がある。
【0174】これによって、次の工程時に成膜されるハ
ードバイアス層34を、前記多層膜31の両側領域31
b内において高い位置に形成でき、前記ハードバイアス
層34を前記フリー磁性層29の両側に十分な体積を持
って対向させることが可能である。
【0175】また前記形成面21a上における前記バイ
アス下地層33の上面33cが、前記フリー磁性層29
の下面29aよりも下側に位置するように、図11工程
時における底上げ層32及び図12工程時におけるバイ
アス下地層33の膜厚を適切に調整しながらスパッタ成
膜することが好ましい。これによって、前記ハードバイ
アス層34を前記フリー磁性層29の両側に十分な体積
を有して対向させることが可能である。
【0176】また前記フリー磁性層29の両側に形成さ
れた前記バイアス下地層33の前記形成面21aと平行
な方向における最大膜厚が、前記総合膜厚H1の0%以
上で70%以下となるように、具体的には、前記最大膜
厚が0Å以上で100Å以下となるように、あるいはよ
り好ましくは前記最大膜厚が前記総合膜厚H1が5%以
上で50%以下となるように、具体的には前記最大膜厚
が20Å以上で50Å以下となるように、スパッタ時間
等を考慮しながら前記バイアス下地層33を成膜するこ
とが好ましい。前記フリー磁性層29の両側に付着する
前記バイアス下地層33の膜厚が上記の膜厚以上で形成
されると、次の工程で形成されるハードバイアス層34
から前記フリー磁性層29に供給されるバイアス磁界が
小さくなりすぎ、前記フリー磁性層29の磁化を適正に
単磁区化し得ない。このため本発明では前記フリー磁性
層29の両側に形成されるバイアス下地層33の膜厚を
上記範囲内に設定し、これによって前記ハードバイアス
層34からのバイアス磁界を前記フリー磁性層29に十
分な大きさを持って供給でき、前記フリー磁性層29の
磁化を適正に単磁区化できるようになっている。
【0177】また本発明では、前記バイアス下地層33
を、結晶構造がbcc構造の金属膜で形成することが好
ましく、そのような金属膜としてはCr,W,Mo,
V,Mn,Nb,Taのうちいずれか1種以上を選択で
きるが、このうちCr膜で前記バイアス下地層33を形
成することが好ましい。前記Cr膜は、次の工程で形成
されるハードバイアス層34の結晶構造をhcp構造に
しやすく、前記ハードバイアス層34の保磁力を大きく
することができるからである。
【0178】また上記したように底上げ層32もCr膜
で形成すると、図11工程時の底上げ層32及び図12
工程時のバイアス下地層33のスパッタ成膜をスパッタ
粒子入射角度を変えるだけで行うことができるから、製
造工程の容易化・簡略化を図ることが可能である。
【0179】なお前記底上げ層32とバイアス下地層3
3を共に同じ金属膜で形成した場合は前記底上げ層32
とバイアス下地層33との境界が不明確になってしまう
が、スパッタ粒子入射角度を変えて2段階のスパッタ成
膜を行っているか否かは、前記底上げ層32とバイアス
下地層33とを総合した形状によって判断できる。
【0180】すなわち本発明では、前記形成面21a上
に形成された底上げ層32及びバイアス下地層33の部
分の膜厚はH1と非常に厚く形成されるのに対し、前記
フリー磁性層29の両側に形成された前記バイアス下地
層33の膜厚は非常に薄く形成されるが、このような形
状となる場合は、上記したスパッタ粒子入射角度を変え
た2段階のスパッタ成膜を行っていると判断することが
可能である。なお底上げ層32及びバイアス下地層33
の様々な場所における膜厚の数値限定等については図
2、3で詳しく説明したので、そちらを参照されたい。
【0181】次に図13に示す工程では、前記バイアス
下地層33上にCoPtCr合金などによるハードバイ
アス層34をスパッタ成膜する。本発明では、上記した
ように前記多層膜31の両側領域31bに底上げ層32
を形成しており、これによって前記底上げ層32上にバ
イアス下地層33を介して形成されるハードバイアス層
34を、フリー磁性層29の両側に十分な体積を有して
対向させることが可能である。したがって本発明の製造
方法によって形成された薄膜磁気ヘッドによれば、前記
ハードバイアス層34からのバイアス磁界を適切に前記
フリー磁性層29に供給でき、前記フリー磁性層29の
磁化を適切に単磁区化することが可能になっている。
【0182】また本発明では、前記バイアス下地層33
の下にシードレイヤ層25及び反強磁性層26が形成さ
れていないため前記バイアス下地層33の結晶配向を適
切に整えることができ、よって前記バイアス下地層33
上に形成される前記ハードバイアス層34の保磁力を高
めることができる。
【0183】また本発明では図13に示す工程時におい
て、前記ハードバイアス層34の上面34bが、前記フ
リー磁性層29の上面29bよりも上側に位置するよう
に、前記ハードバイアス層34を成膜することが好まし
い。
【0184】さらに加えて、前記ハードバイアス層34
の下面34aが、前記フリー磁性層29の下面29aよ
りも下側に位置していれば、前記フリー磁性層29の両
側には、前記形成面21aと平行な方向における前記フ
リー磁性層29の膜厚範囲内にバイアス下地層33を介
してハードバイアス層34のみが対向するため、前記ハ
ードバイアス層34から前記フリー磁性層29に、より
十分なバイアス磁界を供給でき、より適切に前記フリー
磁性層29の磁化の単磁区化を促進させることができ
る。
【0185】前記ハードバイアス層34をスパッタ成膜
した後、前記ハードバイアス層34上にTaなどの中間
層35をスパッタ成膜する。
【0186】次に図14に示す工程では、前記中間層3
5上にCrやAuなどの電極層36をスパッタ成膜した
後、前記電極層36の上にTaなどの保護層37をスパ
ッタ成膜する。
【0187】そして図14に示すリフトオフ用のレジス
ト層57を除去し、続いて前記磁気抵抗効果素子上に上
部ギャップ層38及び上部シールド層39を形成するこ
とで、図1に示す薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0188】以上のように本発明では、前記多層膜31
上に一つのリフトオフ用のレジスト層57を用いること
で、前記多層膜31の両側領域31bのエッチング工
程、及び前記両側領域31b上での底上げ層32、バイ
アス下地層33、ハードバイアス層34、中間層35、
電極層36及び保護層37のスパッタ成膜を連続して行
うことができる。このため上記の製造方法を用いれば本
発明における薄膜磁気ヘッドを容易に製造することがで
きる。
【0189】また本発明では、前記底上げ層32の形成
時における第1のスパッタ粒子入射角度θ1を前記バイ
アス下地層33の形成時における第2のスパッタ粒子入
射角度θ2よりも小さくすることで、前記底上げ層32
及びバイアス下地層33を容易に所定の形状で形成で
き、さらに本発明の製造方法によれば、ハードバイアス
層34をフリー磁性層29の両側に十分な体積を有して
対向させることが容易である。
【0190】次に図6及び図7に示すような、多層膜上
に電極層36がオーバーラップした薄膜磁気ヘッドを製
造するには、図14工程の電極層36の形成時に、スパ
ッタ方向をより傾けて前記レジスト層57の下面に形成
された切り込み部57a内に前記電極層36が延出形成
されるようにする。これによって前記電極層36を前記
多層膜上に乗せて形成することが可能になる。
【0191】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、最下層に
シードレイヤ層を形成し、さらにその上に反強磁性層を
形成することで、前記反強磁性層の結晶配向は整えら
れ、磁気抵抗効果素子の抵抗変化率を向上させることが
できる。また本発明では前記シードレイヤ層からフリー
磁性層までの多層膜の両側端面を下面から上面に向けて
連続した傾斜面で形成することで、前記多層膜の両側に
形成されるバイアス下地層の下側に前記シードレイヤ層
が存在しないため、前記バイアス下地層を適切な結晶構
造及び結晶配向を有して形成することができる。よって
前記バイアス下地層の上に形成されるバイアス層の保磁
力を高めることができる。また磁気的なトラック幅(M
ag−Tw)を小さくでき、今後の狭トラック化に対応
可能な薄膜磁気ヘッドを製造することが可能である。
【0192】しかも本発明では、前記バイアス下地層の
下に底上げ層を形成する。これによって前記バイアス下
地層の上に形成されるバイアス層を、前記多層膜の両側
領域内で高い位置に形成でき、フリー磁性層の両側に十
分な体積を有して対向させることができる。したがって
前記バイアス層からのバイアス磁界を前記フリー磁性層
に適切に供給でき、前記フリー磁性層の磁化の単磁区化
を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施形態の薄膜磁気ヘッ
ドを記録媒体との対向面側から見た部分断面図、
【図2】図1に示す薄膜磁気ヘッドの右側形状を拡大し
た部分断面図、
【図3】本発明における別の実施形態の薄膜磁気ヘッド
の右側形状を拡大した部分断面図、
【図4】本発明における第2の実施形態の薄膜磁気ヘッ
ドを記録媒体との対向面側から見た部分断面図、
【図5】本発明における第3の実施形態の薄膜磁気ヘッ
ドを記録媒体との対向面側から見た部分断面図、
【図6】本発明における第4の実施形態の薄膜磁気ヘッ
ドを記録媒体との対向面側から見た部分断面図、
【図7】本発明における第5の実施形態の薄膜磁気ヘッ
ドを記録媒体との対向面側から見た部分断面図、
【図8】本発明における第6の実施形態の薄膜磁気ヘッ
ドを記録媒体との対向面側から見た部分断面図、
【図9】図1に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す一
工程図、
【図10】図9に示す工程の次に行われる一工程図、
【図11】図10に示す工程の次に行われる一工程図、
【図12】図11に示す工程の次に行われる一工程図、
【図13】図12に示す工程の次に行われる一工程図、
【図14】図13に示す工程の次に行われる一工程図、
【図15】従来における薄膜磁気ヘッドを記録媒体との
対向面側から見た部分断面図、
【図16】本発明の薄膜磁気ヘッドと比較して問題点が
ある薄膜磁気ヘッドを記録媒体との対向面側から見た部
分断面図、
【図17】本発明の薄膜磁気ヘッドと比較して問題点が
ある他の薄膜磁気ヘッドを記録媒体との対向面側から見
た部分断面図、
【符号の説明】
20 下部シールド層 21 下部ギャップ層 21a 形成面 22 磁気抵抗効果素子 25 シードレイヤ層 26 反強磁性層 27 固定磁性層 28 非磁性導電層 29 フリー磁性層 30、48 保護層 31、46、49、50、51、55 多層膜 31a、46a、49a、50a、51a、55a
(多層膜の)両側端面 32 底上げ層 33 バイアス下地層 34 ハードバイアス層 36 電極層 47 バックド層 57 レジスト層 Mag−Tw 磁気的なトラック幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 43/12 G01R 33/06 R (72)発明者 石橋 直周 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 斉藤 真史 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 Fターム(参考) 2G017 AA01 AC03 AC09 AD55 AD63 AD65 5D034 BA03 BA04 BA05 BA12 BB08 DA07 5E049 AA04 AA07 AA09 AC00 AC05 BA12 CB02 GC01

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果素子の形成面上に、下から
    順にシードレイヤ層、反強磁性層、前記反強磁性層との
    交換結合磁界により磁化方向が固定される固定磁性層、
    非磁性導電層、及び磁化が外部磁界に対し変動するフリ
    ー磁性層を有して積層され、トラック幅方向における両
    側端面が前記フリー磁性層の上面から前記シードレイヤ
    層の下面にかけて連続面とされた多層膜と、 前記多層膜の両側領域には、前記形成面上に形成され、
    前記多層膜側の端面が前記多層膜の両側端面に接して形
    成された底上げ層と、前記底上げ層上に形成され、前記
    多層膜側の端面が多層膜の両側端面に接して形成された
    バイアス下地層と、前記バイアス下地層の上に形成され
    たバイアス層と、前記バイアス層上に形成された電極層
    と、を有することを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 【請求項2】 前記底上げ層の上面は、前記反強磁性層
    の下面よりも上側に位置している請求項1記載の磁気抵
    抗効果素子。
  3. 【請求項3】 前記形成面上での前記底上げ層と前記バ
    イアス下地層との膜厚を足した総合膜厚は、反強磁性層
    とシードレイヤ層との膜厚を足した総合膜厚に対し30
    %以上で形成される請求項1または2に記載の磁気抵抗
    効果素子。
  4. 【請求項4】 前記底上げ層の膜厚は、80Å以上で形
    成される請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気抵抗
    効果素子。
  5. 【請求項5】 前記形成面上に前記底上げ層を介した位
    置での前記バイアス下地層の膜厚は、35Å以上で50
    Å以下で形成される請求項1ないし4のいずれかに記載
    の磁気抵抗効果素子。
  6. 【請求項6】 前記バイアス下地層は、前記フリー磁性
    層と前記バイアス層との間に介在するように、前記底上
    げ層上から前記多層膜の両側端面上に延びて形成される
    請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気抵抗効果素
    子。
  7. 【請求項7】 前記形成面と平行な方向における前記フ
    リー磁性層の両側端面とバイアス層間の最大距離は、0
    Å以上で100Å以下である請求項1ないし6のいずれ
    かに記載の磁気抵抗効果素子。
  8. 【請求項8】 前記最大距離は、20Å以上で50Å以
    下である請求項7記載の磁気抵抗効果素子。
  9. 【請求項9】 前記形成面と平行な方向における前記フ
    リー磁性層の両側端面とバイアス層間の最大距離は、前
    記形成面上に形成された前記底上げ層及び前記バイアス
    下地層の膜厚を足した総合膜厚に対し0%以上で70%
    以下である請求項1ないし8のいずれかに記載の磁気抵
    抗効果素子。
  10. 【請求項10】 前記最大距離は、前記形成面上に形成
    された底上げ層及びバイアス下地層の膜厚を足した総合
    膜厚に対し5%以上で50%以下である請求項9記載の
    磁気抵抗効果素子。
  11. 【請求項11】 前記底上げ層は、結晶構造がbcc構
    造の金属膜で形成される請求項1ないし10のいずれか
    に記載の磁気抵抗効果素子。
  12. 【請求項12】 前記底上げ層はCr,W,Mo,V,
    Mn,Nb,Taのうちいずれか1種または2種以上の
    金属膜で形成される請求項11記載の磁気抵抗効果素
    子。
  13. 【請求項13】 前記底上げ層は絶縁材料で形成される
    請求項1ないし10のいずれかに記載の磁気抵抗効果素
    子。
  14. 【請求項14】 前記バイアス下地層は、結晶構造がb
    cc構造の金属膜で形成される請求項1ないし13のい
    ずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  15. 【請求項15】 前記バイアス下地層はCr,W,M
    o,V,Mn,Nb,Taのうちいずれか1種または2
    種以上の金属膜で形成される請求項14記載の磁気抵抗
    効果素子。
  16. 【請求項16】 前記底上げ層及び前記バイアス下地層
    は共にCr膜で形成される請求項12または15に記載
    の磁気抵抗効果素子。
  17. 【請求項17】 前記形成面上に前記底上げ層及びバイ
    アス下地層を介した位置での前記バイアス層の下面は、
    前記フリー磁性層の下面よりも下側に位置し、且つ前記
    形成面上に前記底上げ層及びバイアス下地層を介した位
    置での前記バイアス層の上面は、前記フリー磁性層の下
    面よりも上側に位置する請求項1ないし16のいずれか
    に記載の磁気抵抗効果素子。
  18. 【請求項18】 前記形成面上に前記底上げ層及びバイ
    アス下地層を介した位置での前記バイアス層の上面は、
    前記フリー磁性層の上面と同一面上に位置するか、ある
    いは前記フリー磁性層の上面よりも上側に位置する請求
    項1ないし17のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  19. 【請求項19】 前記シードレイヤ層は、面心立方晶の
    (111)面あるいは体心立方晶の(110)面が優先
    配向する磁性材料層あるいは非磁性材料層の単層構造で
    あるか、または下地層の上に前記磁性材料層あるいは前
    記非磁性材料層が形成された積層構造である請求項1な
    いし18のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子。
  20. 【請求項20】 前記シードレイヤ層は、NiFeY合
    金(ただしYは、Cr,Rh,Ta,Hf,Nb,Z
    r,Tiから選ばれる少なくとも1種以上)で形成さ
    れ、また前記下地層は、Ta,Hf,Nb,Zr,T
    i,Mo,Wのうち少なくとも1種以上で形成される請
    求項19記載の磁気抵抗効果素子。
  21. 【請求項21】 以下の工程を有することを特徴とする
    磁気抵抗効果素子の製造方法。 (a)磁気抵抗効果素子の形成面上に、下からシードレ
    イヤ層、反強磁性層、固定磁性層、非磁性導電層、及び
    フリー磁性層の順に積層して多層膜を成膜する工程と、
    (b)リフトオフ用レジスト層を前記多層膜上の一部に
    形成し、前記リフトオフ用レジスト層に覆われていない
    前記多層膜を除去し、前記多層膜のトラック幅方向にお
    ける両側端面に上面から下面にかけて連続面を形成する
    工程と、(c)前記形成面の垂直方向に対して第1のス
    パッタ粒子入射角度θ1を有するイオンビームスパッタ
    法を用いて、前記多層膜の両側に位置する前記形成面上
    に底上げ層を成膜する工程と、(d)前記形成面の垂直
    方向に対して前記第1のスパッタ粒子入射角度θ1より
    も大きい第2のスパッタ粒子入射角度θ2を有するイオ
    ンビームスパッタ法を用いて、前記底上げ層上にバイア
    ス下地層を成膜する工程と、(e)前記バイアス下地層
    上にバイアス層を成膜し、さらに前記バイアス層上に電
    極層を形成する工程と、(f)前記リフトオフ用レジス
    ト層を除去する工程、
  22. 【請求項22】 前記第1のスパッタ粒子入射角度θ1
    は、0°以上で10°以下である請求項21記載の磁気
    抵抗効果素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記第2のスパッタ粒子入射角度θ2
    は、15°以上で60°以下である請求項21または2
    2に記載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  24. 【請求項24】 前記(c)工程及び(d)工程におい
    て、前記形成面上での底上げ層及びバイアス下地層の膜
    厚を足した総合膜厚が、前記シードレイヤ層及び反強磁
    性層の膜厚を足した総合膜厚の30%以上となるよう
    に、前記底上げ層及びバイアス下地層を成膜する請求項
    21ないし23のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子の
    製造方法。
  25. 【請求項25】 前記(d)工程で、前記バイアス下地
    層を底上げ層上から、前記フリー磁性層の両側端面上に
    延出して成膜する請求項21ないし24のいずれかに記
    載の磁気抵抗効果素子の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記(d)工程において、前記フリー
    磁性層の両側に成膜されるバイアス下地層の前記形成面
    と平行な方向への最大膜厚が、前記形成面上での底上げ
    層及びバイアス下地層の膜厚を足した総合膜厚の0%以
    上で70%以下となるように、前記バイアス下地層を成
    膜する請求項21ないし25のいずれかに記載の磁気抵
    抗効果素子の製造方法。
  27. 【請求項27】 前記最大膜厚が、前記形成面上での底
    上げ層及びバイアス下地層の膜厚を足した総合膜厚の5
    %以上で50%以下となるように、前記バイアス下地層
    を成膜する請求項26記載の磁気抵抗効果素子の製造方
    法。
  28. 【請求項28】 前記(d)工程において、前記形成面
    上での前記底上げ層を介して形成されるバイアス下地層
    の上面が、前記フリー磁性層の下面の下側に位置するよ
    うに、前記(c)工程における底上げ層、及び前記
    (d)工程における前記バイアス下地層を成膜する請求
    項21ないし27のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子
    の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記(e)工程において、前記形成面
    上に前記底上げ層及びバイアス下地層を介した位置での
    前記バイアス層の上面が前記フリー磁性層の下面よりも
    上側に位置するように、前記バイアス層を成膜する請求
    項21ないし28のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子
    の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記底上げ層及びバイアス下地層を共
    に結晶構造がbcc構造の同じ金属膜で、連続スパッタ
    で成膜する請求項21ないし29のいずれかに記載の磁
    気抵抗効果素子の製造方法。
  31. 【請求項31】 前記底上げ層及びバイアス下地層を共
    にCr膜で成膜する請求項30に記載の磁気抵抗効果素
    子の製造方法。
  32. 【請求項32】 前記底上げ層を絶縁材料で成膜する請
    求項21ないし29のいずれかに記載の磁気抵抗効果素
    子の製造方法。
  33. 【請求項33】 下部シールド層上に下部ギャップ層を
    介して、請求項1ないし20のいずれかに記載された磁
    気抵抗効果素子が形成され、前記磁気抵抗効果素子上に
    上部ギャップ層を介して上部シールド層が形成されるこ
    とを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
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