JP2003059360A - 油浸紙ソリッドケーブルの製造方法 - Google Patents

油浸紙ソリッドケーブルの製造方法

Info

Publication number
JP2003059360A
JP2003059360A JP2001250284A JP2001250284A JP2003059360A JP 2003059360 A JP2003059360 A JP 2003059360A JP 2001250284 A JP2001250284 A JP 2001250284A JP 2001250284 A JP2001250284 A JP 2001250284A JP 2003059360 A JP2003059360 A JP 2003059360A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
oil
cable
insulating
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001250284A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Ishiyama
浩之 石山
Matsujiro Sugiyama
松次郎 杉山
Satoshi Kunimura
智 國村
Masahiko Ito
雅彦 伊藤
Takenori Nakajima
武憲 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP2001250284A priority Critical patent/JP2003059360A/ja
Publication of JP2003059360A publication Critical patent/JP2003059360A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 300kV以上の油浸紙ソリッドケーブルに
おいて、ヒートサイクル時の絶縁破壊電圧を高めること
のできる製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも紙巻機10と、この紙巻機で
絶縁紙を巻き付けられたケーブルコア1とを被包するカ
バー11を施し、そのカバー内に相対湿度5%程度の乾
燥空気13を吹き流しながら、予め水分量を2.5wt
%以下にした絶縁紙を導体に巻き付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油浸紙ソリッドケ
ーブルの製造方法に関し、特に絶縁紙巻き付け工程にお
ける製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、300kVないし500kVクラ
スの超高圧直流ケーブルとしては、絶縁紙層に低粘度の
絶縁油を含浸し、常に絶縁紙層に油圧を印加するタイプ
のOFケーブルが主に用いられている。
【0003】しかし、直流ケーブルの敷設長さが50〜
100km以上の長距離になったり、敷設ルートが海底
であったりすると、OFケーブルでは長距離にわたって
油圧を一定に印加することが困難になる。このため、こ
のような用途には絶縁油に高粘度油を用い、油圧の印加
を不要としたいわゆるソリッドケーブルが用いられる。
【0004】ところで、敷設長さが50〜100km以
上の長距離直流ケーブルとして用いられるソリッドケー
ブルにあっては、運転電圧が300kV〜500kVの
超高圧となると、以下のような不都合が生じることがあ
る。
【0005】すなわち、通常直流ケーブルでは、その使
用に先立って機能試験として運転電圧の1.5倍から2
倍の直流電圧をヒートサイクル下で印加する直流長期課
電試験が行われる。この際、運転電圧が300kV未満
のクラスのソリッドケーブルでは特に問題はないが、3
00kV〜500kVのクラスのソリッドケーブルでは
ヒートサイクルの冷却期間中に絶縁破壊を起こすことが
あった。
【0006】この原因として考えられることは、ソリッ
ドケーブルでは油圧が印加されないため、ヒートサイク
ルの温度上昇時に絶縁層に含浸されている絶縁油が熱膨
張により外部遮蔽層側に押し出され、温度降下時には押
し出された絶縁油が非加圧のために完全に元に戻りきら
ず、冷却収縮に基づく脱油ボイド(空隙)が生じる。こ
の空隙に電界が変歪される。空隙に電界が変歪される
と、所定値以上の直流電界が空隙に作用し、これにより
空隙が更に押し広げられて大きな電界集中が生じるため
である。
【0007】また、ヒートサイクルの冷却期間中は、油
浸絶縁層の最大電界部がシース側から導体側に移動する
ことも1つの原因となる。
【0008】この問題を解決するため、ソリッドケーブ
ル油浸絶縁層をなす絶縁紙の導体へ巻回時の水分量を
2.5wt%以下とすることにより達成できることを解
明し、このようにして製造されたソリッドケーブルにつ
いては、本出願人は特許出願済である。
【0009】通常の油浸紙ソリッドケーブルの製造時に
おける絶縁紙の巻回は相対湿度が40%〜50%程度の
雰囲気で行われていることが多いが、このような条件で
は巻回される絶縁紙には約5wt%程度の水分が含有さ
れる。
【0010】このような含水量の絶縁紙を巻回して得ら
れる絶縁層では、高粘度絶縁油の含浸前の真空乾燥時に
おいて、絶縁紙に含まれる水分が除去され、絶縁紙の厚
みが減少し、絶縁層をなす絶縁紙の張力、すなわち絶縁
紙の面圧が低下する。
【0011】この状態で高粘度絶縁油を含浸し、油浸絶
縁層とした場合には、上述のヒートサイクルの冷却期間
中に高粘度絶縁油が収縮して空隙が形成されやすくな
り、絶縁破壊につながる。
【0012】これに対して、水分量が2.5wt%以下
である絶縁紙を巻回したものでは、真空乾燥後において
も水分量の減少が少なく、厚みの低下がわずかで、絶縁
紙の面圧が低下することが殆どない。したがって、絶縁
油の収縮によって生ずる空隙は、極きわめてわずかなも
のとなり、ヒートサイクルの冷却期間中の絶縁破壊が起
こりにくいものとなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、予め水分量を2.5wt%以下にした絶縁紙
の導体への巻回及び巻回から乾燥、絶縁油含浸の工程前
まで如何にこの水分量を保持するかにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の油浸紙ソリッド
ケーブルの製造方法は、上記の目的を達成するため、少
なくとも紙巻機と、この紙巻機で絶縁紙を巻き付けられ
たケーブルコアとを被包するカバーを施し、そのカバー
内に相対湿度5%程度の乾燥空気を吹き流しながら、予
め水分量を2.5wt%以下にした絶縁紙を導体に巻き
付けることを特徴とする。
【0015】また、前記の方法で絶縁紙を導体に巻き付
け終えたケーブルコアを収容したパン内に相対湿度5%
程度の乾燥空気を吹き込み、パンを密封状態にしておく
ことを特徴とする。
【0016】上記の方法によれば、予め水分量を2.5
wt%以下にした絶縁紙の水分量を乾燥・含浸工程まで
保持できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
【0018】先ず、本発明に係わる油浸紙ソリッドケー
ブルの製造工程のフローを図3に示す。図の工程におい
て特に本発明に係わる工程は紙巻−乾燥−浸油の工程で
あり、これらの工程について順に説明する。
【0019】絶縁紙の巻き付け時の水分量を2.5wt
%以下とするには、絶縁紙を加熱ロールや乾燥炉に通過
させて乾燥しておく方法がある。
【0020】ここで使用される絶縁紙としては、厚みが
50〜200μmで、密度が0.9〜1.2g/cm3
の高密度紙が望ましく、これを用いることで巻き付け時
の巻き張力を高くすることができる。
【0021】また、絶縁紙としてクラフト紙またはポリ
プロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系のプ
ラスチックフィルムをクラフト紙にラミネートした複合
絶縁紙を使用することができる。
【0022】上記の絶縁紙を、図1に示したように、紙
巻機10とケーブルコア1とを覆うカバー11を施し
て、そのカバー11内に相対湿度5%程度の乾燥空気1
3を吹き流しながら、より線導体3の周りに巻き付けて
所定厚さの絶縁層を形成する。なお絶縁層の最内層と最
外層にはカーボン紙、金属化紙などを巻き付けて遮蔽層
を設けている。
【0023】紙巻機10は、多数の絶縁紙パット15を
有する(2個のみ図示)紙巻ヘッド17(多数の紙巻ヘ
ッドの内2個のみ図示)と引取キャタピラ19とから構
成されている。
【0024】また、パン20は、回転台21の上に載せ
られて回転するものであり、パン20が回転することに
よりケーブルコア1がコイル状に巻き取られる。
【0025】そして、図2に示すように、ケーブルコア
1をコイル取り収容したパン20内に相対湿度5%程度
の乾燥空気13を吹き込み、プラスチック等で密封22
して次工程の乾燥工程へ送られる。
【0026】電気的性能上からケーブル絶縁層の水分は
0.1%以下であることが要求されることから、ケーブ
ルコアの乾燥が必要とされる。
【0027】乾燥は真空加熱によって行なわれ、上記の
パン20の密封22を取除いてパン20を乾燥釜に投入
され、加熱と同時に真空引きされる。乾燥には乾燥釜の
壁からの蒸気加熱と、ケーブルコア1の導体への通電加
熱とが併用される。
【0028】次に浸油工程に入る。上記の乾燥完了後、
その真空度を保持したまま降温して所定の温度、例えば
60℃に降下した時点で、十分脱気された高粘度の絶縁
油をパン内に注入し、含浸を開始する。高粘度絶縁油と
しては、60℃での動粘度が500〜10000cst
で、120℃での動粘度が50〜500cstのものが
好ましく、動粘度がこれら範囲未満では油浸絶縁体から
の脱油の問題が生じ、これら範囲を超えると絶縁体への
高粘度絶縁油の含浸性が劣ることになる。
【0029】加圧含浸したのち常温付近まで冷却し、乾
燥釜から取り出して次工程である被鉛に送られる。
【0030】被鉛され、鉛被上にクロロプレン、ビニ
ル、ポリエチレンなどの防食シースを設ける。
【0031】海底ケーブル等の場合には、防食シースの
上に座床テープを巻き、その上に鋼帯等を巻く鎧装を設
ける。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
による油浸紙ソリッドケーブルは、300kV〜500
kVクラスのソリッドケーブルにおける直流長期課通電
試験のヒートサイクルの冷却期間中に発生する低電圧で
の絶縁破壊を防止することができる。
【0033】また、製造が容易かつ製造コストを十分低
減して上記の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る絶縁紙を導体に巻き付ける紙巻機
を説明する概略構成図である。
【図2】本発明の製造方法において用いられるケーブル
コアを収容するパンを示す説明図である。
【図3】本発明に係る油浸紙ソリッドケーブルの製造工
程を示す工程図である。
【符号の説明】
1 ケーブルコア 3 ケーブル導体 10 紙巻機 11 カバー 13 乾燥空気 20 パン 22 密封材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 國村 智 千葉県富津市新富町42−1 株式会社フジ クラ富津事業所内 (72)発明者 伊藤 雅彦 千葉県富津市新富町42−1 株式会社フジ クラ富津事業所内 (72)発明者 中島 武憲 東京都江東区木場1−5−1 株式会社フ ジクラ内 Fターム(参考) 5G327 DA01 DC01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも紙巻機と、この紙巻機で絶縁
    紙を巻き付けられたケーブルコアとを被包するカバーを
    施し、そのカバー内に相対湿度5%程度の乾燥空気を吹
    き流しながら、予め水分量を2.5wt%以下にした絶
    縁紙を導体に巻き付けることを特徴とする油浸紙ソリッ
    ドケーブルの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法で絶縁紙を導体に巻
    き付け終えたケーブルコアを収容したパン内に相対湿度
    5%程度の乾燥空気を吹き込み、パンを密封状態にして
    おくことを特徴とする油浸紙ソリッドケーブルの製造方
    法。
JP2001250284A 2001-08-21 2001-08-21 油浸紙ソリッドケーブルの製造方法 Pending JP2003059360A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001250284A JP2003059360A (ja) 2001-08-21 2001-08-21 油浸紙ソリッドケーブルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001250284A JP2003059360A (ja) 2001-08-21 2001-08-21 油浸紙ソリッドケーブルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003059360A true JP2003059360A (ja) 2003-02-28

Family

ID=19079140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001250284A Pending JP2003059360A (ja) 2001-08-21 2001-08-21 油浸紙ソリッドケーブルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003059360A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5238137B2 (ja) * 1972-12-13 1977-09-27
JPS5814418A (ja) * 1981-07-16 1983-01-27 住友電気工業株式会社 Ofケ−ブルの製造方法
JPS60170114A (ja) * 1984-02-10 1985-09-03 住友電気工業株式会社 Ofケ−ブルの製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5238137B2 (ja) * 1972-12-13 1977-09-27
JPS5814418A (ja) * 1981-07-16 1983-01-27 住友電気工業株式会社 Ofケ−ブルの製造方法
JPS60170114A (ja) * 1984-02-10 1985-09-03 住友電気工業株式会社 Ofケ−ブルの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20120057823A (ko) 라미네이팅 동판 시스를 갖는 전력케이블
JPS6246927B2 (ja)
JPH11339577A (ja) 遮水ケーブルの製造方法およびこれにより得られた遮水ケーブル
JP2003059360A (ja) 油浸紙ソリッドケーブルの製造方法
JP3533290B2 (ja) 油浸紙ソリッドケーブル
GB393694A (en) Improvements in electric cables
JP3614484B2 (ja) 高粘度油浸絶縁ケーブル
JPS6023854Y2 (ja) ゴム、プラスチツク絶縁電力ケ−ブル
JP2003059362A (ja) 油浸紙ソリッドケーブルの製造方法
KR20120057824A (ko) 평활 금속시스를 갖는 전력케이블
JP2011216292A (ja) 直流油浸電力ケーブル
US2093445A (en) Electric cable
JP2002075074A (ja) 直流油浸絶縁ケーブル
JP3819098B2 (ja) 油浸電力ケーブルおよびその布設方法
JP2002245867A (ja) 直流油浸ソリッドケーブル
JPS637407B2 (ja)
JP2002150852A (ja) パイプタイプゴム又はプラスチック絶縁電力ケーブル
JP3907747B2 (ja) 油浸紙ソリッドケーブルの製造方法
JPS5816412A (ja) ゴム、プラスチツク絶縁電力ケ−ブルの製造方法
JP2000276954A (ja) 油浸ソリッド電力ケーブルおよびその製造方法
JP3547563B2 (ja) 直流油浸電力ケーブル
JPS6137723B2 (ja)
JPS581929Y2 (ja) プラスチツク絶縁電力ケ−ブル
JPH10248154A (ja) 油浸電力ケーブルの接続部
JPS5832176Y2 (ja) 電力ケ−ブル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080527

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110906

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120110