JP2003059527A - 鉛蓄電池用活性化剤及びこれを用いた鉛蓄電池 - Google Patents
鉛蓄電池用活性化剤及びこれを用いた鉛蓄電池Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 液中での微小炭素ファイバーの分散性が高
く、鉛蓄電池の充放電効率の向上と、長寿命化を可能に
し得る。 【解決手段】 表面改質微小炭素ファイバーを極性溶媒
に分散させた分散組成物からなる鉛蓄電池用活性化剤の
改良である。その特徴ある構成は、表面改質微小炭素フ
ァイバーが、その表面に酸素1〜20重量%とともに、
硫黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ素より選ばれた1種
又は2種以上を0.1〜2.0重量%含み、かつ外径
3.5〜400nm、アスペクト比5〜1000、BE
T比表面積30〜1000m2/gを有するところにあ
る。
く、鉛蓄電池の充放電効率の向上と、長寿命化を可能に
し得る。 【解決手段】 表面改質微小炭素ファイバーを極性溶媒
に分散させた分散組成物からなる鉛蓄電池用活性化剤の
改良である。その特徴ある構成は、表面改質微小炭素フ
ァイバーが、その表面に酸素1〜20重量%とともに、
硫黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ素より選ばれた1種
又は2種以上を0.1〜2.0重量%含み、かつ外径
3.5〜400nm、アスペクト比5〜1000、BE
T比表面積30〜1000m2/gを有するところにあ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛蓄電池の充放電
効率の向上と、長寿命化を可能にし得る鉛蓄電池用活性
化剤及びこれを用いた鉛蓄電池に関する。
効率の向上と、長寿命化を可能にし得る鉛蓄電池用活性
化剤及びこれを用いた鉛蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、二次電池として代表的な鉛蓄電池
(lead storage battery)は、出力密度が大きく、移動
可能な電源として用いることができるので、自動車エン
ジン始動用、フォークリフト、構内運搬車等の動力源、
電力機器の操作用電源等として、また需要に即応した電
力の供給、停止が可能なので据置の非常用電源や、予備
電源として用いられている。鉛蓄電池は、鉛を負極と
し、表面に酸化鉛を有する鉛を正極として用い、これら
の電極を電解液である希硫酸に浸した構造である。
(lead storage battery)は、出力密度が大きく、移動
可能な電源として用いることができるので、自動車エン
ジン始動用、フォークリフト、構内運搬車等の動力源、
電力機器の操作用電源等として、また需要に即応した電
力の供給、停止が可能なので据置の非常用電源や、予備
電源として用いられている。鉛蓄電池は、鉛を負極と
し、表面に酸化鉛を有する鉛を正極として用い、これら
の電極を電解液である希硫酸に浸した構造である。
【0003】この鉛蓄電池の放電時には、式(1)に示
すように、負極では、負極表面の鉛(Pb)が電解液の
希硫酸がイオンとなった硫酸イオン(SO4 2-)と反応
し、硫酸鉛(PbSO4)となって電子(e-)を放出す
る。
すように、負極では、負極表面の鉛(Pb)が電解液の
希硫酸がイオンとなった硫酸イオン(SO4 2-)と反応
し、硫酸鉛(PbSO4)となって電子(e-)を放出す
る。
【0004】
Pb + SO4 2- → PbSO4 + 2e- ……(1)
式(2)に示すように、正極では、負極で放出された電
子を受けて、正極表面の酸化鉛(PbO2)が硫酸(H2
SO4)と反応して硫酸鉛となる反応によって電流が流
れる。
子を受けて、正極表面の酸化鉛(PbO2)が硫酸(H2
SO4)と反応して硫酸鉛となる反応によって電流が流
れる。
【0005】
PbO2 + 4H+ + SO4 2- + 2e- → PbSO4 + 2H2O ……(2)
放電時における全体の反応式は式(3)に示される。
【0006】
Pb + 2H2SO4 + PbO2 → 2PbSO4 + 2H2O ……(3)
充電時には式(1)〜式(3)にそれぞれ示す放電時の
反応とは逆の反応が起こる。このように鉛蓄電池を代表
とする二次電池は充電と放電を繰返すことによって長期
間使用できる利点を有するが、次第に活性を失って使用
不能になる。活性を妨げる原因としては、放電によって
正極表面及び負極表面の活物質はそれぞれ硫酸鉛となる
が、両方の電極の表面がこの白い硫酸鉛の結晶で覆われ
た場合、硫酸鉛は電気伝導性がないので、徐々に充電受
入性が低下するだけでなく、充電によっても回復できな
くなるためである。この現象をサルフェーションとい
う。
反応とは逆の反応が起こる。このように鉛蓄電池を代表
とする二次電池は充電と放電を繰返すことによって長期
間使用できる利点を有するが、次第に活性を失って使用
不能になる。活性を妨げる原因としては、放電によって
正極表面及び負極表面の活物質はそれぞれ硫酸鉛となる
が、両方の電極の表面がこの白い硫酸鉛の結晶で覆われ
た場合、硫酸鉛は電気伝導性がないので、徐々に充電受
入性が低下するだけでなく、充電によっても回復できな
くなるためである。この現象をサルフェーションとい
う。
【0007】上記のような鉛蓄電池の問題を解決する手
段として、導電性の良い炭素微粒子の懸濁液を電解液に
添加して電気容量を回復させることが知られている。導
電性の良い炭素微粒子を電解液に添加することにより、
図4に示すように、電解液(活物質)中に分散した炭素
微粒子が充電によって負極表面に形成された硫酸鉛の間
に入り込み、電流通路のネットワークの役割を果たすた
め、硫酸鉛を鉛へと還元する反応を促進すると考えられ
る。しかしこの従来の炭素微粒子は多くの量を電解液に
添加しなければならず、その沈殿物が短絡等のトラブル
を招くなどの問題があった。この問題を解決する手法と
して、電解酸化によって得られた炭素微粒子の懸濁液を
用いるもの(特開平9−045379)や、粒径が極端
に微細な親水性導電粒子を用いるもの(特開平10−2
28922)等が提案されている。
段として、導電性の良い炭素微粒子の懸濁液を電解液に
添加して電気容量を回復させることが知られている。導
電性の良い炭素微粒子を電解液に添加することにより、
図4に示すように、電解液(活物質)中に分散した炭素
微粒子が充電によって負極表面に形成された硫酸鉛の間
に入り込み、電流通路のネットワークの役割を果たすた
め、硫酸鉛を鉛へと還元する反応を促進すると考えられ
る。しかしこの従来の炭素微粒子は多くの量を電解液に
添加しなければならず、その沈殿物が短絡等のトラブル
を招くなどの問題があった。この問題を解決する手法と
して、電解酸化によって得られた炭素微粒子の懸濁液を
用いるもの(特開平9−045379)や、粒径が極端
に微細な親水性導電粒子を用いるもの(特開平10−2
28922)等が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平9−0
45379号公報に示された炭素微粒子では、炭素微粒
子の製造が繁雑であり、しかも製造には多くの電力消費
が必要となるため、高価であった。また、この炭素微粒
子はその表面に修飾したカルボニル基やカルボキシル基
によって親水性を与え、充電時に正極に吸着する性質を
有すると記載されているが、実際には正極に吸着し難
い。また、特開平10−228922号公報に示された
極端に微細な炭素粒子は凝集し易いために分散性が低
く、取扱いが難しい問題があった。更に上記した炭素微
粒子はそれぞれ酸性の電解液中では不安定であり、充放
電の繰返しによって比較的短時間に効果が消滅するた
め、持続性が乏しい。
45379号公報に示された炭素微粒子では、炭素微粒
子の製造が繁雑であり、しかも製造には多くの電力消費
が必要となるため、高価であった。また、この炭素微粒
子はその表面に修飾したカルボニル基やカルボキシル基
によって親水性を与え、充電時に正極に吸着する性質を
有すると記載されているが、実際には正極に吸着し難
い。また、特開平10−228922号公報に示された
極端に微細な炭素粒子は凝集し易いために分散性が低
く、取扱いが難しい問題があった。更に上記した炭素微
粒子はそれぞれ酸性の電解液中では不安定であり、充放
電の繰返しによって比較的短時間に効果が消滅するた
め、持続性が乏しい。
【0009】本発明の目的は、液中での微小炭素ファイ
バーの分散性が高く、鉛蓄電池の充放電効率の向上と、
長寿命化を可能にし得る鉛蓄電池用活性化剤及びこれを
用いた鉛蓄電池を提供することにある。
バーの分散性が高く、鉛蓄電池の充放電効率の向上と、
長寿命化を可能にし得る鉛蓄電池用活性化剤及びこれを
用いた鉛蓄電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
表面改質微小炭素ファイバーを極性溶媒に分散させた分
散組成物からなる鉛蓄電池用活性化剤において、表面改
質微小炭素ファイバーが、その表面に酸素1〜20重量
%とともに、硫黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ素より
選ばれた1種又は2種以上を0.1〜2.0重量%含
み、かつ外径3.5〜400nm、アスペクト比5〜1
000、BET比表面積30〜1000m 2/gを有す
ることを特徴とする鉛蓄電池用活性化剤である。請求項
1に係る発明では、上記条件を満たす表面改質微小炭素
ファイバーを極性溶媒に分散させた分散組成物からなる
鉛蓄電池用活性化剤は、液中での微小炭素ファイバーの
分散性が高いので、電解液として用いても沈降物が形成
されないため、持続性に優れる。また、鉛蓄電池を充放
電させた際に表面改質微小炭素ファイバーが負極活物質
表面に対して良好な付着性及び密着性を有し、網目状に
形成するため、この網目状に形成された表面改質微小炭
素ファイバーにより、活物質が電極から脱落することを
防止するので、鉛蓄電池の充放電効率を向上できる。ま
た、表面改質微小炭素ファイバーが上記条件を満たす形
状を有し、かつ負極表面に網目状に形成するため、硫酸
鉛結晶が巨大化し、不活性化するサルフェーションの発
生を防止できる。更に、負極表面に網目状に形成された
上記条件を満たす形状を有する表面改質微小炭素ファイ
バーは、従来の炭素微粉末により形成されたネットワー
クに比べて導電性が大幅に向上するため、活物質表面の
活性を長期に渡って維持でき、電池の延命効果及び充電
再生効果に優れる。本発明の鉛蓄電池用活性化剤に含ま
れる表面改質微小炭素ファイバーの好ましい条件は、そ
の表面に酸素が2〜15重量%、硫黄と窒素を0.2〜
1.0重量%含み、かつ外径が10〜100nm、アス
ペクト比が20〜100、BET比表面積が30〜30
0m2/gである。
表面改質微小炭素ファイバーを極性溶媒に分散させた分
散組成物からなる鉛蓄電池用活性化剤において、表面改
質微小炭素ファイバーが、その表面に酸素1〜20重量
%とともに、硫黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ素より
選ばれた1種又は2種以上を0.1〜2.0重量%含
み、かつ外径3.5〜400nm、アスペクト比5〜1
000、BET比表面積30〜1000m 2/gを有す
ることを特徴とする鉛蓄電池用活性化剤である。請求項
1に係る発明では、上記条件を満たす表面改質微小炭素
ファイバーを極性溶媒に分散させた分散組成物からなる
鉛蓄電池用活性化剤は、液中での微小炭素ファイバーの
分散性が高いので、電解液として用いても沈降物が形成
されないため、持続性に優れる。また、鉛蓄電池を充放
電させた際に表面改質微小炭素ファイバーが負極活物質
表面に対して良好な付着性及び密着性を有し、網目状に
形成するため、この網目状に形成された表面改質微小炭
素ファイバーにより、活物質が電極から脱落することを
防止するので、鉛蓄電池の充放電効率を向上できる。ま
た、表面改質微小炭素ファイバーが上記条件を満たす形
状を有し、かつ負極表面に網目状に形成するため、硫酸
鉛結晶が巨大化し、不活性化するサルフェーションの発
生を防止できる。更に、負極表面に網目状に形成された
上記条件を満たす形状を有する表面改質微小炭素ファイ
バーは、従来の炭素微粉末により形成されたネットワー
クに比べて導電性が大幅に向上するため、活物質表面の
活性を長期に渡って維持でき、電池の延命効果及び充電
再生効果に優れる。本発明の鉛蓄電池用活性化剤に含ま
れる表面改質微小炭素ファイバーの好ましい条件は、そ
の表面に酸素が2〜15重量%、硫黄と窒素を0.2〜
1.0重量%含み、かつ外径が10〜100nm、アス
ペクト比が20〜100、BET比表面積が30〜30
0m2/gである。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、極性溶媒が硫酸水溶液である鉛蓄電池用活
性化剤である。請求項2に係る発明では、極性溶媒が、
硫酸水溶液であると鉛蓄電池に添加する際の電解液の調
製が容易となる。
明であって、極性溶媒が硫酸水溶液である鉛蓄電池用活
性化剤である。請求項2に係る発明では、極性溶媒が、
硫酸水溶液であると鉛蓄電池に添加する際の電解液の調
製が容易となる。
【0012】請求項3に係る発明は、請求項1又は2に
係る発明であって、分散組成物が極性溶媒50〜99.
996重量%、表面改質微小炭素ファイバー50〜0.
004重量%の割合で配合された鉛蓄電池用活性化剤で
ある。請求項3に係る発明では、分散組成物は極性溶媒
50〜99.996重量%、表面改質微小炭素ファイバ
ー50〜0.004重量%の割合で配合される。好まし
い配合割合は極性溶媒70〜99.995重量%、表面
改質微小炭素ファイバー30〜0.005重量%であ
る。
係る発明であって、分散組成物が極性溶媒50〜99.
996重量%、表面改質微小炭素ファイバー50〜0.
004重量%の割合で配合された鉛蓄電池用活性化剤で
ある。請求項3に係る発明では、分散組成物は極性溶媒
50〜99.996重量%、表面改質微小炭素ファイバ
ー50〜0.004重量%の割合で配合される。好まし
い配合割合は極性溶媒70〜99.995重量%、表面
改質微小炭素ファイバー30〜0.005重量%であ
る。
【0013】請求項4に係る発明は、請求項1ないし3
いずれかに係る発明であって、表面改質微小炭素ファイ
バーが、硫黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ素より選ば
れた1種又は2種以上を含む酸化作用を有する強酸を含
む表面処理液、又は硫黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ
素より選ばれた1種又は2種以上の酸と酸化剤を含む酸
化作用を有する混酸を含む表面処理液によって微小炭素
ファイバーを表面処理し、微小炭素ファイバー表面に酸
素1〜20重量%とともに、硫黄、窒素、ホウ素、リン
及びフッ素より選ばれた1種又は2種以上を0.1〜
2.0重量%固定した表面改質微小炭素ファイバーであ
る鉛蓄電池用活性化剤である。請求項5に係る発明は、
請求項1ないし3いずれかに係る発明であって、表面改
質微小炭素ファイバーが、二酸化硫黄ガス、亜硫酸ガ
ス、亜硝酸ガス、硝酸性ガス及びフッ素ガスより選ばれ
た1種又は2種以上のガス、又は二酸化硫黄ガス、亜硫
酸ガス、亜硝酸ガス、硝酸性ガス及びフッ素ガスより選
ばれた1種又は2種以上のガスと酸素ガス、オゾンガス
及び二酸化炭素ガスより選ばれた1種又は2種以上の酸
素を含有するガスを接触させて微小炭素ファイバーを表
面処理し、微小炭素ファイバー表面に酸素1〜20重量
%とともに、硫黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ素より
選ばれた1種又は2種以上を0.1〜2.0重量%固定
した表面改質微小炭素ファイバーである鉛蓄電池用活性
化剤である。
いずれかに係る発明であって、表面改質微小炭素ファイ
バーが、硫黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ素より選ば
れた1種又は2種以上を含む酸化作用を有する強酸を含
む表面処理液、又は硫黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ
素より選ばれた1種又は2種以上の酸と酸化剤を含む酸
化作用を有する混酸を含む表面処理液によって微小炭素
ファイバーを表面処理し、微小炭素ファイバー表面に酸
素1〜20重量%とともに、硫黄、窒素、ホウ素、リン
及びフッ素より選ばれた1種又は2種以上を0.1〜
2.0重量%固定した表面改質微小炭素ファイバーであ
る鉛蓄電池用活性化剤である。請求項5に係る発明は、
請求項1ないし3いずれかに係る発明であって、表面改
質微小炭素ファイバーが、二酸化硫黄ガス、亜硫酸ガ
ス、亜硝酸ガス、硝酸性ガス及びフッ素ガスより選ばれ
た1種又は2種以上のガス、又は二酸化硫黄ガス、亜硫
酸ガス、亜硝酸ガス、硝酸性ガス及びフッ素ガスより選
ばれた1種又は2種以上のガスと酸素ガス、オゾンガス
及び二酸化炭素ガスより選ばれた1種又は2種以上の酸
素を含有するガスを接触させて微小炭素ファイバーを表
面処理し、微小炭素ファイバー表面に酸素1〜20重量
%とともに、硫黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ素より
選ばれた1種又は2種以上を0.1〜2.0重量%固定
した表面改質微小炭素ファイバーである鉛蓄電池用活性
化剤である。
【0014】請求項6に係る発明は、請求項4に係る発
明であって、微小炭素ファイバーを硫酸系強酸、ホウ
酸、ポリリン酸、リン酸、メタリン酸、次亜リン酸、亜
リン酸、次リン酸、又はフッ酸に酸化剤を添加した混酸
を含む表面処理液により表面改質処理した鉛蓄電池用活
性化剤である。請求項7に係る発明は、請求項4に係る
発明であって、微小炭素ファイバーを硫酸系強酸、ホウ
酸、ポリリン酸、リン酸、メタリン酸、次亜リン酸、亜
リン酸、次リン酸、又はフッ酸と硝酸との混酸を含む表
面処理液により表面改質処理した鉛蓄電池用活性化剤で
ある。
明であって、微小炭素ファイバーを硫酸系強酸、ホウ
酸、ポリリン酸、リン酸、メタリン酸、次亜リン酸、亜
リン酸、次リン酸、又はフッ酸に酸化剤を添加した混酸
を含む表面処理液により表面改質処理した鉛蓄電池用活
性化剤である。請求項7に係る発明は、請求項4に係る
発明であって、微小炭素ファイバーを硫酸系強酸、ホウ
酸、ポリリン酸、リン酸、メタリン酸、次亜リン酸、亜
リン酸、次リン酸、又はフッ酸と硝酸との混酸を含む表
面処理液により表面改質処理した鉛蓄電池用活性化剤で
ある。
【0015】酸化剤はクロム酸塩、溶存オゾン水、過酸
化物、塩素酸類、酸化物、ハロゲン類、塩化物、過マン
ガン酸塩又は硝酸塩から選択できる。具体的にはクロム
酸塩としては、クロム酸又は重クロム酸カリウムが挙げ
られ、過酸化物としては、過酸化水素水、過酸化バリウ
ム又は過酸化ベンゾイルが、塩素酸類としては、塩素酸
カリウム、過塩素酸カリウム、亜塩素酸ナトリウム又は
次亜塩素酸ナトリウムが挙げられる。
化物、塩素酸類、酸化物、ハロゲン類、塩化物、過マン
ガン酸塩又は硝酸塩から選択できる。具体的にはクロム
酸塩としては、クロム酸又は重クロム酸カリウムが挙げ
られ、過酸化物としては、過酸化水素水、過酸化バリウ
ム又は過酸化ベンゾイルが、塩素酸類としては、塩素酸
カリウム、過塩素酸カリウム、亜塩素酸ナトリウム又は
次亜塩素酸ナトリウムが挙げられる。
【0016】また酸化物としては、酸化銅、酸化第一
鉄、酸化第二鉄又は酸化亜鉛等が、ハロゲン類として
は、塩素、臭素又はフッ素が、塩化物としては、塩化第
二鉄又は塩化第二銅が選択される。更に過マンガン酸塩
としては、過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸ナト
リウムが、硝酸塩としては、硝酸、硝酸カリウム、硝酸
ナトリウム、硝酸パラジウム、硝酸銀、硝酸カルシウム
又は硝酸マグネシウムが選択される。硫酸系強酸として
は、硫酸、発煙硫酸、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、ホウ
酸硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸又はスルファミ
ン酸が選ばれる。
鉄、酸化第二鉄又は酸化亜鉛等が、ハロゲン類として
は、塩素、臭素又はフッ素が、塩化物としては、塩化第
二鉄又は塩化第二銅が選択される。更に過マンガン酸塩
としては、過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸ナト
リウムが、硝酸塩としては、硝酸、硝酸カリウム、硝酸
ナトリウム、硝酸パラジウム、硝酸銀、硝酸カルシウム
又は硝酸マグネシウムが選択される。硫酸系強酸として
は、硫酸、発煙硫酸、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、ホウ
酸硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸又はスルファミ
ン酸が選ばれる。
【0017】請求項18に係る発明は、正極と負極と電
解液とを備え、電解液が請求項1ないし17いずれか記
載の鉛蓄電池用活性化剤を含有したことを特徴とする鉛
蓄電池である。請求項18に係る発明では、電解液に請
求項1ないし17いずれか記載の鉛蓄電池用活性化剤を
含有した鉛蓄電池は、充放電効率の向上と、長寿命化が
実現できる。
解液とを備え、電解液が請求項1ないし17いずれか記
載の鉛蓄電池用活性化剤を含有したことを特徴とする鉛
蓄電池である。請求項18に係る発明では、電解液に請
求項1ないし17いずれか記載の鉛蓄電池用活性化剤を
含有した鉛蓄電池は、充放電効率の向上と、長寿命化が
実現できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の微小炭素ファイバーの製
造方法には、アーク放電法やレーザーアブレーション
法、気相合成法、化学気相成長法等が挙げられる。これ
らの方法の中でも量産性を加味すると、気相合成法が好
ましい。また、微小炭素ファイバーの形状として、一般
的にこれらの粉末は、グラファイト層が幾層にも積層し
た構造を有していることが多い。これらの積層方向は、
ファイバーの長さ軸に対して円柱状に同心円状に積層し
ている所謂カーボンナノチューブ構造や、ある角度を有
した構造、また、このようなグラファイト構造が十分に
得られていない、乱層構造を持つものでも良い。
造方法には、アーク放電法やレーザーアブレーション
法、気相合成法、化学気相成長法等が挙げられる。これ
らの方法の中でも量産性を加味すると、気相合成法が好
ましい。また、微小炭素ファイバーの形状として、一般
的にこれらの粉末は、グラファイト層が幾層にも積層し
た構造を有していることが多い。これらの積層方向は、
ファイバーの長さ軸に対して円柱状に同心円状に積層し
ている所謂カーボンナノチューブ構造や、ある角度を有
した構造、また、このようなグラファイト構造が十分に
得られていない、乱層構造を持つものでも良い。
【0019】次に本発明の実施の形態を説明する。本発
明の鉛蓄電池用活性化剤は、表面改質微小炭素ファイバ
ーを極性溶媒に分散させた分散組成物からなる。その特
徴ある構成は、表面改質微小炭素ファイバーが、その表
面に酸素1〜20重量%とともに、硫黄、窒素、ホウ
素、リン及びフッ素より選ばれた1種又は2種以上を
0.1〜2.0重量%含み、かつ外径3.5〜400n
m、アスペクト比5〜1000、BET比表面積30〜
1000m2/gを有するところにある。微小炭素ファ
イバーの表面に酸素とともに、硫黄、窒素、ホウ素、リ
ン及びフッ素より選ばれた1種又は2種以上を所定量そ
れぞれ含むことにより、この表面処理微小炭素ファイバ
ーは親水性となり、電解液等の極性溶媒に添加した場
合、液中に均一に分散した懸濁液となる。
明の鉛蓄電池用活性化剤は、表面改質微小炭素ファイバ
ーを極性溶媒に分散させた分散組成物からなる。その特
徴ある構成は、表面改質微小炭素ファイバーが、その表
面に酸素1〜20重量%とともに、硫黄、窒素、ホウ
素、リン及びフッ素より選ばれた1種又は2種以上を
0.1〜2.0重量%含み、かつ外径3.5〜400n
m、アスペクト比5〜1000、BET比表面積30〜
1000m2/gを有するところにある。微小炭素ファ
イバーの表面に酸素とともに、硫黄、窒素、ホウ素、リ
ン及びフッ素より選ばれた1種又は2種以上を所定量そ
れぞれ含むことにより、この表面処理微小炭素ファイバ
ーは親水性となり、電解液等の極性溶媒に添加した場
合、液中に均一に分散した懸濁液となる。
【0020】この表面改質微小炭素ファイバーを極性溶
媒に分散させた本発明の鉛蓄電池用活性化剤を鉛蓄電池
の電解液として用いた場合、図2に示すように、鉛蓄電
池10は、電解液11中に正極12と、負極13とをそ
れぞれ浸した構造を有する。正極12は表面に酸化鉛が
形成された鉛からなり、負極13は鉛からなる。電解液
11は、希硫酸11a中に表面改質微小炭素ファイバー
11bが均一に分散した懸濁液となる。本発明の鉛蓄電
池用活性化剤を用いると、液中での微小炭素ファイバー
の分散性が高いので、沈降物が形成されないため、持続
性に優れる。
媒に分散させた本発明の鉛蓄電池用活性化剤を鉛蓄電池
の電解液として用いた場合、図2に示すように、鉛蓄電
池10は、電解液11中に正極12と、負極13とをそ
れぞれ浸した構造を有する。正極12は表面に酸化鉛が
形成された鉛からなり、負極13は鉛からなる。電解液
11は、希硫酸11a中に表面改質微小炭素ファイバー
11bが均一に分散した懸濁液となる。本発明の鉛蓄電
池用活性化剤を用いると、液中での微小炭素ファイバー
の分散性が高いので、沈降物が形成されないため、持続
性に優れる。
【0021】図1に示すように、本発明の鉛蓄電池用活
性化剤を用いた鉛蓄電池に5分以上、1〜2Vの電圧を
印加すると、負極13表面の鉛(図1(a))は、前述
した式(1)に示す反応が進んで、硫酸鉛となるととも
に、電解液中に懸濁していた表面改質微小炭素ファイバ
ー11bが負極13表面に付着(電着)する。この時、
表面改質微小炭素ファイバーの特徴的な形状により、電
着した表面改質微小炭素ファイバー11bは負極13表
面の硫酸鉛の間に網目状に形成される(図1(b))。
この負極13表面に網目状に形成された表面改質微小炭
素ファイバー11bによって、従来の微小炭素ファイバ
ーに比べ大幅に電極活物質の導電性が高まる。また、こ
の網目状に形成された表面改質微小炭素ファイバーによ
り、活物質が電極から脱落することを防止するので、鉛
蓄電池の充放電効率を向上できる。充電時には、式
(2)に示す逆反応が起こり、負極13表面の硫酸鉛は
鉛に戻るが、従来は導電性のない硫酸鉛によって充電受
入性が低下し、充電によっても回復しなくなるサルフェ
ーションが発生していたが、本発明の鉛蓄電池用活性化
剤を用いると、上記条件を満たす形状を有する表面改質
微小炭素ファイバー11bが網目状に電着しているた
め、硫酸鉛によって負極13表面が覆われることがな
く、常に導電性を保っていられるため、不活性化するサ
ルフェーションの発生を防止できる。更に、負極表面に
網目状に形成された上記条件を満たす形状を有する表面
改質微小炭素ファイバーは、従来の炭素微粉末により形
成されたネットワークに比べて導電性が大幅に向上する
ため、活物質表面の活性を長期に渡って維持でき、電池
の延命効果及び充電再生効果に優れる。
性化剤を用いた鉛蓄電池に5分以上、1〜2Vの電圧を
印加すると、負極13表面の鉛(図1(a))は、前述
した式(1)に示す反応が進んで、硫酸鉛となるととも
に、電解液中に懸濁していた表面改質微小炭素ファイバ
ー11bが負極13表面に付着(電着)する。この時、
表面改質微小炭素ファイバーの特徴的な形状により、電
着した表面改質微小炭素ファイバー11bは負極13表
面の硫酸鉛の間に網目状に形成される(図1(b))。
この負極13表面に網目状に形成された表面改質微小炭
素ファイバー11bによって、従来の微小炭素ファイバ
ーに比べ大幅に電極活物質の導電性が高まる。また、こ
の網目状に形成された表面改質微小炭素ファイバーによ
り、活物質が電極から脱落することを防止するので、鉛
蓄電池の充放電効率を向上できる。充電時には、式
(2)に示す逆反応が起こり、負極13表面の硫酸鉛は
鉛に戻るが、従来は導電性のない硫酸鉛によって充電受
入性が低下し、充電によっても回復しなくなるサルフェ
ーションが発生していたが、本発明の鉛蓄電池用活性化
剤を用いると、上記条件を満たす形状を有する表面改質
微小炭素ファイバー11bが網目状に電着しているた
め、硫酸鉛によって負極13表面が覆われることがな
く、常に導電性を保っていられるため、不活性化するサ
ルフェーションの発生を防止できる。更に、負極表面に
網目状に形成された上記条件を満たす形状を有する表面
改質微小炭素ファイバーは、従来の炭素微粉末により形
成されたネットワークに比べて導電性が大幅に向上する
ため、活物質表面の活性を長期に渡って維持でき、電池
の延命効果及び充電再生効果に優れる。
【0022】本発明の鉛蓄電池用活性化剤に含まれる表
面改質微小炭素ファイバーの表面に酸素とともに、硫
黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ素より選ばれた1種又
は2種以上を所定量それぞれ含むとは、これらの元素が
微小炭素ファイバーの少なくとも表面組織に固定されて
いることをいう。従って、微小炭素ファイバー表面に単
に吸着されているものとは異なり、例えば、煮沸洗浄し
ても実質的に溶出しない。具体的には、表面改質微小炭
素ファイバーを蒸留水に加えて煮沸し、冷却後に濾過し
て、濾紙上に残った微小炭素ファイバーを乾燥し、その
含有量を調べると、含有量は試験前と実質的に変わら
ず、また、濾液中の硫黄、窒素等の量はいずれも0.0
1重量%以下であり、溶出しない。
面改質微小炭素ファイバーの表面に酸素とともに、硫
黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ素より選ばれた1種又
は2種以上を所定量それぞれ含むとは、これらの元素が
微小炭素ファイバーの少なくとも表面組織に固定されて
いることをいう。従って、微小炭素ファイバー表面に単
に吸着されているものとは異なり、例えば、煮沸洗浄し
ても実質的に溶出しない。具体的には、表面改質微小炭
素ファイバーを蒸留水に加えて煮沸し、冷却後に濾過し
て、濾紙上に残った微小炭素ファイバーを乾燥し、その
含有量を調べると、含有量は試験前と実質的に変わら
ず、また、濾液中の硫黄、窒素等の量はいずれも0.0
1重量%以下であり、溶出しない。
【0023】微小炭素ファイバーに含まれる酸素量は、
1〜20重量%が適当であり、より好ましくは2〜15
重量%である。微小炭素ファイバーに含まれる酸素量が
下限値未満であると、親水性を有さず、上限値を越えて
もその効果は変わらない。酸素とともに含まれる硫黄、
窒素、ホウ素、リン及びフッ素より選ばれた1種の量又
は2種以上の合計量は、0.1〜2.0重量%が適当で
あり、より好ましくは0.2〜1.5重量%である。微
小炭素ファイバーに含まれる硫黄、窒素、ホウ素、リン
及びフッ素より選ばれた1種の量又は2種以上の合計量
が下限値未満であると、電解液中での分散性が劣り、上
限値を越えると分散性が著しく低下するので好ましくな
い。
1〜20重量%が適当であり、より好ましくは2〜15
重量%である。微小炭素ファイバーに含まれる酸素量が
下限値未満であると、親水性を有さず、上限値を越えて
もその効果は変わらない。酸素とともに含まれる硫黄、
窒素、ホウ素、リン及びフッ素より選ばれた1種の量又
は2種以上の合計量は、0.1〜2.0重量%が適当で
あり、より好ましくは0.2〜1.5重量%である。微
小炭素ファイバーに含まれる硫黄、窒素、ホウ素、リン
及びフッ素より選ばれた1種の量又は2種以上の合計量
が下限値未満であると、電解液中での分散性が劣り、上
限値を越えると分散性が著しく低下するので好ましくな
い。
【0024】次に、本発明の鉛蓄電池用活性化剤の製造
方法について説明する。先ず、微小炭素ファイバーの表
面を表面処理して表面改質微小炭素ファイバーを作製す
る。本発明の鉛蓄電池用活性化剤に用いられる表面改質
微小炭素ファイバーは、外径が3.5〜400nm、ア
スペクト比が5〜1000、BET比表面積が30〜1
000m2/gを有する微小炭素ファイバーを、硫黄、
窒素、ホウ素、リン及びフッ素より選ばれた1種又は2
種以上を含む酸化作用を有する強酸を含む表面処理液、
又は硫黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ素より選ばれた
1種又は2種以上の酸と酸化剤を含む酸化作用を有する
混酸を含む表面処理液によって表面処理することにより
得られる。
方法について説明する。先ず、微小炭素ファイバーの表
面を表面処理して表面改質微小炭素ファイバーを作製す
る。本発明の鉛蓄電池用活性化剤に用いられる表面改質
微小炭素ファイバーは、外径が3.5〜400nm、ア
スペクト比が5〜1000、BET比表面積が30〜1
000m2/gを有する微小炭素ファイバーを、硫黄、
窒素、ホウ素、リン及びフッ素より選ばれた1種又は2
種以上を含む酸化作用を有する強酸を含む表面処理液、
又は硫黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ素より選ばれた
1種又は2種以上の酸と酸化剤を含む酸化作用を有する
混酸を含む表面処理液によって表面処理することにより
得られる。
【0025】また、微小炭素ファイバーに、二酸化硫黄
ガス、亜硫酸ガス、亜硝酸ガス、硝酸性ガス及びフッ素
ガスより選ばれた1種又は2種以上のガス、又は二酸化
硫黄ガス、亜硫酸ガス、亜硝酸ガス、硝酸性ガス及びフ
ッ素ガスより選ばれた1種又は2種以上のガスと酸素ガ
ス、オゾンガス及び二酸化炭素ガスより選ばれた1種又
は2種以上の酸素を含有するガスを接触させて表面処理
することによっても得られる。
ガス、亜硫酸ガス、亜硝酸ガス、硝酸性ガス及びフッ素
ガスより選ばれた1種又は2種以上のガス、又は二酸化
硫黄ガス、亜硫酸ガス、亜硝酸ガス、硝酸性ガス及びフ
ッ素ガスより選ばれた1種又は2種以上のガスと酸素ガ
ス、オゾンガス及び二酸化炭素ガスより選ばれた1種又
は2種以上の酸素を含有するガスを接触させて表面処理
することによっても得られる。
【0026】微小炭素ファイバーの外径は3.5〜40
0nmの範囲内が適当であり、好ましくは10〜100
nmである。アスペクト比は5〜1000の範囲内が適
当であり、好ましくは20〜100である。BET比表
面積は30〜1000m2/gの範囲内が適当であり、
好ましくは30〜300m2/gである。微小炭素ファ
イバーの外径、アスペクト比、BET比表面積が下限値
未満であると分散性が低く、粒径の調整も難しくなる。
また、上限値を越えると分散性が低下するので好ましく
ない。
0nmの範囲内が適当であり、好ましくは10〜100
nmである。アスペクト比は5〜1000の範囲内が適
当であり、好ましくは20〜100である。BET比表
面積は30〜1000m2/gの範囲内が適当であり、
好ましくは30〜300m2/gである。微小炭素ファ
イバーの外径、アスペクト比、BET比表面積が下限値
未満であると分散性が低く、粒径の調整も難しくなる。
また、上限値を越えると分散性が低下するので好ましく
ない。
【0027】表面処理液に含まれる硫黄、窒素、ホウ
素、リン及びフッ素より選ばれた1種又は2種以上を含
む酸化作用を有する強酸としては、濃硫酸、発煙硫酸、
無水硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロ硫
酸、濃硝酸、リン酸、フッ酸等が挙げられる。これらの
強酸は酸化作用が強いため、酸化剤を用いることなく、
強酸のみで微小炭素ファイバーを表面処理できる。また
更にこれらの強酸を2種以上混合した強酸は特に酸化作
用が強いため、より容易に表面処理ができる。
素、リン及びフッ素より選ばれた1種又は2種以上を含
む酸化作用を有する強酸としては、濃硫酸、発煙硫酸、
無水硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フルオロ硫
酸、濃硝酸、リン酸、フッ酸等が挙げられる。これらの
強酸は酸化作用が強いため、酸化剤を用いることなく、
強酸のみで微小炭素ファイバーを表面処理できる。また
更にこれらの強酸を2種以上混合した強酸は特に酸化作
用が強いため、より容易に表面処理ができる。
【0028】また、表面処理液に含まれる硫黄、窒素、
ホウ素、リン及びフッ素より選ばれた1種又は2種以上
の酸と酸化剤を含む酸化作用を有する混酸としては、硫
酸系強酸、ホウ酸、ポリリン酸、リン酸、メタリン酸、
次亜リン酸、亜リン酸、次リン酸、又はフッ酸に酸化剤
を添加した混酸、或いは上記に挙げた酸と硝酸との混酸
が挙げられる。
ホウ素、リン及びフッ素より選ばれた1種又は2種以上
の酸と酸化剤を含む酸化作用を有する混酸としては、硫
酸系強酸、ホウ酸、ポリリン酸、リン酸、メタリン酸、
次亜リン酸、亜リン酸、次リン酸、又はフッ酸に酸化剤
を添加した混酸、或いは上記に挙げた酸と硝酸との混酸
が挙げられる。
【0029】具体的には、硫黄を含む酸としては、硫酸
が代表的であり、本発明では硫酸又は硫酸より酸性の強
い無機酸又は有機酸を用いることができる。硫酸より酸
性の強い所謂超強酸といわれる硫酸系強酸としては、発
煙硫酸、無水硫酸、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、ホウ酸
硫酸[HB(HSO4)4]、トリフルオロメタンスルホン
酸、スルファミン酸等が挙げられる。酸化剤を加えた硫
酸系強酸として、最も一般的なものは硫酸と硝酸とを混
合した硝硫酸である。窒素を含む酸としては、硝酸、濃
硝酸、発煙硝酸、ニトロ安息香酸等が挙げられる。ホウ
素を含む酸としては、上記ホウ酸硫酸やホウ酸化合物
[HB(OC2H5)4]等が挙げられる。リンを含む酸と
しては、ポリリン酸[(PnO3n+1)(n+2)-(n≧
2)]、リン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸等が挙げら
れる。フッ素を含む酸としては、フルオロ硫酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸、マジック酸、フッ酸、ホウフ
ッ酸等が挙げられる。
が代表的であり、本発明では硫酸又は硫酸より酸性の強
い無機酸又は有機酸を用いることができる。硫酸より酸
性の強い所謂超強酸といわれる硫酸系強酸としては、発
煙硫酸、無水硫酸、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、ホウ酸
硫酸[HB(HSO4)4]、トリフルオロメタンスルホン
酸、スルファミン酸等が挙げられる。酸化剤を加えた硫
酸系強酸として、最も一般的なものは硫酸と硝酸とを混
合した硝硫酸である。窒素を含む酸としては、硝酸、濃
硝酸、発煙硝酸、ニトロ安息香酸等が挙げられる。ホウ
素を含む酸としては、上記ホウ酸硫酸やホウ酸化合物
[HB(OC2H5)4]等が挙げられる。リンを含む酸と
しては、ポリリン酸[(PnO3n+1)(n+2)-(n≧
2)]、リン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸等が挙げら
れる。フッ素を含む酸としては、フルオロ硫酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸、マジック酸、フッ酸、ホウフ
ッ酸等が挙げられる。
【0030】酸化剤としては、酸と混合した混酸中で酸
化作用を有する任意の酸化剤を使用することができ、ク
ロム酸塩、溶存オゾン水、過酸化物、塩素酸類、酸化
物、ハロゲン類、塩化物、過マンガン酸塩、硝酸塩等か
ら選択できる。具体例としては、クロム酸塩としてはク
ロム酸、重クロム酸カリウム等が挙げられ、過酸化物と
しては過酸化水素水、過酸化バリウム、過酸化ベンゾイ
ル等が、塩素酸類としては塩素酸カリウム、過塩素酸カ
リウム、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム等
が挙げられる。また酸化物としては酸化銅、酸化第一
鉄、酸化第二鉄、酸化亜鉛等が、ハロゲン類としては塩
素、臭素、フッ素等が、塩化物としては塩化第二鉄、塩
化第二銅等が挙げられる。更に、過マンガン酸塩として
は過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸ナトリウム
が、硝酸塩としては硝酸、硝酸カリウム、硝酸ナトリウ
ム、硝酸パラジウム、硝酸銀、硝酸カルシウム又は硝酸
マグネシウム等が挙げられる。これらの中では硝酸が酸
化剤として好ましく、濃度が30重量%以上の硝酸水溶
液が好ましい。ホウ酸やリン酸は弱酸であるが、酸化剤
として硝酸をこれらの弱酸より多量に混合することによ
り酸化作用を有する混酸として用いることができる。例
えば、1モルのホウ酸或いは1モルのリン酸に対して、
5〜100モルの硝酸を混合することにより、酸化作用
を有する混酸として表面処理に使用できる。
化作用を有する任意の酸化剤を使用することができ、ク
ロム酸塩、溶存オゾン水、過酸化物、塩素酸類、酸化
物、ハロゲン類、塩化物、過マンガン酸塩、硝酸塩等か
ら選択できる。具体例としては、クロム酸塩としてはク
ロム酸、重クロム酸カリウム等が挙げられ、過酸化物と
しては過酸化水素水、過酸化バリウム、過酸化ベンゾイ
ル等が、塩素酸類としては塩素酸カリウム、過塩素酸カ
リウム、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム等
が挙げられる。また酸化物としては酸化銅、酸化第一
鉄、酸化第二鉄、酸化亜鉛等が、ハロゲン類としては塩
素、臭素、フッ素等が、塩化物としては塩化第二鉄、塩
化第二銅等が挙げられる。更に、過マンガン酸塩として
は過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸ナトリウム
が、硝酸塩としては硝酸、硝酸カリウム、硝酸ナトリウ
ム、硝酸パラジウム、硝酸銀、硝酸カルシウム又は硝酸
マグネシウム等が挙げられる。これらの中では硝酸が酸
化剤として好ましく、濃度が30重量%以上の硝酸水溶
液が好ましい。ホウ酸やリン酸は弱酸であるが、酸化剤
として硝酸をこれらの弱酸より多量に混合することによ
り酸化作用を有する混酸として用いることができる。例
えば、1モルのホウ酸或いは1モルのリン酸に対して、
5〜100モルの硝酸を混合することにより、酸化作用
を有する混酸として表面処理に使用できる。
【0031】この表面処理に用いる酸は、100%溶液
でも、溶媒で希釈した溶液のどちらを用いてもよい。希
釈溶媒としては、通常は水が用いられるが、表面処理に
用いる酸や酸化剤と反応しないものであれば、有機溶媒
等でも良い。このような有機溶媒の例としては、低級脂
肪族カルボン酸(酢酸等)、スルホン酸(ベンゼンスル
ホン酸、トルエンスルホン酸等)、ハロゲン化芳香族炭
化水素(クロロトルエン等)、ニトロ化溶媒(ニトロメ
タン、ニトロトルエン、ニトロベンゼン等)等が挙げら
れる。処理溶液の濃度は、例えば硫酸の場合では、25
重量%以上が適当であり、好ましくは50重量%以上、
より好ましくは90重量%以上である。他の酸を用いた
処理溶液の場合には、上述した硫酸水溶液の濃度に対応
する酸性度になる濃度であればよい。また、酸性度が高
ければ上述した硫酸濃度より低濃度でも良い。この表面
処理液の酸性度が高いほど微小炭素ファイバーに導入さ
れる酸素、酸素とともに導入される硫黄や窒素等の割合
が高くなる。
でも、溶媒で希釈した溶液のどちらを用いてもよい。希
釈溶媒としては、通常は水が用いられるが、表面処理に
用いる酸や酸化剤と反応しないものであれば、有機溶媒
等でも良い。このような有機溶媒の例としては、低級脂
肪族カルボン酸(酢酸等)、スルホン酸(ベンゼンスル
ホン酸、トルエンスルホン酸等)、ハロゲン化芳香族炭
化水素(クロロトルエン等)、ニトロ化溶媒(ニトロメ
タン、ニトロトルエン、ニトロベンゼン等)等が挙げら
れる。処理溶液の濃度は、例えば硫酸の場合では、25
重量%以上が適当であり、好ましくは50重量%以上、
より好ましくは90重量%以上である。他の酸を用いた
処理溶液の場合には、上述した硫酸水溶液の濃度に対応
する酸性度になる濃度であればよい。また、酸性度が高
ければ上述した硫酸濃度より低濃度でも良い。この表面
処理液の酸性度が高いほど微小炭素ファイバーに導入さ
れる酸素、酸素とともに導入される硫黄や窒素等の割合
が高くなる。
【0032】表面処理液の酸に対する酸化剤の添加量
は、酸と酸化剤の種類によっても異なるが、溶媒を含ま
ない含有量基準で、酸化剤/酸のモル比が0.001〜
100となる範囲が好ましく、0.1〜20がより好ま
しい。例えば、硫酸に酸化剤として硝酸を加えた硝硫酸
の場合には、1モルの硫酸に対して0.001〜100
モルの硝酸、好ましくは0.1〜20モルの硝酸を混合
したものが適当である。また、微小炭素ファイバーに対
する酸化剤の添加量は、酸化剤/微小炭素ファイバー重
量比が0.01以上となる量が好ましく、0.1以上が
より好ましい。
は、酸と酸化剤の種類によっても異なるが、溶媒を含ま
ない含有量基準で、酸化剤/酸のモル比が0.001〜
100となる範囲が好ましく、0.1〜20がより好ま
しい。例えば、硫酸に酸化剤として硝酸を加えた硝硫酸
の場合には、1モルの硫酸に対して0.001〜100
モルの硝酸、好ましくは0.1〜20モルの硝酸を混合
したものが適当である。また、微小炭素ファイバーに対
する酸化剤の添加量は、酸化剤/微小炭素ファイバー重
量比が0.01以上となる量が好ましく、0.1以上が
より好ましい。
【0033】微小炭素ファイバーの表面処理は室温から
沸点までの温度範囲内で行うことができる。概ね60〜
180℃の加熱下での処理が適当である。処理中の液の
撹拌は必ずしも要しない。表面処理は微小炭素ファイバ
ーに所定量の酸素及び硫黄や窒素などが導入されるまで
行う。処理完了の目安は、例えば酸化剤が硝酸又は硝酸
塩である場合、硝酸の還元生成物である亜硝酸の大気へ
の発散が見られなくなることで判定できる。処理温度が
高いほど処理時間は短くなり、例えば処理温度70℃で
は数時間要するのに対し、140℃では数十分程度の時
間で処理が完了する場合もある。
沸点までの温度範囲内で行うことができる。概ね60〜
180℃の加熱下での処理が適当である。処理中の液の
撹拌は必ずしも要しない。表面処理は微小炭素ファイバ
ーに所定量の酸素及び硫黄や窒素などが導入されるまで
行う。処理完了の目安は、例えば酸化剤が硝酸又は硝酸
塩である場合、硝酸の還元生成物である亜硝酸の大気へ
の発散が見られなくなることで判定できる。処理温度が
高いほど処理時間は短くなり、例えば処理温度70℃で
は数時間要するのに対し、140℃では数十分程度の時
間で処理が完了する場合もある。
【0034】また、上記した酸化作用を有する強酸を含
む表面処理液や、酸と酸化剤を含む酸化作用を有する混
酸を含む表面処理液を用いて微小炭素ファイバーの表面
を処理する湿式処理の他に、目的の元素を含有するガス
を用いた乾式処理により、微小炭素ファイバーの表面を
処理しても良い。即ち、酸素ガス、二酸化炭素ガス及び
二酸化硫黄ガス等の中から選んだ少なくとも1種類のガ
スとフッ素ガスとの混合ガスを微小炭素ファイバーに接
触させてフッ素を微小炭素ファイバーに導入する。これ
は窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスで希釈したも
のでも良い。なお、微小炭素ファイバーに二酸化硫黄ガ
スを予め付着させた後にフッ素ガスを接触させる方法に
よれば、より効率的で均一に処理することができる。
む表面処理液や、酸と酸化剤を含む酸化作用を有する混
酸を含む表面処理液を用いて微小炭素ファイバーの表面
を処理する湿式処理の他に、目的の元素を含有するガス
を用いた乾式処理により、微小炭素ファイバーの表面を
処理しても良い。即ち、酸素ガス、二酸化炭素ガス及び
二酸化硫黄ガス等の中から選んだ少なくとも1種類のガ
スとフッ素ガスとの混合ガスを微小炭素ファイバーに接
触させてフッ素を微小炭素ファイバーに導入する。これ
は窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスで希釈したも
のでも良い。なお、微小炭素ファイバーに二酸化硫黄ガ
スを予め付着させた後にフッ素ガスを接触させる方法に
よれば、より効率的で均一に処理することができる。
【0035】上記した方法により表面改質した微小炭素
ファイバーを用いて分散組成物を調製する。分散組成物
は極性溶媒50〜99.996重量%、表面改質微小炭
素ファイバー50〜0.004重量%の割合で配合され
る。好ましい配合割合は、極性溶媒70〜99.995
重量%、表面改質微小炭素ファイバー30〜0.005
重量%である。極性溶媒の割合が下限値未満であると表
面改質微小炭素ファイバーの配合割合が多く、表面改質
微小炭素ファイバーが分散組成物中に沈降物として存在
してしまい、電気的短絡等の不具合を招く。極性溶媒の
割合が上限値を越えると表面改質微小炭素ファイバーを
添加した効果が得られない。
ファイバーを用いて分散組成物を調製する。分散組成物
は極性溶媒50〜99.996重量%、表面改質微小炭
素ファイバー50〜0.004重量%の割合で配合され
る。好ましい配合割合は、極性溶媒70〜99.995
重量%、表面改質微小炭素ファイバー30〜0.005
重量%である。極性溶媒の割合が下限値未満であると表
面改質微小炭素ファイバーの配合割合が多く、表面改質
微小炭素ファイバーが分散組成物中に沈降物として存在
してしまい、電気的短絡等の不具合を招く。極性溶媒の
割合が上限値を越えると表面改質微小炭素ファイバーを
添加した効果が得られない。
【0036】極性溶媒としては硫酸水溶液、水、アルコ
ール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロパノール、ブタノール等)、エーテル類(ジエチル
エーテル等)、ケトン類(メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、イソホロン等)、低級脂肪族カルボ
ン酸(酢酸等)、含窒素極性溶媒(N,N-ジメチルホルム
アミド、ヘキサメチルスルホニルアミド、ニトロメタ
ン、N-メチルピロリドン等)、含硫黄極性溶媒(ジメチ
ルスルホキシド等)等が挙げられる。極性溶媒は1種類
の単独溶媒でも良く、2種以上の混合溶媒のいずれでも
良い。また、少量(溶媒全体の50重量%以下)であれ
ば、使用する極性溶媒と相溶性のある非極性溶媒を混合
して用いてもよい。鉛蓄電池において、硫酸は活物質と
して働く電解液であるため、硫酸水溶液に微小炭素ファ
イバーを分散させたものは鉛蓄電池に添加する際の電解
液の調製が容易となるため好ましい。
ール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロパノール、ブタノール等)、エーテル類(ジエチル
エーテル等)、ケトン類(メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、イソホロン等)、低級脂肪族カルボ
ン酸(酢酸等)、含窒素極性溶媒(N,N-ジメチルホルム
アミド、ヘキサメチルスルホニルアミド、ニトロメタ
ン、N-メチルピロリドン等)、含硫黄極性溶媒(ジメチ
ルスルホキシド等)等が挙げられる。極性溶媒は1種類
の単独溶媒でも良く、2種以上の混合溶媒のいずれでも
良い。また、少量(溶媒全体の50重量%以下)であれ
ば、使用する極性溶媒と相溶性のある非極性溶媒を混合
して用いてもよい。鉛蓄電池において、硫酸は活物質と
して働く電解液であるため、硫酸水溶液に微小炭素ファ
イバーを分散させたものは鉛蓄電池に添加する際の電解
液の調製が容易となるため好ましい。
【0037】これらの分散組成物は、ペースト状又は液
状のいずれでも良い。液状の分散組成物は、電解液との
馴染みがよく、速やかにかつ均一に分散する利点があ
る。また、ペースト状の分散組成物は、電解液との馴染
みの良さを保ちながら、その添加量を極小量に抑えるこ
とができるので、電解液の濃度バランスを崩す懸念がな
い。
状のいずれでも良い。液状の分散組成物は、電解液との
馴染みがよく、速やかにかつ均一に分散する利点があ
る。また、ペースト状の分散組成物は、電解液との馴染
みの良さを保ちながら、その添加量を極小量に抑えるこ
とができるので、電解液の濃度バランスを崩す懸念がな
い。
【0038】充放電不能となった鉛蓄電池に本発明の鉛
蓄電池用活性化剤を添加することによって充放電能を再
生させることができる。具体的には、放電容量が定格容
量の50%未満に低下した鉛蓄電池に本発明の鉛蓄電池
用活性化剤を添加することにより、放電容量を定格容量
の50%以上に回復させることができる。
蓄電池用活性化剤を添加することによって充放電能を再
生させることができる。具体的には、放電容量が定格容
量の50%未満に低下した鉛蓄電池に本発明の鉛蓄電池
用活性化剤を添加することにより、放電容量を定格容量
の50%以上に回復させることができる。
【0039】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく
説明する。なお、表1に微小炭素ファイバーの形状と処
理液の種類と表面改質処理条件を示す。 <実施例1>外径400nm、アスペクト比5、BET
比表面積30m2/gの微小炭素ファイバー10gを用
意し、この微小炭素ファイバーを硫酸と硝酸を1モル:
1モルの割合で配合した処理液300gに混合して混合
液を作製した。この混合液を130℃で25分間加熱し
て、水洗、乾燥を行い、微小炭素ファイバーに表面改質
処理を行った。
説明する。なお、表1に微小炭素ファイバーの形状と処
理液の種類と表面改質処理条件を示す。 <実施例1>外径400nm、アスペクト比5、BET
比表面積30m2/gの微小炭素ファイバー10gを用
意し、この微小炭素ファイバーを硫酸と硝酸を1モル:
1モルの割合で配合した処理液300gに混合して混合
液を作製した。この混合液を130℃で25分間加熱し
て、水洗、乾燥を行い、微小炭素ファイバーに表面改質
処理を行った。
【0040】<実施例2>外径130nm、アスペクト
比680、BET比表面積86m2/gの微小炭素ファ
イバー20gを用意し、この微小炭素ファイバーをリン
酸と硝酸を1モル:40モルの割合で配合した処理液4
00gに混合して混合液を作製した。この混合液を80
℃で45分間加熱して、水洗、乾燥を行い、微小炭素フ
ァイバーに表面改質処理を行った。 <実施例3>外径58nm、アスペクト比300、BE
T比表面積124m2/gの微小炭素ファイバー20g
を用意し、この微小炭素ファイバーを硫酸と硝酸を1モ
ル:0.001モルの割合で配合した処理液500gに
混合して混合液を作製した。この混合液を120℃で3
0分間加熱して、水洗、乾燥を行い、微小炭素ファイバ
ーに表面改質処理を行った。 <実施例4>外径15nm、アスペクト比80、BET
比表面積289m2/gの微小炭素ファイバー20gを
用意し、この微小炭素ファイバーを硫酸と硝酸を1モ
ル:0.5モルの割合で配合した処理液500gに混合
して混合液を作製した。この混合液を140℃で15分
間加熱して、水洗、乾燥を行い、微小炭素ファイバーに
表面改質処理を行った。
比680、BET比表面積86m2/gの微小炭素ファ
イバー20gを用意し、この微小炭素ファイバーをリン
酸と硝酸を1モル:40モルの割合で配合した処理液4
00gに混合して混合液を作製した。この混合液を80
℃で45分間加熱して、水洗、乾燥を行い、微小炭素フ
ァイバーに表面改質処理を行った。 <実施例3>外径58nm、アスペクト比300、BE
T比表面積124m2/gの微小炭素ファイバー20g
を用意し、この微小炭素ファイバーを硫酸と硝酸を1モ
ル:0.001モルの割合で配合した処理液500gに
混合して混合液を作製した。この混合液を120℃で3
0分間加熱して、水洗、乾燥を行い、微小炭素ファイバ
ーに表面改質処理を行った。 <実施例4>外径15nm、アスペクト比80、BET
比表面積289m2/gの微小炭素ファイバー20gを
用意し、この微小炭素ファイバーを硫酸と硝酸を1モ
ル:0.5モルの割合で配合した処理液500gに混合
して混合液を作製した。この混合液を140℃で15分
間加熱して、水洗、乾燥を行い、微小炭素ファイバーに
表面改質処理を行った。
【0041】<実施例5>外径3.5nm、アスペクト
比1000、BET比表面積400m2/gの微小炭素
ファイバー20gを用意し、この微小炭素ファイバーを
硫酸と硝酸を1モル:5モルの割合で配合した処理液5
00gに混合して混合液を作製した。この混合液を70
℃で80分間加熱して、水洗、乾燥を行い、微小炭素フ
ァイバーに表面改質処理を行った。 <実施例6>外径30nm、アスペクト比40、BET
比表面積60m2/gの微小炭素ファイバー5gを用意
し、この微小炭素ファイバーをホウ酸と硝酸を1モル:
80モルの割合で配合した処理液300gに混合して混
合液を作製した。この混合液を80℃で60分間加熱し
て、水洗、乾燥を行い、微小炭素ファイバーに表面改質
処理を行った。 <実施例7>湿式処理に替えて、乾式処理として、外径
60nm、アスペクト比100、BET比表面積97m
2/gの微小炭素ファイバー30gを用意し、この微小
炭素ファイバーに3容積%のフッ素ガス、5容積%の酸
素ガス、5容積%の二硫化硫黄ガス及び5容積%の窒素
ガスを含む混合ガス3Lを30℃の環境下で15分間接
触させて、微小炭素ファイバーに表面改質処理を行っ
た。
比1000、BET比表面積400m2/gの微小炭素
ファイバー20gを用意し、この微小炭素ファイバーを
硫酸と硝酸を1モル:5モルの割合で配合した処理液5
00gに混合して混合液を作製した。この混合液を70
℃で80分間加熱して、水洗、乾燥を行い、微小炭素フ
ァイバーに表面改質処理を行った。 <実施例6>外径30nm、アスペクト比40、BET
比表面積60m2/gの微小炭素ファイバー5gを用意
し、この微小炭素ファイバーをホウ酸と硝酸を1モル:
80モルの割合で配合した処理液300gに混合して混
合液を作製した。この混合液を80℃で60分間加熱し
て、水洗、乾燥を行い、微小炭素ファイバーに表面改質
処理を行った。 <実施例7>湿式処理に替えて、乾式処理として、外径
60nm、アスペクト比100、BET比表面積97m
2/gの微小炭素ファイバー30gを用意し、この微小
炭素ファイバーに3容積%のフッ素ガス、5容積%の酸
素ガス、5容積%の二硫化硫黄ガス及び5容積%の窒素
ガスを含む混合ガス3Lを30℃の環境下で15分間接
触させて、微小炭素ファイバーに表面改質処理を行っ
た。
【0042】<比較例1>外径500nm、アスペクト
比1、BET比表面積60m2/gの炭素粉末20gを
用意し、この炭素粉末を硫酸と硝酸を1モル:1モルの
割合で配合した処理液500gに混合して混合液を作製
した。この混合液を130℃で30分間加熱して、水
洗、乾燥を行い、炭素粉末に表面改質処理を行った。 <比較例2>外径15nm、アスペクト比80、BET
比表面積300m2/gの微小炭素ファイバー20gを
用意し、この微小炭素ファイバーを処理液として発煙硫
酸500gに混合して混合液を作製した。この混合液を
80℃で120分間加熱して、水洗、乾燥を行い、微小
炭素ファイバーに表面改質処理を行った。
比1、BET比表面積60m2/gの炭素粉末20gを
用意し、この炭素粉末を硫酸と硝酸を1モル:1モルの
割合で配合した処理液500gに混合して混合液を作製
した。この混合液を130℃で30分間加熱して、水
洗、乾燥を行い、炭素粉末に表面改質処理を行った。 <比較例2>外径15nm、アスペクト比80、BET
比表面積300m2/gの微小炭素ファイバー20gを
用意し、この微小炭素ファイバーを処理液として発煙硫
酸500gに混合して混合液を作製した。この混合液を
80℃で120分間加熱して、水洗、乾燥を行い、微小
炭素ファイバーに表面改質処理を行った。
【0043】
【表1】
【0044】<比較評価1>実施例1〜7及び比較例1
〜2で表面改質処理を行った微小炭素ファイバー及び炭
素粉末を3分割し、そのうちの1つを元素分析装置によ
り、粉末中に含まれる元素の含有量をそれぞれ求めた。
また、そのうちの1つをイオン交換水にそれぞれ加え、
微小炭素ファイバー及び炭素粉末の含有量が1重量%の
分散液をそれぞれ調製した。調製した分散液に超音波に
よる分散処理を20分間行った後、分散液を1時間静置
し、この分散液中の沈降物の有無を目視により観測し、
分散液中での微小炭素ファイバー及び炭素粉末の分散性
を調べた。表2に微小炭素ファイバー及び炭素粉末に含
まれる元素の含有量とこの微小炭素ファイバー及び炭素
粉末を分散させた分散組成物の分散状態をそれぞれ示
す。
〜2で表面改質処理を行った微小炭素ファイバー及び炭
素粉末を3分割し、そのうちの1つを元素分析装置によ
り、粉末中に含まれる元素の含有量をそれぞれ求めた。
また、そのうちの1つをイオン交換水にそれぞれ加え、
微小炭素ファイバー及び炭素粉末の含有量が1重量%の
分散液をそれぞれ調製した。調製した分散液に超音波に
よる分散処理を20分間行った後、分散液を1時間静置
し、この分散液中の沈降物の有無を目視により観測し、
分散液中での微小炭素ファイバー及び炭素粉末の分散性
を調べた。表2に微小炭素ファイバー及び炭素粉末に含
まれる元素の含有量とこの微小炭素ファイバー及び炭素
粉末を分散させた分散組成物の分散状態をそれぞれ示
す。
【0045】
【表2】
【0046】表2より明らかなように、比較例1の炭素
粉末は分散性が低く、比較例2の微小炭素ファイバーは
分散性が劣っていた。これに対して実施例1〜7の微小
炭素ファイバーの分散性は良好で沈降物も見られなかっ
た。
粉末は分散性が低く、比較例2の微小炭素ファイバーは
分散性が劣っていた。これに対して実施例1〜7の微小
炭素ファイバーの分散性は良好で沈降物も見られなかっ
た。
【0047】<比較評価2>実施例1〜7及び比較例
1,2の微小炭素ファイバー及び炭素粉末の3分割した
うちの残りと硫酸及び蒸留水を混合し、0.01重量%
の微小炭素ファイバー及び炭素粉末と37.7重量%の
硫酸からなる分散組成物を作製した。この分散組成物を
電解液として、バイク用バッテリー6N2−2Aへ各1
60g注入し、このバッテリーを温度25℃に維持し、
1A放電、カットオフ5.25V、放電後休止30分、
0.5A充電2時間、放電後休止30分の条件で充放電
サイクル試験を行った。更に、放電容量が公称容量であ
る2Ahの40%まで低下した0.8Ahをバッテリー
の寿命と判断し、この時点でバッテリーから電解液を回
収し、電解液を濾過、乾燥して脱落活物質量を測定し
た。また、バイク用バッテリーに含まれる電解液をその
まま用いてサイクル試験を行い、バッテリー寿命到達後
における脱落活物質量を測定した(比較例3)。表3に
寿命到達サイクル数と寿命到達後脱落活物質量を、図3
に放電容量とサイクル数の関係をそれぞれ示す。
1,2の微小炭素ファイバー及び炭素粉末の3分割した
うちの残りと硫酸及び蒸留水を混合し、0.01重量%
の微小炭素ファイバー及び炭素粉末と37.7重量%の
硫酸からなる分散組成物を作製した。この分散組成物を
電解液として、バイク用バッテリー6N2−2Aへ各1
60g注入し、このバッテリーを温度25℃に維持し、
1A放電、カットオフ5.25V、放電後休止30分、
0.5A充電2時間、放電後休止30分の条件で充放電
サイクル試験を行った。更に、放電容量が公称容量であ
る2Ahの40%まで低下した0.8Ahをバッテリー
の寿命と判断し、この時点でバッテリーから電解液を回
収し、電解液を濾過、乾燥して脱落活物質量を測定し
た。また、バイク用バッテリーに含まれる電解液をその
まま用いてサイクル試験を行い、バッテリー寿命到達後
における脱落活物質量を測定した(比較例3)。表3に
寿命到達サイクル数と寿命到達後脱落活物質量を、図3
に放電容量とサイクル数の関係をそれぞれ示す。
【0048】
【表3】
【0049】表3及び図3より明らかなように、比較例
1〜2の微小炭素ファイバー及び炭素粉末を用いたバッ
テリーでは、既存の微小炭素ファイバーを含まないバッ
テリーよりもサイクル数が延び、寿命到達後の脱落活物
質量もそれぞれ低減しているが、それほど大きな効果は
得られていない。これに対して実施例1〜7の微小炭素
ファイバーを用いたバッテリーでは、サイクル数が大幅
に向上しており、更に寿命到達後の脱落活物質量は全く
検出されていないことが判る。
1〜2の微小炭素ファイバー及び炭素粉末を用いたバッ
テリーでは、既存の微小炭素ファイバーを含まないバッ
テリーよりもサイクル数が延び、寿命到達後の脱落活物
質量もそれぞれ低減しているが、それほど大きな効果は
得られていない。これに対して実施例1〜7の微小炭素
ファイバーを用いたバッテリーでは、サイクル数が大幅
に向上しており、更に寿命到達後の脱落活物質量は全く
検出されていないことが判る。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の鉛蓄電池用
活性化剤は、表面改質微小炭素ファイバーを極性溶媒に
分散させた分散組成物の改良であり、その特徴ある構成
は、表面改質微小炭素ファイバーが、その表面に酸素1
〜20重量%とともに、硫黄、窒素、ホウ素、リン及び
フッ素より選ばれた1種又は2種以上を0.1〜2.0
重量%含み、かつ外径3.5〜400nm、アスペクト
比5〜1000、BET比表面積30〜1000m2/
gを有するところにある。上記条件を満たす表面改質微
小炭素ファイバーを極性溶媒に分散させた分散組成物か
らなる鉛蓄電池用活性化剤は、液中での微小炭素ファイ
バーの分散性が高いので、電解液として用いても沈降物
が形成されないため、持続性に優れる。また、鉛蓄電池
を充放電させた際に表面改質微小炭素ファイバーが負極
活物質表面に対して良好な付着性及び密着性を有し、網
目状に形成するため、この網目状に形成された表面改質
微小炭素ファイバーにより、活物質が電極から脱落する
ことを防止するので、鉛蓄電池の充放電効率を向上でき
る。また、表面改質微小炭素ファイバーが上記条件を満
たす形状を有し、かつ負極表面に網目状に形成するた
め、硫酸鉛結晶が巨大化し、不活性化するサルフェーシ
ョンの発生を防止できる。更に、負極表面に網目状に形
成された上記条件を満たす形状を有する表面改質微小炭
素ファイバーは、従来の炭素微粉末により形成されたネ
ットワークに比べて導電性が大幅に向上するため、活物
質表面の活性を長期に渡って維持でき、電池の延命効果
及び充電再生効果に優れる。
活性化剤は、表面改質微小炭素ファイバーを極性溶媒に
分散させた分散組成物の改良であり、その特徴ある構成
は、表面改質微小炭素ファイバーが、その表面に酸素1
〜20重量%とともに、硫黄、窒素、ホウ素、リン及び
フッ素より選ばれた1種又は2種以上を0.1〜2.0
重量%含み、かつ外径3.5〜400nm、アスペクト
比5〜1000、BET比表面積30〜1000m2/
gを有するところにある。上記条件を満たす表面改質微
小炭素ファイバーを極性溶媒に分散させた分散組成物か
らなる鉛蓄電池用活性化剤は、液中での微小炭素ファイ
バーの分散性が高いので、電解液として用いても沈降物
が形成されないため、持続性に優れる。また、鉛蓄電池
を充放電させた際に表面改質微小炭素ファイバーが負極
活物質表面に対して良好な付着性及び密着性を有し、網
目状に形成するため、この網目状に形成された表面改質
微小炭素ファイバーにより、活物質が電極から脱落する
ことを防止するので、鉛蓄電池の充放電効率を向上でき
る。また、表面改質微小炭素ファイバーが上記条件を満
たす形状を有し、かつ負極表面に網目状に形成するた
め、硫酸鉛結晶が巨大化し、不活性化するサルフェーシ
ョンの発生を防止できる。更に、負極表面に網目状に形
成された上記条件を満たす形状を有する表面改質微小炭
素ファイバーは、従来の炭素微粉末により形成されたネ
ットワークに比べて導電性が大幅に向上するため、活物
質表面の活性を長期に渡って維持でき、電池の延命効果
及び充電再生効果に優れる。
【図1】本発明の鉛蓄電池用活性化剤を用いた鉛蓄電池
を充放電した際における負極周辺を示す模式図。
を充放電した際における負極周辺を示す模式図。
【図2】本発明の鉛蓄電池の概略図。
【図3】実施例の放電容量と充放電サイクルの関係を示
す図。
す図。
【図4】従来の炭素微粒子を添加した電解液を用いた鉛
蓄電池を放電した後の負極活物質中の炭素微粒子による
ネットワークを示す図。
蓄電池を放電した後の負極活物質中の炭素微粒子による
ネットワークを示す図。
10 鉛蓄電池
11 電解液
12 正極
13 負極
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 魚谷 正和
埼玉県さいたま市北袋町1丁目297番地
三菱マテリアル株式会社総合研究所内
Fターム(参考) 5H028 AA06 BB06 BB10 BB15 FF01
HH01 HH05
5H031 AA01 BB01 BB09 CC02 EE02
HH03 HH08 HH09
Claims (18)
- 【請求項1】 表面改質微小炭素ファイバーを極性溶媒
に分散させた分散組成物からなる鉛蓄電池用活性化剤に
おいて、 前記表面改質微小炭素ファイバーが、その表面に酸素1
〜20重量%とともに、硫黄、窒素、ホウ素、リン及び
フッ素より選ばれた1種又は2種以上を0.1〜2.0
重量%含み、かつ外径3.5〜400nm、アスペクト
比5〜1000、BET比表面積30〜1000m2/
gを有することを特徴とする鉛蓄電池用活性化剤。 - 【請求項2】 極性溶媒が硫酸水溶液である請求項1記
載の鉛蓄電池用活性化剤。 - 【請求項3】 分散組成物が極性溶媒50〜99.99
6重量%、表面改質微小炭素ファイバー50〜0.00
4重量%の割合で配合された請求項1又は2記載の鉛蓄
電池用活性化剤。 - 【請求項4】 表面改質微小炭素ファイバーが、硫黄、
窒素、ホウ素、リン及びフッ素より選ばれた1種又は2
種以上を含む酸化作用を有する強酸を含む表面処理液、
又は硫黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ素より選ばれた
1種又は2種以上の酸と酸化剤を含む酸化作用を有する
混酸を含む表面処理液によって微小炭素ファイバーを表
面処理し、 前記微小炭素ファイバー表面に酸素1〜20重量%とと
もに、硫黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ素より選ばれ
た1種又は2種以上を0.1〜2.0重量%固定した表
面改質微小炭素ファイバーである請求項1ないし3いず
れか記載の鉛蓄電池用活性化剤。 - 【請求項5】 表面改質微小炭素ファイバーが、二酸化
硫黄ガス、亜硫酸ガス、亜硝酸ガス、硝酸性ガス及びフ
ッ素ガスより選ばれた1種又は2種以上のガス、又は二
酸化硫黄ガス、亜硫酸ガス、亜硝酸ガス、硝酸性ガス及
びフッ素ガスより選ばれた1種又は2種以上のガスと酸
素ガス、オゾンガス及び二酸化炭素ガスより選ばれた1
種又は2種以上の酸素を含有するガスを接触させて微小
炭素ファイバーを表面処理し、 前記微小炭素ファイバー表面に酸素1〜20重量%とと
もに、硫黄、窒素、ホウ素、リン及びフッ素より選ばれ
た1種又は2種以上を0.1〜2.0重量%固定した表
面改質微小炭素ファイバーである請求項1ないし3いず
れか記載の鉛蓄電池用活性化剤。 - 【請求項6】 微小炭素ファイバーを硫酸系強酸、ホウ
酸、ポリリン酸、リン酸、メタリン酸、次亜リン酸、亜
リン酸、次リン酸、又はフッ酸に酸化剤を添加した混酸
を含む表面処理液により表面改質処理した請求項4記載
の鉛蓄電池用活性化剤。 - 【請求項7】 微小炭素ファイバーを硫酸系強酸、ホウ
酸、ポリリン酸、リン酸、メタリン酸、次亜リン酸、亜
リン酸、次リン酸、又はフッ酸と硝酸との混酸を含む表
面処理液により表面改質処理した請求項4記載の鉛蓄電
池用活性化剤。 - 【請求項8】 酸化剤がクロム酸塩、溶存オゾン水、過
酸化物、塩素酸類、酸化物、ハロゲン類、塩化物、過マ
ンガン酸塩又は硝酸塩である請求項4ないし6いずれか
記載の鉛蓄電池用活性化剤。 - 【請求項9】 クロム酸塩がクロム酸又は重クロム酸カ
リウムである請求項8記載の鉛蓄電池用活性化剤。 - 【請求項10】 過酸化物が過酸化水素水、過酸化バリ
ウム又は過酸化ベンゾイルである請求項8記載の鉛蓄電
池用活性化剤。 - 【請求項11】 塩素酸類が塩素酸カリウム、過塩素酸
カリウム、亜塩素酸ナトリウム又は次亜塩素酸ナトリウ
ムである請求項8記載の鉛蓄電池用活性化剤。 - 【請求項12】 酸化物が酸化銅、酸化第一鉄、酸化第
二鉄又は酸化亜鉛である請求項8記載の鉛蓄電池用活性
化剤。 - 【請求項13】 ハロゲン類が塩素、臭素又はフッ素で
ある請求項8記載の鉛蓄電池用活性化剤。 - 【請求項14】 塩化物が塩化第二鉄又は塩化第二銅で
ある請求項8記載の鉛蓄電池用活性化剤。 - 【請求項15】 過マンガン酸塩が過マンガン酸カリウ
ム又は過マンガン酸ナトリウムである請求項8記載の鉛
蓄電池用活性化剤。 - 【請求項16】 硝酸塩が硝酸、硝酸カリウム、硝酸ナ
トリウム、硝酸パラジウム、硝酸銀、硝酸カルシウム又
は硝酸マグネシウムである請求項8記載の鉛蓄電池用活
性化剤。 - 【請求項17】 硫酸系強酸が硫酸、発煙硫酸、熱濃硫
酸、無水硫酸、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、ホウ酸硫
酸、トリフルオロメタンスルホン酸又はスルファミン酸
である請求項6又は7記載の鉛蓄電池用活性化剤。 - 【請求項18】 正極と負極と電解液とを備え、 前記電解液が請求項1ないし17いずれか記載の鉛蓄電
池用活性化剤を含有したことを特徴とする鉛蓄電池。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2001
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