JP2003057900A - ローラ用組成物およびそれを用いて製造される導電性ローラ - Google Patents

ローラ用組成物およびそれを用いて製造される導電性ローラ

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JP2003057900A
JP2003057900A JP2001244369A JP2001244369A JP2003057900A JP 2003057900 A JP2003057900 A JP 2003057900A JP 2001244369 A JP2001244369 A JP 2001244369A JP 2001244369 A JP2001244369 A JP 2001244369A JP 2003057900 A JP2003057900 A JP 2003057900A
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molecule
conductive
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Takao Manabe
貴雄 眞鍋
Jun Kamite
純 上手
Hidenari Tsunemi
常深  秀成
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オキシアルキレン系重合体を主成分とするヒド
ロシリル化付加型硬化性組成物に導電性付与剤を添加し
た組成物を用いて製造される導電性ローラにおいては、
硬度の細かな調整が難しく、簡易な調整手段が求められ
ていた。 【解決手段】分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化
反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキレン系重
合体、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有す
る化合物、ヒドロシリル化触媒、および、導電性付与
剤、を必須成分とするローラ用組成物において、分子中
に含有する平均ヒドロシリル基数が異なる2種以上のヒ
ドロシリル基含有化合物を併用してなる組成物を用い
て、導電性ローラを製造することにより、上記目的を達
成するに至った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はローラ用組成物およ
びそれを用いて製造される導電性ローラに関する。さら
に詳しくは、例えば、レーザービームプリンター、ファ
クシミリ、これらを複合したOA機器などの、電子写真
方式を採用した画像記録装置に組み込まれる帯電ロー
ラ、現像ローラ、転写ローラ、給紙ローラ、クリーニン
グローラ、定着用の加圧ローラなどの導電性ローラの製
造に用いられるローラ用組成物、ならびに導電性ローラ
に関する。
【0002】
【従来の技術】オキシアルキレン系重合体を主成分とす
るヒドロシリル化付加型硬化性組成物に導電性付与剤を
添加し、これを導電性シャフトの周りに硬化させて導電
性ローラを製造することは公知である(特開平7−30
0564号公報、特開2000−119507号公報
等)。このような導電性ローラにおいては、用途に応じ
て硬度の異なるローラを効率的に製造することが必要と
されていた。また、用いる原料の品質バラツキにより、
ローラの硬度が上昇する、若しくは、低下するという問
題が発生することもあり、硬度を容易に状況に応じて調
整する手段が必要とされていた。硬度の調整という課
題、特に、硬度を上げるという課題に対しては、充填剤
等の添加という手段を用いることも知られているが、充
填剤を添加すると粘度の上昇による作業性あるいは生産
性の低下を招くため、充填剤の添加以外にも硬度の調整
を可能とする手法が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実状
を鑑みてなされたものであり、硬度調整の容易なローラ
用組成物および導電性ローラを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、分子中に少なくとも
1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する
オキシアルキレン系重合体、分子中に少なくとも2個の
ヒドロシリル基を有する化合物、ヒドロシリル化触媒、
および、導電性付与剤、を必須成分とするローラ用組成
物において、分子中に含有する平均ヒドロシリル基数が
異なる2種以上のヒドロシリル基含有化合物を併用する
ことで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を
なすに至った。
【0005】すなわち、本発明は、(A)分子中に少な
くとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を
有するオキシアルキレン系重合体、(B)分子中に少な
くとも2個のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒ
ドロシリル化触媒、(D)導電性付与剤を必須成分とす
るローラ用組成物において、分子中に含有する平均ヒド
ロシリル基数が異なる2種以上のヒドロシリル基含有化
合物を併用することを特徴とするローラ用組成物およ
び、このローラ用組成物を導電性シャフトのまわりに硬
化させて得られる導電性ゴム弾性層を形成してなる導電
性ローラに関するものである。
【0006】前記(A)成分の重合体としては、ヒドロ
シリル化反応可能なアルケニル基が分子末端に含有され
てなるものが好ましく、(A)成分の重合体の数平均分
子量は1000〜50000の範囲内であることが好ま
しく、(A)成分としては、分子中に少なくとも1個の
ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシ
プロピレン系重合体が好ましい。
【0007】前記(B)成分の分子中にヒドロシリル基
を有する化合物としては、平均して1分子中に少なくと
も2個のヒドロシリル基を含有するポリオルガノハイド
ロジェンシロキサンが好ましい。前記(D)成分の導電
性付与剤としては、カーボンブラックが好適に用いられ
る。
【0008】また本発明は、(A)分子中に少なくとも
1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する
オキシアルキレン系重合体、(B)分子中に少なくとも
2個のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシ
リル化触媒、(D)導電性付与剤からなり、(B)成分
として、分子中に含有する平均ヒドロシリル基数が異な
る2種以上の化合物を併用するローラ用組成物を用いる
ことを特徴とするローラの導電性ゴム弾性層の硬度の調
整方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いる(A)成分は、分
子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアル
ケニル基を有するオキシアルキレン系重合体である。
【0010】ここで、アルケニル基とは、ヒドロシリル
化反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基
であれば特に制限されるものではない。アルケニル基と
しては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペ
ニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の
脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロ
ブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基
等の環式不飽和炭化水素基、メタクリル基等が挙げられ
る。(A)成分のオキシアルキレン系重合体のアルケニ
ル基の数は、硬化剤である(B)成分とヒドロシリル化
反応するために少なくとも1個必要であるが、良好なゴ
ム弾性を得る観点からは、直鎖状分子の場合は、分子の
両末端に2個のアルケニル基を有し、分岐のある分子の
場合は、分子末端に2個以上のアルケニル基を有するこ
とが好ましい。本発明における(A)成分は、上記ヒド
ロシリル化反応可能なアルケニル基を重合体末端に導入
されていることが望ましい。このようにアルケニル基が
重合体末端にあるときは、低硬度、高強度のゴム弾性層
を有するローラが得られやすくなるなどの点から好まし
い。
【0011】ここで、重合体中にアルケニル基を導入す
る方法としては、例えば末端、主鎖あるいは側鎖に水酸
基、アルコキシド基等の官能基を有する有機重合体に、
上記官能基に対して反応性を示す活性基及びアルケニル
基を有する有機化合物を反応させることによりアルケニ
ル基を末端、主鎖あるいは側鎖に導入する方法が挙げら
れるが、これに限定されるわけではない。また、上記官
能基に対して反応性を示す活性基及びアルケニル基を有
する有機化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル
酸、ビニル酢酸、アクリル酸クロライド、アクリル酸ブ
ロマイド等のC 3−C20の不飽和脂肪酸、酸ハライド、
酸無水物等やアリルクロロホルメート(CH2=CHC
2OCOCl)、アリルブロモホルメート(CH2=C
HCH2OCOBr)等のC3−C20の不飽和脂肪酸置換
炭酸ハライド、アリルクロライド、アリルブロマイド、
ビニル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチ
ル)ベンゼン、アリル(ブロモメチル)ベンゼン、アリ
ル(クロロメチル)エーテル、アリル(クロロメトキ
シ)ベンゼン、1−ブテニル(クロロメチル)エーテ
ル、1−ヘキセニル(クロロメトキシ)ベンゼン、アリ
ルオキシ(クロロメチル)ベンゼン等が挙げられる。
【0012】本発明におけるオキシアルキレン系重合体
とは、主鎖を構成する単位のうち30%以上、好ましく
は50%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体を
いい、オキシアルキレン単位以外に含有される単位とし
ては、重合体製造時の出発物質として使用される、活性
水素を2個以上有する化合物、たとえば、エチレングリ
コール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメ
チロールプロパン、ペンタエリスリトール等からの単位
が挙げられる。本発明においては、入手性の点などか
ら、特に、オキシプロピレン系重合体が好ましい重合体
として挙げられる。なお、オキシプロピレン系重合体の
場合には、エチレンオキシド、ブチレンオキシド等から
なる単位との共重合体(グラフト重合体も含む)であっ
てもよい。
【0013】上記のような(A)成分のオキシアルキレ
ン系重合体の分子量としては、反応性および低硬度化の
バランスをよくする観点から、数平均分子量(Mn)で
1000〜50000、さらには5000〜30000
であることが好ましい。数平均分子量が1000未満の
場合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械
的特性(ゴム硬度、伸び率)等が得られにくくなる。一
方、数平均分子量があまり大きくなりすぎると、分子中
に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくな
ったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が
不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて
加工性が悪くなる傾向にある。
【0014】本発明においては、通常、ポリスチレンゲ
ルを充填したカラムを用いたゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)により重合体の分子量を求め
ている。
【0015】本発明における(B)成分は、硬化剤とし
て使用されるものであり、分子内に2個以上のヒドロシ
リル基を含有するものであれば、制限はない。ここで、
ヒドロシリル基とはSi−H結合を有する基を表わす
が、本発明においては、同一ケイ素原子(Si)に水素
原子(H)が2個結合している場合は、ヒドロシリル基
2個と計算する。
【0016】(B)成分としては、ポリオルガノハイド
ロジェンシロキサンが好ましいものの一つとして挙げら
れる。ここで言うポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ンとは、ケイ素原子上に炭化水素基あるいは水素原子を
有するシロキサン化合物を指す。その構造について具体
的に示すと、
【0017】
【化1】 (2<m+n≦50、2<m、0≦n、Rとしては主鎖
の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基
を含有してもよい。)
【0018】
【化2】 (0<m+n≦50、0<m、0≦n、Rとしては主鎖
の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基
を含有してもよい。)
【0019】
【化3】 (3≦m+n≦20、2<m≦19、0≦n<18、R
としては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上
のフェニル基を含有してもよい。)などで示される鎖
状、環状のものや、これらのユニットを2個以上有する
【0020】
【化4】 (1≦m+n≦50、1≦m、0≦n、Rとしては主鎖
の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基
を含有してもよい。2≦l、R2は2〜4価の有機基で
あり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造に
よってはなくてもよい。)
【0021】
【化5】 (0≦m+n≦50、0≦m、0≦n、Rとしては主鎖
の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基
を含有してもよい。2≦l、R2は2〜4価の有機基で
あり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造に
よってはなくてもよい。)
【0022】
【化6】 (3≦m+n≦50、1≦m、0≦n、Rとしては主鎖
の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基
を含有してもよい。2≦l、R2は2〜4価の有機基で
あり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造に
よってはなくてもよい。)などで示されるものが挙げら
れる。
【0023】またこれら(B)成分の使用にあたって
は、(A)成分や(C)成分、および(D)成分との相
溶性、あるいは系中における分散安定性がよいものが好
ましい。特に系全体の粘度が低い場合には、(B)成分
として上記各成分との相溶性の低いものを使用すると、
相分離が起こり硬化不良を引き起こすことがある。
【0024】(A)成分、(C)成分、および(D)成
分との相溶性、あるいは分散安定性が比較的良好なもの
として具体的に示すと、
【0025】
【化7】 (nは6〜12)
【0026】
【化8】 (2<k<30、0<l<10、Rは炭素数8以上の炭
化水素基)などが挙げられる。
【0027】本発明においては、(B)成分について、
分子中に含有される平均ヒドロシリル基数が異なる2種
以上を併用してローラ用組成物および導電性ローラが製
造され、(B)成分は所望のローラ硬度に合わせて特定
の重量比に調整して使用される。このことにより、ロー
ラ硬度の微調整が容易に可能となり、硬度の異なる導電
性ローラを効率的に製造することができる。さらには、
用いるローラ原料の製造時の品質バラツキによる硬度の
上昇または低下という問題に対しても、用いる硬化剤の
種類や量を微調整することで、容易に品質の安定化が可
能となる。具体的に、例えば、(B)成分を1種類単独
で用いて製造されるある特定のローラについて、用いた
ヒドロシリル基含有化合物に比して平均ヒドロシリル基
含有数が多い(B)成分を併用して用いた場合には、ロ
ーラの硬度が上昇し、また、用いたヒドロシリル基含有
化合物に比して平均ヒドロシリル基含有数が少ない
(B)成分を併用して用いた場合には、硬度を下げるこ
とが可能となる。
【0028】また、本発明における(B)成分の使用量
としては、(A)成分のアルケニル基の総量に対して、
(B)成分のヒドロシリル基総量が0.8〜5.0当量
となるように使用することが好ましい。上記(A)成分
のアルケニル基総量に対して(B)成分のヒドロシリル
基総量が0.8当量に満たない場合、架橋が不十分とな
ることがある。また、5.0当量を越える場合には、硬
化後に残留するヒドロシリル基の影響により物性が大き
く変化することが問題となる。特にこの影響を抑制した
い場合には、ヒドロシリル基総量が0.9〜2.0当量
となるように(B)成分を用いることが好ましい。ここ
で、本発明における導電性ローラのローラ硬度は、測定
器としてアスカーC型硬度試験機を用いて測定し、評価
された値である。本発明における導電性ローラのローラ
硬度は、トナーストレス低減等のため70°以下である
ことが好ましく、5〜65°であることがより好まし
い。
【0029】本発明の(C)成分であるヒドロシリル化
触媒については、特に制限はなく、任意のものが使用で
きる。具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、
アルミナ、シリカ、カ−ボンブラック等の担体に固体白
金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体{例
えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt
〔(MeViSiO)4m};白金−ホスフィン錯体
{例えば、Pt(PPh 34、Pt(PBu34};白
金−ホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OP
h)34、Pt〔P(OBu)34}(式中、Meはメ
チル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェ
ニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(aca
c)2、また、Ashbyらの米国特許第315960
1及び3159662号明細書中に記載された白金−炭
化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許
第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ
−ト触媒も挙げられる。
【0030】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、RhCl(PPh33、RhCl 3、Rh/Al
23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3
PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げ
られる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以
上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、
白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、
Pt(acac)2等が好ましい。
【0031】(C)成分の触媒量としては特に制限はな
いが、(A)成分中のアルケニル基1molに対して1
-1〜10-8molの範囲で用いるのがよい。好ましく
は10-2〜10-6molの範囲で用いるのがよい。ま
た、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で腐食性であ
り、また、水素ガスを大量に発生して硬化物が発泡して
しまう場合があるので10-1mol以上用いない方がよ
い。
【0032】本発明における(D)成分である導電性付
与剤とは、本発明の組成物または本発明の組成物を用い
て製造されるローラに導電性を付与する成分である。
(D)成分の導電性付与剤としては、カーボンブラッ
ク、金属酸化物、金属微粉末、アルカリ金属塩、第4級
アンモニウム塩、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エ
ステル基、リン酸エステル基などを有する有機化合物も
しくはポリマー、エーテルエステルイミド、もしくはエ
ーテルイミドポリマー、エチレンオキサイド−エピハロ
ヒドリンコポリマー、メトキシポリエチレングリコール
アクリレートなどで代表される導電性ユニットを有する
化合物、または、ポリエチレングリコール誘導体等の高
分子化合物の帯電防止剤などの化合物などが挙げられ
る。
【0033】上記カーボンブラックの例としては、ファ
ーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラッ
ク、チャンネルブラック、サーマルブラック、オイルブ
ラックなどが挙げられる。これらカーボンブラックの種
類、粒径等に制限はない。
【0034】本発明においては、導電性付与剤の種類お
よび添加量によっては、ヒドロシリル化反応を阻害する
場合があるため、ヒドロシリル化反応に対する影響が少
ない導電性付与剤を用いることが好ましい。
【0035】また、本発明の組成物には、必要に応じ
て、各種基材に対する接着性を向上させるための接着性
付与剤、粘着性付与樹脂を添加することができる。接着
性付与剤の例としては、各種シランカップリング剤やエ
ポキシ樹脂等が挙げられる。特にエポキシ基、メタクリ
ロイル基、ビニル基等の官能基を有するシランカップリ
ング剤は、組成物の硬化性に及ぼす影響も小さく、接着
性の発現にも効果が大きく使いやすい。但し、使用でき
るシランカップリング剤はこれらに限定されるものでは
ない。また、シランカップリング剤やエポキシ樹脂と併
用してこれらの反応触媒を添加することができる。ま
た、粘着性付与樹脂には特に限定はなく、通常、粘着性
付与剤として使用されるものを使用できる。具体例とし
ては、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、シクロペ
ンタジエン−フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン
樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹
脂、ロジンエステル樹脂等が挙げられる。なお、これら
の使用にあたっては、ヒドロシリル化反応に対する影響
を考慮しなければならない。
【0036】また、本発明の組成物には、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、充填剤、顔料等を適宜添加してよい。
【0037】また、本発明の組成物には貯蔵安定性を改
良する目的で、貯蔵安定性改良剤を使用することができ
る。この貯蔵安定性改良剤としては、本発明の(B)成
分の保存安定剤として知られている通常の安定剤であ
り、所期の目的を達成するものであればよく、特に限定
されるものではない。具体的には、脂肪族不飽和結合を
含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒
素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等を好適に
用いることができる。さらに具体的には、2−ベンゾチ
アゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾー
ル、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチ
ルアセチレンダイカルボキシレート、ブチルヒドロキシ
トルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE、
2−(4−モルフォジニルジチオ)ベンゾチアゾール、
3−メチル−1−ブテン−3−オール、アセチレン性不
飽和基含有オルガノシロキサン、エチレン性不飽和基含
有オルガノシロキサン、アセチレンアルコール、3−メ
チル−1−ブチル−3−オール、ジアリルフマレート、
ジアリルマレート、ジエチルフマレート、ジエチルマレ
ート、ジメチルマレート、2−ペンテンニトリル、2,
3−ジクロロプロペン等が挙げられるが、これらに限定
されるわけではない。
【0038】本発明における導電性ローラの製造方法
は,特に限定されず、従来公知の各種ローラの成形方法
を用いることができる。例えば、中心にSUS製等の金
属製シャフトを設置した金型に、組成物を押出成形、プ
レス成形、射出成形、反応射出成形、液状射出成形、注
型成形などの各種成形法により成形し、適切な温度およ
び時間で加熱硬化させて導電性シャフトのまわりに導電
性ゴム弾性層を形成する。ここで、本発明における導電
性ローラの製造方法としては、弾性層を形成するための
組成物が液状であることから、生産性、加工性の点で液
状射出成形が好ましい。この場合、導電性組成物は、半
硬化させた後に、別途後硬化させるプロセスを設けて完
全硬化させてもよい。
【0039】本発明においては、例えば、貴金属触媒を
用いたアルケニル基に対するSi−H基の付加反応によ
って硬化する。従って、硬化速度が非常に速く、ライン
生産を行う上で好都合である。本発明の組成物を熱硬化
させる温度は、80℃〜180℃の範囲内が好ましい。
80℃以上になると、急激にヒドロシリル化反応が進行
し、短い時間で硬化させることができる。
【0040】本発明における導電性ローラは、さらに必
要に応じて、前記導電性ゴム弾性層の外側に単数または
複数の被覆層を設けてもよい。例えば、導電性ゴム弾性
層の上から、被覆層を構成する樹脂をスプレー塗布、デ
ィップ塗布、ロールコート等の方法を用いて所定の厚み
に塗布し、所定の温度で乾燥、硬化させることにより、
該導電性ゴム弾性層の被覆層を形成することができる。
【0041】被覆層の具体的主成分としては、特に制限
はないが、導電特性と耐摩耗性の観点からは−NHCO
−結合を含有し、また柔軟性等の観点からはポリエーテ
ル、ポリエステル、ポリカーボネート骨格を有する樹脂
を主な組成とする樹脂組成物からなっていればよく、ポ
リアミドやポリウレタンと、ポリエーテル、ポリエステ
ル、ポリカーボネートとのブレンド樹脂、1分子中に−
NHCO−結合とポリエーテル、ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリシロキサンからなる群において選ばれ
る少なくとも1つの骨格を含有するポリウレタン系樹脂
等であってもよい。また、被覆層には抵抗調整、表面形
状の調整あるいは導電性弾性層に対する接着性等の観点
から、導電性付与剤、各種フィラーあるいはシランカッ
プリング剤の各種添加剤を必要に応じて添加してもよ
い。
【0042】被覆層の塗布方法に特に制限はないが、例
えば上記の樹脂を溶剤に溶かして固形分を5〜15%に
してスプレーあるいはディッピング塗布する方法が簡便
である。この際、被覆層溶液の被膜性を改善するため
に、レベリング剤等の各種添加剤を必要に応じて添加し
てもよい。本発明の導電性ローラは、具体的には、例え
ば、電子写真装置用の帯電ローラ、現像ローラ、転写ロ
ーラ、給紙ローラ、クリーニングローラ、定着用の加圧
ローラ等に好適である。
【0043】
【実施例】以下の実施例に基づき本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。 (実施例1)(A)成分としてのアリル末端ポリオキシ
プロピレン(商品名ACX004−N、鐘淵化学工業
製)500gに対して、(D)成分としてカーボンブラ
ック#3030B(三菱化学製)を70g加え、3本ロ
ールで混練した混合物に、ついで、(B)成分として以
下の平均分子式で表される化合物B1を7g、
【0044】
【化9】 および、以下の平均分子式で表される化合物B2を13
【0045】
【化10】 さらに、(C)成分として、ビス(1,3−ジビニル−
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体
触媒(白金含有量3wt%、キシレン溶液)を350μ
L、そして貯蔵安定性改良剤として、ジメチルマレート
を170μL秤取し、均一混合した。該組成物を真空脱
泡撹拌装置(シーテック(株)製)で90分間脱泡を行
ったあと、得られた導電性組成物をローラ成形用金型に
射出圧1MPaで注入し、150℃で20分加熱の条件
で直径8mmのSUS製のシャフトの周りに厚さ3m
m、長さ230mmの導電性弾性層を設けた導電性ロー
ラを10本作成した。このようにして得られたローラに
ついて、測定器としてアスカーC型硬度試験機を用いて
ローラ硬度の評価を行い、結果を表1に示した。 (実施例2)実施例1記載の処方について、(B)成分
として、化合物B2を18g、以下の平均分子式で表さ
れる化合物B3を11g用い、あとは同様にしてローラ
を作成した。このようにして得られたローラについて、
ローラ硬度の評価を行い、結果を表1に示した。
【0046】
【化11】 (実施例3)実施例1記載の処方について、(B)成分
として、化合物B2の添加量を13g、化合物B3の添
加量を17gにして、あとは同様にしてローラを作成し
た。このようにして得られたローラについて、ローラ硬
度の評価を行い、結果を表1に示した。 (実施例4)実施例1記載の処方について、(B)成分
として、化合物B2の添加量を8g、化合物B3の添加
量を22gにして、あとは同様にしてローラを作成し
た。このようにして得られたローラについて、ローラ硬
度の評価を行い、結果を表1に示した。 (参考例1)実施例1記載の処方について、(B)成分
として化合物B2を26g用い、あとは同様にしてロー
ラを作成した。このようにして得られたローラについ
て、ローラ硬度の評価を行い、結果を表1に示した。
【0047】
【表1】 以上に示したように、本発明によれば、ローラの硬度の
調整が容易に行うことができる。
【0048】
【発明の効果】本発明により、ローラの硬度の調整を容
易に行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 13/00 F16C 13/00 E 4J002 G03G 15/02 101 G03G 15/02 101 15/08 501 15/08 501D 15/16 103 15/16 103 15/20 101 15/20 101 Fターム(参考) 2H033 BB29 BB30 BB31 2H071 BA43 2H077 AD06 FA13 FA27 2H200 FA18 HA02 HA28 HB12 HB45 HB46 JA02 JA25 JA26 JB10 MA04 MA11 MA12 MA13 MB01 3J103 AA02 AA21 BA41 EA02 EA11 FA15 GA02 GA58 GA60 HA03 HA12 HA20 4J002 CH05W CP03X CP04X DA038 DA068 DE048 EF008 EN138 EV188 EV238 EW028 EX036 EX046 FD05 FD07 FD118 FD147 FD33 FD34 GM00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)分子中に少なくとも1個のヒドロ
    シリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキ
    レン系重合体 (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有す
    る化合物 (C)ヒドロシリル化触媒 (D)導電性付与剤 からなるローラ用組成物において、(B)成分として、
    分子中に含有する平均ヒドロシリル基数が異なる2種以
    上の化合物を併用することを特徴とするローラ用組成
    物。
  2. 【請求項2】 (A)成分の重合体中、ヒドロシリル化
    反応可能なアルケニル基が分子末端に含有されてなる請
    求項1に記載のローラ用組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分の重合体の数平均分子量が1
    000〜50000の範囲内である請求項1または2に
    記載のローラ用組成物。
  4. 【請求項4】 (A)成分が、分子中に少なくとも1個
    のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するオキ
    シプロピレン系重合体である請求項1〜3のいずれか1
    項に記載のローラ用組成物。
  5. 【請求項5】 (B)成分の分子中にヒドロシリル基を
    有する化合物が、平均して1分子中に少なくとも2個の
    ヒドロシリル基を含有するポリオルガノハイドロジェン
    シロキサンである請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    ローラ用組成物。
  6. 【請求項6】 (D)成分の導電性付与剤が、カーボン
    ブラックである請求項1〜5のいずれか1項に記載のロ
    ーラ用組成物。
  7. 【請求項7】 導電性シャフトの周りに、請求項1〜6
    のいずれか1項に記載のローラ用組成物を硬化させて得
    られる導電性ゴム弾性層を形成してなる導電性ローラ。
  8. 【請求項8】 ローラ硬度が70°以下であることを特
    徴とする請求項7記載の導電性ローラ。
  9. 【請求項9】 (A)分子中に少なくとも1個のヒドロ
    シリル化反応可能なアルケニル基を有するオキシアルキ
    レン系重合体 (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有す
    る化合物 (C)ヒドロシリル化触媒 (D)導電性付与剤 からなり、(B)成分として、分子中に含有する平均ヒ
    ドロシリル基数が異なる2種以上の化合物を併用するロ
    ーラ用組成物を用いることを特徴とするローラの導電性
    ゴム弾性層の硬度の調整方法。
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