JP2003059389A - 電子管用陰極 - Google Patents

電子管用陰極

Info

Publication number
JP2003059389A
JP2003059389A JP2002182016A JP2002182016A JP2003059389A JP 2003059389 A JP2003059389 A JP 2003059389A JP 2002182016 A JP2002182016 A JP 2002182016A JP 2002182016 A JP2002182016 A JP 2002182016A JP 2003059389 A JP2003059389 A JP 2003059389A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cathode
electron
material layer
electron emission
emission material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2002182016A
Other languages
English (en)
Inventor
Shosho Sai
鍾 書 崔
Toki Kan
東 ▲き▼ 韓
Shoken Kan
承 權 韓
Toin Jo
東 ▲いん▼ 徐
Futetsu Shin
浮 ▲てつ▼ 申
Hwan-Chul Rho
煥 哲 盧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Samsung SDI Co Ltd
Original Assignee
Samsung SDI Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Samsung SDI Co Ltd filed Critical Samsung SDI Co Ltd
Publication of JP2003059389A publication Critical patent/JP2003059389A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J29/00Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
    • H01J29/02Electrodes; Screens; Mounting, supporting, spacing or insulating thereof
    • H01J29/04Cathodes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/05Preparation or purification of carbon not covered by groups C01B32/15, C01B32/20, C01B32/25, C01B32/30
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J1/00Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
    • H01J1/02Main electrodes
    • H01J1/13Solid thermionic cathodes
    • H01J1/14Solid thermionic cathodes characterised by the material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J1/00Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
    • H01J1/02Main electrodes
    • H01J1/30Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode
    • H01J1/304Field-emissive cathodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J9/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
    • H01J9/02Manufacture of electrodes or electrode systems

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Solid Thermionic Cathode (AREA)
  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子管用陰極及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 電子放出物質層が針状の導電性物質を含
み、前記電子放出物質層の表面の最高点と最低点との間
の距離として実測される表面粗度が10μm以下に制御
されている。よって、針状の導電性物質を電子放出物質
層に含めて導電性経路を効率良く形成することにより、
自己加熱によるジュール熱の発生を最小化させる。さら
に、電子放出物質層を構成する粒子径及び気孔径を均一
に制御し、且つ、電子放出物質層の密度及び孔隙率を制
御することにより、従来のスプレー方式により製造され
た陰極に比べて緻密度及び表面平坦度が改善される。こ
れにより、動作時の陰極の収縮現象を防止でき、陰極と
第1グリッド電極との間の均一な間隔保持が可能とな
り、寿命が大幅に延びるだけではなく、電子放出特性が
安定する。従って、最近のテレビブラウン管などの高精
細化及び大型化に応えて、高電流密度領域下における寿
命特性を顕著に向上させられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子管用陰極及びそ
の製造方法に係り、より詳細には、通常のブラウン管に
広く採用されている酸化物被着型熱電子放出陰極(酸化
物陰極とも呼ぶ。)の寿命特性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、通常の電子管用陰極の概略断面
図である。これを参照すれば、通常の電子管用陰極は、
円板状の金属基体12と、この金属基体の下部において
金属基体12を支持し、陰極の加熱源であるヒータ14
を内蔵する円筒状のスリーブ13と金属基体12の上部
に被着された電子放出物質層11とを含んでなる。電子
管用酸化物陰極は仕事関数が低いので比較的に低い温度
(約700〜800℃)で使用できるという長所を有
し、通常のブラウン管に広く採用されている。
【0003】一般に、従来の電子管用酸化物陰極は、ケ
イ素(Si)、マグネシウム(Mg)、タングステン
(W)などの微量の還元剤を含みニッケル(Ni)を主
成分とする金属基体12上に、バリウムを主成分とする
アルカリ土類金属炭酸塩、好ましくは、(Ba,Sr,
Ca)CO3を基本組成とする三元炭酸塩、または(B
a,Sr)CO3を基本組成とする二元炭酸塩が電子放
出物質層11として被着された構造を持っている。この
炭酸塩は電子管用陰極の製造過程中に排気工程又は活性
化工程により酸化物の形に変わり、電子放出物質層とし
て働く。
【0004】酸化物陰極の一般的な製造過程及び電子放
出の原理について説明すれば、下記の通りである。
【0005】ニトロセルローズなどのバインダー成分を
溶解させた有機溶剤に炭酸バリウムを主成分とする炭酸
塩粉末を混合し、その混合物をスプレーや電着などの方
法により金属基体上に被着させた後に、電子銃に装着さ
せて電子管として組立てる。しかし、電子管の内部を真
空化させるための排気工程中に炭酸塩はヒータにより約
1000℃に加熱され、この時、炭酸バリウムは次のよ
うに酸化バリウムに変わる。
【0006】
【化1】 BaCO3→BaO+CO2↑ (1) 生成された前記酸化バリウムは、陰極動作中に、酸化物
と金属との境界において、金属基体中の還元剤であるS
i、Mgと次の反応式のように還元反応を起こして遊離
バリウムを生成し、このように生成された遊離バリウム
が電子の放出に寄与する。
【0007】
【化2】 BaO+Mg→MgO+Ba (2)
【0008】
【化3】 4BaO+Si→Ba2SiO4+2Ba (3) 遊離バリウムが電子を与えるドナーの役割をするため
に、陰極動作時に酸化物陰極は物性的にn型半導体とな
る。通常、半導体に大量の電流が流れると、自身の抵抗
によりジュール熱が生じる。このようなジュール熱の発
生が長期間続けば自己加熱による材料の蒸発や溶融によ
って陰極自体が劣化する。このため、通常の酸化物陰極
を電子放出密度を高めるために高電流密度下で用いる
と、ジュール熱による陰極劣化によって陰極の寿命特性
が急激に劣化するという問題点がある。
【0009】また、前記反応式(2)及び(3)から明
らかなように、遊離バリウムだけではなくMgO、Ba
2SiO4などの副産物が生成され、これらの副産物は電
子放出物質層と金属基体との境界辺りに蓄積されて中間
層を形成する。中間層はマグネシウム(Mg)や珪素
(Si)などの還元剤の拡散を妨げる障壁として働き、
その結果、電子放出に寄与する遊離バリウムの生成が困
難になり、陰極の寿命短縮のさらなる原因となる。さら
に、中間層は高抵抗を持ち、電子放出電流の流れを妨げ
るがゆえに、陰極電流密度を制限するという問題点もあ
る。
【0010】近年、テレビやモニター等に用いられるブ
ラウン管(陰極線管ともいう)は高精細化と大型化によ
る高輝度化とが進んでおり、これにより、高電流密度で
長寿命の陰極に対する要求が高まっている。しかし、従
来の酸化物陰極は前述した問題点によってこのような要
求に十分に応えられないのが現状である。
【0011】高電流密度で長寿命の陰極として含浸型陰
極が知られているが、その製造方法が複雑であり、しか
も、動作温度が約1000℃と酸化物陰極に比べて高い
ために、電子銃の電極部品を高価な高融点材質に変える
必要がある。その結果、実用上問題点がある。このよう
な実用的側面から、製造コストが最も安い酸化物陰極を
改良して高電流密度及び長寿命特性を与えようとする研
究が活発になされている。
【0012】具体的に、大韓民国特許出願公開1991
−17481号公報(特願平2−56855号に基づく
優先権主張出願)には、金属基体上にタングステン、モ
リブデンなどの少なくとも1種以上の金属層が被着形成
されており、電子放出物質層にSc23などの希土類金
属酸化物が含まれている電子管用陰極が開示されてい
る。この特許出願は、スカンジウム(Sc)などの希土
類金属酸化物が中間層生成物の分解作用をし、且つ、タ
ングステンそのものが還元剤として作用して遊離バリウ
ムの生成に寄与するので、高電流密度及び長寿命を実現
することができると主張している。
【0013】しかしながら、タングステン(W)は還元
剤として作用して遊離バリウムを生成するだけではな
く、下記反応式(4)のように副産物も生成するため
に、陰極使用時間が経過するほど陰極特性、特に寿命特
性が急激に低下するという問題点がある。
【0014】
【化4】 2BaO+W→Ba3WO6+Ba↑ (4) また、特開平8−50849号公報(ヨーロッパ出願0
685868 A1に該当)には、HIP陰極(hot
isotatic press cathode)と
呼ばれる電子管用陰極が開示されている。これは、金属
ニッケル粉末及び炭酸塩を混合した後に高温高圧下にお
いて成形して電子放出層を製造し、陰極動作時に電子放
出層そのものが金属ニッケルによって導電性を帯び、こ
れにより、高電流密度の負荷において長寿命特性を持た
せたものである。しかし、このような陰極は、動作温度
が約850℃と従来の酸化物陰極に比べて約50℃以上
高く、しかも、製造工程が極めて複雑であるがゆえに、
製造コストが高いという短所を有する。
【0015】さらに、特開平6−28968号(ヨーロ
ッパ出願0560436 B1に該当)公報には、従来
の酸化物陰極に用いられる電子放出物質層に球状の金属
粒子を約20〜80体積%添加し、パーコレーション原
理により導電性経路を形成することにより、酸化物陰極
の寿命特性を向上させる電子管用陰極が開示されてい
る。しかし、球状の金属粒子を添加してパーコレーショ
ン効果を得るには電子放出物質層内の金属粒子の含量が
少なくとも30重量%以上である必要があり、電子放出
物質の含量が大幅に減り、陰極の初期放出特性が低下す
るという問題点がある。
【0016】なおかつ、ホッスン(S.N.B.Hod
gson)などの論文[IDW’99 Proceed
ings of The Sixth Interna
tional Display Workshops
CRT6−4(Late−News Paper)”P
rogress on the Percolatio
n Cathode”]には、針状のニッケル粒子を電
子放出物質層に約2.5〜5体積%添加してパーコレー
ション経路を形成した酸化物陰極が開示されている。し
かし、ホッスンなどの論文に開示されている酸化物陰極
は、通常のスプレー工法により電子放出物質層を形成し
ているがゆえに、陰極の表面粗度が大きいという短所を
有する。
【0017】スプレー工法では、空気圧力により噴射さ
れる力によりコーティングを行うだけで、それ以外のい
かなる圧力も与えられないので、均一で且つ緻密なコー
ティング膜を得ることができない。具体的に、スプレー
工法により被着された電子放出物質層の構造を図2及び
図3に示した。図2は、スプレー工法により被着された
電子放出物質層の断面を400倍拡大した走査電子顕微
鏡(SEM)写真である。図2より、スプレー工法によ
り被着された電子放出物質層は、粒子間の孔隙が一様で
はなく、表面が極めて粗いほか、緻密ではない組織を持
っていることが分かる。図3は、図2の電子放出物質層
に対して表面組織を3000倍拡大して撮影したSEM
写真である。図3より、さらに、粒子が揃っておらず、
粒子間の孔隙も極めて不均一であるということを確認で
きる。
【0018】陰極の表面が粗ければ、陰極動作時に電子
放出ビームの分布が不均一になり、結局、ブラウン管の
スクリーンに達する電子の放出量に局所的な違いが生じ
て輝度分布が不均一になる現象が招かれる。また、陰極
の表面が粗いと、電子ビームとスクリーンのドットとの
間の干渉により縞ができてしまうという”モアレ現象”
が発生する。さらに、ブラウン管が長時間動作すれば陰
極の焼結現象が起こるが、陰極の構造が緻密ではない場
合には初期に形成された気孔が陥没及び収縮して陰極と
第1グリッド電極との間の距離が遠ざかる。その結果、
放出電子ビームの制御のために設定された陰極及び第1
グリッド電極間の電位差に変動が生じてしまう。これ
は、電荷放出量の低下による寿命特性の低下、及び輝度
劣化などの原因となる。
【0019】このように、粒径、気孔径及び平坦度が一
様ではない電子放出物質層を備えた陰極を電子銃に組み
込む場合には、製品の不良を引き起こすだけではなく、
品質の信頼性をも低下させるが、以上の資料に開示され
ている陰極はこのような問題点を全く解決していない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
しようとする技術的課題は、酸化物陰極の自己抵抗によ
るジュール熱の発生を低減させて陰極の自己加熱による
劣化を抑えることができ、陰極と第1グリッド電極との
間の距離差による電圧偏差を最小化させると共に、長時
間の動作時における陰極収縮現象を改善することによ
り、窮極的に高電流密度下における寿命特性及び輝度劣
化現象を改善できる酸化物陰極を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題を達成す
るために、本発明では、金属基体と、当該金属基体上に
被着された電子放出物質を含む電子放出物質層とを有す
る電子管用陰極において、前記電子放出物質層が針状の
導電性物質を含み、前記電子放出物質層の表面上の最高
点と最低点との間の距離として実測される表面粗度が1
0μm以下に制御されていることを特徴とする電子管用
陰極が提供される。
【0022】本発明の実施形態によれば、好ましくは、
前記電子管用陰極は、酸化物陰極である。
【0023】本発明の実施形態によれば、好ましくは、
前記針状の導電性物質がカーボン、インジウム錫酸化
物、ニッケル、マグネシウム、レニウム、モリブデン及
び白金よりなる群から選ばれるいずれか一種以上の物質
である。
【0024】本発明の実施形態によれば、好ましくは、
前記針状の導電性物質がカーボン材質である。
【0025】本発明の実施形態によれば、好ましくは、
前記針状の導電性物質がカーボンナノチューブ、カーボ
ンファイバ及びグラファイトファイバよりなる群から選
ばれるいずれか一種以上のカーボン材質である。
【0026】本発明の実施形態によれば、好ましくは、
前記針状の導電性物質がニッケルである。
【0027】本発明の実施形態によれば、好ましくは、
前記電子放出物質層内に存在する針状の導電性物質の含
量が、前記電子放出物質の重量を基準として0.01〜
30重量%である。
【0028】本発明の実施形態によれば、好ましくは、
前記針状の導電性物質がカーボン材質であり、電子放出
物質層内に存在する針状の導電性物質の含量は、前記電
子放出物質の重量を基準として0.01〜30重量%で
あり、且つ、電子放出物質層は30〜80μmの厚みに
被着される。
【0029】本発明の実施形態によれば、好ましくは、
前記電子放出物質層はプリンティング、電着又はペイン
ティング工程により金属基体上に被着される。
【0030】本発明の実施形態によれば、好ましくは、
前記電子放出物質層がスクリーン印刷工程により金属基
体上に被着される。
【0031】本発明の実施形態によれば、好ましくは、
前記金属基体と電子放出物質層との間に、金属基体の粒
径よりも狭径のニッケルを含む金属層をさらに含む。
【0032】本発明の実施形態によれば、好ましくは、
前記金属層がタンタル、クロム、マグネシウム、ケイ素
及びジルコニウムよりなる群から選ばれるいずれか一種
以上の金属をさらに含む。
【0033】本発明の実施形態によれば、好ましくは、
前記金属層の厚みが1〜30μmである。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面に基づき、本
発明に係る電子管用陰極についてより詳細に説明する。
【0035】本発明は、従来の酸化物陰極が高電流密度
負荷において劣化する核心要因を除去し、且つ、その影
響を低減するために開発されたものである。本発明に係
る酸化物陰極は、電子放出物質層が針状の導電性物質を
含むことにより、球状の導電性粒子よりも効率的に導電
性経路を形成でき、電子放出物質層の表面粗度を所定範
囲に制御することにより、酸化物陰極の自己抵抗による
ジュール熱の発生を低減させて陰極の自己加熱による劣
化を抑え、陰極と第1グリッド電極との間の距離差によ
る電圧偏差を最小化させる。なおかつ、長時間動作時に
おける陰極収縮現象を改善することにより、高電流密度
下における寿命特性及び輝度劣化現象を改善することを
特徴とする。
【0036】図4及び図5は、本発明の実施形態による
酸化物陰極層の構造を概略的に示したものである。具体
的に、図4は、金属基体上に針状の導電性物質51を含
む電子放出物質層が直接的に被着された酸化物陰極の構
造を示し、図5は、金属基体と、針状の導電性物質51
を含む電子放出物質層との間にニッケル金属52を主成
分とする中間層(金属層)が形成された陰極の構造を示
す。中間層(金属層)はニッケル金属52のほかに、陰
極の機械的な強度を補うための高融点金属、又は還元剤
53をさらに含むことができる。
【0037】従来の酸化物陰極の電子放出物質層は、バ
リウムを主成分とする炭酸塩、例えば(Ba,Sr,C
a)CO3である三元炭酸塩、または(Ba,Sr)C
3である二元炭酸塩を含むが、図4及び図5に示され
たように、本発明に係る酸化物陰極は、電子放出物質層
に針状の導電性物質を含んでなる。針状の導電性物質は
比抵抗が10-1Ωcm以下である電気導電性物質であ
る。導電性物質が針状の場合、球状の場合よりも電子放
出物質層内において導電性経路を形成するのに有利であ
ることから、球状の場合よりも遥かに少量の導電性物質
を添加しても、陰極動作時のジュール熱の発生による劣
化現象を十分に防止することができる。また、導電性物
質の含量が減り、相対的に電子放出物質の含量が増える
ことから、初期放出特性も向上される。
【0038】さらに、本発明に係る酸化物陰極は、電子
放出物質層の表面粗度、すなわち、電子放出物質層の表
面の最高点と最低点との間の距離として実測される表面
粗度を10μm以下に制御するので、陰極と第1グリッ
ド電極との間の距離差による電圧偏差が最小化し、長時
間動作時における陰極収縮現象が改善される。従って、
高電流密度下における寿命特性及び輝度劣化現象を大幅
に改善させることができる。
【0039】本発明に係る酸化物陰極の製造過程を概略
的に説明すれば、下記の通りである。
【0040】炭酸塩ペーストの製造 バリウムを主成分とする炭酸塩粉末及び針状の導電性粉
末を、有機バインダー及び液状の有機溶媒と共に均一に
混合して炭酸塩ペーストを製造する。好ましくは、針状
の導電性粉末の含量は炭酸塩の重量を基準として0.0
1〜30重量%である。導電性粉末の含量が0.01重
量%未満であれば電子放出物質層が十分な電気導電性を
持てないため、自己抵抗によるジュール熱の発生量を減
らせない。これに対し、導電性粉末の含量が30重量%
を超えれば電子放出物質であるバリウム及びバリウム化
合物の量が相対的に減り、電子放出特性に悪影響を及ぼ
すため、好ましくない。
【0041】本発明に係る酸化物陰極に用いられる針状
の導電性粉末の材質としては、カーボンナノチューブ、
カーボンファイバ、グラファイトファイバなどのカーボ
ン材質、針状のインジウム錫酸化物、またはニッケル、
マグネシウム、レニウム、モリブデン及び白金などの金
属物質を挙げることができる。すなわち、比抵抗が10
-1Ωcm以下である導電性物質としては、針状のもので
あれば、いかなるものであっても本発明に好適に用いる
ことができる。
【0042】本発明の実施形態によれば、カーボンナノ
チューブなどのカーボン材質が好適に用いられる。カー
ボン材質は特に高温下において安定した構造を持ち、ア
スペクト比が大きいという点でより有利である。
【0043】針状粉末は、長ければ長いほど導電性チャ
ンネルをより効率良く形成できるので、好適である。す
なわち、針状粉末が長ければ長いほど導電性経路の形成
が有利になり、極少量の導電性物質を使っても導電性を
効率良く与えることができる。
【0044】上記炭酸塩としては、酸化物陰極の製造に
広く用いられるものであれば、いかなるものであっても
良い。具体例としては、(Ba,Sr,Ca)CO3
は(Ba,Sr)CO3を基本組成とする炭酸塩が挙げ
られる。上記炭酸塩ペーストに含まれている炭酸塩の量
は、好ましくは、ペーストの総重量を基準として40な
いし60重量%である。炭酸塩の含量が40重量%未満
であれば所望の電子放出特性が得られ難く、60重量%
を超えれば、混合物の流動性が低下して均一な被着が困
難になるため、好ましくない。
【0045】炭酸塩ペーストに添加されるバインダーと
しては、通常のバインダーであれば特に制限はなく、具
体例としては、ニトロセルロース、エチルセルロースな
どが挙げられる。バインダーの含量は、好ましくは、ペ
ースト総重量を基準として1ないし10重量%である。
バインダーの含量が1重量%未満であれば乾燥後に接着
力が低下し、10重量%を超えれば陰極線管内の真空度
が低下し、しかも、残留カーボンにより電子放出特性が
低下するため、好ましくない。
【0046】印刷混合物に添加される有機溶剤として
は、混合物がペースト状態を保つ必要があるため、高揮
発性のものは好ましくなく、具体例としては、テルピノ
ール、ブチルカルビトルアセテート又はこれらの組合わ
せが挙げられる。有機溶剤の含量は、好ましくは、ペー
スト総重量を基準として30ないし50重量%である。
これは、この範囲内において印刷に適したペースト状態
になるからである。
【0047】金属基体上への金属層の形成 次に、選択的に金属層を形成する。すなわち、金属基体
上に電子放出物質層を直接的に被着しても良いが、陰極
動作時に中間生成物の分散生成、還元剤の拡散経路の確
保の側面から、金属層を先に形成した後に電子放出物質
層を形成する。金属層の形成過程を概略的に説明すれ
ば、下記の通りである。
【0048】還元剤成分であるタングステン及び/又は
アルミニウムを選択的に所定量混合したニッケル粉末を
有機バインダー及び液状の有機溶媒と均一に混合してペ
ーストを製造する。このペーストを陰極基体の上部表面
に被着させた後、真空又は不活性雰囲気下において熱処
理を行い、有機物の除去された金属層を得る。金属層形
成用ペーストを金属基体上に被着させる方法には特に制
限はなく、プリンティング、スプレー、電着、ペインテ
ィングのいずれの方法であっても良いが、陰極表面の粗
度を所定範囲内に調節するには、プリンティング法が最
適である。
【0049】また、金属層と電子放出物質層との結合力
を高めるために、金属層の印刷パターンを網目状若しく
はドット状にできる。これらは、スクリーン印刷の場合
には、印刷メッシュそのものがこれらのパターンに形成
されたものを用いれば、容易に得られる。
【0050】ニッケル金属層の厚みは、好ましくは、1
〜30μmであるが、還元剤を用いない純粋ニッケル金
属層の場合には2〜3μmが好ましく、還元剤を用いる
場合にはこれよりも厚くても良好な特性を得ることがで
きる。
【0051】金属層形成用ペーストにタングステンやア
ルミニウムなどの還元剤を添加する理由は、ニッケル金
属層により陰極動作時に反応生成物の分散効果は十分に
得られるものの、金属層の厚みにより金属基体から電子
放出層までの距離が延びて還元剤の拡散速度が遅くな
り、十分な量の電子放出特性が得られなくなる恐れがあ
るからである。タングステンの場合にはニッケル粉末の
総重量を基準として1〜10重量%、アルミニウムの場
合にはニッケル粉末の総重量を基準として0.01〜1
重量%であれば、安定的で且つ良好な電子放出特性を得
ることができる。タングステンやアルミニウムの代わり
に、タンタル、クロム、マグネシウム、ケイ素などの還
元性金属を添加しても同一の効果が得られる。
【0052】陰極の製造 以上のようにして製造した針状の導電性物質を含む炭酸
塩ペーストを金属基体上の表面に、又は金属基体上に形
成されたニッケル金属層上に被着した後に乾燥して陰極
を完成させる。本発明に係る電子管用陰極では、電子放
出物質層をなす酸化物粒子が凝集することなく均一に分
布し、気孔は10μm以下であって、粒子径及び気孔径
分布が均一である。陰極の表面粗度、すなわち、電子放
出物質層の表面の最高点と最低点との間の距離として実
測される表面粗度は、好ましくは、10μm以下である
が、このような表面粗度を得るにはプリンティング、電
着またはペインティングのうちいかなる方法も採用で
き、炭酸塩ペーストを被着するには、特に、スクリーン
プリンティング法が最適である。すなわち、電子放出物
質層を金属基体に被着させるに際して所定の圧力が加え
られる方法であれば、いずれの方法であっても良い。例
えば、印刷、沈殿などの方法が挙げられるが、中でも、
印刷法が最適である。さらに、印刷法としては、スクリ
ーン印刷、ロールコーティングなどが例として挙げられ
る。
【0053】これに対し、針状の導電性物質を含む炭酸
塩ペーストをスプレー工法により金属基体上に被着すれ
ば、粒子間の凝集によって表面粗度が約20μmまで上
がり、しかも、スプレー銃のノズルが閉塞するなど実用
化に障害が多く、被着面の表面が粗いために、モアレ現
象による画質劣化、陰極と第1グリッド電極との間の電
位差の変動及び電荷放出量の低下を回避できなくなる。
【0054】電子放出物質層は約30〜80μmの厚み
に被着されることが、以降のブラウン管製造工程に際
し、製造条件を大きく変えなくても良好な電子放出特性
が得られるので、好ましい。電子放出物質層の厚みが3
0μm未満であれば陰極の表面温度があまりにも高過ぎ
て寿命特性が不良になり、80μmを超えれば陰極の温
度があまりにも低過ぎてブラウン管の排気工程中に炭酸
塩の分解が十分になされず、良好な放出特性が得られ難
い。
【0055】本発明に係る電子管用陰極は、従来の陰極
に比べて緻密度が約2〜3倍向上され、表面粗度は約2
倍以上向上された高密度高平坦度の陰極である。従っ
て、電子放出物質層の厚みを既存の場合に比べて大幅に
縮めると共に、長期にわたる使用による陰極の収縮を防
止して寿命特性及び輝度劣化現象を改善でき、且つ、陰
極と第1グリッド電極との間の印加電圧差による不良を
防止できる。
【0056】本発明の一実施形態によれば、電子放出物
質層はスクリーン印刷法により金属基体に被着される。
スクリーン印刷は、木綿、ナイロン、テフロン(登録商
標)、ステンレス鋼などの材質よりなる網を枠体に取り
付けてスクリーン面にインクが通れる部分と通れない部
分とを作り、スキージにより被印刷面にインクを圧出さ
せて印刷する方法である。スクリーン印刷は、板面が柔
らかいために印刷圧が低く、インク被膜が厚いために被
印刷体の材質の選択が自由であり、曲面体にも印刷が可
能であるという長所を有する。スクリーン印刷は紙をは
じめとしてプラスチックシート、プリント配線基板など
の工業印刷まで多方面に応用可能である。本発明の一実
施形態においては、前記のような原理により作動するス
クリーン印刷機を用い、インクの代わりに炭酸塩が共浸
された粉末原料及び針状の導電性粉末を適当なバインダ
及び有機溶剤により練ったペーストを使って印刷した。
【0057】以上のようにして製造された陰極は通常の
方法により電子銃に組み立てられた後、スクリーンフォ
ンネルへの封込み、排気、及び活性化工程を経て電子管
として完成させられる。
【0058】以下、実施例を通じて本発明に係る電子管
用陰極の諸特性に関する効果を調べてみる。
【0059】<実施例1>Ba:Sr:Caの重量比が
57:30:4である三元炭酸塩60g、カーボンナノ
チューブ(CNT)0.1g、ニトロセルロース1g及
びテルピノール39gを攪拌し、且つ、ロールミルによ
り混合して印刷用ペーストを用意した。スクリーン印刷
機(日本ニューロング社製、LS−34TV)を用い、
前記ペーストをニッケルよりなる金属基体(キャップ)
上に50μmの厚みに塗布した。この時、印刷圧力は
2.0×105〜2.9×105N/m2(2〜3kgf
/cm2)に、且つ、スクリーン印刷機のメッシュとキ
ャップとの間の距離は約1.5mmにした。大気雰囲気
下で150℃で乾燥を行い、陰極を完成させた。
【0060】以上のようにして製造された陰極の電子放
出物質層に対し、その端部及び表面組織を走査電子顕微
鏡(SEM)で観察した。図6は、陰極の端部を400
倍拡大したSEM写真であり、図7は、陰極の表面を3
000倍拡大したSEM写真である。図2及び図3と比
較して、粒子径及び気孔径が均一であり、しかも、緻密
な組織が形成されたことが分かる。
【0061】<実施例2>炭酸塩ペーストを金属基体上
に印刷するに先立ち、ニッケル粉末10g、タングステ
ン粉末0.4g、アルミニウム粉末0.01g、ニトロ
セルロース0.1g及びテレピノール5gを均一に混合
して用意した金属層形成用ペーストを金属基体上に2μ
mの厚みにスクリーン印刷して金属層を形成した。実施
例1の方法と同様にして電子放出物質層を金属層上に形
成した。
【0062】<実施例3>金属層を網目状に印刷した以
外は、実施例2の方法と同様にして電子管用陰極を製造
した。
【0063】<実施例4>CNTの代わりにカーボンフ
ァイバを使用した以外は、実施例1の方法と同様にして
電子管用陰極を製造した。
【0064】<実施例5>CNTの代わりにカーボンフ
ァイバを使用した以外は、実施例2の方法と同様にして
電子管用陰極を製造した。
【0065】<実施例6>CNTの代わりに針状のイン
ジウム錫酸化物粉末を使用した以外は、実施例2の方法
と同様にして電子管用陰極を製造した。
【0066】<実施例7>CNTの代わりにニッケルフ
ィラメントを使用した以外は、実施例2の方法と同様に
して電子管用陰極を製造した。
【0067】<実施例8>CNTの代わりに白金フィラ
メントを使用した以外は、実施例2の方法と同様にして
電子管用陰極を製造した。
【0068】<比較例1>炭酸塩粉末40ないし50重
量%、ニトロセルロース0.3ないし0.4重量%、イ
ソアミルアセテート50ないし55重量%及びジエチル
オキサレート5ないし5.5重量%を含む通常のスプレ
ー用組成物を用意した。スプレーブースの温度を約80
℃に保ち、圧力を2.0×105〜4.9×105N/m
2(2ないし5kgf/cm2)にした後、スプレー方式
により電子放出物質層を被着させた。大気雰囲気下約1
50℃で乾燥させた。電子放出物質層の断面及び表面組
織に対するSEM写真を図2及び図3に示す。
【0069】<比較例2>スプレー用組成物に球状のニ
ッケル粒子を10重量%添加した以外は、比較例1の方
法と同様にして電子管用陰極を製造した。
【0070】実施例及び比較例に従い製造した陰極を電
子管に適用し、下記のように特性評価を行った。
【0071】1)寿命特性 寿命特性は陰極のヒータ電圧6.3V、動作温度760
℃、初期電流密度5A/cm2の陰極負荷条件下で、陰
極電流(Ik)の経時変化を測定することにより一定時
間中のIk残存率として評価した。通常、陰極の寿命
は、Ik残存率が50%に至るまでの経過時間であるM
TTF(Mean Time to Failure
Mode)として定義される。図8は、5A/cm2
高電流密度下で行われた寿命特性評価の結果であり、図
9は、5A/cm2の電流密度下で行われた寿命特性評
価の結果から推定されたMTTFを示したものである。
従来の陰極(比較例1)の寿命は4,000ないし5,
000時間であるのに対し、本発明に係る陰極寿命は2
5,000時間以上であって、従来の陰極寿命よりも顕
著に向上したことが分かる。また、バリウムの蒸発減少
及びカットオフドリフト率の減少効果はほとんどなかっ
た。図10は、陰極を5,000時間動作させた後、初
期電圧に対するカットオフ電圧の変化率(カットオフド
リフト)を示したものである。
【0072】本発明に係る実施例の電子管用陰極では、
比較例の陰極に比べて動作時間の経過による放出特性の
低下が顕著に低減し、5A/cm2の高電流密度下で極
めて優れた寿命特性が得られることを確認できる。
【0073】2)初期電子放出特性 初期電子放出特性は電子管が製造された直後に電子銃の
陰極からの電子放出能や放出量、製品の良否を判断する
ために評価される。通常、陰極の正規動作温度、すなわ
ちヒーター電圧6.3V下で陰極及び電子銃電極に各々
所定の電圧を印加し、その時の陰極からの電子放出電流
を測定することにより行われる。
【0074】図11に初期電子放出特性の評価結果を示
す。図11によれば、本発明に係る電子管用陰極は、比
較例2の陰極よりも少量の導電性物質を含むにも拘わら
ず寿命特性が向上し、しかも、比較例2に比べて電子放
出物質の含量が相対的に増えて初期電子放出特性が向上
することを確認できる。
【0075】3)表面粗度 酸化物陰極層の断面を約200ないし500倍の倍率に
て撮影したSEM写真から最高点と最低点との間の距離
を実測した。その結果、実施例1及び2の場合は5μm
以下であるのに対し、比較例1及び2の場合には20μ
mであった。
【0076】4)気孔径分布 約3000倍の倍率にて撮影したSEM写真から所定面
積当り気孔の面積を測定した。測定の結果、実施例1及
び2の陰極は気孔径が5μm以下であるのに対し、比較
例1及び2の陰極は約20μmであった。
【0077】5)粒子凝集の大きさ分布 約3000倍の倍率にて撮影したSEM写真から粒子間
凝集状態を観察した。その結果、実施例1及び2の陰極
は約5ないし7μmの粒径を持つ炭酸塩粒子が凝集せず
に分布しているのに対し、比較例1及び2の陰極は粒子
が互いに凝集して約30ないし50μmの大きさを持つ
ことが分かった。
【0078】以上のような寿命特性、カットオフ電圧特
性及び画質の向上は、針状の導電性物質を含む電子放出
物質層の自体加熱によるジュール熱の発生が最小化し、
しかも、電子放出物質層がより緻密で且つ平坦な表面粗
度を持つことによって長時間の使用にも拘わらずに陰極
と第1グリッド電極との間の間隔の不均一による電圧偏
差が最小化し、陰極内の気孔陥没及び収縮が防止される
ことによると判断される。
【0079】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る電子管
用陰極は、針状の導電性物質を電子放出物質層に含み、
導電性経路を効率良く形成することにより、自己加熱に
よるジュール熱の発生を最小化させる。また、それだけ
ではなく、本発明に係る電子管用陰極は、電子放出物質
層を構成する粒子径及び気孔径が均一に制御され、且
つ、電子放出物質層の密度及び孔隙率が制御されること
により、従来のスプレー方式により製造された陰極に比
べて緻密度及び表面平坦度が向上している。これによ
り、動作時の陰極の収縮現象を防止することができ、陰
極と第1グリッド電極との間の均一な間隔保持が可能に
なるので、陰極の寿命が大幅に延びるだけではなく、陰
極の電子放出特性が安定する。従って、最近のテレビブ
ラウン管などの高精細化及び大型化に応じて、高電流密
度領域下における寿命特性を顕著に改善することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 通常の電子管用陰極の構造を概略的に示す図
である。
【図2】 従来の陰極層の断面構造を400倍拡大した
SEM写真である。
【図3】 図2の陰極層の表面を3000倍拡大したS
EM写真である。
【図4】 本発明の一実施形態による陰極層の断面構造
を概略的に示した図である。
【図5】 本発明の他の実施形態による陰極層の断面構
造を概略的に示した図である。
【図6】 本発明の一実施形態による陰極層の断面構造
を400倍拡大したSEM写真である。
【図7】 図4の陰極層の表面を3000倍拡大したS
EM写真である。
【図8】 本発明の実施例及び比較例による陰極の動作
時間に対する寿命特性の変化を比較して示したグラフで
ある。
【図9】 本発明の実施例及び比較例による陰極の寿命
特性評価の結果(図8)から推定されたMTTFを示し
たものである。
【図10】 本発明の実施例及び比較例による陰極のカ
ットオフ電圧の変化率を示したものである。
【図11】 本発明の実施例及び比較例による陰極の初
期電子放出特性を示したものである。
【符号の説明】
51 針状の導電性物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 韓 東 ▲き▼ 大韓民国京畿道水原市八達區靈通洞シンナ ムシル967−2番地 極東アパート615棟 904号 (72)発明者 韓 承 權 大韓民国ソウル特別市瑞草區蠶院洞73番地 韓信2次アパート102棟302号 (72)発明者 徐 東 ▲いん▼ 大韓民国京畿道水原市八達區靈通洞973− 3番地 甓積谷斗山アパート806棟1603号 (72)発明者 申 浮 ▲てつ▼ 大韓民国ソウル特別市城東區玉水1洞539 −21番地 (72)発明者 盧 煥 哲 大韓民国釜山廣城市金井區久瑞洞1011番地 鮮京3次アパート311棟1501号 Fターム(参考) 5C027 CC03 CC11 CC12

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基体と、当該金属基体上に被着され
    た電子放出物質を含む電子放出物質層と、を有する電子
    管用陰極において、 前記電子放出物質層が針状の導電性物質を含み、前記電
    子放出物質層の表面上の最高点と最低点との間の距離と
    して実測される表面粗度が10μm以下に制御されてい
    ることを特徴とする電子管用陰極。
  2. 【請求項2】 前記電子管用陰極は、酸化物陰極である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子管用陰極。
  3. 【請求項3】 前記針状の導電性物質がカーボン、イン
    ジウム錫酸化物、ニッケル、マグネシウム、レニウム、
    モリブデン及び白金よりなる群から選ばれるいずれか一
    種以上の物質であることを特徴とする請求項2に記載の
    電子管用陰極。
  4. 【請求項4】 前記針状の導電性物質がカーボン材質で
    あることを特徴とする請求項2に記載の電子管用陰極。
  5. 【請求項5】 前記針状の導電性物質がカーボンナノチ
    ューブ、カーボンファイバ及びグラファイトファイバよ
    りなる群から選ばれるいずれか一種以上のカーボン材質
    であることを特徴とする請求項4に記載の電子管用陰
    極。
  6. 【請求項6】 前記針状の導電性物質がニッケルである
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子管用陰極。
  7. 【請求項7】 前記電子放出物質層内に存在する針状の
    導電性物質の含量が、前記電子放出物質の重量を基準と
    して0.01〜30重量%であることを特徴とする請求
    項2に記載の電子管用陰極。
  8. 【請求項8】 前記針状の導電性物質がカーボン材質で
    あり、電子放出物質層内に存在する針状の導電性物質の
    含量は、前記電子放出物質の重量を基準として0.01
    〜30重量%であり、且つ、電子放出物質層は30〜8
    0μmの厚みに被着されることを特徴とする請求項2に
    記載の電子管用陰極。
  9. 【請求項9】 前記電子放出物質層はプリンティング、
    電着又はペインティング工程により金属基体上に被着さ
    れたことを特徴とする請求項2に記載の電子管用陰極。
  10. 【請求項10】 前記電子放出物質層がスクリーン印刷
    工程により金属基体上に被着されたことを特徴とする請
    求項2に記載の電子管用陰極。
  11. 【請求項11】 前記金属基体と電子放出物質層との間
    に、金属基体の粒径よりも狭径のニッケルを含む金属層
    をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の電子管
    用陰極。
  12. 【請求項12】 前記金属層がタンタル、クロム、マグ
    ネシウム、ケイ素及びジルコニウムよりなる群から選ば
    れるいずれか一種以上の金属をさらに含むことを特徴と
    する請求項11に記載の電子管用陰極。
  13. 【請求項13】 前記金属層の厚みが1〜30μmであ
    ることを特徴とする請求項11に記載の電子管用陰極。
JP2002182016A 2001-06-22 2002-06-21 電子管用陰極 Abandoned JP2003059389A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US29978601P 2001-06-22 2001-06-22
US60/299,786 2001-06-22

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003059389A true JP2003059389A (ja) 2003-02-28

Family

ID=23156299

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002182016A Abandoned JP2003059389A (ja) 2001-06-22 2002-06-21 電子管用陰極

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20020195919A1 (ja)
JP (1) JP2003059389A (ja)
KR (1) KR100428972B1 (ja)
CN (1) CN100437873C (ja)
DE (1) DE10227857A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011018958A1 (ja) * 2009-08-11 2011-02-17 東レ株式会社 電子放出源用ペーストおよび電子放出源

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20050037134A1 (en) * 2003-08-12 2005-02-17 Chunghwa Picture Tubes, Ltd. Process of manufacturing micronized oxide cathode
US20170263435A1 (en) * 2016-03-11 2017-09-14 Agilent Technologies, Inc. Filament assembly for generating electrons, and related devices, systems and methods

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5488059A (en) * 1977-12-26 1979-07-12 Hitachi Ltd Thermion emission cathode
JPS5814017B2 (ja) * 1978-04-05 1983-03-17 株式会社日立製作所 電子管用直熱型陰極
JPS55144631A (en) * 1979-04-28 1980-11-11 Hitachi Ltd Directly-heated cathode for electronic tube
KR910002969B1 (ko) * 1987-06-12 1991-05-11 미쓰비시전기주식회사 전자관음극(cathode for an electron tube)
US5055078A (en) * 1989-12-18 1991-10-08 Samsung Electron Devices Co., Ltd. Manufacturing method of oxide cathode
JP3226041B2 (ja) * 1990-03-28 2001-11-05 日亜化学工業株式会社 エミッタ用アルカリ土類炭酸塩
FR2667721B1 (fr) * 1990-10-05 1997-01-10 Hitachi Ltd Cathode pour tube electronique.
DE4207220A1 (de) * 1992-03-07 1993-09-09 Philips Patentverwaltung Festkoerperelement fuer eine thermionische kathode
JPH0887950A (ja) * 1994-09-16 1996-04-02 Hitachi Ltd 酸化物陰極を備えた電子管
JPH0887952A (ja) * 1994-09-16 1996-04-02 Hitachi Ltd 酸化物陰極を備えた電子管
JPH09147735A (ja) * 1995-09-21 1997-06-06 Matsushita Electron Corp 陰極線管用エミッタ材料及びその製造方法
JPH1064404A (ja) * 1996-08-26 1998-03-06 Matsushita Electron Corp 陰極およびその製造方法
US5925976A (en) * 1996-11-12 1999-07-20 Matsushita Electronics Corporation Cathode for electron tube having specific emissive material
US6020677A (en) * 1996-11-13 2000-02-01 E. I. Du Pont De Nemours And Company Carbon cone and carbon whisker field emitters
JP2876591B2 (ja) * 1996-11-29 1999-03-31 三菱電機株式会社 電子管用陰極
JP3322183B2 (ja) * 1997-02-07 2002-09-09 三菱電機株式会社 電子銃
JPH11102636A (ja) * 1997-09-26 1999-04-13 Matsushita Electron Corp 陰極、陰極の製造方法、受像管
DE69823441T2 (de) * 1997-09-30 2004-09-23 Noritake Co., Ltd., Nagoya Elektronen emittierende Quelle
JP3389075B2 (ja) * 1997-10-01 2003-03-24 株式会社東芝 半導体装置の製造方法
TW419688B (en) * 1998-05-14 2001-01-21 Mitsubishi Electric Corp Cathod ray tube provided with an oxide cathod and process for making the same
JP2000200541A (ja) * 1999-01-06 2000-07-18 Hitachi Ltd 陰極構体
JP2000357464A (ja) * 1999-06-14 2000-12-26 Hitachi Ltd 陰極線管
KR20010039379A (ko) * 1999-10-30 2001-05-15 김순택 전자관용 소결형 음극
JP2001229814A (ja) * 2000-02-21 2001-08-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 酸化物陰極の製造方法、およびこの酸化物陰極を備えた陰極線管
KR100696458B1 (ko) * 2000-10-06 2007-03-19 삼성에스디아이 주식회사 전자관용 음극 및 그 제조방법

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011018958A1 (ja) * 2009-08-11 2011-02-17 東レ株式会社 電子放出源用ペーストおよび電子放出源
KR20120060200A (ko) * 2009-08-11 2012-06-11 도레이 카부시키가이샤 전자 방출원용 페이스트 및 전자 방출원
JPWO2011018958A1 (ja) * 2009-08-11 2013-01-17 東レ株式会社 電子放出源用ペーストおよび電子放出源
JP5561167B2 (ja) * 2009-08-11 2014-07-30 東レ株式会社 電子放出源用ペーストおよび電子放出源
US9159519B2 (en) 2009-08-11 2015-10-13 Toray Industries, Inc. Paste for electron emission source, and electron emission source
KR101708785B1 (ko) * 2009-08-11 2017-02-21 도레이 카부시키가이샤 전자 방출원용 페이스트 및 전자 방출원

Also Published As

Publication number Publication date
US20020195919A1 (en) 2002-12-26
CN1393903A (zh) 2003-01-29
KR20030001204A (ko) 2003-01-06
DE10227857A1 (de) 2003-01-02
CN100437873C (zh) 2008-11-26
KR100428972B1 (ko) 2004-04-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100696458B1 (ko) 전자관용 음극 및 그 제조방법
JPH09180622A (ja) 陰極構造体の構造及び電子放射体塗布方法
KR100378139B1 (ko) 산화물 캐소드를 구비한 음극선관 및 그 제조방법
JP2003059389A (ja) 電子管用陰極
US20090079320A1 (en) Field electron emission source having carbon nanotubes and method for manufacturing the same
JP3957344B2 (ja) 放電管または放電ランプ及びスカンデート−ディスペンサ陰極
KR100449759B1 (ko) 전자관용 음극 및 그 제조방법
US6759799B2 (en) Oxide-coated cathode and method for making same
KR100795783B1 (ko) 전자관용 음극 및 그 제조방법
US6242854B1 (en) Indirectly heated cathode for a CRT having high purity alumina insulating layer with limited amounts of Na OR Si
KR100268243B1 (ko) 전자총용 음극
KR970009775B1 (ko) 함침형 음극의 제조방법
KR20010109469A (ko) 전자관용 음극
KR100261454B1 (ko) 산화물 음극
KR100244230B1 (ko) 음극선관용 음극구조체
KR20010109835A (ko) 음극선관용 함침형 음극
KR100381212B1 (ko) 전자관 캐소드
KR20050023595A (ko) 음극선관용 음극
US20050007004A1 (en) Cathode for cathode ray tube
JP2001256882A (ja) 電子管用含浸型陰極構体およびそれを用いた電子管
JPH10149759A (ja) 酸化物陰極を備えた電子管
JPH04206416A (ja) 含浸形陰極
JP2004241249A (ja) 含浸型陰極およびその製造方法
JPH1116509A (ja) 陰極線管
JPH0528905A (ja) 含浸形カソード

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050425

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20070122