JP2003059665A - 電界発光素子 - Google Patents
電界発光素子Info
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- H10K50/00—Organic light-emitting devices
- H10K50/10—OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
- H10K50/11—OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers
Landscapes
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Abstract
せることができる、また、発光層である有機化合物層に
無機化合物を分散させることにより、発光色を変えるこ
とができる電界発光素子を提供する。 【解決手段】 陽極から注入される正孔と陰極から注入
される電子との再結合により発光する電界発光素子であ
り、陽極と陰極の間に一層または複数層の有機化合物層
を有し、この有機化合物層の少なくとも一層に無機化合
物が分散されている。
Description
るものである。更に詳しくは、無機化合物を直流の電圧
(低電圧)で駆動(発光)させることができる電界発光
素子に関する。また、発光層である有機化合物層に無機
化合物を分散させることにより、発光色を変えることが
できる電界発光素子に関する。更に、有機化合物層に対
し分散させる無機化合物が替わることにより、発光色が
変化する電界発光素子に関する。
ル等の表示用部材や大面積パネル等の面発光体、その他
多くの素子に使用されている。特に、最近は、レーザー
光線用電子デバイス等のオプトエレクトロニクスの発振
素子等に広く使用され始めている。
いる無機電界発光素子と、発光層に有機化合物を用いる
有機電界発光素子とに分けられる。
で挟み、交流電圧を印加して駆動させる方式であり、高
電界で加速された高速の電子が衝突して発光中心を励起
する真性な電界発光素子である。無機電界発光素子は、
例えば緑色発光ディスプレイ等で実用化されている。
膜を陽極と陰極間に挟んだ構造を有しており、この薄膜
に電子及び正孔(ホール)を注入し、それらの再結合エ
ネルギーによって発光させるもの(電荷注入型ともい
う)である。有機電界発光素子は、数V〜数10V程度の
直流の低電圧で高輝度の発光が可能であり、種々の発光
素子、表示素子等への応用が期待されている。
用いる無機電界発光素子は、上記したように、緑色発光
ディスプレイ等で実用化されている。しかしながら、無
機電界発光素子を駆動させるためには、交流電源と高い
電圧が必要であり、使用できる場所や範囲が限られてい
た。
低電圧で高輝度の発光が可能である有機電界発光素子の
研究が盛んに行われ、無機電界発光素子の実用化への新
たな研究は、それ程、積極的に行われていない。したが
って、従来から積み重ねられてきた無機電界発光素子の
有用な研究結果(発光特性等)が、十分に生かされてい
ない。
界発光素子は、上記したように、直流の低電圧で高輝度
の発光が可能である。しかしながら、無機電界発光素子
に比べてその構成材料の劣化特性(寿命)に劣り、長時
間の使用に耐えられないという問題があった。
化されたものは、ホスト材料である有機化合物層にゲス
ト色素(有機色素や有機金属錯体等の蛍光色素)をドー
プした発光層を有している場合が多い。そして、最適な
色素ドープを行って高効率で必要な発光色を得るために
は、ホスト材料とゲスト色素の物理的・化学的性質の関
係(例えば、ホスト材料の発光スペクトルとゲスト色素
の吸収スペクトルが重なる必要性がある等)が重要であ
る。このようなことから、必要とする発光色を得るため
にはホスト材料とゲスト材料の二つの構成材料を好適に
組み合わせる必要があり、例えばゲスト色素を替える場
合には同時にホスト材料も替える必要があった。したが
って、電界発光素子を用いて例えばディスプレイを製造
した場合、必要となるホスト材料が多くなり、ディスプ
レイの製造がコスト高となる。
された無機電界発光素子の有用な研究結果を生かすべ
く、無機電界発光素子の発光層に用いられる無機化合物
を、有機電界発光素子と同じように直流の電圧(低電
圧)で駆動させることができないか、有機電界発光素子
の欠点である劣化特性を解決できないかという発想のも
とに鋭意研究に努めてきた。
合物層に無機化合物を分散して電界発光素子を作製する
ことが、上記課題を解決する有効な手段であることを見
い出すと共に、有機化合物層に無機化合物を分散させる
ことにより電界発光素子の発光色を変えることができる
ことを見い出した。そして、更に分散させる無機化合物
について検討を重ねた結果、有機化合物層に分散させる
無機化合物を替えることにより発光色を変化させること
ができることを見い出した。本発明はこれらの知見に基
づいて完成したものである。
機化合物を直流の電圧(低電圧)で駆動(発光)させる
ことができる電界発光素子を提供することにある。また
本発明の他の目的は、発光層である有機化合物層に無機
化合物を分散させることにより、発光色を変えることが
できる電界発光素子を提供することにある。更に本発明
の他の目的は、有機化合物層に対し分散させる無機化合
物が替わることにより、発光色が変化する電界発光素子
を提供することにある。その他の本発明の目的は、以下
の説明によって明らかになるであろう。
に講じた本発明の手段は次のとおりである。第1の発明
にあっては、陽極から注入される正孔と陰極から注入さ
れる電子との再結合により発光する電界発光素子であっ
て、上記電極の間に一層または複数層の有機化合物層を
有し、当該有機化合物層の少なくとも一層に無機化合物
が分散されることにより、発光色が変化することを特徴
とする、電界発光素子である。
の電圧で発光させるようにしたことを特徴とする、第1
の発明に係る電界発光素子である。
無機化合物の一部が替わることによって発光色が変化す
ることを特徴とする、第1または第2の発明に係る電界
発光素子である。
化合物であることを特徴とする、第1,2または第3の
発明に係る電界発光素子である。
金属化合物であることを特徴とする、第1,2または第
3の発明に係る電界発光素子である。
類金属化合物であることを特徴とする、第1,2または
第3の発明に係る電界発光素子である。
ゲン化金属化合物であることを特徴とする、第1,2ま
たは第3の発明に係る電界発光素子である。
化ユーロピウム、臭化ユーロピウム、ヨウ化セリウム、
臭化セリウム、ヨウ化テルビウム、ヨウ化鉛からなる群
から選ばれた少なくとも一種の化合物であることを特徴
とする、第1,2または第3の発明に係る電界発光素子
である。
4−ビス(カルバゾール−9−イル)−ビフェニルであ
り、無機化合物がヨウ化セリウム、臭化セリウム、ヨウ
化テルビウム、ヨウ化鉛からなる群から選ばれた少なく
とも一種の化合物であることを特徴とする、第1,2ま
たは第3の発明に係る電界発光素子である。
ーロピウムのハロゲン化物とアルカリ金属のハロゲン化
物を組み合わせたもの、またはユーロピウムのハロゲン
化物とアルカリ土類金属のハロゲン化物を組み合わせた
ものであることを特徴とする、第1,2または第3の発
明に係る電界発光素子である。
な構成によって形成される。 基板、陽極(透明電極)、有機化合物に無機化合物
が分散された発光層、陰極(背面電極)を順次積層した
もの、 基板、陽極、有機化合物に無機化合物が分散された
発光層、単層又は複数層の電子輸送性を有する有機物
層、陰極を順次積層したもの、 基板、陽極、単層又は複数層のホール輸送性を有す
る有機物層、有機化合物に無機化合物が分散された発光
層、陰極を順次積層したもの、 基板、陽極、単層又は複数層のホール輸送性を有す
る有機物層、有機化合物に無機化合物が分散された発光
層、単層又は複数層の電子輸送性を有する有機物層、陰
極を順次積層したもの等を挙げることができる。 また、ホールブロック層(正孔阻止層)や電子注入層を
有するものを使用することもできる。
属薄膜等を挙げることができる。
オキシド(ITO)、酸化チタン、酸化錫等を、真空蒸
着法、スパッタリング法、ゾルゲル法により薄膜に形成
したもの等を挙げることができる。
は、ポリビニルカルバゾール(PVK)、フェニレンジ
アミン誘導体(例えばN,N’−ビス(3−メチルフェ
ニル)−N,N’−ビス(フェニル)−ベンジジン
等)、トリフェニルアミン誘導体、カルバゾール誘導
体、フェニルスチレン誘導体等を挙げることができる。
キサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナン
トロリン誘導体、アルミキノリノール錯体等を挙げるこ
とができる。
送性を有する有機物層は、真空蒸着法やスピンコート法
等により形成することができる。
ルミニウム、マグネシウム、銀等を挙げることができ
る。
層は、真空蒸着法やスピンコート法等により形成するこ
とができる。ただし、均質な膜が得られやすく、かつピ
ンホールが生成しにくいなどの観点から、真空蒸着法が
好ましい。
時蒸着法ともいう)で行う。即ち、有機化合物と無機化
合物の蒸着源を分け、別々の蒸発源から蒸発させたそれ
ぞれの蒸気を真空条件下で所定の基板上に同時に蒸着す
ることにより、膜を形成する。無機化合物の濃度は、無
機化合物と有機化合物との蒸着速度の比で設定すること
ができる。
無機化合物の両方を可溶な溶媒に溶かしスピンコートを
行うことによって、無機化合物を有機半導体に均一に分
散させ、薄膜を形成する。
光させる場合、無機化合物の濃度は0.1〜70wt%であり、
更に好ましくは1〜50wt%である。無機化合物の濃度が0.
1wt%未満では、有機化合物から無機化合物へのエネルギ
ー移動が不完全となり、無機化合物が発光しにくいとい
う問題がある。無機化合物の濃度が70wt%を越えると、
無機化合物同士が近づきすぎて、濃度消光が生じやす
く、発光効率が低下しやすい。
知である材料を使用することができる。例えば、真空蒸
着法の場合、カルバゾール誘導体、トリフェニルアミン
誘導体、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェニルスチ
レン誘導体、フルオレン誘導体、アルミキノリノール錯
体とその誘導体、フェニレンジアミン誘導体等を挙げる
ことができるが、これらに限定するものではない。スピ
ンコート法の場合では、ポリビルカルバゾール類、ポリ
フルオレン類、ポリチオフェン類、ポリフェニレンビニ
レン類等を挙げることができるが、これらに限定するも
のではない。
属化合物や、金属化合物(遷移金属化合物や希土類金属
化合物を含む)を使用することができる。金属として
は、例えば、マンガン、ニッケル、銅、ガリウム、銀、
カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、金、鉛、
ビスマス、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セ
リウム、プラセオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガ
ドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウ
ム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、タリウム
を挙げることができるが、これらに限定されない。
が行いやすいので、ハロゲン化金属化合物が好ましい。
ハロゲン化物としては、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨ
ウ化物等を挙げることができる。
組み合わせて有機化合物層に分散させることができる。
ではない。ただし、好ましくは30nmから400nmであり、
更に好ましくは60nmから200nmである。有機化合物層の
厚さが30nm未満では、電極同士がショートしてしまう可
能性が高く、400nmを越えると抵抗値が上がり電流が流
れにくくなる可能性が高い。
プロイン、トリアゾール誘導体(TAZ)、オキサジア
ゾール誘導体を挙げることができるが、これらに限定す
るものではない。
ムやフッ化マグネシウムなどを挙げることができるが、
これらに限定するものではない。
ムとアルカリ金属のハロゲン化物を組み合わせたもの、
またはハロゲン化ユーロピウムとアルカリ土類金属のハ
ロゲン化物を組み合わせたものを挙げることができる。
この場合、アルカリ金属としてはリチウム、ナトリウ
ム、カリウム、ルビジウム、セシウム等を挙げることが
できる。また、アルカリ土類金属としては、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等を挙げる
ことができる。アルカリ金属のハロゲン化物またはアル
カリ土類金属のハロゲン化物は、単独で、または二種類
以上組み合わせて有機化合物層に分散させることができ
る。なお、ハロゲン化物としては、フッ化物、塩化物、
臭化物、ヨウ化物等を挙げることができる。
発明はこれらに限定されるものではない。
素子の実施例1を示す側面視説明図、図2は図1に示す
電界発光素子の輝度−電流の関係を示す特性図、図3は
図1に示す電界発光素子の発光スペクトルの特性図であ
る。なお、図3において、用いた検出器の限界により85
0nm以上は測定できなかった。このため、ガウシアンピ
ークと仮定し、外挿している。
た。ITOで構成される透明電極2が100nmの厚みにス
パッタリングされているガラス基板3上に、N,N’−
ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニ
ル)−ベンジジン(TPD)を真空蒸着法(真空度2.0
×10-4Pa、後同じ)によって約40nmの厚みに蒸着し、ホ
ール輸送層4を形成する。
は、有機化合物である4,4−ビス(カルバゾール−9
−イル)−ビフェニル(本明細書では特に断らない限り
「CBP」という)と、無機化合物であるヨウ化ユーロ
ピウムを共蒸着により形成した。CBPとヨウ化ユーロ
ピウムの比率は重量比で2:1とし、発光層5の膜厚は20n
mとした。
/sec、ヨウ化ユーロピウムが0.18オングストローム/s
ec(重量比で2:1)である。
着を行い、厚さ15nmのホールブロック層6を形成し、更
に、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム
(Alq3)を用いて蒸着を行い、厚さ35nmの電子輸送層
7を形成した。また、更にその上に、電極としてアルミ
ニウムリチウム(AlLi)合金を約200nm蒸着し、陰極8
を得た。なお、図中9は電極である。
9mA/cm2を印加して発光させた。その発光輝度を輝度計
(ミノルタ LS-110)で測定したところ、362cd/m2であ
った。
検出器(浜松ホトニクス PMA-11)で測定したところ、
主な発光波長は約687nmであった。スペクトルの電流依
存性は観察されなかった。発光開始電圧は5Vであった。
最大外部量子効率は、0.18%(電流14.5cd/m2、7.12mA/c
m2)であった。
重項)は404nm(青紫色の発光)であるため、約687nmに
現れる電界発光素子1の発光はCBPによるものではな
いものと思われる。一方、ユーロピウムイオンは配位子
場の影響によって発光ピークが440nmから700nm程度まで
変化(シフト)することが知られている。
の発光(約687nm)は、有機化合物であるCBPから無
機化合物であるヨウ化ユーロピウムへのエネルギー移動
によって、無機化合物であるヨウ化ユーロピウムが発光
したものと考えられる。
では青紫色(発光ピーク約404nm)で発光するCBP
に、無機化合物であるヨウ化ユーロピウムを分散させる
ことにより、オレンジ色(発光ピーク約687nm)で発光
する電界発光素子1を得ることができた。
光素子の輝度−電流の関係を示す特性図、図5は実施例
2に係る電界発光素子の発光スペクトルの特性図であ
る。なお、実施例1と同一または同等である素子の構成
材料については、同一の符号を付して説明する。これに
ついては、後述する実施例3ないし実施例6についても
同様である。
無機化合物であるヨウ化ユーロピウムの比率を重量比で
10:1として発光層5を形成した。発光層の膜厚は20nm
とした。それ以外の素子材料は同様であるので、説明を
省略する。
A/cm2を印加して発光させた。その発光輝度を輝度計
(ミノルタ LS-110)で測定したところ、363cd/m2であ
った。発光開始電圧は6Vであった。最大外部量子効率
は、0.18%(輝度285cd/m2、電流7.15mA/cm2)であった。
検出器(浜松ホトニクス PMA-11)で測定したところ、
CBP(一重項の発光ピーク404nm)とヨウ化ユーロピ
ウム(発光ピーク680nm)両方の発光スペクトルが観察
された。また、その発光スペクトルの比率は電流により
変化した。
しており、発光層におけるCBPの濃度を上げたため、
ヨウ化ユーロピウムよりもCBPの発光が起きやすくな
ったためだと思われる。
独では青紫色で発光するCBP(発光ピーク約404nm)
に、無機化合物であるヨウ化ユーロピウムを実施例1よ
りも少ない量で分散させることにより、CBP(発光ピ
ーク約404nm)とヨウ化ユーロピウム(発光ピーク約687
nm)を共に発光させることができ、結果的にピンク色
(桃色)で発光する電界発光素子を得ることができた。
光素子の輝度−電流の関係を示す特性図、図7は実施例
3に係る電界発光素子の発光スペクトルの特性図であ
る。
無機化合物であるヨウ化セリウムを共蒸着することによ
って発光層5を形成した。CBPとヨウ化セリウムの比
率は重量比で2:1とし、発光層5の膜厚を20nmとした。
それ以外の素子材料は同様であるので、説明を省略す
る。
mA/cm2を印加して発光させた。その発光輝度を輝度計
(ミノルタ LS-110)で測定したところ、486cd/m2であ
った。発光開始電圧は6Vであった。最大外部量子効率
は、0.11%(輝度21.7cd/m2、電流8.05mA/cm2)であっ
た。
検出器(浜松ホトニクス PMA-11)で測定したところ、
574nmに発光ピークをもつ黄色発光が観察された。この
発光のピークは、CBPの一重項状態の発光ピーク(40
4nm)とは一致しておらず、CBPの燐光発光、即ち、
三重項状態の発光ピーク(559nm)とほぼ一致してい
る。一方、セリウムイオンの発光ピークは、結晶場の影
響を受けやすく、特定することはできない。
発光は、無機化合物であるヨウ化セリウムをドープする
ことにより、有機化合物であるCBPの三重項状態の発
光が増強されたものか、あるいは有機化合物であるCB
Pから無機化合物であるヨウ化セリウムへのエネルギー
移動によって無機化合物であるヨウ化セリウムが発光し
たものと考えられる。
では青紫色(発光ピーク約404nm)で発光するCBP
に、無機化合物であるヨウ化セリウムを分散させること
により、結果的に黄色(発光ピーク約574nm)で発光す
る電界発光素子を得ることができた。
成する一重項励起子と三重項励起子の比率は1:3と言
われている。従来の有機電界発光素子は一重項励起子か
らの発光を利用しているため、理論的内部量子効率の限
界は25%であった。このようなことから、本実施例に
係る電界発光素子の発光がCBPの三重項状態の発光に
よるものである場合、三重項励起子からの発光を利用で
きることになり、理論的内部量子効率の限界は従来の三
倍である75%まで向上する。よって、高効率で発光す
る電界発光素子の作製が将来期待できる。これについて
は、後述する実施例4、実施例5、及び実施例6に示す
電界発光素子についても同様である。
光素子の輝度−電流の関係を示す特性図、図9は実施例
4に係る電界発光素子の発光スペクトルの特性図であ
る。
無機化合物である臭化セリウムを共蒸着することによっ
て発光層5を形成した。CBPと臭化セリウムの比率は
重量比で2:1とし、発光層5の膜厚を20nmとした。そ
れ以外の素子材料は同様であるので、説明を省略する。
mA/cm2を印加して発光させた。その発光輝度を輝度計
(ミノルタ LS-110)で測定したところ、129cd/m2であ
った。発光開始電圧は7Vであった。
検出器(浜松ホトニクス PMA-11)で測定したところ、
553nmに発光ピークをもつ緑色発光が観察された。この
発光のピークは、CBPの一重項状態の発光ピーク(40
4nm)とは一致しておらず、CBPの燐光発光、即ち、
三重項状態の発光ピーク559nmとほぼ一致している。一
方、セリウムイオンの発光ピークは、上記したように、
結晶場の影響を受けやすく、特定することはできない。
発光は、無機化合物である臭化セリウムのドープによ
り、有機化合物であるCBPの三重項状態の発光が増強
されたものか、あるいは有機化合物であるCBPから無
機化合物である臭化セリウムへのエネルギー移動によっ
て無機化合物である臭化セリウムが発光したものと考え
られる。
では青紫色(発光ピーク約404nm)で発光するCBP
に、無機化合物である臭化セリウムを分散させることに
より、結果的に緑色(発光ピーク約553nm)で発光する
電界発光素子を得ることができた。
発光素子の輝度−電流の関係を示す特性図、図11は実
施例5に係る電界発光素子の発光スペクトルの特性図で
ある。
無機化合物であるヨウ化テルビウムを共蒸着することに
よって発光層5を形成した。CBPとヨウ化テルビウム
の比率は重量比で2:1とし、発光層5の膜厚を20nmと
した。それ以外の素子材料は同様であるので、説明を省
略する。
mA/cm2を印加して発光させた。その発光輝度を輝度計
(ミノルタ LS-110)で測定したところ、186cd/m2であ
った。発光開始電圧は8Vであった。
検出器(浜松ホトニクス PMA-11)で測定したところ、
555nmに発光ピークをもつ黄緑色発光が観察された。こ
の発光のピークは、CBPの一重項状態の発光ピーク
(404nm)とは一致しておらず、CBPの燐光発光、即
ち、三重項状態の発光のピーク559nmとほぼ一致してい
る。
の発光(約555nm)は、無機化合物であるヨウ化テルビ
ウムのドープにより、有機化合物であるCBPの燐光発
光が増強されたものか、あるいは有機化合物であるCB
Pから無機化合物であるヨウ化テルビウムへのエネルギ
ー移動によって無機化合物であるヨウ化テルビウムが発
光したものと考えられる。ただし、テルビウムイオンの
発光ピークは547nmでシャープに現れることから、上記5
55nmに現れる発光ピークは、テルビウムイオンによるも
のではなく、CBPの燐光発光が増強された可能性が高
いと思われる。
では青紫色(発光ピーク約404nm)で発光するCBP
に、無機化合物であるヨウ化テルビウムを分散させるこ
とにより、結果的に黄緑色(発光ピーク約555nm)で発
光する電界発光素子を得ることができた。
発光素子の輝度−電流の関係を示す特性図、図13は実
施例6に係る電界発光素子の発光スペクトルの特性図で
ある。
無機化合物であるヨウ化鉛を共蒸着することによって発
光層5を形成した。CBPとヨウ化鉛の比率は重量比で
10:6とし、発光層5の膜厚は20nmとした。それ以外の
素子材料は同様であるので、説明を省略する。
/cm2を印加して発光させた。その発光輝度を輝度計(ミ
ノルタ LS-110)で測定したところ、99cd/m2であっ
た。発光開始電圧は6Vであった。外部量子効率は、0.01
8%(輝度2.7cd/m2、6.58mA/cm2)であった。
検出器(浜松ホトニクス PMA-11)で測定したところ、
550nmに発光ピークをもつ緑色発光が観察された。この
発光のピークは、CBPの一重項状態の発光ピーク(40
4nm)とは一致しておらず、CBPの燐光発光、即ち、
三重項状態の発光のピーク559nmとほぼ一致している。
一方、鉛イオンの発光ピークも500〜520nmに現れ、電界
発光素子の発光ピークと近い。
1の発光(約550nm)は、無機化合物であるヨウ化鉛を
ドープすることにより、有機化合物であるCBPの三重
項状態の発光が増強されたものか、あるいは有機化合物
であるCBPから無機化合物であるヨウ化鉛へのエネル
ギー移動によって無機化合物であるヨウ化鉛が発光した
ものと考えられる。
では青紫色で発光するCBP(発光ピーク約404nm)
に、無機化合物であるヨウ化鉛を分散させることによ
り、結果的に緑色で発光する電界発光素子(発光ピーク
約550nm)を得ることができた。
て、約550〜570nmに発光ピークを有する発光が、有機化
合物であるCBPの三重項状態の発光(燐光)によるも
のであるか、ヨウ化セリウムや臭化セリウム等の無機化
合物の発光によるものであるかを確認するために、以下
のような実験を行った。
るための概略構成図を示す。図14に示すように、各電
界発光素子に矩形波電極(0V-7.5V、繰り返し周波数5H
z、デューディー比5%)を印加し、発光を光電子増倍管
で検出して、発光寿命をデジタルストレージオシロスコ
ープで観測した。電圧カットオフ後、発光強度が最大値
の1/e(自然対数のe)まで減衰する時間を観測した。
光寿命を観測したオシロスコープの過渡応答を示す。図
16に実施例3〜実施例6に係る電界発光素子の発光ス
ペクトルとCBPの燐光スペクトルについて示す。
発光素子の発光寿命は、19.45μ秒と長いものであっ
た。なお、図15は一例として実施例4に係る電界発光
素子について示したが、実施例3〜実施例6のすべての
電界発光素子において、発光寿命はいずれも10μ秒以上
であった。これは、一般の蛍光色素を用いた電界発光素
子の発光寿命が1μ秒以下(ナノ秒オーダー)であるこ
とを考えると長く、実施例3〜実施例6の電界発光素子
の発光寿命は、燐光の寿命領域にあることが分かった。
更に、図16に示すように、各電界発光素子の発光スペ
クトルとCBPの燐光の発光スペクトルが定性的に一致
している。
寿命領域にあること、また各電界発光素子の発光スペク
トルとCBPの燐光の発光スペクトルが定性的に一致し
ていることから、得られた電界発光素子の発光が有機化
合物であるCBPの三重項状態の発光(燐光)によるも
のであることが明らかとなった。
Pの三重項状態の発光(燐光)によるものであるので、
既に説明したように、三重項励起子からの発光を利用で
きることになり、高効率で発光する電界発光素子の作製
が将来期待できる。
光素子の実施例7を示す側面視説明図、図18は図17
に示す電界発光素子の発光スペクトルの特性図である。
なお、実施例1と同一または同等である素子の構成材料
については、同一の符号を付して説明する。
し、実施例7とした。ITOで構成される透明電極2が
100nmの厚みにスパッタリングされているガラス基板3
上に、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,
N’−ビス(フェニル)−ベンジジン(TPD)を真空
蒸着法(真空度2.0×10-4Pa、後同じ)によって約60nm
の厚みに蒸着し、ホール輸送層4を形成する。
5aは、有機化合物であるCBPと、無機化合物である
臭化ユーロピウムを共蒸着により形成した。CBPと臭
化ユーロピウムの比率は重量比で75:25とし、発光層5
の膜厚は20nmとした。
/sec、臭化ユーロピウムが1オングストローム/secで
ある。
(OXD−7)を用いて蒸着を行い、厚さ60nmのホール
ブロック層兼電子輸送層6aを形成した。
いて蒸着を行い、厚さ0.7nmの電子注入層10を形成
し、更にその上に電極としてアルミニウム約100nmを蒸
着し、陰極8aを得た。なお、図中9は電極である。
420mA/cm2を印加して発光させた。その発光輝度を輝度
計(ミノルタ LS-110)で測定したところ、40.9cd/m2
であった。
検出器(浜松ホトニクス PMA-11)で測定したところ、
CBP(一重項の発光ピーク404nm)の発光と、約700nm
をピークとするブロードな発光スペクトルが観察され
た。また、その発光スペクトルの比率は電流により変化
した。
しており、発光層におけるCBPの濃度が高いため、臭
化ユーロピウムよりもCBPの発光が起きやすくなった
ためだと思われる。なお、約700nmをピークとするブロ
ードな発光は、アモルファス(非晶質)状態をとる臭化
ユーロピウムの発光であると思われる。
独では青紫色で発光するCBP(発光ピーク約404nm)
に、無機化合物である臭化ユーロピウムを分散させるこ
とにより、CBP(発光ピーク約404nm)と臭化ユーロ
ピウム(発光ピーク約700nm)を共に発光させることが
でき、結果的に桃白色で発光する電界発光素子を得るこ
とができた。
る電界発光素子の発光スペクトルの特性図、図20は実
施例9に係る電界発光素子の発光スペクトルの特性図、
図21は実施例10に係る電界発光素子の発光スペクト
ルの特性図である。
て発光層を形成した実施例7に対し、実施例8〜10で
は、CBPと臭化ユーロピウムにヨウ化セシウムを加え
た三元同時蒸着法によって発光層を形成した。そして、
蒸着するヨウ化セシウムの量を変えることで発光スペク
トルがどのような影響を受けるかを検討した。なお、発
光層以外の素子材料は同様であるので、説明を省略す
る。
ム/sec、臭化ユーロピウムが0.1〜1オングストローム
/sec、ヨウ化セシウムが0.1〜1オングストローム/sec
である。
ロピウム及びヨウ化セシウムの組成割合を、実施例7と
共に表1に示す。なお、発光層の組成は重量%で表し、
CBP、臭化ユーロピウム及びヨウ化セシウムの合計は
全体で100%となるように示している。
例10に係る電界発光素子の発光スペクトルを参照す
る。各電界発光素子の発光スペクトルから明らかなとお
り、蒸着する臭化ユーロピウムの割合を0〜40重量%と
増やすことで、青色を示す波長域である約460〜480のシ
ャープな発光ピークが得られることが確認できた。
られる青色発光材料(例えばα−NPD、ペリレン、P
VK等)は、発光波長がブロードであるために、発光ス
ペクトルの裾が青色の色純度を悪くしていた。青色表示
を良好に行うためには、青色を示す波長域以外の光をカ
ットするカラーフィルタを用いることもできるが、構造
が複雑化してコスト高となるうえ、青以外の領域の光を
カットするために効率が低下する。このように、青色純
度が改善されないことは、フルカラー化を目指すフラッ
トパネル・ディスプレイ等の表示素子として好ましくな
い。
ピウム対するヨウ化セシウムの割合を増やすことで、色
純度の良い青色発光を示す有機電界発光素子を得ること
ができた。
ウムがヨウ化セシウムに固溶することで、非晶質状態で
あった臭化ユーロピウムが結晶状態(6配位の8面体構
造)をとることが可能になり、青色の発光を示したもの
と思われる。
tion, and emission spectra of Eu2+ in the alkali h
alides. , J. Hernandez A., F. J. Lopez, H. Murriet
a S., J. Phys. Soc. Jpn.,vol. 50,No. 1,p.225-229
(1981)]の文献に記載されている種々のEu2+(ユーロピ
ウムイオン)をドープしたアルカリハロゲン化物の蛍光
体粉末の蛍光と本質的に同じ機構であると思われる。
電界発光素子の発光スペクトルの特性図である。本実施
例では、実施例8〜10と相違して、CBPとヨウ化ユ
ーロピウムにヨウ化バリウムを加えた三元同時蒸着法に
よって発光層を形成した。それ以外の素子材料は同様で
あるので、説明を省略する。
ム/sec、ヨウ化ユーロピウムが0.1〜1オングストロー
ム/sec、ヨウ化バリウムが0.1〜1オングストローム/s
ecである。
ルから明らかなとおり、ヨウ化バリウムを加えること
で、青色を示す波長域である約454nmのシャープな発光
ピークが得られることが確認できた。これは、ヨウ化バ
リウムを加えていない実施例1(図3参照)及び実施例
2(図5参照)に係る電界発光素子と明らかに異なって
いる。このように、発光層にヨウ化バリウムを加えるこ
とで、色純度の良い青色発光を示す有機電界発光素子を
得ることができた。
ピウムがヨウ化バリウムに固溶することで、非晶質状態
であったヨウ化ユーロピウムが結晶状態(6配位の8面
体構造)をとることが可能になり、青色の発光を示した
ものと思われる。
ら分かるように、本実施例ではホスト材料である有機化
合物CBPに各種無機化合物を分散させることにより、
その発光色を青色領域(青紫色)から赤色領域(ピンク
色、桃白色)まで変化させることができた。つまり、分
散させる無機化合物を替えることによって、同じホスト
材料である有機化合物から様々な発光色を得ることがで
きることを確認できた。
はあくまで説明上のものであって、限定的なものではな
く、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するもの
ではない。
に設けられた一層または複数層の有機化合物層の少なく
とも一層に無機化合物を分散させて電界発光素子を作製
することにより、無機化合物を直流の電圧(低電圧)で
発光させることができる電界発光素子を得ることができ
る。これにより、従来から積み重ねられてきた無機電界
発光素子の有用な研究結果(発光特性等)を有効に利用
することができる。また、無機化合物を発光させるよう
にしているので、発光層に有機化合物を用いる有機電界
発光素子に比べ、劣化しにくく、長期使用に耐えられる
電界発光素子の提供が期待できる。
有機化合物層に無機化合物を分散させることによって、
電界発光素子の発光色を変えることができる。
に対し分散させる無機化合物を替えることにより、電界
発光素子の発光色を変化させることができる。つまり、
分散させる無機化合物を替えることにより、同じホスト
材料である有機化合物から様々な発光色(広い発光領
域)を得ることができる。したがって、本発明に係る電
界発光素子を用いて例えばディスプレイを製造した場
合、必要となるホスト材料を減らすことができるので、
結果的にディスプレイの生産コストを抑えることができ
る。
合物がヨウ化セリウム、臭化セリウム、ヨウ化テルビウ
ム、ヨウ化鉛からなる群から選ばれた少なくとも一種の
化合物であるものでは、電界発光素子の発光がCBPの
三重項状態の発光(燐光)によるものであるので、三重
項励起子からの発光を利用できることになり、高効率で
発光する電界発光素子の作製が将来期待できる。
ムとアルカリ金属のハロゲン化物を組み合わせたもの、
またはハロゲン化ユーロピウムとアルカリ土類金属のハ
ロゲン化物を組み合わせたものでは、色純度の良い青色
発光を示す有機電界発光素子を得ることができる。
面視説明図。
示す特性図。
性図。
係を示す特性図。
の特性図。
係を示す特性図。
の特性図。
係を示す特性図。
の特性図。
関係を示す特性図。
ルの特性図。
関係を示す特性図。
ルの特性図。
略構成図。
測したオシロスコープの過渡応答。
光スペクトルとCBPの燐光スペクトル。
側面視説明図。
の特性図。
ルの特性図。
ルの特性図。
トルの特性図。
トルの特性図。
Claims (10)
- 【請求項1】 陽極から注入される正孔と陰極から注入
される電子との再結合により発光する電界発光素子であ
って、 上記電極の間に一層または複数層の有機化合物層を有
し、当該有機化合物層の少なくとも一層に無機化合物が
分散されることにより、発光色が変化することを特徴と
する、 電界発光素子。 - 【請求項2】 無機化合物を直流の電圧で発光させるよ
うにしたことを特徴とする、 請求項1記載の電界発光素子。 - 【請求項3】 無機化合物または無機化合物の一部が替
わることによって発光色が変化することを特徴とする、 請求項1または2記載の電界発光素子。 - 【請求項4】 無機化合物が金属化合物であることを特
徴とする、 請求項1,2または3記載の電界発光素子。 - 【請求項5】 無機化合物が遷移金属化合物であること
を特徴とする、 請求項1,2または3記載の電界発光素子。 - 【請求項6】 無機化合物が希土類金属化合物であるこ
とを特徴とする、 請求項1,2または3記載の電界発光素子。 - 【請求項7】 無機化合物がハロゲン化金属化合物であ
ることを特徴とする、 請求項1,2または3記載の電界発光素子。 - 【請求項8】 無機化合物がヨウ化ユーロピウム、臭化
ユーロピウム、ヨウ化セリウム、臭化セリウム、ヨウ化
テルビウム、ヨウ化鉛からなる群から選ばれた少なくと
も一種の化合物であることを特徴とする、 請求項1,2または3記載の電界発光素子。 - 【請求項9】 有機化合物が4,4−ビス(カルバゾー
ル−9−イル)−ビフェニルであり、 無機化合物がヨウ化セリウム、臭化セリウム、ヨウ化テ
ルビウム、ヨウ化鉛からなる群から選ばれた少なくとも
一種の化合物であることを特徴とする、 請求項1,2または3記載の電界発光素子。 - 【請求項10】 無機化合物がユーロピウムのハロゲン
化物とアルカリ金属のハロゲン化物を組み合わせたも
の、またはユーロピウムのハロゲン化物とアルカリ土類
金属のハロゲン化物を組み合わせたものであることを特
徴とする、 請求項1,2または3記載の電界発光素子。
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