JP2003059740A - フェライトコア固定治具及びフェライトコア加工方法 - Google Patents

フェライトコア固定治具及びフェライトコア加工方法

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JP2003059740A
JP2003059740A JP2001240918A JP2001240918A JP2003059740A JP 2003059740 A JP2003059740 A JP 2003059740A JP 2001240918 A JP2001240918 A JP 2001240918A JP 2001240918 A JP2001240918 A JP 2001240918A JP 2003059740 A JP2003059740 A JP 2003059740A
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ferrite core
core
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grinding
ferrite
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Michihiro Horii
道洋 堀井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な製造工程により寸法精度を向上させ、
大量生産を可能とするフェライトコア製造方法を提供す
る。すなわち、フェライトコア研削加工の際の生産性を
向上させ、且つ高精度なフェライトコアを得ることので
きるフェライトコア固定治具及びフェライトコア加工方
法を提供する。 【解決手段】 予め、所望の寸法形状を成すE型コアを
形成するべくその形状が高精度に形成された四連マルチ
砥石によって、一回の加工をもってE型コアのバーチカ
ル4面の研削処理を行う(工程3)。ブロックコアの中
外脚の形成(四面切出し)加工に連続して、一台の加工
機をもって、所定の仕様に応じたZ加工又は中脚ギャッ
プ加工等を行う(工程3〜工程4)。ワーク固定台又は
カーボン板等に固定された複数のブロックコアを、所望
のC寸法を得るようにその間隔が調整されたマルチスラ
イス刃によって、一回の加工をもって切断する(工程
6)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェライトコア固
定治具及びフェライトコア加工方法に関し、詳しくは、
トランス、チョークコイル及びノイズフィルタ等の磁心
に使用される磁性材料からなる小型のフェライトコアを
載置/固定するためのフェライトコア固定治具及びそれ
を用いたフェライトコア加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、トランス、チョークコイル及び
ノイズフィルタ等の磁心に使用されるフェライトコアに
は、所謂、略E型形状を成すものが多い。例えば、該略
E型形状を成すフェライトコアには、E形、I形及びE
R形並びにこれらを組み合わせた形状を成すものが存在
している。
【0003】これら略E型形状を成すフェライトコア
は、近年、その急激な小型化が図られている。そして、
この小型化に伴い、これら略E型形状を成すフェライト
コアには、高寸法精度が要求されるようになった。
【0004】これら略E型形状を成すフェライトコアの
代表的な存在にE型コアがある。当該E型コアとは、図
8に示すように、その全体形状がE字形を成すフェライ
トコアのことを指す。該E型コア10は、二本の外脚1
1とその中央に中脚12を有し、これら内外脚(外脚1
1及び中脚12)の端面形状(断面形状)は角形を成し
ている。さらに、該内外脚間には内底面13を有し、該
内外脚(内底面13)の反対面には背面部14を有して
いる。
【0005】上述したように、当該E型コアにおいて
も、近年、その急激な小型化が図られている。しかしな
がら、その大きさが極めて小さなE型コア(例えば、図
8に示すE型コアにおいて、A=5mm,B=2mm,
C=2mm程度)においては、マイクロクラックの発生
や焼成工程での変形等により、充分な寸法精度を得るこ
とは非常に困難であった。
【0006】そこで、従来においては、その大きさが極
めて小さなE型コアを製造する際には、その粉末成型工
程において予め目的寸法形状より大きめのブロックを成
型し、該ブロックを焼成した後に研削加工を施し、さら
に該ブロックを裁断することによって目的寸法形状と充
分な寸法精度を有するE型コアを得るという方法が採ら
れていた。
【0007】以下、図9を参照しながら、従来における
当該E型コアの製造工程について簡単に説明する。
【0008】同図に示すように、当該E型コアの製造工
程は、主に、下記に説明する7つの工程によって構成さ
れている。 工程1、ブラストにより焼成時に付着した敷板や炉材等
の汚れを取り除いて平面化処理を行う(注:この工程を
省くと、この後に実施される4回の研削(バーチカル)
処理によって直方体を得ることができない。)。 工程2、研削機(バーチカル)によってバーチカル4面
の研削を行い、E型コアのA寸法、及び若干大きめのB
寸法を有するブロックコアを作成する(図8及び図9参
照)。 工程3、中外脚を形成するために、研削機(サーフェ
ス)によって中外脚部及び背面部を構成する部分を残
し、それ以外の部分を研削して中外脚部及び背面部を形
成する(図9参照)。 工程4、所定の仕様に応じて中脚のギャップ処理及び外
脚端面の表面処理を施す(鏡面加工は研磨機(バーチカ
ル)によって行う。)。 粗面仕上げ(中脚ギャップなし) 粗面処理後鏡面仕上げ(中脚ギャップなし) 中脚ギャップ粗面仕上げ(サーフェス、バーチカル) 工程5、E型形状に形成されたブロックコアをスライス
加工用のワーク固定台又はカーボン板等に接着(ワック
ス接着)する。 工程6、所望のC寸法(図8参照)を得るように前記E
型形状に形成されたブロックコアをスライス加工機によ
って繰返し切断する。 工程7、スライス加工によって得られたE型コアを固定
台より剥離し、洗浄及び乾燥して所望の寸法形状を有す
るE型コアを得る。
【0009】しかしながら、当該E型コアの製造工程に
おいては、E型コアを加工機又は固定台等から頻繁に着
脱する必要があった。例えば、工程1において、ブラス
トによる平面化処理の際にブラスト装置からの4度の着
脱を必要とし、工程2において、研削機によるバーチカ
ル4面の研削処理の際に該研削機からの4度の着脱を必
要とし、さらに、工程3乃至工程6において、研削機
(サーフェス)・研磨機(サーフェス、バーチカル)・
スライス加工機によるそれぞれの処理過程の際に、これ
ら加工機から実に7度以上もの着脱作業を必要とした。
【0010】また、当該E型コアの製造工程において
は、工程2において、研削機によるバーチカル4面の研
削処理によりA寸法を決定する際、工程3において、中
外脚を形成する際、また、工程5において、スライス加
工機によるC寸法(図8参照)を決定する裁断処理を行
う際に、この着脱作業によるE型コアの位置決め設定が
E型コアの寸法精度を左右する重要な要素となっていた
ために、その作業には慎重を要した。また、当該着脱作
業は、その作業性に若干の問題(作業性の悪さ)があっ
たために、その作業は困難なものであった。
【0011】さらに、当該E型コアの製造工程において
は、工程2及び3において、研削機によって形成された
E型コアのA寸法及びH寸法(図8参照)は、研削機
(バーチカル)の加工能力によってその寸法精度が左右
されることになっていたために、その工程能力指数は小
さいものであった(寸法精度は低いものであった)。
【0012】以上に述べたように、従来、その大きさが
極めて小さなE型コアを製造する製造工程においては、
E型コアを加工機又は固定治具等から何回も着脱する必
要があり、且つ、該着脱作業の作業性も悪かったことか
ら、当該製造工程の生産性は極めて低いものであった。
また、該着脱作業はE型コアの寸法精度を低くする要因
でもあり、且つ、当該製造工程においては、加工機の加
工能力によってE型コアの寸法精度が左右される部分も
多かったので、当該製造工程より得られるE型コアは、
その加工精度が低く所望の寸法形状及び所望の電磁気特
性を得ることは困難なことであった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、
簡易な製造工程により寸法精度を向上させ、大量生産を
可能とするフェライトコア製造方法を提供すること。す
なわち、フェライトコア研削加工の際の生産性を向上さ
せ、且つ高精度なフェライトコアを得ることのできるフ
ェライトコア固定治具及びフェライトコア加工方法を提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、E型コアを研削/研磨加工
する際に、該E型コアを載置/固定するためのフェライ
トコア固定治具であって、該フェライトコア固定治具
は、互いに平行する表面及び裏面と該表面及び裏面に垂
直な側面を有する略I型形状を成し、且つ、その上面に
は前記E型コアを載置するための載置面を有することを
特徴とする。
【0015】上記課題を解決するために、請求項2記載
の発明は、請求項1記載のフェライトコア固定治具であ
って、前記フェライトコア固定治具は、マグネットチャ
ックが可能な組成物によって構成されることを特徴とす
る。
【0016】上記課題を解決するために、請求項3記載
の発明は、請求項1又は請求項2記載のフェライトコア
固定治具であって、前記フェライトコア固定治具は、フ
ェライト組成物によって構成されることを特徴とする。
【0017】上記課題を解決するために、請求項4記載
の発明は、前記フェライトコア固定治具に設けられた載
置面にフェライトコアをワックスにて接着固定した後、
該フェライトコアの表面を研削機によって研削処理する
研削工程と、該研削工程の後にフェライトコアの表面を
研磨機によって研磨処理する研磨工程と、該研磨工程の
後にフェライトコアをスライス加工機によって所望の厚
さに切断する切断工程とを少なくとも含み構成されるこ
とを特徴とする。
【0018】上記課題を解決するために、請求項5記載
の発明は、請求項4記載のフェライトコア加工方法であ
って、前記研削工程は、所望のE型コア形状を一回の加
工をもって形成することのできる研削砥石によって実施
されることを特徴とする。
【0019】上記課題を解決するために、請求項6記載
の発明は、請求項5記載のフェライトコア加工方法であ
って、前記研削工程に用いられる研削砥石は、四連の円
形砥石から成り、その端部にはダイヤモンド砥石が用い
られていることを特徴とする。
【0020】上記課題を解決するために、請求項7記載
の発明は、請求項4記載のフェライトコア加工方法であ
って、前記スライス工程は、所望の厚さを有する複数の
E型コアを一回の加工をもって形成することのできるス
ライス刃によって実施されることを特徴とする。
【0021】上記課題を解決するために、請求項8記載
の発明は、請求項7記載のフェライトコア加工方法であ
って、前記スライス工程に用いられるスライス刃は、所
定の間隔をもって連なる共通の回転軸を有する複数の円
形スライス刃によって構成されることを特徴とする。
【0022】上記課題を解決するために、請求項9記載
の発明は、請求項4記載のフェライトコア加工方法であ
って、前記研削工程から前記研磨工程に至る一連の加工
処理は、一台の加工機をもって連続的に実施されること
を特徴とする。
【0023】上記課題を解決するために、請求項10記
載の発明は、請求項4記載のフェライトコア加工方法で
あって、前記研削工程から前記スライス工程に至る一連
の加工処理は、一台の加工機をもって連続して実施され
ることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るフェライトコ
ア固定治具及びフェライトコア加工方法の一実施形態に
ついて、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施
形態におけるフェライトコア固定治具にブロックコアが
載置/固定された状態を示す図である。図2は、本実施
形態におけるフェライトコア加工方法によるE型コアの
製造工程を示すフロー図である。図3は、本実施形態に
おけるフェライトコア加工方法において、その研削加工
の際に用いられる四連マルチ砥石を示す図である。図4
は、本実施形態におけるフェライトコア加工方法におい
て、そのスライス加工の際に用いられるマルチスライス
刃を示す図である。
【0025】まず始めに、本実施形態におけるフェライ
トコア固定治具について、図1を参照しつつ説明する。
【0026】図1に示すように、本実施形態におけるフ
ェライトコア固定治具2は、所謂、略I字型形状を成す
ブロックコアであり、その素材にはフェライトコアと同
様のフェライト組成物が用いられている。また、その上
面には、E型コアの原型であるブロックコア1を載置す
るための載置面2aを有している(該載置面2aは、前
記ブロックコア1を良好に載置する程度の面精度を有し
ている。)。そして、同図に示すように、前記E型コア
の原型であるブロックコア1は、ワックス等の接着手段
によって当該フェライトコア固定治具2の載置面2aに
その基準面をもって接着固定される(この基準面につい
ては後述する。)。
【0027】尚、当該フェライトコア固定治具2を、例
えば、マグネットチャック可能な組成物(磁性材料)に
よって構成することで、当該フェライトコア固定治具2
に前記E型コアの原型であるブロックコア1を容易に且
つ確実に固定することができる。
【0028】次に、本実施形態におけるフェライトコア
加工方法について、図2を参照しつつ説明する。
【0029】図2に示すように、本実施形態におけるフ
ェライトコア加工方法は、主に、以下に説明する6つの
工程を含み構成されている。 工程1、従来のブラストによる平面化処理を省き、研削
機(バーチカル)によるブロックコアのバーチカル面
(一面のみ)の研削加工を行う(この研削面のことを基
準面と称す。)。 工程2、フェライトコア固定治具に、ブロックコアをそ
の基準面をもって接着(ワックス接着)する(図1参
照)。 工程3、当該ブロックコアに中外脚を形成するために、
研削機(サーフェス)によって、中外脚部及び背面部を
構成する部分を残し、それ以外の部分を研削加工する。
尚、当該研削加工は、図3に示す四連マルチ砥石によっ
て行われ、且つ、一回の加工をもって終了する(詳細に
ついては後述する。)。 工程4、所定の仕様に応じて、外脚端面に表面処理を施
す(鏡面加工は研磨機(バーチカル)によって行われ
る。)。 粗面仕上げ(中脚ギャップなし) 中脚ギャップ粗面仕上げ(サーフェス、バーチカル) 粗面処理後鏡面仕上げ(中脚ギャップなし) 工程5、E型形状に形成されたブロックコアを複数並べ
た後、所望のC寸法(図8参照)に適合するように調整
されたマルチスライス刃によってこれを切断する。但
し、該スライス加工は一回の加工をもって終了する(詳
細については後述する。)。 工程6、スライス加工によって得られたE型コアをフェ
ライトコア固定治具より剥離し、洗浄及び乾燥してE型
コアを得る。
【0030】以下、当該フェライトコア加工方法につい
て工程毎に詳細に説明する。
【0031】[工程1についての説明]図2に示すよう
に、本実施形態におけるフェライトコア加工方法におい
ては、従来のフェライトコア加工方法におけるブラスト
による平面化処理を省き、研削機(バーチカル)による
ブロックコアのバーチカル面(一面のみ)のみの研削加
工を行う(以下、該研削面を基準面と称す。)。
【0032】従って、これに伴い、従来のブラストによ
る平面化処理が省かれ、その加工工数が減少すると共
に、着脱作業も四回から一回に減少することになる。
【0033】[工程2についての説明]図1及び図2に
示すように、前記ブロックコアを前記フェアライトコア
固定治具にその基準面をもって接着する(これ以降、E
型コアの製品完成まで着脱作業はない。)。この時、そ
の接着手段としてワックスを用いる。
【0034】[工程3についての説明]図2に示すよう
に、前記ブロックコアに中外脚を形成するために、研削
機(サーフェス)によって、中外脚部及び背面部を構成
する部分を残し、それ以外の部分を研削する。尚、当該
研削加工は、以下に説明する四連マルチ砥石により一回
の加工をもって終了する。
【0035】図3に示すように、当該研削加工を行う四
連マルチ砥石3は、四枚の砥石3a〜3dからなる円形
形状の砥石であり、各層の砥石の端面部分3e(図に示
すハッチング部分)には、微細なダイヤモンドが埋め込
まれたダイヤモンド砥石が用いられている。当該四連マ
ルチ砥石3は、予め、所望の寸法を有するE型コアを形
成するべくその形状が高精度に形成されたものであるた
め、当該四連マルチ砥石3によるバーチカル4面の研削
処理によって形成されるE型コアは、正確な位置決め設
定なしに、高精度のA寸法、D寸法、E寸法及びH寸法
(図1参照)を有することになる。
【0036】尚、当該四連マルチ砥石3によるバーチカ
ル4面の研削処理によって、ブロックコアの中外脚の形
成加工と同時に、ブロックコアの側面部の研削処理も行
われることになるため、これに伴い、その加工工数が減
少すると共に、着脱作業を省くことができる。
【0037】[工程4についての説明]図2に示すよう
に、前記ブロックコアの中外脚の形成加工によって形成
された内外脚端面に対して、所定の仕様に応じたZ加
工、中脚ギャップ加工、鏡面加工等の表面処理を行う。
これら表面処理は、前記中外脚端面が他のE型コアとの
接合面であることから行われるものである(該接合面の
精度は、当該E型コアの電磁気特性に影響を与える)。
尚、本実施形態におけるフェライトコア加工方法におい
ては、これら表面処理(Z加工、中脚ギャップ加工、鏡
面加工等)(工程4)は、前記ブロックコアの中外脚の
形成加工(四面切出し)(工程3)に連続して一台の加
工機をもって行うこととする(該一連の加工をスルーフ
ィードと定義する。)。
【0038】当該スルーフィードの具体例として、以下
に記載する3通りの例を挙げる。 四面切出し(工程3)⇒粗面仕上げ(中脚ギャップな
し)(工程4) 四面切出し(工程3)⇒中脚ギャップ粗面仕上げ(サ
ーフェス、バーチカル)(工程4) 四面切出し(工程3)⇒鏡面仕上げ(中脚ギャップな
し)(工程4)。
【0039】図5に示すように、上記例1及び例3記載
のスルーフィードは、ベルトコンベアにブロックコアを
載置することによって連続に行われるものであり、四面
切出し(工程3)⇒粗面仕上げ(中脚ギャップなし)
(工程4)、四面切出し(工程3)⇒鏡面仕上げ(中
脚ギャップなし)(工程4)と一台の加工機(一連の加
工工程)をもって行われるものである。
【0040】また、図6に示すように、上記例2記載の
スルーフィードは、例1及び例3と同様に、ベルトコン
ベアにブロックコアを載置することによって連続に行わ
れるものであり、四面切出し(工程3)⇒中脚ギャッ
プ粗面仕上げ(サーフェス、バーチカル)(工程4)と
一台の加工機(一連の加工工程)をもって行われるもの
である。
【0041】このように、本実施形態におけるフェライ
トコア加工方法においては、前記ブロックコアの中外脚
の形成(四面切出し)に連続して、該中外脚端面の表面
処理(所定の仕様に応じたZ加工、中脚ギャップ加工、
鏡面加工等)を一台の加工機をもって行うので、これに
伴い、その加工工数が減少すると共に、着脱作業を省く
ことができる。
【0042】さらに、上記例1乃至例3の変形例とし
て、以下に例4乃至例6を示す。当該例4乃至例6は、
上記例1乃至例3の最後加工工程に、後述するスライス
加工を付け加えたものであり、前記ブロックコアの中外
脚の形成(四面切出し)に連続して、該中外脚端面の表
面処理(所定の仕様に応じたZ加工、中脚ギャップ加
工、鏡面加工等)を行った後、さらにスライス加工を行
うものである(これらの加工は、一台の加工機をもって
行われる)。 四面切出し(工程3)⇒粗面仕上げ(中脚ギャップな
し)(工程4)⇒スライス加工(工程6) 四面切出し(工程3)⇒中脚ギャップ粗面仕上げ(サ
ーフェス、バーチカル)(工程4)⇒スライス加工(工
程6) 四面切出し(工程3)⇒鏡面仕上げ(中脚ギャップな
し)(工程4)⇒スライス加工(工程6)。
【0043】このように、本実施形態におけるフェライ
トコア加工方法においては、前記ブロックコアの中外脚
の形成(四面切出し)に連続して、該中外脚端面の表面
処理(所定の仕様に応じたZ加工、中脚ギャップ加工、
鏡面加工等)を行った後、さらにスライス加工を一台の
加工機をもって行うので、これに伴い、その加工工数が
減少すると共に、着脱作業を省くことができる。
【0044】[工程5についての説明]図2に示すよう
に、本実施形態におけるフェライトコア加工方法におい
ては、スライス加工用のワーク固定台又はカーボン板等
に前記ブロックコア(但し、フェライトコア固定治具を
伴う。)を複数固定した後、所望のC寸法(図8参照)
を得るようにその間隔が調整されたマルチスライス刃に
よってこれを切断し、一回の工程をもって当該ブロック
コアのスライス加工を終了する。
【0045】図4に示すように、当該スライス加工に用
いられるマルチスライス刃4は、共通の回転軸4bを有
する複数のスライス刃4aから構成されており、各スラ
イス刃4aの距離間隔C´は、所望のC寸法(図8参
照)を得るようにその間隔が制御されている。従って、
当該マルチスライス刃4によるスライス加工によって切
断されたE型コアのC寸法(図8参照)は、正確な位置
決め設定なしに高寸法精度を得ることになる。
【0046】このように、本実施形態におけるフェライ
トコア加工方法においては、当該マルチスライス刃4に
よるスライス加工によって、一回の加工をもって前記複
数個のブロックコアのスライス処理を終えることができ
るので、これに伴い、その加工工数を省くことができ
る。
【0047】[工程6についての説明]図2に示すよう
に、前記スライス加工により得られた複数のE型コアを
フェライトコア固定治具より剥離し、当該E型コアを洗
浄することでその表面に付着したワックス等の付着物を
除去した後、乾燥させてE型コアの製品を得る。
【0048】尚、上記工程6まで終えたフェライトコア
固定治具は、図7に示すように、工程3において、前記
四連マルチ砥石3による研削加工によってその両側部2
c´を研削され、工程5において、前記マルチスライス
刃4によるスライス加工によってその載置面2a´に複
数の溝2b´を形成され、結果として同図に示す形状と
なるのであるが、当該フェライトコア固定治具2´に再
度ブロックコア1を載置/固定することにより、上記一
連の工程(工程2乃至工程5)に繰り返し用いることも
可能である。すなわち、当該フェライトコア固定治具2
´は再利用することが可能である。
【0049】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係るフェ
ライトコア固定治具及びフェライトコア加工方法にあっ
ては、予め、所望の寸法形状を成すE型コアを形成する
べくその形状が高精度に形成された四連マルチ砥石によ
って、一回の加工をもってE型コアのバーチカル4面の
研削処理を行うので、加工工数を省くことができると共
に、当該研削処理によって形成されたE型コアは、正確
な位置決め設定なしに高精度のA寸法、D寸法、E寸法
及びH寸法(図8参照)を得ることができる。
【0050】また、当該四連マルチ砥石によるバーチカ
ル4面の研削処理によって、ブロックコアの中外脚の形
成加工と同時に、ブロックコアの側面部の研削処理も行
われることになるので、加工工数を省くことができると
共に、着脱作業も省くことができる。
【0051】さらに、本発明に係るフェライトコア固定
治具及びフェライトコア加工方法にあっては、前記ブロ
ックコアの中外脚の形成加工に連続して、一台の加工機
をもって、所定の仕様に応じたZ加工又は中脚ギャップ
加工等を行う、所謂スルーフィードを行うので、加工工
数を省くことができると共に、着脱作業も省くことがで
きる。
【0052】さらに、本発明に係るフェライトコア固定
治具及びフェライトコア加工方法にあっては、前記ワー
ク固定台又はカーボン板等に固定された複数のブロック
コアを、所望のC寸法を得るようにその間隔が調整され
たマルチスライス刃によって一回の加工をもって切断加
工するので、加工工数を省くことができると共に、当該
マルチスライス刃によって切断されたE型コアのC寸法
は、正確な位置決め設定なしに高寸法精度を得ることが
できる。
【0053】このように、本発明に係るフェライトコア
固定治具及びフェライトコア加工方法にあっては、簡易
な加工方法によって加工工数を大幅に省くと共に、フェ
ライトコアの着脱回数も大幅に減少させるため、生産効
率が高まり大量生産を行うことができる。また、フェラ
イトコアの着脱回数が減少することで、当該着脱作業時
の位置決め設定に起因するフェライトコアの寸法精度の
劣化を抑えることができる。さらに、フェライトコアに
対して、高精度に形成/制御された加工手段によって一
括加工を施すことで、従来のように加工機の加工能力に
影響されることなく、高精度なフェライトコアを生産す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態におけるフェライトコア固定治具に
ブロックコアが載置/固定された状態を示す図である。
【図2】本実施形態におけるフェライトコア加工方法に
よるE型コアの製造工程を示すフロー図である。
【図3】本実施形態におけるフェライトコア加工方法に
おいて、その研削加工の際に用いられる四連マルチ砥石
を示す図である。
【図4】本実施形態におけるフェライトコア加工方法に
おいて、そのスライス加工の際に用いられるマルチスラ
イス刃を示す図である
【図5】本実施形態におけるスルーフィードの具体例を
説明するための図である。
【図6】本実施形態におけるスルーフィードの具体例を
説明するための図である。
【図7】工程6まで終了したフェライトコア固定治具の
形状を示す図である。
【図8】E型コアの形状を示す図である。
【図9】従来のフェライトコア加工方法によるE型コア
の製造工程を示すフロー図である。
【符号の説明】
1…ブロックコア 2…フェアライトコア固定治具 2a、2a´…載置面 2b´…溝 3…四連マルチ砥石 3a〜3d…砥石 3e…端面部分 4…マルチスライス刃 4a…スライス刃 4b…回転軸 10…E型コア 11…外脚 12…中脚 13…内底面 14…背面

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 E型コアを研削/研磨加工する際に、該
    E型コアを載置/固定するためのフェライトコア固定治
    具であって、該フェライトコア固定治具は、互いに平行
    する表面及び裏面と該表面及び裏面に垂直な側面を有す
    る略I型形状を成し、且つ、その上面には前記E型コア
    を載置するための載置面を有することを特徴とするフェ
    ライトコア固定治具。
  2. 【請求項2】 前記フェライトコア固定治具は、マグネ
    ットチャックが可能な組成物によって構成されることを
    特徴とする請求項1記載のフェライトコア固定治具。
  3. 【請求項3】 前記フェライトコア固定治具は、フェラ
    イト組成物によって構成されることを特徴とする請求項
    1又は請求項2記載のフェライトコア固定治具。
  4. 【請求項4】 前記フェライトコア固定治具に設けられ
    た載置面にフェライトコアをワックスにて接着固定した
    後、該フェライトコアの表面を研削機によって研削処理
    する研削工程と、該研削工程の後にフェライトコアの表
    面を研磨機によって研磨処理する研磨工程と、該研磨工
    程の後にフェライトコアをスライス加工機によって所望
    の厚さに切断する切断工程とを少なくとも含み構成され
    ることを特徴とするフェライトコア加工方法。
  5. 【請求項5】 前記研削工程は、所望のE型コア形状を
    一回の加工をもって形成することのできる研削砥石によ
    って実施されることを特徴とする請求項4記載のフェラ
    イトコア加工方法。
  6. 【請求項6】 前記研削工程に用いられる研削砥石は、
    四連の円形砥石から成り、その端部にはダイヤモンド砥
    石が用いられていることを特徴とする請求項5記載のフ
    ェライトコア加工方法。
  7. 【請求項7】 前記スライス工程は、所望の厚さを有す
    る複数のE型コアを一回の加工をもって形成することの
    できるスライス刃によって実施されることを特徴とする
    請求項4記載のフェライトコア加工方法。
  8. 【請求項8】 前記スライス工程に用いられるスライス
    刃は、所定の間隔をもって連なる共通の回転軸を有する
    複数の円形スライス刃によって構成されることを特徴と
    する請求項7記載のフェライトコア加工方法。
  9. 【請求項9】 前記研削工程から前記研磨工程に至る一
    連の加工処理は、一台の加工機をもって連続的に実施さ
    れることを特徴とする請求項4記載のフェライトコア加
    工方法。
  10. 【請求項10】 前記研削工程から前記スライス工程に
    至る一連の加工処理は、一台の加工機をもって連続して
    実施されることを特徴とする請求項4記載のフェライト
    コア加工方法。
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