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近年、携帯電話やノート型パソコンなどの携帯電子機器の普及に伴い、高いエネルギ密度を有する小型で軽量な非水電解質二次電池の開発が強く望まれている。また、ハイブリット電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、電池式電気自動車などの電気自動車用の電源として高出力の二次電池の開発が強く望まれている。
出力特性のさらなる改善を図るためには、正極活物質の内部に、電解液が侵入可能な空間部を形成することが有効である。このような正極活物質は、粒径が同程度である中実構造の正極活物質と比べて、電解液との反応面積を大きくすることができるため、正極抵抗を大幅に低減することが可能となる。なお、正極活物質は、その前駆体となる遷移金属含有複合水酸化物粒子の性状を引き継ぐことが知られている。すなわち、上述した正極活物質を得るためには、その前駆体である遷移金属含有複合水酸化物粒子の粒径、粒度分布および粒子構造などを適切に制御することが必要となる。
本発明の遷移金属含有複合水酸化物粒子の製造方法では、前記核生成工程および前記粒子成長工程の初期段階における反応雰囲気を酸素濃度が5容量%以下の非酸化性雰囲気に調整し、前記粒子成長工程の初期段階の後に、前記原料水溶液の供給を継続しながら、酸化性ガスを導入することにより、前記反応雰囲気を、前記非酸化性雰囲気から酸素の濃度が5容量%を超える酸化性雰囲気に切り替え、さらに、前記原料水溶液の供給を継続しながら、非酸化性ガスを導入することにより、前記反応雰囲気を、前記酸化性雰囲気から酸素濃度が5容量%以下の非酸化性雰囲気に切り替える雰囲気制御を、2回以上5回以下の回数で行う。
なお、本発明では、前記酸化性雰囲気での晶析反応全体の割合と、前記酸化性雰囲気でのそれぞれの晶析反応の割合とを本発明の範囲で制御し、かつ、酸化性雰囲気での晶析反応の回数を制御することにより、二次粒子内における気孔の大きさを制御すること可能であり、これにより、得られる正極活物質において、その二次粒子内における空間部の存在量および大きさを適切に制御して、複数の空間部を、二次粒子の中心部から表面までの間における半径の10%〜90%の範囲に存在させ、これらの空間部の全体の面積割合が、二次粒子の断面積に対して20%〜35%の範囲にあるようにし、かつ、単位体積あたりの表面積を4.85m/cm以上とすることを可能としている。本発明の非水電解質二次電池用正極活物質では、同一組成において、BET比表面積を変化させて複数の正極活物質を得た場合に、該正極活物質のBET比表面積Sと、該正極活物質のタップ密度mの関係を、最小二乗法により次の式1で示したとき、傾きaの範囲が0.15<a<0.15となる。
m=aS+b ・・・(式1)
図1は、本発明の遷移金属含有複合水酸化物粒子の構造を概略的に示す断面図である。 図2は、本発明の非水電解質二次電池用正極活物質の空間部の全体の面積割合を評価するために用いた、実施例2の電界放出形走査電子顕微鏡写真の二値化画像である。 図3は、電池評価に使用した2032型コイン電池の概略断面図である。 図4は、インピーダンス評価の測定例と解析に使用した等価回路の概略説明図である。
本発明の複合水酸化物粒子においては、中心部の外側に、低密度層と高密度層が積層した積層構造を2つ以上5つ以下備えることができる。好ましくは、3つもしくは4つである。積層構造の個数が5を超えると、それぞれの低密度層が十分に形成されず、所望の粒子構造の正極活物質が得られない可能性が高くなる。一方、積層構造がつでは、得られる正極活物質において、空間部の存在割合が不十分となり、十分な比表面積や低い内部抵抗という所望の特性が得られない。
また、核生成工程の開始前または核生成工程の開始時において、反応槽内に不活性ガスを流通させることにより、核生成工程および粒子成長工程の初期における反応雰囲気を酸素濃度が5容量%以下の非酸化性雰囲気に調整するとともに、粒子成長工程において、原料水溶液の供給を継続しながら、散気管を用いて雰囲気ガスを導入することにより、反応雰囲気を、非酸化性雰囲気から酸素の濃度が5容量%を超える酸化性雰囲気に切り替えた後、非酸化性ガスを再度導入することにより、反応雰囲気を、酸化性雰囲気から酸素濃度が5容量%以下の非酸化性雰囲気に切り替える、雰囲気制御を2回以上行うことを特徴とする。
特に、本発明の複合水酸化物粒子の製造方法においては、粒子成長工程の途中で、原料水溶液の供給を継続しながら、散気管を用いて雰囲気ガスを導入することにより、反応雰囲気を、非酸化性雰囲気から酸素の濃度が5容量%を超える酸化性雰囲気に切り替えた後、この酸化性雰囲気から酸素濃度が5容量%以下の非酸化性雰囲気に再度切り替える、雰囲気制御を2回以上行う。これによって、上述した粒子構造を有する複合水酸化物粒子を得ることが可能となる。
[晶析反応の別実施態様]
本発明の複合水酸化物粒子の製造方法では、核生成用水溶液とは別に、粒子成長工程に適したpH値およびアンモニウムイオン濃度に調整された成分調整水溶液を用意し、この成分調整用水溶液に、核生成工程後の核生成用水溶液、好ましくは核生成工程後の核生成用水溶液から液体成分の一部を除去したものを添加および混合して、これを粒子成長用水溶液として、粒子成長工程を行ってもよい。
(3)晶析反応
本発明の複合水酸化物粒子の製造方法では、晶析反応を、主として核生成が行われる核生成工程と、主として粒子成長が行われる粒子成長工程との2つの工程に明確に分離し、それぞれの工程における晶析反応の条件を調整するとともに、粒子成長工程において、原料水溶液の供給を継続しながら、反応雰囲気、すなわち反応水溶液内の雰囲気を、散気管を用いて、非酸化性雰囲気と酸化性雰囲気との間で、適宜切り替えることを特徴としている。特に、この雰囲気の切り替え時に、反応水溶液中に、雰囲気ガス、すなわち酸化性ガス、もしくは、不活性ガスあるいはこれらの混合ガスを、散気管を用いて送り込み、これらのガスと反応水溶液を直接接触させ、反応雰囲気を速やかに切り換えることにより、上述した低密度層と高密度層とが積層した粒子構造、平均粒径MV、および粒度分布を備える複合水酸化物粒子を効率よく得ることを可能としている。
[pH値]
本発明の複合水酸化物粒子の製造方法においては、反応水溶液の液温25℃基準におけるpH値を、核生成工程においては12.0〜14.0の範囲に、粒子成長工程においては10.5〜12.0の範囲に制御することが必要となる。なお、いずれの工程においても、晶析反応中のpH値の変動幅は、±0.2以内に制御することが好ましい。pH値の変動幅が大きい場合には、核生成量と粒子成長の割合が一定とならず、粒度分布の狭い複合水酸化物粒子を得ることが困難となる。なお、反応水溶液のpH値はpH計により、アンモニウムイオン濃度はイオンメータにより測定することができる。
これに対して、本発明の複合水酸化物粒子の製造方法では、反応雰囲気の切り替えを散気管によって行うことを特徴とする。散気管は、表面に微細な孔を多数有する導管によって構成され、液体中に微細なガス(気泡)を多数放出することができるため、短時間で反応雰囲気の切り替えを行うことが可能である。このため、反応雰囲気の切替時に、原料水溶液の供給を停止する必要はなく、生産効率の改善を図ることができる。また、本発明における、酸化性雰囲気でのそれぞれの晶析反応の割合が粒子成長工程に対して1%〜10%の範囲であるが、このように酸化性雰囲気でのそれぞれの晶析反応の時間が短い場合であっても、中心部と高密度層と間、あるいは、高密度層間に、その内部に高密度部が存在する構造の低密度層を有する粒子構造を備える複合水酸化物粒子を、容易に形成することができる。
一方、工業規模の生産を前提とした場合には、正極活物質として、〔(d90−d10)/平均粒径MV〕が過度に小さいものを用いることは現実的ではない。したがって、コストや生産性を考慮すると、〔(d90−d10)/平均粒径MV〕の下限値は、0.25程度とすることが好ましい。
(4)BET比表面積
本発明の正極活物質は、二次粒子の内部に形成された空間部の存在により比表面積が向上している点に特徴がある。本発明における正極活物質の比表面積としては、たとえば窒素ガス吸着によるBET法により測定したBET比表面積が用いられる。本発明の正極活物質において、上述の二次粒子の構造が維持される限り、BET比表面積は可能な限り大きことが好ましい。BET比表面積が大きくなるほど電解液との接触面積が大きく、これを用いた二次電池の出力特性を大幅に改善することができるためである。具体的には、本発明の非水電解質二次電池用正極活物質のBET比表面積は、3.0m/g〜6.0m/gの範囲にあることが好ましい。本発明において、正極活物質のBET比表面積が3.0m/g未満では、二次電池を構成した場合に、電解液との反応面積を十分に確保することができず、出力特性を十分に向上させることが困難となるためである。BET比表面積は、3.2m/g〜6.0m/gであることが好ましく、3.5m/g〜5.0m/gであることがより好ましい。
(6)空間部の存在位置および空間部率
本発明の正極活物質では、適切かつ均一な大きさの複数の空間部が粒子内部に均一に分散していることが必要となる。本発明の正極活物質では、複数の空間部は、二次粒子の中心部から表面までの間における半径の10%〜90%の範囲に存在する。このような範囲に存在することにより、粒子内部に的確な骨格を備えた凝集部を形成しつつ、所望の特性をもたらすことが可能な気泡構造を粒子内部に形成することが可能となる。また、本発明の正極活物質では、二次粒子の断面観察により計測される複数の空間部の全体の面積割合が、二次粒子の断面積に対して20%〜35%の範囲にある。この正極活物質の断面積に対する空間部面積の占有率(以下、「空間部率」)は、大きくなるほど、比表面積は増大する傾向となる。すなわち、二次電池を構成した場合に、電解液との反応面積を確保することにつながる。この空間部率が、上記範囲を下回ると、十分な空間部が形成されず、比表面積を増大させる効果が得られない。一方、上記範囲を超えると、二次粒子内部に機構構造よりも大きな空隙部が存在し、凝集部の割合が低くなりすぎて、所望の特性を得られない。この空間部率は、好ましくは25%〜31%の範囲である。
この正極活物質において、リチウム(Li)の過剰量を示すuの値は、好ましくは−0.05以上0.50以下、より好ましく0以上0.50以下、さらに好ましくは0以上0.35以下とする。uの値を上記範囲に規制することにより、この正極活物質を正極材料として用いた二次電池の出力特性および電池容量を向上させることができる。これに対して、uの値が−0.05未満では、二次電池の正極抵抗が大きくなるため、出力特性を向上させることができない。一方、0.50を超えると、初期放電容量が低下するばかりでなく、正極抵抗も大きくなってしまう。
ニッケル(Ni)は、二次電池の高電位化および高容量化に寄与する元素であり、その含有量を示すxの値は、好ましくは0.3以上0.95以下、より好ましくは0.3以上0.9以下とする。xの値が0.3未満では、この正極活物質を用いた二次電の電池容量を向上させることができない。一方、xの値が0.95を超えると、他の元素の含有量が減少し、その効果を得ることができない。
なお、上記温度での保持時間は、1時間〜10時間とすることが好ましく、3時間〜6時間とすることがより好ましい。また、仮焼工程における雰囲気は、後述する焼成工程と同様に、酸化性雰囲気とすることが好ましく、酸素濃度が18容量%〜100容量%の雰囲気とすることがより好ましい。
また、焼成工程における昇温速度は、2℃/分〜10℃/分とすることが好ましく、5℃/分〜10℃/分とすることがより好ましい。さらに、焼成工程中、リチウム化合物の融点付近の温度で、好ましくは1時間〜5時間、より好ましくは時間〜5時間保持する。これにより、複合水酸化物粒子または熱処理粒子とリチウム化合物とを、より均一に反応させることができる。
なお、保持時間終了後、焼成温度から少なくとも200℃までの冷却速度は、2℃/分〜10℃/分とすることが好ましく、3℃/分〜7℃/分とすることがより好ましい。冷却速度をこのような範囲に制御することにより、生産性を確保しつつ、匣鉢などの設備が、急冷により破損することを防止することができる。
5.非水電解質二次電池
本発明の非水電解質二次電池は、正極、負極、セパレータおよび非水電解質などの、一般の非水電解質二次電池と同様の構成部材を備える。なお、以下に説明する実施形態は例示にすぎず、本発明の非水電解質二次電池は、本明細書に記載されている実施形態基づいて、種々の変更、改良を施した形態に適用することも可能である。
負極活物質としては、たとえば、金属リチウムやリチウム合金などのリチウムを含有する物質、リチウムイオンを吸蔵および脱離できる天然黒鉛、人造黒鉛およびフェノール樹脂などの有機化合物焼成体ならびにコークスなどの炭素物質の粉状体を用いることができる。この場合、負極結着剤としては、正極同様、PVDFなどの含フッ素樹脂を用いることができ、これらの活物質および結着剤を分散させる溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶剤を用いることができる。
[粒子成長工程]
核生成終了後、すべての水溶液の供給を一旦停止するとともに、硫酸を加えて、pH値が、液温25℃基準で11.2となるように調整することで、粒子成長用水溶液を形成した。pH値が所定の値になったことを確認した後、核生成工程と同様の115ml/分と一定の割合で、原料水溶液を供給し、核生成工程で生成した核(粒子)を成長させた。
切替操作2から80分(粒子成長工程全体に対して33.3%)経過後、再度、切替操作1を行い、酸化性雰囲気での晶析反応を20分(粒子成長工程全体に対して8.3%、直前回の酸化性雰囲気での晶析反応割合の200%)継続した後、切替操作2を行い、非酸化性雰囲気での晶析反応を90分(粒子成長工程全体に対して37.5%)経過後、すべての水溶液の供給を停止することで、粒子成長工程を終了した。その後、得られた生成物を、水洗、ろ過および乾燥させることにより、粉末状の複合水酸化物粒子を得た。酸化性雰囲気全体の晶析反応の割合は、12.5%であった。
c)正極活物質の作製
上述のようにして得られた複合水酸化物粒子を、空気(酸素濃度:21容量%)気流中、120で12時間熱処理した後(熱処理工程)、Li/Meが1.10となるように、シェーカーミキサ装置(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製TURBULA TypeT2C)を用いて炭酸リチウムと十分に混合し、リチウム混合物を得た(混合工程)。
[粒子構造]
正極活物質の一部を樹脂に埋め込み、クロスセクションポリシャ加工によって断面観察可能な状態とした上で、SEMにより観察した。この結果、この正極活物質は、複数の一次粒子が凝集して形成された二次粒子から構成され、この二次粒子は、外殻部と、外殻部の内側に分散して存在し、外殻部と電気的に導通する一次粒子の凝集部、および、凝集部の内部に存在し、複数の気孔構造からなる、一次粒子が存在しない空間部とを備えていることが確認された。また、気孔構造(複数の空間部)は、二次粒子の中心部から表面までの間における半径の10%〜90%の範囲に存在していた。
[BET比表面積およびタップ密度]
流動方式ガス吸着法比表面積測定装置(ユアサアイオニクス株式会社製、マルチソーブ)によりBET比表面積を、タッピングマシン(株式会社蔵持科学器械製作所、KRS−406)によりタップ密度を、それぞれ測定した。この結果、BET比表面積は4.03m/gであり、タップ密度は1.46g/cmであることが確認された。
e)二次電池の作製
図3に示すような2032型コイン電池(B)を作した。具体的には、上述のようにして得られた正極活物質:52.5mgと、アセチレンブラック:15mgと、PTEE:7.5mgを混合し、100MPaの圧力で、直径11mm、厚さ100μmにプレス成形した後、真空乾燥機中、120℃で12時間乾燥することにより、正極(1)を作製した。
粒子成長工程において、切替操作1を、粒子成長工程の開始時から32.5分(粒子成長工程全体に対して13.5%)に行い、酸化性雰囲気での晶析反応を5分(粒子成長工程全体に対して2.1%)継続した後、切替操作2を行い、非酸化性雰囲気での晶析反応を50分(粒子成長工程全体に対して20.8%)継続した。続いて、再度、切替操作1を行い、酸化性雰囲気での晶析反応を10分(粒子成長工程全体に対して4.2%、直前回の酸化性雰囲気での晶析反応割合の200%)継続した後、切替操作2を行い、非酸化性雰囲気での晶析反応を65分(粒子成長工程全体に対して27.1%)継続した。そして、再度、切替操作1を行い、酸化性雰囲気での晶析反応を15分(粒子成長工程全体に対して6.3%、直前回の酸化性雰囲気での晶析反応割合の150%)継続した後、切替操作2を行い、非酸化性雰囲気での晶析反応を62.5分(粒子成長工程全体に対して26.0%)経過後、すべての水溶液の供給を停止することで、粒子成長工程を終了した。酸化性雰囲気全体の晶析反応の割合は、12.5%であった。
粒子成長工程において、切替操作1を、粒子成長工程の開始時から29分(粒子成長工程全体に対して12.1%)に行い、酸化性雰囲気での晶析反応を2.5分(粒子成長工程全体に対して1.0%)継続した後、切替操作2を行い、非酸化性雰囲気での晶析反応を37.5分(粒子成長工程全体に対して15.6%)継続した。続いて、再度、切替操作1を行い、酸化性雰囲気での晶析反応を5.0分(粒子成長工程全体に対して2.1%、直前回の酸化性雰囲気での晶析反応割合の200%)継続した後、切替操作2を行い、非酸化性雰囲気での晶析反応を45分(粒子成長工程全体に対して18.8%)継続した。そして、再度、切替操作1を行い、酸化性雰囲気での晶析反応を7.5分(粒子成長工程全体に対して3.1%、直前回の酸化性雰囲気での晶析反応割合の150%)継続した後、切替操作2を行い、非酸化性雰囲気での晶析反応を49.5分(粒子成長工程全体に対して20.6%)継続した。さらに切替操作1を行い、酸化性雰囲気での晶析反応を15.0分(粒子成長工程全体に対して6.3%、直前回の酸化性雰囲気での晶析反応割合の200%)継続した後、切替操作2を行い、非酸化性雰囲気での晶析反応を49.0分(粒子成長工程全体に対して20.4%)経過後、すべての水溶液の供給を停止することで、粒子成長工程を終了した。酸化性雰囲気全体の晶析反応の割合は、12.5%であった。
実施例1〜3の正極活物質のそれぞれのBET比表面積S(m/g)とタップ密度m(g/cm)を用いて、最小二乗法により、式1における傾きaの値を算出したところ、傾きaは、−0.03であり、−0.15<a<0.15の範囲内にあった。
m=aS+b ・・・(式1)

Claims (1)

  1. 反応槽内に、少なくとも遷移金属を含有する原料水溶液と、アンモニウムイオン供給体を含む水溶液を供給することで反応水溶液を形成し、晶析反応によって、非水電解質二次電池用正極活物質の前駆体となる遷移金属含有複合水酸化物粒子を製造する方法であって、
    前記反応水溶液の液温25℃基準におけるpH値を12.0〜14.0の範囲となるように制御することにより、核生成を行う核生成工程と、該核生成工程で得られた核を含む反応水溶液の液温25℃基準におけるpH値を、前記核生成工程のpH値よりも低く、かつ、10.5〜12.0の範囲となるように制御することにより、前記核を成長させる、粒子成長工程とを備え、
    前記核生成工程および前記粒子成長工程の初期段階における反応雰囲気を酸素濃度が5容量%以下の非酸化性雰囲気に調整し、前記粒子成長工程の初期段階の後に、前記原料水溶液の供給を継続しながら、酸化性ガスを導入することにより、前記反応雰囲気を、前記非酸化性雰囲気から酸素の濃度が5容量%を超える酸化性雰囲気に切り替え、さらに、前記原料水溶液の供給を継続しながら、非酸化性ガスを導入することにより、前記反応雰囲気を、前記酸化性雰囲気から酸素濃度が5容量%以下の非酸化性雰囲気に切り替える雰囲気制御を、2回以上5回以下の回数で行い、および、
    前記反応雰囲気の切り替えに際して、前記酸化性ガスおよび前記非酸化性ガスの導入を、散気管を用いて行うとともに、前記反応雰囲気の切り替えを、前記粒子成長工程において添加される全金属量に対し前記初期段階の非酸化性雰囲気で添加された金属量の割合で定義される、前記初期段階の割合が前記粒子成長工程全体に対して10%〜17%の範囲となり、前記全金属量に対し前記酸化性雰囲気で添加された金属量の割合で定義される、前記酸化性雰囲気での晶析反応全体の割合が前記粒子成長工程全体に対して3%〜30%の範囲となり、前記酸化性雰囲気でのそれぞれの晶析反応の割合が前記粒子成長工程全体に対して1%〜10%の範囲となり、かつ、2回目以降の前記酸化性雰囲気での晶析反応の割合が、それぞれの直前回の前記酸化性雰囲気での晶析反応の割合の1.2倍〜2.5倍となるように制御する、
    遷移金属含有複合水酸化物粒子の製造方法。
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